特許第6286858号(P6286858)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286858
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】入退管理システム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20180226BHJP
   G07C 9/00 20060101ALI20180226BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   E05B49/00 J
   E05B49/00 H
   G07C9/00 Z
   G08B25/04 F
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-86731(P2013-86731)
(22)【出願日】2013年4月17日
(65)【公開番号】特開2014-211015(P2014-211015A)
(43)【公開日】2014年11月13日
【審査請求日】2016年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和政
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】荻原 和也
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/131930(WO,A1)
【文献】 特開2009−235763(JP,A)
【文献】 特開2008−027140(JP,A)
【文献】 特開2008−057112(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0078782(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内の管理区域に設けられた入退口の扉を施錠及び解錠可能な電気錠と、
利用者によって所持されると共に第1固有情報が記録されてなる無線タグと無線通信を行う無線通信手段を備え、前記管理区域の外部及び内部の所定範囲を通信範囲とする無線タグリーダとして外部側無線タグリーダ及び内部側無線タグリーダと、
利用者によって所持されると共に第2固有情報が記録されてなる記録媒体を非接触通信にて読み取る非接触読取部として前記管理区域の外部に設けられる外部側非接触読取部及び前記管理区域の内部に設けられる内部側非接触読取部と、
複数の前記第1固有情報と、それら前記第1固有情報にそれぞれ対応する複数の前記第2固有情報とを対応付けた対応データをそれぞれ登録する登録部と、
前記無線タグリーダによる無線通信結果、及び前記非接触読取部による非接触通信結果に基づき、前記無線タグリーダによって読み取られた前記第1固有情報と、前記非接触読取部によって読み取られた前記第2固有情報とが、前記登録部にて対応付けられた規定の対応関係であるか否かを判断する判断部と、
少なくとも前記非接触読取部によって読み取られた前記第2固有情報が前記登録部に登録された正規の固有情報であることを条件として前記電気錠を解錠する電気錠制御部と、
前記無線タグリーダによって前記無線タグの前記第1固有情報が読み取られた場合において前記第1固有情報と前記規定の対応関係にある前記第2固有情報が前記非接触読取部によって所定時間が経過しても読み取られなかった場合に利用者を検知し、その利用者に関する報知を行う報知部と、
を備え
前記報知部は、前記内部側無線タグリーダによって読み取られた前記第1固有情報と前記規定の対応関係にある前記第2固有情報が、当該第1固有情報が読み取られる前の所定時間内に前記外部側非接触読取部によって読み取られている場合には、利用者に関する報知を行わないことを特徴とする入退管理システム。
【請求項2】
前記電気錠制御部は、前記無線タグリーダによって前記無線タグの前記第1固有情報が読み取られ、且つ前記非接触読取部によって前記記録媒体の前記第2固有情報が読み取られ、更に、前記無線タグリーダによって読み取られた前記第1固有情報と、前記非接触読取部によって読み取られた前記第2固有情報とが、前記規定の対応関係である場合に前記電気錠を解錠することを特徴とする請求項1に記載の入退管理システム。
【請求項3】
前記報知部は、前記無線タグリーダによって読み取られた前記無線タグの第1固有情報が前記登録部に登録されていない場合、又は前記非接触読取部によって読み取られた前記記録媒体の第2固有情報が前記登録部に登録されていない場合に報知を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の入退管理システム。
【請求項4】
記報知部は、前記非接触読取部によって前記記録媒体の前記第2固有情報が読み取られた場合において当該第2固有情報と前記規定の対応関係にある前記第1固有情報が前記外部側無線タグリーダによって読み取られていない場合に報知を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の入退管理システム。
【請求項5】
記報知部は、前記内部側無線タグリーダによって前記無線タグの前記第1固有情報が読み取られた場合において当該第1固有情報と前記規定の対応関係にある前記第2固有情報が前記非接触読取部によって読み取られていない場合に報知を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の入退管理システム。
【請求項6】
前記電気錠に対応した情報処理装置として構成されるコントローラと、
前記コントローラと通信可能に構成され、外部からの情報入力が可能に構成された管理装置と、
を備え、
前記登録部、前記判断部、及び前記電気錠制御部は、前記コントローラに設けられており、
前記管理装置は、当該管理装置において前記登録部の登録内容を更新するためのデータが入力され前記登録部の登録内容を更新する更新データが生成された場合に、当該更新データを前記コントローラに送信する送信部を備え、
前記登録部は、前記管理装置から前記コントローラに前記更新データが送信された場合に、前記対応データを当該更新データを反映した内容に更新することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の入退管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な入退管理システムでは、施設内における複数の管理区域(例えば部屋等)の出入口にそれぞれ電気錠及び非接触読取部(カードリーダ等)を設け、これらに接続されるコントローラによって電気錠の施解錠を制御している。例えば管理区域の利用者に対して固有の識別番号が記録されたICカード等を配布し、利用者がICカードをカードリーダに翳した場合、そのICカードに記録された識別番号をカードリーダによって読み取り、登録された正規の識別番号である場合に電気錠を解錠するといった制御を行っている。
【0003】
また、入退管理システムの先行技術としては、例えば、特許文献1のようなものが提供されている。この特許文献1で開示される入退室管理装置は、ドアを施錠する電気錠(1)と、持出制限物品に取り付けられたICタグ(2)のタグIDを読み取るアンテナ(4)と、ICカード(3)に格納された利用者の個人番号を読み取るカードリーダー(5)と、電気錠(1)の動作を制御する電気錠制御部(6)とを備えている。そして、電気錠制御部(6)は、アンテナ(4)が読み取ったタグIDと、カードリーダー(5)が読み取った個人番号との組合せに基づいて、電気錠(1)によるドアの施錠及び解錠を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−299424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した従来の入退管理システムでは、通過権限を有する者(即ち、正規のICカード等を有する者)が解錠操作を行い、電気錠を解錠して管理区域内に入ろうとしたときに、通過権限を有しない者まで一緒に入ってしまうという不正入場(いわゆる「共連れ」)の問題がある。このような不正入場は、管理区域のセキュリティ性の低下を招き、入室者の厳格な管理を困難にするため、不正入場を未然に防ぐ対策(不正入場発生時の報知或いは不正入場の排除等)を適切に行い得る構成が求められている。
【0006】
なお、特許文献1の技術では、物品に付されたICタグ(2)と、利用者が所持するICカード(3)の読取結果に基づいて不正な持ち出しであるか否かを判断しているが、この技術は、あくまで物品を持ち出そうとする者が正規の者か否かを判断するための技術であり、正規通過者の解錠操作に伴う不正入場や不正退出を防ぎうる構成ではなかった。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、正規利用者の解錠操作に伴って第三者が不正入場してしまうことを効果的に抑制し得る入退管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、
施設内の管理区域に設けられた入退口の扉を施錠及び解錠可能な電気錠と、
利用者によって所持されると共に第1固有情報が記録されてなる無線タグと無線通信を行う無線通信手段を備え、前記管理区域の外部及び内部の所定範囲を通信範囲とする無線タグリーダとして外部側無線タグリーダ及び内部側無線タグリーダと、
利用者によって所持されると共に第2固有情報が記録されてなる記録媒体を非接触通信にて読み取る非接触読取部として前記管理区域の外部に設けられる外部側非接触読取部及び前記管理区域の内部に設けられる内部側非接触読取部と、
複数の前記第1固有情報と、それら前記第1固有情報にそれぞれ対応する複数の前記第2固有情報とを対応付けた対応データをそれぞれ登録する登録部と、
前記無線タグリーダによる無線通信結果、及び前記非接触読取部による非接触通信結果に基づき、前記無線タグリーダによって読み取られた前記第1固有情報と、前記非接触読取部によって読み取られた前記第2固有情報とが、前記登録部にて対応付けられた規定の対応関係であるか否かを判断する判断部と、
少なくとも前記非接触読取部によって読み取られた前記第2固有情報が前記登録部に登録された正規の固有情報であることを条件として前記電気錠を解錠する電気錠制御部と、
前記無線タグリーダによって前記無線タグの前記第1固有情報が読み取られた場合において前記第1固有情報と前記規定の対応関係にある前記第2固有情報が前記非接触読取部によって所定時間が経過しても読み取られなかった場合に利用者を検知し、その利用者に関する報知を行う報知部と、
を備え
前記報知部は、前記内部側無線タグリーダによって読み取られた前記第1固有情報と前記規定の対応関係にある前記第2固有情報が、当該第1固有情報が読み取られる前の所定時間内に前記外部側非接触読取部によって読み取られている場合には、利用者に関する報知を行わないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、無線タグリーダによって無線タグの第1固有情報が読み取られた場合において第1固有情報と規定の対応関係にある第2固有情報が非接触読取部によって所定時間が経過しても読み取られなかった場合に利用者を検知し、その利用者に関する報知を報知部によって行うように構成されている。
この構成では、正規利用者(第1固有情報が記録されている無線タグと、第1固有情報と規定の対応関係で対応付けられて登録部に登録されている第2固有情報が記録されている記録媒体と、を所持する者)の解錠操作に伴って第三者が不正に管理区域に入ろうとした場合に当該第三者が検出され易くなる。例えば、第三者が無線タグを所持しつつ正規利用者の解錠操作に乗じて管理区域への入場を試みた場合(非接触読取部による非接触読み取りを行わずに入場を試みた場合)、この無線タグの固有情報と規定の対応関係にある第2固有情報が非接触読取部によって読み取られていないため、報知部によって報知がなされることになり、このような状況を外部に認識させることができる。従って、対応しない記録媒体と無線タグを所持して入場することを抑止する抑止力が生じ、このような状況を外部に認識させて適切な対応を促すことができる。
【0010】
請求項2の発明では、電気錠制御部は、無線タグリーダによって無線タグの第1固有情報が読み取られ、且つ非接触読取部によって記録媒体の第2固有情報が読み取られ、更に、無線タグリーダによって読み取られた第1固有情報と、非接触読取部によって読み取られた第2固有情報とが、規定の対応関係である場合に電気錠を解錠するようになっている。
この構成では、正規の利用者(第1固有情報が記録された無線タグと、第1固有情報と規定の対応関係にある第2固有情報が記録された記録媒体とを所持する者)が解錠操作を行った場合に限り電気錠を解錠するため、無線タグを所持せずに記録媒体の非接触通信を試みたり、規定対応関係にない無線タグを所持して記録媒体の非接触通信を試みた場合に入場を阻止することができる。
【0011】
請求項3の発明では、報知部は、無線タグリーダによって読み取られた無線タグの第1固有情報が登録部に登録されていない場合、又は非接触読取部によって読み取られた記録媒体の第2固有情報が登録部に登録されていない場合に報知を行うようになっている。
この構成では、登録部に登録されていない第1固有情報が記録された無線タグや、登録部に登録されていない第2固有情報が記録された記録媒体が読み取られた場合に報知を行うことができるため、このような無線タグや記録媒体を所持する者が解錠操作を行った場合は勿論のこと、このような者が通信エリア内に存在する場合にもその状態を外部に知らしめることができる。
【0012】
請求項4の発明では、報知部は、非接触読取部によって記録媒体の第2固有情報が読み取られた場合において当該第2固有情報と規定の対応関係にある第1固有情報が外部側無線タグリーダによって読み取られていない場合に報知を行うようになっている。
この構成では、無線タグを所持せずに記録媒体のみを所持して解錠操作を行う利用者や、正規の無線タグではない無線タグ(記録媒体に対応しない無線タグ)を所持して解錠操作を行う利用者をより確実に検知し、その事実を外部に知らしめることができる。
【0013】
請求項5の発明では、報知部は、内部側無線タグリーダによって無線タグの第1固有情報が読み取られた場合において当該第1固有情報と規定の対応関係にある第2固有情報が非接触読取部によって読み取られていない場合に報知を行うようになっている。
この構成では、例えば、正規の利用者(第1固有情報が記録された無線タグと、第1固有情報と規定の対応関係にある第2固有情報が記録された記録媒体とを所持する者が記録媒体による非接触通信を行わずに管理区域の内部に入った場合や、無線タグのみを所持する第三者が共連れにより管理区域の内部に入った場合、或いは、正規対応でない無線タグと記録媒体を所持する第三者が共連れにより管理区域の内部に入った場合に、その事実をより確実に検知し、外部に知らしめることができる。
【0014】
請求項6の発明では、電気錠に対応した情報処理装置として構成されるコントローラと、コントローラと通信可能に構成され、外部からの情報入力が可能に構成された管理装置と、を備えている。また、登録部、判断部、及び電気錠制御部は、コントローラに設けられている。また、管理装置は、当該管理装置において登録部の登録内容を更新するためのデータが入力され登録部の登録内容を更新する更新データが生成された場合に、当該更新データをコントローラに送信する送信部を備えている。そして、登録部は、管理装置からコントローラに更新データが送信された場合に、対応データを当該更新データを反映した内容に更新するようになっている。
この構成では、管理装置側で更新データを用意し、電気錠に対応して設けられたコントローラ内の登録部の登録内容を書き換えることができる。従って、管理者は管理装置側で更新データの準備及び更新作業を行うことができ、管理装置側で対応することが望まれる場合(管理者が管理装置側に常駐する場合や、コントローラと管理装置が離れており、効率面を考慮して管理装置側で一括対応したい場合など)において有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る入退管理システムを概略的に例示する説明図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係る入退管理システムにおいて、扉付近を平面視した状態を概略的に示す説明図である。
図3図3は、図1の入退管理システムに用いられる管理サーバ及び入退コントローラの電気的構成を概略的に例示する説明図である。
図4図4(A)は、図1の入退管理システムに用いられるRFタグリーダの電気的構成を例示するブロック図である。図4(B)は、図1の入退管理システムに用いられるRFタグの電気的構成を例示するブロック図である。
図5図5は、図1の入退管理システムに用いられる入退端末を概略的に例示する説明図である。
図6図6(A)は、図1の入退管理システムに用いられる入退端末の電気的構成を例示するブロック図である。図6(B)は、図1の入退管理システムに用いられるICカードの電気的構成を例示するブロック図である。
図7図7は、図1の入退管理システムで行われる入場時の認証処理の流れを例示するフローチャートである。
図8図8は、各個人に対する第1固有情報(第1固有ID)と第2固有情報(第2固有ID)との対応データの一例を概念的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(入退管理システムの構成)
まず、第1実施形態に係る入退管理システム1(以下、単にシステム1ともいう)の全体構成の概要について説明する。
図1に示す入退管理システム1は、セキュリティエリア3の入退口5での通過を管理するシステムとして構成されている。この入退管理システム1では、施設内(施設2の内部)の所定位置(例えば、所定の管理室等)において、当該システムの全体的な制御を行い得る管理サーバ10が設けられている。この管理サーバ10は、「管理装置」の一例に相当するものであり、後述の入退コントローラ20と通信可能に構成され、外部からの情報入力(例えば、作業者が操作部15を操作することによる情報入力や、外部装置から通信部12に情報を送信することによる情報入力など)が可能となるように構成されている。なお、施設2は、例えば企業や公的機関などの建物などであってもよく、店舗などであってもよい。
【0017】
また、施設2には、1又は複数の部屋によって構成される管理区域、或いは階全体、或いは棟全体等として構成される管理区域が設けられている。セキュリティエリア3は、このような管理区域として構成されており、このセキュリティエリア3には、扉7と、電気錠9と、入退コントローラ20と、RFタグリーダ30と、入退端末40とが設けられている。なお、以下の説明では、セキュリティエリア3が1つの部屋として構成され、入退口5がこの部屋の出入口(開口部)として構成された例を代表例として説明するが、セキュリティエリア3の構成はこれに限定されないことは勿論である。
【0018】
図1のセキュリティエリア(管理区域)3は、オフィス、会議室、倉庫、店舗等の様々な用途に用いられるものであり、1つのフロアとして区切られた構成となっている。なお、セキュリティエリア3は、施設2内に1つだけ設けられていてもよく、2以上設けられていてもよい。
【0019】
扉7は、開口部として構成された入退口5(出入口)を開放及び閉塞可能な公知の扉として構成されており、例えば、スライド式、或いは回動式のものとして構成されている。本構成では、扉7が入退口5を閉塞しているときには、セキュリティエリア3への人の入場及びセキュリティエリア3からの人の退場ができないようになっており、扉7が入退口5を閉塞していないときに、入退口5を人が通ることが可能となっている。
【0020】
電気錠9は、セキュリティエリア3の入退口5に設けられた扉7を施錠可能及び解錠可能に構成されており、外部から施錠の指示が与えられているときに扉7を施錠し、外部から解錠の指示が与えられているときに扉7を解錠するように機能するものである。この電気錠9は、制御によって解錠状態と施錠状態とが切替可能なものであればよく、様々な公知の電気錠を用いることができる。本構成では、例えば、通電することにより電気錠内部の電磁石が動作されて扉7の施解錠を行う電磁式電気錠等が用いられている。また、電気錠9は、入退コントローラ20と電気的に接続されており、入退コントローラ20からの電気信号によって制御される構成となっている。即ち、電気錠9は、入退コントローラ20から解錠の指示を受けているときには解錠状態に切り替わり、入退コントローラ20から施錠の指示を受けているときには施錠状態に切り替わるようになっている。
【0021】
入退コントローラ20は、管理サーバ10、電気錠9、RFタグリーダ30(外部側RFタグリーダ30A、内部側RFタグリーダ30B)及び入退端末40(外部側入退端末40A、内部側入退端末40B)と通信可能に接続されている。そして、入退コントローラ20は、通過許可者データを管理サーバ10から受信可能に構成されると共に、電気錠9に施錠及び解錠の指示を発信するように電気錠9に対応した情報処理装置として構成されている。
【0022】
入退コントローラ20は、図3に示すように、CPU21、通信部22、メモリ23及び表示部24を含んで構成されている。CPU21は、公知の情報処理装置として機能している。メモリ23は、ROM、RAM、不揮発性メモリ、その他の記憶デバイスなどによって構成されており、様々な情報を記憶する機能を有する。通信部22は、公知の有線通信インタフェース、或いは無線通信インタフェースとして構成され、外部装置との間で情報の送受信を行う機能を有する。表示部24は、液晶表示器等の公知の表示装置によって構成され、様々な内容を表示可能に構成されている。
【0023】
RFタグリーダ30は、例えば公知のRFタグリーダによって構成されるものであり、利用者によって所持されるRFタグ100と無線通信を行うことでRFタグ100に記録された情報(利用者の第1固有ID)を読取可能とされている。このRFタグリーダ30は、利用者が所持するRFタグ100から第1固有ID(後述)を読み取った場合に、この第1固有IDを入退コントローラ20に入力するように構成されている。
【0024】
本構成では、RFタグリーダ30として、外部側RFタグリーダ30Aと内部側RFタグリーダ30Bとが設けられている。そして、外部側RFタグリーダ30Aは、セキュリティエリア3の外部の所定範囲(例えば、入退端末40Aの位置を含み、且つ入退口5よりも外部側の所定範囲)を通信範囲とするように、セキュリティエリア3の外部の所定位置に設けられている。なお、図1の例では、外部側RFタグリーダ30Aの通信範囲を、セキュリティエリア3の外部側に設定された二点鎖線にて概念的に示している。また、内部側RFタグリーダ30Bは、セキュリティエリア3の内部の所定範囲を通信範囲とするように、セキュリティエリア3の内部の所定位置(例えば、入退端末40Bの位置を含み、且つ入退口5よりも外部側の所定範囲)に設けられている。なお、図1の例では、内部側RFタグリーダ30Bの通信範囲を、セキュリティエリア3の内部側に設定された二点鎖線にて概念的に示している。
【0025】
RFタグリーダ30のハードウェア構成は、図4(A)のようになっており、制御部31、通信処理部32等を備えている。また、通信処理部32は、図4(A)に示すように、送信回路32b、受信回路32c等を備えている。送信回路32bは、例えば、キャリア発振器、符号化部、変調部及び増幅器等によって構成されている。キャリア発振器は、所定周波数のキャリア(搬送波)を出力しており、符号化部は、制御部31に接続され、制御部31より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)及び符号化部からの送信データが入力されるものであり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。また、増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を設定された増幅率で増幅しており、その増幅信号が送信信号としてアンテナ33に出力されるようになっている。
【0026】
また、アンテナ33には、受信回路32cの入力端子が接続されており、アンテナ33によって受信された電波信号(受信信号)は、受信回路32cに入力されるようになっている。受信回路32cは、例えば、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部等によって構成されており、アンテナ33によって受信された受信信号を増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調している。更に、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化すると共に、復号化部にて復号化し、その復号化された信号を受信データとして制御部31に出力している。
【0027】
なお、RFタグリーダ30は、「無線タグリーダ」の一例に相当するものであり、セキュリティエリア3の外部又は内部の所定範囲を通信範囲とするように構成されている。また、通信処理部32は、「無線通信手段」の一例に相当し、第1固有IDが記録されてなるRFタグ100と無線通信を行うように機能する。具体的には、外部側RFタグリーダ30Aが「外部側無線タグリーダ」の一例に相当し、セキュリティエリア3の外部において扉7に隣接する領域を通信範囲とする構成となっている。また、内部側RFタグリーダ30Bが「内部側無線タグリーダ」の一例に相当し、セキュリティエリア3の内部における扉7に隣接する領域を通信範囲とする構成となっている。
また、
【0028】
RFタグ100は、「無線タグ」の一例に相当し、利用者によって所持されると共に第1固有IDが記録されるように構成されている。具体的には、RFタグ100は、アンテナ33を介して上記通信処理部32と無線通信を行いうる公知のRFタグとして構成されており、例えばRFIDタグとして機能するICチップを内蔵しており、具体的には、図4(B)に示すように、アンテナ101、電源回路102、復調回路103、制御部104、メモリ105、変調回路106、負荷変調回路107、コンデンサ108等を備えている。そして当該RFタグ100を使用する使用者に割り当てられた固有ID(第1固有ID)がメモリ105に記録された構成をなしている。このRFタグ100は、通信処理部32及びアンテナ33より送信された搬送波をアンテナ101にて受信すると、電源回路102において搬送波を整流して動作用電源を生成し、マイクロコンピュータで構成される制御部104及びその他の構成要素に供給するように構成されている。
【0029】
また、RFタグ100では、搬送波に重畳されているアンテナ33からの送信データが復調回路103によって復調され、制御部104に出力されるようになっている。制御部104は、動作用電源が供給されて起動すると、リーダ側からの送信データ(アンテナ33からの送信データ)を受けてメモリ105に記憶されているデータを読み出している。変調回路106は、受信した搬送波を分周した副搬送波を制御部104が出力する応答データによって変調している。更に、アンテナ101には、負荷変調回路107を構成する抵抗及びスイッチの直列回路が並列に接続されており、変調回路106より出力される副搬送波の被変調信号により負荷変調回路107のスイッチがオンオフされることで搬送波が負荷変調され、応答(レスポンス)が返信されるようになっている。なお、図4(A)(B)では、RFタグリーダ30及びRFタグ100の一例を挙げたが、電磁波を媒介として通信を行い得る構成であれば公知の他の構成を用いてもよい。
【0030】
入退端末40は、例えば公知の入退端末によって構成されるものであり、利用者がICカード200等の記録媒体(図略)を当該入退端末40に接触又は近接させたときに、ICカード200に記録された利用者の固有ID(第2固有ID)を読み取る構成となっている。そして、入退端末40は、第2固有IDを読み取った場合に、その読み取った第2固有IDを入退コントローラ20に入力するように構成されている。なお、本構成では、セキュリティエリア3の外部及び内部の所定位置(例えば、扉7に隣接する位置)にそれぞれ入退端末40が設けられている。具体的には、セキュリティエリア3の内部に内部側入退端末40Bが設けられ、セキュリティエリア3の外部には外部側入退端末40Aが設けられている。この構成では、入退口5を通ってセキュリティエリア3の内部(例えば部屋内)に入ろうとする際には、利用者は外部側入退端末40Aにおいて読み取り操作を行うことになる。また、入退口5を通ってセキュリティエリア3の外部(例えば部屋外)に出ようとする際には、利用者は内部側入退端末40Bにおいて読み取り操作を行うことになる。
【0031】
外部側入退端末40A及び内部側入退端末40Bは、ハードウェア的には同様の構成となっており、いずれの入退端末40も、具体的には図5のような外観をなしており、図6(A)のような電気的構成となっている。この入退端末は、制御部41、通信処理部42、アンテナ43、表示部44、操作部47等を備えている。
【0032】
制御部41は、CPU等を備えた公知の情報処理装置として構成されている。通信処理部42は、図6(A)に示すように、送信回路42b、受信回路42c等を備えており、送信回路42bは、例えば、キャリア発振器、符号化部、変調部及び増幅器等によって構成されている。キャリア発振器は、所定周波数のキャリア(搬送波)を出力しており、符号化部は、制御部41に接続され、制御部41より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)及び符号化部からの送信データが入力されるものであり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。また、増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を設定された増幅率で増幅しており、その増幅信号が送信信号としてアンテナ43に出力されるようになっている。
【0033】
また、アンテナ43には、受信回路42cの入力端子が接続されており、アンテナ43によって受信された電波信号(受信信号)は、受信回路42cに入力されるようになっている。受信回路42cは、例えば、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部等によって構成されており、アンテナ43によって受信された受信信号を増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調している。更に、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化すると共に、復号化部にて復号化し、その復号化された信号を受信データとして制御部41に出力している。また、アンテナ43は、例えば図5に示すように入退端末40の前面部付近に配置され、入退端末40付近に翳されたICカード200との間で電波を送受信するように構成されている。
【0034】
表示部44は、液晶表示器やLED等によって構成され、入退端末40によって読み取られた第1固有情報や、当該第1固有情報が通過許可対象であるか否かの判断結果等を表示可能に構成されている。また、操作部47は、例えば操作ボタンとして構成され、図5に示すように入退端末40の前面部付近に配置され、ユーザが操作部47を操作したときに、その操作内容に応じた情報が制御部41に入力されるようになっている。なお、図5では、操作部47を簡略的に図示しているが、この操作部47は、複数のボタンや十字キーなどによって構成されていてもよく、タッチパネルなどによって構成されていてもよい。
【0035】
外部側入退端末40Aは、「非接触読取部」の一例に相当し、ICカード200(記録媒体)がセキュリティエリア3の外部の所定位置に翳されたときに当該ICカード200を非接触通信にて読み取るように機能する。
【0036】
また、ICカード200は、利用者に所持される「記録媒体」の一例に相当するものであり、第2固有情報が記録された構成となっている。このICカード200は、アンテナ43を介して上記通信処理部42と無線通信を行いうる公知の非接触ICカードとして構成されている。ICカード200は、例えばRFIDタグとして機能するICチップを内蔵しており、具体的には、図6(B)に示すように、アンテナ201、電源回路202、復調回路203、制御部204、メモリ205、変調回路206、負荷変調回路207、コンデンサ208等を備えている。そして当該ICカード200を使用する使用者に割り当てられた固有ID(第2固有ID)がメモリ205に記録された構成をなしている。このICカード200は、通信処理部42及びアンテナ43より送信された搬送波をアンテナ201を介して受信すると、電源回路202において搬送波を整流して動作用電源を生成し、マイクロコンピュータで構成される制御部204及びその他の構成要素に供給するように構成されている。
【0037】
また、ICカード200では、搬送波に重畳されているアンテナ43からの送信データが復調回路203によって復調され、制御部204に出力されるようになっている。制御部204は、動作用電源が供給されて起動すると、リーダ側からの送信データ(アンテナ43からの送信データ)を受けてメモリ205に記憶されているデータを読み出している。変調回路206は、受信した搬送波を分周した副搬送波を制御部204が出力する応答データによって変調している。更に、アンテナ201には、負荷変調回路207を構成する抵抗及びスイッチの直列回路が並列に接続されており、変調回路206より出力される副搬送波の被変調信号により負荷変調回路207のスイッチがオンオフされることで搬送波が負荷変調され、応答(レスポンス)が返信されるようになっている。なお、図6(A)(B)では、入退端末40及びICカード200の一例を挙げたが、電磁波を媒介として通信を行い得る構成であれば公知の他の構成を用いてもよい。
【0038】
管理サーバ(管理装置)10は、主にシステム1全体の制御を行うように構成されており、上述したように、入退コントローラ20と通信可能に接続されている。この管理サーバ10は、外部からの情報入力が可能なコンピュータとして構成され、図3に示すように、CPU11、通信部12、メモリ13、表示部14及び操作部15を備えた構成となっている。CPU11は、各種情報処理を行うように構成されており、主に当該管理サーバ10全体の制御を行うように機能している。通信部12は、外部装置と通信を行うための通信インターフェースとして構成され、CPU11からの指令に応じて、メモリ13に記憶された通過許可者データ(対応データ)等の情報を入退コントローラ20へ送信すると共に、入退コントローラ20からデータ(RFタグリーダ30で読み取った第1固有IDや入退端末40で読み取った第2固有IDなどのデータ)を受信するように構成されている。メモリ13は、ROM、RAM、不揮発性メモリ等の記憶デバイスにより構成され、予め登録された通過許可者データや更新される通過許可者データ等を記憶するように構成されている。表示部14は、液晶モニタ等によって構成され、管理サーバ10の動作状態などを表示可能に構成されている。操作部15は、キーボードやマウス等により構成され、例えば、ユーザ(システムの管理者など)が当該操作部15を操作することにより、通過許可者データ等の情報を管理サーバ10に入力し得るように構成されている。
【0039】
このように構成される管理サーバ10は、例えばメモリ13の登録内容を更新するためのデータが入力され、メモリ13の登録内容を更新する更新データ(具体的には、複数の第1固有情報とそれら第1固有情報にそれぞれ対応する複数の第2固有情報とを対応付けた対応データを更新するためのデータ)が生成された場合に、通信部12によって当該更新データを入退コントローラ20に送信するように構成されている。なお、CPU11及び通信部12は、「送信部」の一例に相当し、上記更新データを入退コントローラ20に送信するように機能する。
【0040】
(入場時の認証処理)
次に、入室時の認証処理について説明する。
上記のように構成される入退管理システム1において、利用者がセキュリティエリア3の入退口5を通過しようとする際に行われる認証処理について図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0041】
本構成では、図7のような認証処理が、入退コントローラ20によって行われるようになっている。なお、ここでは、セキュリティエリア3の外部側で認証を行う場合を代表例として説明する。
【0042】
図7に示す認証処理は、所定の開始条件の成立(例えば、入退コントローラ20の電源投入や所定の開始操作など)によって開始され、まず、外部側RFタグリーダ30AによるRFタグ100の検出状態を判定する(ステップS1)。本構成では、外部側RFタグリーダ30AがRFタグ100を検出するまでの間は、S1において「RFタグ情報未受信」と判断され、S7の処理に進むことになる。そして、S7の処理では、外部側入退端末40AがICカード200を検出したか否かを判定する(S7)。そして、ICカード200も検出されていない場合、S7にてNoに進む。つまり、本構成では、RFタグ100が未検出(RFタグ情報が未受信)であり、且つICカード200が未検出である間は、S1、S7の判断処理を繰り返すような待機状態となる。
【0043】
S1において、外部側RFタグリーダ30AがRFタグ100を検出した判断される場合には、S1において「RFタグ情報受信」側に進み、S2の判断処理を行う。このS2の判断処理では、S1で検出と判断されたRFタグ100に記録された個人を特定する情報(第1固有ID)を読み取り、その読み取った第1固有IDが認証されるべきIDか否かを判断する処理(認証処理)を行う(S2)。
【0044】
本構成では、例えば、入退コントローラ20のメモリ23において、図8に示すような外部側RFタグリーダ30Aで認証を許可すべき通過許可者データ(即ち、認証を許可すべき第1固有IDのリスト)が予め記憶されており、S2の処理では、その許可すべき第1固有IDのリストの中にS1で読み取った第1固有IDが含まれているか否かを判定する。S1で読み取った第1固有IDが許可すべき第1固有IDではない場合(即ち、S1で読み取った第1固有IDがメモリ23に登録された通過許可者データに含まれていない場合)、S2にてNoに進み、認証が不可能(認証失敗)である旨を知らせるためにアラーム(警報音)を出力し(S3)、認証処理を終了する。本構成では、例えば、入退コントローラ20にブザーやスピーカなどの発音部が設けられ、S3では、この発音部にてアラーム(警報音)を発する構成となっている。なお、S3での報知方法はこのような方法に限られるものではなく、例えば管理サーバ10やその他の外部装置に対するエラー情報の送信などであってもよく、表示部44でのエラー表示などであってもよい。
【0045】
また、メモリ23は、「登録部」の一例に相当し、通過許可者データとして、複数の第1固有IDを登録する機能を有し、具体的には、それら複数の第1固有IDと、それら複数の第1固有IDにそれぞれ対応する複数の第2固有IDとを対応付けた対応データをそれぞれ登録するように機能する。
【0046】
一方、S2の判断処理において、S1で読み取った第1固有IDが許可すべき第1固有IDであると判断される場合(即ち、S1で読み取った第1固有IDがメモリ23に登録された通過許可者データに含まれている場合)、S2にてYesに進む。そして、S4の処理では、外部側入退端末40AがICカード200を検出したか否かを判断する(ステップS4)。例えば、外部側RFタグリーダ30Aが第1固有IDを読み取った後、所定時間が経過しても、外部側入退端末40AがICカード200を読み取らない場合には、S4にて「タイムアウト」と判断して、図7に示す認証処理を終了する。なお、認証処理を終了する場合、再びS1の判断処理に戻るようにしてもよい。また、S4で、「タイムアウト」と判断した場合に、ICカード200が検出されなかった旨を知らせるために、S3の処理と同様の方法で報知(アラーム(警報音)の出力等)を行った上で認証処理を終了する構成としてもよい。
【0047】
一方、S4の判断処理において、外部側入退端末40AがICカード200を検出したと判断される場合には、S4で「ICカード読取」と判断し、そのICカード200に記録された情報(個人を特定する情報である第2固有ID)を読み取り、S5へと進む。そして、その読み取った第2固有ID(S4で読み取りが判断された情報)に基づいて認証処理を行う(S5)。
【0048】
本構成では、図8のように、入退コントローラ20のメモリ23において、上述の第1固有IDのリストと共に、各第1固有IDに対応付けられた第2固有IDのリストが予め記憶されている。そして、S5の認証処理では、S4で読み取った第2固有IDが、メモリ23に登録されており且つS2で認証許可と判断された第1固有IDと対応付けられて記憶されているか否かを判定する。S4においてICカード200から読み取った第2固有IDが許可すべき第2固有IDではない場合(即ち、S4で読み取った第2固有IDがメモリ23に登録されていない場合、又はS2で認証が許可された第1固有IDと対応付けられていない場合)、S5にてNoに進み、認証処理を終了する。なお、認証処理を終了する場合、再びS1の判断処理に戻るようにしてもよい。また、S5でNoと判断した場合に、S3の処理と同様の方法で報知(アラーム(警報音)の出力等)を行った上で認証処理を終了する構成としてもよい。
【0049】
一方、S4で読み取った第2固有IDが許可すべき第2固有IDである場合(即ち、S4で読み取った第2固有IDがS2で認証が許可された第1固有IDと対応付けられてメモリ23に登録されている場合)、S5にてYesに進み、S4でICカード200を読み取った外部側入退端末40Aに対応する電気錠9(即ち、当該外部側入退端末40Aが割り当てられたセキュリティエリア3の扉に取り付けられている電気錠9)に対し解錠信号を出力して、電気錠9を解錠し(S6)、認証処理を終了する。
【0050】
また、S1にてRFタグが未検出と判断される間は、定期的に外部側入退端末40AがICカード200を検出したか否かを判定する(S7)。RFタグ100の未検出状態で外部側入退端末40AがICカード200を検出するまでの間は、S7の判定処理を繰り返す(S7でNoに進む)。外部側入退端末40AがICカード200を検出した場合には、S7でYesに進み、そのICカード200に記録された個人を特定する第2固有IDを読み取る(S8)。そして、RFタグ100が読み取られていない旨を知らせるためにアラームを出力して(S3)、認証処理を終了する。
【0051】
なお、CPU21は、「判断部」の一例に相当し、RFタグリーダ30(無線タグリーダ)による無線通信結果、及び入退端末40(非接触読取部)による非接触通信結果に基づき、RFタグリーダ30によって読み取られた第1固有ID(第1固有情報)と、入退端末40によって読み取られた第2固有ID(第2固有情報)とが、メモリ23(登録部)にて対応付けられた規定の対応関係であるか否かを判断するように機能する。
【0052】
なお、「規定の対応関係」とは、メモリ23にそれぞれ記憶される2種類のIDの組み合わせを意味する。例えば、図8の例では、各個人に対し1つの第1固有IDと1つの第2固有IDとを対応付けた組み合わせデータ(個人別データ)が通過が許可された人数分だけ用意されており、このような個人別データがリスト化されてメモリ23に登録されている。具体的には例えば、愛知太郎が所持するRFタグ100に記録される第1固有IDである「4835155」と、ICカード200に記録される第2固有IDである「6646888」とが1対1に対応付けられている。
【0053】
また、CPU21及び通信部22は、「電気錠制御部」の一例に相当し、少なくとも入退端末40(非接触読取部)によって読み取られた第2固有ID(第2固有情報)がメモリ23(登録部)に登録された固有情報(正規の固有情報)であることを条件として電気錠9を解錠するように機能する。具体的には、RFタグリーダ30(無線タグリーダ)によってRFタグ100(無線タグ)の第1固有ID(第1固有情報)が読み取られ、且つ入退端末40(非接触読取部)によってICカード200(記録媒体)の第2固有ID(第2固有情報)が読み取られ、更に、RFタグリーダ30(無線タグリーダ)によって読み取られた第1固有IDと、入退端末40(非接触読取部)によって読み取られた第2固有IDとが、規定の対応関係(メモリ23において互いに紐付けられた関係)である場合に電気錠9を解錠するように機能する。
【0054】
なお、CPU21及びS3で報知動作を行い得る発音部等が、「報知部」の一例に相当し、外部側入退端末40A(非接触読取部)によってICカード200(記録媒体)の第2固有ID(第2固有情報)が読み取られた場合において第2固有IDと規定の対応関係にある第1固有IDが外部側RFタグリーダ30Aによって読み取られなかった場合に報知を行うように機能する。また、この報知部は、外部側RFタグリーダ30AによってRFタグ100の第1固有IDが読み取られた場合において第1固有IDと規定の対応関係にある第2固有IDが外部側入退端末40Aによって読み取られなかった場合に報知を行う機能も有する。更に、この報知部は、外部側RFタグリーダ30Aによって読み取られたRFタグ100の第1固有IDがメモリ23に登録されていない場合に報知を行う機能も有する。、更には、外部側入退端末40Aによって読み取られたICカード200の第2固有IDがメモリ23に登録されていない場合に報知を行う機能も有する。
【0055】
また、図8のようなデータ(通過が許可された各個人の第1固有IDと第2固有IDとを特定するデータのリスト)は、例えば、入退コントローラ20に直接入力してメモリ23に登録してもよく、管理サーバ10から入退コントローラ20に対して図8のようなデータ(各通過許可者の第1固有IDと第2固有IDを特定するリスト)を送信し、これを受信した入退コントローラ20のCPU21が受信内容をメモリ23に登録するようにしてもよい。また、この場合、管理サーバ10では、操作部15による情報入力や通信部12による外部からの情報受信によってメモリ23に登録すべき新たなデータ(各通過許可者の第1固有IDと第2固有IDを特定するリストの更新データ)を生成することもできる。このように管理サーバ10においてメモリ23(登録部)の登録内容を更新するためのデータが入力されメモリ23(登録部)の登録内容を更新する更新データが生成された場合、送信部に相当するCPU11及び通信部12によってこのような更新データを入退コントローラ20に送信すればよい。このように管理サーバ10から入退コントローラ20に更新データが送信された場合、入退コントローラ20は、CPU21の処理によりメモリ23に記憶された対応データ(各通過許可者の第1固有IDと第2固有IDを特定するリスト(図8参照))を、受信した更新データを反映した内容に更新すればよい。
【0056】
本構成では、非接触読取部によってICカード200(記録媒体)の第2固有ID(第2固有情報)が読み取られた場合において第2固有IDと規定の対応関係にある第1固有ID(第1固有情報)が無線タグリーダによって読み取られなかった場合に、又は無線タグリーダによってRFタグ100(無線タグ)の第1固有IDが読み取られた場合において第1固有IDと規定の対応関係にある第2固有IDが非接触読取部によって読み取られなかった場合に、報知部によって報知を行うように構成されている。
この構成では、正規利用者(第1固有IDが記録されているRFタグ100と、第1固有IDと規定の対応関係で対応付けられて登録部に登録されている第2固有IDが記録されているICカード200とを所持する者)の解錠操作に伴って第三者が不正に管理区域に入ろうとした場合に当該第三者が検出され易くなる。例えば、第三者がRFタグ100(無線タグ)を所持しつつ正規利用者の解錠操作に乗じて管理区域への入場を試みた場合(非接触読取部による非接触読み取りを行わずに入場を試みた場合)、このRFタグ100の固有情報と規定の対応関係にある第2固有IDが非接触読取部によって読み取られていないため、報知部によって報知(S4でタイムアウトの場合の報知)がなされることになり、このような状況を外部に認識させることができる。また、第三者が、RFタグ100を所持せずにICカード200の非接触通信を試みたり、規定対応関係にないRFタグ100を所持してICカード200の非接触通信を試みても、当該ICカード200の第2固有IDと規定の対応関係にある第1固有IDが無線タグリーダによって読み取られない限り、このような不正状態にあることが報知されることになる(即ち、S7でYesの場合のS3での報知、或いは、S5でNoの場合の報知)。従って、ICカード200のみを所持して不正入場することや、図8のような登録データによって対応付けられていないICカード200とRFタグ100を所持して入場することを抑止する抑止力が生じ、このような状況を外部に認識させて適切な対応を促すことができる。
【0057】
更に本構成では、電気錠制御部は、無線タグリーダによってRFタグ100の第1固有IDが読み取られ、且つ非接触読取部によってICカード200の第2固有IDが読み取られ、更に、無線タグリーダによって読み取られた第1固有IDと、非接触読取部によって読み取られた第2固有IDとが、規定の対応関係である場合に電気錠を解錠するようになっている。
この構成では、正規の利用者(第1固有IDが記録されたRFタグ100と、第1固有IDと規定の対応関係にある第2固有IDが記録されたICカード200とを所持する者)が解錠操作を行った場合に限り電気錠を解錠するため、RFタグ100を所持せずにICカード200の非接触通信を試みたり、規定対応関係にないRFタグ100を所持してICカード200の非接触通信を試みた場合に入場を阻止することができる。
【0058】
また、本構成では、報知部は、無線タグリーダによって読み取られたRFタグ100の第1固有IDが登録部に登録されていない場合、又は非接触読取部によって読み取られたICカード200の第2固有IDが登録部に登録されていない場合に報知を行うようになっている(即ち、S2でNoの場合の報知、或いはS5でNoの場合の報知)。
この構成では、登録部に登録されていない第1固有IDが記録されたRFタグ100や、登録部に登録されていない第2固有IDが記録されたICカード200が読み取られた場合に報知を行うことができるため、このようなRFタグ100やICカード200を所持する者が解錠操作を行った場合は勿論のこと、このような者が通信エリア内に存在する場合にもその状態を外部に知らしめることができる。
【0059】
また、本構成では、無線タグリーダとして、管理区域の外部における扉に隣接する領域を通信範囲とする構成の外部側RFタグリーダ30Aが設けられている。そして、報知部は、非接触読取部によって記録媒体の第2固有IDが読み取られた場合において当該第2固有IDと規定の対応関係にある第1固有IDが外部側RFタグリーダ30Aによって読み取られていない場合に報知を行うようになっている。
この構成では、RFタグ100を所持せずにICカード200のみを所持しつつ解錠操作を行って入場しようとする利用者や、正規のRFタグ100ではない無線タグ(自身が所持するICカード200と対応しない無線タグ)を所持しつつ解錠操作を行って入場しようとする利用者をより確実に検知し、その事実を外部に知らしめることができる。
【0060】
また、本構成では、電気錠9に対応した情報処理装置として構成される入退コントローラ20(コントローラ)と、この入退コントローラ20と通信可能に構成され、外部からの情報入力が可能に構成された管理サーバ10(管理装置)を備えている。また、登録部(メモリ23)、判断部及び電気錠制御部(CPU21)は、入退コントローラ20に設けられている。そして、管理サーバ10は、当該管理サーバ10において登録部の登録内容を更新するためのデータが入力され登録部の登録内容を更新する更新データが生成された場合に、当該更新データをコントローラに送信する送信部(CPU11及び通信部12)を備えている。そして、登録部は、管理サーバ10からコントローラに更新データが送信された場合に、対応データを当該更新データを反映した内容に更新するようになっている。
この構成では、管理サーバ10側で更新データを用意し、電気錠9に対応して設けられた入退コントローラ20内の登録部の登録内容を書き換えることができる。従って、管理者は管理サーバ10側で更新データの準備及び更新作業を行うことができ、管理サーバ10側で対応することが望まれる場合(管理者が管理サーバ10側に常駐する場合や、コントローラと管理サーバ10が離れており、効率面を考慮して管理サーバ10側で一括対応したい場合など)において有利となる。
【0061】
[第2実施形態]
以下、本発明を具現化した第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、第1実施形態の構成を全て含み、更に、処理を追加した内容となっている。従って、第1実施形態と同一の構成については第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、適宜図1図8を参照することとする。
【0062】
なお、第1実施形態では、図7のS1において外部側RFタグリーダ30Aの検出結果のみを判断し、図7のS4において外部側入退端末40Aでの読み取り結果のみを判断していたが、第2実施形態では更に処理を追加している。
【0063】
本実施形態でも図7に示す認証処理は、所定の開始条件の成立(例えば、入退コントローラ20の電源投入や所定の開始操作など)によって開始され、まず、RFタグ100の検出状態を判定する(ステップS1)。このS1の処理では、外部側RFタグリーダ30Aだけでなく内部側RFタグリーダ30Bの検出状態も判定する。そして、外部側RFタグリーダ30A又はがRFタグ100を検出するまでの間は、S1において「RFタグ情報未受信」と判断され、S7の処理に進むことになる。そして、S7の処理では、外部側入退端末40A又は内部側入退端末40BがICカード200を検出したか否かを判定する(S7)。そして、ICカード200も検出されていない場合、S7にてNoに進む。つまり、本構成では、RFタグ100が未検出(RFタグ情報が未受信)であり、且つICカード200が未検出である間は、S1、S7の判断処理を繰り返すような待機状態となる。
【0064】
S1において、外部側RFタグリーダ30A又は内部側RFタグリーダ30B又がRFタグ100を検出した判断される場合には、S1において「RFタグ情報受信」側に進み、S2の判断処理を行う。なお、外部側RFタグリーダ30AがRFタグ100を検出した場合のS2以降の処理は第1実施形態と同様であるため、この場合の説明は省略し、以下では、S1で内部側RFタグリーダ30BがRFタグ100を検出したと判断された場合について説明する。
【0065】
S1で内部側RFタグリーダ30BがRFタグ100を検出したと判断され、S2に進む場合、S2の判断処理では、S1で検出と判断されたRFタグ100に記録された個人を特定する情報(第1固有ID)を読み取り、その読み取った第1固有IDが認証されるべきIDか否かを判断する処理(認証処理)を行う(S2)。
【0066】
本構成でも、第1実施形態と同様、入退コントローラ20のメモリ23において、図8に示すような認証を許可すべき通過許可者データ(即ち、認証を許可すべき第1固有IDのリスト)が予め記憶されている。そして、S2の処理では、その許可すべき第1固有IDのリストの中にS1で内部側RFタグリーダ30Bが読み取った第1固有IDが含まれているか否かを判定する。S1で読み取った第1固有IDが許可すべき第1固有IDではない場合(即ち、S1で内部側RFタグリーダ30Bが読み取った第1固有IDがメモリ23に登録された通過許可者データに含まれていない場合)、S2にてNoに進み、認証が不可能(認証失敗)である旨を知らせるためにアラーム(警報音)を出力し(S3)、認証処理を終了する。なお、S3のアラーム処理は第1実施形態と同様である。
【0067】
一方、S2の判断処理において、S1で内部側RFタグリーダ30Bが読み取った第1固有IDが許可すべき第1固有IDであると判断される場合(即ち、S1で読み取った第1固有IDがメモリ23に登録された通過許可者データに含まれている場合)、S2にてYesに進む。そして、S4の処理では、内部側入退端末40BがICカード200を検出したか否かを判断する(ステップS4)。例えば、内部側RFタグリーダ30Bが第1固有IDを読み取った後、所定時間が経過しても、内部側入退端末40BがICカード200を読み取らない場合には、S4にて「タイムアウト」と判断して、図7に示す認証処理を終了する。なお、認証処理を終了する場合、再びS1の判断処理に戻るようにしてもよい。また、S4で、「タイムアウト」と判断した場合に、ICカード200が検出されなかった旨を知らせるために、S3の処理と同様の方法で報知(アラーム(警報音)の出力等)を行った上で認証処理を終了する構成としてもよい。
【0068】
一方、S4の判断処理において、内部側入退端末40BがICカード200を検出したと判断される場合には、S4で「ICカード読取」と判断し、そのICカード200に記録された情報(個人を特定する情報である第2固有ID)を読み取り、S5へと進む。そして、その読み取った第2固有ID(S4で読み取りが判断された情報)に基づいて認証処理を行う(S5)。
【0069】
本構成でも、図8のように、入退コントローラ20のメモリ23において、上述の第1固有IDのリストと共に、各第1固有IDに対応付けられた第2固有IDのリストが予め記憶されている。そして、S5の認証処理では、S4で内部側入退端末40Bが読み取った第2固有IDが、メモリ23に登録されており且つS2で認証許可と判断された第1固有IDと対応付けられて記憶されているか否かを判定する。S4においてICカード200から読み取った第2固有IDが許可すべき第2固有IDではない場合(即ち、S4で読み取った第2固有IDがメモリ23に登録されていない場合、又はS2で認証が許可された第1固有IDと対応付けられていない場合)、S5にてNoに進み、認証処理を終了する。なお、認証処理を終了する場合、再びS1の判断処理に戻るようにしてもよい。また、S5でNoと判断した場合に、S3の処理と同様の方法で報知(アラーム(警報音)の出力等)を行った上で認証処理を終了する構成としてもよい。
【0070】
一方、S4で内部側入退端末40Bが読み取った第2固有IDが許可すべき第2固有IDである場合(即ち、S4で読み取った第2固有IDがS2で認証が許可された第1固有IDと対応付けられてメモリ23に登録されている場合)、S5にてYesに進み、S4でICカード200を読み取った内部側入退端末40Bに対応する電気錠9(即ち、当該外部側入退端末40Aが割り当てられたセキュリティエリア3の扉に取り付けられている電気錠9)に対し解錠信号を出力して、電気錠9を解錠し(S6)、認証処理を終了する。
【0071】
また、S1において、外部側RFタグリーダ及び内部側RFタグリーダによってRFタグが検出されていないと判断される間は、定期的に外部側入退端末40A又は内部側入退端末40BがICカード200を検出したか否かを判定する(S7)。RFタグ100の未検出状態で外部側入退端末40A又は内部側入退端末40BがICカード200を検出するまでの間は、S7の判定処理を繰り返す(S7でNoに進む)。S7において外部側入退端末40A又は内部側入退端末40BがICカード200を検出したと判断される場合には、S7でYesに進み、そのICカード200に記録された個人を特定する第2固有IDを読み取る(S8)。そして、RFタグ100が読み取られていない旨を知らせるためにアラームを出力して(S3)、認証処理を終了する。
【0072】
なお、上述したS4の処理において、内部側入退端末40BがICカード200を検出したか否かを判断していたが、この判断に代えて、外部側入退端末40A又は内部側入退端末40BがICカード200を検出したか否かを判断するようにしてもよい。この場合、内部側入退端末40BがICカード200を検出したと判断される場合は、S5に進み、第2実施形態にて上述した処理を行うようにすればよい。また、S2でYesに進んだ後、所定時間経過しても外部側入退端末40A及び内部側入退端末40BによってICカード200の読み取りがなされていない場合にはS4にてタイムアウトに進み、第2実施形態にて上述した処理を行うようにすればよい。一方、S2でRFタグ100が認証される前の所定時間内に外部側入退端末40AにてICカード200が読み取られている場合、S5に進まずに別の判断処理を行うようにすることができる。この判断処理では、S2でRFタグ100が認証される前の所定時間内に外部側入退端末40AにてICカード200が読み取られている場合、そのICカード200の第2固有IDとS2で認証された第1固有IDとが正規の対応関係であるか否か(即ちメモリ23で対応付けられた関係であるか否か)を判断し、正規の対応関係である場合には認証処理を終了するようにしてもよい。つまり、この場合、外部側入退端末40Aで認証を受けた者がセキュリティエリア3に入った直後にその者のRFタグ100が内部側RFタグリーダで読み取られたケースであると考えられるため、このような場合は特に報知を行わずに認証処理を終了すればよい。
【0073】
本構成では、無線タグリーダとして、管理区域の内部において無線タグを読取可能に配置された内部側RFタグリーダ30B(内部側無線タグリーダ)が設けられている。そして、報知部は、内部側RFタグリーダ30BによってRFタグ100の第1固有IDが読み取られた場合において当該第1固有IDと規定の対応関係にある第2固有IDが外部側入退端末40A及び内部側入退端末40B(非接触読取部)によって読み取られていない場合に報知を行うようになっている。
この構成では、例えば、正規の利用者(第1固有IDが記録されたRFタグ100と、第1固有IDと規定の対応関係にある第2固有IDが記録されたICカード200とを所持する者)がICカード200による非接触通信を行わずにセキュリティエリア3(管理区域)の内部に入った場合や、RFタグ100のみを所持する第三者が共連れによりセキュリティエリア3(管理区域)の内部に入った場合、或いは、正規対応でないRFタグ100とICカード200を所持する第三者が共連れによりセキュリティエリア3(管理区域)の内部に入った場合に、その事実をより確実に検知し、外部に知らしめることができる。
【0074】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0075】
なお、上記実施形態では、入退端末40と入退コントローラ20とが別々の位置に設けられた構成を例示したが、入退端末40と入退コントローラ20とが単一の筐体内に設けられた構成などであってもよく、入退コントローラ20のCPU21が入退端末40の制御部を兼ねるような構成であってもよい。
【0076】
上記第1実施形態では、外部側RFタグリーダ30AでRFタグ100が検出されず(S1で「RFタグ情報未検出」と判断)、外部側入退端末40AによってICカード200を検出し(S7でYes)、ICカード200に記録された個人を特定する第2固有IDを読み取った場合に(S8)、RFタグ100が読み取られていない旨を知らせるべくS3にてアラーム処理を行う構成となっているが、S7において外部側入退端末40Aによって読み取られたICカード200のIDがメモリ23の通過許可者データに登録されていない場合でもS3にてアラーム処理を行うことが望ましい。
【0077】
上記実施形態では、S3のアラーム処理において、入退コントローラ20が報知音等を発する構成を例示したが、入退コントローラ20から管理サーバ10にエラー情報を送信し、管理サーバ10にて報知音等を発するようにしてもよい。この場合、管理サーバ10のCPU11及び通信部12並びに入退コントローラ20のCPU21及び通信部22が「報知部」の一例に相当する。
【符号の説明】
【0078】
1…入退管理システム
2…施設
3…セキュリティエリア(管理区域)
5…入退口
7…扉
9…電気錠
10…管理サーバ(管理装置)
11…CPU(送信部)
12…通信部(送信部)
20…入退コントローラ(コントローラ)
21…CPU(判断部、電気錠制御部、報知部)
22…通信部(電気錠制御部)
23…メモリ(登録部)
30…RFタグリーダ(無線タグリーダ)
30A…外部側RFタグリーダ(外部側無線タグリーダ)
30B…内部側RFタグリーダ(内部側無線タグリーダ)
32…通信処理部(無線通信手段)
40…入退端末(非接触読取部)
40A…外部側入退端末(外部側非接触読取部)
40B…内部側入退端末(内部側非接触読取部)
100…RFタグ(無線タグ)
200…ICカード(記録媒体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8