特許第6287089号(P6287089)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6287089基板浮上装置、基板移載装置、および基板搬送装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6287089
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】基板浮上装置、基板移載装置、および基板搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 49/06 20060101AFI20180226BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   B65G49/06 Z
   H01L21/68 A
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-235246(P2013-235246)
(22)【出願日】2013年11月13日
(65)【公開番号】特開2015-93772(P2015-93772A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2016年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】和田 浩孝
【審査官】 中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−075496(JP,A)
【文献】 特開2010−240806(JP,A)
【文献】 特開2007−324382(JP,A)
【文献】 特許第4477573(JP,B2)
【文献】 特開2011−211136(JP,A)
【文献】 特開昭63−153819(JP,A)
【文献】 特許第5060163(JP,B2)
【文献】 特開2011−213445(JP,A)
【文献】 特開2014−19514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 49/06 − 49/07
B65G 51/00 − 51/46
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の噴射孔から空気を噴射することにより、基板を載置面から浮上させる基板浮上装置であって、
表面が前記載置面であり、任意の間隔で板厚方向に貫通する前記複数の噴射孔が形成される板状部材と、
前記板状部材の裏側から前記複数の噴射孔に向けて、振動板を振動させることにより空気を吹き出す複数の送風機と、
前記複数の送風機の駆動を制御する制御部と、を備える
基板浮上装置。
【請求項2】
前記複数の送風機は、前記複数の噴射孔に対して1対1に対応して設けられる
請求項1に記載の基板浮上装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の送風機のそれぞれの駆動を制御する
請求項1または2に記載の基板浮上装置。
【請求項4】
前記複数の送風機のそれぞれは、
前記振動板と、
空気を内部空間に取り込むための吸込口と、前記複数の噴射孔の少なくとも一つと前記内部空間とを連通させる吹出口とが形成されており、かつ、前記内部空間に前記振動板が配置されるハウジングと、
前記振動板を振動させる駆動源と、を有し、
前記駆動源は、前記振動板を振動させることにより、前記吸込口から前記ハウジングの前記内部空間に空気を取り込んで、前記内部空間の空気を前記吹出口から吹き出す
請求項1から3のいずれか1項に記載の基板浮上装置。
【請求項5】
前記駆動源は、電圧が加えられることにより振動するピエゾ素子である
請求項1から4のいずれか1項に記載の基板浮上装置。
【請求項6】
前記送風機は、前記ハウジングの前記吸込口と前記吹出口との間に逆止弁がないブロアである
請求項1から5のいずれか1項に記載の基板浮上装置。
【請求項7】
前記送風機は、前記ハウジングの前記吸込口と前記吹出口との間に逆止弁を有する圧電ポンプである
請求項1から5のいずれか1項に記載の基板浮上装置。
【請求項8】
前記送風機は、さらに、前記ハウジングの前記吸込口に粉じんを除去するためのフィルタを有する
請求項1から7のいずれか1項に記載の基板浮上装置。
【請求項9】
基板を所定の載置位置から出し入れするための基板移載装置であって、
任意の間隔で板厚方向に貫通する複数の噴射孔が形成される長尺板状の複数のアームと、
前記複数のアームの裏側から前記複数の噴射孔に向けて、振動板を振動させることにより空気を吹き出す複数の送風機と、
前記複数の送風機の駆動を制御する制御部と、を備える
基板移載装置。
【請求項10】
搬送路に形成される複数の噴射孔から空気を噴射することにより、基板を搬送路の表面から浮上させ、これにより前記基板を搬送する基板搬送装置であって、
表面が前記搬送路の表面であり、任意の間隔で板厚方向に貫通する前記複数の噴射孔が形成される板状部材と、
前記板状部材の裏側から前記複数の噴射孔に向けて、振動板を振動させることにより空気を吹き出す複数の送風機と、
前記複数の送風機のうちで、前記基板が上方に位置する噴射孔に対応する送風機から空気を吹き出させる制御部と、を備える
基板搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板などの搬送物を、空気を吹き出すことにより浮上させて搬送するための基板浮上装置、基板移載装置、および基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンプレッサーを用いて高圧空気を発生させて、発生させた高圧空気をタンクに蓄え、タンクに蓄えた高圧空気を複数のノズルから搬送物の底面に向けて吹き出すことにより、搬送物を浮上させる搬送装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−75497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術のように、コンプレッサーや、小型ファン、ブロアなどの高圧空気を発生させる装置(以下、「高圧空気発生装置」という。)を用いた場合、高圧空気を発生させるための大きな電力が必要になる。
【0005】
また、この場合、高圧空気発生装置が回転する機構または摺動する機構を有しているため、当該機構の摩擦により粉じんを発生してしまうという課題も生じる。このため、従来の技術では、粉じんを除去するためのフィルタを設けている。しかしながら、フィルタは、所定の量の粉じんを除去すれば目詰まりを起こすため、高圧空気を送り込む量を維持しようとすれば定期的にメンテナンスを行う必要がある。つまり、従来の技術では、定期的にメンテナンスを行わなければ、性能を維持することができない。
【0006】
また、搬送物の搬送路から高圧空気を吹き出すことになるため、高圧空気を搬送路に送り込むための配管設備が必要となる。このため、搬送装置の体積が大きくなるため設置するスペースを確保する必要がある。また、配管設備の設置に多くのコストがかかってしまう。
【0007】
また、搬送装置をクリーンルームに適用する場合には、配管設備にさらに高圧空気を整流するためのチャンバなどの設備をさらに設ける必要があり、さらに搬送装置の体積が大きくなってしまう。
【0008】
さらに、フィルタやチャンバなどを配管に設けた場合、高圧空気の気流の制御性(応答性)が悪く効率的な運転ができない。
【0009】
そこで、本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、省エネルギー化、省スペース化、メンテナンスフリー、低コスト化、および気流の制御性の向上を実現できる基板浮上装置、基板移載装置、および基板搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る基板浮上装置は、複数の噴射孔から空気を噴射することにより、基板を載置面から浮上させる基板浮上装置であって、表面が前記載置面であり、任意の間隔で板厚方向に貫通する前記複数の噴射孔が形成される板状部材と、前記板状部材の裏側から前記複数の噴射孔に向けて、振動板を振動させることにより空気を吹き出す複数の送風機と、前記複数の送風機の駆動を制御する制御部と、を備える。
【0011】
これによれば、複数の送風機は、振動板を振動させることにより空気を吹き出す。つまり、複数の噴射孔から吹き出される空気流の発生源である送風機には、回転する機構または摺動する機構がないため、粉じんの発生を抑えることができる。これにより、送風機の機構における摩擦が原因で発生する粉じんを除去するためのフィルタを設けなくてもよくなる。このため、定期的にメンテナンスを行う必要が無く、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0012】
また、複数の噴射孔の裏側に複数の送風機を直接配置しているため、配管を設置する必要が無い。このため、配管設備を設けるためのスペースを確保する必要が無く、基板浮上装置自体の体積をコンパクトにできる。また、配管設備(チャンバを含む)の設置にかかるコストを削減することができる。さらに、複数の噴射孔に送風機からの空気を直接送ることができるため、送風機を制御すれば複数の噴射孔から噴射される空気を制御できる。
【0013】
例えば、前記複数の送風機は、前記複数の噴射孔に対して1対1に対応して設けられてもよい。
【0014】
このため、複数の噴射孔それぞれから噴射される空気の制御性を向上させることができる。
【0015】
例えば、前記制御部は、前記複数の送風機のそれぞれの駆動を制御してもよい。
【0016】
これによれば、複数の送風機をそれぞれ独立して制御することができるため、例えば、複数の送風機のうちで基板が直上に位置する送風機のみを制御することができる。このように、基板を浮上させることに使用する送風機の数を制御することができるため、複数の送風機により消費される電力を必要最低限に抑えることができる。
【0017】
例えば、前記複数の送風機のそれぞれは、前記振動板と、空気を内部空間に取り込むための吸込口と、前記複数の噴射孔の少なくとも一つと前記内部空間とを連通させる吹出口とが形成されており、かつ、前記内部空間に前記振動板が配置されるハウジングと、前記振動板を振動させる駆動源と、を有し、前記駆動源は、前記振動板を振動させることにより、前記吸込口から前記ハウジングの前記内部空間に空気を取り込んで、前記内部空間の空気を前記吹出口から吹き出してもよい。
【0018】
これによれば、複数の送風機のそれぞれは、駆動源が振動板を振動させることにより、吸込口からハウジングの内部空間に空気を取り込んで、当該空気を吹出口から吹き出す構成であるため、駆動時に機構の摩擦が生じにくい構成である。このため、送風機の駆動時であっても、粉じんが発生しないようにできる。
【0019】
例えば、前記駆動源は、電圧が加えられることにより振動するピエゾ素子であってもよい。
【0020】
このため、電圧を加えることで振動板に効率よく振動を伝えることができる。また、電圧を加えたときに振動板を直ちに振動させることができるため、振動板を振動させたときの応答性を向上させることができる。
【0021】
例えば、前記送風機は、前記ハウジングの前記吸込口と前記吹出口との間に逆止弁がないブロアであってもよい。また、例えば、前記送風機は、前記ハウジングの前記吸込口と前記吹出口との間に逆止弁を有する圧電ポンプであってもよい。
【0022】
例えば、前記送風機は、さらに、前記ハウジングの前記吸込口に粉じんを除去するためのフィルタを有してもよい。
【0023】
このため、送風機に外部の空気中に含まれる粉じんが取り込まれることを防ぐことができる。これにより、送風機の送風効率が粉じんにより低下することを防ぐことができる。
【0024】
本発明の他の態様に係る基板移載装置は、基板を所定の載置位置から出し入れするための基板移載装置であって、任意の間隔で板厚方向に貫通する複数の噴射孔が形成される長尺板状の複数のアームと、前記複数のアームの裏側から前記複数の噴射孔に向けて、振動板を振動させることにより空気を吹き出す複数の送風機と、前記複数の送風機の駆動を制御する制御部と、を備える。
【0025】
また、本発明の他の態様に係る基板搬送装置は、搬送路に形成される複数の噴射孔から空気を噴射することにより、基板を搬送路の表面から浮上させ、これにより前記基板を搬送する基板搬送装置であって、表面が前記搬送路の表面であり、任意の間隔で板厚方向に貫通する前記複数の噴射孔が形成される板状部材と、前記板状部材の裏側から前記複数の噴射孔に向けて、振動板を振動させることにより空気を吹き出す複数の送風機と、前記複数の送風機のうちで、前記基板が上方に位置する噴射孔に対応する送風機から空気を吹き出させる制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0026】
本発明の基板浮上装置、基板移載装置、および基板搬送装置は、省エネルギー化、省スペース化、メンテナンスフリー、低コスト化、および気流の制御性の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本実施の形態1にかかる基板浮上装置を用いた、基板搬送装置を示す図である。
図2図1の(b)の部分P1の拡大図である。
図3】変形例(1)にかかる基板浮上装置における図1の(b)の部分P1の拡大図である。
図4】変形例(3)にかかる基板浮上装置における図1の(b)の部分P1の拡大図である。
図5】本実施の形態2にかかる基板移載装置の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一態様に係る基板浮上装置、基板移載装置および基板搬送装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0029】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0030】
(実施の形態1)
本実施の形態1にかかる基板搬送装置は、搬送路に形成される複数の噴射孔が設けられており、複数の噴射孔から空気を噴射することにより、基板を載置面から浮上させる基板浮上装置を利用して、基板を当該搬送路に沿って搬送する装置である。
【0031】
図1は、本実施の形態1にかかる基板浮上装置を用いた、基板搬送装置を示す図である。図1の(a)は、基板搬送装置1を上方から見た平面図であり、図1の(b)は、図1の(a)におけるa−a断面図である。
【0032】
基板搬送装置1は、架台としての基板浮上装置100と、搬送ローラ140と、ガイドローラ150とを備える。
【0033】
基板浮上装置100は、板状部材110と、複数の送風機120と、制御部130とを備える。
【0034】
板状部材110は、表面A1が基板160の載置面であり、任意の間隔で板厚方向に貫通する複数の噴射孔111が形成される。
【0035】
複数の送風機120は、板状部材110の裏側から複数の噴射孔111に向けて振動板を振動させることにより空気を吹き出す。また、複数の送風機120は、板状部材110に設けられた複数の噴射孔111に対して1対1に対応して設けられる。
【0036】
制御部130は、複数の送風機120の駆動を制御する。制御部130は、例えば、複数の送風機のそれぞれの駆動を制御してもよい。つまり、制御部130は、複数の送風機のそれぞれを独立して制御してもよい。
【0037】
図2は、図1の(b)の部分P1の拡大図である。つまり、図2は、送風機120の構成について説明するための図である。
【0038】
複数の送風機120のそれぞれは、振動板124と、ハウジング121と、駆動源としてのピエゾ素子125とを有する。
【0039】
ハウジング121には、吸込口122と、吹出口123とが形成されている。また、ハウジング121は、内部空間S1を形成しており、内部空間S1に振動板124およびピエゾ素子125が配置されている。つまり、ハウジング121は、振動板124を内包している。吸込口122は、ハウジング121の下部に形成されている。吸込口122は、外部の空気を内部空間S1に取り込むための開口部である。吹出口123は、ハウジング121の上部に形成されている。吹出口123は、円筒形状であり、ハウジング121の内部空間S1により生じた空気流を、板状部材110に形成された複数の噴射孔111の一つに吹き出している。つまり、吹出口123は、複数の噴射孔111の一つと内部空間S1とを連通させている。また、吹出口123の円筒形状の外周面は、噴射孔111の内周面と接している。これにより、複数の送風機120のそれぞれから発生された空気流は、効率よく複数の噴射孔111のそれぞれから噴射されることになる。
【0040】
ピエゾ素子125は、電圧が加えられることにより振動することで、振動板124を振動させる。ピエゾ素子125は、振動板124を振動させることにより、吸込口122からハウジング121の内部空間S1に空気を取り込んで、内部空間S1の空気を吹出口123から吹き出す。ピエゾ素子125は、振動板124と面接触することにより振動板に振動を伝達する。なお、振動板124は、単なる膜状の部材であるが、ピエゾ素子125が振動板124の機能を兼ねていてもよい。つまり、振動板自体がピエゾ素子である構造であってもよい。
【0041】
上述のような構成の送風機120としては、例えば、株式会社村田製作所製のマイクロブロアを利用することができる。
【0042】
本実施の形態1にかかる基板浮上装置100によれば、複数の送風機120は、振動板124を振動させることにより空気を吹き出す。つまり、複数の噴射孔111から吹き出される空気流の発生源である送風機120には、回転する機構または摺動する機構がないため、粉じんの発生を抑えることができる。これにより、送風機120の機構における摩擦が原因で発生する粉じんを除去するためのフィルタを設けなくてもよくなる。このため、定期的にメンテナンスを行う必要が無く、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0043】
また、複数の噴射孔111の裏側に複数の送風機120を直接配置しているため、配管を設置する必要が無い。このため、配管設備を設けるためのスペースを確保する必要が無く、基板浮上装置100自体の体積をコンパクトにできる。また、配管設備(チャンバを含む)の設置にかかるコストを削減することができる。さらに、複数の噴射孔111に送風機120からの空気を直接送ることができるため、送風機120を制御すれば複数の噴射孔111から噴射される空気を制御できる。つまり、複数の噴射孔111から噴射される空気の制御性を向上できる。
【0044】
また、本実施の形態1にかかる基板浮上装置100によれば、複数の送風機120のそれぞれは、ピエゾ素子125が振動板124を振動させることにより、吸込口122からハウジング121の内部空間S1に空気を取り込んで、当該空気を吹出口123から吹き出す構成であるため、駆動時に機構の摩擦が生じにくい構成である。このため、送風機120の駆動時であっても、粉じんが発生しないようにできる。
【0045】
また、本実施の形態1にかかる基板浮上装置100によれば、複数の送風機120は、複数の噴射孔111に対して1対1に対応して設けられるため、複数の噴射孔111のそれぞれから噴射される空気の制御性を向上させることができる。
【0046】
また、本実施の形態1にかかる基板浮上装置100によれば、複数の送風機120をそれぞれ独立して制御することができるため、例えば、複数の送風機120のうちで基板が直上に位置する複数の送風機120のみを制御することができる。このように、基板160を浮上させることに使用する送風機120の数を制御することができるため、複数の送風機120により消費される電力を必要最低限に抑えることができる。
【0047】
また、本実施の形態1にかかる基板浮上装置100によれば、駆動源として電圧が加えられることにより振動するピエゾ素子125が採用されているため、電圧をピエゾ素子125に加えることで振動板124に効率よく振動を伝えることができる。また、電圧を加えたときに振動板124を直ちに振動させることができるため、振動板124を振動させたときの応答性を向上させることができる。
【0048】
(変形例)
(1)
上記実施の形態1にかかる基板浮上装置100では、複数の送風機120のハウジング121の吸込口122は単なる開口部となっているが、これに限らない。例えば、図3に示すように吸込口122に粉じんを除去するフィルタ126を設けた送風機120aを採用した基板浮上装置100aとしてもよい。
【0049】
これにより、複数の送風機120aのそれぞれには、外部の空気中に粉じんが含まれる場合であっても粉じんがハウジング121の内部空間S1に取り込まれることを防ぐことができる。これにより、送風機120aの送風効率が粉じんによって低下することを防ぐことができる。
【0050】
(2)
上記実施の形態1にかかる基板浮上装置100では、複数の送風機120の振動板124はピエゾ素子125によって振動されているが、これに限らずに、例えば、カムを回転させることにより振動を発生させてもよい。なお、この場合の複数の送風機では、摩擦により粉じんが生じてしまうが、基板浮上装置の配管設備を省略できるという点で有用である。
【0051】
(3)
上記実施の形態にかかる基板浮上装置100では、複数の送風機120のそれぞれは、ハウジング121の吸込口122と吹出口123との間に逆止弁がないマイクロブロアが採用されているがこれに限らない。例えば、図4に示すような、圧電ポンプを採用した送風機120bを採用してもよい。
【0052】
図4は、変形例(3)にかかる送風機120bは、振動板124bと、ハウジング121bと、駆動源としてのピエゾ素子125bとの他に、逆止弁127、128をさらに有する。
【0053】
ハウジング121bには、円筒形状の吸込口122bおよび吹出口123bが形成されている。また、ハウジング121は、内部空間S2を形成しており、内部空間S2に振動板124bおよびピエゾ素子125bが配置されている。吸込口122bおよび吹出口123bは、内部空間S2と連通している。吸込口122bと内部空間S2との間には、内部空間S2に吸い込まれる空気が吸込口122bに向かって逆流することを防止するための逆止弁127が設けられている。また、吹出口123bと内部空間S2の間には、内部空間S2から吹き出される空気が内部空間S2に向かって逆流することを防止するための逆止弁128が設けられている。そして、送風機120bの吹出口123bと板状部材110に形成される噴射孔111とは、連通部材129a、129bにより互いに連通された状態で連結されている。
【0054】
なお、上述のような構成の送風機120bとしては、例えば、高砂電気工業株式会社製のピエゾマイクロポンプを利用することができる。
【0055】
(実施の形態2)
本実施の形態2にかかる基板移載装置は、基板を載置するアームに複数の噴射孔が設けられており、複数の噴射孔から空気を噴射することにより、基板をアームの表面から浮上させ、基板をアームから所定の載置位置に移載する装置である。
【0056】
図5は、本実施の形態2にかかる基板移載装置の外観を示す斜視図である。
【0057】
基板移載装置2は、複数のアーム210と、複数の送風機120とを少なくとも有する。本実施の形態2にかかる基板移載装置2は、図5に示すように、さらに、複数のアーム210(本実施の形態では4本)を支持する支持部材310と、第1ガイド320と、第2ガイド330と、第3ガイドとを有する。
【0058】
複数のアーム210は、任意の間隔で板厚方向に貫通する複数の噴射孔211が形成される奥行方向(Y軸方向)に延びる長尺板状の部材である。複数の送風機120は、複数のアーム210の裏側から複数の噴射孔211に向けて空気を吹き出す。本実施の形態2では、複数の送風機120は、複数のアーム210のそれぞれに設けられる複数の噴射孔211のそれぞれに対して1つずつ設けられる。なお、複数の送風機120の具体的な構造は、実施の形態1にかかる送風機120と同じ構造であるため説明を省略する。
【0059】
第1ガイド320は、当該支持部材310を上下方向(Z軸方向)にスライドするためのガイドである。具体的には、第1ガイド320は、一対の柱状部材であり、支持部材310を幅方向(X軸方向)で挟み込んでいる。そして、支持部材310のX軸方向外側と一対の第1ガイド320のX軸方向内側とは、Z軸方向に摺動可能に連結されている。
【0060】
第2ガイド330は、支持部材310が連結されている第1ガイド320を奥行方向(Y軸方向)にスライドするガイドである。第2ガイド330は、具体的には、板状部材であり、一対の第1ガイド320の下部によってX軸方向で挟み込まれている。そして、第1ガイド320の下部のX軸方向外側と、第2ガイド330のX軸方向外側とはY軸方向に摺動可能に連結されている。
【0061】
第3ガイド340は、支持部材310および第1ガイド320が連結されている第2ガイド330をX軸方向にスライドするためのガイドである。具体的には、第3ガイド340は、X軸方向に延びる長尺状の部材であり、第2ガイド330の下面と、第2ガイド330がX軸方向に摺動可能に連結されている。
【0062】
第1ガイド320、第2ガイド330および第3ガイド340は、それぞれが動力を有しており、それぞれが連結している相手の部材を摺動可能な方向に向けてスライドするような構成であってもよい。
【0063】
本実施の形態2にかかる基板移載装置2によれば、基板160を移載するための複数のアーム210に本実施の形態1で説明した基板浮上装置を適用している。このため、基板160を複数のアーム210から浮上させた状態で、基板160の所定の載置位置に移動させることができる。これにより、基板160を所定の載置位置から出し入れするときに、基板160と複数のアーム210とが非接触の状態とすることができるため、基板160に傷を付けないで起動させることができる。
【0064】
以上、本発明の一つまたは複数の態様に係る基板浮上装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、液晶基板等の搬送物を空気により浮上させて、搬送または移載に利用できる基板浮上装置などとして有用である。
【符号の説明】
【0066】
1 基板搬送装置
100、100a 基板浮上装置
110 板状部材
111、211 噴射孔
120、120a、120b 送風機
121、121b ハウジング
122、122b 吸込口
123、123b 吹出口
124、124b 振動板
125、125b ピエゾ素子
126 フィルタ
127、128 逆止弁
129a、129b 連通部材
130 制御部
140 搬送ローラ
150 ガイドローラ
160 基板
210 アーム
310 支持部材
320 第1ガイド
330 第2ガイド
340 第3ガイド
図1
図2
図3
図4
図5