特許第6287090号(P6287090)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6287090
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】回路遮断器
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/20 20060101AFI20180226BHJP
   H01H 73/20 20060101ALI20180226BHJP
   H01H 73/12 20060101ALI20180226BHJP
   H01H 73/02 20060101ALI20180226BHJP
   H02B 1/04 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   H02B1/20 T
   H01H73/20 A
   H01H73/12
   H01H73/02 B
   H02B1/04 A
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-235687(P2013-235687)
(22)【出願日】2013年11月14日
(65)【公開番号】特開2015-96011(P2015-96011A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2016年10月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】廣▲瀬▼ 高峰
(72)【発明者】
【氏名】浜田 佳伸
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06062914(US,A)
【文献】 特表2010−530117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/20
H01H 73/02
H01H 73/12
H01H 73/20
H02B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子台と、この端子台に挿抜可能な外部接続端子を有する回路遮断器本体とを備え、配電盤、分電盤、制御盤などの盤内に複数台並べて配置され、前記盤内に配置した付属装置に接続されるプラグイン形の回路遮断器であって、
前記端子台は、並び方向に対して直交する直交方向に離間して一対の端子台補助端子が形成され、前記一対の端子台補助端子の一方は、第1の本体側接続部及び第1の付属側接続部を備え、前記一対の端子台補助端子の他方は、第2の本体側接続部及び第2の付属側接続部を備えており、前記第1及び第2の本体側接続部は、互いに近接する位置に配置され、前記第1及び第2の付属側接続部は、前記直交方向の互いに離間した位置に配置されており、
前記端子台は、前記第1の付属側接続部を含めた領域であって前記端子台の並び方向の両端まで直線状に延在する第1の配線用空間が形成されているとともに、前記第2の付属側接続部を含めた領域であって前記第1の配線用空間に平行に前記端子台の並び方向の両端まで直線状に延在する第2の配線用空間が形成され、
並べて配置された複数台の前記端子台は、各端子台の前記第1の配線用空間が直線状に連続するとともに、各端子台の前記第2の配線用空間が直線状に連続しており、
前記回路遮断器本体の底面には、一対の本体補助外部端子が形成されており、
直線状に連続した複数の前記端子台の前記第1の配線用空間に第1の直線状配線部材を配置して前記第1の付属側接続部を接続し、
直線状に連続した複数の前記端子台の前記第2の配線用空間に第2の直線状配線部材を配置して前記第2の付属側接続部を接続し、
これら第1及び第2の直線状配線部材の端部が、前記盤内に配置した前記付属装置に接続されているとともに、
前記外部接続端子の挿入により複数の前記回路遮断器本体が複数の前記端子台に装着されたときに、各回路遮断器本体の前記一対の本体補助外部端子が前記第1及び第2の本体側接続部に接続されることを特徴とする回路遮断器。
【請求項2】
前記端子台は、前記第1の配線用空間及び前記第2の配線用空間の間に、前記第1及び第2の直線状配線部材の絶縁を確保する仕切り壁を設けたことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
【請求項3】
前記仕切り壁は、前記第1の配線用空間に配置した前記第1の付属側接続部と、これに連結する前記第1の本体側接続部とを仕切っているとともに、前記第2の配線用空間に配置した前記第2の付属側接続部と、これに連結する前記第2の本体側接続部とを仕切っていることを特徴とする請求項2記載の回路遮断器。
【請求項4】
前記端子台に設けた前記第1及び第2の付属側接続部は、前記回路遮断器本体がトリップ動作を行ったときに連動して開閉動作を行う補助接点に接続することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の回路遮断器。
【請求項5】
前記付属装置は、前記盤内に複数台並べて配置された前記回路遮断器本体の何れかがトリップ動作を行ったときに警報を発する警報装置であることを特徴とする請求項4記載の回路遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線用遮断器や漏電遮断器などの回路遮断器に関し、特に、配電盤等に装着した端子台と、この端子台に挿抜可能な外部接続端子を有する回路遮断器本体を備えたプラグイン形の回路遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、配電盤1の回路図を示すものであり、電源から分岐して負荷A,負荷B,負荷Cに接続する各分岐回路のそれぞれに回路遮断器2A,2B,2Cが接続されている。各回路遮断器2A,2B,2Cは、主回路3の主回路接点4と、短絡事故等で主回路3に過電流が流れたときに主回路接点4をトリップ状態に動作させる過電流引外し装置5と、過電流引外し装置5に連動するa接点(常開接点)の補助接点6とを備えた装置である。
【0003】
図8の配電盤1には、回路遮断器2A,2B,2Cの何れかがトリップ状態であることを外部に報知するために、各分岐回路の回路遮断器2A,2B,2Cの補助接点6に並列に警報装置7が接続されている。そして、回路遮断器2A,2B,2Cの何れかがトリップ状態となり、その回路遮断器の補助接点6が閉動作をすると、警報装置7が例えば警報音を発するようになっている。
配電盤1に配置する回路遮断器は、配置盤の簡素化、小スペース化、着脱装置の簡便化を図るためにプラグイン形式の回路遮断器が採用されている(例えば特許文献1〜特許文献3)。
プラグイン形の回路遮断器の構造として、配電盤1の盤内に固定した直方体形状の端子台と、各端子台に着脱自在に装着した回路遮断器本体と、を備えたものが知られている。
【0004】
図9は、端子台8A,8B,8Cを、互いに短尺方向に並べて配電盤1に配置した状態を示すものである。端子台8A,8B,8Cは、長手方向両端部の内部に端子台電源側端子9a,9b及び端子台負荷側端子10a,10bを設けた端子台ケースを備えており、この端子台ケースには、端子台電源側端子9a,9b及び負端子台負荷側端子10a,10bに向けて開口する差し込み口11が形成されている。端子台8A,8B,8Cの長手方向の中央部には、互いに短尺方向に並びながら端子台ケースの外部に露出する端子台補助端子12a,12bが設けられている。
【0005】
端子台8A,8B,8Cの端子台電源側端子9a,9bには電源側配線(不図示)が接続され、端子台負荷側端子10a,10bには負荷A,B,Cの負荷側配線(不図示)が接続されている。また、警報装置7及び端子台8A,8B,8Cの端子台補助端子12a,12bを複数の補助配線13a〜13fで接続することにより、警報装置7に対して端子台8A,8B,8Cの補助接点6が並列に接続されている。
【0006】
そして、回路遮断器本体の主回路接点4に接続して回路遮断器本体の下部から外部に突出している本体電源側外部端子及び本体負荷側外部端子を、端子台8A,8B,8Cの差し込み口11に挿入して係合すると、回路遮断器本体が端子台8A,8B,8Cに着脱自在に装着され、本体電源側外部端子が端子台電源側端子9a,9bに接続され、本体負荷側外部端子が端子台負荷側端子10a,10bに接続されるとともに、回路遮断器本体の補助接点6に接続して回路遮断器本体の下部から外部に突出している本体補助外部端子が端子台補助端子12a,12bに接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−48601号公報
【特許文献2】特開2004−363066号公報
【特許文献3】特開平11−96861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、図9で示した端子台8A,8B,8Cの端子台補助端子12a,12bは、補助配線13a〜13fを接続する方向(配線方向)が長尺方向(端子台電源側端子9a,9bから端子台負荷側端子10a,10bに向かう方向)であり、端子台補助端子12a,12bの並び方向が短尺方向に設定されているので、補助配線13a〜13fは、警報装置7及び端子台8A,8B,8Cの間を渡り配線で接続されているとともに、異極同士の補助配線(例えば補助配線13b,13e同士、或いは補助配線13c,13f同士)が交叉した状態となっている。
このように、補助配線13a〜13fを警報装置7及び端子台8A,8B,8Cの間で渡り配線、且つ交叉した状態で接続する場合には、配線間違いを防止するために補助配線13a〜13fの慎重な接続作業を行わなければならず、配線作業に手間が掛かるという問題がある。
そこで、本発明は、盤内に配置した付属装置に対して複数の端子台を並列に接続する際に、接続作業を容易に行うことができるプラグイン形の回路遮断器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る回路遮断器は、端子台と、この端子台に挿抜可能な外部接続端子を有する回路遮断器本体とを備え、配電盤、分電盤、制御盤などの盤内に複数台並べて配置され、前記盤内に配置した付属装置に接続されるプラグイン形の回路遮断器であって、前記端子台は、並び方向に対して直交する直交方向に離間して一対の端子台補助端子が形成され、前記一対の端子台補助端子の一方は、第1の本体側接続部及び第1の付属側接続部を備え、前記一対の端子台補助端子の他方は、第2の本体側接続部及び第2の付属側接続部を備えており、前記第1及び第2の本体側接続部は、互いに近接する位置に配置され、前記第1及び第2の付属側接続部は、前記直交方向の互いに離間した位置に配置されており、前記端子台は、前記第1の付属側接続部を含めた領域であって前記端子台の並び方向の両端まで直線状に延在する第1の配線用空間が形成されているとともに、前記第2の付属側接続部を含めた領域であって前記第1の配線用空間に平行に前記端子台の並び方向の両端まで直線状に延在する第2の配線用空間が形成され、並べて配置された複数台の前記端子台は、各端子台の前記第1の配線用空間が直線状に連続するとともに、各端子台の前記第2の配線用空間が直線状に連続しており、前記回路遮断器本体の底面には、一対の本体補助外部端子が形成されており、直線状に連続した複数の前記端子台の前記第1の配線用空間に第1の直線状配線部材を配置して前記第1の付属側接続部を接続し、直線状に連続した複数の前記端子台の前記第2の配線用空間に第2の直線状配線部材を配置して前記第2の付属側接続部を接続し、これら第1及び第2の直線状配線部材の端部が、前記盤内に配置した前記付属装置に接続されているとともに、前記外部接続端子の挿入により複数の前記回路遮断器本体が複数の前記端子台に装着されたときに、各回路遮断器本体の前記一対の本体補助外部端子が前記第1及び第2の本体側接続部に接続されている。
【0010】
この発明の一態様に係る回路遮断器によると、直線状に連続した複数の端子台の第1の配線用空間に第1の直線状配線部材を配置して第1の付属側接続部を接続し、直線状に連続した複数の端子台の第2の配線用空間に第2の直線状配線部材を配置して第2の付属側接続部を接続するといった簡単な配線作業を行うだけで、付属装置に対して複数の回路遮断器を並列に接続することができるので、従来装置のような渡り配線、且つ交叉した状態で配線を接続する作業が不要となるので配線間違いを確実に防止する。
【0011】
また、本発明の一態様に係る回路遮断器は、前記端子台が、前記第1の配線用空間及び前記第2の配線用空間の間に、前記第1及び第2の直線状配線部材の絶縁を確保する仕切り壁を設けている。
この発明の一態様に係る回路遮断器によると、非絶縁性の第1及び第2の直線状配線部材を使用しても絶縁性を十分に確保することができる。
また、本発明の一態様に係る回路遮断器は、前記端子台に設けた前記第1及び第2の付属側接続部が、前記回路遮断器本体がトリップ動作を行ったときに連動して開閉動作を行う補助接点に接続する。
この発明の一態様に係る回路遮断器によると、回路遮断器本体がトリップ動作に連動して付属装置を動作させることができる。
【0012】
さらに、本発明の一態様に係る回路遮断器は、前記付属装置が、前記盤内に複数台並べて配置された前記回路遮断器本体の何れかがトリップ動作を行ったときに警報を発する警報装置である。
この発明の一態様に係る回路遮断器によると、何れかの回路遮断器を配置した回路に短絡事故などにより過電流が流れたときに、警報装置で警報を発することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る回路遮断器によれば、直線状に連続した複数の端子台の第1の配線用空間に第1の直線状配線部材を配置して第1の付属側接続部を接続し、直線状に連続した複数の端子台の第2の配線用空間に第2の直線状配線部材を配置して第2の付属側接続部を接続するといった簡単な配線作業を行うだけで、付属装置に対して複数の回路遮断器を並列に接続することができるので、盤内に配置した付属装置に対して複数の端子台を並列に接続する際に、接続作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るプラグイン形の回路遮断器を示す斜視図である。
図2】回路遮断器を構成する回路遮断器本体を上方から示した斜視図である。
図3】回路遮断器本体を下方から示した斜視図である。
図4】回路遮断器を構成する端子台を平面視で示した図である。
図5】端子台に設けた端子台補助端子の構造を拡大して示した平面図である。
図6】端子台を側方から示した斜視図である。
図7】複数の端子台が短尺方向に並べて配置され、複数の端子台を短尺方向に横切るように直線状の配線が接続されている状態を示す平面図である。
図8】配電盤の盤内に配置した付属装置に、複数の回路遮断器の補助接点が並列に接続した状態を示した回路図である。
図9】従来の複数の端子台同士の配線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図8で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図1は、配電盤1に配置されるプラグイン形の回路遮断器2A,2B,2Cを示すものであり、配電盤1の盤内に固定される直方体形状の端子台20と、端子台20に着脱自在に装着されている回路遮断器本体21とを備えている。そして、本実施形態においても、配電盤1の盤内でプラグイン形の回路遮断器2A,2B,2Cの補助接点6に並列に警報装置7が接続される。
【0016】
回路遮断器本体21は、図2に示すように、開閉操作ハンドル22、可動接触子(不図示)、固定接触子(不図示)、接触子開閉機構(不図示)、図8で示した主回路接点4、短絡事故等で主回路3に過電流が流れたときに主回路接点4をトリップ状態に動作させる過電流引外し装置5、過電流引外し装置5に連動するa接点(常開接点)の補助接点6が内蔵されている。
また、図3に示すように、回路遮断器本体21の下部に、本体電源側外部端子23a,23b及び本体負荷側外部端子24a,24bが突出して設けられており、これら本体電源側外部端子23a,23b及び本体負荷側外部端子24a,24bの間に、本体補助外部端子25a,25bが突出して設けられている。
【0017】
端子台20は、図4に示すように、直方体形状の端子台ケース26の長手方向の両端部の側面から端子台電源側端子27a,27b及び端子台負荷側端子28a,28bが突出して設けられており、端子台ケース26に、端子台電源側端子27a,27b及び端子台負荷側端子28a,28bに向けて差し込み口29が開口している。
また、端子台ケース26の長手方向の中央部に、端子台ケース26の長手方向に互いに離間して端子台補助端子30,31が設けられている。
【0018】
一方の端子台補助端子30は、図5に示すように、本体補助外部端子25a(図3参照)が当接して接続する本体側接続部30aと、本体側接続部30aから端子台電源側端子27a,27b側に延在している付属側接続部30bとを備え、付属側接続部30bにはねじ孔(不図示)が設けられており、端子ねじ32及び端子座金33を介して端子台ケース26に固定されている。他方の端子台補助端子31も一方の端子台補助端子30と同一形状であり、本体側接続部31aと、端子台負荷側端子28a,28b側に延在している付属側接続部31bとを備え、付属側接続部31bはねじ孔(不図示)が設けられ、端子ねじ32及び端子座金33を介して端子台ケース26に固定されている。
【0019】
ここで、図5及び図6に示すように、端子台ケース26には、一方の端子台補助端子30の本体側接続部30a及び付属側接続部30bの間に、これら本体側接続部30a及び付属側接続部30bの連結部分を除いて両者を仕切る仕切り壁34,35が形成されている。また、仕切り壁34,35より端子台電源側端子27a,27b側の領域には、付属側接続部30bを含めて端子台ケース26の短尺方向の両端まで直線状に延在する第1の配線用空間36が形成されている。
【0020】
また、端子台ケース26は、他方の端子台補助端子31の本体側接続部31a及び付属側接続部31bの間に、これら本体側接続部31a及び付属側接続部31bの連結部分を除いて両者を仕切る仕切り壁37,38が形成されている。また、仕切り壁37,38より端子台負荷側端子28a,28b側の領域には、付属側接続部31bを含めて端子台ケース26の短尺方向の両端まで直線状に延在する第2の配線用空間39が形成されている。
【0021】
次に、図7は、配電盤1の盤内に警報装置7に対して3台の回路遮断器2A,2B,2Cの補助接点6を並列に接続する際に、各回路遮断器2A,2B,2Cの端子台20の配置位置及び端子台20の配線状態を示すものである。
図7に示すように、3台の回路遮断器2A,2B,2Cの端子台20を短尺方向に並べて配電盤1に固定する。
短尺方向に並べて配置した3台の端子台20は、互いの仕切り壁34,35より端子台電源側端子27a,27b側に設けた第1の配線用空間36が短尺方向に直線状に連続するとともに、互いの仕切り壁37,37より端子台負荷側端子28a,28b側に設けた第2の配線用空間39が短尺方向に直線状に連続する。
【0022】
これら3台の端子台20の短尺方向に連続する第1の配線用空間36に板状の第1のブスバー40を配置し、この第1のブスバー40を各端子台20の付属側接続部30bの端子ねじ32及び端子座金33で固定する。また、3台の端子台20の短尺方向に連続する第2の配線用空間39に板状の第2のブスバー41を配置し、この第2のブスバー41を、各端子台20の付属側接続部31bの端子ねじ32及び端子座金33で固定する。そして、第1及び第2ブスバー40,41の一端に警報装置7を接続する。
【0023】
そして、上記のように配電盤1に配置した3台の端子台20に対して、端子台電源側端子27a,27b側の差し込み口29に、回路遮断器本体21の本体電源側外部端子23a,23bを差し込み、端子台負荷側端子28a,28b側の差し込み口29に、回路遮断器本体21の本体負荷側外部端子24a,24bを差し込むことで、回路遮断器本体21が端子台20に装着されるとともに、本体電源側外部端子23a,23bが端子台電源側端子27a,27bに接続し、本体負荷側外部端子24a,24bが端子台負荷側端子28a,28bに接続し、回路遮断器本体21の本体補助外部端子25a,25bが、端子台20の本体側接続部30a,31aに接続する。
【0024】
これにより、図8で示したように、配電盤1に3台の回路遮断器2A,2B,2Cが配置され、これら回路遮断器2A,2B,2Cの補助接点6が警報装置7に対して並列に接続される。そして、負荷A〜負荷Cに接続している回路遮断器2A,2B,2Cの何れかに短絡事故等による過電流が流れたときに、その回路遮断器の主回路接点4が過電流引外し装置5によってトリップ状態となり、補助接点6が閉動作を行うことで、警報装置7が警報音を発する。
【0025】
ここで、本発明に係る外部接続端子が、本体電源側外部端子23a,23b、本体負荷側外部端子24a,24bに対応し、本発明に係る付属装置が、警報装置7に対応し、本発明に係る第1の付属側接続部が、端子台補助端子30の付属側接続部30bに対応し、本発明に係る第2の付属側接続部が端子台補助端子31の付属側接続部31bに対応し、本発明に係る第1の直線状配線部材が、第1のブスバー40に対応し、本発明に係る第2の直線状配線部材が、第2のブスバー41に対応している。
【0026】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態の回路遮断器2A,2B,2Cを構成する3台の端子台20は、配電盤1の盤内に短尺方向に並べて配置すると、警報装置7に接続する付属側接続部30bを備えた第1の配線用空間36が短尺方向に直線状に連続し、警報装置7に接続する付属側接続部31bを備えた第2の配線用空間39が短尺方向に直線状に連続した状態となる。これら直線状に連続した第1の配線用空間36及び第2の配線用空間39に、第1のブスバー40及び第2のブスバー41を配置し、第1のブスバー40に付属側接続部30bを接続し、第2のブスバー41に付属側接続部31bを接続するという簡単な配線作業を行うだけで、警報装置7に対して回路遮断器2A,2B,2Cの補助接点6を並列に接続することができる。したがって、従来装置のような渡り配線、且つ交叉した状態で配線を接続する作業が不要となるので配線間違いを確実に防止し、配電盤1の盤内での回路遮断器2A,2B,2Cの配線の接続作業を容易に行うことができる。
【0027】
また、3台の端子台20の間で互いに平行に延在している第1及び第2のブスバー40,41は、それらの間に仕切り壁34,35,37,38が設けられて十分な絶縁距離が確保されているので、非絶縁性の第1及び第2のブスバー40,41を使用しても絶縁性を十分に確保することができる。
なお、上記実施形態では、短尺方向に直線状に連続する第1の配線用空間36及び第2の配線用空間39に、板状の第1及び第2のブスバー40,41を配置したが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、例えば、棒状の銅線を第1の配線用空間36及び第2の配線用空間39に配置し、その棒状の銅線を、端子ねじ32、端子座金33を介して付属側接続部30b,31bに固定するようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0028】
また、上記実施形態では、3台の回路遮断器2A,2B,2Cについて説明したが、他の台数の回路遮断器を使用しても同様の効果を得ることができる。
さらに、上記実施形態では警報装置7を回路遮断器2A,2B,2Cの補助接点6に並列に接続するようにしたが、警報装置7に代わる他の付属装置を採用してもよい。
さらに、上記実施形態のプラグイン形の回路遮断器2A,2B,2Cは、配電盤1に限らず、分電盤、制御盤などに配置してもよい。
【符号の説明】
【0029】
1…配電盤、2A,2B,2C…回路遮断器、3…主回路、4…主回路接点、5…過電流引外し装置、6…補助接点、7…警報装置、20…端子台、21…回路遮断器本体、22…開閉操作ハンドル、23a,23b…本体電源側外部端子、24a,24b…本体負荷側外部端子、25a,25b…本体補助外部端子、26…端子台ケース、27a,27b…端子台電源側端子、28a,28b…端子台負荷側端子、29…差し込み口、30,31…端子台補助端子、30a,31a…本体側接続部、30b,31b…付属側接続部、32…端子ねじ、33…端子座金、34,35,37,38…仕切り壁、36…第1の配線用空間、39…第2の配線用空間、40…第1のブスバー、41…第2のブスバー
図1
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図9