(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
<洗浄剤>
本発明の洗浄剤は、セルラーゼ(A)(以下、「(A)成分」ともいう。)と水溶性フッ化物(B)(以下「(B)成分」または単に「フッ化物(B)」ともいう。)とを少なくとも含有する。
本発明の洗浄剤の剤形は、液体であっても、粒状、タブレット、ブリケット、シートまたはバー等の固体であってもよい。
液体の洗浄剤(以下、「液体洗浄剤」ともいう。)の場合、(A)成分と(B)成分とが共に水等の分散媒中に混在した一液型であってもよいし、(A)成分を含有する第一の液体と、(B)成分を含有する第二の液体とからなる二液型であってもよい。
粒状の洗浄剤(以下、「粒状洗浄剤」ともいう。)の場合、(A)成分と(B)成分とは混合されていてもよいし、(A)成分と(B)成分とが各々別個の粒状物として用意されたものであってもよい。
【0010】
〔セルラーゼ(A)〕
セルラーゼ(A)は、泥汚れに含まれる有機高分子化合物が結合した状態にある綿繊維等の繊維(被洗物を構成する繊維。)を切断する作用(以下、「繊維切断作用」という場合がある。)を奏すると考えられる。無機粒子と有機高分子化合物とが混在する泥汚れは、繊維に付着した無機粒子を有機高分子化合物が覆うような構造になっている。そのため、無機粒子を除去する効果の高い後述の(B)成分を単に泥汚れに作用させただけでは、有機高分子化合物が障害となり、無機粒子は容易には除去されない。これに対して(A)成分を(B)成分とともに用いると、(A)成分が有機高分子化合物が結合した繊維を切断し、その切断面から後述の(B)成分が無機粒子に作用できるようになる。その結果、(B)成分が無機粒子に含まれる金属を効果的に除去するものと考えられる。
【0011】
セルラーゼ(A)としては、例えばノボザイムズ社から入手できるセルラーゼ製剤、ジェネンコア社から入手できるセルラーゼ製剤等の市販のセルラーゼ製剤を使用できる。セルラーゼ製剤としては、顆粒製剤と液体製剤とがあり、いずれも使用できる。
ノボザイムズ社から入手できるセルラーゼ製剤としては、商品名として、「Celluclean 4500T」、「Celluclean 5000L」、「Celluclean Classic 400L」、「Carezyme Premium 4500L」、「Carezyme 4500L」等が挙げられ、ジェネンコア社から入手できるセルラーゼ製剤としては、商品名として、「Puradux EG L」等が挙げられる。(A)成分は1種以上を使用できる。
【0012】
この中でも、セルロースの非結晶部位を分解するエンドグルカナーゼが好ましく、さらに酵素活性が高いエンドグルカナーゼ、すなわち、セルロース分解反応によるGlu様還元末端生成量の値が高いエンドグルカナーゼが好ましい。具体的にはGlu様還元末端生成量が50μM以上、好ましくは80μM以上、さらに好ましくは100μM以上のエンドグルカナーゼである。このようなエンドグルカナーゼとしては、例えば「Celluclean 4500T、Glu様還元末端生成量:104μM」、「Carezyme Premium 4500L、Glu様還元末端生成量:85μM」、「Celluclean 5000L、Glu様還元末端生成量:127μM」「Carezyme 4500L、Glu様還元末端生成量:69μM」が好ましく、「Celluclean 4500T」、「Carezyme Premium 4500L」、「Celluclean 5000L」がさらに好ましく、「Celluclean 4500T」、「Celluclean 5000L」が最も好ましい。
なお、本発明におけるGlu様還元末端生成量の測定方法は、後述の実施例において、記載している。
【0013】
本発明の洗浄剤は、詳しくは後述するが、水で希釈して洗浄液とし、該洗浄液に被洗物を浸漬する方法で使用されることが好ましい。浸漬の後には、被洗物を洗濯機などで洗濯することがより好ましい。
セルラーゼの配合量は、上述の洗浄液中にGlu様還元末端生成量が0.018M以上、好ましくは0.18M以上、より好ましくは0.9M以上になるように配合することが好ましい。この酵素活性量を満たすよう、セルラーゼ製剤としては、洗浄液中に100〜20000ppm、さらに1000〜10000ppm、特に5000〜10000ppmの範囲で配合することが好ましい。上記範囲の下限値以上であると、高い泥除去効果が得られる。なお、上記範囲の上限値を超えて配合しても、泥除去効果の向上は認められにくい。また、本明細書においてppmは質量基準である。
【0014】
本発明の洗浄剤が、液体洗浄剤である場合、液体洗浄剤中の(A)成分の配合量は適宜設定できるが、0.01〜10質量%が好ましく、2.5〜10質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると、詳しくは後述するように洗濯時において本発明の液体洗浄剤を水に希釈して使用する場合に、本発明の液体洗浄剤の使用量の計量等を行いやすい適量に抑えることができる。上記範囲の上限値以下であると、人体安全性の観点から好ましい。
本発明の洗浄剤が、粒状洗浄剤である場合、粒状洗浄剤中の(A)成分の配合量は適宜設定できるが、0.1〜10質量%が好ましく、2.5〜10質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると、本発明の粒状洗浄剤の使用量の計量等を行いやすい適量に抑えることができる。また、粒状洗浄剤中に(A)成分が均一に分散しやすく、粒状洗浄剤中における(A)成分の存在ムラを抑制できる。上記範囲の上限値以下であると、人体安全性の観点から好ましい。
【0015】
〔水溶性フッ化物(B)〕
水溶性フッ化物(B)は、泥汚れ中の無機粒子に含まれるアルミニウムなどの金属とキレートを形成し、金属を捕捉して除去する作用(以下、「金属捕捉作用」という場合がある。)を奏すると考えられる。水溶性フッ化物(B)は、20℃において水100gに100mg以上溶解するフッ化物のことをいう。該フッ化物(B)は、水に溶かしたときにフッ化物イオンを放出する化合物であり、例えば、フッ化物の塩を形成する化合物の他、フッ化物イオンを化合物のカウンターイオンとして有するものでもよい。
【0016】
フッ化物(B)としては、金属捕捉作用の観点から、フッ化水素、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、フッ化アンモニウム、酸性フッ化ナトリウム(NaHF
2) 、酸性フッ化カリウム(KHF
2)、珪フッ化ナトリウム(Na
3SiF
6) 、氷晶石(Na
3AlF
6)が好ましく、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウムがより好ましく、フッ化ナトリウムが特に好ましい。(B)成分は1種以上を使用できる。
【0017】
水溶性フッ化物(B)の配合量は、上述の洗浄液中に1500〜5000ppmとなるように配合することが好ましく、3000〜5000ppmになるように配合することがさらに好ましい。上記範囲の下限値以上にすることで高い泥除去性能が得られ、上記範囲の上限値以下にすることで他の成分の効果を阻害しない。
【0018】
本発明の洗浄剤が、液体洗浄剤である場合、液体洗浄剤中の(B)成分の配合量は適宜設定できるが、0.5〜3質量%が好ましく、1.5〜3質量%がより好ましく、1.5〜2.5質量%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、詳しくは後述するように洗濯時において本発明の液体洗浄剤を水に希釈して使用する場合に、本発明の液体洗浄剤の使用量の計量等を行いやすい適量に抑えることができる。上記範囲の上限値以下であると、液体洗浄剤の液体安定性(液外観)が優れる。
本発明の洗浄剤が、粒状洗浄剤である場合、粒状洗浄剤中の(B)成分の配合量は適宜設定できるが、1.0〜25質量%が好ましく、1.0〜15質量%がより好ましく、5.0〜15質量%がさらに好ましく、5.0〜10質量%が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であると、本発明の粒状洗浄剤の使用量の計量等を行いやすい適量に抑えることができる。また、粒状洗浄剤中に(B)成分が均一に分散しやすく、粒状洗浄剤中における(B)成分の存在ムラを抑制できる。上記範囲の上限値以下であると、コストを抑えることができるとともに、その他の成分を配合しやすい。
【0019】
〔(B)成分/(A)成分の比率〕
洗浄剤中の(B)成分濃度/(A)成分濃度の質量比((B)/(A))は、0.3〜50が好ましく、0.6〜15がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。上記範囲内であると、(A)成分の繊維切断作用により生じた繊維の切断面から、(B)成分がより効果的に作用する機構が働き、泥汚れをより良好に除去できる。
【0020】
〔化合物(C)〕
本発明の洗浄剤は、ホスホン酸類、ホスホン酸塩類、リン酸類、リン酸塩類、Fe
3+のキレート安定化定数の対数値が20以上であるアミノカルボン酸系キレート剤からなる群より選ばれる1種以上の化合物(C)(以下、「(C)成分」ともいう。)をさらに含有することが好ましい。化合物(C)はキレート剤であり、泥汚れ中の無機粒子に含まれるアルミニウムや鉄などの金属とともにキレートを形成し、金属捕捉作用を奏すると考えられる。該化合物(C)をフッ化物(B)とともに使用すると、詳細な理由は明らかではないが、泥汚れ中の有機高分子化合物が立体障害となり(B)成分のみではキレートしにくい金属に対して、(C)成分はキレートできることで金属捕捉作用が効率的になり、効果が相乗的に向上すると考えられる。特に、ホスホン酸類、ホスホン酸塩類、リン酸類、リン酸塩類は、アルミニウムなどの金属とともにキレートを形成しやすく、アミノカルボン酸系キレート剤は鉄などの金属とともにキレートを形成しやすい。泥汚れに対する洗浄効果がより向上する点で、化合物(C)としては、ホスホン酸類、ホスホン酸塩類、リン酸類、リン酸塩類からなる群より選ばれる1種以上と、Fe
3+のキレート安定化定数の対数値が20以上であるアミノカルボン酸系キレート剤とを併用することが好ましい。
【0021】
ホスホン酸類としては、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸等が挙げられ、1種以上を使用できる。ホスホン酸塩類としては、上述の各ホスホン酸の塩が挙げられる。塩としては、対イオンがナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオンであるアルカリ金属塩が挙げられる。
上述したホスホン酸類およびホスホン酸塩類等のホスホン酸系キレート剤の中でも、高い金属捕捉作用を発揮し、また、(B)成分と併用した場合の併用効果が優れる点から、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸が好ましく、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸が特に好ましい。
【0022】
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸としては、市販品を用いることができ、例えばローディアジャパン(株)製の「フェリオックス115(商品名)」;オルブライトウィルソン社製の「BRIQUEST ADPA−60A(商品名)」;キレスト(株)製の「キレストPH−210(商品名)」;モンサント社製の「DEQUEST 2010(商品名)」等が挙げられる。
【0023】
リン酸類としては、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸(STPP)、メタリン酸、ヘキサメタリン酸、フィチン酸等が挙げられ、1種以上を使用できる。リン酸塩類としては、上述の各リン酸の塩が挙げられる。塩としては、対イオンがナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオンであるアルカリ金属塩が挙げられる。
上述したリン酸類およびリン酸塩類等のリン酸系キレート剤の中でも、高い金属捕捉作用を発揮し、また、(B)成分と併用した場合の併用効果が優れる点から、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩が好ましい。トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩としては、市販品を用いることができ、例えばトリポリリン酸ナトリウム塩としては和光純薬工業(株)製の「トリポリリン酸ナトリウム」;三井化学(株)製の「トリポリ燐酸ソーダ」、ピロリン酸ナトリウム塩としては三井化学(株)製の「ピロ酸ソーダ」が挙げられる。
【0024】
Fe
3+のキレート安定化定数の対数値が20以上であるアミノカルボン酸系キレート剤としては、エチレンジアミン4酢酸(対数値:25.1、同人化学研究所 キレート安定度定数より)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−4酢酸(対数値:28.05)、ジエチレントリアミン5酢酸(対数値:28.6)、グリコールエーテルジアミン4酢酸(対数値:20.5)、トリエチレンテトラミン6酢酸(対数値:26.8)、エチレンジアミン−N’,N−ジコハク酸(対数値:20.6)等が挙げられ、1種以上を使用できる。この中で、エチレンジアミン4酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、トリエチレンテトラミン6酢酸、グリコールエーテルジアミン4酢酸、エチレンジアミン−N’,N−ジコハク酸が好ましく、ジエチレントリアミン5酢酸、エチレンジアミン−N’,N−ジコハク酸が最も好ましい。
【0025】
化合物(C)の配合量としては、上述の洗浄液中に1500〜10000ppmとなるように配合することが好ましく、より好ましくは1500〜5000ppm、さらに好ましくは2000〜4500ppm、特に好ましくは2000〜4000ppmとなるように配合する。1500ppm以上にすることで高い泥除去性能が得られ、10000ppm以下にすることでコストを抑えることができるとともに、環境への負荷を低減できる。
本発明の洗浄剤が、液体洗浄剤である場合、液体洗浄剤中の(C)成分の配合量は適宜設定できるが、0.5〜10質量%が好ましく、1.0〜6質量%がより好ましく、1.0〜5質量%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、詳しくは後述するように洗濯時において本発明の液体洗浄剤を水に希釈して使用する場合に、本発明の液体洗浄剤の使用量の計量等を行いやすい適量に抑えることができる。上記範囲の上限値以下であると、液体洗浄剤の液体安定性(液外観)が優れる。
本発明の洗浄剤が、粒状洗浄剤である場合、粒状洗浄剤中の(C)成分の配合量は適宜設定できるが、1.0〜30質量%が好ましく、5.0〜25質量%がより好ましく、6.0〜25質量%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、本発明の粒状洗浄剤の使用量の計量等を行いやすい適量に抑えることができるとともに、また、粒状洗浄剤中に(C)成分が均一に分散しやすく、粒状洗浄剤中における(C)成分の存在ムラを抑制できる。上記範囲の上限値以下であると、コストを抑えることができるとともに、その他の成分を配合しやすい。
【0026】
〔(C)成分/(B)成分のモル比率〕
本発明の洗浄剤に(C)成分を配合する場合、洗浄剤中の(C)成分/(B)成分のモル比率((C)/(B))は0.05〜2が好ましく、0.10〜1.5がより好ましく、0.15〜1がさらに好ましい。上記範囲内であると、(B)成分および(C)成分による金属捕捉作用がより相乗的に発揮される。
【0027】
〔(D)成分〕
本発明の洗浄剤は、両性界面活性剤、半極性界面活性剤、下記一般式(2)で表されるアミン化合物(以下、「アミン化合物」ともいう。)からなる群より選ばれる1種以上を(D)成分としてさらに含有することが好ましい。(D)成分は、(A)成分の作用により被洗物の繊維から分離された有機高分子化合物を、分散させる作用を奏すると考えられる。
【0028】
両性界面活性剤としては、例えばN−アルキルアミノ酸、アルケニルアミノ酸、これらの塩、ベタイン等が挙げられ、1種以上を使用できる。
N−アルキルアミノ酸およびN−アルケニルアミノ酸は、チッ素原子にアルキル基またはアルケニル基が結合し、さらに1つまたは2つの「−R−COOH」(式中、Rは2価の炭化水素基を示し、好ましくはアルキレン基であり、特に炭素数1〜2であることが好ましい。)で表される基が結合した構造を有する。「−R−COOH」が1つ結合した化合物においては、チッ素原子にはさらに水素原子が結合している。
「−R−COOH」が1つのものをモノ体、2つのものをジ体という。(D)成分としては、これらモノ体、ジ体のいずれも用いることができる。
N−アルキルアミノ酸およびアルケニルアミノ酸において、アルキル基、アルケニル基の炭素数は10〜20であることが好ましく、これらは直鎖状でも分岐鎖状であってもよい。
塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩であることが好ましく、ナトリウム塩であることが好ましい。
【0029】
両性界面活性剤の好ましい例としては、アルキルアミノプロピオン酸、アルケニルアミノプロピオン酸、これらの塩が挙げられ、ラウリルアミノプロピオン酸、そのナトリウム塩がより好ましい。市販品としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸Na(一方社油脂工業(株)製)等が挙げられる。これはモノ体とジ体の90質量%:10質量%の混合物である。
【0030】
ベタインとしては、アルキルベダイン、カルボベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、アミドスルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン、ホスホベタイン等があり、具体的には、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等の脂肪酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルベダイン等のアルキルジメチルベダイン等が挙げられる。これらの中でも、アルキルベダイン、アミドベダイン、スルホベダインが好ましく、特にラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルベタインが好ましい。
【0031】
市販品としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン(商品名「ソフタゾリン LPB」;川研ファインケミカル(株)製)、ラウリルジメチルベタイン(商品名「アンヒトール24B」;花王(株)製)等が挙げられる。
【0032】
半極性界面活性剤としては、例えば、下記一般式(1)で示されるアミンオキシド型界面活性剤等が挙げられる。
【0034】
式(1)中、R
1は直鎖状または分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基であり、炭素数は8〜18であり、好ましくは8〜16、さらに好ましくは10〜14である。
R
2、R
3はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基またはヒドロキシアルキル基である。
R
4は、炭素数1〜4のアルキレン基である。
Aは、−CO−NH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−または−O−から選ばれる基であり、n’は0または1である。
【0035】
アミンオキシド型界面活性剤として具体的には、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド等が挙げられ、1種以上を使用できる。なかでも、泥汚れ中の有機高分子化合物の分散力の観点から、アルキルジメチルアミンオキシドが好ましく、特にn−ドデシルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシドが好ましい。n−ドデシルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシドは、例えばライオン・アクゾ(株)製のもの等が市販されている。
【0036】
アミン化合物は、下記一般式(2)で表される化合物である。
【0038】
式(2)中、R
5は炭素数8〜22のアルキル基またはアルケニル基であり、POはオキシプロピレン基であり、EOはオキシエチレン基である。x、y、aおよびbは、それぞれ平均繰り返し数を示し、x+y=0〜10、a+b=2〜50、a≧1、b≧1である。
【0039】
R
5は炭素数8〜22のアルキル基またはアルケニル基である。R
5は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。R
5の炭素数は、10〜20が好ましく、12〜18がより好ましい。R
5の炭素数が上記範囲内であると、泥汚れに含まれる有機高分子化合物を充分に分散できる。
【0040】
POはオキシプロピレン基であり、EOはオキシエチレン基である。式(2)におけるEOとPOの付加の形態は、ランダム付加でもブロック付加でもよい。
x、y、aおよびbは、それぞれ平均繰り返し数を示す。x+yは0〜10であり、0〜4が好ましい。a+bは2〜50であり、10〜20が好ましい。また、xは0〜10が好ましく、0〜5がより好ましい。yは0〜10が好ましく、0〜5がより好ましい。aは1〜25が好ましく、5〜10がより好ましい。bは1〜25が好ましく、5〜10がより好ましい。なお、「平均繰り返し数」のことを「平均付加モル数」と記載する場合もある。
【0041】
アミン化合物の市販品としては、例えばライオン・アクゾ(株)製、商品名「エソミンC15」(R:ココヤシ由来のアルキル基(炭素数12〜14)、x+y=0、a+b=5(a=2〜3、b=2〜3))、商品名「エソミンC25」(R:ココヤシ由来のアルキル基(炭素数12〜14)、x+y=0、a+b=15(a=7〜8、b=7〜8))、商品名「エソミンT15」(R:牛脂由来のアルキル基(炭素数14〜18)、x+y=0、a+b=5(a=2〜3、b=2〜3))、商品名「エソミンT25」(R:牛脂由来のアルキル基(炭素数14〜18)、x+y=0、a+b=15(a=7〜8、b=7〜8))、商品名「エソプロポミンC18/18」(R:ココヤシ由来のアルキル基(炭素数12〜14)、x+y=8(x=y=4)、a+b=8(a=b=4))が挙げられる。
【0042】
(D)成分としては、アミン化合物が好ましい。洗浄剤が後述する(E)成分を含む場合、両性界面活性剤や半極性界面活性剤では(E)成分と錯体を形成し、各成分から得られる効果が低下することがある。一方、アミン化合物であれば(E)成分と錯体を形成しにくいので、(D)成分と(E)成分の両方の効果が充分に得られる。
【0043】
(D)成分の配合量としては、上述の洗浄液中に100〜10000ppmとなるように配合することが好ましく、500〜5000ppmがより好ましく、1000〜5000ppmがさらに好ましい。100ppm以上にすることで有機高分子化合物を分散させる作用が充分に得られるとともに、有機高分子化合物による被洗物の再汚染も抑制できる。10000ppm以下であると、被洗物のすすぎ時間も長くなることがない。
【0044】
本発明の洗浄剤が、液体洗浄剤である場合、液体洗浄剤中の(D)成分の配合量は適宜設定できるが、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると、詳しくは後述するように洗濯時において本発明の液体洗浄剤を水に希釈して使用する場合に、本発明の液体洗浄剤の使用量の計量等を行いやすい適量に抑えることができる。上記範囲の上限値以下であると、コストを抑えることができると共にその他の成分を配合しやすい。
本発明の洗浄剤が、粒状洗浄剤である場合、粒状洗浄剤中の(D)成分の配合量は適宜設定できるが、0.1〜25質量%が好ましく、1.0〜13質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると、本発明の粒状洗浄剤の使用量の計量等を行いやすい適量に抑えることができるとともに、粒状洗浄剤中に(D)成分が均一に分散しやすく、粒状洗浄剤中における(D)成分の存在ムラを抑制できる。上記範囲の上限値以下であると、コストを抑えることができると共にその他の成分を配合しやすい。
【0045】
〔陰イオン界面活性剤(E)〕
本発明の洗浄剤は、陰イオン界面活性剤を(E)成分としてさらに含有することが好ましい。(E)成分は被洗物の泥汚れが付着していない繊維に有機高分子化合物が再汚染するのを防止する。
【0046】
陰イオン界面活性剤としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖または分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩などが挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩などが挙げられ、1種以上を使用できる。
【0047】
陰イオン界面活性剤の好ましい例としては、以下のものが挙げられる。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものが特に好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキサイドを付加したもの(すなわち、平均繰り返し数が1〜10のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩またはポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩。)が好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、炭素数が10〜20、好ましくは14〜17のアルキル基を有する2級アルカンスルホン酸塩が特に好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
これらの中でも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、およびα−オレフィンスルホン酸塩が好ましく、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。
【0048】
陰イオン界面活性剤の配合量としては、上述の洗浄液中に200〜2500ppmとなるように配合することが好ましく、好ましくは200〜1000ppm、さらに好ましくは200〜500ppmとなるように配合する。200ppm以上にすることで有機高分子化合物の再汚染を効果的に抑制できる。2500ppm以下にすることで(A)成分の効果の阻害を抑制できる。
【0049】
本発明の洗浄剤が、液体洗浄剤である場合、液体洗浄剤中の(E)成分の配合量は適宜設定できるが、0.1〜1.5質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましく、0.1〜0.25質量%がさらに好ましい。上記範囲内であると、有機高分子化合物の再汚染を効果的に抑制しながら、(E)成分による(A)成分の変性を抑制できるので、保存後も高い性能が得られる。
本発明の洗浄剤が、粒状洗浄剤である場合、粒状洗浄剤中の(E)成分の配合量は適宜設定できるが、0.5〜6.5質量%が好ましく、0.5〜2.5質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると、本発明の粒状洗浄剤の使用量の計量等を行いやすい適量に抑えることができるとともに、粒状洗浄剤中に(E)成分が均一に分散しやすく、粒状洗浄剤中における(E)成分の存在ムラを抑制できる。上記範囲の上限値以下であると、コストを抑えることができると共にその他の成分を配合しやすい。
【0050】
〔その他の任意成分〕
本発明の洗浄剤は、前記アミン化合物以外の非イオン界面活性剤(その他の非イオン界面活性剤)、セルラーゼ(A)以外の酵素(その他の酵素)、酵素安定化剤、還元剤等を任意成分として含んでもよい。
【0051】
(その他の非イオン界面活性剤)
前記アミン化合物以外の非イオン界面活性剤としては特に制限はないが、例えば下記一般式(3)で表されるポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤が好適に用いられる。
R
6−Y−(EO)
s/(PO)
t−R
7 ・・・(3)
【0052】
式(3)中、R
6は炭素数8〜22、好ましくは10〜18の疎水基であり、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。疎水基としては、1級または2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等に由来するものが挙げられ、具体的には、アルキル基、アルケニル基が好ましい。R
7は水素原子、または、炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルケニル基であり、好ましくは水素原子、または炭素数1〜3のアルキル基もしくはアルケニル基である。
【0053】
−Y−は、−O−、−COO−、−CONH−等の2価基である。
EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基である。
sはオキシエチレン基の平均繰り返し数を示し、3〜20であり、5〜18が好ましい。sは酸化エチレンの平均付加モル数に相当する。tはオキシプロピレン基の平均繰り返し数を示し、0〜6であり、0〜3が好ましい。tは酸化プロピレンの平均付加モル数に相当する。sが上記範囲であると、泥汚れの分散性に優れるとともに、HLB値が高くなりすぎず適度であり、有機高分子化合物の分散性に優れる。tが上記範囲であると、泥汚れの分散性に優れる。
【0054】
式(3)中、EOとPOが同一分子中に共存する場合は、EOとPOはランダム付加でもブロック付加でもよい。また、EOとPOの付加順序は特に限定されない。
なお、本明細書において「HLB値」とは、界面活性剤の分子が持つ親水性と親油性の相対的な強さのことであり、その親水親油バランスを数量的に表したものをいう。
【0055】
EOおよびPOの繰り返し数の分布は、非イオン界面活性剤を製造する際の反応方法によって変動しやすい。例えば、EOまたはPOの繰り返し数の分布は、一般的な水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ触媒を用いて、酸化エチレンや酸化プロピレンを疎水性原料に付加させた際には、比較的広い分布となる傾向にある。また、特公平6−15038号公報に記載のAl
3+、Ga
3+、In
3+、Tl
3+、Co
3+、Sc
3+、La
3+、Mn
2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて、酸化エチレンや酸化プロピレンを疎水基原料に付加させた際には、比較的狭い分布となる傾向にある。EOおよびPOの繰り返し数の分布は、特に限定されない。
【0056】
式(3)において、−Y−が−O−のとき、非イオン界面活性剤はアルコールエトキシレートである。この場合、R
6の直鎖または分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基の炭素数は10〜22であり、好ましくは10〜20であり、より好ましくは10〜18である。R
6は不飽和結合を有していてもよい。また、この場合、R
7は、好ましくは水素原子である。
【0057】
式(3)で表される非イオン界面活性剤の具体例としては、三菱化学(株)製:商品名Diadol(C13(炭素数が13であることを示す。以下同様。))、Shell社製:商品名Neodol(C12/C13)、Sasol社製:商品名Safol23(C12/C13)等のアルコールに対して、12モル相当、または15モル相当の酸化エチレンを付加したもの;P&G社製:商品名CO−1214やCO−1270等の天然アルコールに5モル相当、6モル相当、7モル相当、12モル相当、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの;ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコールに、7モル相当の酸化エチレンを付加したもの(BASF社製:商品名Lutensol TO7);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに、7モル相当の酸化エチレンを付加したもの(BASF社製:商品名Lutensol XL70);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに、6モル相当の酸化エチレンを付加したもの(BASF社製:商品名Lutensol XA60);炭素数12〜14の第2級アルコールに、9モル相当、または15モル相当の酸化エチレンを付加したもの((株)日本触媒製:商品名ソフタノール90やソフタノール150);などが挙げられる。さらには、ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(ポリオキシエチレンヤシ脂肪酸メチルエステル(以下、「MEE」と記載)EO15モル)も挙げられる。天然アルコールに7モル相当の酸化エチレンを付加したものとしては、例えば、ライオンケミカル(株)製のレオックスCL−70が挙げられる。これらは1種以上を使用できる。
【0058】
非イオン界面活性剤の配合量としては、上述の洗浄液中に100〜10000ppmとなるように配合することが好ましく、好ましくは500〜5000ppm、さらに好ましくは1000〜2500ppmとなるように配合する。
【0059】
(その他の酵素)
(A)成分以外の酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼなどが挙げられ、1種以上を使用できる。具体的には、以下に示すものが挙げられる。
プロテアーゼとしては、ノボザイムズ社から入手できるプロテアーゼ製剤:商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L、ジェネンコア社から入手できるプロテアーゼ製剤:商品名Purafect L、Purafect Prime、Properase L等が挙げられる。
アミラーゼとしては、ノボザイムズ社から入手できるアミラーゼ製剤:商品名Termamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、Stainzyme Plus 12L、ジェネンコア社から入手できるアミラーゼ製剤:商品名Purastar ST L、Purastar HP Am、天野エンザイム(株)から入手できるアミラーゼ製剤:商品名プルラナーゼアマノ、生化学工業(株)から入手できるアミラーゼ製剤:商品名DB−250等が挙げられる。
リパーゼとしては、ノボザイムズ社から入手できるリパーゼ製剤:商品名Lipex 100L、Lipolase 100L等が挙げられる。
マンナナーゼとしては、ノボザイムズ社から入手できるマンナナーゼ製剤:商品名Mannaway 4L等が挙げられる。
ペクチナーゼとしては、ノボザイムズ社から入手できるペクチナーゼ製剤:商品名Xpect 1000L等が挙げられる。
【0060】
(酵素安定化剤)
本発明の洗浄剤には、(A)成分や任意に配合されるその他の酵素の安定性を向上させるホウ酸、硼砂、蟻酸やその塩、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム塩類等を、酵素安定化剤として配合してもよい。酵素安定化剤は1種以上を使用できる。
【0061】
(還元剤)
本発明の洗浄剤には、被洗物の変退色を起こさない程度の還元力を有する還元剤を配合してもよく、そのような還元剤としては、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウム等が挙げられ、1種以上を使用できる。中でもアスコルビン酸が好ましい。
【0062】
還元剤の配合量としては、上述の洗浄液中に100〜10000ppmとなるように配合することが好ましく、好ましくは500〜5000ppm、さらに好ましくは1000〜2500ppmとなるように配合する。
【0063】
〔液体洗浄剤〕
本発明の洗浄剤が一液型の液体洗浄剤である場合、分散媒は水であることが好ましい。
また、液体洗浄剤の25℃におけるpHは4〜9が好ましく、4〜8がより好ましい。
なお、本明細書におけるpHは、pHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)等により測定される値である。
【0064】
〔作用〕
本発明の洗浄剤の優れた洗浄作用は、以下のように発現していると考える。
無機粒子と有機高分子化合物とが混在する泥汚れは、上述のとおり、繊維に付着した無機粒子を有機高分子化合物が覆うような構造になっている。このような泥汚れに対して(A)成分を作用させると、(A)成分が有機高分子化合物が結合した繊維を切断する。そして、その切断面から(B)成分が無機粒子に作用する。その結果、これらの成分の相乗作用により、泥汚れを良好に洗浄できるものと考えられる。
さらに、本発明の洗浄剤が(C)成分を含有する場合には、詳細な理由は明らかではないが、上述のとおり、泥汚れ中の有機高分子化合物が立体障害となり(B)成分のみではキレートしにくい金属に対して、(C)成分はキレートできることで金属捕捉作用が効率的になり、効果が相乗的に向上すると考えられる。
【0065】
また、任意成分である(D)成分を用いた場合には、(D)成分により有機高分子化合物が分散される。そして、このように繊維から有機高分子化合物が除去されると、(A)成分が、再度、繊維の奥の方に存在する有機高分子化合物が付着している繊維を切断し、そこから(B)成分および(C)成分が無機粒子に作用するものと考えられる。
また、任意成分である(E)成分を用いた場合には、被洗物の繊維から除去された有機高分子化合物に(E)成分が吸着し、被洗物の泥汚れが付着していない部分への再汚染を防止するのでより一層泥汚れ除去効果を高く実感できる。
また、本発明の洗浄剤は、還元剤を必須成分としないため、色物衣類等の被洗物の変退色も生じない。
【0066】
以上説明したように本発明の洗浄剤においては、(A)成分が有機高分子化合物が結合した繊維を切断するものと考えられる。(A)成分のこのような繊維切断作用を充分に作用させるためには、このような作用を阻害する高分子量の化合物を本発明の洗浄剤に配合しないことが好適である。すなわち、本発明の洗浄剤は、質量平均分子量が10000以上の高分子化合物を含まないことが好ましく、5000以上の高分子化合物を含まないことがさらに好ましい。
本発明の洗浄剤は、該洗浄剤単独で洗浄に用いても、通常の粒状洗浄剤組成物や液体洗浄剤組成物に配合して用いても、高い泥除去性能を発揮する。
【0067】
<洗浄剤の製造方法>
本発明の洗浄剤が一液型の液体洗浄剤である場合、(A)成分および(B)成分と、必要に応じて使用される任意成分とを水等の溶媒に添加する方法が挙げられる。また、その際、(A)成分はpHの調整後に添加すると、その変性が抑制され好ましい。
本発明の洗浄剤が粒状洗浄剤である場合、特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。例えば(A)成分と(B)成分及び任意成分の粉末または造粒物を、粉体混合機を用いて混合する方法、液体の(A)成分、(B)成分及び任意成分各々をゼオライトや粘土鉱物等の多孔質体に含浸させたり、硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウム等の無機塩粒子間に留めたりすることで粒状にし、粉体混合機を用いて混合する方法、ポリエチレングリコール等のバインダー化合物を予め溶解させ、(A)成分と(B)成分及び任意成分を加え攪拌混合した後、造粒又は成形することにより造粒物又は成形物を得る方法などが挙げられる。また、タブレットの場合、上記のように各成分を混合して得られた粉体を、打錠機を用いて打錠する方法が挙げられる。
【0068】
<洗濯方法>
本発明の洗浄剤を用いた洗濯方法としては、該洗浄剤を含む洗浄液に被洗物を浸漬する工程を含む方法が好適である。浸漬する工程の後には、被洗物を洗濯機などで洗濯する工程を行うことにより、より効果的に泥汚れをできる。
本発明の洗浄剤はそのまま洗浄液として使用することもできるが、使用性の観点から、洗浄剤を水で希釈して使用することが好ましい。洗浄液における本発明の洗浄剤の濃度は、(A)成分と(B)成分の合計濃度が1600〜13000ppmとなる範囲が好ましく、2500〜8000ppmがより好ましく、2500〜4000ppmがさらに好ましい。1600ppm以上とすることによって、(A)成分と有機高分子化合物が結合した繊維との接触頻度が向上し、(A)成分の繊維切断作用が充分に働くとともに、(B)成分による金属除去作用も充分に得られる。そのため、短時間の浸漬によっても高い効果が得られ、13000ppm以下とすることによって、経済的に良好なものになる。
また、洗浄剤に(C)成分を含有する場合、洗浄液における本発明の洗浄剤の濃度は、(A)成分と(B)成分及び(C)成分の合計濃度が3100〜23000ppmとなる範囲が好ましく、3100〜10500ppmがより好ましく、3600〜9500ppmがさらに好ましく、4500〜8000ppmが特に好ましい。
なお、洗浄液中の各成分の好適な比率は、先に洗浄剤中の各成分の好適な比率として記載したとおりである。
【0069】
洗浄液のpHは、5.0〜10.0が好ましく、5.0〜8.0がより好ましい。pHが上記範囲の下限値以上であると、(A)成分の活性が優れる。pHが上記範囲の上限値以下であると、一旦繊維から除去された泥汚れ中の有機高分子化合物が繊維に対して再汚染を起こす可能性が抑制される。そのため、本発明の洗浄剤のpHは、洗浄液としたときのpHが5.0〜10.0になるように設計することが好ましく、5.0〜8.0になるように設計することがより好ましい。
【0070】
浸漬時間は、30分間以上〜24時間以下が好ましく、2時間以上〜18時間以下がより好ましく、6時間以上〜15時間以下がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、本発明の洗浄剤の高い泥汚れ除去効果が発揮される。上記範囲の上限値以下であれば、一旦繊維から除去された泥汚れ中の有機高分子化合物が繊維に対して再汚染を起こす可能性が抑制される。
浸漬温度は、15℃〜40℃が好ましく、25℃〜35℃がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると、(A)成分の活性が優れ、(B)成分や、任意成分である(C)成分の金属除去速度も充分に確保できる。上記範囲の上限値以下であると、(A)成分の変性が抑制される。
【0071】
以上説明したように本発明の洗浄剤によれば、無機粒子と有機高分子化合物が混在するような泥汚れに対して高い洗浄効果を発揮し、色物衣類等の被洗物の変退色も生じない。
【実施例】
【0072】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜37、比較例1〜2〕
表1に示す各成分を表2〜6に示す質量部数で配合し、各例の液体洗浄剤を調製した。
具体的には、表2〜6に示す各成分のうち、精製水以外の各成分を混合し、その後、水を加えて全量が100質量部となるようにした。洗浄剤には、硫酸または水酸化ナトリウムをpH調整剤として適量配合し、pHを7.0に調整した。
各例の洗浄剤を用いて、以下に示す方法で泥汚れの付着した布(モデル泥汚れ布)を洗浄し、その際の泥汚れ洗浄率(%)を求め、洗浄剤の泥汚れ洗浄力を評価した。
なお、各成分の配合量は純分換算である。
【0073】
〔実施例38、39〕
表5に示す各成分を用いて、粒状洗浄剤を製造した。
具体的には、小型粉砕機に硫酸ナトリウムを投入し、攪拌しながら(C)成分を5分間かけて徐々に投入し、その後さらに3分間攪拌を継続し造粒物を得た。造粒物を1日間乾燥後、目開き850μmの篩(JIS−Z8801)に通した。篩を通過しなかった分はTrio Blender(トリオサイエンス社製)にて粉砕を行った後、目開き850μmの篩に通し、篩に通過させた。こうして全ての造粒物を篩に通過させた後、該造粒物に(A)成分、(B)成分、(D)成分、(E)成分及び硫酸ナトリウム以外の任意成分を添加し、卓上粉砕機にて充分に混合し粒状洗浄剤を得た。
各例の洗浄剤を用いて、以下に示す方法で泥汚れの付着した布(モデル泥汚れ布)を洗浄し、その際の泥汚れ洗浄率(%)を求め、洗浄剤の泥汚れ洗浄力を評価した。
なお、実施例38の粒状洗浄剤を濃度40000ppmになるように水に添加した洗浄液のpHは7であり、実施例38の粒状洗浄剤を濃度40000ppmになるように水に添加した洗浄液のpHは9.5であった。
なお、各成分の配合量は純分換算である。
【0074】
〔実施例40〜49〕
表1に示す各成分を表7に示す質量部数で配合し、各例の液体洗浄剤を調製した。
具体的には、表7に示す各成分のうち、精製水以外の各成分を混合し、その後、水を加えて全量が100質量部となるようにした。洗浄剤には、硫酸または水酸化ナトリウムをpH調整剤として適量配合し、pHを7.0に調整した。
各例の洗浄剤を用いて、以下に示す方法で泥汚れの付着した布(モデル泥汚れ布)を洗浄し、その際の泥汚れ洗浄率(%)を求め、洗浄剤の泥汚れ洗浄力を評価した。さらに、以下に示す方法で再汚染防止性を評価した。
なお、各成分の配合量は純分換算である。
【0075】
〔実施例50〕
表7に示す各成分を用いて、粒状洗浄剤を製造した。
具体的には、ビーカーに平均分子量2600〜3800のポリエチレングリコールを入れ、80℃の湯浴で溶解させた。そこに(C)成分と(D)成分を投入し攪拌し、充分攪拌した後に湯浴から取り出し、バットに薄く広げ室温で固めた。これをTrio Blender(トリオサイエンス社製)にて粉砕を行い、目開き850μmの篩に通し、篩に通過させ、造粒物を得た。これに(A)成分、(B)成分、(E)成分、硫酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムを添加し、卓上粉砕機にて充分混合し粒状洗剤を得た。
この洗浄剤を用いて、以下に示す方法で泥汚れの付着した布(モデル泥汚れ布)を洗浄し、その際の泥汚れ洗浄率(%)を求め、洗浄剤の泥汚れ洗浄力を評価した。さらに、以下に示す方法で再汚染防止性を評価した。
なお、各成分の配合量は純分換算である。
【0076】
〔実施例51〕
表7に示す各成分を用いて、粒状洗浄剤を製造した。
具体的には、ビーカーに平均分子量2600〜3800のポリエチレングリコールを入れ、80℃の湯浴で溶解させた。そこに(D)成分を投入し攪拌し、充分攪拌した後に湯浴から取り出し、バットに薄く広げ室温で固めた。これをTrio Blender(トリオサイエンス社製)にて粉砕を行い、目開き850μmの篩に通し、篩に通過させ、造粒物を得た。これに(A)成分、(B)成分、(C)成分、(E)成分、硫酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムを添加し、卓上粉砕機にて充分混合し粒状洗剤を得た。
この洗浄剤を用いて、以下に示す方法で泥汚れの付着した布(モデル泥汚れ布)を洗浄し、その際の泥汚れ洗浄率(%)を求め、洗浄剤の泥汚れ洗浄力を評価した。さらに、以下に示す方法で再汚染防止性を評価した。
なお、各成分の配合量は純分換算である。
【0077】
(評価)
(1)モデル泥汚れ布の作製
園芸用黒土(kyotochiya製)10gを秤量し、水道水500g中に投入し、ホモジナイザ−(KINEMATICAスイス社製、商品名:ポリトロン Type PT 10/35)にて、80rpmで約5分間分散させた。得られた分散液中に、10cm×25cmに裁断した綿メリヤスニット布((株)谷頭商店製、染色試材、綿ニット未シル晒)15枚を浸漬させ、布を手で良く揉み、布全体に均一に泥分散液を含ませた。そして、その布を取り出し、ローラーで軽く絞った。1時間自然乾燥させた後、105℃の恒温槽にて、さらに1時間乾燥させた。最後に、布表面をウレタンスポンジで擦り、余分な泥粒子を落としたものをモデル泥汚れ布として評価に供した。
上記で調製した各モデル泥汚れ布を裁断して、1枚のモデル泥汚れ布から4cm×4cmの洗浄力評価布(汚垢布)を12枚得た。合計180枚の洗浄力評価布から、ランダムに5枚を選択し、実験に使用した。
(2)泥汚れ洗浄力の評価
実施例1〜37,40〜49、比較例1,2で調製した液体洗浄剤を硬度3°DH、水温15℃に調整したイオン交換水150mL中に洗浄剤の濃度が200000ppmになるように添加し、これを洗浄液とした。
実施例38,39,50,51で調製した粒状洗浄剤を硬度3°DH、水温15℃に調整したイオン交換水150mL中に洗浄剤の濃度が40000ppmになるように添加し、これを洗浄液とした。
これらの各洗浄液に上記洗浄力評価布5枚を10時間つけおきしたのち、硬度3°DH、水温15℃に調整したイオン交換水750mL入れたTerg−O−Tometer(UNITED STATES TESTING社製)の洗浄浴中に洗浄液ごと入れ、120rpmで10分間洗浄した(浴比20倍)。
その後、洗浄浴中の内容物をザルに空けて洗浄液を除き、洗浄力評価布を2槽式洗濯機(三菱電機(株)製、CW−C30A1型)の脱水槽で1分間脱水した。
脱水後、洗浄力評価布をさらに硬度3°DH、水温15℃に調整したイオン交換水900mLを入れたTerg−O−Tometer浴中で3分間すすぎ、2槽式洗濯機の脱水槽で1分間脱水した。
そして、再度、洗浄力評価布を硬度3°DH、水温15℃に調整したイオン交換水900mLを入れたTerg−O−Tometer浴中で3分間すすぎ、2槽式洗濯機の脱水槽で1分間脱水後、風乾した。
汚れ付着前の原布及び洗浄前後の洗浄力評価布のZ値を、測色色差計(日本電色工業(株)製、商品名:SE2000)を用いて測定し、次式により、泥汚れ洗浄率(%)を算出した。そして、5枚の洗浄力評価布の泥汚れ洗浄率(%)の平均値を求め、表2〜7に記載した。
泥汚れ洗浄率(%)=(洗浄後の洗浄力評価布のZ値−洗浄前の洗浄力評価布のZ値)/(原布のZ値−洗浄前の洗浄力評価布のZ値)×100
【0078】
(3)再汚染評価布の作製
肌シャツ(B.V.D社製、白色)を市販の衣料用洗剤(ライオン(株)製、商品名:ブルーダイヤ)を用いて、2槽式洗濯機で15分洗浄、1分脱水を3回繰り返した。その後、15分流水濯ぎ、1分脱水を5回繰り返し、最後の脱水が終了した後、室内で自然乾燥した。これを5cm×5cmに裁断し、そこからランダムに5枚を選択し、これらを再汚染評価布として評価に供した。
(4)再汚染防止性の評価
泥汚れ洗浄力の評価と同様の方法で調製した洗浄液に、上記再汚染評価布を5枚入れた後、(1)で作製した洗浄力評価布を5枚入れ、10時間つけおきしたのち、硬度3°DH、水温15℃に調整したイオン交換水750mL入れたTerg−O−Tometer(UNITED STATES TESTING社製)の洗浄浴中に洗浄液ごと入れ、120rpmで10分間洗浄した(浴比20倍)。
その後、洗浄浴中の内容物をザルに空けて洗浄液を除き、再汚染評価布を2槽式洗濯機(三菱電機(株)製、CW−C30A1型)の脱水槽で1分間脱水した。
脱水後、再汚染評価布をさらに硬度3°DH、水温15℃に調整したイオン交換水900mLを入れたTerg−O−Tometer浴中で3分間すすぎ、2槽式洗濯機の脱水槽で1分間脱水した。
そして、再度、再汚染評価布を硬度3°DH、水温15℃に調整したイオン交換水900mLを入れたTerg−O−Tometer浴中で3分間すすぎ、2槽式洗濯機の脱水槽で1分間脱水後、風乾した。
洗浄前後の再汚染評価布のZ値を、測色色差計(日本電色工業(株)製、商品名:SE2000)を用いて測定し、次式により、ΔZを算出した。そして、5枚の再汚染評価布のΔZの平均値を求め、表7に記載した。ΔZの値が小さい方が、再汚染防止性が高いことを意味する。
ΔZ=洗浄前の再汚染評価布のZ値−洗浄後の再汚染評価布のZ値
【0079】
【表1】
【0080】
なお、(A)成分についてのGlu様還元末端生成量の測定方法は以下のとおりである。
リン酸二水素ナトリウム・二水和物(純正化学(株)製)17.6gを、イオン交換水900mLで溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH7.0に調整した後、イオン交換水で1000mLにメスアップし、0.1Mリン酸緩衝液を作製した。
セルラーゼ酵素試料を0.1Mリン酸緩衝液で30ppmになるように溶解または希釈し、酵素溶液を作製した。
粉末セルロース(コットンリンター:シグマ社製)5gをイオン交換水495gに分散させ、基質溶液を作製した。
PAHBAH(p−ヒドロキシベンズヒドラジド、和光純薬工業(株)製)1.8g、(+)−酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(純正化学(株)製)6.0g、Bismuth(III)acetate(Alfa AESAR017574)0.23gを2質量%水酸化ナトリウムで溶かし、120mLにメスアップし、PAHBAH溶液を作製した。
サンプルは、以下のような手順で測定を行った。試験管に酵素溶液2mL、0.1Mリン酸緩衝液2mL、基質溶液2mLを入れ攪拌した後、25℃のウォーターバスで15時間酵素反応を行った。反応終了後、2質量%水酸化ナトリウムを各サンプルに1mL加え反応を停止させた。その後、遠心分離機((株)日立製作所製、himac CF7D2)にて、4000rpm、25℃、10分間遠心分離を行った後、上清4mLをとり、PAHBAH溶液2mLを加え、沸騰水中で10分間加熱反応させ、水冷した後、吸光度計((株)日立製作所製、U−3010)を用いて、水を対照として410nmにおける吸光度を測定した。
ブランクは、以下のような手順で測定を行った。試験管に酵素溶液2mL、0.1Mリン酸緩衝液2mLを入れ攪拌した後、25℃のウォーターバスで15時間酵素反応を行った。反応終了後、2質量%水酸化ナトリウムを各サンプルに1mL加え反応を停止し、基質溶液2mLを加えた。その後、遠心分離機((株)日立製作所製、himac CF7D2)にて、4000rpm、25℃、10分間遠心分離を行った後、上清4mLをとり、PAHBAH溶液2mLを加え、沸騰水中で10分間加熱反応させ、水冷した後、吸光度計((株)日立製作所製、U−3010)を用いて、水を対照として410nmにおける吸光度を測定した。
サンプルとブランクの吸光度の差を測定値とし、所定濃度のグルコースを用いて作成した検量線から還元糖生成量を算出した。
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】
【表6】
【0086】
【表7】
【0087】
表2〜7に示すように、各実施例の洗浄剤は、優れた泥汚れ洗浄力を有していた。実施例40〜51の洗浄剤は、再汚染防止性にも優れていた。
また、(A)成分を含まない比較例1の洗浄剤は泥汚れ洗浄率が15%、(B)成分を含まない比較例2の洗浄剤は泥汚れ洗浄率が18%であったが、(A)成分および(B)成分を含む実施例12の洗浄剤は、泥汚れ洗浄率が42%であり、(A)成分と(B)成分とを併用することで、泥汚れ洗浄率が大きく向上した。
また、例えば実施例1と実施例12との比較から、(A)成分および(B)成分に加えて、(C)成分を併用することで、泥汚れ洗浄率は大きく向上することがわかった。