特許第6288822号(P6288822)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6288822半導体回路内の電力を制御するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6288822
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】半導体回路内の電力を制御するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/00 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
   H03K19/00
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-245529(P2013-245529)
(22)【出願日】2013年11月28日
(65)【公開番号】特開2014-107872(P2014-107872A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2016年11月9日
(31)【優先権主張番号】13/689,043
(32)【優先日】2012年11月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504199127
【氏名又は名称】エヌエックスピー ユーエスエイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NXP USA,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エス.チョイ
(72)【発明者】
【氏名】ケリー エイ.イルゲンシュタイン
【審査官】 ▲高▼橋 義昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−134321(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0272809(US,A1)
【文献】 特開2000−174613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力制御回路であって、
電源ノードと、
ゲート制御電圧供給ノードと、
前記電源ノードと前記ゲート制御電圧供給ノードとの間に結合されている複数のトランジスタであって、各々が制御電極、前記電源ノードに結合されている第1の電流電極、および前記ゲート制御電圧供給ノードに結合されている第2の電流電極を有し、該複数のトランジスタのうちの第1のトランジスタの前記制御電極は電力制御信号を受信するように結合されており、前記電力制御信号のアサートに応答して、前記第1のトランジスタは伝導状態に置かれる、前記複数のトランジスタと、
第1の入力、および、前記複数のトランジスタのうちの第2のトランジスタの前記制御電極に結合されている第1の出力とを有する第1の電圧比較器であって、前記電力制御信号のアサートに応答して、前記第1の入力は前記ゲート制御電圧供給ノードに結合され、前記ゲート制御電圧供給ノード上の電圧が第1の基準電圧に達するとき前記第1の出力が前記第2のトランジスタを伝導状態に置く、前記第1の電圧比較器と、
第2の入力、および、前記複数のトランジスタのうちの第3のトランジスタの前記制御電極に結合されている第2の出力を有する第2の電圧比較器であって、前記電力制御信号のアサートに応答して、前記第2の入力は前記ゲート制御電圧供給ノードに結合され、前記ゲート制御電圧供給ノード上の前記電圧が、前記第1の基準電圧とは異なる第2の基準電圧に達するとき前記第2の出力が前記第3のトランジスタを伝導状態に置く、第2の電圧比較器と、
前記ゲート制御電圧供給ノードに結合されている第1の端子と、前記第1の入力および前記第2の入力に結合されている第2の端子と、前記電力制御信号を受信するように結合されている制御端子とを有するスイッチと、を備え、前記電力制御信号のアサートに応答して、前記スイッチは前記第1の入力を前記ゲート制御電圧供給ノードに結合し、前記第2の入力を前記ゲート制御電圧供給ノードに結合する、電力制御回路。
【請求項2】
電力制御回路であって、
電源ノードと、
ゲート制御電圧供給ノードと、
前記電源ノードと前記ゲート制御電圧供給ノードとの間に結合されている複数のトランジスタであって、各々が制御電極、前記電源ノードに結合されている第1の電流電極、および前記ゲート制御電圧供給ノードに結合されている第2の電流電極を有し、該複数のトランジスタのうちの第1のトランジスタの前記制御電極は電力制御信号を受信するように結合されており、前記電力制御信号のアサートに応答して、前記第1のトランジスタは伝導状態に置かれる、前記複数のトランジスタと、
第1の入力、および、前記複数のトランジスタのうちの第2のトランジスタの前記制御電極に結合されている第1の出力とを有する第1の電圧比較器であって、前記電力制御信号のアサートに応答して、前記第1の入力は前記ゲート制御電圧供給ノードに結合され、前記ゲート制御電圧供給ノード上の電圧が第1の基準電圧に達するとき前記第1の出力が前記第2のトランジスタを伝導状態に置く、前記第1の電圧比較器と、
第2の入力、および、前記複数のトランジスタのうちの第3のトランジスタの前記制御電極に結合されている第2の出力を有する第2の電圧比較器であって、前記電力制御信号のアサートに応答して、前記第2の入力は前記ゲート制御電圧供給ノードに結合され、前記ゲート制御電圧供給ノード上の前記電圧が、前記第1の基準電圧とは異なる第2の基準電圧に達するとき前記第2の出力が前記第3のトランジスタを伝導状態に置く、第2の電圧比較器と、
前記ゲート制御電圧供給ノードに結合されている第1の端子と、前記第1の入力および前記第2の入力に結合されている第2の端子と、前記電力制御信号を受信するように結合されている制御端子とを有するスイッチと、を備え、
前記電力制御信号のアサートに応答して、前記スイッチは前記第1の入力を前記ゲート制御電圧供給ノードに結合し、前記第2の入力を前記ゲート制御電圧供給ノードに結合し
前記第1の電圧比較器は、
第4のトランジスタであって、前記第1の入力に結合されている制御電極、第1の電流電極、および前記第1の出力に結合されている第2の電流電極を有する、前記第4のトランジスタと、
第5のトランジスタであって、前記第1の入力に結合されている制御電極、前記第1の出力に結合されている第1の電流電極、および第2の電流電極を有する、前記第5のトランジスタとを備え、
前記第2の電圧比較器は、
第6のトランジスタであって、前記第2の入力に結合されている制御電極、第1の電流電極、および前記第2の出力に結合されている第2の電流電極を有する、前記第6のトランジスタと、
第7のトランジスタであって、前記第2の入力に結合されている制御電極、前記第2の出力に結合されている第1の電流電極、および第2の電流電極を有する、前記第7のトランジスタとを備える、電力制御回路。
【請求項3】
ゲート制御電圧供給ノードに電源投入する方法であって、
前記ゲート制御電圧供給ノードの電源投入開始に応答して、前記ゲート制御電圧供給ノードと電源ノードとの間に結合されている第1のトランジスタを伝導状態に置くステップと、
前記ゲート制御電圧供給ノードの電源投入開始に応答して、前記ゲート制御電圧供給ノードを第1の電圧比較器および第2の電圧比較器の入力端子に結合させるステップと、
前記第1の電圧比較器および前記第2の電圧比較器が、前記ゲート制御電圧供給ノードの電圧が第1の基準電圧および第2の基準電圧に達するときを検出するステップであって、前記第2の基準電圧は前記第1の基準電圧よりも大きい、前記検出するステップと、
前記ゲート制御電圧供給ノードの前記電圧が前記第1の基準電圧に達するとき、前記ゲート制御電圧供給ノードと前記電源ノードとの間に結合されている第2のトランジスタを伝導状態に置くステップと、
前記ゲート制御電圧供給ノードの前記電圧が前記第2の基準電圧に達するとき、前記ゲート制御電圧供給ノードと前記電源ノードとの間に結合されている第3のトランジスタを伝導状態に置くステップとを備える、方法。
【請求項4】
電力制御回路であって、
第1のトランジスタであって、電源ノードに結合されている第1の電流電極、電源投入制御信号を受信するように結合されている制御電極、およびゲート制御電圧供給ノードに結合されている第2の電流電極を有する、前記第1のトランジスタと、
第2のトランジスタであって、前記電源ノードに結合されている第1の電流電極、制御電極、および前記ゲート制御電圧供給ノードに結合されている第2の電流電極とを有する、前記第2のトランジスタと、
第3のトランジスタであって、前記電源ノードに結合されている第1の電流電極と、制御電極と、前記ゲート制御電圧供給ノードに結合されている第2の電流電極とを有する、前記第3のトランジスタと、
スイッチであって、前記ゲート制御電圧供給ノードに結合されている第1の端子と、第2の端子と、前記電源投入制御信号を受信するように結合されている制御端子とを有する、前記スイッチと、
前記スイッチの前記第2の端子と前記第2のトランジスタの前記制御電極との間に結合されている第1のインバータであって、該第1のインバータは第1のトリップ点を有する、前記第1のインバータと、
前記スイッチの前記第2の端子と前記第3のトランジスタの前記制御電極との間に結合されている第2のインバータであって、該第2のインバータは前記第1のトリップ点よりも大きい第2のトリップ点を有する、前記第2のインバータとを備える、電力制御回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して半導体デバイスに関し、より具体的には、半導体回路内の電力を制御するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの状況において、電子デバイスを動作させる際に、全電力モードまたは低電力モードから超低電力モードに切り替えることが望ましい。デバイス内で使用されるトランジスタおよび他の構成要素のサイズは絶えず小さく作成されるようになっているため、デバイスを動作させるのに使用される電圧も低減している。しかしデバイスの数も同時に増大しており、そのため、デバイスを駆動する電圧源にはより大きな負荷がかかる。電力モードが変更されるとき、電圧および電流の過渡状態の影響が顕著になり、供給電圧がパワー・オン・リセットを引き起こす十分な範囲まで低下される場合がある。
【0003】
なお、パワーオン時の過渡電流の大きさを低減するシステム及びその方法について、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,142,019号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ、電子回路内で供給電圧における過渡状態を最小限に抑えることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示のシステムおよび方法の実施形態は、電子デバイスにおいて電力モードを切り替えるときに供給電圧における過渡状態を防止するのを補助する。供給電圧は、外部回路に提供される電圧を徐々に増大させる、相次いでオンになる一連のスイッチまたはゲートによって調整される。スイッチは、連続してより高い値に達するスイッチに結合されている回路内の電圧に応じてトリガされる。したがって、供給電圧は時間のみに基づくのではなく、電圧に応じて調整される。外部回路に供給される電流はより一定のレベルに保持され、したがって、電流および/または電圧における過剰な過渡状態に起因する電力モード変更の間に外部回路にかかる重圧が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】半導体デバイス内の電力を制御するためのシステムの一実施形態のブロック図。
図2】電力を制御するためのシステムの一実施形態のより詳細なブロック図。
図3図2のシステム内のさまざまな信号の時間履歴線図の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の利益、特徴、および利点は、以下の記載、および添付の図面に関してよりよく理解されるであろう。
以下の説明は、当業者が本開示を、特定の用途およびその要件の文脈内で提供されるように作成および使用することを可能にするために提示される。しかしながら、好ましい実施形態に対するさまざまな改変が当業者には明らかであり、本明細書において定義される一般原則は他の実施形態にも適用され得る。それゆえ、本開示は、本明細書において示され説明される特定の実施形態に限定されることは意図されておらず、本明細書において開示される原則および新規の特徴と一致する最も広い範囲に従うべきである。
【0009】
図1は、フラッシュメモリ、プロセッサ、または、供給電力を必要とし2つ以上のモードで動作することが可能である他の電子回路などの半導体デバイス内の電力を制御するためのシステム100の一実施形態のブロック図である。動作モードは、電源オンおよび電源オフ、ならびに電源オンと電源オフとの間の追加の電力モードを含んでもよい。システム100は、Pチャネルトランジスタ102、104、106、108、Nチャネルトランジスタ110、および比較器112、114を含む。Pチャネルトランジスタ102、104、106のソース端子は供給電圧VDDに結合されている。Pチャネルトランジスタ102、104、106のドレイン端子は制御電源VDDiに結合されている。制御電源VDDiは、システム100の外部にある回路に出力されるが、該回路は、システム100と同一のシステム・オン・チップ(SOC)上に実装されてもよい。
【0010】
Pチャネルトランジスタ102および108、ならびにNチャネルトランジスタ110のゲート端子はPower_b信号に結合されている。Pチャネルトランジスタ102のドレイン端子はPチャネルトランジスタ108のソース端子に結合されている。Nチャネルトランジスタ110のドレイン端子はPチャネルトランジスタ108のドレイン端子に結合されている。Nチャネルトランジスタ110のソース端子はグランドに結合されている。本明細書において使用される「グランド」および「VSS」という用語は、0ボルトの電圧レベル、または供給電圧(VDDなど)よりも低い仮想グランド信号を指す。
【0011】
Pチャネルトランジスタ108のドレイン端子は比較器112、114の負端子に結合されている。第1の基準電圧REF1が比較器112の正端子に入力される。第2の基準電圧REF2が比較器114の正端子に入力される。
【0012】
比較器112の出力はPチャネルトランジスタ104のゲート端子に結合されている。比較器114の出力はPチャネルトランジスタ106のゲート端子に結合されている。なお、Pチャネルトランジスタ104、106のゲート端子において十分な信号レベルを提供するために、出力比較器112、114とそれぞれのPチャネルトランジスタ104、106との間に1つ以上のバッファが含まれてもよい。
【0013】
Pチャネルトランジスタ102、104、106のサイズは、各トランジスタによって伝導された電流がともに加算されるとき、システム100に接続されている回路へ流れる電流がVDDとVDDiとの間の電流−抵抗(IR)降下を最小限に抑えるように選択される。回路に対する過渡状態を低減するために、各トランジスタ102、104、106は全電源電圧VDDを提供するのに必要とされる電流の一部分に寄与する。たとえば、トランジスタ102、104は同一のサイズを有することができ、各々がトランジスタ106のサイズのほぼ2分の1である。
【0014】
回路に対する供給電力が、超低電力モードから全電源オンモードへなど、より高い電圧へとシフトするとき、Power_b信号はローに遷移する。Power_bがローであるとき、Pチャネルトランジスタ102は全供給電圧VDDを提供するために必要とされる電流の一部分を伝導する。したがって、供給電圧VDDの一部分が比較器112の負端子に供給される。比較器112の正端子における基準電圧REF1の値は、供給電圧VDDよりも低い、たとえば、VDDの値の2分の1の値を有する。比較器112に対する負入力が比較器112の出力がローに遷移する点、すなわち基準電圧REF1を超えるまで、比較器112はハイ信号を出力する。
【0015】
比較器112の出力がローになるとき、Pチャネルトランジスタ104のゲート端子に対する入力はローであり、そのため、Pチャネルトランジスタ104は全供給電圧を達成するために必要とされる電流の他の部分を伝導し始める。Pチャネルトランジスタ102、104、および108のドレインにおける電圧は、Pチャネルトランジスタ102、104を通じて伝導される電流に比例する。
【0016】
比較器114の正端子における基準電圧REF2の値は、供給電圧VDDよりも低く、基準電圧REF1の値よりも大きい値を有する。たとえば、基準電圧REF2の値は、VDDの値の4分の3であってもよい。比較器114に対する負入力が、比較器114の出力がローになる点、すなわち基準電圧REF2を超えるまで、比較器114はハイ信号を出力する。
【0017】
比較器114の出力がローになるとき、Pチャネルトランジスタ106のゲート端子に対する入力はローであり、そのため、Pチャネルトランジスタ106は全供給電圧を達成するために必要とされる電流の他の部分を伝導し始める。Pチャネルトランジスタ102、104および108のドレインにおける電圧VDDiは、Pチャネルトランジスタ102、104および106を通じて伝導される電流に比例しており、この電圧は全供給電圧VDDである。
【0018】
図2は、シュミットトリガを使用して実装された比較器112、114を用いて電力を制御するためのシステム100の一実施形態のより詳細なブロック図である。図示される例において、比較器112は、Pチャネルトランジスタ202、204および210ならびにNチャネルトランジスタ206、208および212を含む。トランジスタ202、204、206および208のゲート端子は、Pチャネルトランジスタ108のドレイン端子に結合されている。
【0019】
Pチャネルトランジスタ202のソース端子は供給電圧VDDに結合されている。Pチャネルトランジスタ202のドレイン端子はPチャネルトランジスタ204および210のソース端子に結合されている。Pチャネルトランジスタ210のドレイン端子はグランドに結合されている。Pチャネルトランジスタ204のドレイン端子はNチャネルトランジスタ206のドレイン端子に結合されている。Pチャネルトランジスタ204およびNチャネルトランジスタ206のドレイン端子は、Pチャネルトランジスタ210、Nチャネルトランジスタ212およびPチャネルトランジスタ104のゲート端子に結合されている。
【0020】
Nチャネルトランジスタ212のソース端子は、Nチャネルトランジスタ208のドレイン端子とNチャネルトランジスタ206のソース端子との間に結合されている。Nチャネルトランジスタ212のドレイン端子は供給電圧VDDに結合されている。
【0021】
比較器114は、Pチャネルトランジスタ214、216および222ならびにNチャネルトランジスタ218、220および224を含む。トランジスタ214、216、218および220のゲート端子は、Pチャネルトランジスタ108のドレイン端子およびトランジスタ202、204、206、208のゲート端子に結合されている。
【0022】
Pチャネルトランジスタ214のソース端子は供給電圧VDDに結合されている。Pチャネルトランジスタ214のドレイン端子はPチャネルトランジスタ216および222のソース端子に結合されている。Pチャネルトランジスタ222のドレイン端子はグランドに結合されている。Pチャネルトランジスタ216のドレイン端子はNチャネルトランジスタ218のドレイン端子に結合されている。Pチャネルトランジスタ216およびNチャネルトランジスタ218のドレイン端子は、Pチャネルトランジスタ222、Nチャネルトランジスタ224およびPチャネルトランジスタ106のゲート端子に結合されている。
【0023】
Nチャネルトランジスタ224のソース端子は、Nチャネルトランジスタ220のドレイン端子とNチャネルトランジスタ218のソース端子との間に結合されている。Nチャネルトランジスタ224のドレイン端子は供給電圧VDDに結合されている。
【0024】
トランジスタ202、204、206、208およびトランジスタ214、216、218、220は、ロー信号が入力されるときはハイ信号を出力し、ハイ信号が入力されるときはロー信号を出力するインバータをそれぞれ形成する。入力がローであるとき、トランジスタ202、204および214、216は導通する。それぞれのPチャネルトランジスタ202/204および214/216が導通しているとき、Nチャネルトランジスタ212および224は、それぞれのノードCおよびDをより高い電位((VDD−VTN)またはNチャネルトランジスタ212、224の閾値電圧)にプルすることによって、比較器112、114にヒステリシスを導入する。Nチャネルトランジスタ212および224が存在することによって、それぞれのトランジスタ206/208および218/220のゲートにおける電位が強制的により高くなる。比較器112、114に対する入力がハイからローに遷移すると、Pチャネルトランジスタ210、222がそれぞれのPチャネルトランジスタ202/204および214/216に関して同様のヒステリシス機能を実行する。
【0025】
Nチャネルトランジスタ206/208が伝導を開始するために十分な電位が利用可能であるとき、比較器112の出力はハイからローに遷移し、それによって、Pチャネルトランジスタ104が伝導を開始するようになり、電圧VDDiが供給電圧VDDの値により近くなるように増大する。
【0026】
Nチャネルトランジスタ218、220のゲート端子における電位がNチャネルトランジスタ218、220の閾値要件を満たすのに十分になると、比較器114の出力はハイからローに切り替わり、それによって、Pチャネルトランジスタ106が伝導を開始するようになり、電圧VDDiが供給電圧VDDに近くなるか、または等しくなる。
【0027】
いくつかの実施形態において、比較器114内のトランジスタのサイズは比較器112内のトランジスタのサイズよりも大きく、それによって、比較器112の出力が比較器114の出力よりも前にハイからローに切り替わる。他の実施形態において、比較器112はトランジスタ212を含まず、これによっても、出力比較器112は比較器114の出力よりも前にハイからローに切り替わることになる。
【0028】
図3は、図2のシステム100内のさまざまな信号の時間履歴線図302〜308の例を示す。線図302は、供給電圧VDDにおいて開始して時刻t1においてグランドに遷移するPower_b信号のステップ関数を示す。線図304に示すように、Power_bがローになると、電圧VDDiがVSSからVDDへと増大し始める。
【0029】
ノードAおよびBにおける電圧は電圧VDDにおいて開始する。電圧VDDiが増大して時刻t2において比較器112のトリップ点に達するとき、線図306に示すように、ノードAにおける電圧は供給電圧VDDからグランドへと減衰し始める。電圧VDDiがさらに増大して時刻t3において比較器114のトリップ点に達するとき、線図308に示すように、ノードBにおける電圧は供給電圧VDDからグランドへと減衰し始める。
【0030】
ここまでで、いくつかの実施形態において、電力制御回路であって、電源ノード(VDD)と、ゲート制御電圧供給ノード(VDDi)と、電源ノードとゲート制御電源ノードとの間に結合されている複数のトランジスタ102、104、106であって、各々が制御電極、電源ノードに結合されている第1の電流電極、およびゲート制御電圧供給ノードに結合されている第2の電流電極を有する、複数のトランジスタとを備える、電力制御回路が提供されたことを理解されるであろう。複数のトランジスタのうちの第1のトランジスタのゲート電極は電力制御信号を受信するように結合されており、電力制御信号のアサートに応答して、第1のトランジスタは伝導状態に置かれる。第1の電圧比較器112は、第1の入力と、複数のトランジスタのうちの第2のトランジスタの制御ゲートに結合されている第1の出力とを有する。電力制御信号のアサートに応答して、第1の入力はゲート制御電圧供給ノードに結合され、ゲート制御電圧供給ノード上の電圧が第1の基準電圧に達するとき第1の出力が第2のトランジスタを伝導状態に置く。第2の電圧比較器114は、第2の入力と、複数のトランジスタのうちの第3のトランジスタの制御ゲートに結合されている第2の出力とを有する。電力制御信号のアサートに応答して、第2の入力はゲート制御電圧供給ノードに結合され、ゲート制御電圧供給ノード上の電圧が、第1の基準電圧とは異なる第2の基準電圧に達するとき第2の出力が第3のトランジスタを伝導状態に置く。
【0031】
別の態様において、電力制御回路は、ゲート制御電圧供給ノードに結合されている第1の端子と、第1の入力および第2の入力に結合されている第2の端子と、電力制御信号を受信するように結合されている制御端子とを有するスイッチ108をさらに備えることができる。電力制御信号のアサートに応答して、スイッチは第1の入力をゲート制御電圧供給ノードに結合し、第2の入力をゲート制御電圧供給ノードに結合する。
【0032】
別の態様において、第1の基準電圧は第1の電圧比較器の内部に存在することができ、第2の基準電圧は第2の電圧比較器の内部に存在する。
別の態様において、複数のトランジスタのうちの少なくとも2つのトランジスタは異なるサイズであることができる。
【0033】
別の態様において、第2の基準電圧は第1の基準電圧よりも大きいものであることができる。
別の態様において、第1の電圧比較器は、第4のトランジスタ204であって、第1の入力に結合されている制御電極、第1の電流電極、および第1の出力に結合されている第2の電流電極を有する、第4のトランジスタと、第5のトランジスタ206であって、第1の入力に結合されている制御電極、第1の出力に結合されている第1の電流電極、および第2の電流電極を有する、第5のトランジスタとを備えることができる。第2の電圧比較器は、第6のトランジスタ216であって、第2の入力に結合されている制御電極、第1の電流電極、および第2の出力に結合されている第2の電流電極を有する、第6のトランジスタと、第7のトランジスタ218であって、第2の入力に結合されている制御電極、第2の出力に結合されている第1の電流電極、および第2の電流電極を有する、第7のトランジスタとを備えることができる。
【0034】
別の態様において、第4のトランジスタのサイズと第5のトランジスタのサイズとの間の比によって第1の基準電圧が決定されることができ、第6のトランジスタのサイズと第7のトランジスタのサイズとの間の比によって第2の基準電圧が決定されることができる。
【0035】
別の態様において、第1の電圧比較器は、第8のトランジスタ210であって、第4のトランジスタの第1の電流電極に結合されている第1の電流電極、第1の出力に結合されている制御電極、およびグランドに結合されている第2の電流電極を有する、第8のトランジスタを備えることができる。第2の電圧比較器は、第9のトランジスタ222であって、第6のトランジスタの第1の電流電極に結合されている第1の電流電極、第2の出力に結合されている制御電極、およびグランドに結合されている第2の電流電極を有する、第9のトランジスタを備えることができる。第10のトランジスタ224は、第7のトランジスタの第2の電流電極に結合されている第1の電流電極、第2の出力に結合されている制御電極、および電源ノードに結合されている第2の電流電極を有することができる。
【0036】
別の態様において、第6のトランジスタは第4のトランジスタと同一のサイズを有することができ、第7のトランジスタは第5のトランジスタと同一のサイズを有することができる。
【0037】
別の態様において、第1の電圧比較器は、第11のトランジスタ212であって、第5のトランジスタの第2の電流電極に結合されている第1の電流電極、第1の出力に結合されている制御電極、および電源ノードに結合されている第2の電流電極を有する、第11のトランジスタを備えることができる。
【0038】
別の態様において、第4のトランジスタおよび第5のトランジスタは電源ノードとグランドとの間に結合されることができ、第6のトランジスタおよび第7のトランジスタは電源ノードとグランドとの間に結合されることができる。
【0039】
他の実施形態において、ゲート制御電圧供給ノードに電源投入する方法は、ゲート制御電圧供給ノードの電源投入開始に応答して、ゲート制御電圧供給ノードと電源ノードとの間に結合されている第1のトランジスタ102を伝導状態に置くステップと、ゲート制御電圧供給ノードの電圧が第1の基準電圧および第2の基準電圧に達するときを検出するステップとを備えることができる。第2の基準電圧は第1の基準電圧よりも大きい。ゲート制御電圧供給ノードの電圧が第1の基準電圧に達するとき、ゲート制御電圧供給ノードと電源ノードとの間に結合されている第2のトランジスタ104が伝導状態に置かれる。ゲート制御電圧供給ノードの電圧が第2の基準電圧に達するとき、ゲート制御電圧供給ノードと電源ノードとの間に結合されている第3のトランジスタ(106)が伝導状態に置かれる。
【0040】
別の態様において、第3のトランジスタは第1のトランジスタまたは第2のトランジスタのうちの少なくとも一方よりも大きいことができる。
別の態様において、ゲート制御電圧供給ノードの電圧が第1の基準電圧に達するときを検出するステップは第1の電圧検出器112によって実行されることができ、ゲート制御電圧供給ノードの電圧が第2の基準電圧に達するときを検出するステップは第2の電圧検出器114によって実行されることができる。第1の電圧検出器は、第1の基準電圧に対応する第1のトリップ点を有する第1のインバータを備えることができ、第2の電圧検出器は、第2の基準電圧に対応する第2のトリップ点を有する第2のインバータを備える。
【0041】
別の態様において、第1の電圧検出器および第2の電圧検出器の各々は、シュミットトリガ方式であるとさらに特徴付けられることができる。
また他の実施形態において、電力制御回路は、第1のトランジスタ102であって、電源ノードに結合されている第1の電流電極、電源投入制御信号を受信するように結合されている制御電極、およびゲート制御電圧供給電圧ノードに結合されている第2の電流電極を有する、第1のトランジスタを備えることができる。第2のトランジスタ104は、電源ノードに結合されている第1の電流電極と、制御電極と、ゲート制御電圧供給ノードに結合されている第2の電流電極とを有することができる。第3のトランジスタ106は、電源ノードに結合されている第1の電流電極と、制御電極と、ゲート制御電圧供給ノードに結合されている第2の電流電極とを有することができる。スイッチ108は、ゲート制御電圧供給ノードに結合されている第1の端子と、第2の端子と、電源投入制御信号を受信するように結合されている制御端子とを有することができる。第1のインバータ112は、スイッチの第2の端子と第2のトランジスタの制御ゲートとの間に結合されることができる。第1の反転回路は第1のトリップ点を有することができる。第2のインバータ114は、スイッチの第2の端子と第3のトランジスタの制御ゲートとの間に結合されることができる。第2の反転回路は第1のトリップ点よりも大きい第2のトリップ点を有することができる。
【0042】
別の態様において、第3のトランジスタは第1のトランジスタおよび第2のトランジスタのうちの少なくとも一方よりも大きいことができる。
別の態様において、第1のインバータは、第4のトランジスタ204であって、第1の電流電極、スイッチの第2の端子に結合されている制御電極、および第2のトランジスタの制御電極に結合されている第2の電流電極とを有する、第4のトランジスタを備えることができる。第5のトランジスタ206は、第4のトランジスタの第2の電流電極および第2のトランジスタの制御電極に結合されている第1の電流電極と、スイッチの第2の端子に結合されている制御電極と、第2の電流端子とを有することができる。第4のトランジスタおよび第5のトランジスタは、電源ノードとグランドノードとの間に結合されることができる。第2のインバータは、第6のトランジスタ216であって、第1の電流電極、スイッチの第2の端子に結合されている制御電極、および第3のトランジスタの制御電極に結合されている第2の電流電極を有する、第6のトランジスタを備えることができる。第7のトランジスタ218は、第6のトランジスタの第2の電流電極および第3のトランジスタの制御ノードに結合されている第1の電流電極と、スイッチの第2の端子に結合されている制御電極と、第2の電流電極とを有することができる。第6のトランジスタおよび第7のトランジスタは、電源ノードとグランドノードとの間に結合されることができる。
【0043】
別の態様において、第8のトランジスタ210は、第4のトランジスタの第1の電流電極に結合されている第1の電流電極と、第2のトランジスタの制御電極に結合されている制御電極と、グランドノードに結合されている第2の電流電極とを有することができる。第9のトランジスタ222は、第6のトランジスタの第1の電流電極に結合されている第1の電流電極と、第3のトランジスタの制御電極に結合されている制御電極と、グランドノードに結合されている第2の電流電極とを有することができる。第10のトランジスタ224は、第7のトランジスタの第2の電流電極に結合されている第1の電流電極と、第3のトランジスタの制御電極に結合されている制御電極と、電源ノードに結合されている第2の電流電極とを有することができる。
【0044】
別の態様において、第11のトランジスタ212は、第5のトランジスタの第2の電流電極に結合されている第1の電流電極と、第2のトランジスタの制御電極に結合されている制御電極と、電源ノードに結合されている第2の電流電極とを有することができる。
【0045】
本開示を実装する装置は、大部分について、当業者に既知の電子コンポーネントおよび回路から成っているため、本開示の基礎となる概念の理解および評価のために、ならびに本開示の教示を分かりにくくせず当該教示から注意を逸らさせないために、回路の詳細は上記で例示されているように必要と考えられる範囲を超えては説明されない。
【0046】
本開示は特定の導電型または電位の極性に関して記載されているが、当業者には導電型および電位の極性は逆になってもよいことが理解される。
その上、本明細書および特許請求の範囲における「正面(front)」、「裏(back)」、「上部(top)」、「底(bottom)」、「上(over)」、「下(under)」などの用語は、存在する場合、説明を目的として使用されており、必ずしも永久的な相対位置を記述するために使用されてはいない。このように使用される用語は、本明細書に記載されている本開示の実施形態がたとえば、本明細書において例示または他の様態で記載されている以外の方向で動作することが可能であるように、適切な状況下で置き換え可能であることが理解される。
【0047】
上記の実施形態のうちのいくつかは、規定通り、さまざまな異なる情報処理システムを使用して実装することができる。たとえば、図1および図2ならびにその説明は、例示的なアーキテクチャを記載しているが、この例示的なアーキテクチャは本開示のさまざまな態様の説明における有用な参照を提供するためにのみ提示されている。無論、このアーキテクチャの記載は説明の目的のために簡略化されており、これは、本開示に応じて使用することができる多くの異なる種類の適切なアーキテクチャのうちのほんの1つにすぎない。論理ブロック間の境界は例示にすぎないこと、および、代替的な実施形態は、論理ブロックもしくは回路要素を融合し、またはさまざまな論理ブロックもしくは回路要素に対する代替的な機能の分解を課してもよいことを、当業者であれば認識するであろう。
【0048】
したがって、本明細書において描写したアーキテクチャは例示にすぎないこと、および、事実、同一機能を達成する多くの他のアーキテクチャを実装することができることは理解されたい。要約すると、ただし依然として明確な意味で、同一機能を達成するための構成要素の任意の構成が、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、本明細書における、特定の機能を達成するために結合される任意の2つの構成要素は互いに「関連付けられる」とみなすことができ、それによって、中間の構成要素またはアーキテクチャにかかわりなく、所望の機能が達成される。同様に、そのように関連付けられる任意の2つの構成要素も、所望の機能を達成するために互いに「動作可能に接続されている」または「動作可能に結合されている」とみなすことができる。
【0049】
さらに、上述の動作の機能間の境界は例示にすぎないことを当業者であれば認識するであろう。複数の動作の機能を単一の動作に組み合わせてもよく、かつ/または単一の動作の機能を追加の動作に分散させてもよい。その上、代替的な実施形態は、特定の動作の複数のインスタンスを含んでもよく、動作の順序はさまざまな他の実施形態においては変更してもよい。
【0050】
本明細書において、具体的な実施形態を参照して本開示を説明したが、添付の特許請求の範囲に明記されているような本開示の範囲から逸脱することなくさまざまな改変および変更を為すことができる。したがって、本明細書および図面は限定的な意味ではなく例示とみなされるべきであり、すべてのこのような改変が本開示の範囲内に含まれることが意図されている。本明細書において具体的な実施形態に関して記載されているいかなる利益、利点、または問題に対する解決策も、任意のまたはすべての請求項の重要な、必要とされる、または基本的な特徴または要素として解釈されるようには意図されていない。
【0051】
本明細書において使用される場合、「結合されている」という用語は、直接結合または機械的結合に限定されるようには意図されていない。
さらに、本明細書において使用される場合、「1つ(“a”or“an”)」という用語は、1つまたは2つ以上として定義される。さらに、特許請求の範囲における「少なくとも1つの」および「1つ以上の」などの前置きの語句の使用は、不定冠詞「1つの(“a”or“an”)」による他の請求項要素の導入が、このように導入された請求項要素を含む任意の特定の請求項を、たとえ同一請求項が前置きの語句「1つ以上の」または「少なくとも1つの」および「1つの(“a”or“an”)」などの不定冠詞を含む場合であっても、1つだけのこのような要素を含む開示に限定することを暗示するように解釈されるべきではない。同一のことが、定冠詞の使用についても当てはまる。
【0052】
別途記載されない限り、「第1の」および「第2の」などの用語は、そのような用語が説明する要素間で適宜区別するように使用される。したがって、これらの用語は必ずしも、このような要素の時間的なまたは他の優先順位付けを示すようには意図されていない。
図1
図2
図3