(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記吊り棒状体に前記取付け基材を取付ける第1取付け手段が、前記取付け基材に固定される取付け部材に、前記吊り棒状体の軸芯方向の任意の部位で固定操作可能な連結部材を設けて構成されている請求項1又は2に記載の振れ止め措置構造。
前記連結部材が、前記吊り棒状体に対して係脱自在な一対の係合凹部を備えた弾性変形操作可能な板状で、且つ、前記弾性変形操作及びそれの解除操作によって前記両係合凹部を前記吊り棒状体の脱着を許容する脱着許容状態と弾性復元力で前記吊り棒状体との係合を維持する係合固定状態とに切替可能に構成されている請求項3から6のいずれか一項に記載の振れ止め措置構造。
前記取付け基材に前記振れ止め棒状体を取付ける第2取付け手段が、前記取付け基材に固定される第2取付け部材に、前記振れ止め棒状体の軸芯方向の任意の部位に対して側方から脱着可能に係合固定する第2連結部材を設けて構成されている請求項1から7のいずれか一項に記載の振れ止め措置構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の振れ止め措置構造では、構造体の被取付け面における吊り棒状体の垂設位置から水平方向に偏位した振れ止め棒状体の取付け相当位置に、上側連結部材の第2連結板部を取付けるためのアンカーボルトを設ける必要があるため、振れ止め措置の施工に多くの手間を要する問題があった。
【0009】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、構造体から垂設されている吊り棒状体を利用した合理的な改良により、振れ止め措置の施工を能率良く容易に行うことのできる振れ止め措置構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による第1の特徴構成は、構造体に垂設された吊り棒状体に取付け基材を固定状態で取付け、この取付け基材における前記吊り棒状体から側方に偏位した取付け部位と振れ止め処置対象部位とに亘って振れ止め棒状体を連結してある点にある。
【0011】
上記構成によれば、構造体から垂設されている強固な吊り棒状体の基端側(上端側)に取付け基材を固定状態で取付けることにより、この取付け基材における吊り棒状体から側方に偏位した取付け部位と振れ止め処置対象部位、例えば、吊り棒状体の下方側の振れ止め処置部位又は当該吊り棒状体に吊下げ支持されている吊設部材の振れ止め処置部位、或いは、隣接する他の吊り棒状体の下方側の振れ止め処置部位又は他の吊設部材に吊下げ支持されている他の吊設部材の振れ止め処置部位等とに亘って振れ止め棒状体を架設することができる。
【0012】
したがって、構造体から垂設されている強固な吊り棒状体に着目した上述の如き簡単且つ経済的な改良により、従来から手間の掛かっていた構造体に対する振れ止め棒状体を取付けるためのアンカー工事を削減することができ、振れ止め措置の施工を能率良く容易に行うことができる。
【0013】
本発明による第2の特徴構成は、前記取付け基材が前記構造体に当て付けた状態で前記吊り棒状体に固定されている点にある。
【0014】
上記構成によれば、取付け基材における吊り棒状体から側方に偏位した取付け部位と振れ止め処置対象部位とに亘って連結されている振れ止め棒状体に、地震や人工振動等に起因する振動が圧縮方向の外力として作用したとき、この作用した圧縮方向の外力を、振れ止め棒状体に連結されている取付け基材を介して頑丈な構造体に受止め支持させることができる。
【0015】
したがって、構造体から垂設されている強固な吊り棒状体を活用して振れ止め措置施工の能率化、容易化を図りながらも、振れ止め処置対象部位での制振性能を向上することができる。
【0016】
本発明による第3の特徴構成は、前記取付け基材の複数の前記取付け部位と前記振れ止め処置対象部位とに亘って複数本の前記振れ止め棒状体が連結されている点にある。
【0017】
上記構成によれば、複数の振れ止め棒状体で振れ止め処置対象部位を効果的に制振することができるとともに、複数の振れ止め棒状体を共通の取付け基材に連結するので、振れ止め措置の施工を能率良く容易に行うことができる。
【0018】
本発明による第4の特徴構成は、前記吊り棒状体に前記取付け基材を取付ける第1取付け手段が、前記取付け基材に固定される取付け部材に、前記吊り棒状体の軸芯方向の任意の部位で固定操作可能な連結部材を設けて構成されている点にある。
【0019】
上記構成によれば、取付け基材に固定されている取付け部材の連結部材を、吊り棒状体の軸芯方向の任意の部位で固定操作することができるので、取付け基材を振れ止め棒状体の取付けに最も適した位置に固定することができる。
【0020】
特に、上述の第2の特徴構成を採用している場合では、吊り棒状体に対する連結部材の軸芯方向での位置調整後の固定操作により、構造体に対して取付け基材を確実に当て付けた状態で吊り棒状体に固定することができる。
【0021】
本発明による第5の特徴構成は、前記取付け基材と前記取付け部材との相対回転を阻止する回転阻止手段が設けられている点にある。
【0022】
上記構成によれば、取付け基材と取付け部材とが相対回転不能な状態で吊り棒状体に固定されているため、取付け基材における吊り棒状体から側方に偏位した取付け部位と振れ止め処置対象部位とに亘って連結されている振れ止め棒状体に、地震や人工振動等に起因する振動が圧縮方向の外力として作用したとき、この作用した圧縮方向の外力を振れ止め棒状体に連結されている連結部材及び取付け部材を介して取付け基材に確実に伝達することができる。
【0023】
本発明による第6の特徴構成は、前記連結部材と前記取付け部材とが相対回転自在に枢支連結されている点にある。
【0024】
上記構成によれば、吊り棒状体と取付け基材との交差角度が施工条件によって変化する場合でも、取付け基材に固定されている取付け部材に対する連結部材の回転操作により、この連結部材を吊り棒状体の軸芯方向の所定部位に確実、容易に固定操作することができる。
【0025】
本発明による第7の特徴構成は、前記連結部材の回転中心周りの中間部位とこれに対応する前記取付け部材の連結部位とが重合状態で相対回転自在に摺接する構成にしてある点にある。
【0026】
上記構成によれば、吊り棒状体に地震や人工振動等に起因する振動が棒状体径方向の曲げ外力として作用したとき、この棒状体径方向の曲げ外力を、吊り棒状体に固定された連結部材の回転中心周りの中間部位とこれに対応する取付け部材の連結部位とが摺接する広い重合部分において受け止めることができるから、取付け部材に対する連結部材の傾動を抑制することができる。
【0027】
それ故に、連結部材と取付け部材とを相対回転自在に枢支連結して、連結部材を吊り棒状体の軸芯方向の所定部位に確実、容易に固定操作することができるようにしながらも、吊り棒状体に曲げ外力が作用したときの取付け部材に対する連結部材の傾動に起因する変形等を抑制することができる。
【0028】
本発明による第8の特徴構成は、前記連結部材が、前記吊り棒状体に対して係脱自在な一対の係合凹部を備えた弾性変形操作可能な板状で、且つ、前記弾性変形操作及びそれの解除操作によって前記両係合凹部を前記吊り棒状体の脱着を許容する脱着許容状態と弾性復元力で前記吊り棒状体との係合を維持する係合固定状態とに切替可能に構成されている点にある。
【0029】
上記構成によれば、連結部材を吊り棒状体の軸芯方向の所定部位に固定操作する際、この連結部材を弾性変形操作して、脱着許容状態にある連結部材の両係合凹部を係合対象の吊り棒状体に係合し、その係合状態での弾性変形操作の解除による弾性復元力により、連結部材の両係合凹部を係合固定状態に切り替えて吊り棒状体との係合固定状態を維持することができる。
それ故に、吊り棒状体と連結部材との連結作業の能率化・容易化を促進することができる。
【0030】
本発明による第9の特徴構成は、前記取付け基材に前記振れ止め棒状体を取付ける第2取付け手段が、前記取付け基材に固定される第2取付け部材に、前記振れ止め棒状体の軸芯方向の任意の部位に対して側方から脱着可能に係合固定する第2連結部材を設けて構成されている点にある。
【0031】
上記構成によれば、取付け基材に振れ止め棒状体を第2取付け手段で連結するとき、取付け基材に固定されている第2取付け部材の第2連結部材を、振れ止め棒状体の軸芯方向の任意の部位に対して側方から係合固定操作することができるので、振れ止め棒状体と連結部材との連結作業の能率化・容易化を促進することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
〔第1実施形態〕
図1は、構造体(躯体)の一例である天井スラブSに垂設された吊りボルト1A(吊り棒状体の一例)に、吊設部材の一例である空調配管Pを横架姿勢で脱着可能に支持する吊下げ支持具Dを取付けてある配管支持装置(吊設部材支持装置)の振れ止め措置構造を示す。
【0034】
この振れ止め措置構造では、吊りボルト1Aの基端側(上端側)に、直線状のアングル(山形鋼)製の取付け基材12の長手方向中央部を、それの横向き板部12Aの上面全体を天井スラブSの水平な被取付け面Saに当て付けた固定状態で取付け、この取付け基材12における吊りボルト1から側方に偏位した両端部側の取付け部位と振れ止め処置対象部位の一例である吊りボルト1Aの下端側の振れ止め処置部位とに亘って二本のブレース(振れ止め棒状体の一例である振れ止めボルト)1Bを連結してある。
【0035】
また、この振れ止め措置構造においては、吊りボルト1Aに取付け基材12を固定状態で取付ける第1取付け手段(第1取付け具)Aと、取付け基材12にブレース1Bを取付ける第2取付け手段(第2取付け具)B、及び、交差姿勢にある1本の吊りボルト1Aの下端側部位と2本のブレース1Bの下端側部位とを係合連結する交差連結手段(交差連結具)Cとが装備されている。
【0036】
空調配管Pの吊下げ支持具Dとしては種々の構造のものが存在し、そのいずれのものも使用可能である。
そして、吊下げ支持具Dの一例を簡単に説明すると、
図1、
図11に示すように、空調配管Pを受止め支持する受止め部31aを備えた板金製の支持具本体31と、吊りボルト1Aに対して係脱自在な係止部32と、この係止部32に係入する吊りボルト1Aに当接して係止部32を吊りボルト1Aに圧接付勢する弾性付勢手段33とが主要構成として設けられている。
【0037】
支持具本体31には、二本の空調配管Pに対する受止め支持空間30及び上側に湾曲する受止め部31aを現出する状態で略「し」の字状に湾曲形成された板金製の支持部材31Aと、当該支持部材31Aの前側板部31bの上端部に枢着された受止め支持空間30の上部を開閉する板金製の蓋部材31Bとが装備されている。
【0038】
係止部32は、上下方向に間隔を隔てて配置される一対のフック部32A,32Bから構成され、そのうち、上方のフック部32Aは、支持部材31Aの後側板部31cの上端部から受止め支持空間30とは反対の背面側に屈曲形成して構成され、また、下方のフック部32Bは、支持部材31Aの後側板部31cの背面に固着(リベット接合)されている。
【0039】
さらに、弾性付勢手段33は、下方のフック部32Bと一緒に支持部材31Aの後側板部31cに固着された弾性板金部材33Aに、上下のフック部32A,32B間の中間位置において吊りボルト1Aを上方のフック部32Aのフック凹部32a及び下方のフック部32Bのフック凹部32bに圧接させる状態で押付付勢する板バネ部33aと、その押付付勢状態を解除操作する押付解除操作部33bとを折り曲げ形成して構成されている。
【0040】
そして、振れ止め措置構造に装備される第1取付け手段Aと第2取付け手段Bは、係合対象のボルト(棒状体)が吊りボルト1Aであるか、ブレース1Bであるかの違いだけであり、構造自体は同一に構成されている。
そのため、次に一方の第1取付け手段Aの構成について説明するものの、実質的に他方の第2取付け手段Bの構成の説明にもなる。
【0041】
第1取付け手段Aは、
図1〜
図4(尚、図面は第2取付け手段Bを示すが、上述のとおり同一構造であるため、これを参照する)に示すように、取付け基材12の縦向き板部12Bに取付け部材14を締結具13のボルト13A・ナット13Bで締め付け固定し、この取付け部材14に、吊りボルト1Aの軸芯方向の任意の部位で固定操作可能、つまり、吊りボルト1Aの軸芯方向の任意の部位に対して側方から脱着可能に係合固定される連結部材2を回転自在に設けて構成されている。
【0042】
取付け基材12の縦向き板部12Bには、締結具13のボルト13Aが挿通される長円状の取付け孔15が所定ピッチで複数個形成され、そのうちの一つの取付け孔15を使用して取付け基材12の縦向き板部12Bに固定された取付け部材14の回転を阻止する回転阻止手段16が設けられている。
【0043】
この回転阻止手段16は、締結具13のボルト13Aが挿通される取付け孔15に隣接する他の取付け孔15に係合する状態で取付け部材14に設けられた円柱状の回り止め突起16Aから構成されている。
【0044】
また、
図4に示すように、取付け部材14に形成されるボルト挿通孔14aの開口縁と回り止め突起16Aの外周面との間の間隔W1は、隣接する両取付け孔15の開口端縁間での間隔W2よりも少し大に構成してある。
【0045】
取付け部材14は、
図2〜
図4に示すように、取付け基材12の横向き板部12Aの下面に重合状態で当接する第1重合板部14Aと、取付け基材12の縦向き板部12Bの内側面に重合状態で当接する第2重合板部14B、及び、この第2重合板部14Bの下端相当部位において外方側に張り出す状態で屈曲形成された連結部材2との連結部位となる取付け板部14Cとから構成され、この取付け板部14Cには、連結部材2の中間部位である取付け板部2Aが枢支連結手段の一例であるリベット11で回転自在に枢支連結されている。
【0046】
取付け部材14の第2重合板部14Bに対する取付け板部14Cの外方側への張り出し代は、連結部材2に係合固定される吊りボルト1Aと締結具13のボルト13Aの頭部とが干渉しない寸法に設定されている。
【0047】
取付け部材14の取付け板部14Cは、
図2に示すように、当該取付け板部14Cに摺接状態で重合配置される連結部材2の取付け板部2Aにおける回転中心位置から対角線方向の角部又はその近傍位置までの距離Lを半径とする半円弧状に構成されている。
【0048】
そのため、取付け部材14の取付け板部14Cに対する連結部材2の回動範囲の全域において、取付け板部14Cと連結部材2の取付け板部2Aとが回転径方向で広く面接触することになる。
【0049】
そして、吊りボルト1Aに地震や人工振動等に起因する振動がボルト径方向(棒状体径方向)の曲げ外力として作用したとき、このボルト径方向の曲げ外力を、吊りボルト1Aに係止固定された連結部材2の取付け板部2Aとこれに対応する取付け部材14の取付け板部14Cとが摺接する回転半径方向で広い重合部分において受け止めることができるから、取付け部材14に対する連結部材2の傾動を抑制することができる。
【0050】
それ故に、連結部材2と取付け部材14とを相対回転自在に枢支連結して、連結部材2を吊りボルト1Aの軸芯方向の所定部位に確実、容易に係止固定操作することができるようにしながらも、吊りボルト1Aに曲げ外力が作用したときの取付け部材14に対する連結部材2の傾動に起因する変形等を抑制することができる。
【0051】
第1取付け手段Aの連結部材2は、
図5〜
図8に示すように、取付け部材14に対して回転自在に枢着される取付け板部2Aと、これの両端から同一側に互いに離れる向きの傾斜姿勢で延出される傾斜板部2B、及び、当該両傾斜板部2Bの先端側に延出される指で挟み操作可能な操作板部2Cとを備えた弾性変形可能な板金から構成されている。
【0052】
この連結部材2の両傾斜板部2Bには、当該両傾斜板部2Bを互いに近づける側への両操作板部2Cによる弾性変形操作により、吊りボルト1Aに対して交差方向から係脱可能な状態で係入する係合凹部3が、両傾斜板部2Bの互いに異なる側辺において逆向きに開口する状態で切欠き形成されている。
【0053】
連結部材2の両操作板部2Cによる弾性変形操作及びそれの解除操作により、両係合凹部3を吊りボルト1Aに対する係脱操作を許容する脱着許容状態と係合操作位置において弾性復元力で吊りボルト1Aの係合を維持する係合固定状態とに切り替え可能に構成されている。
【0054】
連結部材2の両係合凹部3におけるボルト軸芯方向(棒軸芯方向)外方側の端縁2aのうち、吊りボルト1Aの設定係合位置に対応する端縁部位をもって、連結部材2の弾性復元力で吊りボルト1Aのネジ部(棒状部材の複数の係止突起の一例で、ネジ山又はネジ溝)1aに係合保持される第1係止爪4が形成されているとともに、各第1係止爪4が、吊りボルト1Aのネジ部1aの螺旋方向に沿う傾斜姿勢に構成されている。
【0055】
連結部材2の両係合凹部3におけるボルト軸芯方向(棒軸芯方向)内方側の端縁2bのうち、吊りボルト1Aの設定係合位置に対応する端縁部位は、後述する一対の押圧板部5A,5Bの第2係止爪5a,5bの存在によって吊りボルト1Aと非接触状態に構成されている。
【0056】
連結部材2の両係合凹部3の第1係止爪4が吊りボルト1Aのネジ部(ネジ山又はネジ溝)に係合している状態での連結部材2と吊りボルト1Aとのボルト軸芯X方向での相対移動に伴って、少なくとも一方の第1係止爪4と吊りボルト1Aのネジ部1aとの係合力を強める方向に押圧する係合押圧手段5が設けられている。
【0057】
この係合押圧手段5は、両第1係止爪4とは反対側から吊りボルト1Aのネジ部1aに係合可能な第2係止爪5a、5bを備え、且つ、当該第2係止爪5a,5bが吊りボルト1Aのネジ部1aに係合している状態での連結部材2と吊りボルト1Aとのボルト軸芯X方向での相対移動に伴ってボルト軸芯X側に突出変位する一対の押圧板部5A,5Bから構成されている。
【0058】
この押圧板部5A,5Bの第2係止爪5a、5bの各々は、ボルト軸芯X方向の外力のかかる向きに対向する方向で傾斜して、両第1係止爪4との協働でボルト1を両側から挾持するように構成され、さらに、第2係止爪5a、5bの各々は、吊りボルト1Aのネジ部1aの螺旋方向に沿う傾斜姿勢に構成されている。
【0059】
また、押圧板部5A,5Bは、連結部材2における両第1係止爪4よりも取付け板部2A側に偏倚した部位の二箇所、つまり、取付け板部2Aにおける両傾斜板部2Bとの境界側に偏倚した部位の二箇所において、連結部材2の棒軸芯方向中央位置側に向く傾斜姿勢で切り起こし形成されている。
【0060】
両押圧板部5A,5Bの第2係止爪5a、5bを結ぶ線分から取付け板部2Aの表面までの突出高さが、連結部材2の両係合凹部3における内方側端縁2bを結ぶ線分から取付け板部2Aの表面までの高さよりも大に構成されている。
【0061】
一方の押圧板部5Aは、連結部材2に対する吊りボルト1Aのボルト軸芯X方向に沿う一方向(
図5の矢印a方向)での移動に伴ってボルト軸芯X側に折り曲げ基端部を起点にして揺動起立しながら突出変位し、且つ、他方の押圧板部5Bは、連結部材2に対する吊りボルト1Aのボルト軸芯X方向に沿う他方向(
図5の矢印b方向)での移動に伴ってボルト軸芯X側に折り曲げ基端部を起点にして揺動起立しながら突出変位する構成にしてある。
【0062】
そして、連結部材2における両係合凹部3の外方側端縁2aに形成された第1係止爪4及び両押圧板部5A,5Bの第2係止爪5a、5bがそれらに対応する吊りボルト1Aのネジ部(ネジ山又はネジ溝)1aに係合している状態で、連結部材2と吊りボルト1Aとに対してボルト軸芯X方向の外力が作用して、この外力によって連結部材2と吊りボルト1Aとがボルト軸芯X方向に沿って相対移動するとき、連結部材2に対する吊りボルト1Aのボルト軸芯X方向に沿う一方向(
図5の矢印a方向)での移動に対しては、その移動の向きに対向する一方の押圧板部5Aが、第1係止爪4とは反対側からボルト軸芯X側に突出変位する。
この突出変位に伴って一方の押圧板部5Aの第2係止爪5aの先端と第1係止爪4の先端とのボルト挾持幅が狭くなり、両第1係止爪4が吊りボルト1Aのボルト軸芯X側に引き寄せられて吊りボルト1Aのネジ部1aに強く食い込むことになる。
【0063】
しかも、一方の押圧板部5Aの第2係止爪5aも吊りボルト1Aのネジ部1aに強く食い込むため、両第1係止爪4と一方の押圧板部5Aの第2係止爪5aとで吊りボルト1Aを強力に挾持することになる。
【0064】
また、連結部材2に対する吊りボルト1Aのボルト軸芯X方向に沿う他方向(
図5の矢印b方向)での移動に対しては、その移動の向きに対向する他方の押圧板部5Bが、第1係止爪4とは反対側からボルト軸芯X側に突出変位する。
この突出変位に伴って他方の押圧板部5Bの第2係止爪5bの先端と第1係止爪4の先端とのボルト挾持幅が狭くなり、両第1係止爪4が吊りボルト1Aのボルト軸芯X側に引き寄せられて吊りボルト1Aのネジ部1aに強く食い込むことになる。
しかも、他方の押圧板部5Bの第2係止爪5bも吊りボルト1Aのネジ部1aに強く食い込むため、両第1係止爪4と他方の押圧板部5Bの第2係止爪5bとで吊りボルト1Aを強力に挾持することになる。
【0065】
したがって、連結部材2と吊りボルト1Aとに作用するボルト軸芯X方向の外力を両第1係止爪4と第2係止爪5a,5bとに分散して受止めることができるとともに、両第1係止爪4及び第2係止爪5a,5bの各係合力も強めることができるから、連結部材2の両第1係止爪4及び第2係止爪5a、5bと吊りボルト1Aのネジ部1aとに作用するボルト軸芯X方向の外力を確実、強力に受止めることができる。
【0066】
また、連結部材2の両係合凹部3における内方側端縁2bの開口側部位には、両第1係止爪4及び第2係止爪5a,5bと係合状態にある吊りボルト1Aの径方向外方側に当接して該吊りボルト1Aの抜け出し移動を当接阻止する抜止め片6が、押圧板部5A,5Bの傾斜方向と略同方向に切り起こしによって突出形成され、この抜止め片6の突出代が吊りボルト1Aの半径に略相当する寸法に構成されている。
【0067】
抜止め片6の輪郭形状は、連結部材2の傾斜板部2Bに対して直角又は急傾斜で交差するストッパー面6aと、このストッパー面6aの頂部から取付け板部2Aの幅方向の一側辺に向って湾曲又は傾斜する吊りボルト1Aの係脱ガイド面6bとから構成されている。
【0068】
上述の如く構成された第1取付け手段Aと同一構造の第2取付け手段Bは、取付け基材12に固定される第2取付け部材に、ブレース1Bの軸芯方向の任意の部位に対して側方から脱着可能に係合固定する第2連結部材を設けて構成されており、この第2取付け手段Bの第2取付け部材は、上述の第1取付け手段Aの取付け部材14をもって構成されており、さらに、第2連結部材は、上述の第1取付け手段Aの連結部材2をもって構成されている。
【0069】
そして、吊りボルト1Aに取付け基材12を取付ける場合、取付け基材12の長手方向中央部及び両端部に、第1取付け手段Aの取付け部材14及び両第2取付け手段Bの第2取付け部材を構成する取付け部材14を夫々締結具13のボルト13A及びナット13Bで予め取付ける。
【0070】
次に、第1取付け手段Aの連結部材2の両操作板部2Cを弾性変形操作して、脱着許容状態にある連結部材2の両係合凹部3を、吊りボルト1Aに対して交差方向から係入し、この状態で吊りボルト1Aに沿って取付け基材12を上方に押し上げ、当該取付け基材12の横向き板部12Aの上面全体を天井スラブSの水平な被取付け面Saに押し当て付けた状態で連結部材2の両操作板部2Cを解除操作する。
【0071】
連結部材2の弾性復元力により、当該連結部材2の両第1係止爪4と第2係止爪5a、5bとが吊りボルト1Aのネジ部1aを強力に挾持し、取付け基材12を天井スラブSの被取付け面Saに押し当てた状態で強固に固定することができる。
【0072】
その後、取付け基材12の両端部に取付けられている各第2取付け手段Bの第2連結部材である連結部材2に、ブレース1Bの上端側部位を係合固定するとともに、交差姿勢にある1本の吊りボルト1Aの下端側部位と2本のブレース1Bの下端側部位とを交差連結手段Cで強固に係合連結する。
【0073】
この交差連結手段Cは、
図9、
図10に示すように、第1取付け手段Aの連結部材2と同一形状の第1連結部材C1の取付け板部2Aの背面に、第1取付け手段Aの連結部材2と同一形状の他の第2連結部材C2の取付け板部2Aと、第1取付け手段Aの連結部材2よりも両係合凹部3の係合スパンが長尺で、且つ、係合押圧手段5を備えていない第3連結部材C3の取付け板部2Aとを、枢支連結手段の一例であるリベット11にて背中合わせ状態で相対回転自在に枢支連結してある。
【0074】
第3連結部材C3の取付け板部2Aには、係合押圧手段5を構成する一対の押圧板部5A,5Bが設けられていないため、この第3連結部材C3の取付け板部2Aの表面側に取付けられる第2連結部材C2との相対回転をスムーズに行うことができる。
【0075】
この第3連結部材C3においては、両係合凹部3におけるボルト軸芯X方向内方側の端縁2bのうち、ボルト1の設定係合位置に対応する端縁部位が、両第1係止爪4をボルト1のネジ部1aに係合させた状態において、当該両第1係止爪4の反対側からボルト1のネジ部1aに係合する補助係止爪に構成されている。
【0076】
この交差連結手段Cにおいては、例えば、第3連結部材C3の取付け板部2Aの表面側に取付けられる第2連結部材C2の両係合凹部3に吊りボルト1Aを係合固定すると、第3連結部材C3の両係合凹部3に一方のブレース1Bを係合固定し、背中合わせ状態にある第1連結部材C1の両係合凹部3に他方のブレース1Bを係合固定することになる。
【0077】
尚、第1連結部材C1と第2連結部材C2及び第3連結部材C3の各々は第1取付け具Aの連結部材2と同一形状又は実質的に同一形状であるため、同一の構成箇所には、連結部材2と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0078】
また、この実施形態では、交差姿勢にある1本の吊りボルト1Aの下端側部位と2本のブレース1Bの下端側部位とを一つの三本用の交差連結具Cで係合連結したが、第1取付け具Aの連結部材2と同一形状の二枚の連結部材を相対回転自在に枢支連結してある二本用の交差連結具Cを二つ用いて、吊りボルト1Aの下端側部位と一方のブレース1Bの下端側部位とを係合連結するとともに、その係合連結箇所よりも下方又は上方に偏位した吊りボルト1Aの他の下端側部位と他方のブレース1Bの下端側部位とを係合連結連結してもよい。
【0079】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の実施形態では、連結部材2の両係合凹部3を、両傾斜板部2Bの互いに異なる側辺において逆向きに開口する状態で切欠き形成したが、この両係合凹部3を、両傾斜板部2Bの同一側の側辺において同じ向きに開口する状態で切欠き形成してもよい。
また、連結部材2に形成される係合部3等の形状は種々変更可能である。
要するに、連結部材2としては、吊りボルト1Aの連結対象部位又はブレース1Bの連結対象部位に対して側方から脱着可能に係合固定することのできる構成であれば、如何なる形状に形成してもよい。
【0080】
(2)上述の実施形態では、吊りボルト1Aに取付け基材12を取付ける第1取付け手段Aを、取付け基材12に締結具13で固定される取付け部材14と、吊りボルト1Aの軸芯方向の任意の部位に対して側方から脱着可能に係合固定される連結部材2とから構成したが、この連結部材2を、吊りボルト1Aに抱持又は挾持状態で締め付け固定可能なバンド部材(抱持部材)又は挾持部材等から構成してもよい。
また、取付け部材14を取付け基材12に溶接等で一体形成してもよく、さらに、連結部材2を取付け基材12に直接取付けてもよい。
【0081】
(3)吊りボルト1Aに取付け基材12を取付ける第1取付け手段Aの他の実施形態として、取付け基材12に吊りボルト1Aを挿通させるための貫通孔又は切欠き部を形成し、この貫通孔又は切欠き部の周縁部分を、挿通させた吊りボルト1Aに螺合されている一対のナットで挾持固定するように構成してもよい。
この実施形態では、一対のナットの螺合操作で取付け基材12を直接吊りボルト1Aに沿って上下方向に移動させることができるとともに、取付け基材12を天井スラブSの被取付け面Saに強く当て付けた状態で強固に固定することができる。
さらに、この実施形態の場合、一対のナットが、吊りボルト1Aの軸芯方向の任意の部位で固定操作可能な連結部材の一例を構成することになる。
【0082】
(4)さらに、取付け基材12と吊りボルト1Aとの固定連結構造の剛性(機械強度)が高く、ブレース1Bに作用する外力を十分受け止めることができる場合には、取付け基材12を天井スラブSの被取付け面Saに当て付けない状態(離間状態)で吊りボルト1Aに固定してもよい。
【0083】
(5)上述の実施形態では、取付け基材12をアングル(山形鋼)から構成したが、溝型鋼、H形鋼、T形鋼、Z形鋼等から構成してもよく、さらに、角筒や長円筒等の筒状体から構成してもよい。
また、取付け基材12を平面視において直線状に構成したが、この取付け基材12を平面視において十字状、Y字状等に構成してもよい。
【0084】
(6)上述の実施形態では、天井スラブSの被取付け面Saに当て付けた状態で吊りボルト1Aに固定される取付け基材12のうち、吊りボルト1から側方に偏位した両端部側の取付け部位と振れ止め処置対象部位の一例である吊りボルト1Aの下端側の振れ止め処置部位とに亘って二本のブレース1Bを連結したが、取付け基材12の一端部側の取付け部位と吊りボルト1Aの下端側の振れ止め処置部位とに亘って一本のブレース1Bのみを連結してもよい。
【0085】
(7)上述の実施形態では、吊りボルト1Aに固定された取付け基材12のうち、吊りボルト1から側方に偏位した取付け部位と振れ止め処置対象部位の一例である吊りボルト1Aの下端側の振れ止め処置部位とに亘ってブレース1Bを連結したが、振れ止め処置対象部位としては、吊りボルト1Aに吊下げ支持されている空調機器やケーブルラック、ダクト、天井下地材等の吊設部材の振れ止め処置部位であってもよい。
さらに、振れ止め処置対象部位としては、取付け基材12が取付けられている吊りボルト1Aに隣接する他の吊りボルト1Aの振れ止め処置部位又は他の吊りボルト1Aに吊下げ支持されている他の吊設部材の振れ止め処置部位等であってもよい。
【0086】
(8)上述の実施形態では、一本の吊りボルト1Aに一本の取付け基材12を固定したが、二本の吊りボルト1A又は三本以上の吊りボルト1Aにわたって一本の取付け基材12を固定してもよい。
【0087】
(9)上述の第1実施形態では、取付け部材14の片面に一つの連結部材2を取付けたが、取付け部材14の両面の各々に連結部材2を取付けてもよく、さらに、取付け部材14の片面又は両面に、二本の棒状体の連結対象部位を側方から脱着自在に係合固定可能な二枚の連結部材2を重合姿勢で相対回転自在に取付けてもよい。
【0088】
(10)上述の実施形態では、吊設部材の一例である空調配管Pや空調機器Eの吊下げ支持装置における振れ止め措置構造について説明したが、ケーブルラックやダクト、天井下地材等の他の振れ止め措置構造であってもよい。
【0089】
(11)上述の実施形態では、吊り棒状体又は振れ止め棒状体をボルトから構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、棒軸芯方向に沿って多数の係止突起が周方向の一部に形成してある棒状体を用いてもよい。