(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6288668
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】コンデンサヘッドホン
(51)【国際特許分類】
H04R 19/02 20060101AFI20180226BHJP
H04R 1/10 20060101ALI20180226BHJP
H04R 19/01 20060101ALN20180226BHJP
【FI】
H04R19/02
H04R1/10 101Z
!H04R19/01
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-2110(P2014-2110)
(22)【出願日】2014年1月9日
(65)【公開番号】特開2015-130636(P2015-130636A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2016年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000128566
【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】秋野 裕
【審査官】
岩田 淳
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−023559(JP,A)
【文献】
実開昭50−060033(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 11/00−11/06
11/14−15/02
19/00−19/04
21/00−21/02
23/00−23/02
31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動板と、前記振動板の両側にそれぞれ複数の貫通孔が施された固定極とを備えたコンデンサヘッドホンユニットが用いられ、前記各固定極は金属素材により形成されると共に、使用者の耳側に位置する固定極を覆うようにして保護膜が配置され、かつ使用者の耳側とは反対側に位置する固定極を覆うようにして第2の保護膜が配置され、
前記保護膜における使用者の耳側に対峙する面には導電膜が成膜されて、当該導電膜が電気的に接地され、前記第2の保護膜に成膜された導電膜は、電気的に接地されない状態になされ、前記保護膜および第2の保護膜には、それぞれ全面にわたって不規則な皺が付与されていることを特徴とするコンデンサヘッドホン。
【請求項2】
前記振動板には金属膜が成膜されて、当該金属膜に対して成極電圧が加えられると共に、前記各固定極に互いに逆相の信号電圧が加えられることを特徴とする請求項1に記載されたコンデンサヘッドホン。
【請求項3】
前記各固定極における前記振動板に対峙する面には、それぞれ高分子フィルムからなるエレクトレット材が配置されると共に、前記各固定極に互いに逆相の信号電圧が加えられることを特徴とする請求項1に記載されたコンデンサヘッドホン。
【請求項4】
使用者の耳側に位置する固定極を覆う保護膜は、その周縁部が支持部材によって支持されると共に、前記支持部材を利用して使用者の耳側に配置される固定極に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載されたコンデンサヘッドホン。
【請求項5】
前記第2の保護膜は、その周縁部が支持部材によって支持されると共に、前記支持部材を利用して使用者の耳側とは反対側に位置する固定極に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載されたコンデンサヘッドホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコンデンサヘッドホンに関し、ヘッドホンハウジング内に収容された状態のヘッドホンユニットにおいて、使用者の耳に対向する少なくとも一方の面に、保護膜を備えたコンデンサヘッドホンに関する。
【背景技術】
【0002】
コンデンサヘッドホンユニットは、再生歪みを少なくするために、一般的に振動板の両側に固定極を配置したプッシュプル駆動型が採用される。そして、この種のコンデンサヘッドホンユニットにおいては、振動板に数百Vの成極電圧を印加した状態で、各固定極に音声再生用の信号電圧が加えられる。これによる振動板の振動により音声波が生成される。そして、振動板の振動に伴って生成される音声波は、固定極に穿設された複数の開口(貫通孔)を通って、コンデンサヘッドホンを装着した利用者の耳に到達する。
【0003】
したがって、前記したプッシュプル駆動型のコンデンサヘッドホンにおいて、一方の固定極が必ず利用者の耳側に位置することになる。
例えば100dBの音圧を出力させる場合、約100V(rms)程度の音声信号電圧が前記固定極に加えられる。そのため、絶縁破壊が発生し、前記固定極に加えられた電圧が利用者に電撃(感電)を与えるという問題が発生し得る。
【0004】
また、この種のコンデンサヘッドホンにおいては、人体からの発汗等の影響を受けてヘッドホンの構成部材の表面抵抗が低下し易い。そのため、沿面放電が起こりやすく、放電による感電の危険性と電撃による振動板の破損の可能性が増大する。
【0005】
このような放電による感電を防止するためには、ヘッドホンユニットと人体の耳との距離が大きく離れるように設計することが考えられる。しかし、そのような設計によると、ヘッドホンとしての出力音圧の低下は免れない。
また、従来技術では、人体の発汗などによるユニットの絶縁性劣化を防止するために、固定極と耳との間にプラスチックフィルムで作成された防湿膜を入れることが提案されている。しかし、その防湿膜は1〜2μm程度の厚みしかないため、放電による感電を防止できない。
【0006】
前記したコンデンサヘッドホンの問題点に対処するために、本件出願人は振動板の両側に配置される固定極として、両面プリント基板を用いたコンデンサヘッドホンについて先に提案をしており、これは特許文献1に開示されている。
先に提案をしたコンデンサヘッドホンによると、固定極を構成する両面プリント基板において、中央に位置する振動板に対峙するそれぞれ内側の導電箔には、音声再生用の信号電圧が印加される。そして、使用者の耳側に配置される固定極を構成する前記両面プリント基板の外側の導電箔は、基準電位点に接続(接地)するように構成するものである。
【0007】
前記した特許文献1に開示のコンデンサヘッドホンによると、使用者の耳側に対峙する外側の導電箔が接地されているので、使用者の感電を効果的に防止することができる。加えて、両面プリント基板の構成上の特質を生かした低コストのコンデンサヘッドホンを提供することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−270663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1に開示されたコンデンサヘッドホンは、固定極にプリント基板を用いるものである。この固定極は、質量が小さく、また機械的な強度(剛性)も劣るという問題を抱えている。
このために振動板の反力によって固定極としてのプリント基板が振動し易い。この固定極の振動は、音声波の高音質な再生を阻害する。また、プリント基板はその表面の平坦度が本質的に低い。そのため、振動板との接触を避けるために両者の間隔をより大きく設計する必要が生ずる。したがって、コンデンサヘッドホンとしての音圧感度を高めることにも限界が生ずる。
【0010】
そこで、前記した固定極に金属素材を用いることで、前記した高音質な再生が不可能な問題、ならびに音圧感度に限界が生ずる点について、その要因を排除することができる。
しかしながら、固定極に金属素材を用いた場合、金属素材が電気的な導体であるために、特許文献1に開示された使用者の感電防止対策に関する構成をそのまま採用することは不可能となる。
【0011】
そこで、この発明は固定極に金属素材を用いることで音質改善等を図ると共に、使用者の前記した感電防止対策、もしくはエレクトレット型コンデンサヘッドホンにおけるエレクトレットの劣化防止対策としても効果的に機能させることができるコンデンサヘッドホンを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記した課題を解決するためになされたこの発明に係るコンデンサヘッドホンは、振動板と、前記振動板の両側にそれぞれ複数の貫通孔が施された固定極とを備えたコンデンサヘッドホンユニットが用いられ、前記各固定極は金属素材により形成されると共に、使用者の耳側に位置する固定極を覆うようにして保護膜が配置され
、かつ使用者の耳側とは反対側に位置する固定極を覆うようにして第2の保護膜が配置され、前記保護膜における使用者の耳側に対峙する面には導電膜が成膜されて、当該導電膜が電気的に接地され
、前記第2の保護膜に成膜された導電膜は、電気的に接地されない状態になされ、前記保護膜および第2の保護膜には、それぞれ全面にわたって不規則な皺が付与されていることを特徴とする。
【0013】
この場合、好ましい一つの形態においては、前記振動板には金属膜が成膜されて、当該金属膜に対して成極電圧が加えられる。あわせて、前記各固定極に互いに逆相の信号電圧が加えられる構成が採用される。
また、好ましい他の一つの形態においては、前記各固定極における前記振動板に対峙する面には、それぞれ高分子フィルムからなるエレクトレット材が配置される。あわせて、前記各固定極に互いに逆相の信号電圧が加えられる構成が採用される。
【0014】
前記した成極電圧を用いるもの、もしくはエレクトレット材を用いるいずれの形態においても、使用者の耳側に位置する固定極を覆う保護膜は、好ましくはその周縁部が支持部材によって支持される。加えて
、前記支持部材を利用して使用者の耳側に配置される固定極に取り付けた構成が採用される。
【0015】
さらに、使用者の耳側とは反対側に位置する固定極を覆
う第2の保護
膜は、その周縁部が支持部材によって支持される
と共に、前記支持部材を利用して使用者の耳側とは反対側に位置する固定極に取り付けた構成が採用される。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係るコンデンサヘッドホンによると、振動板の両側にそれぞれ複数の貫通孔が施された金属素材により形成された固定極が備えられる。そして、使用者の耳側に位置する固定極を覆うようにして保護膜が配置される。この保護膜の使用者の耳側に対峙する面には導電膜が成膜される。そして、この導電膜が電気的に接地された構成が採用される。
【0017】
したがって、金属素材による固定極が用いられるので、固定極としての機械的な強度(剛性)を高めることができる。これにより、固定極が不要な振動をしないため、音質改善に寄与することができる。
また、前記保護膜の耳側に対峙する面に成膜された導電膜は、電気的に接地される。この結果、前記した使用者が感電する問題を効果的に排除することができる。
【0018】
さらに、エレクトレット材を用いたコンデンサヘッドホンにおいては、前記保護膜に形成された導電膜が、静電遮蔽の作用を果たすことができる。この結果、人体に帯電した電荷を受けて、ヘッドホンユニットのエレクトレット材が劣化するのを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】コンデンサヘッドホンユニットを一方の面から視た固定極の正面図である。
【
図2】保護膜を備えたコンデンサヘッドホンユニットを分解した状態の中央断面図である。
【
図3】コンデンサヘッドホンユニットを駆動する回路構成の一例を示した結線図である。
【
図4】コンデンサヘッドホンユニットをヘッドホンハウジングに収容したコンデンサヘッドホンの全体構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明に係るコンデンサヘッドホンについて、図に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、以下に説明する各図においては、同一部分もしくは同一の機能を果たす部分を同一符号で示しているが、紙面の都合により一部の図面においては代表的な部分に符号を付け、詳細な構成はその他の図面に付けた符号を引用して説明する場合もある。
【0021】
図1および
図2は、振動板を挟んで振動板の両側にそれぞれ固定極が備えられたプッシュプル駆動型のコンデンサヘッドホンユニット1を示しており、
図1はヘッドホンユニット1を一方の面から視た固定極の正面図であり、
図2はさらに保護膜を加えて、ヘッドホンユニットを分解した状態の中央断面図で示している。
【0022】
前記振動板11には、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)や、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などの合成樹脂膜が用いられる。この合成樹脂膜の例えば一方の面には、図示していないが金(Au)などの金属膜が成膜されている。
そして、前記振動板11は所定の張力が付与された状態で、金属素材によりリング状に成形された一対の支持リング12,12間に保持されている。
【0023】
前記振動板11を間にして、前後に一対の固定極13,13が配置される。すなわち、各固定極13,13は、例えばアルミニウムなどの金属素材によりそれぞれ円板状に形成されている。また
図1に示すように、各固定極13,13は、その全面にわたって、それぞれ複数の貫通孔13aが形成されている。また
図2に示されているように、前記各固定極13,13は、その周縁がリング状に形成された一対の絶縁座14,14によって支持される。
なおこの場合、固定極13はその周縁において、必要に応じて接着剤を用いて絶縁座14に対して固定される。
【0024】
また前記各絶縁座14,14の対向する位置には、それぞれリング状の凹み部14aが形成されている。この各凹み部14a,14aに前記振動板11を保持する一対の支持リング12,12が挟まれる形態で取り付けられている。
そして、前記した各固定極13,13の外側には、リング状の支持部材17に取り付けられた保護膜16が取り付けられる。これにより、コンデンサヘッドホンユニット1は、
図3に示す断面構造となるように形成されている。
【0025】
なお、前記コンデンサヘッドホンユニット1において、使用者の耳側である前面側に配置される保護膜16には、
図3に一部を拡大して示したように導電膜16aが成膜されている。この導電膜16aは後述するように電気的に接地されている。
また、使用者の耳側とは反対側に位置する固定極13を覆う第2の保護膜16には、前記した導電膜16aは必ずしも必要としない。この第2の保護膜16は、後述するようにコンデンサヘッドホンユニット1に対して防湿膜もしくは防塵膜として機能することになる。
【0026】
前記コンデンサヘッドホンユニット1の両外側に配置される前記保護膜16は、その素材として好ましくはPPSが用いられる。このPPSによる保護膜16には、
図3に拡大して例示したように全面にわたって不規則な皺が付与されている。
すなわち、保護膜16に不規則な皺を施すことで、保護膜16に特定の固有共振が生ずるのを防ぐことができる。これにより保護膜16の固有共振を原因とする音質低下を排除することができる。
【0027】
保護膜16は、ヘッドホンユニット1内部の湿度上昇を防止する防湿膜としての機能も有する。人体からの発汗、雨滴などによる湿気がヘッドホンユニット1に入り込むとその内部で結露する。この結露は、ヘッドホンユニットの絶縁座の表面抵抗率を低下させる。保護膜16は、ヘッドホンユニット1の外部からの湿気がヘッドホンユニット1内部に流入することを防ぐ効果も有する。
【0028】
また、使用者の耳側の保護膜16に成膜される前記した導電膜16aは、金(Au)を用いて蒸着手段により成膜することが望ましい。前記金素材は延性が良好であり、保護膜16に前記したように不規則な皺を与えても、導電膜16aにマイクロクラックが発生し難いという特質を備えている。
【0029】
図3には、前記したコンデンサヘッドホンユニット1に接続される駆動回路の一例が示されている。この駆動回路には入力トランス21と、成極電圧発生用の直流電源22が備えられる。
前記入力トランス21の1次側巻線21aは、音声信号源23に接続されている。また入力トランス21の2次側巻線21bには、中間タップ21cが引き出されている。この中間タップ21cは、回路の基準電位に接続(接地)される。そして、前記直流電源22の負極端子が接続される。さらに中間タップ21cは、使用者の耳側の保護膜16に成膜された前記導電膜16aにも接続され、導電膜16aを接地している。
【0030】
また、前記直流電源22の正極端子は、前記した振動板11に成膜された金属膜に接続されている。加えて前記入力トランス21の2次側巻線21bにおける一端部は、前記一方の固定極13に接続されている。2次側巻線21bにおける他端部は、前記他方の固定極13に接続されている。
【0031】
前記直流電源22は、前記振動板11に成膜された金属膜に対して、例えば500V程度の成極電圧を印加する。また前記した音声信号源23から入力トランス21の1次側巻線21aに加えられる信号電圧は、2次側巻線21bによって一方が正相で他方が逆相の関係にされて、前記各固定極13にそれぞれ加えられる。
【0032】
この回路構成により、振動板11は両側の固定極13によるプッシュプル作用により駆動されて、前記音声信号源23からの音声信号に基づいて振動し、音声波を生成する。
そして、振動板11により生成される音声波は、固定極13に施された複数の貫通孔13aを介して使用者の耳に向かって放出される。
【0033】
図4は、前記したコンデンサヘッドホンユニット1をヘッドホンハウジング内に収容してなるコンデンサヘッドホン31の全体構成を、使用者の側頭部に装着した状態で示した断面図である。
このコンデンサヘッドホン31は、支持基板としてのバッフル板32を備えている。このバッフル板32の一方の面における周縁には、使用者37の外耳37aを覆う、環状のイヤパッド33が取り付けられている。また前記バッフル板32の中央部に形成され円形の開口には、前記したコンデンサヘッドホンユニット1が装着されている。またコンデンサヘッドホンユニット1の背面を覆うように、前記バッフル板32には椀状のハウジング34が取り付けられている。
【0034】
以上のように構成されたコンデンサヘッドホンによると、ドライバとして機能するコンデンサヘッドホンユニット1の固定極13として、質量および剛性の高い金属素材を利用することができる。よって、この実施の形態に記載のヘッドホンは、音声波の高音質な再生を実現することができる。
また、使用者37の耳側に対峙する保護膜16に成膜された導電膜16aは、前記したとおり接地されているので、使用者37に対する感電防止対策として有効に機能する。
加えて、使用者の耳側とは反対側に位置する固定極を覆うようにして第2の保護膜も配置することにより、コンデンサヘッドホンユニット1は保護膜16により、その両面が覆われて密閉される。これにより防湿対策および静電気の作用による塵埃の吸引を防止する防塵対策にも効果的に機能することになる。
【0035】
以上説明した実施の形態は、成極電源(直流電源22)を用いたコンデンサヘッドホンに関するものであるが、前述の実施の形態に限定するものではない。この発明は前記した成極電源に代えて高分子フィルムからなるエレクトレット材を用いたコンデンサヘッドホンにも利用することができる。
エレクトレット材を用いたコンデンサヘッドホンについては図示していないが、
図2および
図3に示す一対の固定極13,13における振動板11と対向する内側の面に、エレクトレット誘電体膜がそれぞれ貼着される。このエレクトレット誘電体膜は、例えばFEP(フロロエチレンポリマー)などの高分子フィルムからなる。そして一対の固定極13,13には、互いに逆相の信号電圧が加えられる。
【0036】
一般的に、前記したエレクトレット材を用いたコンデンサヘッドホンにおいては、人体等を介して外部電荷がエレクトレット材に作用すると、エレクトレット材が劣化するという問題が招来される。
この場合においても、
図2および
図3に示した例と同様に、使用者37の耳側に位置する保護膜16に成膜された導電膜16aを電気的に接地することで、人体とエレクトレット材とを静電的に遮蔽することができる。したがって、前記したエレクトレット材の劣化を効果的に防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0037】
1 コンデンサヘッドホンユニット
11 振動板
12 支持リング
13 固定極
13a 貫通孔
14 絶縁座
14a 凹み部
16 保護膜
16a 導電膜
17 支持部材
21 入力トランス
21a 1次側巻線
21b 2次側巻線
21c 中間タップ
22 直流電源
23 音声信号源
31 コンデンサヘッドホン
32 バッフル板
33 イヤパッド
34 ハウジング
37 使用者
37a 使用者の外耳