【実施例】
【0019】
(第1実施例)
(システム構成;
図1)
図1に示す決済システム2は、決済端末10と、POS(Point Of Sales)端末50と、決済媒体100、200とを備える。決済システム2は、例えば、商店内で利用されるシステムであって、商品の販売に伴う決済を行うシステムである。決済システム2を用いて商店内で決済を行う場合、まず、商店の店員がPOS端末50を操作し、顧客が購入を希望する商品の金額(即ち、決済金額)、顧客が決済に利用することを希望する電子マネーの種類等、決済に必要な決済情報を入力する。POS端末50は、入力された決済情報を決済端末10に送信する。決済端末10は、受信した決済情報を記憶する。その後、顧客が、自身が所有する決済媒体100を決済端末10に近づけると、決済端末10とその決済媒体100との間で通信が行われ、必要な決済が行われる。
【0020】
決済端末10は、操作部12と、表示部14と、NFCインターフェース16と、制御部18と、スピーカ20と、照明部22と、有線インターフェース24とメモリ30とを備える。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0021】
操作部12は、複数のキーを備える。決済端末10のユーザ(例えば、店員、顧客等)は、操作部12を操作することによって、様々な指示を決済端末10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。
【0022】
NFCI/F16は、決済媒体100、200と近距離無線通信を実行するためのインターフェースである。NFCI/F16は、決済媒体100、200を検出可能であると共に決済媒体100、200と通信可能である。
【0023】
制御部18は、メモリ30内のプログラム31に従って様々な処理を実行する。制御部18が実行する処理の内容は後で詳しく説明する。
【0024】
スピーカ20は、制御部18からの指示に従って報知音を発生させる。照明部22は、制御部18からの指示に従って発光する。照明部22は、制御部18からの指示に応じて、複数の異なる色及びパターンで発光することができる。照明部22から発生した光の一部は、決済端末10の筐体(図示省略)に設けられた透過窓から筐体外に透過される。その結果、照明部22が発光すると、例えば、決済媒体をかざす(又は載置する)ための部分が発光して、顧客に決済媒体をかざす位置を報知することができる。
【0025】
有線I/F24は、POS端末50と有線通信を行うためのインターフェースである。決済端末10は、有線I/F24を介して、POS端末50と有線通信可能に接続されている。
【0026】
メモリ30は、プログラム31を記憶している。また、メモリ30は、POS端末50から受信した決済情報を一時的に記憶するための決済情報記憶領域32を有している。さらに、メモリ30は、決済端末10が行う決済に関連する決済関連情報を記憶するための決済関連情報記憶領域34も有している。決済関連情報は、決済端末10で行われた決済の内容(例えば、決済媒体のID、決済金額、電子マネーの種類、決済時刻、等)を示す情報を含む。
【0027】
POS端末50は、商店の店員によって操作されるレジ端末である。店員は、POS端末50を操作して決済に必要な決済情報を入力することができる。また、POS端末50は、所定時間毎(例えば1時間毎)に、決済端末10から決済関連情報を受信し、受信された決済関連情報を記憶する。
【0028】
決済媒体100は、例えば、顧客が所持するICカード、携帯電話端末等、決済端末10と近距離無線通信を実行可能な媒体である。以下では、決済媒体100を所持する顧客のことを「第1の顧客」と呼ぶ場合がある。決済媒体100は、図示しないICチップを内蔵している。ICチップには、例えば、決済媒体100のID(Identification Informationの略)、利用可能な電子マネーの種類を示す種類情報、電子マネーの残高を示す残高情報などを含む媒体情報が記憶されている。
【0029】
決済媒体200は、第1の顧客とは異なる顧客によって所持される媒体である。以下では、決済媒体200を所持する顧客のことを「第2の顧客」と呼ぶ場合がある。決済媒体200は、上記の決済媒体100と同様の構造を有している。ただし、決済媒体200には、決済媒体100とは異なるIDが割り当てられている。なお、他の例では、決済媒体100、200が、同じ顧客によって所持されていてもよい。また、
図1では、決済媒体100、200のみを図示しているが、決済システム2は、決済媒体100、200以外の1以上の他の決済媒体を有している。
【0030】
(決済端末10の制御部18が実行する決済処理;
図2)
続いて、本実施例の決済端末10の制御部18が実行する決済処理(
図2参照)について説明する。電源ON状態の決済端末10は、初期状態で動作する。初期状態では、決済端末10の制御部18は、POS端末50から決済情報を受信することを監視している。また、初期状態では、制御部18は、表示部14に、所定の初期メッセージ(例えば「いらっしゃいませ」等)を表示させている。初期状態のメモリ30の決済情報記憶領域32には、決済情報は記憶されていない。また、メモリ30の決済関連情報記憶領域34には、決済端末10において既に行われた複数回の決済のそれぞれの内容を示す決済関連情報が記憶されている。初期状態の間には、制御部18は、所定時間毎(例えば、1時間毎)に、決済関連情報記憶領域34に記憶されている1又は複数の決済関連情報をPOS端末50に送信する。
【0031】
決済端末10が上記の初期状態で動作する間に、商店の店員は、POS端末50を操作して、例えば、第1の顧客が購入を希望する商品の価格(即ち、決済金額)を入力するとともに、第1の顧客が利用を希望する電子マネーの種類を入力する。次いで、店員が、POS端末50で所定の決済開始操作を実行すると、POS端末50は、入力されている決済金額及び決済に利用する電子マネーの種類(即ち、決済情報)を、決済端末10に送信する。決済端末10の制御部18は、有線I/F24を介して、POS端末50から決済情報を受信する。決済端末10の制御部18は、受信した決済情報をメモリ30の一時記憶領域32に記憶させるとともに、
図2の決済処理を開始する。
【0032】
S10では、制御部18は、所定のガイド動作を実行させる。具体的には、制御部18は、表示部14に所定のガイドメッセージを表示させる。所定のガイドメッセージには、例えば、顧客に、決済媒体を決済端末10の筐体にかざす(又は載置する)ように促すためのメッセージ(例えば「カードをかざしてください」等)が含まれる。また、制御部18は、所定の発光色及びパターンで照明部22を発光させ、決済媒体をかざすための部分を目立たせる。さらに、制御部18は、スピーカ20から所定のガイド音を発生させる。S10のガイド動作が行われることにより、顧客は、決済端末10において、決済媒体を用いた決済の準備が完了したことを知ることができる。
【0033】
次いで、制御部18は、S10で所定のガイドメッセージが表示された後、所定のタイムアウト期間が経過する前に、S12、S14でYESと判断されることを監視する。
【0034】
まずS12では、制御部18は、決済媒体(例えば、決済媒体100)が検出されることを監視する。例えば、第1の顧客が決済媒体100を決済端末10の筐体にかざす(又は載置する)と、NFCI/F16は、決済媒体100を検出する。NFCI/F16が決済媒体を検出すると、制御部18は、S12でYESと判断し、S14に進む。
【0035】
次いで、S14では、制御部18は、検出された決済媒体(例えば、決済媒体100)が利用可能な電子マネーの種類が、POS端末50から受信した決済情報が示す電子マネーの種類と一致するか否かを判断する。具体的に言うと、S14では、制御部18は、NFCI/F16を介して決済媒体と近距離無線通信を実行し、決済媒体から媒体情報(例えば、決済媒体100のID、決済媒体100が利用可能な電子マネーの種類を示す種類情報、電子マネーの残高情報等)を読み取る。制御部18は、決済媒体から読み取った種類情報が示す電子マネーの種類と、POS端末50から受信した決済情報が示す電子マネーの種類とが一致するか否かを判断する。両者が一致する場合には、制御部18は、S14でYESと判断し、S16に進む。
【0036】
一方、S12とS14の両方でYESと判断されることなく、S10で所定のガイドメッセージが表示された後、所定のタイムアウト期間が経過した場合には、制御部18は、S18でYESと判断し、
図2の決済処理をエラー終了する。その後、制御部18は、メモリ30内の決済情報記憶領域32に記憶されている決済情報を削除する。決済端末10は、初期状態に戻る。
【0037】
S16では、制御部18は、POS端末50から受信した決済情報に従って、検出された決済媒体との間で決済を実行する。具体的には、制御部18は、決済媒体から読み取った電子マネーの残高を決済金額分だけ減じた上で、変更後の残高情報を決済媒体に書き込む処理を行う。S16の処理を終えると、S20に進む。
【0038】
なお、S16の処理の際に、例えば、決済媒体100に記憶されている電子マネーの残高が決済金額より少ない(即ち、残高が不足する)、決済媒体100のIDが所定の取扱不可ID(例えば、紛失扱いID、取扱拒否ID等)に指定されている、決済媒体100の決済機能が故障している等、決済を実行できない状況が発生している場合には、制御部18は、電子マネーの残高を変更せずに(即ち、決済を実行せずに)、
図2の決済処理をエラー終了する。
【0039】
次いで、S20では、制御部18は、所定の完了動作を実行させる。具体的には、制御部18は、表示部14に所定の完了メッセージを表示させる。所定の完了メッセージには、例えば、顧客に、決済が正常に完了したことを通知するためのメッセージ(例えば「決済が完了しました」等)が含まれる。また、制御部18は、スピーカ20から所定の決済完了音を発生させる。これにより、顧客は決済が完了したことを知ることができる。
【0040】
次いで、S22では、制御部18は、メモリ30の決済情報格納領域32に記憶されている決済情報を削除する。これにより、決済情報格納領域32は、決済情報が記憶されていない状態(即ち、初期状態)に戻る。それとともに、S22では、制御部18は、S16、S18で実行された決済の内容(例えば、決済媒体100のID、決済金額、電子マネーの種類、決済時刻等)を示す決済関連情報を、決済関連情報記憶領域34に記憶させる。S22の処理は、S20の処理とほぼ同時に実行される。S22を終えると、所定のタイムラグ(例えば2秒間)の後、S24に進む。
【0041】
S24では、制御部18は、引き続き決済媒体(例えば、決済媒体100)が検出されるか否かを判断する。S22で決済が完了した後のS24の時点で決済媒体が検出される場合は、例えば、前回の決済を行った顧客(即ち、決済媒体100の所有者である第1の顧客)が、決済媒体100を回収し忘れてそのまま決済媒体100を決済端末10の筐体上(即ち、NFCI/F16の検出範囲内)に載置している場合、又は、前回の決済のすぐ後に、第1の顧客とは異なる第2の顧客が、決済媒体100とは異なる決済媒体200を決済端末10の筐体上に配置した場合、のどちらかの場合である可能性が高いと考えられる。
【0042】
S24の時点で、NFCI/F16が決済媒体を検出していない場合(即ち、NFCI/F16の検出範囲内に決済媒体が存在しない場合)には、制御部18は、S24でNOと判断し、S34に進む。S34では、制御部18は、決済端末10の状態を初期状態に戻す。S34を終えると、
図2の決済処理が終了する。
【0043】
一方、S24の時点で、NFCI/F16が決済媒体を検出する場合には、制御部18は、S24でYESと判断し、S28に進む。
【0044】
S28では、制御部18は、検出された決済媒体が、直前に行われた決済(即ち、S16で実行された決済)で利用された決済媒体と同じ決済媒体であるか否かを判断する。具体的に言うと、S28では、制御部18は、NFCI/F16を介して、検出された決済媒体と近距離無線通信を実行し、決済媒体から媒体情報(決済媒体のID、利用可能な電子マネーの種類を示す種類情報、電子マネーの残高情報等)を読み取る。制御部18は、読み取られた決済媒体のIDと、S22で決済関連情報記憶領域34に記憶された最新の決済関連情報に含まれる決済媒体のIDと、が一致するか否か判断する。
【0045】
読み取られた決済媒体のIDと、最新の決済関連情報(S22参照)に含まれる決済媒体100のIDとが一致する場合には、制御部18は、S28でYESと判断し、S30に進む。S28でYESと判断される場合は、直前の決済を行った顧客が、決済媒体を回収し忘れてそのまま決済媒体を筐体上に配置している場合である可能性が高い。この時点では、メモリ30の決済情報記憶領域32内には決済情報が記憶されていないため、制御部18は、検出された決済媒体との間で決済を実行することができない。
【0046】
S30では、制御部18は、第1の報知動作を実行させる。具体的には、制御部18は、表示部14に所定の第1の報知メッセージを表示させる。第1の報知メッセージには、直前の決済を行った顧客に、決済媒体を回収し忘れている旨を報知するためのメッセージ(例えば「カードをお忘れです」等)が含まれる。また、制御部18は、所定の発光色及びパターンで照明部22を発光させ、決済媒体をかざす(又は載置する)ための部分を目立たせる。なお、S30における照明部20の発光色及びパターンは、S10の発光色及びパターンとは異なる。さらに、制御部18は、スピーカ20から所定の第1の報知音を発生させる。S30の第1の報知動作の結果、顧客は、自身が決済媒体を回収し忘れていることを認識することができる。S30を終えると、S24に戻る。この場合、制御部18は、S24でNOと判断されるまで、S24、S28、S30の処理を繰り返し実行する。
【0047】
一方、読み取られた決済媒体のIDと、最新の決済関連情報(S22参照)に含まれる決済媒体のIDとが一致しない場合は、制御部18は、S28でNOと判断し、S32に進む。S28でNOと判断される場合は、例えば、前回の決済のすぐ後に、第1の顧客とは異なる第2の顧客が、次の決済のための決済情報が決済情報記憶領域32内に記憶される前に、決済媒体100とは異なる決済媒体200を決済端末10の筐体上に配置した場合である可能性が高い。この場合も、メモリ30の決済情報記憶領域32内には決済情報が記憶されていないため、制御部18は、検出された決済媒体200との間で決済を実行することができない。この状態で店員がPOS端末50に誤った決済情報を入力してしまうと、誤った決済情報に基づいて、決済媒体200との間で、第2の顧客の意に反する決済が実行されてしまうおそれがある。
【0048】
S32では、制御部18は、第2の報知動作を実行させる。具体的には、制御部18は、表示部14に所定の第2の報知メッセージを表示させる。第2の報知メッセージには、顧客に、決済媒体を決済端末10から離すことを促すメッセージ(例えば「カードを一度離して下さい」等)が含まれる。また、
図2には示していないが、S32でも、制御部18は、所定の発光色及びパターンで照明部22を発光させ、決済媒体をかざす(又は載置する)ための部分を目立たせる。なお、S32における照明部20の発光色及びパターンは、S10、S30の各発光色及びパターンとは異なる。さらに、制御部18は、スピーカ20から、第1の報知音とは異なる第2の報知音を発生させる。S32の第2の報知動作の結果、顧客は、決済媒体を決済端末10から離すべきであることを認識することができる。決済媒体と決済端末10との間で、顧客の意に反する決済が実行されることを防ぐことができる。S32を終えると、S24に戻る。この場合、制御部18は、S24でNOと判断されるまで、S24、S28、S32の処理を繰り返し実行する。
【0049】
以上、本実施例の決済システム2について説明した。
図2に示すように、本実施例の決済端末10は、決済情報が決済情報記憶領域32に記憶されている状態で決済媒体(例えば決済端末100)を検出すると(S12、S14でYES)、決済情報に従って決済を実行し(S16)、決済情報が決済情報記憶領域32に記憶されていない状態で決済媒体を検出すると(S24でYES)、第1の報知動作(S30)又は第2の報知動作(S32)を行う。第1の報知動作が行われる場合、決済媒体の利用者は、決済媒体を回収し忘れていることを知ることができる。そのため、決済媒体の利用者が、決済媒体を回収し忘れて立ち去ってしまう事態の発生を抑制することができる。また、第2の報知動作が行われる場合、決済媒体の利用者は、決済媒体を決済端末10から遠ざけるべきであることを知ることができる。決済媒体と決済端末との間で、利用者の意に反する決済が行われる事態の発生を抑制することもできる。従って、本実施例の決済端末10によると、決済情報が取得されていない状態で決済媒体が検出される場合に、決済媒体の利用者にその旨を適切に報知することができる。
【0050】
また、本実施例では、決済端末10は、決済情報が決済情報記憶領域32に記憶されていない状態で決済媒体を検出した場合(S24でYES)において、さらに、検出された決済媒体が、直前に行われた決済で利用された決済媒体と同一である場合に(S28でYES)、第1の報知動作を実行し(S30)、検出された決済媒体が、直前に行われた決済で利用された決済媒体と同一でない場合に(S28でNO)、第2の報知動作を実行する(S32)。従って、決済端末10は、状況に応じて適切な報知動作を実行することができる。
【0051】
本実施例の構成と請求項の記載との対応関係を記載しておく。NFCI/F16が「通信インターフェース」の一例である。POS端末50から決済情報を受信する処理を実行するときの制御部18が「取得手段」の一例である。表示部14、スピーカ20、照明部22が「報知手段」の一例である。
図2の決済処理を実行するときの制御部18が「制御手段」の一例である。
図2のS24でYESの場合が「特定の場合」の一例である。
【0052】
(第2実施例)
続いて、第2実施例について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例では、
図2のS30において、制御部18は、表示部14、スピーカ20、及び、照明部22に第1の報知動作を行わせるとともに、さらに、POS端末50に第1のPOS報知動作を行わせるための第1のPOS報知信号を、有線I/F24を介してPOS端末50に送信する。POS端末50は、第1のPOS報知信号を受信すると、第1のPOS報知動作を行う。第1のPOS報知動作は、例えば、報知音を発生させることや、POS端末の表示部にメッセージ(例えば、「決済媒体の取り忘れが発生しています」等)を表示すること等を含む。
【0053】
さらに、
図2のS32においても、制御部18は、表示部14、スピーカ20、及び、照明部22に第2の報知動作を行わせるとともに、さらに、POS端末50に第2のPOS報知動作を行わせるための第2のPOS報知信号を、有線I/F24を介してPOS端末50に送信する。POS端末50は、第2のPOS報知信号を受信すると、第1のPOS報知動作とは内容が異なる第2のPOS報知動作を行う。第2のPOS報知動作では、例えば、第1のPOS報知動作とは異なる報知音を発生させることや、POS端末の表示部にメッセージ(例えば、「決済媒体を一度外してください」等)を表示すること等を含む。
【0054】
本実施例によると、POS端末50の利用者(例えば、店員)にも、決済情報が決済端末10の決済情報記憶領域32に記憶されていない状態で、決済媒体が検出されたことを知らせることができる。なお、本実施例の第1及び第2のPOS報知信号が「第1種の報知信号」の一例である。
【0055】
(第3実施例)
続いて、第3実施例について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例では、
図2のS30において、制御部18は、表示部14、スピーカ20、及び、照明部22に第1の報知動作を行わせるとともに、さらに、検出されている決済媒体に第1の媒体報知動作を行わせるための第1の媒体報知信号を、NFCI/F16を介して決済媒体に送信する。例えば、決済媒体100が携帯電話端末等、報知動作を実行可能な媒体である場合には、決済媒体100は、第1の媒体報知信号を受信すると、第1の媒体報知動作を行う。第1の媒体報知動作は、例えば、報知音を発生させることや、決済媒体100の表示部にメッセージ(例えば、「携帯電話の取り忘れが発生しています」等)を表示すること等を含む。なお、決済媒体100がICカード等、報知動作を実行不可能な媒体であった場合には、決済媒体100は、第1の媒体報知信号を受信しても、第1の媒体報知動作を行わない。
【0056】
さらに、
図2のS32においても、制御部18は、表示部14、スピーカ20、及び、照明部22に第2の報知動作を行わせるとともに、さらに、決済媒体に第2の媒体報知動作を行わせるための第2の媒体報知信号を、NFCI/F16を介して決済媒体に送信する。この場合も同様に、例えば、決済媒体200が報知動作を実行可能な媒体である場合、当該決済媒体200は、第2の媒体報知信号を受信すると、第2の媒体報知動作を行う。第2の媒体報知動作の内容は、第1の媒体報知動作の内容とは異なる。
【0057】
本実施例によると、決済媒体が所定の報知動作を実行可能な媒体(例えば、携帯電話端末等)である場合には、決済媒体自体に報知動作を行わせることができる。決済媒体の利用者に、決済情報が決済端末10の決済情報記憶領域32に記憶されていない状態で、決済媒体が検出されたことを、より効果的に知らせることができる。上記の第1及び第2の媒体報知信号が「第2種の報知信号」の一例である。
【0058】
(第4実施例)
続いて、第4実施例について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例では、表示部14、スピーカ20、及び、照明部22が実行する第1及び第2の報知動作の内容が第1実施例とは異なる。本実施例では、表示部14、スピーカ20、及び、照明部22は、第1及び第2の報知動作が開始されてから(即ち、
図2のS24でYESと判断され、S28でYES又はNOと判断されてから)の経過時間に応じて、動作内容を変更することができる。例えば、スピーカ20は、報知音の音量を、経過時間に応じて大きくすることができる。また、例えば、照明部22は、発光色及びパターンを、経過時間に応じて変化させることができる。また、例えば、表示部14は、経過時間に応じて、表示するメッセージの内容を変化させたり、表示部14のバックライトの明度を変えたりすることができる。
【0059】
本実施例によると、決済端末は、
図2のS24でYESと判断され、S28でYES又はNOと判断されてからの経過時間に応じて、適切な報知動作を行うことができる。
【0060】
以上、本明細書で開示する技術の一実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を含んでもよい。
【0061】
(変形例1)上記の各実施例では、決済端末10の制御部18は、POS端末50から送信された決済情報を受信し、受信された決済情報をメモリ30の決済情報記憶領域32に記憶させる。これに限られず、制御部18は、決済端末10の利用者(例えば、店員)が入力部を操作して入力した決済情報を取得し、決済情報記憶領域32に記憶させてもよい。この変形例における制御部18も「取得手段」の一例である。
【0062】
(変形例2)上記の各実施例では、決済端末10は、第1及び第2の報知動作を行うための表示部14、スピーカ20、及び、照明部22をすべて有しているが、決済端末10は、表示部14、スピーカ20、及び、照明部22のうちの少なくとも1つを有していればよい。一般的に言うと、「報知手段」は表示部14、スピーカ20、及び、照明部22のうちの少なくとも1つを含めばよい。
【0063】
(変形例3)上記の各実施例では、決済端末10の制御部18は、決済情報が決済情報記憶領域32に記憶されていない状態で決済媒体を検出した場合(
図2のS24でYES)において、さらに、検出された決済媒体が、直前に行われた決済で利用された決済媒体と同一である場合に(S28でYES)、第1の報知動作を実行し(S30)、検出された決済媒体が、直前に行われた決済で利用された決済媒体と同一でない場合に(S28でNO)、第1の報知動作とは異なる第2の報知動作を実行する(S32)。これに限られず、決済端末10の制御部18は、決済情報が決済情報記憶領域32に記憶されていない状態で決済媒体を検出した場合(
図2のS24でYES)に、検出された決済媒体が、直前に行われた決済で利用された決済媒体と同一であるか否かに関わらず、同じ報知動作を実行してもよい。
【0064】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。