【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の実施例1のLED点灯装置の回路図である。
図2は、本発明の実施例1のLED点灯装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。LED点灯装置は、負極が接地され電圧Vinを発生する直流電源VIN、直流電源VINの正極にアノードが接続され、電流ILEDが流れることにより発光する複数のLED(LEDs)、一端がLEDのカソードに接続されたインダクタL1、ドレインがインダクタL1の他端に接続されたスイッチング素子Q1、一端がスイッチング素子Q1のソースに接続され、他端が接地された電流検出抵抗R1を備える。
LEDとインダクタL1との直列回路に並列に回生ダイオードD1が接続され、回生ダイオードD1は、スイッチング素子Q1のオフ時にインダクタL1の蓄積エネルギーをLEDに放出する方向に接続される。
【0011】
スイッチング素子Q1のゲートには、スイッチング素子Q1のオン/オフを制御するPWM制御回路10のdriv端子が接続される。PWM制御回路10のsens端子には、スイッチング素子Q1のソースと電流検出抵抗R1とが接続され、PWM制御回路10のcomp端子には、位相補正用のコンデンサC2の一端が接続され、コンデンサC2の他端は接地されている。
PWM制御回路10は、電流検出用の電流増幅器OTA1、スイッチSW1、三角波発振器OSC1,コンパレータCP1、ドライバDRVを備える。
PWM制御回路10は、スイッチング素子Q1をオンオフ制御し、且つ、コンデンサC2の電圧に基づきスイッチング素子のオン期間の電流平均値が一定になるようにPWM制御してLEDに流れる電流を一定に制御する。
【0012】
本発明の定電流制御信号発生回路は、電流増幅器OTA1、基準電圧Vth1,スイッチSW1、コンデンサC2から構成されている。
電流増幅器OTA1の非反転入力端子には、sens端子を介してスイッチング素子Q1のソースと電流検出抵抗R1とが接続される。電流増幅器OTA1の反転入力端子には、基準電圧Vth1の正極が接続され、基準電圧Vth1の負極と抵抗R1の他端は接地されている。
comp端子には、スイッチSW1を介して電流増幅器OTA1の出力が接続され、且つコンデンサC2の一端が接続され、コンデンサC2の他端は接地されている。comp端子には、コンデンサC2を充放電するための制御電流Icompが流れる。即ち、スイッチング素子Q1のオン期間と同期させてスイッチSW1を導通させて、電流増幅器OTA1からの誤差信号電流を制御電流Icompとして、コンデンサC2を充電または放電する。
より詳しくは、
図2(a)Icomp波形に示すように、電圧VdrivのHレベル期間の前半では、制御電流IcompによるコンデンサC2の充電が行われ、後半ではコンデンサC2の放電が行われる。コンデンサC2の充放電により、コンデンサC2には、制御電圧Vcompが発生する。
三角波発振器OSC1は、三角波信号を発生してコンパレータCP1の反転入力端子に出力する。コンパレータCP1は、三角波発振器OSC1からの三角波とcomp端子の制御電圧Vcompとを比較し、比較出力信号をドライバDRVに出力する。ドライバDRVは、電圧Vdrivをdriv端子を介してPWM信号としてスイッチング素子Q1のゲートに出力する。
即ち、LED点灯装置の定電流制御は、comp端子の制御電圧Vcompと三角波発振器OSC1からの三角波とを比較することで、driv端子から出力されるPWM信号のデューティーを制御することにより行われる。
また、制御電圧Vcompは、制御電流IcompとコンデンサC2の容量により応答速度が決定されるので、コンデンサC2の容量を調整することで、電流増幅器OTA1の利得を調整しなくても、定電流制御の位相補償を変更することが可能である。
【0013】
また、インダクタL1に流れる電流が連続モードの時、インダクタL1にエネルギーを蓄えている期間中の電流を検出することにより、スイッチング素子Q1がオフしている期間にインダクタL1のエネルギーが放出される期間中の電流も合わせて平均化することが可能となる。
図2は、LED点灯装置の動作を説明するためのタイミングチャートであって、
図2(a)は直流電源VINの電圧Vinが低い入力時、
図2(b)は直流電源VINの電圧Vinが高い入力時を示す。直流電源VINの電圧Vinが低い入力の場合には、
図2(a)に示すように、PWM制御回路10のdriv端子から電圧Vdrivとして出力されるPWM信号のオン幅が長くなるように制御される。
【0014】
一方、電圧変動によって直流電源VINの電圧Vinが高くなると、
図2(b)に示すように、PWM制御回路10のdriv端子から電圧Vdrivとして出力されるPWM信号のオン幅が短くなるように制御される。いずれの場合も、PWM信号の周期は一定である。これにより、電圧変動により入力電圧が変化しても、LEDに流れる電流ILEDが一定になるように制御される。
【0015】
このように本発明の実施例1のLED点灯装置によれば、従来のスイッチングオフ時に生じる損失と入力電圧変動に起因する発振周波数の変動によるスイッチング損失を回避しつつ、入力電圧変動があってもPWM制御による平均電流制御を行うことができる。
また、直流電源VINとドライバとなるスイッチング素子Q1との間に負荷であるLEDを接続し、直流電源VINから負荷を通ってドライバに流れこむ電流を制御するローサイド方式を採用し、ローサイド側でLEDの電流を検出するので、回路の簡素化が可能であるとともに、安価な部品を使用でき、コンデンサの容量変更で位相補償が得られ、簡単な構成で安価なLED点灯装置を提供できる。
【実施例2】
【0016】
図3は実施例2のLED点灯装置の構成を示す図である。実施例2のLED点灯装置1aは、ディミング信号電圧DIMを追加するとともに、PWM制御回路10aが実施例1のLED点灯装置1と異なる。
即ち、PWM制御回路10aは、実施例1のPWM制御回路10にAND回路AND1を追加し、dimm端子を設けている。
実施例2は、外部調光信号のディミング信号電圧DIMに応じてLED点灯装置1aのLEDの光出力を調光するものである。
【0017】
PWM制御回路10aは、実施例1のPWM制御回路10に対して、外部調光信号のディミング信号電圧DIMを接続するdimm端子が設けられている。ここで、PWM制御回路10aは、実施例1のPWM制御回路10に対して、dimm端子に一方の入力が接続されたAND回路AND1と、AND回路AND1の入出力が、コンパレータCP1の出力からドライバDRVの入力とスイッチSW1のオンオフ制御端子との間に接続されている点が異なる。
即ち、実施例2は、外部調光信号のディミング信号電圧DIMのパルス信号に応じて、AND回路1を介してコンパレータCP1からのPWM信号をオン/オフすることでLED点灯装置1aのLEDの光出力を調光するものである。
【0018】
このように本発明の実施例2のLED点灯装置1aによれば、従来のスイッチングオフ時に生じる損失と入力電圧変動に起因する発振周波数の変動によるスイッチング損失を回避しつつ、入力電圧変動があってもPWM制御による平均電流制御を行い、かつ、外部調光信号のディミング信号に基づきLEDの光出力を調光することができる。
また、実施例1のPWM制御回路にAND回路AND1の追加のみで外部調光を可能とし、回路の簡素化が可能であるとともに、安価な部品を使用でき、簡単な構成で安価なLED点灯装置を提供できる。