(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
折り畳まれたエアバッグの上方を覆うとともに、膨張時の前記エアバッグに押されて開くドア部を有した天井壁部と、前記ドア部の周囲の前記天井壁部の下面から筒状に延びて、折り畳まれた前記エアバッグの側方を覆う側壁部と、を備えて、ステアリングホイールのボス部の上面側に配置されるパッドと、
前記側壁部を結合させて前記パッドを保持するとともに、前記エアバッグに設けられた膨張用ガスの流入用開口の内周面側の周縁を押さえる環状のリテーナを固定させて、前記エアバッグを保持する取付ベースと、
ホーンスイッチ機構を構成するとともに、前記取付ベースを前記ステアリングホイール本体に取り付け可能に、前記取付ベースの外周縁付近の組付座に取り付けられる複数のスイッチ体と、
を備えて構成され、
前記スイッチ体が、
上部側に配置される構成として、可動側接点を有して前記取付ベースの組付座に組み付けられる可動側部材と、
下部側に配置される構成として、上端側に前記可動側接点に対応した固定側接点を有して、前記取付ベースから下方へ突出する下端側を、前記ステアリングホイール本体に取り付ける固定側部材と、
前記取付ベース側を前記固定側部材側から上方へ付勢する付勢手段と、
前記固定側接点からの前記可動側接点の離隔距離を規制する規制手段と、
を備えて構成されるエアバッグ装置であって、
前記各組付座が、それぞれ、前記取付ベースにおける前記リテーナを取り付ける取付座から、下方へ凹むように配設され、
前記各スイッチ体が、それぞれ、前記可動側部材を、対応する前記組付座の底壁部に組み付けて、前記取付ベースにおける折り畳まれた前記エアバッグの下方に配設される構成とし、
前記可動側部材が、上面側における前記流入用開口側の部位を、前記エアバッグの流入用開口の周縁を介在させて、前記リテーナに当接させ、かつ、上面側における前記流入用開口から離れた側の部位を、前記パッドの前記側壁部の下面に当接させて、配設されていることを特徴とするエアバッグ装置。
折り畳まれたエアバッグの上方を覆うとともに、膨張時の前記エアバッグに押されて開くドア部を有した天井壁部と、前記ドア部の周囲の前記天井壁部の下面から筒状に延びて、折り畳まれた前記エアバッグの側方を覆う側壁部と、を備えて、ステアリングホイールのボス部の上面側に配置されるパッドと、
前記側壁部を結合させて前記パッドを保持するとともに、前記エアバッグに設けられた膨張用ガスの流入用開口の内周面側の周縁を押さえる環状のリテーナを固定させて、前記エアバッグを保持する取付ベースと、
ホーンスイッチ機構を構成するとともに、前記取付ベースを前記ステアリングホイール本体に取り付け可能に、前記取付ベースの外周縁付近の組付座に取り付けられる複数のスイッチ体と、
を備えて構成され、
前記スイッチ体が、
上部側に配置される構成として、可動側接点を有して前記取付ベースの組付座に組み付けられる可動側部材と、
下部側に配置される構成として、上端側に前記可動側接点に対応した固定側接点を有して、前記取付ベースから下方へ突出する下端側を、前記ステアリングホイール本体に取り付ける固定側部材と、
前記取付ベース側を前記固定側部材側から上方へ付勢する付勢手段と、
前記固定側接点からの前記可動側接点の離隔距離を規制する規制手段と、
を備えて構成されるエアバッグ装置であって、
前記各組付座が、それぞれ、前記取付ベースにおける前記リテーナを取り付ける取付座から、下方へ凹むように配設され、
複数の前記スイッチ体が、それぞれ、前記可動側部材を、対応する前記組付座の底壁部に組み付けて、前記取付ベースにおける折り畳まれた前記エアバッグの下方に配設される構成とし、
前記リテーナの下方から、前記各スイッチ体の前記可動側部材の上面側における略全面に当接するように、外方へ延びるインナプレートが、前記リテーナにより、前記エアバッグの流入用開口の周縁と共締めされて、前記取付ベースに取付固定されていることを特徴とするエアバッグ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このエアバッグ装置では、スイッチ体が、取付ベースにおける折り畳まれたエアバッグの外側のエリアに配設され、さらに、可動側部材の上面側をパッドの側壁部の下端面に当接させるように、配設されていた。そのため、取付ベースにおけるスイッチ体を組み付ける組付座が、エアバッグの収納エリアより外側に配置され、また、組付座に組み付けられるスイッチ体の可動側部材に対応して、パッドの側壁部も、部分的に、エアバッグの収納エリアより外側に配置させるように、厚肉に構成されていた。その結果、エアバッグ装置自体が、エアバッグの流入用開口の周囲から大きく外側へ延びるように、大型化していた。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、ステアリングホイールのボス部上部に搭載される構成としても、上方から見てコンパクトに搭載できるホーンスイッチ機構を備えたエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1番目のエアバッグ装置は、折り畳まれたエアバッグの上方を覆うとともに、膨張時の前記エアバッグに押されて開くドア部を有した天井壁部と、前記ドア部の周囲の前記天井壁部の下面から筒状に延びて、折り畳まれた前記エアバッグの側方を覆う側壁部と、を備えて、ステアリングホイールのボス部の上面側に配置されるパッドと、
前記側壁部を結合させて前記パッドを保持するとともに、前記エアバッグに設けられた膨張用ガスの流入用開口の内周面側の周縁を押さえる環状のリテーナを固定させて、前記エアバッグを保持する取付ベースと、
ホーンスイッチ機構を構成するとともに、前記取付ベースを前記ステアリングホイール本体に取り付け可能に、前記取付ベースの外周縁付近の組付座に取り付けられる複数のスイッチ体と、
を備えて構成され、
前記スイッチ体が、
上部側に配置される構成として、可動側接点を有して前記取付ベースの組付座に組み付けられる可動側部材と、
下部側に配置される構成として、上端側に前記可動側接点に対応した固定側接点を有して、前記取付ベースから下方へ突出する下端側を、前記ステアリングホイール本体に取り付ける固定側部材と、
前記取付ベース側を前記固定側部材側から上方へ付勢する付勢手段と、
前記固定側接点からの前記可動側接点の離隔距離を規制する規制手段と、
を備えて構成されるエアバッグ装置であって、
前記各組付座が、それぞれ、前記取付ベースにおける前記リテーナを取り付ける取付座から、下方へ凹むように配設され、
前記各スイッチ体が、それぞれ、
前記可動側部材を、対応する前記組付座の底壁部に組み付けて、前記取付ベースにおける折り畳まれた前記エアバッグの下方に配設される構成とし
、
前記可動側部材が、上面側における前記流入用開口側の部位を、前記エアバッグの流入用開口の周縁を介在させて、前記リテーナに当接させ、かつ、上面側における前記流入用開口から離れた側の部位を、前記パッドの前記側壁部の下面に当接させて、配設されていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る第1番目のエアバッグ装置では、各スイッチ体が、それぞれ、取付ベースにおける折り畳まれたエアバッグの下方に配設されることから、取付ベースの組付座も、対応して、折り畳まれたエアバッグの下方に配置され、そして、エアバッグの流入用開口に接近して配設されることとなる。そのため、取付ベースが、外周縁をエアバッグの流入用開口に接近させることとなって、上方から見てコンパクトに構成可能となり、それに伴ない、パッドの側壁部も、エアバッグの流入用開口から大きく離れる部位を設けずに構成できて、その結果、エアバッグ装置全体を上方から見て、コンパクトに構成可能となる。
【0008】
また、ホーンスイッチの操作時のパッドを押下する際、可動側部材の上面側が、エアバッグの流入用開口側の部位を、パッドの側壁部を結合させた取付ベースに固定されているリテーナに押下され、また、流入用開口から離れた側の部位を、パッドの側壁部の下面に押下されることから、可動側部材が、傾斜すること無く、上面側を均等に下降移動させることができる。そのため、取付ベースがコンパクトになっても、安定したホーンストロークを確保できて、操作フィーリングの低下を防止できる。
【0009】
したがって、本発明に係る第1番目のエアバッグ装置では、ステアリングホイールのボス部上部に搭載される構成としても、上方から見てコンパクトに搭載でき、また、ホーンスイッチの操作時に、良好な操作フィーリングを確保することができる。
【0010】
本発明に係る第2番目のエアバッグ装置では、折り畳まれたエアバッグの上方を覆うとともに、膨張時の前記エアバッグに押されて開くドア部を有した天井壁部と、前記ドア部の周囲の前記天井壁部の下面から筒状に延びて、折り畳まれた前記エアバッグの側方を覆う側壁部と、を備えて、ステアリングホイールのボス部の上面側に配置されるパッドと、
前記側壁部を結合させて前記パッドを保持するとともに、前記エアバッグに設けられた膨張用ガスの流入用開口の内周面側の周縁を押さえる環状のリテーナを固定させて、前記エアバッグを保持する取付ベースと、
ホーンスイッチ機構を構成するとともに、前記取付ベースを前記ステアリングホイール本体に取り付け可能に、前記取付ベースの外周縁付近の組付座に取り付けられる複数のスイッチ体と、
を備えて構成され、
前記スイッチ体が、
上部側に配置される構成として、可動側接点を有して前記取付ベースの組付座に組み付けられる可動側部材と、
下部側に配置される構成として、上端側に前記可動側接点に対応した固定側接点を有して、前記取付ベースから下方へ突出する下端側を、前記ステアリングホイール本体に取り付ける固定側部材と、
前記取付ベース側を前記固定側部材側から上方へ付勢する付勢手段と、
前記固定側接点からの前記可動側接点の離隔距離を規制する規制手段と、
を備えて構成されるエアバッグ装置であって、
前記各組付座が、それぞれ、前記取付ベースにおける前記リテーナを取り付ける取付座から、下方へ凹むように配設され、
複数の前記スイッチ体が、
それぞれ、前記可動側部材を、対応する前記組付座の底壁部に組み付けて、前記取付ベースにおける折り畳まれた前記エアバッグの下方に配設される構成とし
、
前記リテーナの下方から、前記各スイッチ体の前記可動側部材の上面側における略全面に当接するように、外方へ延びるインナプレートが、前記リテーナにより、前記エアバッグの流入用開口の周縁と共締めされて、前記取付ベースに取付固定されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る第2番目のエアバッグ装置でも、各スイッチ体が、それぞれ、取付ベースにおける折り畳まれたエアバッグの下方に配設されることから、取付ベースの組付座も、対応して、折り畳まれたエアバッグの下方に配置され、そして、エアバッグの流入用開口に接近して配設されることとなる。そのため、取付ベースが、外周縁をエアバッグの流入用開口に接近させることとなって、上方から見てコンパクトに構成可能となり、それに伴ない、パッドの側壁部も、エアバッグの流入用開口から大きく離れる部位を設けずに構成できて、その結果、エアバッグ装置全体を上方から見て、コンパクトに構成可能となる。
【0012】
また、ホーンスイッチの操作時のパッドを押下する際、可動側部材の上面側における略全面が、リテーナによりエアバッグの流入用開口の周縁と共締めされるインナプレートによって、押下されることから、可動側部材が、傾斜すること無く、上面側を均等に下降移動させることができる。そのため、取付ベースがコンパクトになっても、安定したホーンストロークを確保できて、操作フィーリングの低下を防止できる。
【0013】
したがって、本発明に係る第2番目のエアバッグ装置でも、ステアリングホイールのボス部上部に搭載される構成としても、上方から見てコンパクトに搭載でき、また、ホーンスイッチの操作時に、良好な操作フィーリングを確保することができる。
【0014】
また、本発明に係る第1,2番目のエアバッグ装置では、前記リテーナが、前後の左右両側の四隅に、前記取付ベースに固定される固着手段を下方に延ばした略四角環状に形成されていれば、前記スイッチ体は、3個使用される構成として、前記エアバッグの流入用開口の周囲の前側の左右の位置であって、前記リテーナの前側の前記固着手段の近傍の後方側と、前記リテーナの左右方向の中央の前記リテーナの近傍の後方側と、に配設することが望ましい。
【0015】
このような構成では、リテーナの四隅の固着手段と干渉せずに、最も、エアバッグの流入用開口の近傍に、スイッチ体を配設させることができて、一層、エアバッグ装置のコンパクト化に寄与できる。また、スイッチ体が、エアバッグの流入用開口を中心として、放射状の3箇所に配置される状態となることから、ホーンスイッチ操作時に、パッドを押下する部位が前後左右にばらついても、バランスよく、いずれかのスイッチ体の可動側接点を固定側接点に接触させることできて、良好な操作フィーリングを維持できる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態のエアバッグ装置20が搭載されるステアリングホイールWは、
図1に示すように、操舵時に把持するリング部R、リング部Rの中央に配置されるボス部B、及び、リング部Rとボス部Bとを連結するスポーク部S、を有したステアリングホイール本体1と、ボス部Bの上部に配設されるエアバッグ装置20と、を備えて構成される。
【0018】
なお、本明細書での上下・左右・前後の方向は、ステアリングホイールWを車両のステアリングシャフトSS(
図2参照)にナットN止めして接続させた状態における車両の直進操舵時を基準として、上下方向は、そのステアリングシャフトSSの軸方向に沿った上下方向に対応し、左右方向は、そのステアリングシャフトSSの軸直交方向の車両の左右方向に対応し、前後方向は、そのステアリングシャフトの軸直交方向の車両の前後方向に対応している(
図1参照)。
【0019】
ステアリングホイール本体1は、リング部R、ボス部B、及び、スポーク部Sを相互に連結するように配設される芯金2と、リング部Rとリング部R近傍のスポーク部Sの芯金2の部位を覆うウレタン等からなる被覆層7と、を備えて構成されている。被覆層7の表面には、皮革8が巻き付けられている。さらに、リング部Rの前部と後部の内周側には、加飾ガーニッシュ13,15が配設されている。
【0020】
芯金2は、リング部Rに配置されるリング芯金部3、ボス部Bに配置されてステアリングシャフトSSと接続されるボス芯金部4、及び、左右のスポーク部Sに配置されてリング芯金部3とボス芯金部4とを連結するスポーク芯金部5、から構成される。スポーク芯金部5は、実施形態の場合、前側の左右の二本のスポーク部Sの部位にしか配設されておらず、後部側のスポーク部Sには、後述するパッド50の周囲を囲うベゼル14が配設されている。
【0021】
そして、芯金2のボス芯金部4の周縁には、エアバッグ装置20の後述する各スイッチ体70の組付ピン84を固定させる固定部10が、配設されている(
図2,3参照)。固定部10は、下狭まりのテーパ状に貫通する係止孔11と、ボス芯金部4の下面側に配置されて、組付ピン84の係止頭部86aを係止する係止ピン12と、を配設させて構成されている。係止ピン12は、復元可能に、ボス芯金部4の下面に沿って、撓み可能なばね材から形成されている。
【0022】
また、ステアリングホイール本体1は、ボス部Bの下面側に、ロアカバー16を配設させて構成されている(
図2参照)。
【0023】
エアバッグ装置20は、
図1〜3に示すように、膨張用ガスを流入させて膨らむエアバッグ45と、エアバッグ45に膨張用ガスを供給するインフレーター40と、折り畳まれたエアバッグ45を覆ってボス部Bの上面側に配置される合成樹脂製のパッド50と、エアバッグ45、インフレーター40、及び、パッド50を保持する板金製の取付ベース21と、板金製のインナプレート31と、リテーナ42と、を備えて構成されている。
【0024】
エアバッグ45は、球状に近似した厚みのある略円板状の膨張完了形状として、下部側に膨張用ガスを流入するために円形に開口した流入用開口46を備え、流入用開口46の周縁47には、リテーナ42の固着手段としてボルト42bを貫通させる貫通孔47aが4個形成されている。
【0025】
インフレーター40は、上部に膨張用ガスを吐出させる複数のガス吐出口40bを設けた円柱状の本体部40aを備え、本体部40aの外周面には、四角環状のフランジ部40c(
図6参照)が突設されている。フランジ部40cには、リテーナ42のボルト42bを貫通させる貫通孔40dが形成されている。
【0026】
リテーナ42は、
図1〜4,9に示すように、四角環状の板金製の本体42aを備え、四隅に、下方に突出するボルト42b(
図6参照)を突設させている。リテーナ42はエアバッグ45内の流入用開口46の周縁47に配設され、各ボルト42bをエアバッグ45の貫通孔47a、インナプレート31の貫通孔32b、取付ベース21の貫通孔22b、及び、インフレーター40のフランジ部40cの貫通孔40dに、順に貫通させ、各ボルト42bにナット43を締結させることにより、取付ベース21に、エアバッグ45、インナプレート31、及び、インフレーター40、を取り付けている。
【0027】
パッド50は、
図1〜6に示すように、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂製として、ステアリングホイールWの中央付近のボス部Bの上面側に配設されている。パッド50は、ボス部Bの内部に折り畳まれて収納されたエアバッグ45の上方を覆う天井壁部51と、天井壁部51の下面から略円筒状に延び、折り畳まれたエアバッグ45の前後左右の側方(外周側)を覆う側壁部60と、を備えて構成されている。
【0028】
天井壁部51には、膨張するエアバッグ45に押されて前方側に開く円板状のドア部52が、配設されている。ドア部52は、前縁側にヒンジ部53を設けて、周囲に、上方から見て略円弧状とした薄肉の破断予定部54を設けて構成されている。
【0029】
なお、実施形態の場合、ドア部52の上面側には、合成樹脂製の略円板状のオーナメント56が固着されている。オーナメント56の外周縁56aは、
図4に示すように、破断予定部54の近傍において、ドア部52側となる内側部56aiと、開かない開口周縁部55側に配置される外側部56aoとを配設させるように、破断予定部54より、若干大きな形状としている。ちなみに、ドア部52が開くときには、オーナメント56は、ドア部52と一体的に回転し、外周縁56aの外側部56aoは、開口周縁部55から離脱することとなる。
【0030】
パッド50の側壁部60は、
図3〜8に示すように、前縁側の左右の二箇所に、取付ベース21の前縁側の保持座24(24F)に結合される係止脚部61を、配設させ、また、後縁側の左右に、それぞれ、二つずつの係止脚部62を、配設させている。係止脚部62は、取付ベース21の後縁側の左右両側に配置された保持座24(24BL,24BR)に結合される。そして、各係止脚部61,62は、天井壁部51から下方に延びる縦板部61a,62aと、縦板部61a,62aの下端で、外側に突出する係止頭部61b,62bと、を備えて構成されている。各係止脚部61,62は、それぞれ、縦板部61a,62aが、取付ベース21における保持座24F,24BL,24BRの係止孔22cを挿通し、係止頭部61b,62bが、係止孔22cの周縁における下面24aに係止されることにより(
図5参照)、各保持座24F,24BL,24BRに対し、上方への抜けを規制されて係止されることとなる。
【0031】
また、側壁部60は、後部側の左右に離れた係止脚部62相互の間と、左右両側の前後に離れた係止脚部61,62間と、を、押圧用壁部64として、それらの下端面64aを、取付ベース21の外周縁21a(22e)の上面21b(22f)に対し、インナプレート31の外周縁34を介在させて、当接させる構成としている(
図9,11参照)。
【0032】
そして、パッド50は、係止脚部61,62が保持座24からの上方への抜けを防止され、押圧用壁部64の下端面64aを、インナプレート31を介在させて、取付ベース21の上面22fに当接させることから、取付ベース21に対し、上下動や前後左右の移動をすることなく、結合されることとなる。なお、各保持座24(24F,24BL,24BR)の舌片部22dは、係止脚部61,62の係止孔22cへの挿入前には、係止孔22cの開口面積を広くするように、下方へ折り曲げられており(
図12参照)、係止脚部61,62の挿入後、係止頭部61b,62bが係止孔22cの周縁の下面24aに係止されるように、各舌片部22dが、縦板部61a,62aを外方に押し出すために、曲げを復元させている(上方へ曲げて、周囲と平面状に連なるようにしている)。
【0033】
取付ベース21は、板金製として、
図1〜4,6,11,12に示すように、エアバッグ45、インフレーター40、及び、パッド50、を保持し、さらに、スイッチ体70を利用して、エアバッグ装置20をステアリングホイール本体1側に取り付ける板金製の部材として構成されている。そして、取付ベース21は、略円環状のベースプレート部22と、ベースプレート部22の外周縁22e付近から上方へ突出する縦板部28,29と、を備えて構成されている。
【0034】
ベースプレート部22には、前縁側において、左右両側に、パッド50の係止脚部61,61を係止する二つの係止孔22cを設けた保持座24Fが配設され、後縁側の左右両側に、それぞれ、パッド50の係止脚部62を係止する二つずつの係止孔22cを設けた二つの保持座24BL,24BRが配設されている。各保持座24(24F,24BL,24BR)には、既述したように、係止孔22cと、各係止脚部61,62を挿通させた後に、係止頭部61b,62bを係止するように、曲げを復元させる舌片部22dと、が配設されている。
【0035】
また、ベースプレート部22の中央には、エアバッグ45の流入用開口46に対応して、インフレーター40の本体部40aを下方から挿入可能な略円形の挿入孔22aが、開口し、挿入孔22aの周縁には、リテーナ42の各ボルト42bを貫通させる四個の貫通孔22bが形成されている。挿入孔22aの周縁における貫通孔22bを設けた部位は、リテーナ42を利用して、エアバッグ45,インフレーター40、及び、インナプレート31を取り付けるための取付座23となる。
【0036】
各スイッチ体70を組み付ける組付座25は、ベースプレート部22の後縁側の左右方向の中央、換言すれば、後部中央側の左右に離れた保持座24BL,24BR間と、ベースプレート部22の左前縁側における保持座24F,24BL間と、ベースプレート部22の右前縁側における保持座24F,24BR間と、の三箇所に配設されている。各組付座25は、取付座23から下方へ凹むように配設されている。すなわち、各組付座25は、取付座23から下方へ延びる半割り筒状の周壁部26と、周壁部26の下端で取付座23と平行に配設される略長方形板状の底壁部27と、を備えて構成されている。周壁部26は、ベースプレート部22の外周縁22e側には配設されておらず、半割り略四角筒状としている。
【0037】
各組付座25の底壁部27には、中央の円形に開口した挿通孔27aと、挿通孔27aの周囲の点対称的な位置の二箇所に配置される係止孔27bと、が配設されている。挿通孔27aには、各スイッチ体70における固定側部材としての組付ピン84の軸部86が、絶縁性を備えた絶縁スペーサ78,79とばね受け座80とを介在させて、挿通されている。挿通孔27aの周囲の一対の係止孔27bは、挿通孔27a側の周縁27cを切り起こされて、スイッチ体70の可動側部材71の係止部71bを係止する構成としている(
図5参照)。
【0038】
また、縦板部28は、ベースプレート部22の外周縁22eにおける組付座25間の三箇所から上方へ延びるように、突設され、縦板部29は、前側の左右の組付座25の底壁部27の外縁から上方に延びるように、突設されている。
【0039】
そして、各組付座25は、挿入孔22a(流入用開口46)を中心として取付ベース21のパッド50を保持するための各保持座24を結ぶ円形のエリア、すなわち、折り畳まれたエアバッグ45が取付ベース21の上方でのパッド50の天井壁部51と側壁部60とで覆われるエリア、換言すれば、折り畳まれたエアバッグ45の下方のエリア、に配置されている。
【0040】
インナプレート31は、
図1〜5,9,10に示すように、略円環状のリングプレート部32と、リングプレート部32の外周縁34の三箇所から上方へ延びる規制壁部38と、を備えて構成されている。リングプレート部32は、中央に、エアバッグ45の流入用開口46や取付ベース21の挿入孔22aに対応して、インフレーター40の本体部40aを下方から挿入可能な円形の挿通孔32aが、開口し、挿通孔32aの周縁には、リテーナ42の各ボルト42bを貫通させる四個の貫通孔32bが形成されている。
【0041】
そして、リングプレート部32の内周縁33は、上面33aをエアバッグ45の流入用開口46の周縁47に当て、下面33bを取付ベース21の取付座23に当てるように、エアバッグ45の流入用開口46の周縁47と、その下方の取付座23と、の間に配設され、リテーナ42の取付座23への締結時、流入用開口46の周縁47とともに、取付ベース21の取付座23に共締めされる。
【0042】
また、リングプレート部32は、略円環状の平板状に形成されており、取付ベース21の各組付座25に対応して、外周縁34側に各組付座25の上方を覆うカバー部35を配設させている。そして、カバー部35は、下面35bを、スイッチ体70の後述する可動側部材71の上面71aが当接するように構成され、さらに、上面35aを、パッド50の押圧用壁部64の下端面64aが当接するように、構成されている。外周縁34のカバー部35間の凹んだ凹部36には、取付ベース21の係止孔22cに係止されるパッド50の側壁部60の各係止脚部6,62が挿通することとなる(
図9参照)。
【0043】
なお、カバー部35は、第1実施形態の場合、少なくとも後述する付勢手段としてのコイルばね89の上方エリア、を越えた可動側部材71の上面71aの略全面に、当接するように、配設されている。
【0044】
規制壁部38は、各カバー部35の外縁から上方に延びるように突設され、パッド50の押圧用壁部64の外周面側に配設され、エアバッグ45の膨張時に押される押圧用壁部64の変形を防止する。
【0045】
ホーンスイッチ機構(ホーンスイッチ)69を構成する各スイッチ体70は、
図2〜5に示すように、上部側に配置される可動側接点77を有した可動側部材71と、下部側に配置される固定側接点87を有した固定側部材82と、付勢手段を構成するコイルばね89と、固定側接点87からの可動側接点77の離隔距離(ホーンストロークに対応する)を規制する規制手段88と、を備えて構成されている。
【0046】
可動側部材71は、絶縁性を有した合成樹脂製のキャップ72、可動側接点77を有した可動側接点材76、絶縁スペーサ78,79、及び、ばね受け座80、を備えて構成されている。キャップ72は、略円形の天板部73と、天板部73の周縁から下方に延びる略円筒状の筒部74と、を備えて構成される。キャップ72は、各組付座25内において、上面を可動側部材71の上面71aとして、インナプレート31のカバー部35の下面35bに当接させ、筒部74の下端を組付座25の底壁部27付近まで延ばしている。
【0047】
換言すれば、取付ベース21の各組付座25の底壁部27における取付座23からの凹み深さは、可動側部材71のキャップ72を収納可能に、キャップ72の高さ寸法に対応している。
【0048】
また、可動側接点材76は、銅板等の伝導材料から形成され、キャップ72の天板部73の下面側の支持座73aに支持される横杆部76aと、横杆部76aの左右両端から下方に延びる縦杆部76bと、を備えて構成され、縦杆部76bの下端が、キャップ72の筒部74の下端内周面の突条部74bに嵌合し、突条部74bとともに、可動側部材71の係止部71bを形成している(
図5参照)。係止部71bは、既述したように、取付ベース21の各組付座25の係止孔27bの周縁27cに係止される部位となって、可動側部材71を組付座25に組み付ける部位となる。
【0049】
可動側接点材76の横杆部76aには、下方に隆起する複数の可動側接点77が配設されている。
【0050】
ばね受け座80は、段差を設けた円筒状として、組付ピン84の上端側の鍔部85の上下動を案内する大径部80aと、軸部86の外周に嵌められたコイルばね89の上端と当接する小径部80bと、を備えて構成されている。ばね受け座80は、大径部80aをキャップ72内に配設させて、上端を天板部73に当接させている。
【0051】
絶縁スペーサ78は、キャップ72の内周側の筒部74の下端に係止され、絶縁スペーサ79は、ばね受け座80の小径部80bの上端と絶縁スペーサ78との間で、コイルばね80の付勢力を、円滑に、ばね受け座80の大径部80a、キャップ72の天板部73、及び、インナプレート31のカバー部35を介在させて、取付ベース21側に作用させるように、構成されている。
【0052】
ちなみに、第1実施形態の場合、組付ピン84の固定側接点87と兼用の鍔部85が、コイルばね80の付勢力を受けて、可動側接点77を設けた天板部73に上端を当接させたばね受け座80の大径部80aの段差面80cに当接して、可動側接点77と固定側接点87との離隔距離が規制されており、可動側接点77と固定側接点87との離隔距離を規制する規制手段88は、ばね受け座80の段差面80cを有した大径部80aと鍔部85とから構成されることとなる。
【0053】
固定側部材82は、合成樹脂製の略円筒状のカバー83と、組付ピン84と、から構成されている。組付ピン84は、鋼等の伝導性を有した金属材から形成され、上下方向に延びて、組付座25の挿通孔27aから下方に突出する軸部86と、軸部86の上端側で、挿通孔27aの直径寸法より大きく軸部86の直交方向に突出して、ばね受け座80の大径部80aの段差面80cに係止される円板状の鍔部85と、を備えて構成されている。軸部86の下端には、周方向に係止凹部86bを設けて、係止凹部86bの先端側に先細りの円錐台状の係止頭部86aが形成されている。
【0054】
カバー83は、係止凹部86bに先端側を嵌めて、上端でコイルばね89の下端を支持する構成としている。
【0055】
この固定側部材82では、組付ピン84の係止頭部86aを、ステアリングホイール本体1の所定の固定部10の係止孔11に挿入させて、組付ピン84の係止凹部86b内に、係止ピン12を撓ませて配置させれば、組付ピン84が、固定部10に対して、上下方向の移動を規制されて、固定される。そして、カバー83が、係止孔11内に挿入されることから、異音を防止して、組付ピン84とコイルばね89の下端側とを固定部10側に取付固定することができる。
【0056】
また、コイルばね89の下端側が、ステアリングホイール本体1の固定部10に固定されれば、ばね受け座80の大径部80a、キャップ72の天板部73、及び、インナプレート31のカバー部35を介在させて、取付ベース21側を固定側部材82側から離れる上方へ付勢することができる。そして、規制手段88を構成する大径部80a、及び、コイルばね89の付勢力によって大径部80aの段差面80cに押し付けられる鍔部85、により、鍔部85から構成される固定側接点87と、天板部73の下面に配置される可動側接点77との間に、所定の離隔距離が確保されることとなる。
【0057】
なお、固定側接点87は、組付ピン84を固定部10に固定させれば、係止ピン12を介在させて、組付ピン84が芯金2と接触状態となって、ホーン作動回路の負極側に導通することとなり、可動側接点77は、可動側接点材76が、ホーン作動回路の正極側に導通する図示しないリード線を結線させた取付ベース21における係止孔27bの周縁に接触することから、それぞれ、ホーン作動回路の負極側と正極側とに導通することとなる。
【0058】
第1実施形態のエアバッグ装置20では、組付時、まず、各ボルト42bを貫通孔47aから突出させた状態で、エアバッグ45の内部にリテーナ42を入れて、エアバッグ45を折り畳み、折り崩れ防止用の図示しないラッピング材で包む。また、取付ベース21の各組付座25には、係止部71bを係止孔27bの周縁に係止させて、組立済みのスイッチ体70を、予め、組み付けておく。
【0059】
そして、各ボルト42bを、インナプレート31の貫通孔32b、取付ベース21の貫通孔22b、及び、インフレーター40の貫通孔40dに貫通させて、各ボルト42bにナット43を締結して、取付ベース21に、エアバッグ45、インナプレート31、及び、インフレーター40を取り付ける。
【0060】
また、パッド50の押圧用壁部64の外周面側に、インナプレート31の規制壁部38を配置させつつ、各係止脚部61,62の係止頭部61b,62bを取付ベース21の対応する保持座24の係止孔22cに挿入させ、さらに、係止頭部61b,62bが係止孔22cの周縁の下面24aに係止されるように、舌片部22dの曲げを戻す。この時、パッド50の側壁部60の押圧用壁部64の下端面64aは、インナプレート31のカバー部35の外縁側の上面35aに当接することとなる。そのため、側壁部60が、インナプレート31を介在させて、取付ベース21に対して、下方への移動を規制され、係止頭部61b,62bの係止孔22c周縁への係止により、取付ベース21に対して、上方への移動を規制されることとなって、パッド50が取付ベース21に結合されて、エアバッグ装置Mの組立が完了する。
【0061】
エアバッグ装置Mの車両への搭載は、ステアリングシャフトSSへ組付済みのステアリングホイール本体1の各固定部10の係止孔11に、各スイッチ体70の組付ピン84の係止頭部86aを挿入させて、係止凹部86b内に係止ピン12を嵌合させれば、エアバッグ装置Mをステアリングホイール本体1に取り付けることができ、ステアリングホイールWの組立が完了するとともに、ステアリングホイールWを、エアバッグ装置Mとともに、車両へ搭載することができる。
【0062】
なお、エアバッグ装置Mのステアリングホイール本体1への取り付け時には、取付ベース21の図示しないリード線を、ホーンスイッチ作動回路の正極側に結線し、また、インフレーター40に、作動信号入力用の図示しないリード線を結線することとなる。
【0063】
車両への搭載後、インフレーター40に作動信号が入力されれば、インフレーター40は、膨張用ガスをガス吐出口40bから吐出させることから、折り畳まれたエアバッグ45は、膨張用ガスを流入させて膨張し、パッド50の天井壁部51のドア部52を押し開き、ドア部52の開いた開口から突出して、ボス部Bの上方からリング部Rの上面を覆うように、展開膨張することととなる(
図1の二点鎖線参照)。
【0064】
また、インフレーター40の非作動時における通常使用時において、ホーンスイッチ69を操作するように、パッド50を押下すれば、押圧用壁部64の下端面64aに当接するインナプレート31のカバー部35と、カバー部35の下面35bに上面71aを当接させているスイッチ体70の可動側部材71の天板部73と、天板部73の下面側に支持された可動側接点77とが、下降し、そして、可動側接点77が固定側接点87に接触するように当接することから、ホーン作動回路がONされ、所定のホーンが作動されることとなる。
【0065】
そして、第1実施形態のエアバッグ装置Mでは、各スイッチ体70が、それぞれ、取付ベース21における折り畳まれたエアバッグ45の下方、換言すれば、折り畳まれたエアバッグ45の周囲を囲うパッド50の側壁部60の内側の下方、に配設されることから、スイッチ体70を組み付ける取付ベース21の各組付座25も、対応して、折り畳まれたエアバッグ45の下方に配置され、そして、エアバッグ45の流入用開口46に接近して配設されることとなる。そのため、取付ベース21が、外周縁21a(22e)をエアバッグ45の流入用開口46に接近させることとなって、上方から見てコンパクトに構成可能となり、それに伴ない、パッド50の側壁部60も、エアバッグ45の流入用開口46から大きく離れる部位を設けずに構成できて、その結果、エアバッグ装置20の全体を上方から見て、コンパクトに構成可能となる。
【0066】
また、ホーンスイッチ69の操作時のパッド50を押下する際、可動側部材71の上面71a側における略全面が、リテーナ42によりエアバッグ45の流入用開口46の周縁47と共締めされるインナプレート31によって、押下されることから、可動側部材71が、傾斜すること無く、上面71a側を均等に下降移動させることができる。そのため、取付ベース21がコンパクトになっても、安定したホーンストロークを確保できて、操作フィーリングの低下を防止できる。
【0067】
したがって、第1実施形態のエアバッグ装置20では、ステアリングホイールWのボス部Bの上部に搭載される構成としても、上方から見てコンパクトに搭載でき、また、ホーンスイッチ69の操作時に、良好な操作フィーリングを確保することができる。
【0068】
また、第1実施形態のエアバッグ装置20では、リテーナ42が、前後の左右両側の四隅に、取付ベース21に固定される固着手段としてのボルト42bを下方に延ばした略四角環状に形成されている。そして、スイッチ体70が、3個使用される構成として、スイッチ体70L,70Rが、エアバッグ45の流入用開口46の周囲の前側の左右の位置であって、リテーナ42の前側のボルト42bの近傍の後方側に配設され、スイッチ体70Bが、リテーナ42の左右方向の中央のリテーナ42の近傍の後方側に配設されている(
図9参照)。
【0069】
そのため、第1実施形態では、リテーナ42の四隅のボルト42bと干渉せずに、最も、エアバッグ45の流入用開口46の近傍に、スイッチ体70(70L,70R,70B)を配設させることができて、一層、エアバッグ装置20のコンパクト化に寄与できる。また、スイッチ体70が、エアバッグ45の流入用開口46を中心として、放射状の3箇所に配置される状態となることから、ホーンスイッチ69の操作時に、パッド50を押下する部位が前後左右にばらついても、バランスよく、いずれかのスイッチ体70の可動側接点77を固定側接点87に接触させることできて、良好な操作フィーリングを維持できる。
【0070】
第1実施形態のエアバッグ装置20では、インナプレート31を設けた場合を示したが、
図13,14に示す第2実施形態のエアバッグ装置20Aのように、インナプレート31を使用しない構成としてもよい。
【0071】
このエアバッグ装置20Aでは、取付ベース21Aが、第1実施形態と同様に、各組付座25Aを、取付座23から下方に凹むように配設させ、また、組付座25Aに組み付けるスイッチ体70と共に、折り畳まれたエアバッグ45の下方のエリアに、配設されている。但し、第2実施形態では、インナプレート31を使用せずに、各組付座25Aに組み付けられるスイッチ体70が、上面71a側における流入用開口46側の部位71aiを、流入用開口46の周縁47を介在させて、リテーナ42の下面42abに当接させ、かつ、上面71a側における流入用開口46から離れた側の部位71aoを、パッド50Aの側壁部60における押圧用壁部64Aの下面(下端面)64aに当接させるように、配設されている。
【0072】
なお、第2実施形態のエアバッグ装置20Aでは、取付ベース21Aの組付座25Aとパッド50Aの押圧用壁部64Aとの配置位置が、第1実施形態と相違するだけで、取付ベース21Aやパッド50Aの他の部位、あるいは、他のインフレーター40、リテーナ42、エアバッグ45、及び、スイッチ体70の部品等は、第1実施形態と同様であり、同じ部位、部品には、第1実施形態と同様な符号を付して説明を省略する。
【0073】
また、エアバッグ45やインフレーター40は、第1実施形態と同様に、リテーナ42のボルト42bを所定の貫通孔47a,22b,40dに貫通させてナット43を締結して、取付ベース21Aに取付固定されている。さらに、パッド50Aは、天井壁部51におけるドア部52の周囲の下面から下方に延びる側壁部60の所定の図示しない係止脚部61,62を、取付ベース21Aの対応する図示しない係止孔22cと舌片部22dを有して構成される保持座24に係止させるとともに、押圧用壁部64Aの下端面64aを、組付座25の周囲の取付ベース21Aの上面21bに当接させることによって、パッド50Aの上下動が規制されて、取付ベース21Aに固定されている。また、スイッチ体70は、第1実施形態と同様に、可動側部材71の係止部71bを図示しない係止孔27bに係止させて、エアバッグ45の流入用開口46を中心とした放射状の位置の三箇所に配置される各組付座25Aに組み付けられている。さらにまた、第2実施形態のエアバッグ装置20Aは、第1実施形態と同様に、各スイッチ体70の組付ピン84を対応するステアリングホイール本体1の固定部10に挿入係止させることにより、ステアリングホイールWに搭載される構成としている。
【0074】
この第2実施形態のエアバッグ装置20Aでも、各スイッチ体70が、それぞれ、取付ベース21Aにおける折り畳まれたエアバッグ45の下方に配設されることから、取付ベース21Aの組付座25Aも、対応して、折り畳まれたエアバッグ45の下方に配置され、そして、エアバッグ45の流入用開口46に接近して配設されることとなる。そのため、取付ベース21Aが、外周縁21aをエアバッグ45の流入用開口46に接近させることとなって、上方から見てコンパクトに構成可能となり、それに伴ない、パッド50Aの側壁部60も、エアバッグ45の流入用開口46から大きく離れる部位を設けずに構成できて、その結果、エアバッグ装置20Aの全体を上方から見て、コンパクトに構成可能となる。
【0075】
また、ホーンスイッチ69の操作時のパッド50を押下する際には、可動側部材71の上面71a側が、エアバッグ45の流入用開口46側の部位71aiを、パッド50Aの側壁部60を結合させた取付ベース21Aに固定されているリテーナ42に押下され、また、流入用開口46から離れた側の部位71aoを、パッド50Aの側壁部60の下面64aに押下されることから、可動側部材71が、傾斜すること無く、上面71a側を均等に下降移動させることができる。そのため、取付ベース21Aがコンパクトになっても、安定したホーンストロークを確保できて、操作フィーリングの低下を防止でき、第1実施形態と同様な作用・効果を得ることができる。
【0076】
なお、第1実施形態では、一枚のインナプレート31が、全てのスイッチ体70の上面71aの略全面、換言すれば、少なくとも付勢手段としてのコイルばね89の上方を越えた略全面、に当接する構成であることから、各可動側接点77が固定側接点87に接触する状態を、スイッチ体70相互で安定させることができる。
【0077】
また、第1,2実施形態では、スイッチ体70を3個配設する構成としたが、スイッチ体70は、四角環状のリテーナ42の前後左右におけるリテーナ42の近傍の4箇所に、配設するように構成してもよい。