【発明が解決しようとする課題】
【0004】
種々の光学活性3,3−ジフルオロ乳酸誘導体を合成する上で、式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸
【0005】
【化1】
【0006】
(*は不斉原子を現す。以下本明細書において同じ。)
は鍵化合物の1つであり、この化合物を製造することは重要である。
【0007】
しかし光学活性3,3−ジフルオロ乳酸の合成例は少なく、いずれも、実験室レベルでは優れた合成法であるが、大量規模での合成に際しては、なお課題の残るものであった。非特許文献1の方法は、ジフルオロメチル基を有するフラノールを原料に用いて酵素による加水分解反応を行うことにより、変換率47%の時点で共に98%ee以上という高い光学純度で未反応原料と生成物を得ることができ、高い収率で光学活性体が得られる方法ではあるが、原料のフラノールを合成する際に多数の工程を必要とし、酵素反応後も原料と生成物とを単離し、それぞれ酸化反応を行う必要があるため全体的に見れば煩雑であり、経済的な方法とは言えなかった。また、非特許文献2では、ラセミ3,3−ジフルオロ乳酸に対して光学活性アミンを作用させてジアステレオマー塩を形成させ再結晶を行うことにより光学活性3,3−ジフルオロ乳酸を簡便に得ることができるが、医農薬中間体に求められる高い光学純度の3,3−ジフルオロ乳酸を得るためには再結晶を繰り返し行う必要があった。
【0008】
他方、式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸を製造するための方法として、その「加水分解を受ける直前の化学種」にあたる、「ラセミ又は光学純度の低い、式[5a]又は式[5b]で表される化合物」
【0009】
【化2】
【0010】
【化3】
【0011】
(式中、R
1は置換基を有してもよい炭素数2〜11の直鎖又は分岐鎖のアシル基、R
2は置換基を有してもよい炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基を示す。)
を原料とし、これに加水分解酵素を接触させて、各々の化学種の光学異性体(R体、S体)の一方を選択的に加水分解させ、光学活性な目的物に誘導するという不斉加水分解反応が考えられる。
【0012】
【化4】
【0013】
しかしながら、本発明者らが、上記式[5a]の化合物を反応原料として加水分解反応を試みたところ、加水分解は進行するものの、酵素の立体選択性が低いことがわかった(後述の「比較例」を参照)。酵素の立体選択性が低いと、式[5a]の化合物を加水分解して生成する式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸は、低光学純度のものとなる。
【0014】
一方、この加水分解反応が進行するのに伴い、式[5a]で表される化合物のうち、酵素と反応しない方の光学異性体が、式[3a]の化合物として系内に残存する。この化合物を取り出して、さらなる加水分解に付せば、式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸(上記、式[5a]の化合物の加水分解で得られるものとは、逆の光学異性を持つもの)に誘導できる。しかしながら、前記の通り、この反応における酵素の立体選択性が低いために、高光学純度の式[3a]の化合物を得ようとして反応を過剰に進行させると、式[3a]の化合物の収率が極端に低くなってしまう。すなわち、式[3a]の化合物を加水分解して式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸を得る方法によっては、実用的な収率で目的物を得ることは難しいという問題があった(これを「比較発明」と呼ぶことがある)。
【0015】
一方、[5b]の化合物については、加水分解後の未反応の原料と生成物とが抽出操作等による効率的な分離法が採用できないことから、目的物を単離する上で課題があった。
すなわち、酵素による不斉加水分解法によって効率的に光学活性を向上させ、効率的に単離することが可能な光学活性3,3−ジフルオロ乳酸を製造する方法が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、式[1]で表される「ラセミ又は光学純度の低い3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステル」を原料とし、この物質を酵素による不斉加水分解に付することによって、課題を解決できることを見出した。
【0017】
すなわち、発明者らは、式[1]で表されるラセミ又は光学純度の低い3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステル
【0018】
【化5】
【0019】
(式中、R
1は置換基を有してもよい炭素数2〜11の直鎖又は分岐鎖のアシル基、R
2は置換基を有してもよい炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基を示す。)
を酵素による不斉加水分解に付すと、高立体選択的な不斉加水分解反応が起こり、式[3a]又は式[3b]で表される光学活性体化合物(各々R体又はS体)が、高い光学純度で得られることがわかった。
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
これら式[3a]の化合物、式[3b]の化合物は、上記比較発明における式[4]の化合物に対応する生成物であるが、比較発明で生成する式[4]の化合物に比べて、本発明で生成する式[3a]の化合物又は式[3b]の化合物の光学純度は、有意に高いものとなる。
【0023】
得られた、式[3a]又は式[3b]で表される光学活性体化合物(各々R体又はS体)は、その後、酸を触媒とする加水分解に付することにより、光学純度を損なうことなく、目的物である式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸へと円滑に誘導することができることもわかった。
【0024】
一方、上記不斉加水分解に伴い、当該化合物のうち、酵素と反応しない方の光学異性体が式[2]
【0025】
【化8】
【0026】
(R
1とR
2の意味は上記と同じ。*は不斉炭素を表す。)
で表される、光学活性3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステル(R体又はS体)として、系内に残存するという知見も得た。式[2]の化合物は、上記比較発明における生成物である式[3a]の物質に対応する。本発明においては、不斉加水分解反応に伴う、式[2]の化合物の光学純度の向上が、上記比較発明における式[3a]の化合物の光学純度の向上に比べて、有意に速く、収率の低下を生じるよりも早い時点で、式[2]の化合物の光学純度が上がるため、高い収率で該化合物が得られることが判明した。
【0027】
次に、こうして得られた式[2]の化合物を取り出し、これをあらためて加水分解(酸性条件下の加水分解)に付すことによって、式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸に効率よく誘導できることがわかった。
【0028】
【化9】
【0029】
式[1]で表される化合物は、「エステル結合部位」を2つ有し、本発明の目的物質である式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸から見た場合、「前駆体のさらなる前駆体」にあたる。敢えてそのような化合物を原料として選択し、これを、酵素を用いた不斉加水分解に付することによって、未反応原料として残存する式[2]の化合物、式[3a]の化合物あるいは式[3b]の化合物を、光学純度、収率の両面からバランス良く得られる点が、本発明の大きな特徴である。
【0030】
なお、本発明者は、当該第1段階目の加水分解(不斉加水分解)に用いる酵素として、リパーゼが好ましいことも見出した。該不斉加水分解における、より好ましい反応条件も見出した。
【0031】
本発明においては、第1段階目の加水分解(不斉加水分解)によって、式[2]で表される3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステル(R体又はS体)が、あらかじめ目標値として設定した任意の光学純度に達した時点で、加水分解反応を停止させることが、加水分解の反応条件の制御によって容易に達成できる点も重要である。このため第1段階目の加水分解(不斉加水分解)の終了後、式[2]で表される光学活性体化合物を、系内から効率的に取り出すことができ、[2]で表される光学活性体化合物と、式[3a]又は式[3b]で表される光学活性化合物を相互に分離できる。
【0032】
なお、上述の通り、式[2]で表される化合物の加水分解、式[3a]又は式[3b]で表される光学活性体化合物の加水分解を両方とも実施すれば、式[4]の化合物の両方の異性体を得ることができる。しかし、目的に応じ、一方の異性体のみを製造することもできる。
【0033】
さらに、このような式[2]で表される3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステル(R体又はS体)又は、式[3a]又は式[3b]で表される光学活性体化合物(各々R体又はS体)に対して行う、酸を触媒とする加水分解は、反応変換率も高く、反応を通じ光学純度も損なわれないことから、特に好適であるという有用な知見を、発明者らは見出した。
【0034】
このように、本発明によって、重要な光学活性3,3−ジフルオロ乳酸やその誘導体を、酵素を用いた不斉加水分解反応を利用して効率よく製造でき、それによって、該化合物をより効率的に、大量規模で生産できることとなった。
【0035】
本発明のように、ラセミ又は光学純度の低い3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステルを酵素により立体選択的に加水分解する知見は、従来全く知られていなかった。
【0036】
本明細書において、以下の工程を各々、次のように呼ぶことがある。
【0037】
(1)式[1]で表されるラセミ又は光学純度の低い3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステルを酵素による不斉加水分解に付し、未反応原料として残存する式[2]で表される光学活性3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステルとして得、それと同時に、式[3a]又は式[3b]の光学活性体化合物(各々R体又はS体)を系内に生成させる工程;「第1工程」。
【0038】
(2)前記第1工程で得た反応混合物を精製し、式[2]で表される光学活性3,3−ジフルオロ-2-アシル乳酸エステルを取り出す工程;「第2工程」。
【0039】
(3)前記第2工程で得た式[2]で表される光学活性3,3−ジフルオロ-2-アシル乳酸エステルを酸による加水分解に付して、式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸を得る工程;「第3工程」。
【0040】
(4)前記第1工程で得た反応混合物を精製し、式[3a]又は式[3b]の光学活性体化合物を取り出す工程;「第4工程」。
【0041】
(5)前記第4工程で得た式[3a]又は式[3b]の光学活性体化合物を酸による加水分解に付して、式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸を得る工程;「第5工程」。
【0042】
本発明に関わる工程を、次にまとめる。
【0043】
【化10】
【0044】
[置換基について]
本発明の式[1]、式[2]、式[3a]、式[3b]の官能基R
1、R
2について説明する。本発明において、不斉加水分解反応の選択性において重要なのは、原料化合物が3,3−ジフルオロ乳酸という基本骨格を持つこと、R
1が「置換基を有してもよい炭素数2〜11の直鎖又は分岐鎖のアシル基」であること、およびR
2が「置換基を有してもよい炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アリール基、又はシクロアルキル基」であることであって、その条件が満たされる限り、R
1およびR
2は広範な種類の基を取ることができる。
【0045】
R
1は「置換基を有してもよい炭素数2〜11の直鎖又は分岐鎖のアシル基」であるが、原料の入手の容易さから、炭素数2〜7の無置換のアシル基が好ましい。具体的にはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基が好ましいものとして挙げられる。中でも、アセチル基はコスト面で特に有利であり、本発明の反応も良好に進行することから、特に好ましい。なお、これらのアシル基はさらに、反応不活性な置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、例えば炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基、トルイル基、ハロゲン基(−F,Cl,Br,I)、ハロゲン化アルキル基(−CF
3、−C
2F
5など)などが挙げられる(ただし、R
1の「主鎖」と「置換基」は同一種類のもの(例えばアルキル)を意味しない)。しかし、最終的には、目的物である式[4]の化合物を得るときにR
1は脱離するので、コスト面から、置換基を持たないアシル基を用いた方が好ましい。
【0046】
R
2は「置換基を有してもよい炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アリール基、又はシクロアルキル基」であるが、原料の入手の容易さから、炭素数1〜6の無置換のアルキル基が好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基である。中でも、メチル基、エチル基はコスト面で有利であり、本発明の反応も良好に進行することから、特に好ましい。なお、これらのアルキル基、アリール基、又はシクロアルキル基はさらに、反応不活性な置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、例えば炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基、トルイル基、ハロゲン基(−F,Cl,Br,I)、ハロゲン化アルキル基(−CF
3、−C
2F
5など)などが挙げられる(ただし、R
2の「主鎖」と「置換基」は同一種類のもの(例えばアルキル)を意味しない)。「置換基を有するアルキル基」の例としては、ベンジル基(−CH
2−Ph:Phはフェニル基を表す)が挙げられる。しかし、最終的には、目的物である式[4]の化合物を得るときにR
2は脱離するので、コスト面から、置換基を持たない基を用いた方が好ましい。
【0047】
このように、本発明においては、R
1が炭素数2〜7の無置換のアシル基で且つ、R
2が炭素数1〜6の無置換のアルキル基であることは、特に好ましい態様である。
【0048】
このように、本発明者らは、酵素を使った不斉加水分解反応による光学活性3,3−ジフルオロ乳酸誘導体の優れた製造方法を見出し、本発明を完成させた。
【0049】
すなわち、本発明は、以下の[発明1]〜[発明11]に記載する発明を提供する。
【0050】
[発明1]
式[1]で表されるラセミ又は光学純度の低い3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステル
【0051】
【化11】
【0052】
に加水分解酵素を接触させ、不斉加水分解反応を行う工程を含む、
式[2]で表される光学活性3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステル
【0053】
【化12】
【0054】
と、
式[3a]又は式[3b]で表される光学活性体化合物(各々R体又はS体)
【0055】
【化13】
【0056】
【化14】
【0057】
と、
式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸
【0058】
【化15】
【0059】
のうち、少なくとも1つの化合物を製造する方法。
(上記各式中、*は不斉炭素原子を示す。R
1は置換基を有してもよい炭素数2〜11の直鎖又は分岐鎖のアシル基、R
2は置換基を有してもよい炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基を示す。)
【0060】
[発明2]
次の第1工程〜第3工程を含む、式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸の製造方法。
(第1工程)
式[1]で表されるラセミ又は光学純度の低い3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステルに加水分解酵素を接触させ、不斉加水分解反応を行って、式[2]で表される光学活性3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステルならびに、式[3a]又は式[3b]で表される光学活性体化合物(各々R体又はS体)を含む反応混合物を得る工程。
(第2工程)
前記第1工程で得られた反応混合物を精製し、該反応混合物から、式[2]で表される光学活性3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステルを取り出す工程。
(第3工程)
前記第2工程で取り出した式[2]で表される光学活性3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステルを、酸性条件下で加水分解することにより、式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸を得る工程。
(ここで、式[1]、式[2]、式[3a]、式[3b]、式[4]の意味は、発明1と同じである。)
【0061】
[発明3]
次の第1工程、第4工程および第5工程を含む、式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸の製造方法。
(第1工程)
式[1]で表されるラセミ又は光学純度の低い3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステルに加水分解酵素を接触させ、不斉加水分解反応を行って、式[2]で表される光学活性3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステルならびに、式[3a]又は式[3b]で表される光学活性体化合物(各々R体又はS体)を含む反応混合物を得る工程。
(第4工程)
前記第1工程で得られた反応混合物を精製し、該反応混合物から、式[3a]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸エステルおよび式[3b]で表される光学活性3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸のうち、少なくとも一方を取り出す工程。
(第5工程)
前記第4工程で取り出した式[3a]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸エステルおよび式[3b]で表される光学活性3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸のうちの一方を、酸性条件下で加水分解することにより、式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸を得る工程。
(ここで、式[1]、式[2]、式[3a]、式[3b]、式[4]の意味は、発明1と同じである。)
【0062】
[発明4]
R
1が炭素数2〜7の無置換のアシル基で且つ、R
2が炭素数1〜6の無置換のアルキル基である、発明1乃至3のいずれかに記載の方法。
【0063】
[発明5]
3,3−ジフルオロ−2−アシル乳酸エステルが3,3−ジフルオロ−2−アセチル乳酸エチルであることを特徴とする発明1乃至3のいずれかに記載の方法。
【0064】
[発明6]
加水分解酵素がリパーゼであることを特徴とする発明1乃至5のいずれかに記載の方法。
【0065】
[発明7]
リパーゼがRhizomucor miehei由来、又は、Thermomyces lanuginosa由来であることを特徴とする発明6に記載の方法。
【0066】
[発明8]
前記不斉加水分解反応をリン酸緩衝液の存在下に行い、該リン酸緩衝液の原液の濃度が0.2mol/l(mol/dm
3)〜2mol/l(mol/dm
3)であることを特徴とする発明1乃至7のいずれかに記載の方法。
【0067】
[発明9]
不斉加水分解反応の温度が10℃〜60℃であることを特徴とする発明1乃至8のいずれかに記載の方法。
【0068】
[発明10]
不斉加水分解反応を、pHが5.0〜9.0の条件で行うことを特徴とする発明1乃至9のいずれかに記載の方法。
【0069】
[発明11]
発明1乃至発明10のいずれかに記載の方法によって、式[4]で表される光学活性3,3−ジフルオロ乳酸を得た後、該光学活性3,3−ジフルオロ乳酸を再結晶又は再沈殿のうち少なくとも1つの精製手段に付すことを特徴とする、光学活性3,3−ジフルオロ乳酸を製造する方法。