(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6287585
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
G01D 13/04 20060101AFI20180226BHJP
G01D 11/28 20060101ALI20180226BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20180226BHJP
G02F 1/1333 20060101ALN20180226BHJP
【FI】
G01D13/04 Z
G01D11/28 L
B60K35/00 Z
!G02F1/1333
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-109653(P2014-109653)
(22)【出願日】2014年5月28日
(65)【公開番号】特開2015-224951(P2015-224951A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2017年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】有福 大輔
(72)【発明者】
【氏名】板垣 学
【審査官】
菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−161998(JP,A)
【文献】
特開2014−76778(JP,A)
【文献】
特開2001−63403(JP,A)
【文献】
特開2003−194588(JP,A)
【文献】
特開平9−166673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 13/04
G01D 11/28
B60K 35/00
G02F 1/1333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示器と、
前記表示器を保持するケース体と、
前記ケース体が収納される筐体と、
前記表示器を照明する光源と、
前記表示器の背面側の一部が配置される表示板と、を備えた車両用表示装置において、
前記ケース体は、前記表示器側に突出した前記表示器を保持する保持部材を有し、
前記表示板は、前記表示器に対応した領域に前記光源からの光の輝度を調整する輝度調整部を備え、前記保持部材が貫通する貫通孔を有していることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記表示器は、前記表示板を貫通した前記保持部材によって保持されることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記表示器は、前記表示板を透過した光によって照明される請求項1または請求項2に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品点数の削減が可能な液晶表示器を備えた車両用表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶表示素子の背後に配置された光源の光によって、液晶表示素子を照明することにより、車両情報などを表示する車両用表示装置が知られている。また、液晶表示素子の照明を均一にするために、液晶表示素子と光源との間に拡散板を有したものが一般的である。
【0003】
また、このような車両用表示装置は、拡散板に網点印刷を施して輝度を調整することで、さらに液晶表示素子の照明ムラを抑制する構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−261700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、拡散板に網点を施す作業や、拡散板の管理コストが必要となり、簡素化による部品点数の削減が期待されていた。
【0006】
そこで、本発明はこの様な点に鑑みなされたもので、拡散板を削減可能な液晶表示器を備えた車両用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表示器と、
前記表示器を保持するケース体と、
前記ケース体が収納される筐体と、
前記表示器を照明する光源と、
前記表示器の背後に配置される表示板と、を備えた車両用表示装置において、
前記表示器の背面側の一部が配置される表示板と、を備えた車両用表示装置において、
前記ケース体は、前記表示器側に突出した前記表示器を保持する保持部材を有し、
前記表示板は、前記表示器に対応した領域に前記光源からの光の輝度を調整する輝度調整部を備え、前記保持部材が貫通する貫通孔を有しているものである。
【0008】
また、本発明は、前記表示器は、前記表示板を貫通した前記保持部材によって保持されるものである。
【0009】
また、本発明は、前記表示器は、前記表示板を透過した光によって照明されるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、拡散板を削減可能な液晶表示器を備えた車両用表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態による車両用表示装置の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の車両用表示装置の実施形態について、添付図面を用いて以下に説明する。
【0013】
図1に示すように、車両用表示装置は、パネル表示器Aと、光透過性樹脂から形成された前面カバー1と、視認可能な窓部を有した見返し部材2と、表示板3と、中ケース4と、回路基板5と、下ケース6と、指針7と、光源11と、から構成され、パネル表示器Aは、見返し部材2と表示板3との間に配置されている。また、パネル表示器Aは、液晶表示パネル8と、パネル抑え9と、から構成される。表示板3は、液晶表示パネル8の背後であって、液晶表示パネル8に対応した領域に、光源11からの光の輝度を調整する輝度調整部31を備えている。中ケース4は、表示板3を背後から保持する(支持する)保持部材41を備え、不透過性の樹脂からなる下ケース6に収納されている。
【0014】
指針式表示部Bは、見返し部材2によって仕切られた可視範囲であって、パネル表示器Aの外周を囲むように形成されている。
【0015】
指針7は、透光性樹脂材料から成形され、指針照明用の光源11aの光によって発光する発光指針である。
【0016】
液晶表示パネル8は、図示しないが、前側ガラス基板と後側ガラス基板との間に液晶分子を封入し、各々のガラス基板に偏光膜を貼ったものである。そして、各ガラス基板に設けた図示しない電極部に外部測定量に応じた信号(電圧)が印加されると、車両の作動状態(例えば車両の走行距離や燃料残量)などが表示されるパネル表示器が黒色で現れるようになっている。また、図示しないが、液晶表示パネル8には回路基板5と電気的に接続するためのリードピンやフレキシブルプリント配線板などの接続部材が配置されている。
【0017】
パネル抑え9は、金属材料である例えばステンレス銅板からなり、縁部91と囲い部92と、パネル係合部93とを有している。パネル抑え9のパネル係合部93を、パネル係合部93に対応した貫通孔33と、中ケースの貫通孔(図示せず)と、回路基板5のパネル係合部93に対応した貫通孔(図示せず)とに嵌め込むことによって液晶表示パネル8が表示板3に押えつけられると共に、回路基板5に係合(加締め)されるようになっている。
【0018】
表示板3は、光透過性の板材にワーニングや数字などの意匠(図示せず)が印刷によって施されたものである。表示板3には、図示しないムーブメントの指針軸を表示板3の表面側に貫通させるための軸孔が形成され、指針軸の先端に指針7が装着される。
また、表示板3は、パネル表示器Aが配置される箇所に液晶表示パネル8用の光源11bの輝度調整を行うための輝度調整部31が形成されている。輝度調整部31は、表示板3の意匠や背景が印刷されていない箇所であって、表面もしくは裏面に網点などの印刷が施されている。輝度調整部31の近傍には、後述する保持部材41が貫通する貫通孔32が形成されており、本実施形態においては、保持部材41の形状に対応し、若干の隙間がある程度のL字型の孔が形成されている。
【0019】
中ケース4は、例えば白色の合成樹脂から成形され、回路基板5上に配置される。本実施形態では、中ケース4は、表示板3を背面から保持する保持部材41と、壁部42と、底部43とを備えている。底部43は、
図3に示すように、光源11bの光が表示板3方向に照射されるために開口部44が形成されているが、表示板3の意匠とパネル表示器Aとを、同一の光源によって照明する場合は、空間を区画する壁部42や底部43を形成しないで、光源11bの光がより遠方方向に照射されるように構成してもよい。
また、その場合、中ケース4には、指針軸を中心に回路基板5に実装された光源11bからの光を、表示板3方向に反射させる反射部などが形成されているのが好ましい。
【0020】
保持部材41は、中ケース4に一体成形され、表示板3方向に突出した柱状の部材である。本実施形態では、液晶表示パネル8の四角に対応する対角線上に断面L字型の保持部材41が4つ形成されている。
【0021】
回路基板5は、ガラスエポキシ樹脂からなる硬質回路基板を適用でき、
図1に示すように、指針7を照明する光源11aやパネル表示器Aを照明する光源11bの他に、制御回路が同一面上に実装され、それらの電子部材に電力供給するための図示しない回路パターンが形成されている。また、パネル係合部93が貫通する貫通孔(図示せず)が形成され、パネル係合部93は、回路基板5を貫通したあと、パネル係合部93の端部が回路基板5の裏面側でほぼ直角に折り曲げられる。
【0022】
パネル係合部93が回路基板5に加締め固定された状態では、保持部材41は表示板3のL字型の貫通孔32を通過するとともに、表示板3の裏面が壁部42と当接し、保持部材41の上面部45がパネル抑え9の縁部91の内側に当接する。これによってパネル表示器Aは、表示板3、中ケース4、及び回路基板5に組み付けされる。
【0023】
このように、本発明によれば、パネル表示器Aと、パネル表示器Aを保持する中ケース4と、中ケース4が収納される下ケース6と、パネル表示器Aを照明する光源11bと、パネル表示器Aの背面側の一部が配置される表示板3と、を備えた車両用表示装置において、中ケース4は、パネル表示器A側に突出したパネル表示器Aを保持する保持部材41を有し、表示板3は、パネル表示器A側に対応した領域に光源11bからの光の輝度を調整する輝度調整部31を備え、保持部材41が貫通する貫通孔32を有していることによって、拡散板を別途配置する必要がない車両用表示装置を提供することができる。
【0024】
また、本発明によれば、パネル表示器Aは、表示板3を貫通した保持部材41によって保持されるので、表示板3を挟んだ状態でパネル抑え9を固定することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 前面カバー
2 見返し部材
3 表示板
4 中ケース(ケース体)
5 回路基板
6 下ケース(筐体)
7 指針
8 液晶表示パネル
9 パネル抑え
10 液晶表示素子
11a、11b 光源
31 輝度調整部
41 保持部材
91 縁部
92 囲い部
93 係合部
94 壁部
95 底部
96 空間部
A パネル表示器(表示器)
B 指針式表示部