【文献】
Australian Journal of Chemistry,1981年,Vol.34, No.8,P.1701-1717
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の記述において、特定の具体的な詳細は、本発明の様々な実施形態の充分な理解を提供するように説明される。しかしながら、当業者は、本発明がこれらの詳細なしに実践され得ることを理解するだろう。
【0017】
文脈が特別に要求しない限り、本明細書および請求項を通して、「含む(comprise)」という単語およびその変化形(「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」等)は、オープンで包括的な意味で、すなわち「を含み、これらに限定されない」と解釈される。
【0018】
「一実施形態」または「実施形態」への本明細書を通じての参照は、本発明の少なくとも1つの実施形態における、実施形態に関連して記述される特定の特色、構造または特徴が含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じての様々な場所における「一実施形態において」または「実施形態において」という語句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指していない。更に、特定の特色、構造または特徴は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な様式で組み合わせることができる。
【0020】
「カルボキシ」は−CO
2H基を指す。
【0022】
「ホルミル」は−C(=O)H基を指す。
【0023】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は−OH基を指す。
【0029】
「アルキル」は、もっぱら炭素原子および水素原子からなり、飽和または不飽和であり(すなわち1つまたは複数の二重結合および/または三重結合を含有し)、1〜12の炭素原子(C
1−C
12アルキル)、好ましくは1〜8の炭素原子(C
1−C
8アルキル)または1〜6の炭素原子(C
1−C
6アルキル)を有し、単結合によって分子の残りへ添付される、直鎖炭化水素鎖基または分岐炭化水素鎖基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、エテニル、プロプ−1−エニル、ブト−1−エニル、ペント−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、および同種のもの)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アルキル基は随意に置換される。
【0030】
「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、もっぱら炭素および水素からなり、飽和または不飽和であり(すなわち1つまたは複数の二重結合および/または三重結合を含有し)、1〜12の炭素原子を有する、分子の残りを置換基へ連結する直鎖二価炭化水素鎖または分岐二価炭化水素鎖(例えばメチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレン、プロピニルエン、n−ブチニルエンおよび同種のもの)を指す。アルキレン鎖は、単結合または二重結合を介して分子の残りへおよび単結合または二重結合を介して置換基へ添付される。分子の残りへおよび置換基へのアルキレン鎖の付加点は、鎖内の1つの炭素または任意の2つの炭素を介することができる。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アルキレン鎖は随意に置換される。
【0031】
「アルコキシ」は、式−OR
aの基(式中、R
aは1〜12の炭素原子を含有する上で定義されるようなアルキル基である)を指す。「ヒドロキシルアルコキシ」は少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含むアルコキシ部分である。「アミノアルコキシ」は少なくとも1つのアミノ置換基を含むアルコキシ部分である。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アルコキシ基、ヒドロキシルアルコキシ基および/またはアミノアルコキシ基は随意に置換される。
【0032】
「アルキルアミノ」は、式−NHR
aまたは−NR
aR
aの基(式中、各々のR
aは独立して1〜12の炭素原子を含有する、上で定義されるようなアルキル基である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アルキルアミノ基は随意に置換される。
【0033】
「アルキルエーテル」は、少なくとも1つの炭素−炭素結合が炭素−酸素結合と置き換えられる、上で定義されるような任意のアルキル基を指す。炭素−酸素結合は末端部上にあり得るか(アルコキシ基として)、または炭素−酸素結合は内部であり得る(すなわちC−O−C)。アルキルエーテルは、少なくとも1つの炭素−酸素結合を含むが、1を超えて(すなわち「ポリアルキルエーテル」)含むことができる。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)(それはポリアルキルエーテルである)は、アルキルエーテルの意味内に含まれる。「ヒドロキシルポリアルキルエーテル」は、1つまたは複数のヒドロキシル置換基を含むポリアルキルエーテルを指す。「アミノポリアルキルエーテル」は、1つまたは複数のアミノ置換基を含むポリアルキルエーテルを指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アルキルエーテル基、ポリアルキルエーテル基、ヒドロキシルポリアルキルエーテル基および/またはアミノポリアルキルエーテル基は随意に置換される。
【0034】
「アルキレンエーテル」は、少なくとも1つの炭素−炭素結合は炭素−酸素結合と置き換えられる、上で定義されるような任意のアルキレン基を指す。炭素−酸素結合は末端部上にあり得るか(アルコキシ基として)、または炭素−酸素結合は内部であり得る(すなわちC−O−C)。アルキレンエーテルは少なくとも1つの炭素−酸素結合を含むが、1を超えて含み得る。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)はアルキレンエーテルの意味内に含まれる。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アルキレンエーテル基は随意に置換される。
【0035】
「アルキルホスホ」は、−RP(=O)(R
a)R
b基(式中、Rはアルキレン基であり、R
aはOH、O
-またはOR
cであり;R
bは−Oアルキルまたは−Oアルキルエーテルであり、R
cはカウンターイオン(例えば、Na+および同種のもの)である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アルキルホスホ基は随意に置換され得る。例えば、特定の実施形態において、アルキルホスホ基中のアルキル部分またはアルキルエーテル部分(R
b)は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基も随意に置換される。
【0036】
「Oアルキルホスホ」は、酸素原子経由で分子の残りへ接続されるアルキルホスホ基である。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、Oアルキルホスホ基は随意に置換される。例えば、特定の実施形態において、Oアルキルホスホ基中のアルキル部分、アルキルエーテル部分またはポリアルキルエーテル部分(R
b)は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基も随意に置換される。
【0037】
「アルキルエーテルホスホ」は、−RP(=O)(R
a)R
b基(式中、Rはアルキレンエーテル基であり、R
aはOH、O
-またはOR
cであり;R
bは−Oアルキルまたは−Oアルキルエーテルであり、R
cはカウンターイオン(例えば、Na+および同種のもの)である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アルキルエーテルホスホ基は随意に置換される。例えば、特定の実施形態において、アルキルエーテルホスホ基中のアルキル部分またはアルキルエーテル部分(R
b)は、ヒドロキシル、アミノスルフヒドリルもしくはホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基も随意に置換される。
【0038】
「Oアルキルエーテルホスホ」は、酸素原子経由で分子の残りへ接続されるアルキルエーテルホスホ基である。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、例えば、特定の実施形態において、Oアルキルエーテルホスホ基中のアルキル部分またはアルキルエーテル部分(R
b)は、ヒドロキシル、アミノスルフヒドリルもしくはホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基も随意に置換される。
【0039】
「アルキルチオホスホ」は、−RP(=R
a)(R
b)R
c基(式中、Rはアルキレン基であり、R
aはOまたはSであり、R
bはOH、O
-、S
-、OR
dまたはSR
dであり;R
cは−Oアルキルまたは−Oアルキルエーテルであり、R
dはカウンターイオン(例えば、Na+および同種のもの)であり、但し、R
aはSであるか、またはR
bはS
-もしくはSR
dであり;または但し、R
aはSであり、R
bはS
-またはSR
dである)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アルキルチオホスホ基は随意に置換される。例えば、特定の実施形態において、アルキルチオホスホ基中のアルキル部分またはアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基も随意に置換される。
【0040】
「Oアルキルチオホスホ」は、酸素原子経由で分子の残りへ接続されるアルキルチオホスホ基である。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、Oアルキルチオホスホ基は随意に置換される。例えば、特定の実施形態において、Oアルキルチオホスホ基中のアルキル部分またはアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基も随意に置換される。
【0041】
「アルキルエーテルチオホスホ」は、−RP(=R
a)(R
b)R
c基(式中、Rはアルキレンエーテル基であり、R
aはOまたはSであり、R
bはOH、O
-、S
-、OR
dまたはSR
dであり;R
cは−Oアルキルまたは−Oアルキルエーテルであり、R
dはカウンターイオン(例えば、Na+および同種のもの)であり、但し、R
aはSであるか、またはR
bはS
-もしくはSR
dであり;または但し、R
aはSであり、R
bはS
-またはSR
dである)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アルキルエーテルチオホスホ基は随意に置換される。例えば、特定の実施形態において、アルキルエーテルチオホスホ基中のアルキル部分またはアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基も随意に置換される。
【0042】
「Oアルキルエーテルチオホスホ」は、酸素原子経由で分子の残りへ接続されるアルキルエーテルチオホスホ基である。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、Oアルキルエーテルチオホスホ基は随意に置換され得る。例えば、特定の実施形態において、Oアルキルエーテルチオホスホ基中のアルキル部分またはアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基も随意に置換される。
【0043】
「アミジル」は、−NR
aR
bラジカル(式中、R
aおよびR
bは独立してH、アルキルまたはアリールである)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アミド基は随意に置換される。
【0044】
「アリール」は、水素、6〜18の炭素原子および少なくとも1つの芳香環を含む炭化水素環系基を指す。本発明の目的のために、アリール基は、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であり得、それには縮合環系または架橋環系が含まれ得る。アリール基には、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレンおよびトリフェニレンに由来するアリール基が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、「アリール」という用語または「アル−(ar−)」という接頭語(「アラルキル」等中で)は、随意に置換されるアリール基を含むことを意味する。
【0045】
「アリールオキシ」は、式−OR
aの基(式中、Raは上で定義されるようなアリール部分、例えばフェノキシおよび同種のものである)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アリールオキシ基は随意に置換される。
【0046】
「アラルキル」は、式−R
b−R
cの基(式中、R
bは上で定義されるようなアルキレン鎖であり、R
cは上で定義されるような1つまたは複数のアリール基、例えばベンジル、ジフェニルメチルおよび同種のものである)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アラルキル基は随意に置換される。
【0047】
「Oアラルキル」は、酸素連結を介して分子の残りへ接続されるアラルキル基である。「ODMT」は、O原子を介して分子の残りへ連結されるジメトキシトリチルを指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、Oアラルキル基は随意に置換される。
【0048】
「シアノアルキル」は、少なくとも1つのシアノ置換基を含むアルキル基を指す。1つまたは複数の−CN置換基は、第一級炭素原子、第二級炭素原子または第三級炭素原子上にあり得る。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、シアノアルキル基は随意に置換される。
【0049】
「シクロアルキル」または「炭素環」は、もっぱら炭素および水素原子からなり、それには縮合環系または架橋環系が含まれ得て、3〜15の炭素原子を有し、好ましくは3〜10の炭素原子を有し、飽和または不飽和であり、単結合によって分子の残りへ添付される、安定的な非芳香族の単環式または多環式の炭化水素基を指す。単環式シクロアルキル基には、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが含まれる。多環式シクロアルキル基には、例えばアダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルおよび同種のものが含まれる。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、シクロアルキル基は随意に置換される。
【0050】
「シクロアルキルアルキル」は、式−R
bR
dの基(式中、R
bは上で定義されるようなアルキレン鎖であり、R
dは上で定義されるようなシクロアルキル基である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、シクロアルキルアルキル基は随意に置換される。
【0051】
「多環式」は2つ以上の環がある任意の分子を指す。環は、縮合されるか、スピロ環か、または1つまたは複数の原子によって分離される(例えば非環式リンカーを介して連結される)のいずれかであり得る。
【0052】
「スピロ環」は、2つの環が単一炭素原子を共有する多環式分子を指す。
【0053】
「縮合された」は、本発明の化合物中の既存の環構造へ縮合された本明細書において記述される任意の環構造を指す。縮合環はヘテロシクリル環またはヘテロアリール環である場合に、縮合ヘテロシクリル環または縮合ヘテロアリール環の一部になる既存の環構造上の任意の炭素原子は、窒素原子により置き換えられ得る。
【0054】
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードを指す。
【0055】
「ハロアルキル」は、上で定義されるような1つまたは複数のハロ基によって置換された上で定義されるようなアルキル基(例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、3−ブロモ−2−フルオロプロピル、1,2−ジブロモエチルおよび同種のもの)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ハロアルキル基は随意に置換される。
【0056】
「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環式の環」は、2〜12の炭素原子、ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1〜6のヘテロ原子からからなる安定的な3〜18員の非芳香族環基を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ヘテロシクリル基は、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であり得、それには縮合環系または架橋環系が含まれ得て;ヘテロシクリル基中の窒素原子、炭素原子または硫黄原子は随意に酸化させることができ;窒素原子は随意に四級化させることができ;ヘテロシクリル基は部分的または完全に飽和させることができる。かかるヘテロシクリル基の例には、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリニルが含まれるが、これらに限定されない。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ヘテロシクリル基は随意に置換される。
【0057】
「N−ヘテロシクリル」は、少なくとも1つの窒素を含有し、ヘテロシクリル基が分子の残りへ付加される点がヘテロシクリル基中の窒素原子を介する、上で定義されるようなヘテロシクリル基を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、N−ヘテロシクリル基は随意に置換される。
【0058】
「ヘテロシクリルアルキル」は、式−R
bR
eの基(式中、R
bは上で定義されるようなアルキレン鎖であり、R
eは上で定義されるようなヘテロシクリル基であり、ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルであるならば、ヘテロシクリルは窒素原子でアルキル基へ添付され得る)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ヘテロシクリルアルキル基は随意に置換される。
【0059】
「ヘテロアリール」は、水素原子、1〜13の炭素原子、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1〜6のヘテロ原子、および少なくとも1つの芳香環を含む5〜14員の環系基を指す。本発明の目的のために、ヘテロアリール基は、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であり得、それには縮合環系または架橋環系が含まれ得て;ヘテロアリール基中の窒素原子、炭素原子または硫黄原子は随意に酸化させることができ;窒素原子は随意に四級化させることができる。例には、アゼピニルおよびアクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1−オキシドピリジニル、1−オキシドピリミジニル、1−オキシドピラジニル、1−オキシドピリダジニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、およびチオフェニル(すなわちチエニル)が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ヘテロアリール基は随意に置換される。
【0060】
「N−ヘテロアリール」は、少なくとも1つの窒素を含有し、ヘテロアリール基が分子の残りへ付加される点がヘテロアリール基中の窒素原子を介する、上で定義されるようなヘテロアリール基を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、N−ヘテロアリール基は随意に置換される。
【0061】
「ヘテロアリールアルキル」は、式−R
bR
fの基(式中、R
bは上で定義されるようなアルキレン鎖であり、R
fは上で定義されるようなヘテロアリール基である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ヘテロアリールアルキル基は随意に置換される。
【0062】
「ヒドロキシルアルキル」は、少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含むアルキル基を指す。1つまたは複数の−OH置換基は、第一級炭素原子、第二級炭素原子または第三級炭素原子上にあり得る。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ヒドロキシアルキル基は随意に置換される。
【0063】
「ヒドロキシルアルキルエーテル」は、少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含むアルキルエーテル基を指す。1つまたは複数の−OH置換基は、第一級炭素原子、第二級炭素原子または第三級炭素原子上にあり得る。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ヒドロキシルアルキルエーテル基は随意に置換される。
【0064】
「ホスフェート」は、−OP(=O)(R
a)R
b基(式中、R
aはOH、O
-またはOR
cであり;R
bは、OH、O
-、OR
c、更なるリン酸基(二リン酸塩および三リン酸塩中で)チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、R
cはカウンターイオン(例えばNa+および同種のもの)である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、リン酸基は随意に置換される。
【0065】
「ホスホ」は、−P(=O)(R
a)R
b基(式中、R
aはOH、O
-またはOR
cであり;R
bは、OH、O
-、OR
c、リン酸基(二リン酸塩および三リン酸塩中で)チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、R
cはカウンターイオン(例えばNa+および同種のもの)である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ホスホ基は随意に置換される。
【0066】
「ホスホアルキル」は、−P(=O)(R
a)R
b基(式中、R
aはOH、O
-またはOR
cであり;R
bは−Oアルキルであり、R
cはカウンターイオン(例えばNa+および同種のもの)である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ホスホアルキル基は随意に置換される。例えば、特定の実施形態において、ホスホアルキル基中のアルキル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリルもしくはホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基は随意に置換される。
【0067】
「Oホスホアルキル」は、酸素原子を介して分子の残りへ接続されるホスホアルキル基である。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、Oホスホアルキル基は随意に置換される。例えば、特定の実施形態において、Oホスホアルキル基中のアルキル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリルもしくはホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基は随意に置換される。
【0068】
「ホスホアルキルエーテル」は、−P(=O)(R
a)R
b基(式中、R
aはOH、O
-またはOR
cであり;R
bは−Oアルキルエーテル(ポリエチレンオキシドエーテル等のポリエーテルおよび同種のものが含まれる)であり、R
cはカウンターイオン(例えばNa+および同種のもの)である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ホスホアルキルエーテル基は随意に置換される。例えば、特定の実施形態において、ホスホアルキルエーテル基中のアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、ホスホ、チオホスホ、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基は随意に置換される。
【0069】
「Oホスホアルキルエーテル」は、酸素原子を介して分子の残りへ接続されるホスホアルキルエーテル基である。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、Oホスホアルキルエーテル基は随意に置換される。例えば、特定の実施形態において、Oホスホアルキルエーテル基中のアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、ホスホ、チオホスホ、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基は随意に置換される。
【0070】
「ホスホロアミダイト」は、−OP(OR
a)(NR
b2)基(式中、R
aはアルキルであり、各々のR
bは独立してHまたはアルキルである)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ホスホロアミダイト基は随意に置換される。
【0071】
「活性化されたリン」は、求核剤との反応(例えばリン原子での求核剤との反応)が可能なリンを含む任意の部分を指す。例えば、ホスホロアミダイト、およびP−ハロゲン結合を含む部分は、活性化されたリン部分の定義内に含まれる。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、活性化されたリン基は随意に置換される。
【0072】
「保護されたヒドロキシル」は、Hが保護基により可逆的に置き換えられたヒドロキシル部分を指す。保護基は当技術分野において周知である。特定の実施形態において、保護されたヒドロキシルは、エーテル(例えばアルコキシ、アルリーアルキルオキシ(arlyalkyloxy)またはアリールオキシ)であるだろう。保護されたヒドロキシルの非限定的例はジメトキシトリチルエーテルである。他の保護されたヒドロキシル部分は当技術分野において周知である。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、保護されたヒドロキシル基は随意に置換される。
【0073】
「スルフヒドリルアルキル」は、少なくとも1つのスルフヒドリル置換基を含むアルキル基を指す。1つまたは複数の−SH置換基は、第一級炭素原子、第二級炭素原子または第三級炭素原子上にあり得る。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、スルフヒドリルアルキル基は随意に置換される。
【0074】
「スルフヒドリルアルキルエーテル」は、少なくとも1つのスルフヒドリル置換基を含むアルキルエーテル基を指す。1つまたは複数の−SH置換基は、第一級炭素原子、第二級炭素原子または第三級炭素原子上にあり得る。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、スルフヒドリルアルキルエーテル基は随意に置換される。
【0075】
「スルホネート」は、−OS(O)
2R
a基(式中、R
aはアルキルまたはアリールである)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、スルホネート基は随意に置換される。
【0076】
「チオアルキル」は、式−SR
aの基(式中、R
aは1〜12の炭素原子を含有する上で定義されるようなアルキル基である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、チオアルキル基は随意に置換される。
【0077】
「チオホスフェート」は、−OP(=R
a)(R
b)R
c基(式中、R
aはOまたはSであり、R
bはOH、O
-、S
-、OR
dまたはSR
dであり;R
cは、OH、O
-、OR
d、リン酸基、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、R
dはカウンターイオン(例えばNa+および同種のもの)であり、但し、R
aはSであるか、またはR
bはS
-もしくはSR
dであり;または但し、R
aはSであり、R
bはS
-またはSR
dである)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、チオホスフェート基は随意に置換される。
【0078】
「チオホスホ」は、−P(=R
a)(R
b)R
c基(式中、R
aはOまたはSであり、R
bはOH、O
-、S
-、OR
dまたはSR
dであり;R
cは、OH、O
-、OR
d、リン酸基、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、R
dはカウンターイオン(例えばNa+および同種のもの)であり、但し、R
aはSであるか、またはR
bはS
-もしくはSR
dであり;または但し、R
aはSであり、R
bはS
-またはSR
dである)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、チオホスホ基は随意に置換される。
【0079】
「チオホスホアルキル」は、−P(=R
a)(R
b)R
c基(式中、R
aはOまたはSであり、R
bはOH、O
-、S
-、OR
dまたはSR
dであり;R
cは−Oアルキルであり、R
dはカウンターイオン(例えばNa+および同種のもの)であり、但し、R
aはSであるか、またはR
bはS
-もしくはSR
dであり;または但し、R
aはSであり、R
bはS
-またはSR
dである)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、チオホスホアルキル基は随意に置換される。例えば、特定の実施形態において、チオホスホアルキル基中のアルキル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基は随意に置換される。
【0080】
「Oチオホスホアルキル」は、酸素原子を介して分子の残りへ接続されるチオホスホアルキル基である。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、Oチオホスホアルキル基は随意に置換される。例えば、特定の実施形態において、Oチオホスホアルキル基中のアルキル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基は随意に置換される。
【0081】
「チオホスホアルキルエーテル」は、−P(=R
a)(R
b)R
c基(式中、R
aはOまたはSであり、R
bはOH、O
-、S
-、OR
dまたはSR
dであり;R
cは−Oアルキルエーテルであり、R
dはカウンターイオン(例えばNa+および同種のもの)であり、但し、R
aはSであるか、またはR
bはS
-もしくはSR
dであり;または但し、R
aはSであり、R
bはS
-またはSR
dである)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、チオホスホアルキルエーテル基は随意に置換される。例えば、特定の実施形態において、チオホスホアルキル基中のアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、ホスホ、チオホスホ、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基は随意に置換される。
【0082】
「Oチオホスホアルキルエーテル」は、酸素原子を介して分子の残りへ接続されるチオホスホアルキルエーテル基である。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、Oチオホスホアルキルエーテル基は随意に置換される。例えば、特定の実施形態において、Oチオホスホアルキル基中のアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、ホスホまたはチオホスホ、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1つまたは複数により随意に置換され、その置換基は随意に置換される。
【0083】
本明細書において使用される「置換された」という用語は、上述の基のうちの任意もの(例えばアルキル、アルキレン、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルエーテル、ポリアルキルエーテル、ヒドロキシルポリアルキルエーテル、アミノポリアルキルエーテル、アルキレンエーテル、アルキルホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、アミジル、チオアルキル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、Oアラルキル、シアノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、ホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、ホスホロアミダイト、活性化されたリン、保護されたヒドロキシル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、スルホネート、チオアルキル、チオホスホ、チオホスホアルキルおよび/またはチオホスホアルキルエーテル)の中で、少なくとも1つの水素原子が、非水素原子(ハロゲン原子(F、Cl、BrおよびI等);ヒドロキシル基、アルコキシ基およびエステル基等の基中の酸素原子;チオール基、チオアルキル基、スルホン基、スルホニル基およびスルホキシド基等の基中の硫黄原子;アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリルアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N−オキシド、イミドおよびエナミン等の基中の窒素原子;トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基およびトリアリールシリル基等の基中のシリコン原子;ならびに様々な他の基中の他のヘテロ原子等であるが、これらに限定されない)への結合によって、置き換えられることを意味する。「置換された」は、上述の基のうちの任意のものの中で、1つまたは複数の水素原子が、ヘテロ原子(オキソ、カルボニル、カルボキシルおよびエステル基中の酸素等)への高次結合(例えば二重結合または三重結合);およびイミン、オキシム、ヒドラゾンおよびニトリル等の基中の窒素によって、置き換えられることも意味する。例えば、「置換された」には、−NR
gR
h、−NR
gC(=O)R
h、−NR
gC(=O)NR
gR
h、−NR
gC(=O)OR
h、−NR
gSO
2R
h、−OC(=O)NR
gR
h、−OR
g、−SR
g、−SOR
g、−SO
2R
g、−OSO
2R
g、−SO
2OR
g、=NSO
2R
gおよび−SO
2NR
gR
hにより1つまたは複数の水素原子が置き換えられた上述の基のうちの任意のものが含まれる。「置換された」は、−C(=O)R
g、−C(=O)OR
g、−C(=O)NR
gR
h、−CH
2SO
2R
g、−CH
2SO
2NR
gR
hにより1つまたは複数の水素原子が置き換えられる上述の基のうちの任意のものも意味する。前述のものにおいて、R
gおよびR
hは同じかまたは異なり、独立して水素、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリールおよび/またはヘテロアリールアルキルである。「置換された」は、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシル基、イミノ基、ニトロ基、オキソ基、チオキソ基、ハロ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、チオアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、ハロアルキル基、ヘテロシクリル基、N−ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、ヘテロアリール基、N−ヘテロアリール基および/またはヘテロアリールアルキル基への結合によって、1つまたは複数の水素原子が置き換えられた上述の基のうちの任意のものを更に意味する。加えて、前述の置換基の各々は、上述の置換基のうちの1つまたは複数によっても随意に置換することができる。
【0084】
「蛍光性」は、特定の周波数の光を吸収することができ、異なる周波数の光を放射することができる分子を指す。蛍光は当技術分野において当業者に周知である。
【0085】
「有色性」は色スペクトル(すなわち赤色、黄色、青色および同種のもの)内の光を吸収する分子を指す。
【0086】
「リンカー」は、同じ分子の別の一部、または異なる分子、部分もしくは固体支持体(例えばマイクロ粒子)へ分子の一部を接続する、少なくとも1つの原子(炭素、酸素、窒素、硫黄、リンおよびその組み合わせ等)の連続した鎖を指す。リンカーは、共有結合または他の手段(イオン結合相互作用または水素結合相互作用等)を介して分子を接続することができる。
【0087】
本発明の目的のために、「生体分子」という用語は、核酸、炭水化物、アミノ酸、ポリペプチド、糖タンパク質、ホルモン、アプタマーおよびその混合物が含まれる多様な生物学的材料のうちの任意のものを指す。より具体的には、この用語には、RNA、DNA、オリゴヌクレオチド、修飾ヌクレオチドまたは誘導体化ヌクレオチド、酵素、受容体、プリオン、受容体リガンド(ホルモンが含まれる)、抗体、抗原および毒素、に加えて、細菌、ウイルス、血球および組織細胞が、限定されずに含まれることが意図される。本発明の視覚的に検出可能な生体分子(すなわちそれへ連結された生体分子を有する構造(I)の化合物)は、生体分子上の任意の利用可能な原子または官能基(アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基またはスルフヒドリル基等)を介して生体分子を化合物へ付加することを可能にする反応基を有する化合物と、生体分子を接触させることによって、本明細書において更に記述されるように調製される。
【0088】
「可視」および「視覚的に検出可能」という用語は、本明細書において、事前の照射または化学的活性化もしくは酵素的活性化なしに、視覚的検査によって観察可能な物質を指すように使用される。かかる視覚的に検出可能な物質は、約300〜約900nmの範囲のスペクトルの領域中の光を吸収および放射する。好ましくは、かかる物質には強い着色があり、好ましくは少なくとも約40,000、より好ましくは少なくとも約50,000、さらにより好ましくは少なくとも約60,000、なおより好ましくは少なくとも約70,000、および最も好ましくは少なくとも約80,000M
1cm
-1のモル吸光係数を有する。本発明の生体分子は、肉眼または光学ベースの検出装置(吸収分光光度計、透過型光学顕微鏡、デジタルカメラおよびスキャナが限定されずに含まれる)の補助による観察によって検出することができる。視覚的に検出可能な物質は、可視光スペクトル中の光を放射および/または吸収するものに限定されない。紫外線(UV)領域(約10nm〜約400nm)、赤外線(IR)領域(約700nm〜約1mm)中の光を放射および/または吸収する物質ならびに電磁スペクトルの他の領域中で放射および/または吸収する物質も、「視覚的に検出可能な」物質の範囲に含まれる。
【0089】
本発明の目的のために、「光安定的な可視色素」という用語は、上で定義されるように、視覚的に検出可能であり、光への曝露に際して有意に改変または分解されない化学的部分を指す。好ましくは、光安定的な可視色素は、少なくとも1時間光へ曝露された後の有意な退色または分解を示さない。より好ましくは、可視色素は、少なくとも12時間、なおより好ましくは少なくとも24時間、なおさらにより好ましくは少なくとも1週間、および最も好ましくは少なくとも1か月間の光への曝露後に安定的である。本発明の化合物および方法における使用のために適切な光安定的な可視色素の非限定例には、アゾ色素、チオインジゴ色素、キナクリドン顔料、ジオキサジン、フタロシアニン、ペリノン、ジケトピロロピロール、キノフタロンおよびトルアリーカルボニウム(truarycarbonium)が含まれる。
【0090】
本発明の視覚的に検出可能な生体分子は、特定の生体分子の存在、位置または量を決定する必要性がある様々な生化学的適用および生物医学的適用のために有用である。別の態様において、したがって、本発明は、(a)生体分子へ連結された構造(I)の化合物を含む視覚的に検出可能な生体分子を備えた生物学的な系を提供することと;(b)その可視特性によって生体分子を検出することとを含む、視覚的に生体分子を検出する方法を提供する。本発明の目的のために、「その可視特性によって生体分子を検出する」という語句は、照射または化学的活性化もしくは酵素的活性化なしに、肉眼または光学ベースの検出装置(吸収分光光度計、透過型光学顕微鏡、デジタルカメラおよびスキャナが限定されずに含まれる)の補助により生体分子が観察されることを意味する。デンシトメーターを使用して視覚的に検出可能な存在する生体分子の量を定量化することができる。例えば、2つのサンプル中の生体分子の相対量は相対的な光学的密度の測定によって決定することができる。1つの生体分子あたり色素分子の化学量論が既知であり、色素分子の吸光係数が既知であるならば、次に生体分子の絶対濃度も光学的密度の測定から決定することができる。本明細書において使用される時、「生物学的な系」という用語は、視覚的に検出可能な生体分子に加えて1つまたは複数の生体分子を含む任意の溶液または混合物を指すように使用される。かかる生物学的な系の非限定例には、細胞、細胞抽出物、組織サンプル、電気泳動ゲル、アッセイ混合物およびハイブリダイゼーション反応混合物が含まれる。
【0091】
「マイクロ粒子」は、本発明の化合物への付加のために有用な多数の小粒子(ガラスビーズ、磁性ビーズ、ポリマービーズ、非ポリマービーズおよび同種のものが含まれるが、これらに限定されない)のうちの任意のものを指す。特定の実施形態において、マイクロ粒子はポリスチレン(ポリスチレンビーズ等)を含む。
【0092】
本明細書において開示される本発明の実施形態は、異なる原子質量または質量数を有する原子によって1つまたは複数の原子を置き換えることによって同位体標識された、構造(I)のすべての化合物も包含することが意図される。開示される化合物の中へ取り込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体(それぞれ
2H、
3H、
11C、
13C、
14C、
13N、
15N、
15O、
17O、
18O、
31P、
32P、
35S、
18F、
36Cl、
123Iおよび
125I等)が含まれる。
【0093】
構造(I)の同位体標識された化合物は、一般的には当業者に公知の従来の技法によって、または以前に用いられた標識されていない試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を使用する、下記のものおよび以下の実施例中のものに類似したプロセスによって、調製することができる。
【0094】
「安定的な化合物」および「安定的な構造」は、反応混合物から有用な純度への単離および有効な治療用薬剤への製剤化を耐えるのに十分に頑強な化合物を示すことを意味する。
【0095】
「随意の」または「随意に」は、後続して記述される事象または状況が起こり得るかまたは起こり得ないこと、ならびに記述には該事象または状況が起こる事例およびそれが起こらない事例が含まれることを意味する。例えば、「随意に置換されたアルキル」は、アルキル基が置換され得るかまたは置換され得ないこと、記述には置換されたアルキル基および置換がないアルキル基の両方が含まれることを意味する。
【0096】
「塩」には酸付加塩および塩基付加塩の両方が含まれる。
【0097】
「酸付加塩」は、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸および同種のもの等であるが、これらに限定されない)、および有機酸(酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、樟脳酸、カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、蟻酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸および同種のもの等であるが、これらに限定されない)により形成される塩を指す。
【0098】
「塩基付加塩」は、無機塩基または有機塩基を遊離酸へ添加することから調製される塩を指す。無機塩基に由来する塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩および同種のものが含まれるが、これらに限定されない。有機塩基に由来する塩は、第一級アミン、第二級アミンおよび第三級アミン、天然に存在する置換アミンが含まれる置換アミン、環式アミンおよび塩基イオン交換樹脂(アンモニア等)、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂ならび同種のものの塩が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリンおよびカフェインである。
【0099】
多くの場合、結晶は本発明の化合物の溶媒和物を産生する。本発明は、記述された化合物のすべての溶媒和物を含む。本明細書において使用される時、「溶媒和物」という用語は、溶媒の1つまたは複数の分子を備えた本発明の化合物の1つまたは複数の分子を含む凝集物を指す。溶媒は水であり得、その場合には溶媒和物は水和物であり得る。あるいは、溶媒は有機溶媒であり得る。したがって、本発明の化合物は、水和物(一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物および同種のものが含まれる)に加えて、対応する溶媒和形状として存在し得る。本発明の化合物は真の溶媒和物であり得、一方で、他の事例において本発明の化合物は、外来性の水もしくは別の溶媒を単に保持するか、または水といくつかの外来性の溶媒の混合物であり得る。
【0100】
本発明の化合物、またはそれらの塩、互変異性体もしくは溶媒和物は1つまたは複数の不斉中心を含有することができ、したがって、絶対立体化学に関して(R)−もしくは(S)−としてまたはアミノ酸については(D)−もしくは(L)−として定義され得る、鏡像異性体、ジアステレオ異性体および他の立体異性形状を生じさせることができる。本発明には、かかる可能性のあるすべての異性体に加えて、それらのラセミ形状および光学的に純粋な形状が含まれることが意図される。光学活性の(+)および(−)異性体、(R)−および(S)−異性体、または(D)−および(L)−異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製することができるか、または従来の技法(例えばクロマトグラフィーおよび分別結晶)を使用して分割することができる。個別の鏡像異性体の調製/単離のための従来の技法には、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ化合物(または塩または誘導体のラセミ化合物)の分割が含まれる。本明細書において記述される化合物がオレフィン二重結合または幾何学的非対称の他の中心を含有する場合、そして特別の定めのない限り、化合物にはEおよびZの幾何異性体の両方が含まれることが意図される。同様に、すべての互変異性形状も含まれることが意図される。
【0101】
「立体異性体」は、同じ結合によって結合する同じ原子から構成されるが、交換可能ではない異なる三次元構造を有する化合物を指す。本発明は様々な立体異性体およびその混合物を企図し、その分子が重ね合わせ可能でない互いの鏡像である2つの立体異性体を指す「鏡像異性体」を含む。
【0102】
「互変異性体」は、分子の1つの原子から同じ分子の別の原子へのプロトン移動を指す。本発明は任意の前記化合物の互変異性体を含む。化合物の様々な互変異性形状は、当技術分野における当業者によって容易に誘導可能である。
【0103】
本明細書において使用される化学命名プロトコルおよび構造図は、ACD/Nameバージョン9.07ソフトウェアプログラム、および/またはChemDraw Ultraバージョン11.0ソフトウェア命名プログラム(CambridgeSoft)を使用する、I.U.P.A.C.命名法システムの修飾形式である。当業者が精通する一般的な名称も使用される。
【0104】
上で指摘されるように、本発明の一実施形態において、様々な分析方法における蛍光色素および/または有色色素として有用な化合物が提供される。化合物は以下の構造(I)
【化3】
(I)
またはその塩、立体異性体もしくは互変異性体(式中、
R
1aおよびR
1bは、各々独立してヒドロキシルまたはアルコキシであり;
R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2sおよびR2tは、各々独立してH、ハロまたは−L
1−R
3であり;
R
3は、各々の出現で、独立して、検体分子、またはヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシ、ポリアルキルエーテル、ヒドロキシルアルコキシ、アミノアルコキシ、ヒドロキシルポリアルキルエーテル、アミノポリアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、ホスホアルキルエーテル、Oホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルエーテル、Oチオホスホアルキルエーテル、ホスホロアミダイトもしくは活性化されたリンのうちの1つまたは複数により置換されたアルキルであるか;またはR
3はマイクロ粒子であり;
L
1は随意のリンカー部分である)を有する。
【0105】
他のいくつかの実施形態において、化合物は、以下の構造(Ia)または(Ib)
【化4】
(Ia)
または
【化5】
(Ib)
のうちの1つを有する。
【0106】
更なる実施形態において、化合物は、以下の構造(Ic)または(Id)
【化6】
(Ic)
または
【化7】
(Id)
のうちの1つを有する。
【0107】
さらに他の実施形態において、化合物は、以下の構造(Ie)または(If)
【化8】
(Ie)
または
【化9】
(If)
のうちの1つを有する。
【0108】
上述のもののうちのいくつかの具体的な実施形態において、化合物は構造(If)を有する。
【0109】
様々な実施形態において、R
1aまたはR
1bはヒドロキシルである。他の実施形態において、R
1aまたはR
1bはアルコキシである。例えば、いくつかの実施形態において、R
1aおよびR
1bの各々はアルコキシである。
【0110】
前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、アルコキシはC
1−C
6アルコキシ(メトキシ等)である。
【0111】
前述の実施形態の任意のもののうちのいくつかにおいて、R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2sまたはR2tのうちの少なくとも1つは、Hである。
【0112】
前述の実施形態の他のものにおいて、R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2sまたはR2tのうちの少なくとも1つは、ハロである。いくつかのより具体的な実施形態において、R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2gまたはR
2hのうちの少なくとも1つは、ハロであり、例えば、いくつかの実施形態において、R
2bはハロである。前述の実施形態の任意のもののうちのいくつかにおいて、ハロはブロモである。
【0113】
様々な他の実施形態において、R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2sまたはR2tのうちの少なくとも1つは、−L
1−R
3である。例えば、いくつかの実施形態において、R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2gまたはR
2hのうちの少なくとも1つは、−L
1−R
3である。より具体的な実施形態において、R
2bは−L
1−R
3である。
【0114】
さらに他の実施形態において、R
2bは−L
1−R
3であり、R
2a、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2sおよびR2tは、Hである。
【0115】
いくつかの実施形態において、R
3は、各々の出現で、独立して、検体分子、またはヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシ、ポリアルキルエーテル、ヒドロキシルアルコキシ、アミノアルコキシ、ヒドロキシルポリアルキルエーテル、アミノポリアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルエーテル、ホスホロアミダイトもしくは活性化されたリンのうちの1つまたは複数により置換されたアルキルであるか;またはR
3はマイクロ粒子である。前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、ホスホアルキルエーテルはOホスホアルキルエーテルである。前述の実施形態の他のものにおいて、チオホスホアルキルエーテルはOチオホスホアルキルエーテルである。
【0116】
前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、R
3は、各々の出現で、独立して、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシ、ポリアルキルエーテル、ヒドロキシルアルコキシ、アミノアルコキシ、ヒドロキシルポリアルキルエーテル、アミノポリアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルエーテル、ホスホロアミダイトもしくは活性化されたリンのうちの1つまたは複数により置換されたアルキルである。例えば、いくつかの実施形態において、R
3は、ヒドロキシル、アミノ、トリチルエーテル、ホスホロアミダイト、ホスホ、ホスホアルキルエーテル、ホスフェートおよびポリエチレングリコールから選択される1つまたは複数の置換基により置換されたアルキルである。
【0117】
前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、R
3は、各々の出現で、独立して、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシ、ポリアルキルエーテル、ヒドロキシルアルコキシ、アミノアルコキシ、ヒドロキシルポリアルキルエーテル、アミノポリアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、ホスホアルキルエーテル、Oホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルエーテル、Oチオホスホアルキルエーテル、ホスホロアミダイトもしくは活性化されたリンのうちの1つまたは複数により置換されたアルキルである。例えば、いくつかの実施形態において、R
3は、ヒドロキシル、アミノ、トリチルエーテル、ホスホロアミダイト、ホスホ、ホスホアルキルエーテル、Oホスホアルキルエーテル、ホスフェートおよびポリエチレングリコールから選択される1つまたは複数の置換基により置換されたアルキルである。
【0118】
いくつかの実施形態において、R
3は、各々の出現で、独立して、1つまたは複数のOホスホアルキルエーテルにより置換されたアルキルである。
【0119】
例えば、上述のもののうちのいくつかの実施形態において、R
3は、各々の出現で独立して、1つまたは複数のホスホアルキルエーテル基(Oホスホアルキルエーテル基等)により置換されたアルキルであり、ポリアルキルエーテルのアルキルエーテルはポリアルキルエーテル(エチレングリコール等)である。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、ホスホアルキルエーテルのアルキルエーテルは、ヒドロキシルおよび更なるホスホアルキルエーテル部分(更なるOホスホアルキルエーテル部分等)から選択される置換基により置換され、それはヒドロキシルおよび/またはアミノにより置換され得る。
【0120】
他の実施形態において、R
3は、各々の出現で、独立して、2つのOホスホアルキルエーテル基により置換されたアルキルである。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、アルキルエーテル部分はポリアルキルエーテル(ポリエチレンオキシド等)である。これらの実施形態のいくつかの他のものにおいて、アルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノおよび更なるOホスホアルキルエーテル部分から選択される1つまたは複数の置換基により置換され、更なるOホスホアルキルエーテル部分のアルキルエーテルはヒドロキシルおよび/またはアミノにより随意に置換される。
【0121】
構造(I)の化合物のうちのいくつかの実施形態が2つ以上のR
3基を含むことが理解される。かかる実施形態において、R
3基は同じかまたは異なり得る。特定の実施形態において、構造(I)の化合物は単一のR
3部分を含み、すなわち、R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2sまたはR2tのうちの1つのみが、−L
1−R
3である。
【0122】
前述のもののうちの任意のものの様々な他の実施形態において、R
3は、以下の構造
【化10】
;
【化11】
;
【化12】
;
【化13】
または
【化14】
(式中、
n
1、n
2およびn
3は各々独立して1〜6の整数であり;
xおよびyは各々独立して1〜10の整数である)のうちの1つを有する。
【0123】
上述の実施形態のうちのいくつかにおいて、n
1、n
2およびn
3は各々1である。他の実施形態において、L
1は存在せず、R
3は構造(I)の化合物の残りへ直接接続する。
【0124】
上述のものの他のいくつかの実施形態において、xは5である。他の実施形態において、yは5である。いくつかの更なる実施形態において、xおよびyは各々5である。
【0125】
いくつかの異なる実施形態において、R
3は検体分子(生体分子等)である。特定の実施形態において、R
3は、核酸、アミノ酸およびそのポリマー(例えばDNA、オリゴヌクレオチド、タンパク質、ポリペプチドおよび同種のもの)から選択される生体分子である。
【0126】
さらに他の実施形態において、R
3は生体分子であり、生体分子は、核酸、ペプチド、炭水化物、脂質、酵素、受容体、受容体リガンド、抗体、糖タンパク質、アプタマー、抗原またはプリオンである。
【0127】
いくつかの異なる実施形態において、R
3は、薬物、ビタミンおよび小分子から選択される検体分子である。
【0128】
前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、リンカーL
1は存在する。存在する場合、L
1は、好都合に、R
3と構造(I)の化合物の残りとの間での共有結合による付加を提供するように選択される。例示的なL
1部分には、O、N、S、Pおよびアルキレン結合ならびにその組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。適切なL
1基は当業者によって誘導可能である。
【0129】
他の実施形態において、L
1は存在しない。
【0130】
L
1が存在するいくつかの実施形態において、L
1は検体分子へのリン酸結合を含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、L
1は以下の構造
【化15】
(式中、n
1、n
2およびn
3は各々独立して1〜6の整数である)を有する。様々な実施形態において、n
1、n
2およびn
3は各々1である。
【0131】
構造(I)の化合物の構造は、吸収波長および/または放射波長を至適化するように選択される。したがって、様々な実施形態において、構造(I)の化合物は、約468nm〜約508nm(例えば約478nm〜約498nm)の範囲の最大吸収を有する。他の実施形態において、構造(I)の化合物は、約495nm〜約525nm(例えば約495nm〜約515nm)の範囲の最大放射を有する。例えば、特定の実施形態において、色素は約490nmでの最大吸収および約505nmでの最大放射を有する。
【0132】
いくつかのより具体的な実施形態において、構造(I)の化合物は以下の構造
【化16】
(1);
【化17】
(2);
【化18】
(3);
【化19】
(4);
【化20】
(5);または
【化21】
(6)
(式中、R
3は検体分子である)のうちの1つを有する。
【0133】
様々な他の実施形態において、本発明は、以下の構造(I′)を有する化合物
【化22】
(I′)
またはその塩(式中、
R
1aおよびR
1bは、各々独立してヒドロキシルまたはアルコキシであり;
R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2sおよびR2tは、各々独立してH、ハロまたは−L
1−R
3であり;
R
3は検体分子であり;
L
1は随意のリンカー部分であり、
R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2sまたはR2tのうちの少なくとも1つは、−L
1−R
3である)への共有結合を含む検体分子を提供する。
【0134】
検体分子は、任意の適切な検体分子(本明細書において上で記述される検体分子が含まれる)から選択することができる。
【0135】
前述の化合物および1つまたは複数の生体分子のうちの任意のものを含む組成物は、様々な他の実施形態において提供される。いくつかの実施形態において、以下でより詳細に記述されるように、1つまたは複数の生体分子の検出のための分析方法におけるかかる組成物の使用も提供される。
【0136】
上で説明されるような構造(I)の化合物の任意の実施形態、および上で説明されるような構造(I)の化合物中のR
1a、R
1b、R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2s、
R2t、L
1またはR
3可変基についての本明細書において説明される任意の具体的な選択は、構造(I)の化合物の他の実施形態および/または変数と独立して組み合わせて、具体的に上で説明されない本発明の実施形態を形成できることが、理解される。加えて、選択のリストが、特定の実施形態および/または請求項中の任意の特定のR基もしくはL基についてリストされる場合、個別の選択が特定の実施形態および/または請求項から欠失され、選択の残りのリストが、本発明の範囲内であると判断されるであろうことが理解される。
【0137】
本記述において示された式の置換基および/または可変基の組み合わせは、かかる寄与が安定的な化合物をもたらす場合に限り、許容可能であることが理解される。
【0138】
本明細書において記述されるプロセスにおいて、中間化合物の官能基が適切な保護基によって保護される必要があり得ることも、当業者によって認識されるだろう。かかる官能基には、ヒドロキシ、アミノ、メルカプトおよびカルボン酸が含まれる。ヒドロキシのために適切な保護基には、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えばt−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルおよび同種のものが含まれる。アミノ、アミジノおよびグアニジノのために適切な保護基には、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルおよび同種のものが含まれる。メルカプトのために適切な保護基には、−C(O)−R″(式中、R″はアルキル、アリールまたはアリールアルキルである)、p−メトキシベンジル、トリチルおよび同種のものが含まれる。カルボン酸のために適切な保護基には、アルキル、アリールまたはアリールアルキルエステルが含まれる。保護基は、当業者に公知であり本明細書において記述されるような標準的な技法に従って添加または除去することができる。保護基の使用は、Green,T.W.and P.G.M.Wutz、Protective Groups in Organic Synthesis(1999)、第3版、Wiley中で詳細に記述される。当業者が認識するように、保護基は、ポリマー樹脂(Wang樹脂、Rink樹脂または2−クロロトリチル−クロライド樹脂等)でもあり得る。
【0139】
更に、遊離塩基形状または遊離酸形状で存在する本発明のすべての化合物は、当業者に公知の方法による適切な無機塩基もしくは有機塩基または無機酸もしくは有機酸での処理によって、それらの塩に転換することができる。本発明の化合物の塩は標準的な技法によってそれらの遊離塩基形状または遊離酸形状へ転換することができる。
【0140】
以下の反応スキームは、本発明の化合物、すなわち構造(I)の化合物
【化23】
(I)
(式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2s、
R2t、R
3およびL
1は、上で定義された通りである)を作製する例示的な方法を例証する。
【0141】
類似の方法によって、または当業者に公知の他の方法を組み合わせることによって、当業者がこれらの化合物を製作することができることが理解される。当業者が、適切な開始構成要素を使用し、必要に応じて合成パラメーターを修飾することによって、下記に述べられるものに類似の様式で、具体的に以下に図示されない構造(I)の他の化合物も製作できるであろうことが理解される。一般に、開始構成要素は、供給源(Sigma Aldrich、Lancaster Synthesis,Inc.、Maybridge、Matrix Scientific、TCIおよびFluorochem USA等など)から得ることができるか、または当業者に公知の出典(例えばAdvanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure、第5番版(Wiley、2000年12月)を参照)に従って合成できるか、または本発明中で記述されるように調製することができる。
反応スキームI
【化24】
塩基
【0142】
反応スキームIは構造Iの化合物を調製する例示的な方法を図示する。反応スキーム1を参照して、構造AおよびBの化合物は、購入または当技術分野において当業者に周知の方法によって調製することができる。強塩基(n−ブチルリチウム等)による2当量のAの処理、続いてBとの反応は、構造(I)の化合物をもたらす。反応スキームIは構造(I)の対称的な(すなわち同一のナフチル基)化合物の調製を図示するが、その他の非対称的な構造(I)の化合物は類似の方法(例えば異なって置換されたナフチルの段階反応)によって調製できることが、当業者に容易に明らかだろう。
【0143】
更に、上述の方法によって得られた構造(I)の化合物を更に修飾して、構造(I)の異なる化合物を得ることができる。例えば、特定の実施形態において、構造(I)の化合物は少なくとも1つの部分を含む。かかる実施形態において、−L
1−R
3部分またはその前駆体は、任意の周知の方法(Suzukiカップリング)経由で組み込むことができる。検体分子(例えば生体分子)は、多くの一般的な方法のうちの任意の1つによって、随意のL
1リンカーを介して添付することができる。例えば、検体分子上の官能基と共有結合を形成することができる反応基を含めるように上述のスキームを修飾することは、検体分子の添付のための1つの手段である。反応基には、活性化されたリン化合物(例えばホスホロアミダイト)、活性化されたエステル、アミン、アルコール、および同種のものが含まれるが、これらに限定されない。かかる化合物を調製し、それを検体分子と反応させて共有結合を形成するための方法は、当技術分野において周知である。
【0144】
いくつかの実施形態において、構造(I)の化合物は、オリゴヌクレオチドへの共有結合を含む。かかる結合は、構造(I)の化合物中にホスホロアミダイト部分を含めること、および標準的なDNA合成条件下で、それをオリゴマー(またはホスホロアミダイト単量体)と反応させることによって形成することができる。DNA合成方法は当技術分野において周知である。簡潔には、2つのアルコール基は、それぞれジメトキシトリチル(DMT)基および2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノホスホロアミダイト基により官能化される。ホスホロアミダイト基は、典型的には活性化因子(テトラゾール等)の存在下においてアルコール基へカップルされ、続いてヨウ素によるリン原子の酸化が行われる。ジメトキシトリチル基を酸(例えばクロロ酢酸)により除去して遊離アルコールを曝露することができ、それはホスホロアミダイト基と反応させることができる。2−シアノエチル基はアンモニア水溶液による処理によってオリゴマー化後に除去することができる。
【0145】
オリゴマー化法において使用されるホスホロアミダイトの調製も当技術分野において周知である。例えば、第一級アルコールはDMT−C1との反応によってDMT基として保護することができる。次いで、第二級アルコールは、適切な試薬(2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト等)との反応によってホスホロアミダイトとして官能化される。ホスホロアミダイトの調製およびそれらのオリゴマー化のための方法は当技術分野において周知であり、実施例中でより詳細に記述される。
【0146】
さらに他の実施形態において、化合物は様々な分析方法において有用である。例えば、特定の実施形態において、本開示は、サンプルを染色する方法であって、該サンプルが適切な波長で照射される場合に光応答を産生するのに十分な量で、構造(I)の化合物を、該サンプルへ添加することを含む、該方法を提供する。
【0147】
前述の方法のなお他の実施形態において、R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2sまたはR2tのうちの1つは、−L
1−R
3(式中、R
3は生体分子等の検体分子である)である。例えば、いくつかの実施形態において、生体分子は、核酸、アミノ酸またはそのポリマー(例えばポリヌクレオチドまたはポリペプチド)である。なお更なる実施形態において、生体分子は、酵素、受容体、受容体リガンド、抗体、糖タンパク質、アプタマーまたはプリオンである。
【0148】
前述の方法のなお他の実施形態において、R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2sまたはR2tのうちの1つは、−L
1−R
3(式中、R
3はマイクロ粒子である)である。例えば、いくつかの実施形態において、マイクロ粒子はポリマービーズまたは非ポリマービーズである。
【0149】
なお更なる実施形態において、前記光応答は蛍光応答である。
【0150】
他の実施形態において、前記サンプルは細胞を含み、いくつかの実施形態はフローサイトメトリーによって前記細胞を観察することを更に含む。
【0151】
なお更なる実施形態において、方法は、蛍光応答を、検出可能に異なる光学的特性を有する第2の蛍光団の蛍光応答から区別することを更に含む。
【0152】
他の実施形態において、本開示は、
(a)構造(I)の化合物(式中、R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2sまたはR2tのうちの1つは、−L
1−R
3であり、R
3は生体分子である)を提供することと;
(b)その可視特性によって化合物を検出することと
を含む、生体分子を視覚的に検出する方法を提供する。
【0153】
例えば、いくつかの実施形態において、生体分子は、核酸、アミノ酸またはそのポリマー(例えばポリヌクレオチドまたはポリペプチド)である。なお更なる実施形態において、生体分子は、酵素、受容体、受容体リガンド、抗体、糖タンパク質、アプタマーまたはプリオンである。
【0154】
他の実施形態において、視覚的に生体分子を検出する方法であって、
(a)1つまたは複数の生体分子と前述の化合物のうちの任意のものを混合することと;
(b)その可視特性によって化合物を検出することと
を含む、該方法が提供される。
【0155】
上で指摘されるように、構造(I)の化合物の特定の実施形態は、検体分子(例えば生体分子)またはそれへ添付された(コンジュゲートされた)リガンドを含む。付加は、例えば共有結合、イオン結合、デーテッド(dated)結合、水素結合および分子結合の他の形状によるものであり得る。
【0156】
複数のタイプの検体分子は、構造(I)の化合物へのコンジュゲーションのために適切である。例えば、本発明の有用なコンジュゲートされた基質には、それへ添付された検体分子を含む構造(I)の化合物(本明細書において「コンジュゲートされた基質」と称される)が含まれるが、これらに限定されず、検体分子は、抗原、小分子、ステロイド、ビタミン、薬物、ハプテン、代謝物質、毒素、環境汚染物質、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、光増感剤、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、炭水化物、脂質、イオン錯化部分および非生物学的ポリマーから選択される。1つの例示的な実施形態において、コンジュゲートされた基質は、天然もしくは合成のアミノ酸、天然もしくは合成ペプチドもしくはタンパク質、またはイオン錯化部分である。例示的なペプチドには、プロテアーゼ基質、タンパク質キナーゼ基質、ホスファターゼ基質、ニューロペプチド、サイトカインおよび毒素が含まれるが、これらに限定されない。例示的なタンパク複合体には、酵素、抗体、レクチン、糖タンパク質、ヒストン、アルミン、リポタンパク質、アビジン、ストレプトアビジン、プロテインA、プロテインG、カゼイン、フィコビリンタンパク質、他の蛍光タンパク質、ホルモン、毒素、増殖因子、および同種のものが含まれる。
【0157】
構造(I)の化合物の残りへの検体分子の付加点は、実施形態に依存して、変動させることができるだろう。更に、リンカーの使用は随意であり、すべての実施形態において要求されないが、いくつかの実施形態は検体分子と構造(I)の化合物の残りとの間にリンカー(L
1)を含む。構造(I)の化合物は2つ以上の検体分子を含み得ることも想定される。例えば、2または3以上の検体分子が化合物(I)のナフチル環および/またはアントラセン環へコンジュゲートされ得る。
【0158】
様々なタイプの検体分子へ色素を連結する複数の方法は当技術分野において周知である。例えば、検体分子へ色素をコンジュゲートする方法は、R.Haugland、The Handbook:A Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies、第9版、2002年、Molecular Probes,Inc.、およびその中で引用された参照;およびBrindley、1992年、Bioconjugate Chem.3:2(それらはすべて参照により本明細書に援用される)中で記述される。一例として、本開示の化合物は、アミド結合、エステル結合、エーテル結合もしくはチオエーテル結合を介する1つもしくは複数のプリン塩基もしくはピリミジン塩基によるDNAもしくはRNAへの共有結合を含み得るか;またはエステル、チオエステル、アミド、エーテルもしくはチオエーテルである結合によってリン酸塩もしくは炭水化物へ添付される。あるいは、構造(I)の化合物は化学的後修飾(白金試薬等による)によって、または光活性化可能な分子(コンジュゲートされたソラレン等)を使用して、核酸へ結合され得る。
【0159】
本発明の化合物は多くの適用において有用であり、それらには、米国特許第7,172,907号;第5,268,486号;ならびに米国特許第20040014981号;および第20070042398号中で他の色素について記述されるものが含まれ、そのすべてはその全体を参照することにより本明細書に援用される。例えば、蛍光色素(本明細書において記述されるもの等)は、蛍光寿命、異方性、光誘起電子移動、光退色回復および非放射性移動が含まれるがこれらに限定されない蛍光検出に基づくもの等の技法によるイメージングにおいて、使用することができる。構造(I)の化合物は、それ自体として、すべての蛍光ベースのイメージング、顕微鏡検査、および分光法技法(そのようなものに対するバリエーションが含まれる)において利用することができる。加えて、それらは光線力学療法のためにおよび多重モードイメージングにおいても使用することができる。例示的な蛍光検出技法には、系内で生成された蛍光の検出に関与するものが含まれる。かかる技法には、蛍光顕微鏡法、蛍光活性化細胞選別(FACS)、蛍光フローサイトメトリー、蛍光相関分光法(FCS)、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)、多光子イメージング、拡散光トモグラフィー、細胞および組織中の分子イメージング、ナノメートル精度の蛍光イメージング(FIONA)、フリーラジカル開始ペプチド配列(FRIP)、ならびに膜電位の第二高調波網膜イメージング(SHRIMP)に加えて、当技術分野において公知の他の方法が含まれるが、これらに限定されない。
【0160】
あるいは、構造(I)の化合物は、生細胞中の動的挙動を追跡するマーカーまたはタグとして使用することができる。この点に関して、光退色後蛍光回復(FRAP)を被験化合物と組み合わせて用いて、高強度レーザーにより対象となる領域内の蛍光分子を選択的に破壊し、続いて低強度レーザー光線により一定の期間にわたって退色した領域の中への新しい蛍光分子の回復をモニターすることができる。FRAPの変形には、極性化FRAP(pFRAP)、光退色蛍光減衰(FLIP)、および光退色後蛍光局在(FLAP)が含まれるが、これらに限定されない。FRAPおよびFRAPの変形からもたらされる情報を使用して、力学的特性(蛍光標識した分子の拡散係数、可動性画分および輸送率が含まれる)を決定することができる。かかる光退色ベースの技法についての方法は、Braeckmans,K.et al,Biophysical Journal 85:2240−2252,2003;Braga,J.et al,Molecular Biology of the Cell 15:4749−4760,2004;Haraguchi,T.,Cell Structure and Function 27:333−334,2002;Gordon,G.W.et al,Biophysical Journal 68:766−778,1995中で記述され、それらの全体は参照によりすべて本明細書に援用される。
【0161】
他の蛍光イメージング技法は非放射性エネルギー移動反応に基づき、それはドナーとアクセプターとの間のエネルギー移動の均一発光アッセイである。被験蛍光色素の使用を用いることができる技法には、FRET、FET、FP、HTRF、BRET、FLIM、FLI、TR−FRET、FLIE、smFRETおよびSHREKが含まれるが、これらに限定されない。これらの技法はすべてFRETの変形である。
【0162】
被験化合物は、バイオセンサー(Ca
2+イオン指示薬等;pH指示薬;リン酸化指示薬、または他のイオン(例えばマグネシウム、ナトリウム、カリウム、塩化物、ハロゲン化物)の指示薬)として使用することができる。例えば、生化学過程は、多くの場合環境のpHの同時変化による生体分子のプロトン化および脱プロトンを伴っている。異なるpH感受性基によるメソ位での置換は、異なるpKaを備えた多様なNIR蛍光pHセンサーを生成する。効果的であるために、メソ位での置換基は、蛍光団コアを備えた延長されたπコンジュゲーションであり、異なるpH環境に応答する顕著なスペクトル変化が達成される。
【0163】
開示される化合物の使用は分析方法に一切限定されない。様々な実施形態において、化合物は様々な適用において着色剤または色素として使用される。この点において、もし化合物がその所望される色特性および/または吸収特性および/または発光特性を維持するならば、コアのアントラセンおよび/またはナフタレン部分上の置換基は特に限定されない。本目的のための適切な置換基の選択は、当業者の技能内である。したがって、いくつかの実施形態において、色素または着色剤として有用な化合物は、以下の構造(I″)
【化25】
(I″)
またはその塩(式中、R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2sおよびR2tは、各々独立して、Hまたは置換基であり、置換基は、化合物の所望される色特性および/または放射/吸収特性に基づいて選択される)を有して、提供される。
【0164】
構造(I″)の化合物の特定の実施形態において、R
1aおよびR
1bは、各々独立してヒドロキシルまたはアルコキシであり;R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、R
2h、R
2i、R
2j、R
2k、R
2l、R
2m、R
2n、R
2o、R
2p、R
2q、R
2r、R
2sおよびR2tは、各々独立してH、ハロまたはアルキルである。
【0165】
いくつかの実施形態において、本明細書において開示される化合物(例えば(I)、(I′)および/または(I″))は、生地、プラスチック、塗料および/または安全装置(例えば反射材料、非常灯、グロースティックなど)中の色素または着色剤として、有用性が見出される。当業者は、開示される化合物についての他の使用を容易に認識するだろう。
【0166】
以下の実施例は、限定ではなく例証の目的のために提供される。
【実施例】
【0167】
一般的な方法
【0168】
1H NMRスペクトルはJEOL 400MHzのスペクトロメーター上で得た。
1HスペクトルはTMSに対して参照された。逆相HPLCの色素分析は、45℃で保持した2.1mm×50mmのAcquity BEH−C18カラムを備えたWaters Acquity UHPLCシステムを使用して遂行した。質量スペクトル解析は、MassLynx 4.1捕捉ソフトウェアを使用して、Waters/Micromass QuattroマイクロMS/MSシステム(MSのみのモードで)上で遂行した。色素に対するLC/MSのために使用した移動相は、100mMの1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP)、8.6mMのトリエチルアミン(TEA)、pH8であった。ホスホロアミダイトおよび前駆体分子は、Aapptec(c)Spirit(TM)ペプチドC18カラム(4.6mm×100mm、5μm粒子サイズ)を使用するダイオードアレイ検出器および高性能オートサンプラーを備えたAgilent Infinity 1260 UHPLCシステムを使用して分析した。単量体中間体についての分子量を、トロピリウムカチオン注入増強イオン化(tropylium cation infusion enhanced ionization)を使用して得た。励起および放射のプロファイル実験をCary Eclipseスペクトル光度計で記録した。
【0169】
すべての反応は特別の指示の無い限り窒素雰囲気下でオーブン乾燥したガラス器中で実行した。商業的に入手可能なDNA合成試薬はGlen Research(Sterling、VA)から購入した。無水ピリジン、トルエン、ジクロロメタン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、酢酸、ピリジンおよびTHFは、Aldrichから購入した。他のすべての化学物質はAldrichまたはTCIから購入し、追加の精製なしにそのままで使用した。
実施例1
2−ブロモ−9,10−ビス((6−メトキシナフタレン−1−イル)エチニル)アントラセン(1)の合成
【化26】
(1)
【0170】
清浄な乾燥した200mLの丸底フラスコを窒素および無水THF(40mL)によりフラッシングした。1−エチニル−6−メトキシナフタレン(2.0g、10.9mmol)を添加し、次いでそのフラスコを窒素雰囲気下のアセトンドライアイス浴中で30分間冷却した。冷却に際して、ヘキサン中の2.5MのnBuLi(4.4mL、10.9mmol)を滴加し、反応物を1時間撹拌したままにした。2−ブロモアントラキノン(1.05g、3.6mmol)およびエーテル(30mL)を添加し、その後、反応物をそのままにして室温へ暖め、一晩撹拌した。次いで1MのHC1中の0.1MのSnCl
2の溶液(44mL)を1つの小分けで添加した。2時間後に、反応混合物をメタノール(200mL)の中へ注ぎ、もたらされたスラリーを1時間撹拌した。赤色固体を濾過によって単離し、真空下で乾燥した(1.15g、51%)。
【0171】
化合物1の
1H NMRスペクトルを
図1中で図示する。215〜500nmの化合物のRPの全ダイオードアレイクロマトグラムを、
図2中で図示する。化合物1の質量スペクトルを
図3中で図示する。
実施例2
3−(9,10−ビス((6−メトキシナフタレン−1−イル)エチニル)アントラセン−2−イル)−2−((ビス4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)プロパン−1−オール(2)の合成
【化27】
(2)
【0172】
コンデンサーを取り付けた250mLの丸底フラスコに、窒素および無水THF(50mL)をパージし、続いて2−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)プロプ−2−エン−1−オール(2.2g、5.6mmol)を添加した。THF中の0.5Mの9−BBN(30.7mL、14.0mmol)をシリンジを介して添加し、反応物を12時間加熱還流した。反応物をそのままにして室温へ冷却した後に、3MのK
2CO
3(2.4ml)および無水THF(150mL)を添加した。化合物1(1.74g、2.8mmol)およびPdCl
2(dppf)(0.41g、0.56mmol)を添加し、溶液を6時間還流し、2時間にわたってそのままにして室温へ冷却した。反応混合物をCH
2Cl
2(300mL)の中へ注ぎ、H
2O(300mL)により洗浄した。水層を追加のCH
2Cl
2(100mL)により戻して抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl(300mL)により洗浄し、Na
2SO
4の上で乾燥し、粘稠なゴムへと真空下で濃縮した。単離された粗製産物を洗浄し、次いでCH
2Cl
2:ヘキサンの(100:0v/v)〜(0:100v/v)の勾配により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、赤色固体(1.0g、35%)として3を得た。化合物2の
1H NMRスペクトルを
図4中で図示する。215〜500nmの化合物のRPの全ダイオードアレイクロマトグラムを、
図5中で図示する。化合物2の質量スペクトルを
図6中で図示する。
実施例3
3−(9,10−ビス((6−メトキシナフタレン−1−イル)エチニル)アントラセン−2−イル)−2−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)プロピル2−シアノエチルジイソプロピルホスホロアミダイト(3)の合成
【化28】
(3)
【0173】
乾燥した100mLの丸底フラスコを窒素によりパージし、続いてCH
2Cl
2(20mL)および化合物3(0.20g、0.21mmol)を添加した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.18mL、10.7mmol)および2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(0.15mL、0.6mmol)を、シリンジを介して添加した。室温での撹拌の1時間後に、TLC分析によって反応が完了していることを決定した。次いで粗製反応混合物を黒っぽいゴムへと真空下で濃縮した。残留物をアセトニトリル中で溶解し、濃縮乾固し、更なる精製なしに色素アセンブリーのために使用した。
実施例4
オリゴヌクレオチド色素の合成
【0174】
化合物3を使用して、1μmスケールでApplied Biosystems 394 DNA/RNAシンセサイザー上で更なる色素化合物を調製した。化合物は3′リン酸基を含んでいた。色素をCPGビーズまたはポリスチレン固体支持体上で直接合成した。標準的な固相DNA方法によって、3′から5′の方向で色素を合成した。カップリング法は標準的なβ−シアノエチルホスホロアミダイト化学条件を用いた。すべてのホスホロアミダイト単量体をアセトニトリル/ジクロロメタン(0.1M溶液)中で溶解し、以下の合成周期を使用して連続した順序で添加した。1)トルエン中のジクロロ酢酸による5′−ジメトキシトリチル保護基の除去、2)アセトニトリル中の活性化因子試薬による次のホスホロアミダイトのカップリング、3)ヨウ素/ピリジン/水による酸化、および4)無水酢酸/1−メチルイミジゾール(methylimidizole)/アセトニトリルによるキャッピング。5′−オリゴフロロシド(oligofloroside)がアセンブルされるまで、合成周期を反復した。鎖アセンブリーの末端で、モノメトキシトリチル(MMT)基またはジメトキシトリチル(DMT)基をジクロロメタン中のジクロロ酢酸またはトルエン中のジクロロ酢酸により除去した。濃水酸化アンモニウム水溶液を室温で2〜4時間使用して、色素を固体支持体から切断した。産物を真空下で濃縮し、Sephadex G−25カラムを使用して主産物を単離し、それは
図7中で示されるようなRP−HPLCトレースを与える(化合物5)。
図8は、上述の手順に従って調製された色素についてのマススペクトルデータを示す(化合物5)。支持への化合物3のカップリング続いて、標準的な切断および脱保護による上述の一般的な手順に従って、化合物4を調製した。
【0175】
例示的な化合物についてのエレクトロスプレー質量分析によって決定された構造、スペクトル特性および分子量(MW))を、表1中で提示する。
表1。代表的な中間体およびオリゴヌクレオチド色素配列、ならびにそれらの観察された質量および光学的特性。
【0176】
米国特許、米国特許出願公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および本明細書中で参照される非特許出版物のすべて(2014年1月16日に出願された米国仮特許出願シリアル番号61/928,147号が含まれる)は、それら全体が本記述と矛盾しない程度まで、参照により本明細書に援用される。
【0177】
前述のことから、本発明の具体的な実施形態は例証の目的のために本明細書において記述されたが、様々な修飾は本発明の趣旨および範囲に反せずに行われ得ることが認識されるだろう。したがって、本発明は、添付の請求項によって以外は限定されない。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕以下の構造(I)を有する化合物
(I)
またはその塩、立体異性体もしくは互変異性体(式中、
R1aおよびR1bは、各々独立してヒドロキシルまたはアルコキシであり;
R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、R2j、R2k、R2l、R2m、R2n、R2o、R2p、R2q、R2rおよびR2sは、各々独立してH、ハロまたは−L1−R3であり;
R3は、各々の出現で、独立して、検体分子、またはヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシ、ポリアルキルエーテル、ヒドロキシルアルコキシ、アミノアルコキシ、ヒドロキシルポリアルキルエーテル、アミノポリアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、ホスホアルキルエーテル、Oホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルエーテル、Oチオホスホアルキルエーテル、ホスホロアミダイトもしくは活性化されたリンのうちの1つまたは複数により置換されたアルキルであるか;またはR3はマイクロ粒子であり;
L1は任意のリンカー部分である)。
〔2〕前記化合物が以下の構造(Ia)または(Ib)
(Ia)
または
(Ib)
のうちの1つを有する、前記〔1〕に記載の化合物。
〔3〕前記化合物が以下の構造(Ic)または(Id)
(Ic)
または
(Id)
のうちの1つを有する、前記〔1〕に記載の化合物。
〔4〕前記化合物が以下の構造(Ie)または(If)
(Ie)
または
(If)
のうちの1つを有する、前記〔1〕に記載の化合物。
〔5〕前記化合物が構造(If)を有する、前記〔4〕に記載の化合物。
〔6〕R1aまたはR1bがヒドロキシルである、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔7〕R1aまたはR1bがアルコキシである、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔8〕R1aおよびR1bの各々がアルコキシである、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔9〕アルコキシがC1−C6アルコキシである、前記〔7〕または〔8〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔10〕C1−C6アルコキシがメトキシである、前記〔9〕に記載の化合物。
〔11〕R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、R2j、R2k、R2l、R2m、R2n、R2o、R2p、R2q、R2rまたはR2sのうちの少なくとも1つがHである、前記〔1〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔12〕R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、R2j、R2k、R2l、R2m、R2n、R2o、R2p、R2q、R2rまたはR2sのうちの少なくとも1つがハロである、前記〔1〕〜〔11〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔13〕R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2gまたはR2hのうちの少なくとも1つがハロである、前記〔12〕に記載の化合物。
〔14〕R2bがハロである、前記〔13〕に記載の化合物。
〔15〕ハロがブロモである、前記〔12〕〜〔14〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔16〕R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、R2j、R2k、R2l、R2m、R2n、R2o、R2p、R2q、R2rまたはR2sのうちの少なくとも1つが、−L1−R3である、前記〔1〕〜〔13〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔17〕R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2gまたはR2hのうちの少なくとも1つが、−L1−R3である、前記〔1〕〜〔13〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔18〕R2bが−L1−R3である、前記〔17〕に記載の化合物。
〔19〕R2a、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、R2j、R2k、R2l、R2m、R2n、R2o、R2p、R2q、R2rおよびR2sがHである、前記〔18〕に記載の化合物。
〔20〕R3が、各々の出現で、独立して、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシ、ポリアルキルエーテル、ヒドロキシルアルコキシ、アミノアルコキシ、ヒドロキシルポリアルキルエーテル、アミノポリアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、ホスホアルキルエーテル、Oホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルエーテル、Oチオホスホアルキルエーテル、ホスホロアミダイトもしくは活性化されたリンのうちの1つまたは複数により置換されたアルキルである、前記〔16〕〜〔19〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔21〕R3が、各々の出現で、独立して、ヒドロキシル、アミノ、トリチルエーテル、ホスホロアミダイト、ホスホ、ホスホアルキルエーテル、Oホスホアルキルエーテル、ホスフェートおよびポリエチレングリコールから選択される1つまたは複数の置換基により置換されたアルキルである、前記〔20〕に記載の化合物。
〔22〕R3が、各々の出現で、独立して、1つまたは複数のOホスホアルキルエーテル基により置換されたアルキルである、前記〔20〕に記載の化合物。
〔23〕R3が、各々の出現で、独立して、以下の構造
;
;
;
または
(式中、
n1、n2およびn3は各々独立して1〜6の整数であり;
xおよびyは各々独立して1〜10の整数である)のうちの1つを有する、前記〔21〕に記載の化合物。
〔24〕n1、n2およびn3が各々1である、前記〔23〕に記載の化合物。
〔25〕L1が存在しない、前記〔23〕または〔24〕に記載の化合物。
〔26〕R3が、各々の出現で、独立して検体分子である、前記〔16〕〜〔19〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔27〕前記検体分子が生体分子である、前記〔26〕に記載の化合物。
〔28〕前記生体分子が、核酸、アミノ酸またはそのポリマーである、前記〔27〕に記載の化合物。
〔29〕前記生体分子が、核酸、ペプチド、炭水化物、脂質、酵素、受容体、受容体リガンド、抗体、糖タンパク質、アプタマー、抗原またはプリオンである、前記〔27〕に記載の化合物。
〔30〕前記検体分子が薬物、ビタミンまたは小分子である、前記〔27〕に記載の化合物。
〔31〕L1が存在する、前記〔22〕〜〔30〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔32〕L1が検体分子へのリン酸結合を含む、前記〔31〕に記載の化合物。
〔33〕L1が、以下の構造
(式中、n1、n2およびn3は各々独立して1〜6の整数である)を有する、前記〔32〕に記載の化合物。
〔34〕n1、n2およびn3が各々1である、前記〔33〕に記載の化合物。
〔35〕前記化合物が、以下の構造
(1);
(2);
(3);
(4);
(5);または
(6)
(式中、R3は検体分子である)のうちの1つを有する、前記〔1〕に記載の化合物。
〔36〕以下の構造(I′)を有する化合物
(I′)
またはその塩、(式中、
R1aおよびR1bは、各々独立してヒドロキシルまたはアルコキシであり;
R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、R2j、R2k、R2l、R2m、R2n、R2o、R2p、R2q、R2rおよびR2sは、各々独立してH、ハロまたは−L1−R3であり;
R3は、各々の出現で、独立して検体分子であり;
L1は任意のリンカー部分であり、
R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、R2j、R2k、R2l、R2m、R2n、R2o、R2p、R2q、R2rまたはR2sのうちの少なくとも1つは、−L1−R3である)への共有結合を含む、検体分子。
〔37〕サンプルを染色する方法であって、該サンプルが適切な波長で照射される場合に光応答を産生するのに十分な量で、前記〔36〕に記載の検体分子を、該サンプルへ添加することを含む、該方法。
〔38〕前記光応答が蛍光応答である、前記〔37〕に記載の方法。
〔39〕前記サンプルが細胞を含む、前記〔37〕〜〔38〕のいずれか一項に記載の方法。
〔40〕フローサイトメトリーによって前記細胞を観察することを更に含む、前記〔39〕に記載の方法。
〔41〕前記蛍光応答を、検出可能に異なる光学的特性を有する第2の蛍光団の蛍光応答から区別することを更に含む、前記〔40〕に記載の方法。
〔42〕検体分子を視覚的に検出する方法であって、
(a)前記〔36〕に記載の化合物を提供することと;
(b)その可視特性によって前記化合物を検出することと
を含む、該方法。
〔43〕生体分子を視覚的に検出する方法であって、
(a)前記〔1〕〜〔36〕のいずれか一項に記載の化合物を1つまたは複数の生体分子と混合することと;
(b)その可視特性によって前記化合物を検出することと
を含む、該方法。
〔44〕前記〔1〕〜〔36〕のいずれか一項に記載の化合物および1つまたは複数の生体分子を含む、組成物。
〔45〕1つまたは複数の生体分子の検出のための分析方法における前記〔44〕に記載の組成物の使用。