(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6287659
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】回路構成体
(51)【国際特許分類】
H05K 1/18 20060101AFI20180226BHJP
H05K 3/20 20060101ALI20180226BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20180226BHJP
H01L 23/32 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
H05K1/18 G
H05K3/20 Z
H05K1/02 Q
H05K1/02 F
H01L23/32 C
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-148721(P2014-148721)
(22)【出願日】2014年7月22日
(65)【公開番号】特開2016-25228(P2016-25228A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2017年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100095669
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 登
(72)【発明者】
【氏名】中村 有延
【審査官】
齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2006/0061969(US,A1)
【文献】
特開2006−5096(JP,A)
【文献】
特開平7−336009(JP,A)
【文献】
米国特許第5523919(US,A)
【文献】
米国特許第6421253(US,B1)
【文献】
米国特許第6519152(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0024575(US,A1)
【文献】
独国特許出願公開第19601649(DE,A1)
【文献】
特開平7−79053(JP,A)
【文献】
特開平9−321395(JP,A)
【文献】
特開2001−210920(JP,A)
【文献】
特開2003−164039(JP,A)
【文献】
特開2003−224918(JP,A)
【文献】
特開2004−274967(JP,A)
【文献】
特開2005−340684(JP,A)
【文献】
特開2006−158062(JP,A)
【文献】
特開2007−27584(JP,A)
【文献】
特開2012−79741(JP,A)
【文献】
特表2005−525073(JP,A)
【文献】
特開昭62−113452(JP,A)
【文献】
特開2004−248426(JP,A)
【文献】
特開2004−253759(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/080588(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0174469(US,A1)
【文献】
実開平2−58393(JP,U)
【文献】
特開平1−13788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K1/00−3/46
H01L23/32
H01L23/36
H01L23/48−23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に導電パターンが形成された基板と、
本体部およびこの本体部より突出した第一種端子および第二種端子を有し、前記基板の一方の面に実装される電子部品と、
前記基板の他方の面に固定された導電路を構成する導電部材と、
を備え、
前記電子部品は、その本体部が前記基板に形成された第一開口の少なくとも一部を覆うように前記基板の一方の面上に配置された状態で、当該第一開口を通じて前記導電部材に接続され、
前記第一種端子が前記基板の導電パターンに、前記第二種端子が前記基板に形成された第二開口を通じて前記導電部材に接続され、
前記電子部品は、その本体部が前記第一開口の一部を覆わないようにして前記基板の一方の面上に配置されていることを特徴とする回路構成体。
【請求項2】
一方の面に導電パターンが形成された基板と、
本体部およびこの本体部より突出した第一種端子および第二種端子を有し、前記基板の一方の面に実装される電子部品と、
前記基板の他方の面に固定された導電路を構成する導電部材と、
を備え、
前記電子部品は、その本体部が前記基板に形成された第一開口の少なくとも一部を覆うように前記基板の一方の面上に配置された状態で、当該第一開口を通じて前記導電部材に接続され、
前記第一種端子が前記基板の導電パターンに、前記第二種端子が前記基板に形成された第二開口を通じて前記導電部材に接続され、
前記本体部の底には第三種端子が設けられており、当該第三種端子が前記本体部とともに前記第一開口を通じて前記導電部材に接続され、
前記基板の一方の面における前記第一開口が形成された箇所の近傍には接続部が設けられ、
前記電子部品の本体部における前記基板の一方の面上に位置する部分の少なくとも一部は、前記接続部に接続され、
前記基板における前記接続部が形成された部分には貫通孔が形成されており、
前記第三種端子は前記接続部に接続されるとともに、前記貫通孔を通じて前記導電部材にも接続されていることを特徴とする回路構成体。
【請求項3】
前記第一種端子および前記第二種端子の先端部分は、略同じ高さに位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回路構成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板および導電部材を備えた回路構成体に関する。
【背景技術】
【0002】
比較的小さな電流を導通させる回路を構成する導電パターンが形成された基板に対し、比較的大きな電流を導通させるための回路を構成する導電部材が固定された回路構成体が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−164040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の回路構成体には、基板に形成された導電パターンに接続される端子と、導電部材に接続される端子を有する電子部品を備えるものがある。このような電子部品を備える回路構成体では、導電パターン表面と導電部材表面の高さが異なるため、一方の端子を曲げる等して、当該高さの差を吸収する必要があった(特許文献1においては、
図4等に示すように端子34と端子36の形状が異なる)。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、上記のような電子部品の端子の曲げ加工等が不要である回路構成体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明にかかる回路構成体は、一方の面に導電パターンが形成された基板と、本体部およびこの本体部より突出した第一種端子および第二種端子を有し、前記基板の一方の面に実装される電子部品と、前記基板の他方の面に固定された導電路を構成する導電部材と、を備え、前記電子部品は、その本体部が前記基板に形成された第一開口の少なくとも一部を覆うように前記基板の一方の面上に配置された状態で、当該第一開口を通じて前記導電部材に接続され、前記第一種端子が前記基板の導電パターンに、前記第二種端子が前記基板に形成された第二開口を通じて前記導電部材に接続され
、前記電子部品は、その本体部が前記第一開口の一部を覆わないようにして前記基板の一方の面上に配置されていることを特徴とする
。
別の発明にかかる回路構成体は、一方の面に導電パターンが形成された基板と、本体部およびこの本体部より突出した第一種端子および第二種端子を有し、前記基板の一方の面に実装される電子部品と、前記基板の他方の面に固定された導電路を構成する導電部材と、を備え、前記電子部品は、その本体部が前記基板に形成された第一開口の少なくとも一部を覆うように前記基板の一方の面上に配置された状態で、当該第一開口を通じて前記導電部材に接続され、前記第一種端子が前記基板の導電パターンに、前記第二種端子が前記基板に形成された第二開口を通じて前記導電部材に接続され、前記本体部の底には第三種端子が設けられており、当該第三種端子が前記本体部とともに前記第一開口を通じて前記導電部材に接続され、前記基板の一方の面における前記第一開口が形成された箇所の近傍には接続部が設けられ、前記電子部品の本体部における前記基板の一方の面上に位置する部分の少なくとも一部は、前記接続部に接続され、前記基板における前記接続部が形成された部分には貫通孔が形成されており、前記第三種端子は前記接続部に接続されるとともに、前記貫通孔を通じて前記導電部材にも接続されていることを特徴とする。
【0007】
前記第一種端子および前記第二種端子の先端部分は、略同じ高さに位置するとよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる回路構成体は、電子部品の本体部が基板に形成された第一開口の少なくとも一部を覆うように基板の一方の面上に配置され、第二種端子が基板に形成された第二開口を通じて導電部材に接続される構造であるため、端子を曲げる等の加工が不要となる
。
また、電子部品の本体部が第一開口の一部を覆わないようにして基板の一方の面上に配置された構造とすれば、第一開口における本体部に覆われていない部分(露出した部分)から、第一開口を通じた本体部と導電部材の接続が確実になされているかどうかを確認することができる。
また、本体部の底に設けられた第三種端子が本体部とともに第一開口を通じて導電部材に接続された構造とすることもできる。第一開口の大きさを大きくしすぎると、第一開口に対して電子部品が位置ずれした場合、本体部の一部が第一開口内に入り込んだ状態となってしまうおそれがある。一方、第一開口の大きさを小さくしすぎると、基板および導電部材組に対する電子部品(本体部)の物理的な接続の信頼性が問題となるおそれがある。そのため、基板における第一開口が形成された箇所の近傍に接続部を設け、当該接続部に本体部の少なくとも一部が接続された構造とすることにより、基板および導電部材組に対する電子部品(本体部)の物理的な接続の信頼性を向上させることができる。第三種端子が接続部だけでなく貫通孔を通じて導電部材に接続されていれば、第三種端子が第一開口だけでなく貫通孔を通じて導電部材に接続された構造となるため、電気的な接続の信頼性も向上する。
【0013】
電子部品が有する第一種端子の先端部分の高さと、第二種端子の先端部分の高さは、略同じに設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる回路構成体の外観図である。
【
図2】回路構成体における電子部品が実装された部分を拡大して示した図である。
【
図3】回路構成体における電子部品が実装された部分の一部(基板および導電部材)の断面図であって、(a)は第一種端子側から、(b)は第二種端子側から見た図である。
【
図4】回路構成体における電子部品が実装された部分の平面図である。
【
図5】複数個所に分離した接続部が設けられた回路構成体の一例を示した平面図である。
【
図6】第一変形例にかかる回路構成体を説明するための一部(基板および導電部材)断面図である。
【
図7】第一変形例にかかる回路構成体を説明するための平面図である。
【
図8】第二変形例にかかる回路構成体を説明するための一部(基板および導電部材)断面図である。
【
図9】第三変形例にかかる回路構成体を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、特に明示した場合を除き、以下の説明における平面方向とは、基板10や導電部材20の平面方向をいい、高さ方向(上下方向)とは平面方向に直交する方向(基板10の導電パターンが形成された面を上とする)をいうものとする。
【0020】
図1に示すように、本発明の一実施形態にかかる回路構成体1は、基板10、導電部材20および電子部品30を備える。以下、
図1〜
図4を参照して各構成について具体的に説明する。
【0021】
基板10は、一方の面10a(上側の面)に導電パターン(導電パターンの一部である後述するランド14のみ図示する)が形成されたものである。当該導電パターンが構成する導電路は制御用の導電路(回路の一部)であり、導電部材20が構成する導電路(回路の一部)よりも流れる電流が相対的に小さい。
【0022】
導電部材20は、基板10の他方の面10bに固定された板状の部分である。導電部材20は、プレス加工等によって所定の形状に形成され、相対的に大きな(導電パターンによって構成される導電路よりも大きな)電流が流れる部分である電力用の導電路を構成する。導電部材20は、バスバー(バスバープレート)等とも称される。導電部材20は、例えば絶縁性の接着シートなどを介して、基板10の他方の面10bに固定され、基板10と導電部材20が一体化されている(基板10・導電部材20組)。導電パターンや導電部材20が構成する導電路の形状はどのようなものであってもよいため、説明を省略する。また、基板10や導電部材20全体の形状も適宜変更可能である。
【0023】
電子部品30は、基板10に実装される素子であって、素子の本体部31および端子部を有する。本実施形態における電子部品30は、端子部として第一種端子32、第二種端子33、および第三種端子34を有する。電子部品30の一例としては、トランジスタ(FET)が挙げられる。この場合、第一種端子32はゲート端子であり、第二種端子33はソース端子であり、第三種端子34はドレイン端子である。後述するように、第一種端子32は基板10の導電パターンに接続され、第二種端子33は導電部材20に接続され、第三種端子34は導電部材20における第二種端子33が接続される部位とは異なる部位に接続される。なお、以下では、電子部品30は、各種端子を一つずつ有しているものとして説明するが、ある種の端子を複数有するものであってもよい。
【0024】
第一種端子32および第二種端子33は、略直方体形状の本体部31の側面より突出している。具体的には、両端子は、平面方向に沿って突出した基端側部分と、基端側部分の先端から下方に向かうように屈曲した部分と、当該屈曲した部分の先端から平面方向に沿うように延びる先端部分321、331とを有する。はんだ付けされる部分である先端部分321、331の高さ(上下方向における位置)は略同じである。本実施形態では、第一種端子32と第二種端子33は全く同形状に形成されている。つまり、本体部31における端子が設けられた面に沿う方向から見て、第一種端子32と第二種端子33は重なる。
【0025】
第三種端子34は、本体部31の底(下面)に設けられた板状の部分である。つまり、第三種端子34は平面方向に沿う。第三種端子34は、本体部31の底の少なくとも一部を構成する部分であるともいえる。
【0026】
このような電子部品30は、次のように基板10(基板10・導電部材20組)に実装される。基板10における電子部品30が実装される箇所には、基板10を厚み方向に貫く第一開口11が形成されている。第一開口11は、電子部品30の本体部31が通過することのできない形状に形成されている。電子部品30は、その本体部31が第一開口11の少なくとも一部を覆うように、基板10の一方側の面(導電パターンが形成された面)上に載置される。本体部31の底に設けられた第三種端子34の少なくとも一部は、第一開口11に臨む(上下方向において第一開口11に重なる)。本実施形態では、本体部31が第一開口11の一部を覆わないようにして基板10の一方の面10a上に載置される。
【0027】
かかる第一開口11を通じて、電子部品30の本体部31は導電部材20にはんだ付けされている。本体部31の底には第三種端子34が設けられているため、第三種端子34は導電部材20の所定箇所(第一開口11に臨む部分)と電気的に接続される。つまり、第一開口11の少なくとも一部を覆うように設けられた本体部31(第三種端子34)が、当該第一開口11を通じて導電部材20にはんだ付けされることにより、本体部31が物理的に導電部材20(基板10・導電部材20組)に接続されるとともに、第三種端子34が電気的に導電部材20に接続される。
【0028】
このように電子部品30が基板10の一方の面10a上に配置されるということは、本体部31の底は、第一開口11に臨む部分(上下方向において第一開口11と重なる部分)と、基板10の一方の面10aに接触する部分を含む、ということである。本実施形態では、基板10の一方の面10aにおける本体部31の底が接触する部分に接続部12が設けられている。つまり、接続部12は、第一開口11の近傍に設けられている。接続部12は、導電パターンと同じ材料(例えば銅)で形成することができる。つまり、導電パターンを形成する工程と同じ工程で作製することができる。なお、接続部12は導電パターンと電気的に接続されていない。
【0029】
電子部品30の本体部31における基板10の一方の面10aに接触する部分は、かかる接続部12にはんだ付けされている。つまり、電子部品30の本体部31は、導電部材20だけでなく、基板10にも接続されている。これにより、基板10・導電部材20組に対する電子部品30の物理的な接続をより強固なものとすることができる。
【0030】
なお、第一開口11や接続部12の大きさや形状は適宜変更可能である。
図4に示すように第一開口11に並ぶように略方形状の接続部12を設けた構造としてもよいし、
図5に示すように接続部12が複数個所に分離して設けられた構造としてもよい。第一開口11は本体部31を導電部材20に接続するためのものであり、接続部12は本体部31を基板10に接続するためのものであるため、本体部31と導電部材20の接続、本体部31と基板10の接続に求められる強度等に応じて、第一開口11および接続部12の形状、位置、大きさ等を設定すればよい。
【0031】
電子部品30が基板10における所定位置に載置された状態において、電子部品30の第一種端子32の先端部分321は、導電パターンにおける所定部位上に位置する。具体的には、第一種端子32を接続すべきランド14(導電パターンの一部)の上に位置する。第一種端子32は、かかるランド14にはんだ付けされている。つまり、第一種端子32は、導電パターンに物理的かつ電気的に接続されている。
【0032】
また、基板10には、当該基板10を厚み方向に貫く第二開口13が形成されている。第二開口13は、電子部品30が基板10における所定位置に載置された状態において、第二種端子33の先端部分331が上下方向に重なるような位置に形成される。具体的には、第一種端子32の先端部分321と、第二種端子33の先端部分331の高さは略同じであるのであり、第一種端子32の先端部分321が基板10の一方の面10a上に位置するということは、第二種端子33の先端部分331は第二開口13の上に位置するということである。このように第二開口13の上に位置する第二種端子33は、当該第二開口13を通じて導電部材20の所定部位にはんだ付けされている。つまり、第二種端子33は導電部材20に物理的かつ電気的に接続されている。なお、当然ではあるが、導電部材20における第二種端子33が接続される部位と、第三種端子34が接続される部位は、直接的な電気的な接続が存在するものではない(第二種端子33と第三種端子34がショートするものではない)。また、本実施形態では、第一開口11と第二開口13は繋がっていないが、両者が一体となった開口であってもよい。ただし、第一開口11内のはんだと第二開口13内のはんだが接触するとショートしてしまうため、両開口は区切られていることが好ましい。
【0033】
このような基板10(基板10・導電部材20組)に対する電子部品30の実装方法は、特定の方法に限定されるわけではないが、いわゆるリフローはんだ付け方法により行うことが製造の容易化、品質安定化等の面で好ましい。リフローはんだ付け方法を用いて製造する場合には、基板10・導電部材20組における第一開口11内、第二開口13内、接続部12上、ランド14上に予めはんだ(クリームはんだ)を塗布(印刷)しておき、所定位置に電子部品30を載置した状態ではんだを溶融させることで、上記のように電子部品30が実装された回路構成体1が得られる。このようなリフローはんだ付けによって電子部品30を実装するのであれば、第二種端子33と第三種端子34のショートを防止するため、第一開口11と第二開口13は区切られていることが好ましい。
【0034】
以上説明した本実施形態にかかる回路構成体1によれば次のような作用効果が奏される。本実施形態にかかる回路構成体1は、電子部品30の本体部31が基板10に形成された第一開口11の少なくとも一部を覆うように基板10の一方の面10a上に配置され、第二種端子33が基板10に形成された第二開口13を通じて導電部材20に接続される構造であるため、端子を曲げる等の加工が不要となる。つまり、電子部品30が有する第一種端子32の先端部分321の高さと、第二種端子33の先端部分331の高さを、略同じに設定することができる。
【0035】
また、本体部31の底に設けられた第三種端子34を、本体部31とともに第一開口11を通じて導電部材20に接続することができる。これにより、電子部品30(本体部31)と導電部材20の物理的な接続、第三種端子34と導電部材20の電気的な接続を一度に図ることができる。また、本体部31に生じる熱が導電部材20を通じて効率よく放熱される構造となる。
【0036】
また、基板10に形成される第一開口11の大きさを大きくしすぎると、第一開口11に対して電子部品30が位置ずれした場合、本体部31の一部が第一開口11内に入り込んだ状態となってしまうおそれがある。例えば、上記リフローはんだ付け工程において(電子部品30がはんだ付けされる前の状態において)、振動等によって本体部31の一部が第一開口11内に入り込んでしまうおそれがある。一方、第一開口11の大きさを小さくしすぎると、本体部31における第一開口11内のはんだに接触する部分の面積が小さくなるから、基板10・導電部材20組に対する電子部品30(本体部31)の物理的な接続の信頼性が問題となってしまうおそれがある。これに対し本実施形態では、基板10における第一開口11が形成された箇所の近傍に接続部12を設け、当該接続部12に本体部31の少なくとも一部が接続された構造とされるから、基板10および導電部材20組に対する電子部品30(本体部31)の物理的な接続の信頼性を向上させることができる。
【0037】
また、電子部品30の本体部31が第一開口11の一部を覆わないようにして基板10の一方の面10a上に載置されるため、第一開口11における本体部31に覆われていない部分(露出した部分)から、第一開口11を通じた本体部31と導電部材20の接続が確実になされているかどうかを確認することができる。
【0038】
上記本発明の一実施形態にかかる回路構成体1の変形例として、以下のような例が考えられる。
【0039】
図6および
図7に示す第一変形例は、基板10における接続部12が形成された部分に、基板10を厚み方向に貫く貫通孔121(スルーホール)が形成されたものである。貫通孔121は、複数形成されていることが好ましい。また、各貫通孔121にはいわゆるビアが形成されていることが好ましい。本例において、本体部31の底に設けられた第三種端子34は、基板10の一方の面10aに設けられた接続部12に接触する。そして、かかる第三種端子34は、接続部12にはんだ付けされるとともに、貫通孔121を通じて導電部材20にもはんだ付けされている。つまり、第三種端子34は、貫通孔121内に塗布されたはんだによって、導電部材20に電気的に接続されている。このように、第三種端子34が接続部12だけでなく貫通孔121を通じて導電部材20に接続されていれば、第三種端子34が第一開口11だけでなく貫通孔121を通じて導電部材20に接続された構造となるため、電気的接続の信頼性も向上する。つまり、本体部31が接続される接続部12が設けられることを踏まえ、当該接続部12が形成された部分に貫通孔121を形成しておくことにより、接続部12による本体部31と基板10の物理的な接続の強化だけでなく、第三種端子34と導電部材20の電気的な接続の強化を図ることができる。
【0040】
図8に示す第二変形例は、第一種端子32’および第二種端子33’の長さが短い電子部品30を用いたものである。上述したように、電子部品30の本体部31は、基板10に形成された第一開口11の少なくとも一部を覆うように基板10の一方の面10a上に配置される構造であるから、第一種端子32’は導電パターンのランド14まで、第二種端子33’は第二開口13まで届くような長さを有しておりさえすればよい。図示されるように、各端子は、本体部31から真っすぐ直線状に延びる形状であってもよい。このように、本発明は、曲げることが困難な短い端子を有する電子部品30を用いることができるという点においても優れるものである。
【0041】
図9に示す第三変形例は、基板10上に接続部12が設けられていない構成である。本体部31(第三種端子34)は、第一開口11を通じて導電部材20に接続されるから、接続部12を設けなくても本体部31と基板10・導電部材20組の接続を図ることができる。接続部12を設けていれば、その分第一開口11の大きさを小さくすることができるため、本体部31の一部が第一開口11内に入り込んでしまうおそれを低減することができるという利点がある。
【0042】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0043】
例えば、上記実施形態における電子部品30は、本体部31の底に端子(第三種端子34)が設けられたものであることを説明したが、このように底に端子が設けられていない電子部品30についても上記と同様の実装手法が適用できる。つまり、第一開口11を通じた本体部31と導電部材20の接続が、電気的な接続を図るものではなくなる(物理的な接続を図るものとなる)だけである。
【符号の説明】
【0044】
1 回路構成体
10 基板
10a 一方の面
10b 他方の面
11 第一開口
12 接続部
121 貫通孔
13 第二開口
14 ランド(導電パターンの一部)
20 導電部材
30 電子部品
31 本体部
32(32’) 第一種端子
321 (第一種端子の)先端部分
33(33’) 第二種端子
331 (第二種端子の)先端部分
34 第三種端子