特許第6288405号(P6288405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6288405
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】歩行中判定によるアラーム通知方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
   H04M1/00 K
   H04M1/00 R
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-82366(P2013-82366)
(22)【出願日】2013年4月10日
(65)【公開番号】特開2014-207500(P2014-207500A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2015年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100151471
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】猪野 仁
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−206868(JP,A)
【文献】 特開2007−295510(JP,A)
【文献】 特開2008−227639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
1/24− 1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型情報端末または携帯型通信端末が備えるアラーム通知方法であって、
前記端末を携帯する携帯者が停止中の状態か、歩行中の状態か、或いは乗車中の状態かを判定する移動状態判定ステップと、前記携帯者へアラームを通知すべき予め定められたイベントの発生を鳴動音により通知する鳴動アラームステップと、前記イベントの発生を振動によって通知する振動アラームステップと、前記イベントの発生を文字情報または画像情報の表示により通知する表示アラームステップと、前記鳴動アラームステップ、前記表示アラームステップと前記振動アラームステップを同時又は選択的に起動または停止するアラーム起動停止ステップと、通常モード、自動設定によるマナーモードと手動設定によるマナーモードのどのモードにあるかを記憶するモード種別記憶ステップと、を有し、
前記アラーム起動停止ステップは、前記イベントが発生した場合に前記表示アラームステップを起動すると共に、前記移動状態判定テップが歩行中の状態と判定したならば前記モード種別記憶ステップを参照し、通常モードの場合には、前記鳴動アラームステップを起動し、手動マナーモード設定ありの場合には、前記振動アラームステップを起動し、前記移動状態判定ステップが乗車中の状態と判定したならば前記振動アラームステップを起動し、
前記移動状態判定ステップが停止中の状態と判定したならば前記モード種別記憶ステップを参照し、通常モードの場合には、前記鳴動アラームステップを起動し、手動または自動設定によるマナーモードの場合には、前記振動アラームステップを起動し、前記通知したアラームを確認した旨の確認操作が為されたならば前記鳴動アラームステップ、前記振動アラームステップ、および前記表示アラームステップを停止することを特徴とする携帯端末携帯者の停止中、歩行中及び乗車中判定によるアラーム通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
携帯型情報端末または携帯型通信端末が備えるアラーム通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等において、電話着信が到来し鳴動音を伴う着信表示をしたにも関わらず、携帯電話機等のユーザがその着信に気付かず、未応答なまま呼が切断されてしまうことがある。これを解決する技術として、未応答な着信の存在を携帯電話機等の表示部に強調表示して、迅速な折り返し発信を促す、未応答着信有通知機能に係る技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、特許文献1等に記載された従来の着信有通知機能は、未応答な着信の存在を表示するだけなので、その存在に依然として気付かないことが多い(例えば、携帯電話機をカバンに入れたままの場合等)。これは、着信時の鳴動音を伴う着信表示にも気付かないユーザにとっては当然と言える。
【0004】
従って、この着信有通知も鳴動音を伴うことが望ましいが、その場合、その通知音をいつでも鳴動させて良いかが問題となる。即ち、会議中や電車内等では、通常の着信鳴動と同様に、この着信有通知の鳴動音も周囲に対して迷惑である。マナーモードに設定されていれば、この着信有通知をバイブレータで通知出来るが、バイブレータを伴う着信有通知に気付かなかったユーザは、依然として気付かないことになる。
【0005】
この解決策として、歩行中の状態において、鳴動音を伴う着信有通知を実行することが考えられる。歩行中の状態での鳴動であれば、周囲への迷惑は小さいと思われる。
【0006】
一方、加速度センサの出力信号を分析して、使用者の動作の種別(歩行、走行、または、何れでもない)を判定する技術がある(例えば、特許文献2)。ただし、この特許文献2に記載されている技術は歩数計に係るものであり、上述した未応答着信有通知等のアラーム通知への適用は考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−94637公報
【特許文献2】特開2012−8637公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の課題は、携帯電話を保有するユーザが歩行中か否かの状態を判定し、その状態に応じた適切な通知方法で、着信有通知等のアラーム通知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、携帯型情報端末または携帯型通信端末が備えるアラーム通知方法であって、前記端末を携帯する携帯者が停止中の状態か、歩行中の状態か、或いは乗車中の状態かを判定する移動状態判定ステップと、前記携帯者へアラームを通知すべき予め定められたイベントの発生を鳴動音により通知する鳴動アラームステップと、前記イベントの発生を振動によって通知する振動アラームステップと、前記イベントの発生を文字情報または画像情報の表示により通知する表示アラームステップと、前記鳴動アラームステップ、前記表示アラームステップと前記振動アラームステップを同時又は選択的に起動または停止するアラーム起動停止ステップと、通常モード、自動設定によるマナーモードと手動設定によるマナーモードのどのモードにあるかを記憶するモード種別記憶ステップと、を有し、前記アラーム起動停止ステップは、前記イベントが発生した場合に前記表示アラームステップを起動すると共に、前記移動状態判定テップが歩行中の状態と判定したならば前記モード種別記憶ステップを参照し、通常モードの場合には、前記鳴動アラームステップを起動し、手動マナーモード設定ありの場合には、前記振動アラームステップを起動し、前記移動状態判定ステップが乗車中の状態と判定したならば前記振動アラームステップを起動し、前記移動状態判定ステップが停止中の状態と判定したならば前記モード種記憶ステップを参照し、通常モードの場合には、前記鳴動アラームステップを起動し、手動または自動設定によるマナーモードの場合には、前記振動アラームステップを起動し、前記通知したアラームを確認した旨の確認操作が為されたならば前記鳴動アラームステップ、前記振動アラームステップ、および前記表示アラームステップを停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、携帯電話を保有するユーザが歩行中か否かの状態を判定し、その状態に応じた適切な通知方法で、未応答着信有等のアラーム通知方法を提供することが出来る。例えば、会議室から出たユーザが、携帯電話機をマナーモードにしたままであっても、その歩行中に鳴動音を伴う未応答着信有通知が為されるので、その着信への折り返し発信のタイミングを逸する恐れが少ない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】携帯端末の概略構成図である。
図2】加速度変動パターン記憶部に記憶された判定基準ならびに携帯端末を保有するユーザの状態における着信モードを模式的に表した図である。
図3】携帯端末のアラーム通知を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、携帯端末の概略構成図である。携帯端末1は、図示しないIPパケット網に無線で接続して通話をする携帯電話、スマートホン等である。携帯端末1は、ユーザのポケットあるいは、ユーザが携行するバッグに保管される。
【0013】
携帯端末1は、無線処理部101、通信・通話制御部102、着信有通知情報記憶部103、移動状態判定部104、加速度センサ105、加速度変動パターン記憶部106、アラーム部107、端末制御部108、バイブレータ109、キー110、マイク/スピーカ111、LCD112、アンテナ113とから構成される。
【0014】
無線処理部101は、図示しないIPパケット網とアンテナ113を通じて無線通信の送受信を制御する。
【0015】
通信・通話制御部102は、電話における電話発着信制御全般ならびに電子メールにおける電子メール送受信制御全般を行う。また、通信・通話制御部102は、端末制御部108と連携して電話発着信制御によって通話を確立すると、図示しないハンドセットを介した通話制御ならびにキー110、LCD112を介したメール編集処理を行う。
【0016】
通信・通話制御部102は、無線処理部101から電話による着信(以下、電話着信と呼称)を受けると、端末制御部108と連携して端末制御部108に設定されているモード種別(後述する)に応じた電話着信処理を行う。通信・通話制御部102は、無線処理部101から電信メールによる着信(以下、電子メール着信と呼称)を受けると、電子メール着信に応じて端末制御部108に設定されているモード種別(後述する)に応じた電子メール着信処理を行う。
【0017】
通信・通話制御部102は、電話着信または電子メール着信が有ると(以下、電話着信と電子メール着信が有ったことを総称して着信有と呼称する)、前述のモード種別に応じて着信が有ったことをユーザへ通知する(以下、着信有通知と呼称)。
【0018】
ここで、着信有通知とは、電話着信処理・電子メール着信処理で行う通常の着信表示よりも強調した表示のことを意味する。例えば、図示しないLEDの点滅や、LCD112上に文字による「着信あり」の表示である。また、通信・通話制御部102は、着信有に対して一定時間内(例えば3分間)に該着信を了承した旨の確認操作を検出しなかった場合に、着信有通知情報記憶部103へ着信有通知情報を記憶する。また、通信・通話制御部102は、確認操作を検知した場合に、着信有通知情報記憶部103に当該着信有通知情報が記憶されていたならば、確認フラグをオンに設定する。
【0019】
ここで、着信有通知情報とは着信有に対してユーザの確認操作がない場合に記憶される情報であって、例えば発信元の電話番号またメールアドレスまたは発信元の氏名を意味する。また、ここで確認フラグとは該着信有通知情報の確認操作が為されているか否か判定するためのフラグであって、確認操作を検知したならばオン、確認操作を検知していないならばオフが設定される。なお、デフォルトではオフが設定されているものとする。
【0020】
着信有通知情報記憶部103は、着信有通知情報を記憶する記憶部である。着信有通知情報記憶部103は、通信・通話制御部102からの指示に応じて着信有通知情報の記憶、または着信有通知情報に設定された確認フラグをオンにする。着信有通知情報記憶部103は、移動状態判定部104からの要請に応じて、着信有通知情報を移動状態判定部104に渡す。
【0021】
移動状態判定部104は、着信有通知情報記憶部103を定期的に読み出し、着信有通知情報が記憶されているか否かを監視する。移動状態判定部104は、加速度センサ105からセンサ値を渡されると、加速度変動パターン記憶部106に記載された判定基準と照合比較し、携帯端末1を保有するユーザが停止している状態(以下、停止中と呼称する)か、歩行している状態(以下、歩行中と呼称する)か、乗車している状態(以下、乗車中と呼称する)かの状態を判定する。そして、移動状態判定部104は、加速度変動パターン記憶部106から判定した状態に対応する着信モード205(後述する)を抽出し、抽出した着信モード205を端末制御部108へ渡し、モード種別を渡した着信モードに変更するよう指示する。
【0022】
移動状態判定部104は、着信有通知情報記憶部103に着信有通知情報が記憶されている場合、アラーム部107へLCD112や図示しないLED等、表示によるアラーム(以下、アラーム表示と呼称)を指示する。また、移動状態判定部104は、着信有通知情報記憶部103に着信有通知情報が記憶され、且つ状態が歩行中と判定した場合にアラーム部107へマイク/スピーカ111のスピーカを用いた鳴動によるアラーム(以下、アラーム鳴動と呼称)を指示する。
【0023】
加速度センサ105は、自センサに加わる加速度をX軸、Y軸、Z軸の3軸で計測するセンサ機器である。加速度センサ105は、3軸のセンサ値を読み出して、定期的(例えば3秒間に一度)に移動状態判定部104へ送る。
【0024】
加速度変動パターン記憶部106には、携帯端末1を保有するユーザが停止中か、歩行中か、乗車中かを判定するための判定基準201と、停止中、歩行中、乗車中の状態204と、着信モード205を記憶する。さらに、加速度変動パターン記憶部106は、移動状態判定部104からの要請に応じて、前記判定基準と前記着信モード205を移動状態判定部104へ渡す。詳細は図2で説明する。
【0025】
アラーム部107は、移動状態判定部104から指示に応じて端末制御部108と連携してアラーム表示またはアラーム鳴動を行う。
【0026】
端末制御部108は、バイブレータ109、キー110、マイク/スピーカ111、LCD112および、通信・通話制御部102、アラーム部107と接続し、携帯端末1の端末制御全般を行う。また、端末制御部108には、予めモード種別が設定されており、通信・通話制御部102からの着信有りの通知を受けた際の着信通知方法として設定されたモード種別に応じて、着信通知を鳴動または、振動及び表示によって行う。
【0027】
具体的には、モード種別には通常モードと自動設定によるマナーモードと手動設定によるマナーモードがある。通常モードが設定されていた場合に、端末制御部108は、マイク/スピーカ111による音のみによる鳴動通知とLCD112に数字・符号による表示を行う。また、マナーモードが設定されていた場合に、バイブレータ109による振動通知と、LCD112による数字・符号による表示を行い、音による鳴動通知は行わない。
【0028】
一方、端末制御部108は、アラーム部107からアラーム表示の要請があるとLCD112によるアラーム表示を行い、アラーム部107からアラーム鳴動の要請があると設定されたモード種別に関係なく、マイク/スピーカ111のスピーカから音によるアラーム鳴動を行う。
【0029】
バイブレータ109は、モータを回して重りを振動させる振動処理部であって、振動で着信やアラームを表示する。キー110は、フック、ダイヤル、発信、切断、アラームの表示や停止の指示を入力するスイッチである。
【0030】
マイク/スピーカ111は、通話相手の音声をスピーカで出力して、またマイクで該携帯端末を保有するユーザの入力音声を拾う。LCD112は、着信したときの電話番号やキー11で入力した数字、符号を表示する表示部である。アンテナ113は、無線処理部101から受けた信号を電波で発信し、また、電波を受信して信号を無線処理部101へ送る。
【0031】
次に移動状態判定部104がどのように携帯端末1を保有するユーザの状態を判定し、端末制御部108のモード種別を変更するかについて、図2を用いて説明する。図2は、加速度変動パターン記憶部106に記憶された判定基準201ならびに携帯端末1を保有するユーザの状態204における着信モード205を模式的に表した図である。
【0032】
判定基準201は、携帯端末1を保有するユーザの状態を判定するための判定基準である。判定基準201は、加速/減速判定202と加速度変動パターン203とから構成され、加速/減速判定202には、携帯端末1を保有するユーザの状態が乗車中か否かを判定するための判定基準を記憶し、また、加速度変動パターン判定203には、携帯端末1を保有するユーザの歩行中か否かを判定するための判定基準を記憶する。両方を判定することにより、携帯端末1を保有するユーザの状態が停止中か、歩行中か、乗車中かのいずかの状態の判定を行う。
【0033】
状態204は、ユーザの状態を記憶し、着信モード205は、状態204に従って自動設定によりマナーモードを設定するか、自動設定により設定されたマナーモードを解除するか、現在のモードを代えずに前の状態を維持するか、端末制御部108のモード種別に設定する設定情報を記憶する。なお、自動設定により設定されたマナーモードを解除する際、ユーザの手動設定によって設定されたマナーモードは解除対象から除く。
【0034】
まず、加速度センサ105が、X軸、Y軸、Z軸の出力値を3軸の合成ベクトルに直してログを取り、定期的(例えば3秒間)に取得したログデータを移動状態判定部104に渡す。移動状態判定部104は、加速度センサ105からログデータを渡される毎にログデータの積分値と後述する基準値との変動を算出し、算出した変動が加速/減速判定202で規定された範囲(例えば±5%以内)か否か判定する。
【0035】
ここで基準値とは、携帯端末1を保有するユーザが、静止している状態にある場合、すなわち、加速度センサ105が重力加速のみを受けて、一定の加速度を示しているときの単位時間当たりの積分値を意味する。
【0036】
一般に電車等の乗り物は、もっぱら水平方向に移動し、上下方向には、大きな加速度を生ずるような移動は殆どしない。したがって、電車等に乗車中の場合、加速度センサ105は重力加速度以外には、水平方向の加速度のみを受けると考えて大きな間違えはない。実際の電車走行中、小刻みな上下振動は感じるが、電車が急こう配を登り降りすることを感じることはまずない。この小刻みな上下振動による加速度は、時間積分によっては、相殺されてしまうので、時間積分すると水平方向の加速度だけが残ることになる。
【0037】
そこで電車が走りだしたり、停車のための減速を行う比較的短時間の時間積分をとると合成ベクトルは、静止している状態の合成ベクトルより大きくなると考えてよい。長時間の時間積分では、電車は走り出し又減速してとまるので、積分値もあまり大きくならない可能性が高い。よって、移動状態判定部104は、3秒間のログデータを積分した値が基準値に対して変動が±5%以上で有れば携帯端末1を保有するユーザが、乗車(加速)中と判定する。
【0038】
一方、停止中や乗車(定速走行)中には、加速度センサ105には、殆ど加速度は掛からないので、短時間のログデータ積分値は、略基準値に等しい。
また、歩行中の場合、加速度センサ105は、水平方向の加速度は比較的小さいが、上下方向への大きな加速度を受ける。しかし、この場合も時間で積分すると上下方向の加速度は相殺されるので、歩行状態での単位時間当たりの合成ベクトルの積分値は、あまり大きくならない。よって、移動状態判定部104は、3秒間のログデータを積分した値が基準値に対して変動が5%以内で有れば携帯端末1を保有するユーザが、乗車(加速)中以外と判定する。
【0039】
次に、乗車(加速)中以外と判定された携帯端末1を保有するユーザが歩行中か否かを判定する。歩行中か否かを判定する方法としては、特許文献2の技術を用いる。特許文献2の歩行検出アルゴリズムに用いる判定データを歩行パターンとして予め記憶しておき、加速度センサ105からのX軸、Y軸、Z軸の出力値を3軸の合成ベクトルと照合して、歩行パターンに一致するばあいには歩行中と判定し、歩行パターン以外の場合には停止中、乗車(定速走行)中と判定する。
【0040】
なお、以降において「停止中」と「乗車(定速走行)中」は、携帯端末の動作上、同じ扱いとなるので、「停止中」で代表し、「乗車(加速)中」を単に「乗車中」と表現する。
【0041】
次に、携帯端末1を保有するユーザの状態が判定されると、移動状態判定部104は、判定された状態に対応する着信モードを抽出して端末制御部108へ抽出した着信モードへの変更を指示し、指示された端末制御部108はモード種別を変更する。このようにすることで、携帯電話を保有する人が、停止中、歩行中、乗車中のどの状態にあるか判定し、それに応じてマナーモードの状態を変更する。
【0042】
図3は、携帯端末1のアラーム通知を示すフローチャート図である。尚、本フローチャートは、携帯端末1が電源オンになったところから開始し、電話発着信制御、電子メール送受信制御等、公知の技術については説明を省略するものとする。
【0043】
携帯端末1は、通信・通話制御部102が着信(電話着信/電子メール着信)を検出する(S300)、または移動状態判定部104が乗車中の状態と判定する(S310)、または移動状態判定部104が歩行中の状態と判定する(S320)、の何れかを待つ。
【0044】
着信を検出した場合(S300:YES)、通信・通話制御部102は、着信有りを端末制御部108に指示し、端末制御部108は、現在のモード種別に応じて、例えば着信有を鳴動/表示する(S301)。そして、端末制御部108は、一定時間内(例えば30秒以内)に、キー110からの着信有に対する携帯端末1を保有するユーザの確認操作を待つ(S302)。
【0045】
一定時間内に、着信有に対する確認操作が検出しなければ(S302:No)、通信・通話制御部102は、着信有通知情報を着信有通知情報記憶部103に記憶し、アラーム部107は、着信有をアラーム表示する(S304)。そしてステップ300に戻る。
【0046】
一定時間内に、着信有に対する確認操作が為されたならば(S302:Yes)、通信・通話制御部102は、ステップ301で通知した着信有通知を停止する(S305)。そしてステップ300に戻る。
【0047】
携帯端末1を保有するユーザの確認操作を検出した場合(S302:NO)、携帯端末1は、着信有通知を停止する(S305)。そして、ステップ301へ戻る。
【0048】
乗車中の状態と判定すると(S310:Yes)、移動状態判定部104は、端末制御部108の種別モードをマナーモードに自動設定する(S311)。そして、ステップ301へ戻る。
【0049】
歩行中の状態と判定すると(S320:Yes)、移動状態判定部104は、端末制御部108の種別モードをステップ311において自動設定したマナーモードを解除する(S321)。そして、移動状態判定部104は、着信有通知情報記憶部103に記憶されている着信有通知情報のうち確認フラグがオフのものを検索して未確認の着信有通知があるか否か判定する(S322)。
【0050】
未確認の着信有通知がない場合(S322:No)、ステップ300に戻る。未確認の着信有通知がある場合(S322:Yes)、アラーム部107は、着信有を一定時間(例えば10秒間)、端末制御部108にアラーム鳴動を指示する(S323)。
【0051】
アラーム鳴動すると、無線端末1は、端末制御部108がキー110からの着信有に対する携帯端末1を保有するユーザの確認操作を待つ(S324)、または端末制御部108が再アラームタイミングになる(S325)、の何れかをまつ。
【0052】
携帯端末1を保有するユーザの確認操作を検知すると(S324:Yes)、端末制御部108は、着信有通知情報記憶部103に記憶するアラームした着信有情報の確認フラグをオンに設定し、ステップ304において表示したアラーム表示を停止する。
【0053】
以上、本実施例について説明した。本実施例によれば、携帯端末1は、移動状態判定部104が着信有通知情報記憶部103に未確認の着信が記憶されたことを検知すると、端末制御部108は、LCD112などの表示を用いたアラーム表示を行う。さらに、移動状態判定部104が歩行中の状態と判定した場合には、端末制御部108は、音によるアラーム鳴動を実行する。これにより、ユーザは、歩行中と判定した時点、すなわち降車のタイミングで未応答着信が有ったことを気づく事が出来る。
【0054】
本実施例によれば、携帯端末1は、新たな電話着信/電子メールが有るたびに、図3のフローを実行する。これにより、複数の未確認の着信有通知情報があったばあいでも対応することができる。
【0055】
本実施例によれば、手動設定でのマナーモードの設定をした場合は、「マナーモードを解除するS304」を省略して、マナーモードのまま未応答着信を行っている。これにより、携帯端末1は、会議中に未応答着信が有ったときに、勝手に鳴動することが無くなる。
【0056】
また、乗車中の乗り物は、車、電車、バスで説明したが、飛行機やエレベータ、船で有っても有効である。
また、未確認の着信有通知情報が複数個有る場合、歩行中を判定したときに複数呼有ることを示す別の鳴動音を出すようにしても良い。
【0057】
尚、本実施例では、アラーム鳴動をマイク/スピーカ111のスピーカの音による通知としているが、本願はこれに限定しない。アラーム鳴動をアラーム鳴音(マイク/スピーカ111のスピーカの音による通知)とアラーム振動(バイブレータ109の振動による通知)のいずれかとし、端末制御部108のモード種別に応じてアラーム鳴音とアラーム振動を切替えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 ・・・携帯端末、
101・・・無線処理部、
102・・・通信・通話制御部、
103・・・着信有通知情報記憶部、
104・・・移動状態判定部、
105・・・加速度センサ、
106・・・加速度変動パターン記憶部、
107・・・アラーム部、
108・・・端末制御部、
109・・・バイブレータ、
110・・・キー、
111・・・マイク/スピーカ、
112・・・LCD、
113・・・アンテナ
図1
図2
図3