特許第6288568号(P6288568)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6288568
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】オゾン発生装置
(51)【国際特許分類】
   C01B 13/10 20060101AFI20180226BHJP
   A61L 9/015 20060101ALI20180226BHJP
   H01J 61/52 20060101ALI20180226BHJP
   H01J 65/00 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   C01B13/10 Z
   A61L9/015
   H01J61/52 N
   H01J65/00 A
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-156690(P2016-156690)
(22)【出願日】2016年8月9日
(65)【公開番号】特開2018-24546(P2018-24546A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2017年11月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐畠 健一
(72)【発明者】
【氏名】後藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】森 学
(72)【発明者】
【氏名】常喜 貴法
【審査官】 飯濱 翔太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−342139(JP,A)
【文献】 特開平7−187611(JP,A)
【文献】 実開平6−51244(JP,U)
【文献】 特開2014−226605(JP,A)
【文献】 特開2014−103028(JP,A)
【文献】 特開2016−37416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 13/00−13/36
A61L 9/015
H01J 61/52
H01J 65/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体で囲まれた空間を、少なくとも第一室と第二室とに隔てる壁体と、
前記筐体の一部に設けられ、前記筐体の外部と前記第一室とを連絡する第一開口部及び第二開口部と、
前記壁体内又は前記壁体の外側の位置に取り付けられ、前記第一室と前記第二室とを連絡する送風機と、
前記筐体の一部に設けられ、前記筐体の外部と前記第二室とを連絡する第三開口部と、
前記第二室内において、前記送風機と前記第三開口部との間に設けられ、紫外線の照射が可能な光源体と、
前記第一室内において、前記第一開口部と前記第二開口部との間の位置に設けられ、前記光源体を駆動するための電力を供給する電装体とを備えたことを特徴とするオゾン発生装置。
【請求項2】
前記送風機が駆動すると、
前記第一開口部を介して前記筐体の外側から前記第一室内に流入した気体を、前記電装体の配置位置を経由して前記送風機に向ける第一流路と、
前記第二開口部を介して前記前記筐体の外側から前記第一室内に流入した気体を、前記電装体の配置位置を経由させることなく前記送風機に向ける第二流路とが形成されることを特徴とする請求項1に記載のオゾン発生装置。
【請求項3】
前記第一開口部と前記第二開口部は、前記筐体の同一の第一面上に設けられており、
前記送風機は、前記筐体の前記第一面と、前記筐体の前記第一面に対向し前記第二室の外側に位置する第二面との間に設けられ、前記第一室から前記第二室に向けて、前記第一面に非平行な方向に送風可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のオゾン発生装置。
【請求項4】
前記第一室内において、前記電装体を収容する電装体収容部と、
前記電装体収容部の内側と前記送風機とを連絡する第四開口部とを有し、
前記第一開口部は、前記筐体の外側と前記電装体収容部の内側とを連絡するように設けられており、
前記第四開口部の面積は、前記送風機の開口面積よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオゾン発生装置。
【請求項5】
前記送風機の開口面積は、前記第二開口部の面積と前記第四開口部の面積の合計よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載のオゾン発生装置。
【請求項6】
前記電装体から前記光源体に電力を供給するための電源線を有し、
前記電源線は、前記光源体から見て、前記第三開口部よりも前記送風機側に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオゾン発生装置。
【請求項7】
前記光源体は、前記筐体によって覆われており、当該光源体から射出される光が前記筐体の外側に放射されない構成であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のオゾン発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線光源を用いたオゾン発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所定濃度のオゾンを含むガスは、殺菌、脱臭作用があり、種々の分野で利用されている。このようなオゾンを生成する方法として、紫外線光源を用いた光化学反応が知られている。
【0003】
紫外線光源としてエキシマランプを用いた照射装置が、例えば下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−103028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光化学反応方式を用いてオゾンを発生させる場合、これまでは、紫外線光源として低圧水銀ランプが用いられていた。しかしながら、この光源から放射される光には、オゾンを生成する波長と、オゾンを分解する波長が含まれる。このため、オゾンの生成と分解の反応が並列して発生し、更に、分解反応で生じた酸素原子がオゾンと反応してオゾンが減少するため、あまり高濃度のオゾンを発生することができないという課題がある。
【0006】
これに対し、オゾン発生用の光源として、オゾン分解波長を含まない光を放出するエキシマランプを用いることで、オゾン発生効率が高められると考えられる。そこで、本発明者らは、上記特許文献1に開示されている光照射装置をオゾン発生装置として利用することを検討した。
【0007】
図6は、特許文献1に開示されている光照射装置の模式的な斜視図である。光照射装置100は、筐体101の内部に区画壁103が設けられている。区画壁103によって、筐体101の内部は、電装体収容室110とランプ収容室120とに区画されている。区画壁103の端部103aは、筐体101の側壁101aに接触している。区画壁103の端部103bと、筐体101の側壁101bとの間には、連通路104が形成されている。
【0008】
電装体収容室110には、電装体111が収容されている。ランプ収容室120には、長尺状の発光管を含むエキシマランプ121が収容されている。筐体101の上壁101cには、エキシマランプ121に対応して光出射窓105が形成されている。電装体111は、エキシマランプ121を発光させるのに必要な電力をエキシマランプ121に対して供給する。
【0009】
筐体101の側壁101aのうち、電装体収容室110側の位置には送風機113が配置されている。また、筐体101の側壁101aのうち、ランプ収容室120側の位置には排気口123が設けられている。送風機113によって筐体101の外気(空気)が電装体収容室110内に吸引され、電装体111を冷却した後、区画壁103と筐体101の側壁101bとの間に設けられている連通路104に向けて流れる。その後、この空気は、連通路104を介してランプ収容室120内に流入し、エキシマランプ121の周囲を流れることで、エキシマランプ121を冷却した後、排気口123から排気される。
【0010】
エキシマランプ121から射出される光は、光出射窓105から外部に放射される。なお、エキシマランプ121の周囲では、空気に含まれる酸素からオゾンが一部不可避的に生成される。このオゾンは、エキシマランプ121を冷却した後の空気と共に、排気口123から排気される。つまり、ランプ収容室120内で発生されたオゾンは、電装体収容室110側に流入することなく、排気口123から外部へと放出されるため、オゾンによって電装体111が汚染、腐食することが防止される。
【0011】
ところで、上述したように、特許文献1はあくまで光照射装置に関するものであり、この点は、光出射窓105が設けられていることからも理解される。つまり、特許文献1に記載された装置において、オゾンは副次的に発生してしまうものである。本発明者らは、図6に示す光照射装置100をオゾン発生装置として利用することを検討した。しかし、この構成では、排気口123から排出されるオゾンの量は、殺菌や脱臭といった、本来のオゾン発生装置が期待されている用途には不十分なものであった。
【0012】
単に排出されるオゾンの量を高めるという観点からは、送風機113のパワーを増大するという方法が考えられる。しかし、大型の送風機113を設置するためには、筐体101の表面積を大きくする必要があるため、図6に示される光照射装置100よりも極めて大型化してしまう。
【0013】
本発明は、上記の課題に鑑み、大型の送風機を備えることなく、十分な量のオゾンを排出することのできるオゾン発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のオゾン発生装置は、
筐体と、
前記筐体で囲まれた空間を、少なくとも第一室と第二室とに隔てる壁体と、
前記筐体の一部に設けられ、前記筐体の外部と前記第一室とを連絡する第一開口部及び第二開口部と、
前記壁体内又は前記壁体の外側の位置に取り付けられ、前記第一室と前記第二室とを連絡する送風機と、
前記筐体の一部に設けられ、前記筐体の外部と前記第二室とを連絡する第三開口部と、
前記第二室内において、前記送風機と前記第三開口部との間に設けられ、紫外線の照射が可能な光源体と、
前記第一室内において、前記第一開口部と前記第二開口部との間の位置に設けられ、前記光源体を駆動するための電力を供給する電装体とを備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、送風機が駆動すると、第一開口部と第二開口部から第一室内に外気が取り込まれ、この外気は送風機によって第二室へ送り込まれる。第一開口部から取り込まれた外気は、電装体を冷却する。第一開口部から取り込まれ、電装体を冷却した後の外気と、第二開口部から取り込まれた外気は、送風機によって第二室へと送り込まれる。送風機は第一室と第二室を連絡する箇所に設けられているため、図6に示す従来の構成と比べてその風量は多く、速度を有した状態で第一室へと送り込まれる。この外気に含まれる酸素の少なくとも一部は、光源体から放射される光が照射されることで、オゾンに変化する。このオゾンは、第三開口部から排出される。上述したように、第二室内を流れる気体は風量が多く風速も高いため、オゾンを含む気体が十分な風量を有した状態で装置外へ排出される。
【0016】
よって、本発明の構成によれば、図6に示す従来の構成と同等のサイズの送風機を備える場合であっても、十分な量のオゾンを含む気体を装置外へと排出することができるため、小型のオゾン発生装置が実現される。
【0017】
また、この構成によれば、第二室内において、送風機側から第三開口部へと向かう流路が形成され、その逆向きの流路は排除される。そして、第一室と第二室とは壁体によって隔てられている。よって、第二室内において生成されたオゾンが、電装体が収容されている第一室内に流入することが抑制される。つまり、オゾンによって電装体が汚染、腐食するということが抑制される。
【0018】
また、この構成によれば、第二開口部から取り込まれた外気が電装体の周辺部を経由することなく第二室内に供給されるため、従来の構成よりも光源体を冷却する機能を高めることができる。
【0019】
上記構成において、前記送風機が駆動すると、
前記第一開口部を介して前記筐体の外側から前記第一室内に流入した気体を、前記電装体の配置位置を経由して前記送風機に向ける第一流路と、
前記第二開口部を介して前記前記筐体の外側から前記第一室内に流入した気体を、前記電装体の配置位置を経由させることなく前記送風機に向ける第二流路とが形成されるものとして構わない。
【0020】
また、上記の構成において、
前記第一開口部と前記第二開口部は、前記筐体の同一の第一面上に設けられており、
前記送風機は、前記筐体の前記第一面と、前記筐体の前記第一面に対向し前記第二室の外側に位置する第二面との間に設けられ、前記第一室から前記第二室に向けて、前記第一面に非平行な方向に送風可能に構成されているものとしても構わない。
【0021】
このような構成によれば、第二開口部から取り込まれた外気を、高い風速を有した状態で第一室内へと送り込むことができる。このため、第二室内で生成されたオゾンを含むガスを、高い風速を有したまま第三開口部から排出することができる。
【0022】
特に、前記送風機は、前記第一室から前記第二室に向けて、前記第一面に直交する方向に送風可能に構成されているものとしても構わない。
【0023】
上記構成において、
前記第一室内において、前記電装体を収容する電装体収容部と、
前記電装体収容部の内側と前記送風機とを連絡する第四開口部とを有し、
前記第一開口部は、前記筐体の外側と前記電装体収容部の内側とを連絡するように設けられており、
前記第四開口部の面積は、前記送風機の開口面積よりも小さいものとしても構わない。
【0024】
この構成によれば、第一開口部から取り込まれて電装体を冷却した後の外気のみならず、第二開口部から取り込まれて電装体を経由せずに送風機に向かう外気を、確実に第一室に送り込むことができる。第二開口部は、第一開口部よりも送風機に近い位置に配置されているため、第一室内に向かう気流の風速を高めることができる。これにより、第一室内で生成されたオゾンを含むガスを、高い風速を有したまま第三開口部から排出することができる。
【0025】
送風機の一次側(第一室側)の開口領域の面積と、送風機の二次側(第二室側)の開口領域の面積とは、同一であっても構わないし、異なっていても構わない。後者の場合、前記第四開口部の面積は、前記送風機の一次側の開口領域の面積よりも小さいものとすることができる。
【0026】
上記構成において、
前記送風機の開口面積は、前記第二開口部の面積と前記第四開口部の面積の合計よりも小さいものとしても構わない。
【0027】
この構成によれば、送風機の一次側に向かう流路の断面積の合計よりも、送風機の開口面積が小さくなるため、送風機から第一室に向かう気流の風速を高めることができる。これにより、第一室内で生成されたオゾンを含むガスを、高い風速を有したまま第三開口部から排出することができる。
【0028】
送風機の一次側(第一室側)の開口領域の面積と、送風機の二次側(第二室側)の開口領域の面積とは、同一であっても構わないし、異なっていても構わない。後者の場合、前記送風機の二次側の開口領域の面積が、前記第二開口部の面積と前記第四開口部の面積の合計よりも小さいものとすることができる。
【0029】
上記構成において、
前記電装体から前記光源体に電力を供給するための電源線を有し、
前記電源線は、前記光源体から見て、前記第三開口部よりも前記送風機側に配置されているものとしても構わない。
【0030】
この構成によれば、第一室内で生成されたオゾンを含むガスによって、電源線が汚染、腐食する事態を抑制できる。
【0031】
また、前記光源体は、前記筐体によって覆われており、当該光源体から射出される光が前記筐体の外側に放射されない構成であるものとしても構わない。
【発明の効果】
【0032】
本発明のオゾン発生装置によれば、小型の装置で多量のオゾンを排出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】オゾン発生装置の一実施形態における模式的な斜視図である。
図2】オゾン発生装置の一実施形態における模式的な平面図である。
図3】オゾン発生装置内における気流を図示したものである。
図4】本発明のオゾン発生装置の別実施形態における模式的な平面図である。
図5】オゾン発生装置の別の実施形態における模式的な平面図である。
図6】従来の光照射装置の模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係るオゾン発生装置の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図面において、図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
【0035】
図1は、本発明のオゾン発生装置の一実施形態における模式的な斜視図である。説明の都合上、図1に示す座標軸を取る。図2は、本発明のオゾン発生装置の一実施形態における模式的な平面図であり、より詳細には図1に示すオゾン発生装置1を、Z軸方向(より詳細には−Z軸方向)に見たときの図面に対応する。図2では、説明の都合上、筐体の内側に隠れている部分についても一部図示をしている。また、図2では、説明の都合上、開口領域を破線で図示している。
【0036】
オゾン発生装置1は、筐体3と、筐体3で囲まれた空間を隔てる壁体5とを有する。壁体5によって、筐体3で囲まれた空間が、X軸方向に、第一室10と第二室20とに隔てられている。この第一室10と第二室20とを連絡する位置には送風機7が配置されている。本実施形態のオゾン発生装置1では、壁体5の一部分がくり抜かれ、その場所に送風機7が配置されている(図2参照)。なお、送風機7は、壁体5と筐体3の側面との間の位置に配置されても構わない。
【0037】
筐体3の一部分には、第一開口部31、第二開口部32、及び第三開口部33が設けられている。第一開口部31及び第二開口部32は、筐体3の外部と第一室10とを連絡する。第三開口部33は、筐体3の外部と第二室20とを連絡する。
【0038】
オゾン発生装置1は、第二室20内において光源体21を有する。より詳細には、光源体21は、第二室20内において、送風機7と第三開口部33との間の位置に配置されている。光源体21は、光化学反応によって空気からオゾンを発生させることが可能な紫外領域の光を放射する構成であり、例えばエキシマランプで構成される。なお、光源体21としては、エキシマランプの他、低圧水銀ランプを用いることも可能である。本実施形態では、オゾン発生装置1が筐体3で覆われており、光源体21で発せられた光は筐体3の外側には放射されないように構成されている。
【0039】
オゾン発生装置1は、第一室10内において電装体11を有する。より詳細には、電装体11は、第一室10内において、第一開口部31と第二開口部32との間の位置に配置されている。電装体11は、光源体21を駆動するための電力を光源体21に供給するための電子部品を含む。より詳細には、オゾン発生装置1は、電装体11と光源体21とを連絡する電源線23を有し、この電源線23を通じて電装体11から光源体21に対して電力が供給される。図2では、図示の都合上、電源線23を太線で示している。本実施形態では、電源線23は、光源体21から見て第三開口部33とは反対側、すなわち送風機7に近い側に配置されている。つまり、電源線23は、光源体21と送風機7の間に位置するように配置されている。
【0040】
本実施形態では、電装体11は、第一室10内に配置された電装体収容部13に収容されている。第一開口部31は、筐体3の外側と電装体収容部13とを連絡するように形成されている。電装体収容部13は、送風機7側の少なくとも一部を開口している(第四開口部34)。
【0041】
本実施形態では、第一開口部31と第二開口部32とは、筐体3の同一の面上に設けられている。また、送風機7は、第二開口部32が形成されている側に位置する筐体3の面と、前記面に対向する筐体3の面との間の位置に配置されている。
【0042】
本実施形態では、第四開口部34の面積は、送風機7の開口領域(7a,7b)の面積よりも小さい。また、本実施形態では、送風機7の開口領域(7a,7b)の面積は、第一開口部31の面積と第二開口部32の面積の合計よりも小さい。
【0043】
送風機7が駆動すると、第一開口部31及び第二開口部32より、筐体3の外側から空気がオゾン発生装置1内に取り込まれる。このときの気流について、図3を参照して説明する。図3は、図2の図面内に矢印付二点鎖線にて気流を図示したものである。図示の都合上、図3では図2で示した符号の一部の記載を省略している。
【0044】
送風機7が駆動すると、第一開口部31を介して筐体3の外側から空気A1が第一室10内に流入すると共に、第二開口部32を介して筐体3の外側から空気A2が第一室10内に流入する。第一開口部31から流入した空気A1は、電装体11の配置位置を経由して電装体11を冷却した後、第四開口部34を介して送風機7の一次側開口領域7aに達する。第二開口部32から流入した空気A2は、電装体11の配置位置には向かわずに、送風機7の一次側開口領域7aに達する。すなわち、送風機7の一次側開口領域7aでは、第一開口部31から取り込まれた空気A1、及び第二開口部32から取り込まれた空気A2が合流して取り込まれる。これらの空気は、送風機7の二次側開口領域7bより第二室20内に送り出される。
【0045】
送風機7から送り出された空気は、第二室20内を第三開口部33の側に向けて流れる。上述したように、送風機7は、第一室10と第二室20とを連絡する位置に設けられている。従って、送風機7の二次側開口領域7bより排出された空気A3を、勢いを有した状態で第二室20内へと送り出すことができる。この空気A3は、高い風速を有しているため、第二室20内を第三開口部33に向けて高い風速を有したまま流れる。そして、第二室20内において、光源体21から放射された紫外光が空気A3に照射されることで、空気の一部がオゾンに変化し、オゾンを含むガスA4が生成される。このガスA4は、依然として勢いを有したまま第三開口部33に向けて流れ、第三開口部33からオゾン発生装置1の外側に排出される。
【0046】
つまり、オゾン発生装置1によれば、小型の送風機7によって第三開口部33から十分な量のオゾンを含むガスA4を装置外へと排出することができる。また、第一開口部31から空気A1が取り込まれるため電装体11を冷却する機能も担保されている。
【0047】
更に、本実施形態のオゾン発生装置1は、送風機7の開口領域(7a,7b)の面積が、第一開口部31の面積と第二開口部32の面積の合計よりも小さく構成されている。よって、更に高い風速を有した状態で空気A3を送風機7の二次側開口領域7bから第二室20内に送り出すことができる。
【0048】
更に、本実施形態のオゾン発生装置1は、第四開口部34の面積が送風機7の開口領域(7a,7b)の面積よりも小さく構成されている。この構成により、十分な風量の空気を、第二開口部32から筐体3の内側に取り込むことができる。
【0049】
[別実施形態]
以下、別実施形態について説明する。
【0050】
〈1〉 図4に示すように、オゾン発生装置1は筐体3の外周を覆うカバー部40を有していても構わない。この場合、カバー部40にも所定の開口部が設けられているものといて構わない。図4に示す例では、カバー部40に開口部43と開口部45が設けられている。図4では開口部(43,45)を一点鎖線で表示している。開口部43から、カバー部40の外側の空気が取り込まれ、第一開口部31及び第二開口部32に向かう。また、第二室20内で生成されたオゾンを含むガスは、第三開口部33、開口部45を介してオゾン発生装置1の外側に排出される。
【0051】
〈2〉 上記実施形態では、第一室10内において、電装体11が電装体収容部13内に収容されているものとしたが、直接第一室10内に収容されていても構わない。この場合、第一室10内において、電装体11から見て送風機7に向かう通風路が第四開口部34に対応するものとしても構わない。
【0052】
〈3〉 上記実施形態では、第一開口部31と第二開口部32とが筐体3の同一面上に設けられているものとしたが、それぞれが異なる面に設けられているものとしても構わない。また、第一開口部31又は第二開口部32の少なくとも一方が、筐体3の複数の面に設けられていても構わない。例えば、図1に示すオゾン発生装置1では、YZ平面に平行な筐体3の面上にのみ第一開口部31が設けられているが、XY平面に平行な筐体3の面上にも第一開口部31が設けられていても構わない。
【0053】
また、上記実施形態では、第三開口部33が、第一開口部31及び第二開口部32が形成されている筐体3の面と同じ側の面に設けられている場合について説明したが、第三開口部33の配置位置は、これに限定されるものではない。例えば、図1に示す構成において、第三開口部33の開口面が、XZ平面に平行な構造であっても構わない。
【0054】
〈4〉 上記実施形態のオゾン発生装置1では、第一室10内の気流と第二室20内の気流が共にほぼY軸に平行な方向になる。これは、第一室10と第二室20とが、共にほぼ直方体の形状を有し、その長手方向がY軸に平行な方向であるためである。このような構成とすることで、オゾン発生装置1を小型化することできる点で好ましい。
【0055】
しかし、本発明は、第一室10及び第二室20の形状を上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、第一室10がY方向に延伸する形状であり、第二室20がX方向に延伸する形状であっても構わない。更に、筐体3自体が、直方体形状以外の柱体形状であっても構わないし、角錐台形状や、円錐台形状や、球形状であっても構わない。
【0056】
〈5〉 上記実施形態では、電源線23は、光源体21から見て第三開口部33よりも送風機7に近い側に配置されているものとしたが、この構成に限られない。ただし、上述した実施形態の構成によれば、電源線23が、第二室20内でオゾンを含むガスが生成される前段に位置することになるため、このオゾンを含むガスによって汚染、腐食するのを抑制する効果が期待できる。
【0057】
〈6〉 上記実施形態では、オゾン発生装置1が筐体3で覆われており、光源体21で発せられた光は筐体3の外側には放射されないように構成されているものとして説明した。この構成において、オゾン発生装置1の外部からの光は、第二室20内に配置された光源体21には届かない。このとき、光源体21の絶縁破壊電圧は暗黒効果により高くなってしまい、光源体21が駆動しにくくなるおそれがある。そこで、図5に示すように、第二室20内に、光源体21の点灯を補助する補助光源51を設けるものとしても構わない。補助光源51から放射された光が光源体21に届くことで、光源体21が駆動しにくくなる弊害を避けることができる。補助光源51としては、例えば、発光ダイオード(LED)が利用できる。なお、図5に示す例では、補助光源51は、電装体11から電力が供給されている例を示しているが、電装体11とは別の場所に、補助光源51用の電源(不図示)が設けられていても構わない。
【0058】
〈7〉 送風機7の一次側開口領域7aの面積と、二次側開口領域7bの面積とは必ずしも同一である必要はない。このとき、送風機7の二次側開口領域7bの面積を、第一開口部31の面積と第二開口部32の面積の合計よりも小さくすることで、高い風速を有した状態で空気A3を送風機7から第二室20に送り出すことができる。また、第四開口部34の面積を、送風機7の一次側開口領域7aの面積よりも小さくすることで、十分な風量の空気を、第二開口部32から筐体3の内側に取り込むことができる。
【0059】
ただし、本発明において、送風機7の開口領域(7a,7b)の面積と、各開口部(31,32,34)の面積との関係は、上述した内容に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0060】
1 : 本発明のオゾン発生装置
3 : 筐体
5 : 壁体
7 : 送風機
7a : 送風機の一次側開口領域
7b : 送風機の二次側開口領域
10 : 第一室
11 : 電装体
20 : 第二室
21 : 光源体
31 : 第一開口部
32 : 第二開口部
33 : 第三開口部
34 : 第四開口部
40 : カバー部
43,45 : 開口部
51 : 補助光源
100 : 従来の光照射装置
101 : 筐体
101a,101b : 筐体の側壁
101c : 筐体の上壁
103 : 区画壁
103a,103b : 区画壁の端部
104 : 連通路
105 : 光出射窓
110 : 電装体収容室
111 : 電装体
120 : ランプ収容室
121 : エキシマランプ
123 : 排気口
図1
図2
図3
図4
図5
図6