(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下、
図1〜
図15参照して実施の形態1を説明する。
まず、
図1〜
図2を参照して、電気掃除機1について説明する。
図1は、実施の形態1における電気掃除機1を示す斜視図である。
図2は、吸込口体6からホース3に至る部位の側面図である。
【0010】
図1〜
図2に示すように、電気掃除機1は、本体(掃除機本体)2、ホース3、手元ハンドル体4、延長管5、吸込口体6を備える。
吸込口体6は、下向きに形成された開口から、床面上のごみ(塵埃)を空気と一緒に内部に取り込む部位である。この吸込口体6の吸気側の端部には、次に説明する延長管5に接続する接続管6aが設けられている。
【0011】
次に延長管5は、後述する手元ハンドル体4に接続する集塵接続体の1つであり、全体として真直ぐな円筒状を呈する。延長管5の一端部は吸込口体6の接続管6aに接続し、他端部は手元ハンドル体4に接続する。
使用者は、延長管5に設けられたボタン5aの操作を行うことにより、吸込口体6を延長管5から取り外すことができる。
【0012】
延長管5は、吸気側の端部にブラシ5cを備える。このブラシ5cは、吸込口体6を外した状態で被清掃面に接触させて使用するもので、延長管5の吸気側の開口周辺に移動可能である。
使用者は、延長管5の排気側の端部に設けられた伸縮ボタン5bを操作することにより、延長管5を伸縮させることができる。
【0013】
ここでは、手元ハンドル体4に接続される集塵接続体の例として、延長管5について説明したが、この他に、先端が窄んだ形状に構成され狭い部分の塵埃を吸い取りやすく構成されたノズルや、先端に毛ブラシが植毛され隙間などの塵埃を書き出しやすく構成されたブラシ等も、集塵接続体である。
また、吸込口体6も、延長管5に取り付けることで、間接的に手元ハンドル体4に取り付けられることから集塵接続体である。
【0014】
次に、手元ハンドル体4は、掃除を行う時に使用者が持つ部分であり、操作体となる部位である。使用者は、手元ハンドル体4を持ち、この手元ハンドル体4を操作して、集塵接続体を被清掃面に向けて落ちている塵埃を吸引する。
例えば、本実施の形態の場合、使用者は、手元ハンドル体4を操作して、延長管5に取り付けた吸込口体6の位置及び向きを変える。手元ハンドル体4の吸気側の端部(吸込み側開口41)は、延長管5の排気側端部に接続する。
使用者は、手元ハンドル4に設けられた解除ボタン4aを操作することにより、延長管5を手元ハンドル体4から取り外すことができる。手元ハンドル体4は、吸気側の端部に、延長管5を取り外した状態で使用するためのブラシ400を備える。
【0015】
次に、ホース3は、要部が、可撓性を備えた蛇腹状である中空の部材からなる。ホース3の吸気側の端部は、手元ハンドル体4に接続される。ホース3は、排気側の端部は、硬質の接続部3aを備え、この接続部3aが本体2に接続される。
本体2は、ホース3の接続部3aが接続され、ごみを含む空気(含塵空気)からごみを分離する。この本体2は、後部に開口する排気口(図示せず)より、塵埃が取り除かれた空気(清浄空気)を排出する。空気から分離したごみは、本体2の内部に溜められる。
以上のように各部が接続されることで、吸込口体6や延長管5などの集塵接続体から、手元ハンドル体4、ホース3、そして、本体2へと至る一続きの風路Fが形成される。
【0016】
次に、本体2は内部に、電動送風機11、集塵部12を備える。
電動送風機11は、電気掃除機1に形成された風路Fに、吸込み側である集塵接続体から排気側である排気口に向けて本体2内部に流下する気流を発生させる。
この電動送風機11が吸引動作を行うと、床面上のごみが空気と一緒に吸込口体6に吸い込まれる。吸込口体6に吸い込まれた含塵空気は、吸込口体6、延長管5、手元ハンドル体4、ホース3の各内部を通り、本体2に送られる。
【0017】
集塵部12は、本体2の内部に流入したごみを空気(気流)から分離する。集塵部12は、空気から分離したごみを捕捉する。
図1は、集塵部12の一例として、紙パック式の分離装置を示している。集塵部12として、サイクロン式の分離装置や他の方式の分離装置を採用してもよい。
【0018】
また、本体2は、両側に大型の車輪13を、下面に小型の車輪(図示せず)を備える。小型の車輪は、その向きを自在に変えることができるように取り付けられている。このため、本体2は、車輪13及び小型の車輪が床面に接触した状態で向きを変えることができる。
【0019】
次に、本実施の形態の要部である手元ハンドル体4について、
図3〜
図13を参照して説明する。
図3〜
図5を参照すると、手元ハンドル体4は、風路Fの一部を構成し基部となる管体40と、この管体40から分岐するように設けられる分岐部44と、管体40と分岐部44の外郭を被う各カバー48から構成される。
管体40は、吸気側開口41から排気側方向に向けて直線的に伸び、中ほどの位置(曲がり位置43)から下斜め後ろ方向に折れ曲がり排気側開口42に向けて直線的に伸びる形状を成している。
【0020】
管体40の曲がり位置43の後ろ側の上方には、分岐部44が設けられる。つまり、管体40は、吸気側開口41からら分岐部44に至る部分は、真直ぐな形状をなしている。
分岐部44は、管体40の上面の分岐位置45から上斜め後方に向けて延びる分岐前部44aと、この分岐前部44aの後ろ側から湾曲して下斜め後方に延び分岐後端44cに至る分岐後部44bから成り、分岐位置45から分岐後端44cに掛けてアーチ形状を成している。
尚、管体40と分岐部44は、樹脂成形により一体に形成されている。
【0021】
そして、
図5〜
図8を参照すると、分岐前部44aの上面には、管体40と分岐部44の分岐している位置から分岐前部44aの後端に掛けて、左右一対の壁部44eが形成されている。
そして、この左右の壁面44eの間には、上面凹部44gが形成される。この上面凹部44gは、上方に向けて開口しており、凹部内部に、電動送風機のON/OFFや出力の変更を行う操作スイッチ46aや、手元ハンドル体4の動きや振動を検知するモーションセンサー46bを実装した操作基板46が設けられる。
【0022】
また、左右の壁面44gには、それぞれ、後述する上カバー48aの係合爪が係合する第1の係合開口44hと、後述する左右カバー48b,48cの係合爪482b,482cが係合する第2の係合開口44iが形成されている。
また、吸気側開口41から分岐部44に至る管体40の上面に形成された通信手段搭載位置40dには、非接触で外部端末Sとの通信を行う通信手段47と、吸気側開口41に接続された集塵接続体を外す解除ボタン4aが設けられる。
この操作基板46は、本体2に設けられた電気掃除機1の各部を制御する制御手段(図示せず)に電気的に接続され、信号を制御手段に出力する
【0023】
このように、吸気側開口41から分岐部44に至る管体40の上面に通信手段搭載位置40dを形成することで、手元ハンドル体4を落とした場合、又は、後述するスタンド収納時に倒れた場合に、分岐部44が先に床面に衝突するので、通信手段搭載位置40dに搭載された通信手段47に、直接衝撃が及ばない。
つまり、分岐部44が衝撃を受け止めるバンパーの役割を果たすことができる。
【0024】
(通信手段について)
次に、通信手段47は、印刷配線基板47a(以下、基板47a)と、この基板47aにコイル状の配線パターンとして形成された通信アンテナ47bと、この通信アンテナ47bに接続し外部の端末との間で送受信するデータを記憶するICチップ(半導体集積回路)47cと、この通信手段47と操作基板46等の外部の部品とを接続する位置となるコネクタ47dを有する。
また、基板47aには、後述する通信手段搭載位置40dでの位置決めのための位置決め開口47eが開口している。
【0025】
コネクタ47dは、接続部が凹形状である雌コネクタ(ソケットコネクタ)であり、基板47aの通信アンテナ47bが形成されている面とは反対側の面に設けられている。
そして、通信手段47は、基板47aの通信アンテナ47bが形成されている面を外方に向けて、手元ハンドル体4に設けられる。
【0026】
本実施の形態において、通信手段47は、操作基板46と電気的に接続し、操作基板46に設けられたモーションセンサー46bのデータをICチップ47cに記録するものである。
また、通信手段47を、制御手段と直接又は操作基板46を介して間接的に接続して、電気掃除機の使用時間や各部の電流値・電圧値など、様々な情報をICチップ47cに記録するように構成しても良い。
以上説明した通信手段47は、コイル状の通信アンテナ47bを介して、ICチップ47cに記憶した情報を、電波や電磁誘導、磁気結合により非接触で外部端末Sと通信を行う、いわゆるICタグと呼ばれるものである。
【0027】
(通信手段搭載位置について)
次に、この通信手段47が設けられる通信手段搭載位置40dは、管体40の吸気側開口41からら分岐部44に至る上面に立設する仕切り壁401dにより仕切られた部分となる。この部分の管体40は、上記の通り真直ぐな形状を成している。
仕切り壁401dは、手元ハンドル体4を上方から見て、矩形状を成して管体40の上面に立設しており、後方部分に切り欠き部402dが形成されている。
【0028】
また、通信手段搭載位置40dとなる仕切り壁401dの内側には、通信手段47の位置を決める位置決め凸部403dが管体40の上面より突出して設けられている。
この他に、仕切り壁401dの内側には、通信手段47が、管体40が伸びる方向と平行となるように、通信手段47を支えるリブ401eが突出して設けられている。
【0029】
このように形成された通信手段搭載位置40dには、位置決め凸部403dを位置決め開口47eに挿入した状態で、仕切り壁401dの内方に通信手段47が収められる。
このように通信手段搭載位置40dに通信手段47が収められた状態において、仕切り壁401dの内側から外側に向けて、切り欠き部402dから通信手段47と操作基板46とを接続する配線が導出される。
また、仕切り壁401dの形状は、基板47aの外形状に沿った矩形状であり、基板47aを側方から保持する。また、通信手段47は、下方からリブ401eで支えられ、側方から見て基板47aの面と管体40とが平行となる。
【0030】
次に、
図6〜
図9を参照すると、管体40の側面には、管体40の伸びる方向に帯状に突出した管体リブ40bが形成されている。この管体リブ40bは、分岐部44が接続する位置の下側に位置しており、管体40の剛性を高めるためのものである。
また、分岐部44の側面には、管体40から分岐前部44aの端に向けて帯状に突出して伸びる分岐部リブ44jが形成されている。この分岐部リブ44jは、分岐部44の剛性を高めるためのものである。
そして、排気側開口42には、ホース3の開口内部に管体40を挿入することにより、ホース3が接続する。
【0031】
次に、
図6〜
図8を参照すると、以上ように各部が構成された管体40及び分岐部44の外郭には、次の各カバー48が取り付けられ手元ハンドル体4の外観を形成する。
カバー48は、上カバー48aと、左側面カバー48bと、右側面カバー48cと、左後側面カバー48dと、右後側面カバー48eで構成されている。これらのカバーは、樹脂成形により形成されている。
【0032】
まず、上カバー48aは、吸引側開口41から分岐部44の上面を被うカバーであり、解除ボタン4aが臨むボタン開口481aと、操作基板46に実装された操作スイッチに対向する位置に操作スイッチ押圧部482aが形成されている。
操作スイッチ押圧部482aは、表面に電動送風機の出力を変化させる旨を意味する「矢印マーク」、「ON/OFF」、「エコモード」等の表示がなされており、当該位置を使用者が押圧することで、対応する操作スイッチが押されて、制御手段に信号が発信される。制御手段はこれらの信号に基づき、電動送風機の出力を制御する。
【0033】
このように構成された上カバー48aは、分岐部44に形成された第1の係合開口44hに係合爪483aが係合する。
そして、上カバー48aに開口するねじ開口485aに、上方よりねじ484aを通して、分岐部44の上面に形成されたねじ穴44dにねじ止めすることにより、吸引側開口41から分岐部44の上面を被った状態で管体40に取り付け固定される。
上カバー48aが上記の通り取り付けられた状態において、分岐後部44bの下面441bと、この分岐後部44bの上面を被う上カバー48aの上面486aにより、使用者が握る位置となる第1の把持部49aが形成される。
【0034】
ここで、上記の通り上カバー48aが取り付けられることで、上カバー48aは、管体40の上面に設けられた通信手段47を覆った状態となる。つまり、上カバー48aは通信手段47を外部との接触から保護するカバーとなる。
また、この上カバー48aの吸込側開口41から分岐部44の上面を被う部分は、管体40に沿った形状を成している。つまり、上カバー48aは、吸込側開口41から分岐部44に至る位置において、真直ぐな形状であり、管体40の上面と平行となる。
【0035】
従って、管体40に設けられた通信手段47の基板47aの通信アンテナ47bが形成された面と、上カバー48aの上面が平行となる。
尚、上カバー48aの通信アンテナ47bが対向する位置の上面側に、通信アンテナ47bが位置する旨を示す通信位置マーク487aが設けられている。
このように、凹凸や曲面ではないまっすぐな部分に通信手段47を設けて通信位置を形成したので、通信を行う際に外部端末Sを通信アンテナ47bに近づけやすい。
【0036】
また、
図15に示すように、本体1に、ホース3、手元ハンドル体7、延長管5、吸込口体6を接続した状態で、本体1の後面1aを床面Gに接するように下にして、本体1の底面1bに開口する底面開口1cに、延長管5に形成されたフック5dをかけることによりこの延長管を立てた状態で収納する、いわゆるスタンド収納状態の際に、手元ハンドル体4は、延長管5と接続されているので、吸込側開口41から分岐部44に至る管体40も、床面Gに対して立った状態となる。
従って、通信位置が水平方向を向き、使用者が通信位置マーク487aを認識しやすくなり、外部端末Sを通信位置に近づけやすい。
【0037】
また、通信手段47は、通信アンテナ47bが形成された基板47aの面を上方(
上カバー48aの方向)に向けて管体40に設けられる。従って、基板47aの通信アンテナ47bが設けられている面とは反対の面に設けられたコネクタ47dが、管体40側を向くことになる。
【0038】
つまり、基板47aの面から大きく突出する部品であるコネクタ47dが、管体20側を向き、通信アンテナ47bが設けられた基板47aの面には、大きく突出するものが無いので、より基板47aを上カバー48aに近接して配置できる。
この結果、外部端末Sとの通信位置である通信位置マーク487aの部分に、通信アンテナ47bを近づけることができる。これにより、外部端末Sと通信アンテナ47bとの通信距離を近づけることができ、より確実な通信を行うことができる。
【0039】
次に、左側面カバー48bは、管体40の下面から左側面に至り、分岐前部44aの左側面を経て、分岐部44の上面左側まで至る管体40と分岐部44を覆うカバーである。
この左側面カバー48bの裏面には、複数の係合爪482bが設けられている。この係合爪482bが、管体40の下面に設けられた管体係合開口40c、及び、分岐部44に形成された第2の係合開口44iに係合することにより、管体40から分岐部44に渡って取り付けられる。
【0040】
この左側面カバー48bは、管体40の表面に取り付けられることから、管体40の外面より左側面カバー48bの厚みΔd1分、外側に突出した外郭を形成する。つまり、管体40と左側面カバー48bとの間に高さがΔd1の段差が形成される(
図11参照)。
【0041】
ここで、左側面カバー48bは、上カバー48aが分岐部44に取り付けた後に取り付けられる。これにより、左側面カバー48bの取り付け前に、第2の係合開口44iから、操作基板46の取り付け位置である凹部44gを確認することができる。
つまり、第2の係合開口44iは、操作基板46が取り付けられたか否かを確認する開口として用いることができる。尚、この確認用の開口は、第2の係合開口44iとは、別途形成しても良い。
【0042】
次に、右側面カバー48cは、管体40の下面から右側面に至り、分岐前部44aの右側面を経て、分岐部44の上面右側まで至る管体40と分岐部44を覆うカバーである。
この右側面カバー48cの裏面には、複数の係合爪482cが設けられている。この係合爪482cが、管体40の下面に設けられた管体係合開口40c、及び、分岐部44に形成された第2の係合開口44iに係合することにより、管体40から分岐部44に渡って取り付けられる。
【0043】
この右側面カバー48cは、管体40の表面に取り付けられることから、管体40の外面より右側面カバー48cの厚みΔd1分、外側に突出した外郭を形成する。つまり、管体40と右側面カバー48cとの間に高さがΔd1の段差が形成される(
図11参照)。
【0044】
ここで、右側面カバー48cは、上カバー48aが分岐部44に取り付けた後に取り付けられる。これにより、左側面カバー48cの取り付け前に、第2の係合開口44iから、操作基板46の取り付け位置である凹部44gを確認することができる。
つまり、第2の係合開口44iは、操作基板46が取り付けられたか否かを確認する開口として用いることができる。尚、この確認用の開口は、第2の係合開口44iとは、別途形成しても良い。
【0045】
以上の左側面カバー48bと右側面カバー48cは、互いに対称となる形状で構成されおり、これらを上記の通り取り付けることで、管体40の下側と分岐部44の上側の位置において、左側面カバー48bと右側面カバー48cが合わさる形状となっている。
従って、左右側面カバー48b,48cが管体40及び分岐部44に取り付けられることで、管体40及び分岐部44の表面に形成された管体リブ40b及び分岐部44を覆い隠し、手元ハンドル体4の一方の側面から他方の側面に連続的に至る外観意匠面を形成する。
【0046】
以上の手元ハンドル体4において、上記の通り、管体40及び分岐部44と左右側面カバー48b,48cを別部材にすることで、左右側面カバー48b,48cに傷や汚れがついても、容易にカバーを交換することができる。
特に、手元ハンドル体4は後ろ端にホース3が設けられるので、手元ハンドル体4を落とした場合、床面と接触するのは左右側面カバー48b,48cである可能性が高いことから、傷のついた側面カバーの交換のみで、傷やよごれに対応する修理が済む。
【0047】
更に、左右側面カバー48b,48cは、意匠面となる表面は急な曲面や角となる部位や開口が形成されていない緩やかな曲面であることから、フローマーク(成形不良)が起こり難い。従って、左右側面カバー48b,48cを成形する際に、成形材料である樹脂に、意匠性を向上させる材料(例えば、光を反射して輝きを見せるメタリック材料(アルミ粉末)など)を練り込み成形する手法(以下、練りみ成形)を用いることができる。
これにより、成形時にフローマークが起こりやすい複雑な形状の部位を有する手元ハンドル体4であっても、樹脂成形で塗装に近い質感である外観意匠を得ることができる。
【0048】
また、この左右側面カバー49b,48cをエラストマー等の軟質部材で構成すれば、手元ハンドル体4を落下させたとき、手元ハンドル体4が受ける衝撃を和らげることができる。
【0049】
また、
図11を参照すると、分岐部44の上側の合わせ位置において、左側面カバー48bと右側面カバー48cの合わせ位置の下側には、分岐部44の上面に形成されたねじ穴44dが位置している。
つまり、左側面カバー48bと右側面カバー48cが上記の通り取り付けられることで、ねじ穴44d及びねじ穴に位置するねじ484aを、外側から見えないように被い隠すことができる構成となっている。
【0050】
次に、左後側面カバー48dは、排気側開口42の後ろ側から分岐位置45に至る部分を左方向から被うカバーである。また、右後側面カバー48eは、排気側開口42の後ろ側から分岐位置45に至る部分を右方向から被うカバーである。
これら左後側面カバー48dと右後側面カバー48eは、互いに対称となる形状で構成されている。そして、左後側面カバー48dと右後側面カバー48eは、ホース3の内部に排気側開口42を挿入して管体40にホース3を取り付けた状態で、管体40を左右方向から挟み込み、管体40に取り付けられる。
【0051】
上記のように、左後側面カバー48dと右後側面カバー48eは、左右方向から合わさり係合することで、筒状のホース押さえ部48dfと、この筒状のホース押さえ部48dfから前方に延びる第1の接続部48dfaと、ホース押さえ部48dfから後方に伸びる第2の接続部48dfbが形成される。
【0052】
ホース3は、ホース押さえ部48dfと管体40に挟み込まれて、管体40から外れないように固定される。
また、第1の接続部48dfaは、管体40に形成された分岐部4
4から管体40の排気側開口42の縁に至る凹部40aに入り込み固定され、表面が管体40の外面と連続的に滑らかにつながる。
また、第2の接続部48dfbは、分岐部44の分岐後端44cを、左後側面カバー48dと右後側面カバー48eで左右方向から挟み込み、分岐部44と接続する。
【0053】
また、第1の接続部48dfaが取り付けられた管体40と第1の接続部48dfaで構成される部位の外径は、ホース押さえ部48dfの外径より小さいことから、両方の部位との間で段差Δd2が形成される。
尚、ホース押さえ部48dfの前側を窄む形状(窄み部48dfc)とすることで、管体40と第1の接続部48dfaで構成される部位とホース押さえ部48dfとの外径の差から生じる段差Δd2をなめらかにつないでいる(
図11参照)。
【0054】
このように構成された手元ハンドル体4の分岐位置45の近傍には、使用者が握る位置となる第2の把持部49bが形成される。この第2の把持部49bは、手元ハンドル体4の左右側面カバー48b,48cの後ろ側からホース押さえ部48dfに至る部位である(
図1網掛け部分)。
【0055】
以上のように、手元ハンドル体4には、第1の把持部49aと第2の把持部49bが設けられる。
第1の把持部は管体40から離れて位置しているので、集塵接続体が設けられた手元ハンドル体4の操作を軽い力で行うことができる。更に、第2の把持部は管体40に近い位置に設けられているので、管体40に取り付けられる集塵接続体に、より近い位置で操作を行うことができ、集塵接続体を塵埃が落ちている位置に合わせやすい。
【0056】
更に、
図10〜
図14を参照すると、上記のように第2の把持部49bの周囲を構成することで、使用者が第2の把持部49bを握った状態で、手元ハンドル体4を前方に押したとき、左右側面カバー48b,48cと管体40との間には、段差Δd1が形成されているので、握った指が左右側面カバー48b,48cの後面481b,481cに接触することで、前方へのストッパーとなる。
【0057】
特に、左右側面カバー48b,48cの後面481b,481cは、管体40に対して後方に傾く斜め形状となっているので、使用者が第2の把持部49bを握った際に、指と後面481b,481cが面で接触しやすい。
これにより、手からの力を手元ハンドル体4にあずけやすく、操作がしやすい。
【0058】
更に、使用者が第2の把持部49bを握った状態で、手元ハンドル体4を後方に引くとき、ホース押さえ部48dfと第2の把持部49bである管体40との間には、段差Δd2が形成されているので、手がホース押さえ部48df(窄み部48dfc)に接触して、後方へのストッパーとなる。
【0059】
更に、第2の把持部49bは分岐位置45の近傍に位置しているので、使用者が第2の把持部49bを握った際に、管体40と分岐部44の隙間の位置に手が入ることになる。これにより、分岐部44の下面が手の上面を保持することができ、手元ハンドル体4の操作がよりしやすくなる。
【0060】
また、
図4、
図15を参照すると、以上のように手元ハンドル体4に通信手段47を設けることで、次のように外部端末Sと容易にデータの送受信を行うことが可能な電気掃除機を構成できる。
通信手段47に近接して用いる外部端末Sは、情報読取りモードの際には、上記の通信手段47に対して電波を発信して、通信可能に構成されるものが用いられる。例えば、電気掃除機に対応した専用端末や、携帯電話や多機能情報端末(いわゆる、スマートフォン)等、インターネットなどに接続可能な端末を用いてもよい。
【0061】
このような外部端末Sを通信位置である通信位置マーク487aに近接させることで、各部は次のように動作して通信を行う。
まず、外部端末Sを通信手段47から情報を読取る情報読取りモードが起動させ、通信手段に対して電波を発する状態とする。そして、外部端末Sを通信位置マーク487aに近接させて、この外部端末Sが発する電波が、通信アンテナ47bに鎖交することで、通信手段47が外部端末Sの接近を検知し、ICチップ4
7cに書き込まれた電子データを電波で送信する。
外部端末Sは、この通信アンテナ47bが発する電波を受信することで、ICチップ4
7cに書き込まれたデータを得ることができる。
【0062】
ここで、通信手段47が電波を発する際に用いる電力は、電気掃除機の電源から供給される電力を用いるか、また、外部端末Sが発する電波が通信アンテナ47bに鎖交することで生じる起電力を用いてもよい。
外部端末Sが発する電波が、通信アンテナ47bに鎖交することで生じる起電力を用いれば、電気掃除機が外部電源に接続していなくても、外部端末Sとの間で通信を行うことが可能である。
【0063】
尚、本実施の形態では、ICチップ4
7cは、モーションセンサー46bが検知した手元ハンドル体4の動きのデータ(モーションデータ)を記憶し、外部端末Sはこのデータを取得するものである。この外部端末Sには、このデータを解析するアプリケーションが組み込まれている。
【0064】
外部端末Sに組み込まれるアプリケーションの例として、
(1)予め外部端末Sに入力された使用者固有のデータ(体重、性別、年齢、等)と、電気掃除機から取得したモーションデータに基づき、電気掃除機を使用している際(つまり掃除中)の使用者の運動量を求めるもの。
(2)通信手段47が制御手段と接続していれば、電気掃除機の運転時間や、電気掃除機各部の電流・電圧値に基づき、使用状況を解析してメンテナンス情報を報知するもの。
などがある。
【0065】
この他、外部端末Sに記憶されているデータを、通信手段47を介して、電気掃除機側に取り込むように用いることも可能である。
外部端末Sから電気掃除機が取得したデータを用いる例として、例えば、外部端末Sから電動送風機の制御ソフトウエアを取り込むことで、容易にソフトウエアの更新・変更を行うことができる。特に、外部端末Sがインターネット等のネットワークに接続可能であれば、更新・変更ソフトウエアを容易に取得することができる。
【0066】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2を説明する。
本実施の形態では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し説明を省略する。
図16を参照すると、手元ハンドル体4の吸込側には、延長管5を介して吸込口体6が接続可能である。この吸込口体6には、回転ブラシ6bと、該回転ブラシ6bを回転駆動するブラシ用電動機6cが設けられる。
【0067】
管体40には、吸込側開口41から分岐部44に至る上面であって、通信手段搭載位置40dとなる仕切り壁401dの内側に、ブラシ用電動機6cに電力を供給するリード線51が通っている。
このリード線51は、本体1に設けられた電源部(図示せず)と接続しており、100Vの交流電流が流れる。
【0068】
そして、リード線51から放出されるノイズの拡散を防ぐ防磁手段50が、リード線51の上方に設けられ、この防磁手段50の上方に通信手段47が設けられる。つまり、リード線51と通信手段47の間には、防磁手段50が位置する。
防磁手段50は、シート状又は板状のものであり、電磁的なノイズや電磁波を通さない成分(例えば、鉄、ニッケル、フェライト等)を有するものである。
【0069】
以上のように、リード線51と通信手段47の間には、防磁手段50を設けることにより、リード線51から放出されるノイズが、通信手段47に及ばないように構成できる。
これにより、通信手段47と外部端末Sとの間で行われる通信の際に、リード線51から放出されるノイズによる影響を低下させることができる。
【0070】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3を説明する。
本実施の形態では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し説明を省略する。
図17を参照すると、分岐前部44aの上面には、管体40と分岐部44の分岐している位置から分岐前部44aの後端に掛けて、左右一対の壁部44eが形成されている。この左右の壁面44eの間には、上面凹部44gが形成されており、この上面凹部44gは、上方に向けて開口している。
【0071】
そして、凹部内部には、電動送風機のON/OFFや出力の変更を行う操作スイッチ52aや、手元ハンドル体4の動きや振動を検知するモーションセンサー52bや、コイル状の配線パターンとして形成された通信アンテナ52cと、この通信アンテナ52cに接続し外部の端末との間で送受信するデータを記憶するICチップ(半導体集積回路)52dが実装されている印刷配線基板52が設けられている。この印刷配線基板52は、操作手段と通信手段が一枚の基板に実装されたものである。
【0072】
以上のように、操作手段と通信手段を構成する各部を、一つの基板上に実装することにより、操作手段と通信手段をつなぐリード線の削除や、手元ハンドル体4の基板の搭載位置を削減することが可能となる。