特許第6287835号(P6287835)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6287835
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】液体皮膚洗浄剤製品
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20180226BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20180226BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20180226BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20180226BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20180226BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20180226BHJP
   C11D 3/22 20060101ALI20180226BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20180226BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   A61K8/36
   A61Q19/10
   A61K8/81
   A61K8/34
   C11D1/04
   C11D3/20
   C11D3/22
   C11D3/37
   C11D17/04
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-522676(P2014-522676)
(86)(22)【出願日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】JP2013067646
(87)【国際公開番号】WO2014003114
(87)【国際公開日】20140103
【審査請求日】2016年3月24日
(31)【優先権主張番号】特願2012-146808(P2012-146808)
(32)【優先日】2012年6月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100114513
【弁理士】
【氏名又は名称】重松 沙織
(74)【代理人】
【識別番号】100120721
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 克成
(74)【代理人】
【識別番号】100124590
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100157831
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 克彦
(72)【発明者】
【氏名】筒井 葉月
(72)【発明者】
【氏名】穂積 康友
(72)【発明者】
【氏名】西村 彦人
【審査官】 駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−193467(JP,A)
【文献】 特開2011−021000(JP,A)
【文献】 特開2008−115137(JP,A)
【文献】 特開2012−107147(JP,A)
【文献】 特開2011−026242(JP,A)
【文献】 株式会社マツモト交商,MERQUAT皮膚洗浄,MERQUAT皮膚洗浄,株式会社マツモト交商,2007年10月 1日,2頁の[商品情報]
【文献】 柿澤恭史,最近の泡剤型洗浄剤の開発動向と処方設計,FRAGRANCE JOURNAL,2009年11月,54頁−59頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00−8/99
A61Q1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーマー容器と、このフォーマー容器に充填されてなる液体皮膚洗浄剤組成物とからなる液体皮膚洗浄剤製品であって、上記液体皮膚洗浄剤組成物が、
(A)下記一般式(1)
1COOM (1)
(式中、R1は、炭素数7〜21の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を示し、該炭化水素基の水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい。Mはアルカリ金属又はアルカノールアミンである。)
で表される脂肪酸塩:3〜10質量%と、
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸及び/又はアクリルアミドとの共重合体であって、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸及び/又はアクリルアミドとの割合が、モル比で、20〜70:80〜30であり、かつ固形分39〜45質量%の共重合体溶液の25℃における粘度が、1,200〜6,000mPa・sである共重合体:0.02〜0.3質量%と、
(C)糖アルコール:0.5〜25質量%
を含有し、
(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比(A)/(B)が20〜250であって、pHが9.5〜11.0である液体皮膚洗浄剤製品(但し、液体皮膚洗浄剤組成物がラウラミドプロピルアミンオキシドを含むものを除く)
【請求項2】
(B)成分が、
塩化ジメチルジアリルアンモニウム:アクリルアミド=24:76(モル比)であり、固形分41〜45質量%での粘度1,200〜4,500mPa・sである共重合体;
アクリル酸:塩化ジメチルジアリルアンモニウム=35:65(モル比)であり、固形分39〜43質量%での粘度3,000〜6,000mPa・sである共重合体;
アクリル酸:塩化ジメチルジアリルアンモニウム:アクリルアミド=31:29:40(モル比)であり、固形分41〜45質量%での粘度1,500〜4,500mPa・sである共重合体;又は
塩化ジメチルジアリルアンモニウム:アクリルアミド=25:75(モル比)であり、固形分39〜41質量%での粘度3,500〜6,000mPa・sである共重合体
である請求項1記載の液体皮膚洗浄剤製品。
【請求項3】
(B)成分の重量平均分子量が、10万〜100万である請求項1又は2記載の液体皮膚洗浄剤製品。
【請求項4】
(A)成分の含有量が4〜8質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の液体皮膚洗浄剤製品。
【請求項5】
(A)成分の式(1)において、R1が炭素数7〜11の一価炭化水素基である脂肪酸塩成分をA1、R1が炭素数12〜21の一価炭化水素基である脂肪酸塩成分をA2とするとき、(A)成分がA1とA2を併用したものであり、その質量比A1/A2が1.5〜10である請求項1〜4のいずれか1項記載の液体皮膚洗浄剤製品。
【請求項6】
(C)成分がソルビット、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール及びオリゴ糖アルコールから選ばれる請求項1〜5のいずれか1項記載の液体皮膚洗浄剤製品。
【請求項7】
液体皮膚洗浄剤組成物が、更に、(D)グリセリン、プロピレングリコール及びジプロピレングリコールから選ばれる多価アルコール1〜15質量%を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の液体皮膚洗浄剤製品。
【請求項8】
液体皮膚洗浄剤組成物の粘度が、25℃において1〜30mPa・sである請求項1〜7のいずれか1項記載の液体皮膚洗浄剤製品。
【請求項9】
洗顔料、ハンドソープ、ボディソープ、クレンジングフォーム又はメイク落としである請求項1〜8のいずれか1項記載の液体皮膚洗浄剤製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、すすぎ時のぬるつきを低減して、すすぎ時間を短縮した液体皮膚洗浄剤製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚洗浄剤は、洗浄後のさっぱりとした感触が好まれ、洗浄基材として高級脂肪酸塩が用いられている。しかしながら、脂肪酸塩は、洗浄後にさっぱりとする反面、すすぎ時にぬるつきがあって、すすぎに時間がかかることが難点であった。
【0003】
すすぎ時のぬるつきを低減するために陰イオン性界面活性剤を配合した洗浄剤が提案されているが、陰イオン性界面活性剤だけではぬるつきがとれにくいため、糖アルコール誘導体と加水分解された植物タンパクを配合して、すすぎ時にぬるつきを感じる場合でもすすぎ後のさっぱり感を強くするといった試みがなされてきた。しかし、すすぎ後のさっぱり感とすすぎ時間の短縮との両立は十分ではなかった(特許文献1:特開2010−180182号公報)。
【0004】
一方、カチオン性ポリマーを配合することで、泡質を向上する試みがなされていたが、すすぎ時間の短縮との両立はやはり十分ではなかった(特許文献2、3:特開2004−204087号公報、特開2005−15359号公報)。ポリオールを配合することで泡質を高めた洗浄剤も提案されているが、すすぎ時間の短縮効果は十分ではなかった(特許文献4:特開2002−080345号公報)。
【0005】
いずれにしても、短い時間ですすぎができる皮膚洗浄剤は得られていないのが現状であり、すすぎ時間が早い上に、泡の弾力性、泡質に優れ、すすぎ後にさっぱり感が得られ、かつフォーマー容器で用いることができる皮膚洗浄剤は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−180182号公報
【特許文献2】特開2004−204087号公報
【特許文献3】特開2005−15359号公報
【特許文献4】特開2002−080345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、すすぎ時のぬるつきを低減して、すすぎが早くでき、更にすすぎ後にさっぱり感が得られ、しかもフォーマー容器から吐出させたときの泡の弾力性及びクリーミーさが良好な液体皮膚洗浄剤製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、洗浄力と起泡性が得られる程度の比較的少量の(A)脂肪酸塩を配合した液体皮膚洗浄剤組成物に、(B)特定の塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸及び/又はアクリルアミドとの共重合体を特定の割合で配合することで、すすぎ時のぬるつきが低減し、短いすすぎ時間で洗浄後のさっぱり感を得ることができ、また、(C)糖アルコールを加えると、洗浄後のさっぱり感が増し、この組成物をフォーマー容器に充填することで、フォーマー容器から吐出した泡の弾力性を高めることができることを見出し、本発明をなすに至った。
【0009】
従って、本発明は、下記の液体皮膚洗浄剤製品を提供する。
[1]
フォーマー容器と、このフォーマー容器に充填されてなる液体皮膚洗浄剤組成物とからなる液体皮膚洗浄剤製品であって、上記液体皮膚洗浄剤組成物が、
(A)下記一般式(1)
1COOM (1)
(式中、R1は、炭素数7〜21の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を示し、該炭化水素基の水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい。Mはアルカリ金属又はアルカノールアミンである。)
で表される脂肪酸塩:3〜10質量%と、
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸及び/又はアクリルアミドとの共重合体であって、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸及び/又はアクリルアミドとの割合が、モル比で、20〜70:80〜30であり、かつ固形分39〜45質量%の共重合体溶液の25℃における粘度が、1,200〜6,000mPa・sである共重合体:0.02〜0.3質量%と、
(C)糖アルコール:0.5〜25質量%
を含有し、
(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比(A)/(B)が20〜250であって、pHが9.5〜11.0であり、25℃における粘度が1〜30mPa・sである液体皮膚洗浄剤製品(但し、液体皮膚洗浄剤組成物がラウラミドプロピルアミンオキシドを含むものを除く)
[2]
(B)成分が、
塩化ジメチルジアリルアンモニウム:アクリルアミド=24:76(モル比)であり、固形分41〜45質量%での粘度1,200〜4,500mPa・sである共重合体;
アクリル酸:塩化ジメチルジアリルアンモニウム=35:65(モル比)であり、固形分39〜43質量%での粘度3,000〜6,000mPa・sである共重合体;
アクリル酸:塩化ジメチルジアリルアンモニウム:アクリルアミド=31:29:40(モル比)であり、固形分41〜45質量%での粘度1,500〜4,500mPa・sである共重合体;又は
塩化ジメチルジアリルアンモニウム:アクリルアミド=25:75(モル比)であり、固形分39〜41質量%での粘度3,500〜6,000mPa・sである共重合体
である[1]記載の液体皮膚洗浄剤製品。
[3]
(B)成分の重量平均分子量が、10万〜100万である[1]又は[2]記載の液体皮膚洗浄剤製品。

(A)成分の含有量が4〜8質量%である[1]〜[3]のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤製品。
[5]
(A)成分の式(1)において、R1が炭素数7〜11の一価炭化水素基である脂肪酸塩成分をA1、R1が炭素数12〜21の一価炭化水素基である脂肪酸塩成分をA2とするとき、(A)成分がA1とA2を併用したものであり、その質量比A1/A2が1.5〜10である[1]〜[4]のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤製品。
[6]
(C)成分がソルビット、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール及びオリゴ糖アルコールから選ばれる[1]〜[5]のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤製品。
[7]
液体皮膚洗浄剤組成物が、更に、(D)グリセリン、プロピレングリコール及びジプロピレングリコールから選ばれる多価アルコール1〜15質量%を含有する[1]〜[6]のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤製品。
[8]
液体皮膚洗浄剤組成物の粘度が、25℃において1〜30mPa・sである[1]〜[7]のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤製品。
[9]
洗顔料、ハンドソープ、ボディソープ、クレンジングフォーム又はメイク落としである[1]〜[8]のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤製品。
【発明の効果】
【0010】
本発明の液体皮膚洗浄剤製品は、すすぎ時のぬるつきを低減して、すすぎにかかる時間を短くすることができる上に、すすぎ後のさっぱり感に優れ、しかも、フォーマー容器から吐出した泡の弾力性とクリーミーさが良好である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[(A)脂肪酸塩]
本発明で用いられる(A)成分は、下記式(1)
1COOM (1)
(式中、R1は、炭素数7〜21の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を示し、該炭化水素基の水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい。Mはアルカリ金属又はアルカノールアミンである。)
で示される脂肪酸塩であり、良好な洗浄性、起泡性及び泡立ちを得るために配合する。(A)成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。上記の一般式(1)中、R1は、炭素数7〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基等の一価炭化水素基を示し、該炭化水素基の水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい。Mは、アルカリ金属又はアルカノールアミンを示し、具体的には、アルカリ金属はカリウム、ナトリウム等が好ましく、アルカノールアミンはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等が好ましい。泡立ち、すすぎ時間及びすすぎ後のさっぱり感の点から、R1は炭素数11〜15の直鎖のもので、Mはカリウムがより好ましい。
【0012】
また、R1が炭素数7〜11の一価炭化水素基である脂肪酸塩成分をA1、R1が炭素数12〜21の一価炭化水素基である脂肪酸塩成分をA2とするとき、A1とA2を併用することが好ましく、その質量比A1/A2が1.5〜10であると泡の弾力性、泡のクリーミーさの点から好ましい。具体的には、A1の脂肪酸塩としては、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、カプロレイン酸、リンデル酸、ラウロレイン酸が挙げられ、A2の脂肪酸塩としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノレイン酸、アラキドン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、エライジン酸、バセニン酸、ゴンドイン酸、エルカ酸の塩が挙げられる。また、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、カプリン酸等の混合物であるヤシ油脂肪酸等の塩が挙げられる。
【0013】
泡立ち、クリーミーさ、さっぱり感の点から、ラウリン酸カリウムと、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、イソステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウムから選ばれる脂肪酸塩との併用や、ヤシ油脂肪酸カリウムが好ましく、ラウリン酸カリウムと、ミリスチン酸カリウム又はパルミチン酸カリウムとの併用がより好ましい。なお、(A)成分の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪酸を水酸化カリウム等のアルカリで中和して合成する方法、市販品を用いる方法などが挙げられる。
【0014】
(A)成分の含有量は組成物全量に対して3〜10質量%である。3質量%未満であると、泡の弾力性、クリーミーさが悪くなり、さっぱり感が低下する。一方、10質量%を超えるとすすぎ時のぬるつきが強くなり、かつすすぎ時間が長くなる。泡立ち及びすすぎ時間の点から、4〜8質量%、特に4〜7質量%がより好ましい。
【0015】
[(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸及び/又はアクリルアミドとの共重合体]
脂肪酸塩を含む皮膚洗浄剤組成物に(B)成分を配合することで、すすぎ時のぬるつきを顕著に低減し、すすぎ時間を飛躍的に短縮することができる。(B)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
(B)成分の塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸及び/又はアクリルアミドとの共重合体は、下記式(2)
【化1】

(式中、n、m、zは各単位のモル比を示し、n+m+z=100であり、nは0〜40、特に0〜35、mは20〜70、zは0〜80、特に0〜76の整数を表し、n単位及びz単位のいずれか一方又は両方を含む。)
で示される。
【0017】
すすぎ時間短縮効果の面から、共重合体中の塩化ジメチルジアリルアンモニウムの割合は、モル比で、塩化ジメチルジアリルアンモニウム:アクリル酸及び/又はアクリルアミド=20〜70:80〜30であり、20〜35:80〜65が好ましい。共重合体中の塩化ジメチルジアリルアンモニウムの割合が70を超えると、ポンプから出した泡の弾力性や泡のクリーミーさが悪くなり、目詰まりが起きやすくなり、20未満ではすすぎ時間短縮効果が低下する。
【0018】
(B)成分の共重合体溶液の固形分39〜45質量%での粘度は、ポンプから出した泡の弾力性及び泡のクリーミーさの点から、25℃で、1,200〜6,000mPa・sである。ポンプから出した泡の弾力性及び泡のクリーミーさの点から、1,200〜4,500mPa・sが好ましい。具体的には、固形分41〜45質量%での粘度は、25℃で1,200〜4,500mPa・sが好ましい。また、固形分39〜43質量%での粘度は、25℃で3,000〜6,000mPa・sが好ましい。39〜45質量%での粘度が6,000mPa・sを超えると、ポンプから出した泡の弾力性、泡のクリーミーさが低下する。(B)成分の共重合体溶液の固形分39〜45質量%での粘度が1,200mPa・s未満のものは、入手困難である。
なお、本発明において、(B)成分の前記粘度は、ブルックフィールド粘度計RVF(ブルックフィールド社製)又はブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて測定することができる。
【0019】
(B)成分の共重合体としては、市販品を用いることができ、具体的には、例えば下記のものなどが挙げられる。
・マーコート740(ルーブリゾール社製):固形分41〜45質量%、粘度が1,200〜4,500mPa・s(ブルックフィールド粘度計RVF、スピンドルNo.3、10回転/分、25℃)、アクリル酸:塩化ジメチルジアリルアンモニウム:アクリルアミド=0:24:76(モル比)、重量平均分子量12万
・マーコート280(ルーブリゾール社製):固形分39〜43質量%、粘度が3,000〜6,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.4、60回転/分、25℃)、アクリル酸:塩化ジメチルジアリルアンモニウム:アクリルアミド=35:65:0(モル比)、重量平均分子量45万
他に、マーコート280の粉状タイプとして、ルーブリゾール社製のマーコート280SD(固形分94質量%以上、重量平均分子量45万)も使用可能である。
・マーコート3940(ルーブリゾール社製):固形分41〜45質量%、粘度が1,500〜4,500mPa・s(ブルックフィールド粘度計RVF、スピンドルNo.3、10回転/分、25℃)、アクリル酸:塩化ジメチルジアリルアンモニウム:アクリルアミド=31:29:40(モル比)、重量平均分子量15万
・Salcare Super 7 AT1(BASF社製):固形分39〜41質量%、粘度が3,500〜6,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計RVF、スピンドルNo.3、10回転/分、25℃)、アクリル酸:塩化ジメチルジアリルアンモニウム:アクリルアミド=0:25:75(モル比)、重量平均分子量15万
なお、本発明において、上記共重合体中の各モノマーの割合は、NMR(測定条件:溶媒D2O、測定器:日本電子(株)製JNM−LA300 300MHz)で決定することができる。
【0020】
(B)成分の重量平均分子量は、泡の弾力性、クリーミーさ、および、すすぎ時間短縮効果の点から、10万〜100万が好ましく、より好ましくは10万〜50万である。重量平均分子量が10万未満の場合すすぎ時間短縮効果が低下する場合があり、100万を超えると泡の弾力性、クリーミーさが低下する場合がある。なお、本発明において、(B)成分の重量平均分子量は、SEC−MALLS−RIシステムで測定することができる(測定条件: カラム:東ソー製TSKgalαシリーズ α−Mカラム30cm、溶媒:硝酸ナトリウム0.3M、水)。
【0021】
(B)成分としては、共重合体中の塩化ジメチルジアリルアンモニウムの割合がモル比で20〜35(アクリル酸及び/又はアクリルアミドが65〜80)であり、固形分41〜45質量%での粘度(25℃)が1200〜4500mPa・sの、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸及び/又はアクリルアミドとの共重合体がより好ましく、具体的には、すすぎ時間の短縮効果及びすすぎ時のぬるつき低減の点から、マーコート740(モル比で、アクリル酸:塩化ジメチルジアリルアンモニウム:アクリルアミド=0:24:76)、及びマーコート3940(モル比で、アクリル酸:塩化ジメチルジアリルアンモニウム:アクリルアミド=31:29:40)が好ましく、特に、すすぎ時間の短縮効果の観点から、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体であるマーコート740(モル比で、アクリル酸:塩化ジメチルジアリルアンモニウム:アクリルアミド=0:24:76)がより好ましい。
【0022】
(B)成分の含有量は、組成物全量に対して、すすぎ時間の短縮、すすぎ時のぬるつきの強さ低減の点から、0.02〜0.3質量%が好ましく、0.03〜0.25質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、すすぎ時のぬるつきを抑えてすすぎ時間を短くでき、すすぎ後のさっぱり感を得ることができる。0.02質量%未満であるとすすぎ時のぬるつきが生じ、すすぎ時間が長くなる場合があり、0.3質量%を超えるとすすぎ時のぬるつきが強くなって、すすぎ時間が長くなり、更にすすぎ後のさっぱり感が低下する場合がある。
【0023】
本発明においては、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比(A)/(B)はすすぎの早さの点において重要であり、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比(A)/(B)が、すすぎ時のぬるつきの強さ、すすぎ時間、及びすすぎ後のさっぱり感の点から、20〜250であり、好ましくは27〜200、より好ましくは27〜140である。20未満では、いつまでも製剤が残っている感じがし、すすぎ時間が長くなり、すすぎ後のさっぱり感も低下する。250を超えるとすすぎ時のぬるつきが強くなり、すすぎ時間が長くなって、すすぎ後のさっぱり感も低下する。
【0024】
[(C)糖アルコール]
本発明の組成物に(C)成分を配合することで、すすぎ後のさっぱり感を格段に高め、フォーマー容器から吐出したときの泡の弾力性、クリーミー性を顕著に向上させることができる。(C)成分として、具体的には、キシリトール、ソルビット、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、オリゴ糖アルコール等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができるが、すすぎ後のさっぱり感向上及び泡の弾力性の点から、ソルビットがより好ましい。
【0025】
(C)成分の含有量は、すすぎ後のさっぱり感と泡の弾力性、泡のクリーミーさの点から、組成物全量に対して0.5〜25質量%が好ましく、3.5〜20質量%がより好ましい。上記範囲とすることで、フォーマー容器から出した泡の弾力性、クリーミーさに優れ、すすぎ後のさっぱり感を良好なものにすることができる。
【0026】
[(D)多価アルコール]
本発明の組成物には、更に(D)多価アルコールを配合することができる。多価アルコールを配合することで、長期間使用したときのフォーマー容器のメッシュの目詰りを抑制することができる。(D)成分として、具体的には、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量2000以下)、ポリプロピレングリコール(平均分子量1500以下)等が挙げられるが、長期使用時のフォーマー容器のメッシュの目詰りの抑制の点から、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンが好ましい。
【0027】
(D)成分の含有量は、メッシュの目詰りの抑制の点から、1〜15質量%が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。
【0028】
[任意成分]
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物には、上記成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で任意成分を配合することができる。任意成分としては、液体皮膚洗浄剤組成物に通常用いられているものの中から適宜選択することができ、例えば、油分、シリコーン類、ラノリン誘導体、蛋白誘導体、アクリル樹脂分散液、ビタミン等の薬剤、殺菌剤、防腐剤、水酸化カリウム、クエン酸等のpH調整剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、紫外線吸収剤、動植物抽出物又はその誘導体、エデト酸等のキレート剤、色素、香料、顔料、無機粉体、粘土鉱物、ナイロン、ポリエチレン等の水不溶性ポリマー粉体等が挙げられる。
【0029】
[pH]
本発明においては、使用時の泡量やその持続性、及び洗浄力を向上させるため、皮膚洗浄剤組成物のpHは9.5〜11.0であることが好ましく、低温安定性の点から9.8〜10.6であることがより好ましい。pHが上記範囲であれば低温安定性が良好で、皮膚刺激が生じることなく使用できる。
【0030】
[容器]
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、フォーマーポンプ容器に充填して用いるのが有効であり、フォーマー容器に充填してなる液体皮膚洗浄剤製品として供される。また、フォーマー容器充填用液体皮膚洗浄剤組成物、液体皮膚洗浄剤組成物をフォーマー容器に充填してなる液体皮膚洗浄剤製品とすることもできる。フォーマーポンプ容器としては、例えばノンガス型の泡吐出容器等が挙げられる。ノンガス型の泡吐出容器としては、液体洗浄剤組成物と空気とを多孔質膜体を通過させて発泡状態で吐出できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボトル胴部を手で圧搾することによって泡を吐出できるスクイズフォーマー容器、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるフォーマーポンプ容器等が挙げられる。このようなフォーマーポンプ容器としては、大和製罐(株)製、(株)吉野工業所製等を使用することができる。
【0031】
ノンガス型の泡吐出容器は、通常、泡を形成するための多孔質膜体(材質はナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチック材料が好ましい)を有し、液体皮膚洗浄剤組成物がこの多孔質膜体を空気と共に通過することにより泡が形成されるものである。多孔質膜体のメッシュとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、泡の弾力性の点から100メッシュ以上が好ましく、100〜400メッシュがより好ましく、200〜350メッシュが更に好ましい。多孔質膜体の枚数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡性能を向上させる観点から2〜4枚が好ましい。より具体的には、特開平7−315463号公報、特開平8−230961号公報、及び特開2005−193972号公報に記載されたフォーマーポンプ容器を好適に使用することができる。
【0032】
[剤形]
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物の性状は液体であるが、フォーマーポンプ容器を使用する際、例えば、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるフォーマーポンプ容器と200メッシュを2枚使用する際において、液体洗浄剤組成物の粘度は、25℃において1〜30mPa・sが好ましく、1〜10mPa・sがより好ましい。なお、粘度は、BM型粘度計((株)東京計器製)を用いて、試料温度25℃にて、以下の条件で測定する。
BLアダプタ、回転数30rpm、1分間後の粘度を測定する。
【0033】
[製造方法]
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、(A)〜(C)成分、必要に応じて(D)成分、任意成分、及び水(液体皮膚洗浄剤組成物全体が100質量%となるように残部配合)を混合して得ることができる。また、液体皮膚洗浄剤組成物を調製する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、剪断力があり、全体混合のできる撹拌羽根(プロペラ、タービン、ディスパー等)を備えた撹拌装置等が挙げられる。本発明の液体皮膚洗浄剤製品は、得られた組成物を上述したフォーマー容器に充填して得ることができる。
【0034】
[用途]
本発明の液体皮膚洗浄剤製品の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば洗顔料、ハンドソープ、ボディソープ、クレンジングフォーム、メイク落とし等が挙げられる。すすぎ性能が優れている点からして、ハンドソープが好適である。
【実施例】
【0035】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示し、表中の各成分の量は純分換算した量である。
【0036】
[実施例1〜35、比較例1〜15]
(A)成分と精製水をパドル式撹拌機を用いて70℃で均一に混合した。撹拌を続けながら、(B)成分を添加し、均一に溶解させた。次いで、(C)成分を添加して溶解後、撹拌しながら25℃まで冷却した。続いて、pHメーターHM−30V(東亜ディーケーケー(株)製)を用いてpHを測定し、水酸化カリウムを用いて目標のpHとし、下記表に示す組成の液体皮膚洗浄剤組成物(ハンドソープ)を得た。実施例の皮膚洗浄剤組成物は全て25℃で液体であった。
得られた液体皮膚洗浄剤組成物について、フォーマーポンプ容器(200メッシュ2枚、吉野工業製(特開2005−193972号公報の実施例2で使用したポンプと同じ))に充填し、下記評価を行った。なお、比較例14のみポンプディスペンサー付き容器(吐出量1mL、ノズル口径(内径)3.5mm、キャニオン社製)に充填し、同様に評価した。
なお、実施例の液体皮膚洗浄剤組成物は、いずれも自分が敏感肌だと感じている女性被験者が使用したとき肌へのマイルド性が良好であった。
【0037】
(1)ポンプから出した泡の弾力性
被験者10名が、下記表に記載の液体皮膚洗浄剤組成物を使用して評価した。水で濡らした手のひらに試料1gをとり、両手をこすり合わせたときの泡の弾力性を下記評価基準に基づいて評価した。結果は、被験者10名の評点平均値を求め、下記判定基準に基づき判定した。結果を表中に併記する。
<評価基準>
5点: 非常に弾力がある
4点: 弾力がある
3点: やや弾力がある
2点: やや弾力がない
1点: 弾力がない
<評点平均値の判定基準>
◎ : 4.0点以上
○ : 3.0点以上4.0点未満
△ : 2.0点以上3.0点未満
× : 2点未満
【0038】
(2)泡のクリーミーさ
被験者10名が、下記表に記載の液体皮膚洗浄剤組成物を使用して評価した。水で濡らした手のひらに試料1gをとったときの泡のクリーミーさを下記評価基準に基づいて評価した。結果は、被験者10名の評点平均値を求め、下記判定基準に基づき判定した。結果を表中に併記する。
<評価基準>
5点: 非常に良い
4点: 良い
3点: やや良い
2点: やや悪い
1点: 悪い
<評点平均値の判定基準>
◎ : 4.0点以上
○ : 3.0点以上4.0点未満
△ : 2.0点以上3.0点未満
× : 2点未満
【0039】
(3)すすぎ時間
被験者10名が、下記表に記載の液体皮膚洗浄剤組成物を使用して評価した。水で濡らした手のひらに試料1gをとり、10秒間両手をこすり合わせた後、すすぎにかかる時間を測定し、平均値を求めた。すすぎは水量を2L/分とした水道水ですすぎ、ぬるつきがなくなった、あるいは15秒以上すすいでもぬるつきがとれていないと各被験者が判断したときをすすぎ終了とした。時間はストップウォッチで測定した。結果は、被験者10名の評点平均値を求め、下記判定基準に基づきすすぎ時間を判定した。結果を表中に併記する。
<評点平均値の判定基準>
◎ : 7秒未満
○ : 7秒以上11秒未満
△ : 11秒以上15秒未満
× : 15秒以上
【0040】
(4)すすぎ時のぬるつきの強さ
被験者10名が、下記表に記載の液体皮膚洗浄剤組成物を使用して評価した。水で濡らした手のひらに試料1gをとり、両手を10秒間こすり合わせた後、水量を2L/分とした水道水で2秒間すすいだときのぬるつきの強さを下記評価基準に基づいて評価した。結果は、被験者10名の評点平均値を求め、下記判定基準に基づき判定した。結果を表中に併記する。
<評価基準>
5点: ぬるつきがほとんどない
4点: ぬるつきがあるが非常に弱い
3点: ぬるつきが弱い
2点: ぬるつきがやや強い
1点: ぬるつきが強い
<評点平均値の判定基準>
◎ : 4.0点以上
○ : 3.0点以上4.0点未満
△ : 2.0点以上3.0点未満
× : 2点未満
【0041】
(5)すすぎ後のさっぱり感
被験者10名が、下記表に記載の液体皮膚洗浄剤組成物を使用して評価した。水で濡らした手のひらに試料1gをとり、両手を10秒間こすり合わせた後、水道水で両手をすすぎ、各被験者がすすぎ終了と判断し、両手をタオルドライした後に、下記評価基準に基づいてすすぎ後のさっぱり感を評価した。結果は、被験者10名の評点平均値を求め、下記判定基準に基づき判定した。結果を表中に併記する。
<評価基準>
5点: さっぱり感が非常にある
4点: さっぱり感がある
3点: さっぱり感がややある
2点: さっぱり感がややない
1点: さっぱり感がまったくない
<評点平均値の判定基準>
◎ : 4.0点以上
○ : 3.0点以上4.0点未満
△ : 2.0点以上3.0点未満
× : 2点未満
【0042】
(6)長期使用時の目詰りのなさ
実施例27〜35の液体皮膚洗浄剤組成物を各5本充填し、5℃で1ヶ月間保存した。保存中、1週間に1回の割合でフォーマーポンプを押して、下記評価基準に基づいて評価した。結果は、1ヶ月間の評点平均値を求め、下記判定基準に基づいて判定した。なお、フォーマーポンプ容器内のメッシュに目詰りがあるとポンプの動作が重くなり、押し難くなる。結果を表中に併記する。
<評価基準>
5点: 極めてスムーズに押すことができる
4点: スムーズに押すことができる
3点: ややスムーズに押すことができる
2点: 重く少ししか押すことができない
1点: 押すことができない
<評点平均値の判定基準>
◎ : 4.0点以上
○ : 3.0点以上4.0点未満
△ : 2.0点以上3.0点未満
× : 2点未満
【0043】
【表1】
容器1:フォーマーポンプ容器
【0044】
【表2】
容器1:フォーマーポンプ容器
【0045】
【表3】
容器1:フォーマーポンプ容器
【0046】
【表4】
容器1:フォーマーポンプ容器
【0047】
【表5】
容器1:フォーマーポンプ容器
容器2:ポンプディスペンサー付き容器
【0048】
【表6】
容器1:フォーマーポンプ容器
【0049】
上記実施例及び比較例で使用した原料は下記の通りである。
〔(A)成分〕
【表7】
【0050】
〔(B)成分〕
ポリマー1:
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドコポリマー
マーコート740(ルーブリゾール社製):固形分43%、粘度が1,800mPa・s(ブルックフィールド粘度計RVF、スピンドルNo.3、10回転/分、25℃)
ポリマー2:
アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドコポリマー
マーコート3940(ルーブリゾール社製):固形分42%、粘度が2,687mPa・s(ブルックフィールド粘度計RVF、スピンドルNo.3、10回転/分、25℃)
ポリマー3:
アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウムコポリマー
マーコート280(ルーブリゾール社製):固形分42%、粘度が6,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.4、60回転/分、25℃)
【0051】
【表8】
【0052】
〔上記以外の成分〕
【表9】
【0053】
*2 塩化ジメチルジアリルアンモニウムポリマー
マーコート100(ルーブリゾール社製):固形分40%、粘度が9,800mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.3、60回転/分、25℃)、重量平均分子量15万
*3 塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドコポリマー
マーコート550PR(ルーブリゾール社製):固形分9%、粘度が13,200mPa・s(ブルックフィールド粘度計RVF、スピンドルNo.4、10回転/分、25℃)、重量平均分子量160万
【0054】
【表10】
【0055】
*4 カチオン化グァーガム
ジャガーC17(三晶(株)製):固形分1%、粘度が2,500mPa・s(東京計器(株)製、スピンドルNo.3、60回転/分、25℃)
【0056】
【表11】
【0057】
[実施例36]ボディソープ
組成(%)
ラウリン酸カリウム 4
ミリスチン酸カリウム 0.5
パルミチン酸カリウム 0.5
グリセリン 5
ソルビット 5
ポリマー※1 0.1
モノエタノールアミン 0.5
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン※2 3
ポリオキシエチレンステアリルエーテル(E.O.11)※3

スチレン重合体エマルジョン(35質量%)※4 0.5
エデト酸 0.2
ビタミンE※5 0.1
カミツレエキス※6 0.001
イソプロピルメチルフェノール※7 0.2
青色403号※8 0.0001
香料 0.5
精製水 残部
合計 100
(A)/(B)=50
【0058】
上記の皮膚洗浄剤組成物を、特開2005−193972号公報の実施例2記載のポンプフォーマー容器(メッシュは、200メッシュ2枚使用)に充填した。
評価結果
泡の弾力性: ◎
泡のクリーミーさ: ◎
すすぎ時間: ◎(6秒)
すすぎ時のぬるつきの強さ ◎
すすぎ後のさっぱり感: ◎
目詰りのなさ: ◎
【0059】
実施例39で使用した原料※1〜※8の商品名を以下に示す。
※1 商品名 マーコート740(ルーブリゾール)
※2 商品名 アモーゲンS−H(第一工業製薬)
※3 商品名 EMALEX1611(日本エマルジョン)
※4 商品名 サイビノール (サイデン化学)
※5 商品名 dl−αトコフェロール(DSMニュートリションジャパン)
※6 商品名 カミツレリキッド(一丸ファルコス)
※7 商品名 イソプロピルメチルフェノール(大阪化成)
※8 商品名 青色403号(癸巳化成)