(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各本体ハーフセグメントにおける胴部の長さ分に限っては、その左右両サイド縁取り接合面から横方向へ水平な左右両サイド縁取りリブが連続的に張り出し形成されており、その左右両サイド縁取りリブ同士でも合掌状態に貼り合わせ又は融合一体化されていることを特徴とする請求項1記載の魚釣り用のイカ形ソフトルアー。
断面円形の組立状態にある中空本体の前端を弾丸形の胴部として、その胴部の先端に使用される釣り糸の太さよりも細い釣り糸挿通孔を開口形成する一方、上記中空本体の後端を円筒形の頭部よりも径小な円筒形の釣り針取付部として、
予じめ先端部に釣り針が付属一体化された釣り糸を、吹流し形態の足部から上記本体の釣り針取付部と頭部を経て、上記胴部の釣り糸挿通孔から前方へ導出配線することにより、
上記本体を釣り糸に沿って前後方向へ滑り移動できるように設定したことを特徴とする請求項1記載の魚釣り用のイカ形ソフトルアー。
断面円形の組立状態にある中空本体の後端を、円筒形の頭部よりも径小な円筒形の釣り針取付部として、その頭部と釣り針取付部との境界位置に径大な足部係止フランジを張り出し形成すると共に、
足部の基端を側断面ほぼ三角形の帯状取付面として上記本体の頭部へ、その取付面と吹流し短冊片との境界をなす位置決め段部が上記足部係止フランジに係止する状態に貼り付け一体化して、
上記本体の釣り針取付部を足部の吹流し短冊片により周囲から被覆して、その釣り針取付部に取り付け使用される釣り針を、外部から見え難く陰蔽することを特徴とする請求項1記載の魚釣り用のイカ形ソフトルアー。
断面円形の組立状態にある中空本体の後端を円筒形の釣り針取付部として、その釣り針取付部に釣り針を後方から抜き差し自在に差し込み使用できる上下一対の円形な釣り針挿通孔又は/及び左右一対のコ字形の釣り針受け入れ凹溝を開口形成したことを特徴とする請求項1記載の魚釣り用のイカ形ソフトルアー。
胴部用転写シートと頭部用転写シート並びに足部用転写シートに共通するホログラムシートを、紙質基材シートとホログラム形成樹脂シート並びにそのホログラム形成面に融着又は蒸着された金属反射層とから成る積層体として、
その金属反射層の表面に生餌となるイカの外観状態を印象づけるリアルな着色又は/及び模様を、オフセット印刷方式によってカラー印刷したことを特徴とする請求項1記載の魚釣り用のイカ形ソフトルアー。
胴部用転写シートと頭部用転写シート並びに足部用転写シートに共通するホログラムシートを、紙質基材シートとホログラム形成樹脂シート並びにそのホログラム形成面に融着又は蒸着された金属反射層とから成る積層体として、
その金属反射層の表面に着色又は/及び模様をオフセット印刷方式によってカラー印刷すると共に、
上記胴部用転写シートと頭部用転写シートはこれらを各本体ハーフセグメントの対応する胴部と頭部へ裏側から貼り付け一体化した後、その各本体ハーフセグメントを断面円形の中空本体に組み立てる前に、それらの転写シートにおけるホログラムシートの紙質基材シートだけを除去することを特徴とする請求項8記載の魚釣り用イカ形ソフトルアーの製造法。
各足部ハーフセグメントをその全体的な長方形や台形の輪郭形状に成形して、その裏面にこれと同じ大きさ・輪郭形状の各足部用転写シートを貼り付けた後、その長手方向に沿って多数の割り溝を切り込み加工することにより、各足部ハーフセグメントの吹流し短冊片を形作ることを特徴とする請求項8記載の魚釣り用イカ形ソフトルアーの製造法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1〜5に開示のイカ形ルアーは、そのイカ形状の胴部から足部(吹流し部)に至るまでの全体として、柔軟性を有するポリ塩化ビニル樹脂やシリコン系樹脂などの熱可塑性樹脂から一体成形されたものであるため、捕獲対象魚(マグロ)の生餌(イカ)と酷似した外観状態となる色調(着色又は/及び模様)を施す方法としては、その成形材料中にラメ(光輝性の微細な破片)を混入させたり、表面(外周面)を着色塗装したり、予じめカラー印刷したフィルムや予じめホログラム処理したシールを、表面(外周面)へ貼り付けたりするほかない。
【0005】
そのため、上記塗膜やフィルム、シールが剥がれたり、変色したりするおそれがあり、耐候性や耐擦性などに劣る。
【0006】
それにもまして、上記色調(着色又は/及び模様)をそのイカ形ルアーの背側と腹側との上下相互間や、胴部側と足部(吹流し部)側との前後相互間において、相違・変化させることができず、その相違・変化した豊富な組合せ(バラエティ)を得られないのである。
【0007】
つまり、釣り人の好みや捕獲対象魚の種別、使用上の諸条件などに広く対応することができない結果、未だ釣り人にとって不便であり、釣り果を向上させることにも役立っていない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこのような課題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では柔軟な透明の熱可塑性樹脂から捕獲対象魚の生餌となるイカの足部を除く本体の概略輪郭形状に成形された上下一対の本体ハーフセグメントと、
【0009】
同じくイカにおける足部の吹流し形態に作成された上下一対の足部ハーフセグメントと、
【0010】
各本体ハーフセグメントの胴部とほぼ同じ大きさ並びにほぼ相似な輪郭形状をなす上下一対の胴部用転写シートと、
【0011】
同じく各本体ハーフセグメントの頭部とほぼ同じ大きさ並びにほぼ相似な輪郭形状をなす上下一対の頭部用転写シートと、
【0012】
各足部ハーフセグメントの吹流し短冊片とほぼ同じ大きさ並びに輪郭形状をなす上下一対の足部用転写シートとを備え、
【0013】
上記胴部用転写シートと頭部用転写シート並びに足部用転写シートは、何れもホログラムシートのホログラム形成面に上記生餌となるイカの外観状態を印象づけるリアルな着色又は/及び模様がカラー印刷されたものであり、
【0014】
その胴部用転写シートと頭部用転写シートを各本体ハーフセグメントの対応する胴部と頭部へ何れも裏側から、その着色又は/及び模様が各本体ハーフセグメントの表側からホログラム像との混合状態に透視され得る関係として貼り付けた状態にある本体ハーフセグメントの上下一対が、
【0015】
その左右両サイド縁取り接合面同士の合掌状態に貼り合わせ又は融合一体化されることにより、断面円形の中空本体に組み立てられていると共に、
【0016】
上記足部用転写シートを各足部ハーフセグメントの吹流し短冊片へ何れも裏側から、その着色又は/及び模様が各足部ハーフセグメントの表側からホログラム像との混合状態に透視され得る関係として貼り付けた状態にある足部ハーフセグメントの上下一対が、
【0017】
上記断面円形の組立状態にある中空本体の頭部へ、上下方向から全体的な円形に貼り付け一体化されていることを特徴とする。
【0018】
また、請求項2では各本体ハーフセグメントの頭部から一対の目玉被覆面を左右方向へ円弧状に張り出し形成すると共に、
【0019】
その各本体ハーフセグメントの左右両サイド縁取り接合面同士が貼り合わせ又は融合一体化された組立状態のもとで、イカの円形な目玉となる半円形の目玉を、上記目玉被覆面の裏側凹曲面に着色塗装していることを特徴とする。
【0020】
請求項3では各本体ハーフセグメントにおける胴部の長さ分に限っては、その左右両サイド縁取り接合面から横方向へ水平な左右両サイド縁取りリブが連続的に張り出し形成されており、その左右両サイド縁取りリブ同士でも合掌状態に貼り合わせ又は融合一体化されていることを特徴とする。
【0021】
請求項4では断面円形の組立状態にある中空本体の前端を弾丸形の胴部として、その胴部の先端に使用される釣り糸の太さよりも細い釣り糸挿通孔を開口形成する一方、上記中空本体の後端を円筒形の頭部よりも径小な円筒形の釣り針取付部として、
【0022】
予じめ先端部に釣り針が付属一体化された釣り糸を、吹流し形態の足部から上記本体の釣り針取付部と頭部を経て、上記胴部の釣り糸挿通孔から前方へ導出配線することにより、
【0023】
上記本体を釣り糸に沿って前後方向へ滑り移動できるように設定したことを特徴とする。
【0024】
請求項5では断面円形の組立状態にある中空本体の後端を、円筒形の頭部よりも径小な円筒形の釣り針取付部として、その頭部と釣り針取付部との境界位置に径大な足部係止フランジを張り出し形成すると共に、
【0025】
足部の基端を側断面ほぼ三角形の帯状取付面として上記本体の頭部へ、その取付面と吹流し短冊片との境界をなす位置決め段部が上記足部係止フランジに係止する状態に貼り付け一体化して、
【0026】
上記本体の釣り針取付部を足部の吹流し短冊片により周囲から被覆して、その釣り針取付部に取り付け使用される釣り針を、外部から見え難く陰蔽することを特徴とする。
【0027】
請求項6では断面円形の組立状態にある中空本体の後端を円筒形の釣り針取付部として、その釣り針取付部に釣り針を後方から抜き差し自在に差し込み使用できる上下一対の円形な釣り針挿通孔又は/及び左右一対のコ字形の釣り針受け入れ凹溝を開口形成したことを特徴とする。
【0028】
更に、請求項7では胴部用転写シートと頭部用転写シート並びに足部用転写シートに共通するホログラムシートを、紙質基材シートとホログラム形成樹脂シート並びにそのホログラム形成面に融着又は蒸着された金属反射層とから成る積層体として、
【0029】
その金属反射層の表面に生餌となるイカの外観状態を印象づけるリアルな着色又は/及び模様を、オフセット印刷方式によってカラー印刷したことを特徴とする。
【0030】
他方、請求項8では魚釣り用イカ形ソフトルアーの製造法として、柔軟な透明の熱可塑性樹脂から捕獲対象魚の生餌となるイカの足部を除く本体の概略輪郭形状に成形された上下一対の本体ハーフセグメントと、
【0031】
同じくイカにおける足部の吹流し形態に作成された上下一対の足部ハーフセグメントと、
【0032】
各本体ハーフセグメントの胴部とほぼ同じ大きさ並びにほぼ相似な輪郭形状をなし、そのホログラムシートのホログラム形成面に上記イカの胴部の外観状態を印象づけるリアルな着色又は/及び模様がカラー印刷された上下一対の胴部用転写シートと、
【0033】
同じく各本体ハーフセグメントの頭部とほぼ同じ大きさ並びに左右一対の目玉被覆面だけを除く輪郭形状を有し、そのホログラムシートのホログラム形成面に上記イカの頭部の外観状態を印象づけるリアルな着色又は/及び模様がカラー印刷された上下一対の頭部用転写シートと、
【0034】
各足部ハーフセグメントの吹流し短冊片とほぼ同じ大きさ並びに輪郭形状をなし、そのホログラムシートのホログラム形成面に上記イカの足部の外観状態を印象づけるリアルな着色又は/及び模様がカラー印刷された上下一対の足部用転写シートとを用意し、
【0035】
上記胴部用転写シートと頭部用転写シートを各本体ハーフセグメントの対応する胴部と頭部へ何れも裏側から、その着色又は/及び模様が各本体ハーフセグメントの表側からホログラム像との混合状態に透視され得る関係として、各々無色の接着剤又は有機溶剤により貼り付け一体化する一方、
【0036】
上記足部用転写シートを各足部ハーフセグメントの吹流し短冊片へ裏側から、その着色又は/及び模様が各足部ハーフセグメントの表側からホログラム像との混合状態に透視され得る関係として、無色の接着剤又は有機溶剤により貼り付け一体化すると共に、
【0037】
各本体ハーフセグメントにおける頭部の目玉被覆面へ裏側から、上記イカの目玉を半円形に着色塗装した後、
【0038】
上記本体ハーフセグメントの上下一対をその左右両サイド縁取り接合面同士の合掌状態として、無色の接着剤若しくは有機溶剤又は可塑剤同士の融合作用により貼り合わせ一体化して、上記半円形の目玉が円形となる断面円形の中空本体に組み立て、
【0039】
最後に、上記足部ハーフセグメントの上下一対を中空本体の頭部へ、無色の接着剤又は有機溶剤により全体的な円形に貼り付け一体化することを特徴とする。
【0040】
また、請求項9では胴部用転写シートと頭部用転写シート並びに足部用転写シートに共通するホログラムシートを、紙質基材シートとホログラム形成樹脂シート並びにそのホログラム形成面に融着又は蒸着された金属反射層とから成る積層体として、
【0041】
その金属反射層の表面に着色又は/及び模様をオフセット印刷方式によってカラー印刷すると共に、
【0042】
上記胴部用転写シートと頭部用転写シートはこれらを各本体ハーフセグメントの対応する胴部と頭部へ裏側から貼り付け一体化した後、その各本体ハーフセグメントを断面円形の中空本体に組み立てる前に、それらの転写シートにおけるホログラムシートの紙質基材シートだけを除去することを特徴とする。
【0043】
更に、請求項10では各足部ハーフセグメントをその全体的な長方形や台形の輪郭形状に成形して、その裏面にこれと同じ大きさ・輪郭形状の各足部用転写シートを貼り付けた後、その長手方向に沿って多数の割り溝を切り込み加工することにより、各足部ハーフセグメントの吹流し短冊片を形作ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0044】
請求項1の上記構成によれば、イカ形状をなすソフトルアーの本体が、上下一対の本体ハーフセグメントから中空の断面円形に組み立てられるようになっており、しかもその各本体ハーフセグメントには各々着色又は/及び模様をカラー印刷された胴部用転写シートと頭部用転写シートとが裏側(内側)から貼り付けられるようになっている。
【0045】
他方、上記ソフトルアーの本体と別個な足部も上下一対の足部ハーフセグメントから成り、その各足部ハーフセグメントにも着色又は/及び模様をカラー印刷された足部用転写シートが裏側(内側)から貼り付けられるようになっている。
【0046】
そのため、捕獲対象魚の生餌(イカ)における上側(背側)の体表(肌)をリアルに印象づけるための着色又は/及び模様と、同じく下側(腹側)の体表(肌)をリアルに印象づけるためのそれとを相違・変化させたり、また本体側における胴部や頭部の体表(肌)をリアルに印象づけるための着色又は/及び模様と、足部の体表(肌)をリアルに印象づけるためのそれとを相違・変化させたりすることができ、釣り人の好みや捕獲対象魚の種別、使用上の諸条件などに応じて取捨選択可能な上記色調の豊富な組合せを得られる効果がある。
【0047】
何れにしても、捕獲対象魚の生餌となるイカの外観状態を印象づける着色又は/及び模様のカラー印刷された胴部用転写シートと頭部用転写シートは、そのイカの概略輪郭形状をなす透明な本体ハーフセグメントの対応する胴部と頭部へ、何れも裏側(内側)から貼り付け一体化されており、その転写シートの貼り付けられた状態にある本体ハーフセグメントの上下一対が、イカ形ソフトルアーにおける断面円形の中空本体に組み立てられた製品であるため、上記転写シートにカラー印刷された着色又は/及び模様は、ルアーの本体による表側(外側)からの被覆状態にあり、不慮に汚損したり、変色したり、剥がれたりするおそれがなく、耐候性や耐擦性などに著しく優れる。
【0048】
しかも、上記着色又は/及び模様は胴部用転写シート並びに頭部用転写シートを形作るホログラムシートのホログラム形成面にカラー印刷されており、断面円形な中空本体の表側(外側)からホログラム像との混合状態に透視・観察されるようになっているため、そのホログラムの光拡散や光反射などの働きとも相俟って、また水に濡れることによる顕著な生鮮度と透明感とも相俟って、生餌であるイカ(本物)の体表(肌)と酷似した着色又は/及び模様や宝石のような輝き(光沢)などを強く印象づけることができ、捕獲対象魚の優れた集魚効果を得られる。
【0049】
更に、イカ形の足部は上記本体と同じ柔軟な透明の熱可塑性樹脂から成り、これも上下一対の足部ハーフセグメントから全体的な円形に組み立てられる結果となり、その多数の吹流し短冊片が自由自在に振れ動くと、その裏面(内面)に貼り付けられた足部用転写シートの着色又は/及び模様が、そのホログラムの光拡散や光反射などの作用とも相俟って、上記生餌(イカ)のリアルな活動(泳動)を印象づけることになり、捕獲対象魚における集魚効果の向上に役立つ。
【0050】
その場合、請求項2の構成を採用するならば、その頭部から張り出す円弧状目玉被覆面の裏側(内側)凹曲面に、組立状態において円形となる目玉が着色塗装されているため、その言わば出目により捕獲対象魚の生餌となるイカのリアルな外観状態を印象づけることができる。
【0051】
請求項3の構成を採用するならば、各本体ハーフセグメントの上下一対がその左右両サイド縁取り接合面のみならず、これから横方向へ水平に張り出し連続する左右両サイド縁取りリブの合掌平面でも、広い面積のもとに貼り合わせ又は融合一体化されているため、その組立状態の強度と安定性に著しく優れ、耐久性も向上する。
【0052】
請求項4の構成を採用するならば、その釣り針に捕獲対象魚が喰い付いた時には、ルアーの本体が釣り糸に沿って前後方向へ滑り移動し、その釣り糸の先端部(前端部)に予じめ付属している釣り針が、上記本体から引き離される(針落ち状態になる)ため、捕獲対象魚に抵抗感や違和感を与えることなく、これを捕獲しやすい効果がある。
【0053】
請求項5の構成を採用するならば、上記ルアーにおける本体の頭部へ足部の基端取付面を、自づと正確な位置決め状態に貼り付け一体化することができ、断面円形の組立状態にある中空本体とその吹流し形態の足部とを、同芯の連通開口状態に保てる効果がある。
【0054】
また、請求項6の構成を採用するならば、上記本体の釣り針取付部に開口形成された上下一対の円形釣り針挿通孔に対しては、その後方からシングルタイプの釣り針を上向き又は下向きとして差し込み使用することができ、同じく釣り針取付部に開口形成された左右一対のコ字形釣り針受け入れ凹溝に対しては、やはり後方からダブルタイプの釣り針を横向き水平に差し込み使用することができ、著しく便利である。
【0055】
請求項7の構成を採用するならば、上記着色又は/及び模様をホログラムシートのホログラム形成面へ、そのフラットなシート状態のもとで制約なく高精度にカラー印刷することができ、着色又は/及び模様の相違・変化した豊富な組合せを得やすい効果がある。
【0056】
他方、請求項8の構成によれば、請求項1に記載のイカ形ソフトルアーを容易に組み立てることができ、その量産性に優れる。
【0057】
その場合、請求項9の構成を採用するならば、各本体ハーフセグメントの胴部用転写シートと頭部用転写シートに限っては、そのホログラムシートの紙質基材シート(台紙)だけが本体を組み立てる前に、除去されるようになっているため、その断面円形となる中空本体の柔軟性に悪影響を及ぼすおそれがなく、その本体の自由な変形や動きを得られる効果がある。
【0058】
更に、請求項10の構成を採用するならば、各足部ハーフセグメントの吹流し短冊片に対して各足部用転写シートを、その裏側(内側)から貼り付ける作業や割り溝(スリット)を切り込む加工が比較的容易となり、その足部と延いてはイカ形ソフトルアーの量産効果が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下、図面に基いて本発明の好適な実施形態を詳述すると、
図1〜21はマグロ(捕獲対象魚)のトローリング漁にふさわしいイカ(烏賊)形ソフトルアー(A)の組立状態とその構成部材(分解状態)を示している。
【0061】
(10B)(10S)はそのイカ形のソフトルアー(A)における中空の本体(10)を形作ることになる向かい合う上下一対の本体ハーフセグメント(本体の背側半割り体と腹側半割り体)であり、柔軟な透明の熱可塑性樹脂を素材として、
図1〜13のような弾丸形の胴部(11)からその胴部(11)の基端よりも径小な円筒形の頭部(12)を経て、その頭部(12)よりも径小な円筒形の釣り針取付部(13)に至るまでの全体的な上下対称の輪郭形状を備えた断面ほぼ半円形に射出成形されている。
【0062】
その場合、各本体ハーフセグメント(10B)(10S)の頭部(12)からは一対の目玉被覆面(14)が、左右(横)方向へ円弧状に隆起している。(15)は各本体ハーフセグメント(10B)(10S)の頭部(12)と釣り針取付部(13)との境界(段差)位置から、その頭部(12)よりも若干径大に張り出された足部係止フランジであり、ここには後述する吹流し状足部(16)の基端が係止されることとなる。
【0063】
また、(16B)(16S)は上記イカ形ソフトルアー(A)の足部(16)を形作ることになる向かい合う上下一対の足部ハーフセグメント(足部の背側半割り体と腹側半割り体)であり、上記本体ハーフセグメント(10B)(10S)と同じ柔軟な透明の熱可塑性樹脂から、
図1〜6のような上下対称の輪郭形状に射出成形されている。但し、その多数の吹流し短冊片(17)を形成するための割り溝(スリット)(18)を射出成形金型によらず、成形後の機械加工として切り込んでも良い。
【0064】
上記本体ハーフセグメント(10B)(10S)並びに足部ハーフセグメント(16B)(16S)の素材である熱可塑性樹脂としては、柔軟性を有し、しかも透明であれば足りるが、特に水分を吸収せず、耐候性に富むものが好ましく、アクリル樹脂が最も好適である。柔軟な透明のアクリル樹脂であれば、たとえ水分を吸収して白く変色しても、乾燥すればすばやく透明に復元するからである。尚、ポリ塩化ビニル樹脂は水分を吸収して白濁化し、死んだ生餌(イカ)の外観状態を印象づけることになるため、本発明に係るイカ形ソフトルアー(A)の素材としては好ましくない。
【0065】
(19b)(19s)は各本体ハーフセグメント(10B)(10S)における胴部(11)の先端(前端)から釣り針取付部(13)の先端(後端)に至るまでの全体長さ分を、その左右両側面に沿って連続的に縁取るフラットな両サイド縁取り接合面であり、上下一対として向かい合う上記本体ハーフセグメント(10B)(10S)のうち、その上側本体ハーフセグメント(本体の背側半割り体)(10B)の両サイド縁取り接合面(19b)と、下側本体ハーフセグメント(本体の腹側半割り体)(10S)のサイド縁取り接合面(19s)とが、無色(透明)の接着剤を介して貼り合わせ一体化されることにより、上記ソフトルアー(A)の中空本体(10)を形成するようになっている。
【0066】
その場合、
図8〜10から明白なように、各本体ハーフセグメント(10B)(10S)における胴部(11)の長さ分に限っては、そのフラットな両サイド縁取り接合面(19b)(19s)と連続するフラットな両サイド縁取りリブ(20b)(20s)が、左右(横)方向へ水平に張り出し形成されており、これによって上記本体ハーフセグメント(10B)(10S)同士の貼り合わせ面積を大きく確保し、安定・強固な封止状態を得られるようになっている。
【0067】
(21)は両サイド縁取りリブ(20b)(20s)へ点在分布状態に開口された複数づつの位置決めピン受け入れ孔であり、その両サイド縁取りリブ(20b)(20s)の対応合致する位置決めピン受け入れ孔(21)へ、位置決めピン(図示省略)を貫通させることにより、その貼り合わせを容易に正しく行うことができる。
【0068】
尚、両サイド縁取りリブ(20b)(20s)における弾丸形胴部(11)の先端(前端)付近を左右一対づつの部分的なヒレ(耳部)(図示省略)として、横方向へ水平に張り出し形成しても良い。
【0069】
図示の実施形態では、共通する1個の射出成形金型(図示省略)を用いて、互いに同じ大きさ・形状に成形された上下一対の本体ハーフセグメント(10B)(10S)を、その両サイド縁取り接合面(19b)(19s)同士並びに両サイド縁取りリブ(20b)(20s)同士の合掌状態として、接着剤により貼り合わせ一体化するようになっているが、その水や空気の耐久的な封止状態を得られるならば、接着剤に代る無色(透明)の有機溶剤を使用して貼り合わせたり、又はその接着剤や有機溶剤を使用せず、上記熱可塑性樹脂の可塑剤同士が交流する作用によって、融合一体化させたりしても良い。その貼り合わせ部分(融合部分)を
図10に施したドットによって示している。
【0070】
他方、(22b)(22s)は各足部ハーフセグメント(16B)(16S)の基端を縁取る取付面であって、その吹流し短冊片(17)と直交する関係の帯状をなしている。しかも、その取付面(22b)(22s)は
図20のような側断面ほぼ三角形として、吹流し短冊片(17)との境界に位置決め段部(23)が設けられている。
【0071】
そして、
図6から示唆されるように、上下一対として向かい合うことになる足部ハーフセグメント(16B)(16S)のうち、その上側足部ハーフセグメント(足部の背側半割り体)(16B)の取付面(22b)が対応する上側本体ハーフセグメント(10B)の頭部(12)へ無色(透明)の接着剤を介して、上方から被覆状態に貼り付け一体化される一方、下側足部ハーフセグメント(足部の腹側半割り体)(16S)の取付面(22s)が対応する下側本体ハーフセグメント(10S)の頭部(12)へやはり無色(透明)の接着剤を介して、下方から被覆状態に貼り付け一体化されることにより、その足部(16)の全体として
図3、5のような中空の本体(10)と同芯の連通開口状態を保つようになっている。
【0072】
その場合、各足部ハーフセグメント(16B)(16S)における取付面(22b)(22s)の位置決め段部(23)は、各本体ハーフセグメント(10B)(10S)における頭部(12)と釣り針取付部(13)との境界から張り出している上記足部係止フランジ(15)に係止し、その上下一対の全体的な円形として、上記本体ハーフセグメント(10B)(10S)の頭部(12)へ各々確実に安定良く位置決め固定されることとなる。
【0073】
しかも、そのソフトルアー(A)の本体(10)に対する足部(16)の取付状態では
図1〜3から明白なように、上記本体(10)における円筒形の釣り針取付部(13)が足部(16)の吹流し短冊片(17)によって周囲から被覆され、その釣り針取付部(13)に取り付けられる釣り針を、外部から見え難くカムフラージュすることになる。
【0074】
(24)は上記各本体ハーフセグメント(10B)(10S)における胴部(11)の先端(前端)を縁取るフラットな両サイド縁取り接合面(19b)(19s)から陥没する釣り糸挿通凹溝であり、その両サイド縁取り接合面(19b)(19s)同士が貼り合わされた組立状態のもとで、
図3、4のような本体(10)の中空内部と連通する釣り糸挿通孔(25)を形作ることになる。その釣り糸挿通孔(25)は釣り糸の太さよりも細く、釣り糸と密着するようになっている。
【0075】
また、(26)は同じく各本体ハーフセグメント(10B)(10S)における釣り針取付部(13)の先端(後端)を縁取るフラットな両サイド縁取り接合面(19b)(19s)から、
図6、8のように上下方向へ一定深さ(d)だけ退避する状態に切り欠かれた釣り針受け入れ切欠であり、その両サイド縁取り接合面(19b)(19s)同士が貼り合わされた組立状態のもとで、
図3のような側面視の後向き(コ字形)に開口する釣り針受け入れ凹溝(27)の左右一対を形作ることになる。
【0076】
しかも、その両釣り針受け入れ凹溝(27)の溝底面(前端面)は
図8のような平・底面視の後向き拡開するハ字形をなし、その傾斜面(27e)によって後述するダブルタイプの釣り針が屈曲する途中を、安定良く受け止めることができるようになっている。
【0077】
(28)は各本体ハーフセグメント(10B)(10S)の釣り針取付部(13)へ、その両サイド縁取り接合面(19b)(19s)同士の貼り合わせ平面(合掌平面)と直交する関係状態に貫通形成された上下一対の円形な釣り針挿通孔であり、これからは釣り針取付部(13)の先端(後端)方向に向かって割り溝(スリット)(29)が1本づつ切り込まれている。
【0078】
尚、詳細については後述するが、上記円筒形の釣り針取付部(13)における左右一対の釣り針受け入れ凹溝(27)には、その後方からダブルタイプの釣り針(30W)が抜き差し自在に差し込み使用され、その針先が左右(横)方向へほぼ水平に張り出すこととなる一方、同じく釣り針取付部(13)における上下一対の円形な釣り針挿通孔(28)には、その割り溝(29)からシングルタイプの釣り針(30S)が抜き差し自在に差し込み使用され、その針先が上方又は下方へ言わば垂直に張り出すこととなる。そのダブルタイプの釣り針(30W)とシングルタイプの釣り針(30S)とを釣り人の好みや捕獲対象魚の種別などに応じて、使い分けることができるようになっているのである。
【0079】
但し、図示実施形態のようなダブルタイプの釣り針(30W)が差し込み使用される左右一対のコ字形釣り針受け入れ凹溝(27)と、シングルタイプの釣り針(30S)が差し込み使用される上下一対の円形釣り針挿通孔(28)との異なる2種が、上記本体(10)の釣り針取付部(13)に開口形成されたソフトルアー(A)の1製品を使い分けるのではなく、その本体(10)の釣り針取付部(13)に上記コ字形の釣り針受け入れ凹溝(27)だけが開口形成されたソフトルアー(A)と、同じく本体(10)の釣り針取付部(13)に上記円形の釣り針挿通孔(28)だけが開口形成されたソフトルアー(A)とを、別個な2製品として予じめ用意してもさしつかえない。
【0080】
上記本体(10)の円筒形をなす釣り針取付部(13)には、左右一対のコ字形釣り針受け入れ凹溝(27)と上下一対の円形釣り針挿通孔(28)との何れか一方だけを開口形成するにとどめても良い趣旨である。
【0081】
図示実施形態のマグロを捕獲対象魚とする生餌が、イカの形状であるソフトルアー(A)について、その大きさの目安となる数値(寸法)の一例を挙げると、そのルアー(A)としての組立状態における全体長さ(L1)は約303mm、その本体(10)だけの長さ(L2)は約195mm、足部(16)だけの長さ(L3)は約140mmである。
【0082】
また、上記本体(10)を形作る胴部(11)の長さ(L4)は約140mm、胴部(11)の外径(D1)は約34mm、その胴部(11)から両サイド縁取りリブ(20b)(20s)が張り出す幅(W1)は各々約5mm、先端(後端)の足部係止フランジ(15)を含む頭部(12)の長さ(L5)は約35mm、頭部(12)の外径(D2)は約26mm、その足部係止フランジ(15)の外径(D3)は約30mm、釣り針取付部(13)の長さ(L6)は約20mm、釣り針取付部(13)の外径(D4)は約20mm、胴部(11)と頭部(12)は約3mmの均一な厚みを備えているに比し、釣り針取付部(13)だけがこれよりも厚肉な約5mmに寸法化されている。
【0083】
更に、足部(16)の取付面(22b)(22s)は約7mmの幅(W2)と、約34mmの外径(D5)を有しており、ここから9本づつ合計18本として等間隔に切り分けられた吹流し短冊片(17)が、全体的な先細り形態に延在している。その細い先端(後端)での外径(D6)は約20mmである。
【0084】
(31)は各本体ハーフセグメント(10B)(10S)における上記目玉被覆面(14)の裏側(内側)凹曲面へ、黒色や紺色などの濃く着色塗装された半円形の目玉であり、各本体ハーフセグメント(10B)(10S)の両サイド縁取り接合面(19b)(19s)同士が貼り合わされた組立状態のもとで、左右一対の円形な目玉を形作ることになり、生餌(イカ)のリアルな目玉を印象づける。
【0085】
(32b)(32s)は各本体ハーフセグメント(10B)(10S)の胴部(11)とほぼ同じ大きさ並びにほぼ相似な輪郭形状(弾丸形状)を有する上下一対の胴部用転写シートであり、その各個は
図14、16のように印刷用ホログラムシート(33)の表面(片面)へ、生餌(イカ)の胴部が具備している体表(肌)の色素胞や斑模様などの外観状態を印象づけるため、リアルな色調(着色又は/及び模様)(34)をカラー印刷したものである。
【0086】
更に、(35b)(35s)は各本体ハーフセグメント(10B)(10S)の頭部(12)とほぼ同じ大きさ並びに上記目玉被覆面(14)の凹曲面だけを除く輪郭形状(ほぼ鼓形状)を有する上下一対の頭部用転写シートであり、その各個も
図15、16のように印刷用ホログラムシート(33)の表面(片面)へ、生餌(イカ)の頭部が具備している体表(肌)の色素胞や斑模様などの外観状態を印象づけるため、やはりリアルな色調(着色又は/及び模様)(34)をカラー印刷したものである。
【0087】
各胴部用転写シート(32b)(32s)並びに各頭部用転写シート(35b)(35s)の上記ホログラムシート(33)は何れも
図16に抽出して示す如く、印刷上の搬送特性を有する紙質基材シート(台紙)(36)とホログラム形成樹脂シート(37)並びにそのホログラム形成面(レリーフ面)(38)にアルミニウムや銀などの金属粉が融着又は金属箔が蒸着された金属反射層(39)とから成る積層体であり、その金属反射層(39)の金属光沢を反射する表面に、上記生餌(イカ)の体表(肌)を印象づけるリアルな色調(着色又は/及び模様)(34)が、好ましくは紫外線硬化型インキや油性インキを用いて、オフセット印刷方式により多色刷りされている。
【0088】
このような色調(着色又は/及び模様)(34)のカラー印刷は、その胴部用転写シート(32b)(32s)並びに頭部用転写シート(35b)(35s)を各本体ハーフセグメント(10B)(10S)の胴部(11)並びに頭部(12)へ貼り付ける前に、そのホログラムシート(33)の表面へ行われるものであるため、その作業上の制約を受けることなく、しかも各種生餌(イカ)のリアルな外観状態を得られることになる。
【0089】
そして、各本体ハーフセグメント(10B)(10S)の上記サイド縁取り接合面(19b)(19s)を除き、その断面ほぼ半円形をなしている胴部(11)の裏側(内側)凹曲面の全体へ、その裏側(内側)から
図17、18のように上記胴部用転写シート(32b)(32s)を貼り付け一体化すると共に、同じく断面ほぼ半円形をなしている頭部(12)の裏側(内側)凹曲面の全体へ、その裏側(内側)から上記頭部用転写シート(35b)(35s)を貼り付け一体化するようになっている。
【0090】
その貼り付けに当っては無色(透明)の接着剤だけに限らず、これに代るケトン類(好ましくはアセトン)やその他の無色(透明)な有機溶剤を用いることもできる。
【0091】
上記貼り付け作業は柔軟性を有する熱可塑性樹脂から断面ほぼ半円形に成形されている各本体ハーフセグメント(10B)(10S)の裏面(内面)へ、上記胴部用転写シート(32b)(32s)並びに頭部用転写シート(35b)(35s)を転動ローラー(図示省略)などによって、押し付けながら行うため、その押し付け力を受けた各本体ハーフセグメント(10B)(10S)が、断面ほぼ半円形の弯曲した成形状態から展開して、扁平な状態に変形することとなる。
【0092】
その際、上記胴部用転写シート(32b)(32s)並びに頭部用転写シート(35b)(35s)を形作っているホログラム形成樹脂シート(37)は、ポリエチレン樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂、その他の柔軟性を有する熱可塑性樹脂シートの表面に、レリーフ型のホログラムが賦形されたものであるため、各本体ハーフセグメント(10B)(10S)に追従・変形することができ、上記押し付け力を解除すれば、その本体ハーフセグメント(10B)(10S)と一緒に復元するが、上記ホログラム形成樹脂シート(37)の裏打ち状態にある印刷用紙質基材シート(台紙)(36)は、その本体ハーフセグメント(10B)(10S)に追従・変形できる伸縮性や柔軟性を有さないため、その胴部用転写シート(32b)(32s)並びに頭部用転写シート(35b)(35s)を貼り付けられたフラットな形態の本体ハーフセグメント(10B)(10S)が、貼り付け前の断面ほぼ半円形に復元変形することを阻害することになり、生餌(イカ)に酷似した太さの本体(10)を得られないのである。
【0093】
そこで、各本体ハーフセグメント(10B)(10S)へ胴部用転写シート(32b)(32s)並びに頭部用転写シート(35b)(35s)を貼り付けたならば、その各本体ハーフセグメント(10B)(10S)を湯水に漬けて、上記転写シート(32b)(32s)(35b)(35s)の繊維がほぐれ軟化した紙質基材シート(36)をブラシ(図示省略)などによって掻き取り除去する。その紙質基材シート(36)の除去方法はブラシによる掻き取りだけに限らず、薬品による溶解や上記紙質基材シート(36)を離型シートとする剥離、その他の適当な方法を採用することができる。
【0094】
何れにしても、ホログラムシート(33)に生餌(イカ)の体表(肌)を印象づけるリアルな色調(着色又は/及び模様)(34)が印刷された胴部用転写シート(32b)(32s)並びに頭部用転写シート(35b)(35s)は、表側(外側)から透明の本体ハーフセグメント(10B)(10S)によって被覆されることとなるため、その色調(着色又は/及び模様)(34)が表側(外側)から汚損するおそれはなく、ホログラム像との混合状態に透視・観察される色調(着色又は/及び模様)(34)として、金属反射層(39)の光反射作用とも相俟ち、生餌(イカ)の宝石を思わせる透明な光沢のある体表(肌)が、キラキラと輝く活動を強く印象づけることができる。
【0095】
そして、上記ソフトルアー(A)の本体(10)を形作る各本体ハーフセグメント(10B)(10S)における目玉被覆面(14)の裏側(内側)凹曲面へ、半円形の目玉(31)を着色塗装すると共に、同じく各本体ハーフセグメント(10B)(10S)における胴部(11)の裏側(内側)凹曲面と頭部(12)の裏側(内側)凹曲面へ、胴部用転写シート(32b)(32s)と頭部用転写シート(35b)(35s)を各々貼り付けて、その転写シート(32b)(32s)(35b)(35s)の紙質基材シート(36)を除去した後、その各本体ハーフセグメント(10B)(10S)の両サイド縁取り接合面(19b)(19s)同士並びに両サイド縁取りリブ(20b)(20s)同士を貼り合わせ一体化して、
図1〜4のような頭部(12)に左右一対の円形な目玉を備えた断面ほぼ円形の中空本体(10)に組み立てるのである。
【0096】
他方、(40b)(40s)は各足部ハーフセグメント(16B)(16S)の吹流し短冊片(17)とほぼ同じ大きさ並びに輪郭形状を備えた上下一対の足部用転写シートであり、その各個の1本づつは
図19〜21に示唆する如く、やはり上記印刷用ホログラムシート(33)の表面(片面)へ、生餌(イカ)の足部が具備している体表(肌)の色素胞や斑模様などの外観状態を印象づけるため、リアルな色調(着色又は/及び模様)(34)をカラー印刷したものである。
【0097】
その各足部用転写シート(40b)(40s)のホログラムシート(33)は、上記した各本体ハーフセグメント(10B)(10S)へ貼り付ける各胴部用転写シート(32b)(32s)並びに各頭部用転写シート(35b)(35s)のそれ(ホログラムシート)と実質的に同じ構成を備えた
図16のような積層体であるため、その
図16を兼用(参照)するにとどめて、これだけの詳細な説明は省略する。その足部用転写シート(40b)(40s)の色調(着色又は/及び模様)もホログラム像との混合状態に透視・観察されることになる。
【0098】
その場合、上側本体ハーフセグメント(本体の背側半割り体)(10B)へ貼り付ける上側の胴部用転写シート(32b)並びに頭部用転写シート(35b)と、上側足部ハーフセグメント(足部の背側半割り体)(16B)へ貼り付ける上側の足部用転写シート(40b)には、生餌(イカ)における背中面の体表(肌)をリアルに印象づけるため、その互いに同じ赤色系や青色系、緑色系、その他の有彩色系の統一的な色調(着色又は/及び模様)(34)を施す一方、下側本体ハーフセグメント(本体の腹側半割り体)(10S)へ貼り付ける下側の胴部用転写シート(32s)並びに頭部用転写シート(35s)と、下側足部ハーフセグメント(足部の腹側半割り体)(16S)へ貼り付ける下側の足部用転写シート(40s)には、生餌(イカ)における腹面の体表(肌)をリアルに印象づけるため、その互いに同じ銀色系や白色系、灰色系、その他のメタリック(又はモノトーン)系の統一的な色調(着色又は/及び模様)(34)を与えることが好ましい。
【0099】
図示の実施形態では、各足部用転写シート(40b)(40s)を上記各足部ハーフセグメント(16B)(16S)と同じく、予じめ分離された多数の吹流し短冊形態に作成し、その1本づつを各足部ハーフセグメント(16B)(16S)の吹流し短冊片(17)へ、
図19〜21のように裏側(内側)から貼り付けるようになっているが、各足部ハーフセグメント(16B)(16S)をその全体的な長方形や台形(好ましくは等脚台形)の輪郭形状に射出成形しておき、その裏面(内面)にこれと同じ大きさ・輪郭形状の各足部用転写シート(40b)(40s)を貼り付けた後、その長手方向(前後方向)に沿って多数の割り溝(スリット)(18)を切り込み加工することにより、各足部用転写シート(40b)(40s)が貼り付けられた状態にある各足部ハーフセグメント(16B)(16S)の吹流し短冊片(17)を形作っても良い。
【0100】
各足部ハーフセグメント(16B)(16S)の吹流し短冊片(17)は細長く切り分けられているため、その多数の整列した扁平な状態において、その裏面(内面)へ各足部用転写シート(40b)(40s)を容易に貼り付けることができ、その貼り付けられた各足部用転写シート(40b)(40s)は、各足部ハーフセグメント(16B)(16S)の取付面(22b)(22s)を上記本体(10)における頭部(12)の円形外周面へ貼り付ける時の抵抗にならないので、上記貼り付け後にその各足部用転写シート(40b)(40s)の紙質基材シート(36)を、必らずしも除去しなくて良い。
【0101】
尚、各足部ハーフセグメント(16B)(16S)の吹流し短冊片(17)へその各足部用転写シート(40b)(40s)を貼り付けるに当っても、無色(透明)の接着剤のみならず、これに代るケトン類(望ましくはアセトン)やその他の無色(透明)な有機溶剤を用いることができる。
【0102】
そして、その吹流し短冊片(17)の各足部用転写シート(40b)(40s)が貼り付けられた各足部ハーフセグメント(16B)(16S)の取付面(22b)(22s)を、先に断面ほぼ円形として組み立てられた上記本体(10)における頭部(12)の円形外周面へ、無色(透明)の接着剤や有機溶剤などにより、
図3、6のように上下方向から貼り付け一体化する。
【0103】
その際には、各足部ハーフセグメント(16B)(16S)における取付面(22b)(22s)の位置決め段部(23)を、上記本体(10)の頭部(12)と釣り針取付部(13)との境界から張り出す径大な足部係止フランジ(15)へ係止させて、その本体(10)の頭部(12)へ全体的な円形に安定良く取り付け固定するのである。
【0104】
そうすれば、上記本体(10)の頭部(12)から後方へ張り出す釣り針取付部(13)が、その足部(16)の吹流し短冊片(17)によって周囲から被覆されることとなり、その釣り針取付部(13)に取り付け使用される釣り針(フック)(30)が、外部からの見え難い陰蔽状態に保たれる。
【0105】
上記ソフトルアー(A)の組立状態を示す
図1〜5から明白なように、その断面ほぼ円形の中空本体(10)における弾丸形胴部(11)の先端(前端)が、釣り糸挿通孔(25)として開口している一方、同じく本体(10)の釣り針取付部(13)は胴部(11)よりも径小な円筒形として、後向き開口状態にあるため、予じめ先端部(後端部)に釣り針(フック)(30)が締結されている釣り糸(ライン)(41)を
図22〜25のように、その本体(10)の後端側にある釣り針取付部(13)から中空の内部へ挿入して、上記胴部(11)の釣り糸挿通孔(25)から前方へ導出配線することができる。(42)は釣り針(30)の基端に屈曲形成された釣り糸締結リングである。
【0106】
その結果、上記イカ形のソフトルアー(A)は使用中、その本体(10)側の釣り糸挿通孔(25)と、これに通し込まれた釣り糸(41)との密着状態にあるとしても、これに喰い付いた捕獲対象魚(マグロ)の引張り力を受けて、その釣り糸(41)に沿い前後方向へ滑り移動し、その先端部(後端部)に付属している釣り針(30)が、ソフトルアー(A)から引き離されることになる所謂針落ち状態を達成し得るのである。
【0107】
先に釣り針(30)について、そのシングルタイプとダブルタイプとの2種を使い分けることができると説明したが、シングルタイプの釣り針(30S)を
図22、23のように上記釣り針取付部(13)の円形な釣り針挿通孔(28)へ、その割り溝(29)から差し込んで、その針先の垂下状態に張り出す仕様は
図27、28のように、イカ形のソフトルアー(A)を海中へ沈降させず、海面(Z−Z)とほぼ同じ高さか、又はその海面(Z−Z)よりも若干浮上する高さに保って、前方へ引張り曳行する特異なトローリング漁に使用される。
【0108】
他方、ダブルタイプの釣り針(30W)を
図24、25のように、同じく釣り針取付部(13)における左右一対の釣り針受け入れ凹溝(27)へ、その開口する後方からハ字形の傾斜面(溝底面)(27e)まで差し込み係止させて、その針先の左右(横)方向へほぼ水平に張り出す状態の仕様は
図33のように、イカ形のソフトルアー(A)を海中へ適当な深さ(Y)だけ沈めた状態のもとで、前方へ引張り曳行する従来のトローリング漁や延縄漁、釣り竿による1本釣りなどに使用される。
【0109】
上記ソフトルアー(A)を海面(Z−Z)から沈めた使用状態での曳行中、その本体(10)の弾丸形をなす胴部(11)から、左右(横)方向へ水平に張り出している両サイド縁取りリブ(20b)(20s)は、釣り糸(41)を中心として回転しようとするルアー(A)の振れ動きに抵抗し、その制動力を発揮することにより、生餌(イカ)の水平な安定姿勢での泳動を印象づけることができるようになっている。
【0110】
本発明のイカ形ソフトルアー(A)は図示の実施形態に基き説明した上記構成を備えているため、漁師が大型回遊魚のトローリング漁を行う漁船のみに限らず、プレジャーボート(クルーザー)を利用した所謂スポーツフィッシングとしての特異なトローリングに供することができ、一般的な釣り人でも余暇を楽しみながら漁師級の優れた釣り果を得られるのである。
【0111】
図26〜31は本発明の使用状態を示しており、そのイカ形状のソフトルアー(A)を用いて、例えば捕獲対象魚であるマグロの特異なトローリング(スポーツフィッシング)を行うに当っては、上記吹流し状の足部(16)から本体(10)の釣り針取付部(13)と頭部(12)を経て、胴部(11)の細い釣り糸挿通孔(25)から前方へ導出配線した釣り針(フック)(30)付き釣り糸(41)を、後述する適当な長さの枝糸(ブランチライン)(BL)として、その前端部(根元部)へ取り付けたスナップ開閉式の係止金具(44)により、幹糸(メインライン)(ML)の途中へ着脱自在に接続できるように準備しておく。
【0112】
他方、プレジャーボート(クルーザー)などの船体(B)におけるコックピットデッキやフライングデッキ、その他の適当な高さ位置へ、例えば最長約12mまで伸ばすことができるテレスコピック式(振り出し式の5本継ぎ)の繊維強化樹脂(FRP)から成る高弾力性の立て竿(スティック)(45)を、例えば約7.35mの背丈(3本継ぎ)として取り付け固定すると共に、釣り人(M1)の手元になる船体(B)の適当な位置へ、巻取リール(46)が付属する釣り竿(ボートロッド)(47)の受け金具(48)を取り付け固定しておく。
【0113】
そして、捕獲後の最終的には垂れ下がることとなる比較的短い一定長さ(例えば約8m)の垂れ糸(タグライン)(TL)と、これよりもはるかに長い適当な長さ(例えば約100m)の上記幹糸(メインライン)(ML)とを、上記立て竿(スティック)(45)の上端部(竿先部)から海の沖方向(後方)へ繰り出して、その幹糸(メインライン)(ML)の先端部(後端部)へ抵抗板(ジャンボバード)(JB)を取り付ける。
【0114】
更に、その幹糸(メインライン)(ML)の途中へ複数(図示実施形態では合計4個)の枝糸係止リング(49)を、適当な前後相互間隔(例えば約10m)おきに造形して、その各枝糸係止リング(49)へ
図27の拡大図に示す如く、上記枝糸(ブランチライン)(BL)のスナップ開閉式係止金具(44)を着脱自在に係止させることにより、そのイカ形状のソフトルアー(A)を上記幹糸(メインライン)(ML)から吊り下がる接続状態に保つ。
【0115】
その場合、
図26の全体図や
図28の部分拡大図から確認できるように、幹糸(メインライン)(ML)からソフトルアー(A)を吊り下げる枝糸(ブランチライン)(BL)の作用長さは、上記立て竿(スティック)(45)の上端部(竿先部)から沖方向(後方)へ延長された幹糸(メインライン)(ML)の言わば後下がり傾斜角度に応じて、例えば約3.5m〜6.5m、約3m〜5m、約2.5m〜4.0m並びに約2.0m〜2.5mというような順次段階的に短かく相違変化させることにより、その複数(図示の実施形態では合計4個)のソフトルアー(A)を悉く海面(Z−Z)と平均的に同じ高さか、又はその海面(Z−Z)よりも若干浮上する高さに位置決め調整セットし、海中へ沈降しない状態に保つ。
【0116】
上記抵抗板(ジャンボバード)(JB)は繊維強化樹脂(FRP)やポリプロピレンなどから、
図29のような前後方向へ一定長さ(例えば約1,000mm)だけ延在する胴体(50)と、左右方向へ一定長さ(例えば約300mm)だけ横架する翼板(51a)(51b)(51c)の複数(例えば3枚)とが直交する形態に組み立てられており、その重量(例えば約10Kg)も含む引張り抵抗力によって、上記垂れ糸(タグライン)(TL)と幹糸(メインライン)(ML)とを立て竿(スティック)(45)からの一直線状に緊張させるだけでなく、その翼板(51a)(51b)(51c)によって海水を激しくはね上げる積極的な動きと音が、マグロに生餌(イカ)の群れを感得させ、集魚作用を果すものであり、海中を曳かれる潜行板ではない。
【0117】
但し、幹糸(メインライン)(ML)の根元部(前端部)は上記釣り竿(ボードロッド)(47)に付属している巻取リール(46)への巻き付け状態にあって、これから繰り出されるようになっており、その幹糸(メインライン)(ML)の途中に造形されたブレーカー係止リング(52)と、上記垂れ糸(タグライン)(TL)の先端部(後端部)に結束されたスナップフック金具(53)とが、
図30に抽出して示すような好ましくは生分解性樹脂の組紐から成るブレーカー(54)を介して、切り離すことができる状態に連結されている。
【0118】
上記幹糸(メインライン)(ML)が枝糸(ブランチライン)(BL)のソフトルアー(A)に喰い付いたマグロの動きにより、その先端部(後端部)から強い引張り力を受けた時には、その途中に介在しているブレーカー(54)が切断されて、それまでの垂れ糸(タグライン)(TL)と連結していた配線系統から、釣り竿(ボードロッド)(47)の巻取リール(46)に巻き取られる配線系統へ、自づと変更されるようになっているのである。
【0119】
更に、(CL)は上記垂れ糸(タグライン)(TL)の先端部(後端部)付近へ着脱自在に接続される補助制御糸(アクションライン)であり、その垂れ糸(タグライン)(TL)から船体(B)へ垂れ下がる補助制御糸(アクションライン)(CL)の下端部を、その船体(B)に同乗した釣り人(M1)の言わば補助者(M2)が、引張ったり、放したり操作することによって、上記ソフトルアー(A)を人為的に昇降させる協力も行えるようになっている。(55)はその補助制御糸(アクションライン)(CL)の上端部に結束されたスナップ開閉式の係止金具を示しており、上記枝糸(ブランチライン)(BL)の係止金具(44)と同じものである。
【0120】
上記幹糸(メインライン)(ML)の巻取リール(46)を付属している釣り竿(ボードロッド)(47)は
図31のように、その船体(B)に固定設置された受け金具(48)へ、抜き差し自在に差し込みセットされるようになっている。(56)はその釣り竿(ボードロッド)(47)に設置された複数の幹糸(メインライン)ガイド金具であり、これによって上記枝糸係止リング(49)やブレーカー係止リング(52)を有する幹糸(メインライン)(ML)が、円滑に支障なく挿通されるようになっている。
【0121】
尚、上記幹糸(メインライン)(ML)と垂れ糸(タグライン)(TL)並びに補助制御糸(アクションライン)(CL)としては、上記した高強力なポリエチレン繊維の可撓な紐(商品名「ダイニーマ」)を採用し、枝糸(ブランチライン)(BL)としてはナイロン糸を採用することが好ましい。
【0122】
先に目安として例示した長さなどの数値から明白なように、上記トローリング漁の操業範囲は広大であるため、その操業中であることを他船に知らせる目印の旗(57)を、上記垂れ糸(タグライン)(TL)に取り付けて安全性を確保することが望ましい。
【0123】
上記のような立て竿(スティック)(45)から順次垂れ糸(タグライン)(TL)とブレーカー(54)、幹糸(メインライン)(ML)並びに抵抗板(JB)が一直線状になった準備完了後、プレジヤーボート(クルーザー)などの船体(B)を適当な速度(例えば約5ノット〜8ノット)で走らせ、その抵抗板(JB)を曳行すると、波の抵抗を受けて、幹糸(メインライン)(ML)に張力差が生じ、これを弾力性がある立て竿(スティック)(45)の反発力により緩和し、その幹糸(メインライン)(ML)の弛緩を解消して、すばやく緊張させることになる。
【0124】
又、船体(B)の走行中にはバウンドやローリング、ピッチングなどが発生し、上記立て竿(スティック)(45)の上端部が前後方向や左右方向へ振れ動くため、延いては上記幹糸(メインライン)(ML)から複数の枝糸(ブランチライン)(BL)を介して並列状態に吊り下がっているソフトルアー(A)が、波も受けて、海面(Z−Z)を叩いたり、ジャンピング(海面から出没又は昇降)したり、或いは海面(Z−Z)上を飛んだりすることを繰り返すことになり、これらの複雑且つ不規則(アットランダム)な動きと、これに伴ない発生する音並びに輝きが、捕獲対象魚であるマグロの索餌本能を大いに刺激する。併せて、抵抗板(JB)の曳行中に発生する海水の激しいはね上げと、その動きに伴なう音も、同じくマグロの索餌本能に強くアピールし、有効な集魚効果を得られることになる。
【0125】
更に、上記ソフトルアー(A)の中空本体(10)は柔軟な透明の熱可塑性樹脂(好ましくはアクリル樹脂)から成り、生餌(イカ)の体表(肌)と酷似した外観状態の色調(着色又は/及び模様)(34)を備えた胴部用転写シート(32b)(32s)と頭部用転写シート(35b)(35s)が、その本体(10)における胴部(11)と頭部(12)との裏側(内側)凹曲面に貼り付け一体化されていると共に、同じく生餌(イカ)の体表(肌)と酷似した外観状態の色調(着色又は/及び模様)(34)を備えた足部用転写シート(40b)(40s)が、足部(16)における吹流し短冊片(17)の裏面(内面)に貼り付け一体化されているため、その本体(10)の表側(外側)凸曲面(外周面)に各方向から当る光の輝き(光沢)も、上記マグロにリアルな生餌(イカ)の活動を印象づけることとなり、集魚効果の向上に寄与する。
【0126】
特に、その各本体ハーフセグメント(10B)(10S)における胴部(11)と頭部(12)の裏面(内面)へ貼り付けられた転写シート(32b)(32s)(35b)(35s)並びに各足部ハーフセグメント(16B)(16S)における吹流し短冊片(17)の裏面(内面)へ貼り付けられた転写シート(40b)(40s)は、ホログラムシート(33)とその表面にカラー印刷された色調(着色又は/及び模様)(34)とから成るため、そのホログラムシート(33)を形作っている金属反射層(39)の光反射作用とも相俟って、ソフトルアー(A)における本体(10)の表側(外側)からホログラム像との混合状態に透視・観察される色調(着色又は/及び模様)(34)が、キラキラと輝く光沢のある生餌(イカ)の体表(肌)を思わせる外観状態となる。また、そのソフトルアー(A)の透明感と生鮮度が、水に濡れることによってますます顕著に印象づけられることとなる。
【0127】
しかも、上記ソフトルアー(A)の本体(10)は柔軟性を有する熱可塑性樹脂から成る中空品であり、同じく柔軟性の熱可塑性樹脂から成る足部(16)は、自由自在に振れ動く多数の吹流し短冊片(17)を備えているため、その振れ動きも生餌(イカ)の泳動をリアルに印象づけることとなり、優れた釣り果を得られるのである。
【0128】
その場合、垂れ糸(タグライン)(TL)から船体(B)へ垂れ下がる補助制御糸(アクションライン)(CL)を、釣り人(M1)の補助者(M2)やその他の同乗者が、引っ張ったり、放したり操作して、上記ソフトルアー(A)を積極的に昇降させる如く、その動きを人為的に制御することもできる。
【0129】
そして、上記ソフトルアー(A)は幹糸(メインライン)(ML)から枝糸(ブランチライン)(BL)を介して、海面(Z−Z)と平均的に同じ高さか又は海面(Z−Z)から若干浮上する高さに吊り下げられているため、大型の回遊魚であるマグロは上記集魚作用を受けて、海面(表層)(Z−Z)へ集まり、海中(下方)から飛び出してソフトルアー(A)の就中足部(16)側へ喰い付くことになる。そのルアー(A)の全体がマグロに呑み込まれることもある。
【0130】
その時には、上記弾力性に富む立て竿(スティック)(45)がその上端部(竿先部)から急速に弓の如く弯曲変形すると共に、その負荷に応じた復元変形も行うため、上記マグロに強いショックを与えるおそれはなく、その弾性変形に伴って生成される時間差が、上記マグロの所謂口離れや口切れなどを防止することになる。
【0131】
併せて、上記ソフトルアー(A)の本体(10)は柔軟性を有する熱可塑性樹脂から成る中空品であり、その吹流し状の足部(16)も含む全体として、自由に屈曲変形し得るため、上記マグロに生鮮なイカとの違和感を与えるおそれがなく、その口離れの防止に役立つ。しかも、本体(10)の先端(後端)が釣り針取付部(13)として、ここに釣り針(30)が存在するため、上記立て竿(スティック)(45)の復元反撥力とも相俟って、その釣り針(30)に対するマグロの確実な口掛かり状態を得られるのである。
【0132】
そして、上記ソフトルアー(A)の釣り針(30)に口掛かりしたマグロは、その釣り糸(枝糸)(41)を引張ることになるため、イカ形ルアー(A)の足部(16)側がマグロに喰い切られて残る本体(10)側や、喰い切られることなく全体的に残るソフトルアー(A)は、釣り針(30)と引き離される如く、釣り糸(枝糸)(41)に沿って幹糸(メインライン)(ML)が存在する前方へ移動することとなり、マグロに対するルアー(A)の抵抗感やルアー(A)自身の損傷などを可及的に減少させることができる。
【0133】
更に、上記ソフトルアー(A)に喰い付いたマグロの強い引張り力を受けると、幹糸(メインライン)(ML)の途中を立て竿(スティック)(45)に連結しているブレーカー(54)が自づと切断され、その立て竿(スティック)(45)の上端部から垂れ糸(タグライン)(TL)が垂れ下がる一方、幹糸(メインライン)(ML)は釣り竿(ボードロッド)(47)の巻取リール(46)と連続する配線系統へ変更されるため、釣り人(M1)がその幹糸(メインライン)(ML)の巻取リール(46)を回転操作して、マグロを船体(B)へ引き寄せ、ギヤフなどを用いて船体(B)の内部へ取り込むのである。その際、マグロが喰い付いていないルアー(A)の釣り糸(枝糸)(41)については、その係止金具(44)を上記幹糸(メインライン)(ML)から取りはずせば良い。
【0134】
図26〜31に基いて本発明の使用状態を説明したスポーツフィッシングとしてのトローリングでは、海面(表層)を回遊魚(マグロ)の言わば漁場として、そのイカ形状のソフトルアー(A)が弾力性のある立て竿(スティック)(45)や抵抗板(JB)の働きによって、海面(Z−Z)を叩いたり、海面(Z−Z)から飛び上がったり、生餌(イカ)の逃げ惑ったりする複雑な且つ不規則な動きを繰り返し、その動きに伴なう音やキラキラと光る輝き(光沢)なども発生するため、捕獲対象魚(マグロ)の索餌本能を大いに刺激することができ、生餌(本物)と同等の有効な集魚作用と延いては優れた釣り果を得られるのである。
【0135】
もっとも、本発明のソフトルアー(A)は上記立て竿(スティック)(45)を使用する特異なトローリングのみならず、
図26、28と対応する
図32、33の変形使用例から明白なように、その立て竿(スティック)(45)の設置を省略して、釣り竿(ボートロッド)(47)の巻取リール(46)から海の沖方向(後方)へ繰り出した上記幹糸(メインライン)(ML)の先端部(後端部)や、その幹糸(メインライン)(ML)から分岐した枝糸(ブランチライン)(BL)の下端部へ、各々ソフトルアー(A)を接続して、そのソフトルアー(A)をこれに付属する重錘(図示省略)の調整や潜行板(図示省略)の併用などにより、海面(Z−Z)からの適当な深さ(Y)だけ沈む状態に保ち乍ら、船体(B)によって曳行する使い方も採用することができる。
【0136】
又、従来のトローリング漁を示す
図34から明白なように、船体(B)から左右方向へ横竿(58)を張り出すと共に、これから上記幹糸(メインライン)(ML)又は枝糸(ブラントライン)(BL)に相当する釣り糸(41)を経て吊り下げたソフトルアー(A)を、やはり適当な深さ(Y)だけ海中へ沈めた状態のもとで、上記船体(B)により曳行することも可能である。
【0137】
更に、図示省略するが、ソフトルアー(A)を重錘などによって、海中へ沈む状態に保つ延縄漁や、船体からの釣り竿(ボートロッド)(47)による1本釣り用としても、本発明のイカ形ソフトルアー(A)を便利良く使用することができる。
【0138】
尚、マグロを捕獲対象魚の典型例として説明したが、マグロ以外のカジキやシイラ、これらよりも小型のブリやカツオ、ハマチ、その他の魚釣り用としても、本発明を広く使えることは勿論である。
【解決手段】柔軟な透明の熱可塑性樹脂から捕獲対象魚の生餌(イカ)となる本体10の一対の本体ハーフセグメント10B、10Sと、同じく足部16の一対の足部ハーフセグメント16B、16Sと、ホログラムシートに上記生餌(イカ)の外観状態を印象づける着色又は/及び模様がカラー印刷された胴部用転写シート32b、32s、頭部用転写シート35b、35s及び足部用転写シート40b、40sを一対づつ用意して、上記胴部用転写シートと頭部用転写シートを胴部11と頭部12の裏側から貼り付け、この本体ハーフセグメント同士を、左右両サイド縁取り接合面での合掌状態に貼り合わせて組み立てると共に、上記足部用転写シートが吹流し短冊片17へ裏側から貼り付けられた上記足部ハーフセグメントの一対を、本体10の頭部12へ貼り付ける。