(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
荒茶の製造工程において、重曹、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムから選ばれる一種または二種以上のアルカリ性溶液を添加する緑茶の製造方法であって、得られる緑茶を粉砕して133倍量の重量の水を加えて懸濁液とした際にpHが6.8〜8.0の範囲となるよう調整する緑茶の製造方法であって、前記アルカリ性溶液が、アスコルビン酸および/またはその塩、およびトレハロースを含有したものである緑茶の製造方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において原料として適用される茶葉とは、茶樹(Camellia sinensis var. sinensisやCamellia sinensis var. assamica、またはこれらの雑種)から得られる葉および茎などを指し、その品種、産地、摘採時期、栽培方法などは限定されない。また、生葉とは加熱処理を行っていない茶葉であり、蒸し葉とは生葉を蒸気で加熱する蒸熱工程や加熱した釜で処理する釜炒り工程などを経て酵素を失活させた茶葉を示す。さらに、緑茶とは摘採後の茶葉に加熱処理を行うことで醗酵を止めた不醗酵茶全てを指し、具体的には煎茶、深蒸し茶、番茶、玉露、碾茶、抹茶などが挙げられる。本発明においては、特に覆下栽培された茶葉を用いることが色調、風味の点から好ましい。また、凍結保存した生葉も利用できる。凍結方法は、従来公知の任意の方法を用いることができ、例えば、茶葉を冷凍庫などの低温雰囲気下に置いたり、冷媒を吹き付けて凍結させたりしても良い。凍結処理温度は−30℃以下であることが生葉の品質を保持する上で好ましい。
【0011】
一般的に緑茶とは原料の生葉から荒茶が作られ、火入れなどの仕上げ工程を経て最終的に乾燥されたものである。一般的な荒茶の製造工程は、原料生葉を蒸気にて加熱して酵素を失活させる「蒸熱工程」、蒸し葉を冷却する「冷却工程」、蒸し葉の水分を取り除く「葉打ち工程」、熱風を当て揉みながら乾かす「粗揉工程」、十分に揉んで葉の繊維や組織を柔らかくして茶葉を均一化させる「揉捻工程」、再度揉みながら熱風で乾燥させる「中揉工程」、整形しながら乾かす「精揉工程」、茶葉の水分量を数%程度までに乾燥させる「乾燥工程」からなるものである。条件によっては「蒸熱工程」後または「冷却工程」後に、蒸し葉を程よく打圧することで緑茶の色調を良くする「打圧工程」を行う場合もある。また、一般的な仕上げ工程では、荒茶に含まれる茎や粉茶を取り除いて茶葉の形や大きさを揃えて外観を整え、再乾燥して水分を2〜3%以下にして劣化を防ぎ、再火入れによって香りと旨さを引き出す「仕上げ工程」を経て最終的に乾燥された緑茶となる。緑茶の種類によっては、碾茶のように覆下栽培された生茶葉を蒸熱処理し冷却工程後、蒸し葉を直ちに乾燥させたものや、モガ茶のように揉念工程や精揉工程を省略したもの、また釜炒り茶のように蒸気を用いずに釜などで原料生葉を直接加熱したものもある。しかし、本発明の緑茶とは、上記の一般的な緑茶だけでなく荒茶、碾茶、釜炒り茶、モガ茶など生葉を加熱処理して酵素を失活させる工程を経て乾燥された不発酵茶のすべてを含むものである。
また、本発明の粉末緑茶とは、碾茶を石臼などで粉末状にした抹茶をはじめ、荒茶、粗揉茶、モガ茶、煎茶および玉露などいかなる緑茶を粉末化したものも包含する。本発明に従えば、長期間保存しても緑色安定性および風味安定性に優れた粉末緑茶となる。
【0012】
本発明における、荒茶の製造工程において、添加するアルカリ性溶液の濃度や液量は、茶葉の種類や茶期、茶葉の硬さなどによって異なるが、添加後に乾燥させた緑茶の粉砕物重量に対し、133倍量の水を加えて得られる懸濁液のpHが6.8〜8.0となる量が好ましく、より好ましくはpH6.9〜7.9、さらに好ましくはpH7.1〜7.7、最も好ましくはpH7.2〜7.4となる量である。pHが当該範囲より低いと所望の緑色安定性が得られず、pHが当該範囲より高いとエグミや異臭などが生じてしまい茶葉本来の風味を損ねてしまう。よって、pHが7.0を超え8.0以下である範囲が好ましいといえる。
【0013】
本発明におけるアルカリ性溶液とは、重曹、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性添加剤を溶媒に溶かしたものであり、なかでも重曹、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムが好ましい。これらを一種または二種以上組み合わせたアルカリ性溶液を荒茶の製造工程において茶葉に添加する。
【0014】
荒茶工程において添加する上記アルカリ性溶液の添加量は、添加後の茶葉の乾燥粉砕物重量に対し133倍量の水を加えて得られる懸濁液のpHが6.8〜8.0となる量であれば特に限定されるものではないが、例えば、重曹の場合は、2〜10重量%の重曹溶液を生葉または蒸し葉100重量部に対して5〜25重量部添加すればよい。炭酸ナトリウムの場合は、2〜30重量%の炭酸ナトリウム溶液を生葉または蒸し葉100重量部に対して1〜10重量部添加すればよい。炭酸カリウムの場合は、2〜50重量%の炭酸カリウム溶液を生葉または蒸し葉100重量部に対して0.6〜10重量部添加すればよい。
また、炭酸カリウムは水への溶解性が高く、重曹と比較して溶液のpHも高めであるため、二番茶後期や三番茶、さらに秋冬番茶などの比較的硬い茶葉に適している。さらに、炭酸カリウムは重曹や炭酸ナトリウムなどのナトリウム塩独特の金属味が少ないことから、風味の点でもより好ましい。
これらアルカリ性添加剤を組み合わせて使用する場合、それぞれの添加濃度範囲にて適宜調整すればよい。
【0015】
本発明は、抗酸化剤であるアスコルビン酸および/またはその塩を茶葉に添加してもよい。アスコルビン酸および/またはその塩の添加により、製造工程における緑茶の退色をさらに抑制することができ、緑茶本来の緑色をより良く保持することができる。アスコルビン酸またはその塩の添加量は、特に限定するものではないが、0.5〜5.0重量%のアスコルビン酸および/またはその塩溶液を生葉または蒸し葉100重量部に対して1〜30重量部添加すればよい。アスコルビン酸および/またはその塩は、上記アルカリ性溶液に含有させて茶葉に添加することが好ましい。
【0016】
本発明では、トレハロースを茶葉に添加してもよい。トレハロースを添加することにより、緑茶本来の風味をより良く保持することができる。トレハロースの添加量は、特に限定するものではないが、1.0〜30重量%のトレハロース溶液を生葉または蒸し葉100重量部に対して1〜25重量部添加すればよい。トレハロースは、上記アルカリ性溶液に含有させて茶葉に添加することが好ましいが、緑茶を粉砕した粉末緑茶に粉体として適宜配合してもよい。
【0017】
さらに本発明においては、アスコルビン酸および/またはその塩とトレハロースを溶解したアルカリ性溶液を荒茶製造工程中に添加することができる。このアルカリ性溶液の添加により、製造直後の緑色の色相が向上するばかりでなく、製造した緑茶(荒茶)やその粉砕物である粉末緑茶の香味を向上させる効果がある。茶葉に添加するアルカリ性溶液中のアスコルビン酸および/またはその塩やトレハロースの濃度は特に限定されないが、例を挙げればアスコルビン酸および/またはその塩では0.5〜5.0重量%程度、トレハロースでは1.0〜30重量%程度であればよく、このアスコルビン酸および/またはその塩とトレハロースを溶解したアルカリ性溶液を生葉または蒸し葉100重量部に対して1〜30重量部添加すればよい。
【0018】
茶葉にアルカリ性溶液を添加するタイミングは荒茶の製造工程であれば何れのタイミングであっても良いが、冷却工程より後に添加すると以降の製造工程において茶葉が形状不良および乾燥不良になる可能性があるため、蒸熱前の生葉、蒸熱中の茶葉あるいは蒸熱後から冷却までの工程中の茶葉に添加するのが好ましく、蒸熱工程の直前または途中がさらに好ましく、蒸熱工程の直前が最も好ましい。なお、茶葉の蒸熱処理条件は、茶葉の品種、摘採時期、生葉の大きさや硬さなどによって蒸熱温度、蒸気量、蒸熱時間などの装置条件を従来技術の範囲で適宜設定すれば良い。
【0019】
上記アルカリ性添加剤、抗酸化剤およびトレハロースを溶かす溶媒の種類は特に限定するものではないが、これらを容易に溶解できる点で、水道水、イオン交換水、純水が良い。
アルカリ性溶液や抗酸化剤および/またはトレハロースを含有するアルカリ性溶液は、噴霧スプレーや送液ポンプなどの当業者に公知の装置または道具を用いて茶葉に添加すれば良い。また、添加時の上記溶液の温度は特に指定するものではなく、例えば5〜40℃などその製造環境と同程度の温度であれば良い。
なお、本発明の緑茶を製造する場合、生葉や蒸熱処理茶葉を常温の水、温水、熱水などに浸漬して処理することも可能であるが、茶葉中の成分が溶出してしまい緑茶本来の風味(味、香り)を損なうような条件は避ける必要がある。本発明の緑茶においては、苦味など緑茶本来の風味に寄与する茶葉中のカフェインの含量が、1.50重量%以上であることが好ましく、2.00重量%以上であることがより好ましく、2.50重量%以上であることがさらに好ましい。
【0020】
アルカリ性添加剤、抗酸化剤またはトレハロースを含有する溶液を添加する方法は、噴霧スプレー、シャワーノズルや送液ポンプなどの当業者に公知の機械または道具を用いて吹き付けまたは滴下などによって行えば良い。また、添加する際の水溶液の温度は特に指定するものではなく、例えば5〜40℃などその製造環境と同程度の温度であれば良い。
アルカリ処理後の茶葉の乾燥方法は、従来から使用されている方法でよく、小型熱風乾燥機、ドラムドライヤー、コンベア式熱風乾燥機、スチームチューブドライヤー、凍結乾燥機又は気流式乾燥機等による乾燥方法が挙げられる。また、乾燥条件としては、加熱乾燥の場合は温度60〜195℃、2分〜2時間、茶葉の水分量が所望する範囲となるよう適宜調整する。
乾燥後の茶葉の水分量は、乾燥減量法で測定した。具体的には、105℃、4時間乾燥前後の重量を測定して算出した。
本発明の緑茶の水分量は、乾燥後の茶葉重量に対し5.0重量%未満が好ましい。0.5重量%以上4.5重量%以下であることがより好ましく、1.0重量%以上4.0重量%以下であることがさらに好ましい。水分量が5.0重量%以上の場合は、茶葉の退色抑制効果が極めて弱く、また、0.5重量%未満の場合は、乾燥工程中に茶葉自体がこげ等の変色を起こし、緑の色調が損なわれる可能性がある。
【0021】
乾燥した緑茶は、石臼、カッターミル、ボールミル、気流式粉砕機などの当業者に公知の粉砕機または道具により粉砕し、所望の粒度に調製して粉末緑茶にすることができる。その際に、茎や葉脈等を除去すると、より色調に優れた粉末緑茶となる。
本発明の粉末緑茶の水分量は、緑茶葉と同様の方法で測定することができる。水分量は粉砕前の緑茶葉とほぼ同様の値であり、粉末緑茶に対し5.0重量%未満が好ましい。0.5重量%以上4.5重量%以下であることがより好ましく、1.0重量%以上4.0重量%以下であることがさらに好ましい。
【0022】
本発明の緑茶は、水などの溶媒で抽出し飲料とすることもできるが、粉末緑茶を粉末飲料として水、酒、乳製品、豆乳、果物・野菜の搾汁、清涼飲料水などの液体に溶解してもよい。また、食品素材としてアイスクリーム、和・洋菓子、チューインガム、チョコレート、パン、各種のスナックなどの食品に添加してもよい。なお、本発明の緑茶は食品素材に用いるなど使用目的に合わせて、乳製品、豆乳、茶類、果物・野菜の搾汁などを粉末化したものや、甘味料、酸味料、食塩、香料、栄養強化剤、着色料、保存料、賦形剤などを適宜配合してもよい。
飲食品に対する本発明の緑茶の添加量は、特に限定されるものではなく好みに応じて適宜調整すればよいが、例を挙げれば飲食品に対して0.1〜25重量%、好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは3〜15重量%である。0.1重量%を下回ると緑茶を添加した効果が表れず、また25重量%を超えると緑茶の苦渋味が強くなり飲食品の嗜好性を損なう恐れがある。
【0023】
以下に試験例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】
<試験例1>
蒸熱工程前の生葉に対し、種々のアルカリ性溶液を添加することにより、製造直後の粉体色、色調安定性ならびに官能評価にどのような影響を与えるか確認した。
覆下栽培されたやぶきた2番茶の生葉30gに表1に示したアルカリ性溶液をそれぞれ噴霧し1分間蒸熱処理した後、蒸し葉が重ならないように広げて冷却した後、水分量が茶葉重量に対し4.9重量%になるよう、小型熱風乾燥機(FC410、アドバンテック製)を用いて190〜195℃で2分間、90〜95℃で5分間、80〜90℃で15分間、60〜65℃で1〜2時間乾燥して緑茶を調製し、粉砕機(ミクロパウダーMPW−G008、有限会社ウエスト)にかけて粉末緑茶「緑茶−2〜32」を得た。「緑茶−1」はコントロールとして、上記製法においてアルカリ性溶液による噴霧処理を行わずに調製した。ここで、表1の茶葉重量に対する濃度とは、原料の生葉に対するアルカリ性添加剤、抗酸化剤およびトレハロースの添加量(重量%)である。
【0025】
【表1】
【0026】
<懸濁液のpH測定>
上記得られた「緑茶−1〜32」を0.9gずつ、それぞれ120gの熱湯(80〜95℃)に溶解し、電動茶筅を用いてダマが残らないように完全に懸濁させた。この粉末緑茶懸濁液を室温に戻した後、コンパクトpHメーター(twin pH、HORIBA)を用いて懸濁液pHを測定した。
【0027】
<粉体色の測定>
「緑茶−1〜32」の製造直後の色について、分光式色差計(Spectro Color Meter SE 2000、日本電色株式会社)を用いて色相(Hue)を測定した。なお、色相(Hue)は赤、黄、緑、青、紫などで表される色感覚の属性(色相、明度、彩度)の一つであり、赤(R)、黄(Y)、緑(G)、青(B)、紫(P)の五つの基本色相と、黄赤(YR)、黄緑(GY)、青緑(BG)、青紫(PB)、赤紫(RP)の五つの中間色相があり、各色相は0〜10段階で評価される。本願では緑茶の色相をHueのGY値を基準として表記した。色相がHueのY値の領域まで退色した緑茶に関しても、HueのY値はHueのGY値と隣接する色相であるので、マイナスのHueのGY値として評価した(例:10Y⇒0GY、8Y⇒−2GY)。
「緑茶−1〜32」の色調安定性の評価として、それぞれの粉末緑茶をアルミ袋に封入し、55℃で3日間保存した後の色相について同様に色差計を用いて測定した。なお、55℃3日間の保存条件は、25℃で1年間保存した条件に相当する。製造直後の粉末の色相と55℃3日保存後の粉末の色相より、粉末緑茶の緑色の色相減少率を以下のように算出した。
色相減少率(%)
={(製造直後の色相−55℃3日保存後の色相)/製造直後の色相}×100
【0028】
<官能評価>
専門パネリスト3名で緑茶の風味に関する官能評価を実施した。試料は、上記得られた「緑茶−1〜32」の粉末緑茶をpH測定方法と同じ手順で懸濁液として調製し飲用した。茶葉にアルカリ性溶液による処理を行っていない「緑茶−1」の製造直後の粉末緑茶をコントロールとし、表2に示した官能評価指標を基準に専門パネリスト3名による「1」〜「5」の点数の平均(小数点以下、四捨五入)を評価点数とした。また、55℃3日保存後の粉末緑茶についても同様に、「緑茶−1」の製造直後の粉末緑茶をコントロールとして評価した。
以上の結果を表3に示す。なお、総合評価では、製造直後の緑茶の色相が「3.50GY」以上であり、色相減少率が肉眼では殆ど認識できない程度である「10%」以下であり、製造直後および55℃3日保存後の官能評価がいずれも「4」以上である場合を「好適」、製造直後の緑茶の色相がコントロールである「緑茶−1」のGY値である「2.16」以上であり、色相減少率が専門の評価者のみ気づく程度である「25%」以下であり、製造直後および55℃3日保存後の官能評価がいずれも「3」以上である場合を「適」、それ以外の場合を「不適」と評価した。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
表3に示すように、懸濁液のpHが6.8〜8.0の範囲にない「緑茶−1、2、14、15、20、29〜32」は、いずれも製造直後もしくは保存後の色相・風味に問題があり、商品価値を大きく損なっていた。
これに対し、懸濁液のpHが6.8〜8.0の範囲にある本発明「緑茶−3〜13、16〜19、21〜28」は、コントロールの「緑茶−1」と比べて製造直後の緑色の色相が優れており、かつ55℃で3日間保存した後の色相減少率が25%以下であり色調安定性についても優れていた。
アスコルビン酸またはその塩を溶解したアルカリ性溶液で処理した「緑茶−5、6、8〜13、18、19、27、28」は、製造直後の緑色の色相がいずれも3.00GY以上であり実施例の中でも特に優れていた。また、同様に粉末緑茶懸濁液の水色も鮮やかな緑色であった。一方、アスコルビン酸のみを添加した「緑茶−30」では、55℃3日保存後の色相だけでなく製造直後の色相も「緑茶−1」に比べて大きく劣る結果となった。また、アスコルビン酸ナトリウムのみを添加した「緑茶−29」、トレハロースのみを添加した「緑茶−31」およびアスコルビン酸ナトリウムにトレハロースを添加した「緑茶−32」は、製造直後および55℃3日保存後の色相はコントロールの「緑茶−1」に比べて改善されてはいたが、保存後の色相および官能評価点数が大きく低下しており、保存時の緑色安定性及び風味安定性を有していないことが分かった。したがって、アスコルビン酸またはその塩はアルカリ性溶液とともに使用することによって、その効果が顕著に発揮されると考えられる。
官能評価の点数についてみると、コントロールである「緑茶−1」は、55℃3日間の保存で製造直後の「5」から「1」へと大きく評価を落としているのに対し、本発明である「緑茶−3〜13、16〜19、21〜28」は、保存後においても製造直後と同等の風味を維持しており、色調安定性だけでなく、風味安定性にも優れていることが示された。本発明品の中でも、アルカリ性溶液に加えてトレハロースを添加した「緑茶−7〜13、19、28」は、製造直後の風味がいずれも「4」であり、色調安定性および風味安定性ともに特に優れていた。
本願実施例の中でも、アルカリ性溶液にアスコルビン酸、その塩、およびトレハロースを共に加えて添加した「緑茶−8〜13、19、28」は、全ての評価がいずれも優れており、最も好ましいものであった。
【0032】
<試験例2>
覆下栽培されたやぶきた2番茶の生葉30gに重炭酸アンモニウム10重量%溶液を3mL噴霧した後に90秒間蒸熱処理し、蒸し葉が重ならないように広げて冷却した後、小型熱風乾燥機を用いて190〜195℃で2分間、90〜95℃で5分間、90〜95℃で15分間、60℃で1〜2時間乾燥して緑茶(茶葉水分量:4.0重量%)を調製し、粉砕機にかけて「緑茶−33」を得た。また、アルカリ溶液を噴霧しない茶葉についても同様の手順で緑茶を調製し、粉砕機にかけて「緑茶−34」を得た。さらに、表1の「緑茶−11」と同じアルカリ性溶液を噴霧した茶葉も同様の手順で緑茶を調製し、粉砕機にかけて「緑茶−35」を得た。これら「緑茶−33〜35」について試験例1と同様に粉末緑茶懸濁液のpH測定、粉体の色相評価、風味の官能評価および総合評価を行った。さらに、「緑茶−33〜35」、「緑茶−1」および「緑茶−11」の粉砕前の緑茶(荒茶)3gを熱湯200mLに3分間抽出し、抽出液のpHを測定した。以上の結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】
表4に示すように、重炭酸アンモニウム10重量%溶液を噴霧した「緑茶−33」は、粉砕前の緑茶(荒茶)抽出液のpHは6.9であったが、粉砕後の粉末緑茶懸濁液のpHが6.6であり本発明の条件である懸濁液のpH6.8〜8.0を満たしていなかった。そのため、本発明の「緑茶−35」および「緑茶−11」では、色相減少がほとんど起こらなかったのに対し、「緑茶−33」はその減少率が69%と大きく劣っており、退色防止効果が示されなかった。なお、緑茶(荒茶)抽出液のpHに関しても、本発明である「緑茶−11、35」はpHが7.6および7.7であり、重炭酸アンモニウムを添加した比較例「緑茶−33」とは区別できるものであった。したがって、重炭酸アンモニウムの添加では、茶葉を十分にアルカリ状態にすることができず、満足のいく色相安定性を付与できないことが分かった。官能評価でも、保存後の「緑茶−33」は、製造直後の「3」から「1」と大きく風味を落としており、「緑茶−35」および「緑茶−11」と比較して大きく劣っていた。
コントロールである「緑茶−34」は、「緑茶−1」と同様に懸濁液のpHが6.8〜8.0の範囲に入っておらず、製造直後の粉体の色相ならびに55℃で3日間保存した後の粉体の色相ならびに官能評価も殆ど同様の結果であった。
【0035】
<試験例3>
市販の粉末緑茶(商品名:伊勢抹茶「翠」、三井農林(株)製、以後「緑茶−36」とする)10gを超純水100mLに加え、さらに塩化マグネシウムを10重量%(粉末緑茶100重量%に対して)加えて攪拌して調製した分散液に、10重量%重曹溶液を用いてpH7.0およびpH8.0に調整した。これらの分散液を、水分量3.0重量%となるよう凍結乾燥して調製し、凍結乾燥した後、粉砕して得られた「緑茶−37」および「緑茶−38」について、試験例1と同様に懸濁液のpH測定、粉体の色相評価、官能評価および総合評価を行った。以上の結果を表5に示す。なお、表5に示す「分散液pH」とは、「緑茶−37」および「緑茶−38」の調製段階における分散液のpH値である。
【0036】
<Mg含量の測定方法>
また、Mg化合物を加えることにより茶葉のMg含量がどのように変化するか、さらにそれが茶葉本来の色調や風味にどのような影響を与えるか検証するため、茶葉中のMg含量を以下の通り測定した。「緑茶−1」(コントロール品)、「緑茶−11」(本発明品)、「緑茶−36」(市販の抹茶粉末)、「緑茶−37」(比較品)および「緑茶−38」(比較品)をそれぞれ150mgずつ秤量し、100mLの熱湯(80〜95℃)に溶解し、電動茶筅を用いてダマが残らないように完全に懸濁させた。この懸濁液を室温に戻した後、15mL容のコーニングチューブ(CORNING社製、430791)に懸濁液を注ぎ、遠心機((株)コクサン製、H−700FR)を用いて3,100rpmで5分間遠心分離を行ったのち、その上清を測定試料としてICP−AESを用いて以下の条件で測定した。以上の結果を表5に示す。
【0037】
(ICP−AESの分析条件)
装置 :ICP−AES CIROS CCD−M(リガク)
プラズマ電力 :1400W
ポンプ流量 :1ml/min
プラズマガス流量 :Ar,13.0L/min
補助ガス流量 :Ar,1.0L/min
ネブライザーガス流量 :Ar,1.0L/min
分析線 :396.152nm
標準液 :関東化学製化学分析用標準液を使用
【0038】
【表5】
【0039】
表5に示すように、塩化マグネシウムを添加した「緑茶−37」および「緑茶−38」は、製造直後の粉体の色相がいずれも劣化しており、官能評価においても製造直後で「1」と品質を大きく落としていた。「緑茶−37」および「緑茶−38」の風味における品質劣化は、Mgの含量がそれぞれ2.13重量%および1.19重量%と原料である「緑茶−36」から著しく増加したことが理由の一つである。また、「緑茶−11」は同じ原料茶葉を用いた「緑茶−1」に比べて、製造直後の粉体の色相、色調安定性ならびに風味安定性の全ての点で向上しているのに対し、「緑茶−37」および「緑茶−38」は、原料である「緑茶−36」に比べて、製造直後の粉体の色相ならびに風味の点で大きく品質を落としていた。これらの結果より、本発明は、緑茶を一度分散液にしてMg化合物を添加して調製した粉末緑茶に対して明らかに優れていること示された。
【0040】
<試験例4>
原料生葉をアルカリ性溶液で浸漬ブランチングすることにより調製した緑茶(荒茶)について、製造直後の粉体の色相、色調安定性の評価ならびに官能評価を実施した。浸漬ブランチング処理は、沸騰した(97℃以上)300mLのアルカリ性溶液または超純水に、覆下栽培されたやぶきた2番茶の生葉30gを入れ、茶葉全体が溶液に浸かった時点より1分間ブランチングを行った。ブランチング終了後、茹で茶葉をザルに取り出し、紙タオル等で軽く水分を吸い取り、葉が重ならないように広げた後、水分量が茶葉重量に対し3.5重量%になるよう、190〜195℃で2分間、90〜95℃で5分間、80〜90℃で15分間、60〜65℃で1〜2時間乾燥して緑茶を調製し、粉砕機にかけて粉末緑茶を得た。
超純水を用いて浸漬ブランチングを行った緑茶を「緑茶−39」、試験例1で製造した「緑茶−2」、「緑茶−3」および「緑茶−4」と同じアルカリ性溶液を用いて浸漬ブランチングを行った粉末緑茶をそれぞれ「緑茶−40」、「緑茶−41」および「緑茶−42」とした。
試験例1と同様に粉末緑茶懸濁液のpH測定、粉体の色相および官能による評価を行った。以上の結果を表6に示す。
【0041】
(カフェイン含量の測定方法)
上記のブランチングの方法によって茶葉成分の含量にどのような違いが生じるかを検証するため、茶葉中の主要成分の一つであるカフェイン含量を以下の通り測定した。「緑茶−39〜42」および、試験例1で製造した全ての緑茶粉末「緑茶−1〜32」をそれぞれ150mgずつ秤量し、100mLメスフラスコに移し、80%メタノール(v/v)を40mL入れ、30分間超音波抽出を行った。1M塩酸0.4mLを加えて超純水で仮定容し、室温に戻るまで静置後、超純水で100mLに定容した。その抽出液を親水性PTFEフィルター(アドバンテック(株)製,DISMIC−13HP;0.45μm)でろ過し、ろ液の2mL以降を測定用試料として以下の条件にてHPLCを用いて、カフェインの茶葉重量に対する含量を測定した。また、覆下栽培されたやぶきた2番茶の生葉を60℃12時間乾燥させたものを粉砕機にかけて得た「緑茶−43」のカフェイン含量を同様に測定し、この値を100%とした場合の各粉末緑茶のカフェイン比率をカフェイン保持率として算出した。以上の結果を表6に示す。
【0042】
(HPLC分析条件)
装置 :アライアンスHPLC/PDAシステム(日本ウォーターズ株式会社製)
カラム :Mightysil RP−18 GP、4.6mmI.D.×150mm(関東化学(株)製)
移動相A液:
体積比で超純水/アセトニトリル/0.05%リン酸水=1000:25:0.5の溶液
移動相B液:
体積比で超純水/メタノール/アセトニトリル:0.05%リン酸水=600:300:15:0.3の溶液
グラジエント :注入3分後から25分後にA液100%からB液100%に達するリニアグラジエント
流速 :1mL/min
検出 :UV275nm
カラム温度:40℃
サンプル量:10μL
【0043】
【表6】
【0044】
表6に示すように、浸漬ブランチングを行った「緑茶−39〜42」は、いずれも本願実施例およびコントロールと比べて製造直後の色相および色相減少率が著しく劣っており、官能評価の点でも製造直後で「1」という最低の評価であった。また「緑茶−39〜42」は、粉末緑茶懸濁液のpHにおいてもpH6.8〜8.0の範囲から外れていた。
さらに、各粉末緑茶の重量あたりのカフェイン含量は、「緑茶−1〜32」ではカフェイン含量がいずれも1.50重量%以上であり、カフェイン保持率も50%以上であるのに対し、浸漬ブランチングを行った「緑茶−39〜42」では、カフェイン含量がいずれも1.00重量%未満で、カフェイン保持率が30%未満と大幅にカフェインを失っていた。カフェインは、苦味など緑茶本来の風味に寄与しており、カフェインの損失が「緑茶−39〜42」の官能評価が低かった理由の一つであると考えられる。「緑茶−2〜4」と「緑茶−40〜42」は、原料生葉およびアルカリ性溶液の組成が同じであることからも、本発明は、浸漬ブランチン処理に比べて茶葉本来の風味や成分を失うことなく、製造直後の粉体の色相、保存後の色調安定性ならびに官能評価の全ての点で優れている緑茶を製造できることが確かめられた。
【0045】
<試験例5>
露地栽培されたやぶきた秋冬番茶の生葉30gに、試験例1で調製した「緑茶−20〜28」と同じアルカリ性溶液をそれぞれ添加して1分間蒸熱処理し、ドライヤーを用いて1〜5分間冷却後、蒸し葉を清潔なテーブルの上などで揉み、蒸し葉の水分が滲んできたら120〜150℃のホットプレート上で攪拌しながら1分間加熱した。加熱後、再度茶葉を揉み、水分が滲んできたらホットプレート上で攪拌しながら1分間加熱する揉念工程を10回繰り返した。揉念工程後、茶葉を100〜120℃のホットプレート上で攪拌しながら15〜20分乾燥して「緑茶−45〜53」を製造した。また、コントロールとしてアルカリ性溶液を添加しない「緑茶−44」を製造した。なお、上記各緑茶の水分量は4.0重量%であった。各緑茶を粉砕した後、試験例1と同様に粉砕した緑茶懸濁液のpH測定、色相評価、官能評価および総合評価を行った。以上の結果を表7に示す。
【0046】
【表7】
【0047】
表7から明らかなように、栽培方法、茶期および製造工程が異なる緑茶であっても、懸濁液のpHを6.8〜8.0の範囲に調整することによって、緑色の色調安定性および風味安定性に優れた緑茶を提供できることが明らかになった。
【0048】
<試験例6>
生葉ではなく蒸熱工程後の蒸葉に対しアルカリ性溶液を添加した以外は、試験例1の「緑茶20〜28」と同様の方法で「緑茶−54〜62」を製造した。試験例1と同様に懸濁液のpH測定、粉体の色相評価、官能評価および総合評価を行った。以上の結果を表8に示す。
【0049】
【表8】
【0050】
表8より、アルカリ性溶液を添加するタイミングが蒸熱後であっても本願効果を十分に奏することが示された。
【0051】
<試験例7>
露地栽培されたやぶきた秋冬番茶の生葉40kgに、試験例1で調製した「緑茶−23」、「緑茶−24」および「緑茶−26」と同じ組成のアルカリ性溶液をそれぞれ同じ添加量になるよう蒸熱工程直前に滴下し、荒茶製造ライン(カワサキ機工株式会社製、60Kライン)を用いて、40秒〜1分間蒸熱処理し、冷却工程後、葉打ち工程を15〜20分間、中揉工程を5〜10分間、乾燥工程を70〜75℃で1時間行い、荒茶を調製した。この荒茶を茶葉水分量4.0重量%となるよう120℃達温で仕上げ工程を行い、当該仕上げ茶を粉砕し「緑茶−64〜66」を製造した。また、コントロールとしてアルカリ性溶液を添加しない「緑茶−63」を製造した。試験例1と同様に懸濁液のpH測定、粉体の色相評価、官能評価および総合評価を行った。以上の結果を表9に示す。
【0052】
【表9】
【0053】
表9より、通常の荒茶製造ラインによる製造においても、本発明の緑茶は緑色および風味の劣化が抑制されることが確認できた。
【0054】
<試験例8>
粉末緑茶ミックス
本願試験例1で作製した粉末緑茶「緑茶−9」55g、デキストリン30g、トレハロース10g、アスコルビン酸ナトリウム5gを混合し、食品素材としての粉末緑茶ミックスを調製した。当該ミックスを55℃で3日間保存したところ、緑色および風味の劣化は確認されなかった。
【0055】
<試験例9>
粉末緑茶入りインスタント緑茶
本願試験例1で作製した粉末緑茶「緑茶−11」15gおよび粉末インスタント緑茶(通常の緑茶を抽出後、抽出液を粉末化したもの)20gを混合し、これに、デキストリン65gおよびアスコルビン酸ナトリウム0.1gを加えて粉末緑茶入りインスタント緑茶を調製した。当該インスタント緑茶を55℃で3日間保存したところ、緑色および風味の劣化は確認されなかった。
【0056】
<試験例10>
粉末緑茶入り粉末乳飲料
本願試験例1で作製した粉末緑茶「緑茶−28」2g、グラニュー糖20gおよび全粉乳25gを混合し、粉末緑茶入り粉末乳飲料を調製したところ、緑色および風味に優れた粉末乳飲料を得ることができた。
【0057】
<試験例11>
抹茶粉末入り豆乳飲料
本願試験例1で作製した粉末緑茶「緑茶−19」2g、豆乳(大豆固形分7%)200ml、砂糖8gを混合し、95℃(達温)で10分間殺菌し、粉末緑茶入り豆乳飲料を調製したところ、緑色および風味に優れた豆乳飲料を得ることができた。
【0058】
<試験例12>
粉末緑茶入りクッキー
薄力粉60g、バター45g、グラニュー糖30g、卵黄1個を混練し、これに本願試験例1で作製した粉末緑茶「緑茶−11」3gを添加してさらに混練し、生地を25mm×50mm×10mmの寸法に裁断し、オーブンで180℃15分間加熱し、粉末緑茶入りクッキーを調製したところ、緑色および風味に優れたクッキーを得ることができた。
【0059】
<試験例13>
粉末緑茶入りアイスクリーム
生クリーム200ml、グラニュー糖30g、全卵2個を混合し、電子レンジによって600w2分間加熱した後、本願試験例1で作製した粉末緑茶「緑茶−28」8gを添加した。これを冷凍庫で−18℃6時間冷却し、粉末緑茶入りアイスクリームを調製したところ、緑色および風味に優れたアイスクリームを得ることができた。
【0060】
<試験例14>
粉末緑茶入りまんじゅう
薄力粉85g、グラニュー糖60g、ベーキングパウダー2g、水25mlおよび本願試験例1で作製した粉末緑茶「緑茶−13」8gをよく混練し、生地にこしあん20gを包み10分間蒸しあげ、粉末緑茶入りまんじゅうを調製したところ、緑色および風味に優れたまんじゅうを得ることができた。
【0061】
<試験例15>
茶葉水分量と退色抑制効果
茶葉水分量が色調安定性にどのような影響を与えるか確認した。
覆下栽培されたやぶきた2番茶の生葉80kgに、緑茶−67では30重量%、緑茶−68では25重量%の炭酸カリウム溶液を蒸熱工程直前に滴下し、荒茶製造ライン(カワサキ機工株式会社製、180Kライン)を用いて、40秒〜1分間蒸熱処理し、冷却工程後、葉打ち工程を15〜20分間、中揉工程を5〜10分間、乾燥工程を70〜75℃で1時間行い、荒茶を調製した。得られた荒茶は、小型熱風乾燥機乾燥を用いて、水分量1.5〜6.0重量%となるように乾燥した。試験例1と同様に粉砕し、粉末緑茶「緑茶−67、68」を得た。生葉に対するアルカリ性添加剤としての炭酸カリウム添加量は、緑茶−67は0.78重量%、緑茶−68は1.09重量%であった。尚、緑茶-69はアルカリ性溶液による噴霧処理を行わない以外は緑茶−67、68と同様に調製した。「緑茶−67〜69」について、試験例1と同様に粉末緑茶懸濁液のpHを測定し、55℃3日間保存後の色相減少率を調べた。結果を表10に示す。尚、色相減少率10%以下のものを◎、25%以下を○、25%より大きいものを×として、評価した。茶葉水分量は、乾燥減量法で測定した。
【0062】
【表10】
【0063】
表10の結果より、緑茶−69のアルカリ性溶液無添加の粉末緑茶では、茶葉水分量が少ないにもかかわらず、55℃3日間保存後の色相減少が著しかったのに対し、炭酸カリウム添加によって粉末緑茶の懸濁液がpH6.8〜8.0の範囲にある本発明の緑茶−67、68は茶葉の水分量が5.0重量%未満の範囲において、55℃で3日間保存後の色相減少率が低く、色相減少がほとんど起こらなかった。