【文献】
The Ocular Surface,2005,Vol.3,No.4,Supplement,p.S−161−4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記組成物は、被験者に投与され、そして、該組成物は、液滴、洗浄液、ゲル剤、軟膏剤、スプレー剤、およびリポソーム剤からなる群から選択される担体ビヒクルによって該被験者の眼へと局所投与される;または該組成物は、ポンプ・カテーテルシステム、持続的もしくは選択的放出器具、およびコンタクトレンズからなる群から選択される器具による該被験者の眼への前記化合物の注入によって局所投与される;または該組成物は、有効量の該化合物が該被験者の眼の涙腺、結膜組織、涙、もしくは眼表面の1つ以上と接触するように、該被験者の口腔もしくは鼻咽頭気管へ点鼻剤もしくはスプレー式点鼻薬または噴霧状の液体によって、該化合物の液体もしくは懸濁液として全身投与される;または該組成物は、経口形の該化合物として投与され、ここで、有効量の該化合物が全身吸収および循環を介して該被験者の眼の涙腺、結膜組織、涙、または眼表面の1つ以上と接触する;または該組成物は、胃保持型経口製剤として投与される;または該組成物は、治療有効量の該化合物が全身吸収および循環を介して該被験者の眼の涙腺、結膜組織、涙または眼表面の1つ以上と接触するように、注射により投与される;または該組成物は、ゲル剤、クリーム剤、散剤、フォーム剤、結晶剤、リポソーム剤、スプレー剤もしくは懸濁液の形状の該化合物の点滴注入として眼内投与される;または該組成物はそれらの1×10−7モル/L〜1×10−1モル/Lの濃度を達成するために十分な量で該被験者の眼表面に投与される、ことにより特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
請求項1に記載の組成物であって、該組成物は、前記被験者の眼に投与され、該組成物の投与は該被験者における該眼における角膜のフルオレセイン染色を減少するまたは該被験者における該眼における涙液分泌もしくはムチン産生を促進するのに有効である、ことにより特徴付けられる、組成物。
前記組成物が、徐放性インサートまたは徐放性インプラント、結膜下注射、眼内注射、眼周囲注射、球後注射、または前房内注射として投与されることにより特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
前記組成物が、前記被験者の口腔もしくは鼻咽頭気管への点鼻剤もしくはスプレー式点鼻薬または噴霧状の液体によって、前記化合物の液体もしくは懸濁液として投与され、ここで、有効量の該化合物が鼻涙管を介して該被験者の眼の涙腺、結膜組織、または眼表面の1つ以上と接触することにより特徴付けられる請求項1に記載の組成物。
前記組成物が、注射により投与され、ここで、治療有効量の前記化合物は局所送達によって前記被験者の眼の涙腺組織、結膜組織、または眼表面の1つ以上と接触することにより特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(発明の詳細な説明)
I.白血球インテグリンと接着受容体との相互作用:生物学および疾患
本発明の第1態様は、免疫および他の障害の炎症性成分を治療するための方法である。詳細には、本明細書に記載した方法は、白血球媒介性炎症を治療するために有用である。この成分は、特に、乾癬、湿疹、喘息、皮膚炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症、炎症性腸疾患に関連する応答、レイノー(Reynaud’s)症候群、シェーグレン症候群、若年型糖尿病、真性糖尿病、肉芽腫症、CNS炎症性障害、多臓器傷害疾患、移植片対宿主もしくは宿主対移植片疾患を含むあらゆるタイプの移植、HIVおよびライノウイルス感染症、ならびにアテローム硬化症などの選択された疾患において炎症を開始および促進することにある役割を果たす。
【0021】
本発明の好ましい実施形態は、眼障害の治療である。詳細には、本発明の方法は、ドライアイ症候群を治療するために有用である。この症候群には、特に、乾性角結膜炎、シェーグレン症候群、角膜傷害、加齢性ドライアイ、スティーブンス・ジョンソン症候群、先天性涙液不足、薬理学的副作用、感染症、ライリー・デイ症候群、結膜線維症、眼ストレス、腺および組織破壊、眼瘢痕性類天疱瘡、眼瞼炎、自己免疫およびその他の免疫欠損障害、アレルギー、糖尿病、涙腺欠損症、ループス、パーキンソン病、シェーグレン症候群、関節リウマチ、酒さ、過度の乾燥空気、浮遊微粒子、煙、およびスモッグへの環境的曝露、ならびに瞬きの不能力によって誘発される症状が含まれる。
【0022】
作用機序の限定を意図するわけではないが、本発明の方法は、LFA−1とICAM−1との相互作用を阻害することによって炎症関連疾患の開始および進行を阻害することを含んでいる。LFA−1およびICAM−1は、炎症性応答のカスケードを導く、リンパ球/白血球の移動および増殖のプロセスに関係する細胞外受容体ドメインを備える分子である。好ましい実施形態では、そのような方法は、以下でより詳細に説明するようにインビトロおよびインビボでの抗炎症作用を提供し、炎症媒介性疾患、および詳細にはドライアイ疾患の治療において有用である。
【0023】
ヒト血液は、好中球、リンパ球(BおよびTサブタイプを含む)、単球、好酸球、および好塩基球としてさらに分類される白色血球(白血球)を含有している。これらのクラスの白血球、好中球、好酸球、好塩基球およびリンパ球の数種は、炎症性障害に含まれている。LFA−1は、多数の白血球上で発現する白血球インテグリンの群の1つであり、リガンドとしての多数のICAMと相互作用するリンパ性インテグリンであると考えられる。これらの相互作用、したがって免疫/炎症性応答を崩壊させることは、炎症、詳細には眼の炎症の減少を提供する。
【0024】
例えば、ICAM−1(CD54)は、免疫グロブリンタンパク質スーパーファミリー内の接着受容体のICAMファミリー(ICAM−1、ICAM−2、ICAM−3、ICAM−4)のメンバーであり、活性化された白血球、皮膚線維芽細胞および内皮細胞上で発現する。Krensky,A.M.;Sanchez−Madrid,F.;Robbins,E.;Nagy,J.A.;Springer,T.A.;Burakoff,S.J.“The functional significance,distribution,and structure of LFA−1,LFA−2,and LFA−3:cell surface antigens associated with CTL−target interactions.”1983 J.Immunol.131,611−616を参照されたい。これは、通常は脈管構造をライニングしている内皮細胞上で発現し、免疫/炎症の開始中にIL−1、LPSおよびTNFなどのサイトカインへの曝露に際してアップレギュレートされる。
【0025】
最近10年間にわたり実施された研究は、カスケード内での細胞対細胞誘発相互作用に焦点を当てて、免疫系内での細胞の移動および活性化に関係する分子事象を解明するのに役立ってきた。Springer,T.A.“Adhesion receptors of the immune system.”Nature,1990,346,425−434を参照されたい。細胞内接着分子(ICAM)と白血球インテグリンとの相互作用は、免疫系の機能にある役割を果たす。抗原提示、T細胞媒介性細胞毒性および白血球経内皮移動(漏出)などの免疫プロセスは、白血球インテグリンと相互作用するICAMによって媒介される細胞接着を必要とする。Kishimoto,T.K.;Rothlein;R.R.“Integrins,ICAMs,and selectins:role and regulation of adhesion molecules in neutrophil recruitment to inflammatory sites.”Adv.Pharmacol.1994,25,117−138
and Diamond,M.;Springer,T.A.“The dynamic regulation of integrin adhesiveness.”Current Biology,1994,4,506−532を参照されたい。
【0026】
ICAM−1とLFA−1(α
Lβ
2およびCD11a/CD18とも呼ばれる)との相互作用は、
図1に示すように、接着、白血球経内皮移動、傷害部位への移動、および活性化標的部位でのリンパ球の増殖のプロセスに関係することが証明されている。例えば、現在では、炎症性応答の成分である白血球の経内皮移動に先立って、サイトカイン/ケモカインの存在が白血球上で構成的に発現したインテグリンを活性化すると考えられている。血管内皮細胞は、同一サイトカイン/ケモカインの存在に応答してICAM−1もまたアップレギュレートする。回転性白血球アプローチは内皮細胞を活性化したので、それらの進行は最初にこれらのアップレギュレートされたICAM−1受容体によって示される。これに血管内皮細胞表面で発現するLFA−1とICAM−1とのリガンド/受容体相互作用が続くが、これはリンパ球がそれ以上回転するのを制止する。リンパ球は、次に平板化し、経脈管移動が発生する。このプロセスは、血管内皮細胞を通してのリンパ球移動ならびに末梢血からリンパ節へのリンパ球トラフィッキングのどちらにおいても重要である。
【0027】
LFA−1は、
図2に示すように、T細胞および抗原提示細胞(APC)の相互作用する表面の物理的構造であると定義できる免疫学的シナプスを作製かつ維持することにある役割を果たす。LFA−1は、APCとのT細胞係合を安定化させ、したがってT細胞の活性化を導く。LFA−1とICAM−1との相互作用もまた、
図3に示すように、静止しているT細胞へ共刺激性シグナルを提供するとも思われる。CD4+T細胞増殖およびサイトカイン合成は、炎症性応答の一部としてこの相互作用によって媒介される。
【0028】
ICAM−1とLFA−1との相互作用が免疫/炎症性応答に及ぼす役割を前提とすると、所望の治療結果(例えば、過活動炎症性応答の事象における相互作用の阻害)を達成するためにこれらの相互作用を調節することが望ましい。同様に、LFA−1は、ICAMファミリー内に、多数のシグナリング経路に関係する数種のリガンドパートナー(ICAM−1、ICAM−2およびICAM−3)を有するので、本発明の一部の実施形態では、これらの相互作用を選択的に調節するのが望ましい。ICAMと白血球インテグリンとの相互作用の拮抗は、いずれかの成分に対して向けられた作用物質によって実現できる。
【0029】
本明細書に記載した方法および組成物は、本明細書に記載した経路の1つまたは複数の成分を調節できる。LFA−1とICAM−1との相互作用を阻害することに加えて、本発明の方法および組成物は、同様に炎症性プロセスの早期または後期いずれかの部分において介入することもできる。例えば、係留および経内皮移動に先立って、内皮細胞もしくは白血球上のICAM−1もしくはLFA−1のアップレギュレーション(活性化)は、本明細書に記載した方法および組成物によって調節できる。本発明は、白血球トラフィッキングの経過においてICAM−1およびLFA−1を活性化する、サイトカインもしくはケモカインの発現を調節する、サイトカインもしくはケモカインの輸送を調節する、停止した白血球の経脈管移動を妨害する、傷害もしくは炎症の部位での白血球増殖に関係している他の機序によるシグナリングを調節することなどにおいて有用なことがある。
【0030】
II.治療方法
本明細書で使用する用語「被験者」には、動物、詳細にはヒトならびに他の哺乳動物が含まれる。本方法は、一般には、1つまたは複数の疾患を治療するための1つまたは複数の薬物の投与を含んでいる。作用物質の組み合わせを使用して、1つの疾患もしくは複数の疾患を治療するか、またはその組み合わせにおける1つまたは複数の作用物質の副作用を調節することができる。本明細書に記載した化合物は、他のドライアイ治療薬と組み合わせて使用できる。同様に、本発明の化合物は、副作用としてドライアイを誘発する薬物と一緒に使用できる。
【0031】
本明細書で使用する用語「治療する工程」およびその文法的同等語には、治療上の利益および/または予防上の利益を達成することが含まれる。治療上の利益は、治療される基礎障害の根絶または改善を意味する。さらに、治療上の利益は、被験者が依然として基礎障害に苦しめられるにもかかわらず、被験者において改善が観察されるように、基礎障害に関連する生理的症状の1つまたは複数の根絶または改善により達成される。予防上の利益については、組成物は、特定疾患を発生するリスク状態にある被験者に、または疾患の1つまたは複数の生理的症状を報告している被験者に、この疾患の診断がまだ下されていない場合でさえ、投与することができる。組成物は、生理的症状または基礎疾患の進行を予防するために被験者に投与することができる。
【0032】
一部の実施形態では、治療薬は、平均して少なくとも約5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、90%超まで治療作用を発揮するため、または疾患または少なくとも1つのその基礎症状を実質的に排除するために十分な量で存在する。好ましくは、治療作用は炎症への作用である。
【0033】
一部の実施形態では、治療薬は、平均して少なくとも約5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、90%超までドライアイの症状を減少させる治療作用を発揮するため、またはドライアイの症状を実質的に排除するために十分な量で存在する。
【0034】
一部の実施形態では、治療薬の有効量は、約1×10
−11、1×10
−10、1×10
−9、1×10
−8、1×10
−7、1×10
−6、1×10
−5、1×10
−4、1×10
−3、1×10
−2、1×10
−1、1、1×10
1、1×10
2gの1日量である。
【0035】
治療薬の投与は、任意の適切な手段によるものであってよい。一部の実施形態では、治療薬は経口投与によって投与される。一部の実施形態では、治療薬は経皮的投与によって投与される。一部の実施形態では、治療薬は注射によって投与される。一部の実施形態では、治療薬は局所投与される。作用物質の組み合わせが個別組成物として投与される場合は、それらは同一経路または相違する経路によって投与されてよい。作用物質の組み合わせが単一組成物で投与される場合は、それらは任意の適切な経路によって投与されてよい。一部の実施形態では、作用物質の組み合わせは、経口投与によって単一組成物として投与される。一部の実施形態では、作用物質の組み合わせは、経皮的投与によって単一組成物として投与される。一部の実施形態では、作用物質の組み合わせは、注射によって単一組成物として投与される。一部の実施形態では、作用物質の組み合わせは、単一組成物として局所投与される。
【0036】
本明細書に記載した方法は、ドライアイを治療するために被験者にLFA−1のアンタゴニストを投与する方法である。詳細には、LFA−1アンタゴニストは、白血球により媒介される炎症を調節できる。本発明の好ましい実施形態は、眼炎症に関連する炎症を調節するためにLFA−1のアンタゴニストを投与する工程によって被験者を治療する。本方法の別の好ましい実施形態は、LFA−1のアンタゴニストを投与する工程によってドライアイ症候群に関連する炎症を有する被験者を治療する方法である。本発明の1つの実施形態は、アレルギーに起因するドライアイの症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、糖尿病に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、涙腺不全症に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、ループスに起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、パーキンソン病に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、シェーグレン症候群に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、関節リウマチに起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、酒さに起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、視力矯正のためのレーシック療法から発生した合併症に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、コンタクトレンズの使用に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、乾燥した気候への曝露に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、空気汚染への曝露に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、風の強い気候に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、喫煙に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、乾性角結膜炎に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、角膜傷害に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、結膜線維症に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、加齢性ドライアイに起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、スティーブンス・ジョンソン症候群に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、先天性涙液不足に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、患者が摂取している他の薬物の薬理学的副作用に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、感染症に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、ライリー・デイ症候群に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、コンピュータ使用に起因するものを含む、眼ストレスに起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、腺および組織破壊に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、眼瘢痕性類天疱瘡に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、眼瞼炎に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、自己免疫および他の免疫不全障害に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、瞬きの不能力に起因するドライアイ障害の症状を有する被験者を治療する。本発明の1つの実施形態は、乾癬の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、湿疹の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、ループスの症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、レイノー症候群の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、緑内障の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、CNS炎症性障害の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、多臓器疾患の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、アレルギー性鼻炎の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、緑内障の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、アテローム硬化症の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、移植片対宿主疾患の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、宿主対移植片疾患の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、移植術に関連する炎症性応答の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、炎症性腸疾患の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、若年型糖尿病の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、真性糖尿病の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、多発性硬化症の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、喘息の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、皮膚炎の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、全身性エリテマトーデスの症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。本発明の1つの実施形態は、HIVおよびライノウイルス感染症の症状を有する被験者を本方法のLFA−1アンタゴニストで治療する。
【0037】
本発明の一部の実施形態では、本発明の方法による治療を必要とする被験者を同定するために診断方法が使用されるであろう。ドライアイ障害の症状を診断するために、角膜のフルオレセイン染色が使用される。ドライアイ障害の症状を診断するために、角膜のローズベンガル染色が使用される。ドライアイ障害の症状を診断するために、角膜感受性が使用される。ドライアイ障害の症状を診断するために、涙液層破壊時間(BUT)が使用される。ドライアイ障害の症状を診断するために、麻酔を伴うシルマー(Schirmer)試験が使用される。ドライアイ障害の症状を診断するために、シルマー試験の分析が使用される。ドライアイ障害の症状を診断するために、インプレッションサイトロジー(impression cytology)が使用される。ドライアイ障害の症状を診断するために、主観的なドライアイ症状が使用される。ドライアイ障害の症状を診断するために、涙流分析が使用される。ドライアイ障害の症状を診断するために、ヒト白血球抗原II(HLA−DR)を含むがそれに限定されない免疫組織化学的方法が使用される。ドライアイ障害の症状を診断するために、抗核抗体試験(ANA)または蛍光抗核抗体試験(FANA)が使用される。ドライアイ障害の症状を診断するために、眼蒸発が使用される。ドライアイ障害の症状を診断するために、赤外線マイボグラフィー(Infrared
meibography)が使用される。ドライアイ障害の症状を診断するために、直列走査型共焦点顕微鏡(TSCM)が使用される。これはドライアイ障害の症状を診断するために使用できる典型的な方法のリストであり、決して限定する意図はない。
【0038】
本発明の方法のアンタゴニストは、抗体、抗体のフラグメント、ペプチドまたは低分子であってよい。好ましい実施形態では、使用されるLFA−1アンタゴニストは抗体ではないペプチドである。本方法のアンタゴニストは、治療薬である。
【0039】
LFA−1アンタゴニストにとっての多数の治療適応は長期療法を必要とする;このため、LFA−1/ICAM−1相互作用の低分子阻害剤は、それらが経口投与の可能性ならびに原価の低下を有するので、本発明の好ましい実施形態の1群である。
【0040】
さらに好ましい実施形態は、眼治療薬として製剤化および投与するために適合する治療薬を用いてドライアイ疾患を治療する方法である。
【0041】
以下では、本発明のまた別の態様である、抗体、抗体フラグメント、ペプチドおよび低分子をLFA−1:ICAM−1相互作用のアンタゴニストとして同定するために利用できるICAM−1およびアンタゴニストの結合を比較する方法について記載する。Gadekら、2002を参照されたい。本方法を、低分子アンタゴニストを同定する工程について説明する。しかし、抗体、抗体のフラグメントもしくはペプチドなどの高分子タイプのLFA−1の阻害剤を同定することにおける使用を除外する任意の方法で本方法を限定すると解釈されてはならない。
【0042】
本方法は、アンタゴニストをLFA−1の直接競合阻害剤として同定するプロセスの一部として、以下の:(a)潜在的拮抗剤のsICAM−1(LFA−1の天然リガンドおよび競合的LFA−1/ICAM−1阻害剤の細胞外ドメイン)およびA−286982(I(挿入された)ドメインアロステリック部位(IDAS)へ結合することが知られているアロステリックLFA−1/ICAM−1阻害剤)の潜在的拮抗剤への結合を比較する全長野生型LFA−1を利用する競合実験(Liu,G.;Huth,J.R.;Olejniczak,E.T.;Mendoza,R.;DeVries,P.;Leitza,S.;Reilly,E.B.;Okasinski,G.F.;Fesik,S.W.;and von Geldern,T.W.2001.“Novel p−arylthio cinnamides as antagonists of leukocyte function−associated antigen−1/intracellular adhesion molecule−1 interaction.2.Mechanism of inhibition and structure−based improvement of pharmaceutical properties.”J.Med.Chem.,44,1202−1210)を参照されたい)、(b)潜在的拮抗剤およびICAM−1とLFA−1突然変異体との結合試験、ならびに(c)化学的架橋結合試験の工程のうちの1つまたは複数を選択することを含んでいる。本明細書で標的とするICAM−1結合部位は、以前にLFA−1αサブユニットのIドメイン内の金属イオン依存性接着部位(MIDAS)モチーフを含むことが突き止められている。Shimaoka,M.,Xiao,T.,Liu,J.−H.,Yang,Y.,Dong,Y.,Jun,C−D.,McCormack,A.Zhang,R.,Joachimiak,A.,Takagi,J.,Wang,J.−H.,and Springer,T.A.2003“Structures of the alpha L I domain and its complex with ICAM−1 reveal a shape−shifting pathway for integrin regulation”Cell 2003,99−111を参照されたい。LFA−1上の共通高親和性結合部位に対して直接競合によってLFA−1へのICAM−1結合を阻害するアンタゴニストは、本方法の1つまたは複数の工程を用いて同定できる。
【0043】
A.治療薬としての抗体
数種の適切な抗体は、当技術分野において知られている。例えばICAM−1などのCAM、または例えばLFA−1などの白血球インテグリンの、これらの分子の一方もしくは両方に対して向けられた抗体によるブロッキングは、炎症性応答を阻害できる。以前の試験は、抗CD11a MAbの作用がインビトロでの多数のT細胞依存性免疫機能およびインビボでの多数の免疫応答に及ぼす作用について試験した。インビトロにおいて、抗CD11a MabはT細胞活性化(Kuypers T.W.,Roos D.1989“Leukocyte membrane adhesion proteins LFA−1,CR3 and p150,95:a review of functional and regulatory aspects”Res.Immunol.,140:461−465;Fischer A,Durandy A,Sterkers
G,Griscelli C.1986“Role of the LFA−1 molecule in cellular interactions required
for antibody production in humans”J.Immunol.,136,3198;target cell lysis by cytotoxic T−lymphocytes(Krenskyら、supra)、免疫コンジュゲートの形成(Sanders VM,Snyder JM,Uhr JW,Vitetta ES.,“Characterization of the physical interaction between antigen−specific B and T cells”.J.Immunol.,137:2395(1986);Mentzer SJ,Gromkowske SH,Krensky AM,Burakoff SJ,Martz E.1985“LFA−1 membrane molecule in the regulation of homotypic adhesions of human B lymphocytesn”J.Immunol.,135:9)、およびT細胞の血管内皮への接着(Lo SK,Van Seventer GA,Levin SM,Wright SD.,Two leukocyte
receptors(CD11a/CD18 and CD11b/CD18)mediate transient adhesion to endothelium by binding to different ligands.,J.Immunol.,143:3325(1989))を阻害する。2つの抗CD11a Mab、HI
111、およびG43−25Bは、Pharmingen/BD Biosciences社から入手できる。さらに、F8.8、CBR LFA 1/9、BL5、May.035、TS1/11、TS1/12、TS1/22、TS2/14、25−3−1、MHM2およびエファリズマブ(efalizumab)を含む試験は、これらの抗体が占めたLFA−1上の結合部位の範囲を評価した。Lu,C;Shimaoka,M.;Salas,A.;Springer,T.A.2004,“The Binding Sites for Competitive Antagonistic,Allosteric Antagonistic,and Agonistic Antibodies to the I Domain of Integrin LFA−1”J.Immun.173:3972−3978およびその中の参考文献を参照されたい。
【0044】
インビトロでのT細胞機能を最適化するためにはLFA−1:ICAM−1相互作用が必要である、および抗CD11a MAbはタンパク質抗原に対する耐性を誘導し(Benjamin RJ,Qin SX,Wise MP,Cobbold SP,Waldmann H.1988“Mechanisms of monoclonal antibody−facilitated tolerance induction:a possible role for the CD4(L3T4)and CD11a(LFA−1)molecules in self−non−self discrimination”Eur.J.Immunol.,18:1079)、そしてマウスにおける主要移植片生存を延長させる(Heagy W,Walterbangh C,Martz E.1984“Potent ability of anti−LFA−1
monoclonal antibody to prolong allograft survival”Transplantation,37:520−523)という観察所見は、ヒトにおける移植片拒絶を防止するためにこれらの分子に対するMAbを試験することの基礎であった。実験は、霊長類においても実施されてきた。例えば、サルにおける実験に基づいて、ICAM−1に対して向けられたMAbは腎臓移植片拒絶を防止または逆転さえできることが提案されてきた(Cosimiら、“Immunosuppression of Cynomolgus Recipients of Renal Allografts by R6.5,a Monoclonal Antibody to Intercellular Adhesion Molecule−1,”in Springerら(eds.),Leukocyte Adhesion Molecules New York:Springer,(1988),p.274;Cosimiら、J.Immunology,144:4604−4612(1990))。さらに、カニクイザルへの抗CD11a MAbのインビボ投与は皮膚同種移植片生存を延長させた。Berlinら、Transplantation,53:840−849(1992)を参照されたい。
【0045】
B.低分子
LFA−1とICAM−1との相互作用を減少させる際に使用するためにペプチドが調査されてきた。IgGのFc領域を含有していないポリペプチドは、米国特許第5,747,035号に記載されており、LFA−1媒介性障害、詳細にはドライアイを治療するために使用できる。第1はICAM−1の調節因子であり、第2はLFA−1から入手された配列を備えるブロッキングペプチドである二重ペプチドの使用は、LFA−1とICAM−1との相互作用を減少させるために米国特許第5,843,885号に記載されている。環状ペプチドは、米国特許第6,630,447号でLFA−1:ICAM−1相互作用の阻害剤として説明されている。
【0046】
低分子アンタゴニストには、LFA−1のCD11aドメインに結合するスタチン類が含まれる。Kallen,J.,Welzenbach,K.,Ramage,P.Geyl,D.Kriwacki,R.,Legge,G.,Cottens,S.,Weitz−Schmidt,G.,and Hommel,U.1999.“Structural basis for LFA−1 inhibition upon lovastatin binding to the CD11a I−domain”,J.Mol.Biol.,292:1−9;and Weitz−Schmidt,G.,Welzenbach,K.,Brinkmann,V.,Kamata,T.,Kallen,J.,Bruns,C.,Cottens,S.,Takada,Y.,and Hommel,U.2001。Statins selectively inhibit leukocyte function antigen−1 by binding to a novel regulatory integrin site,Nature Med.,7:687−692;and Frenette,P.S.2001.“Locking a leukocyte integrin with statins”,N.Engl.J.Med.,345:1419−1421を参照されたい。メビノリン/コンパクチンモチーフに由来する分子もまた、LFA−1に対する活性を示す。Welzenbach,K.,Hommel,U.,and Weitz−Schmidt,G.2002.“Small molecule inhibitors induce conformational changes in the I domain and the I−like domain of Lymphocyte
Function−Associated Antigen−1”,J.Biol.Chem.,277:10590−10598、および米国特許第6,630,492号を参照されたい。
【0047】
ヒダントインを基剤とする阻害剤のファミリーもまたアンタゴニストとして使用できる。Kelly,T.A.,Jeanfavre,D.D.,McNeil,D.W.,Woska,J.R.Jr.,Reilly,P.L.,Mainolfi,E.A.,Kishimoto,K.M.,Nabozny,G.H.,Zinter,R.,Bormann,B.−J.,and Rothlein,R.1999。“Cutting edge:a small molecule antagonist of LFA−1−mediated cell adhesion”,J.Immunol.,163:5173−5177を参照されたい。これらの化合物は、LFA−1のアロステリック阻害剤であると考えられる。
【0048】
新規なp−アリールチオシンナミドのファミリーは、LFA−1のアンタゴニストとして作用できる。例えば、Liu,G.;Link,J.T.;Pei,Z.;Reilly,E.B.;Nguyen,B.;Marsh,K.C.;Okasinski,G.F.;von Geldern,T.W.;Ormes,M.;Fowler,K.;Gallatin,M.2000“Discovery of novel p−arylthio cinnamides as antagonists of leukocyte function−associated antigen−1/intracellular adhesion molecule−1 interaction.1。Identification of an additional binding pocket based on an anilino diaryl sulfide lead.”J.Med.Chem.43,4015−4030を参照されたい。
【0049】
低分子阻害剤の他のファミリーは、刊行物(Gadek,T.R.,Burdick,D.J.,McDowell,R.S.,Stanley,M.S.,Marsters,J.C.Jr.,Paris,K.J.,Oare,D.A.,Reynolds,M.E.,Ladner,C.,Zioncheck,K.A.,Lee,W.P.,Gribling,P.,Dennis,M.S.,Skelton,N.J.,Tumas,D.B.,Clark,K.R.,Keating,S.M.,Beresini,M.H.,Tilley,J.W.,Presta,L.G.,and Bodary,S.C.2002。“Generation of an LFA−1 antagonist by the transfer of the ICAM−1 immunoregulatory epitope to a small molecule”Science,295:1086−1089 and online supplementary material.を参照されたい)ならびに米国特許第6,872,735号、米国特許第6,667,318号、米国特許第6,803,384号、米国特許第6,515,124号、米国特許第6,331,640号を含む特許、およびUS20020119994、US20040058968、US20050080119、WO99/49856、WO00/21920、WO01/58853、WO02/59114、WO05/044817およびその他を含む特許出願に開示されている。言及した参考文献すべての内容は、参照して全体として組み込まれる。
【0050】
一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、レスタシス(シクロスポリンA)と組み合わせて使用される。本発明の化合物は、ムチン産生および/または類液産生を増加させるためにも使用できる。そこで、本発明の化合物は炎症を減少させる以上に、そして一部分の類液膜を作り上げるムチン産生を増加させることによっても追加の緩和を提供できる。
【0051】
LFA−1とICAM−1との相互作用は、様々な自己免疫および炎症性疾患、詳細には疾患の炎症性成分の一部としてそれらの表面上でLFA−1を発現するリンパ球(TもしくはB細胞)、樹状細胞、単核白血球が関与する疾患に関係することが知られている。LFA−1アンタゴニストは、罹患組織中での治療標的の発現が免疫系の浸潤細胞に限定されるので、これらの疾患の治療において特に有用である可能性がある。LFA−1は、接着、移動、増殖、および免疫系細胞による周囲組織への炎症シグナルの放出を遮断できる。罹患組織中での炎症性細胞に作用を及ぼす抗LFA−1抗体であるラプティバは、ドライアイを治療するために使用できる。
【0052】
ドライアイに罹患している多数の患者は、基礎にある自己免疫疾患であるシェーグレン症候群を有する場合もある。現在認識されている診断基準には、ドライマウスの臨床徴候および症状が含まれる。本発明の化合物は、マウスウォッシュもしくはロゼンジ剤の調製物中に入れてこの症状を治療することに有用であり得る。固体もしくはワックス状作用物質中の本発明の化合物を組み込んでいるロゼンジ剤は、徐放性で本発明の化合物を放出しながら唾液分泌を刺激することができる。
【0053】
鼻炎を含む免疫媒介性アレルギー疾患を有する患者は、本発明の化合物で治療できる。例えば、LFA−1アンタゴニストは、炎症関連性免疫および/またはアレルギー応答を減少させるために鼻、鼻道、および/または鼻腔へ局所送達することができる。
【0054】
ミスト溶液もしくは分散性散剤として口もしくは鼻を介して送達される本発明の化合物の局所投与は、喘息または他のLFA−1媒介性肺炎症性疾患の治療において有用であり得る。
【0055】
本発明の化合物のクリーム製剤は、湿疹および乾癬などのLFA−1によって媒介される皮膚疾患において皮膚へのLFA−1アンタゴニストの局所送達において有用であろう。これに関連して有用な化合物には、炎症を起こしている皮膚内で活性薬に形質転換されるLFA−1アンタゴニストおよびそれらのプロドラッグが含まれる。眼瞼の外面に適用される、したがって眼瞼ならびに中間にある結膜組織および副涙腺を超えて眼瞼の内層へLFA−1アンタゴニストを送達する皮膚クリームは、眼瞼および眼のLFA−1媒介性炎症を治療する際に、詳細にはドライアイの治療において望ましくあり得る。
【0056】
動物試験において経口経路による全身性レベルでは吸収が不良であることが知られているLFA−1アンタゴニストの経口製剤は、クローン病や刺激性腸疾患を含む消化管(GI)の炎症性疾患、またはLFA−1、もしくはVLA4およびMac−1を含む他の白血球インテグリンによって媒介される他のGI疾患の治療においてLFA−1アンタゴニストを局所送達するために有用であり得る。
【0057】
II.本方法において有用な化合物
A.定義
本明細書で使用する用語「脂肪族」は、1つまたは複数の官能基で任意に置換されている、飽和および不飽和両方の、直鎖状(非分枝状)もしくは分枝状脂肪族炭化水素を含んでいる。当業者には理解されるように、「脂肪族」は、本明細書ではアルキル、アルケニル、アルキニル部分を含むことが意図されているが、それらに限定されない。そこで、本明細書で使用する用語「アルキル」は、直鎖状および分枝状アルキル基を含んでいる。類似の約束事は、「アルケニル」、「アルキニル」などの他の一般名にも当てはまる。
【0058】
さらに、本明細書で使用する用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」などは置換基および未置換基の両方を含んでいる。所定の実施形態では、本明細書で使用する「低級アルキル」は、約1〜6個の炭素原子を有する(置換、未置換、分枝状、もしくは非分枝状)のアルキル基を指示するために使用される。
【0059】
所定の実施形態では、本発明で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、約1〜20個の脂肪族炭素原子を含有している。所定の他の実施形態では、本発明で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、約1〜10個の脂肪族炭素原子を含有している。さらに他の実施形態では、本発明で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、約1〜8個の脂肪族炭素原子を含有している。さらになお他の実施形態では、本発明で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、約1〜6個の脂肪族炭素原子を含有している。さらに他の実施形態では、本発明で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、約1〜4個の炭素原子を含有している。そこで具体的な脂肪族基には、例えば、同様に1つまたは複数の置換基を有していてよいメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル部分などが含まれる。
【0060】
アルケニル基には、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニルなどが含まれるがそれらに限定されない。代表的なアルキニル基には、エチニル、2−プロピニルなどが含まれるがそれらに限定されない。
【0061】
本明細書で使用する用語「低級アルキレン」は、2つの他の基を一緒に結合する、すなわち一方の端で例えばメチレン、エチレン、ブチレンなどの別の基に結合されている炭化水素鎖を意味する。そのような置換基は、好ましくは、1〜10個の炭素、およびより好ましくは1〜5個の炭素である。そのような基は、好ましくはアミノ、アセチルアミノ(窒素原子を介して結合された低級アルキルカルボニル基)、またはシクロ低級アルキル基で置換されてよい。後者は、好ましくは計3〜10個(結合した炭素を含む)、より好ましくは3〜6個のメチレンを備える飽和炭化水素環を意味する。
【0062】
本明細書で使用する用語「脂環式」は、脂肪族および環状化合物の特性を結合している化合物を意味しており、それらは1つまたは複数の官能基で任意に置換されている単環式もしくは多環式脂肪族炭化水素および架橋シクロアルキル化合物が含まれるがそれらに限定されない。
【0063】
当業者には理解されるように、「脂環式」は、本明細書では、1つまたは複数の官能基で任意に置換されているシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル部分を含むことが意図されているが、それらに限定されない。
【0064】
そこで代表的な脂環式基には、例えば、同様に1つまたは複数の置換基を有していてよいシクロプロピル、−CH
2−シクロプロピル、シクロブチル、−CH
2−シクロブチル、シクロペンチル、−CH
2−シクロペンチル、シクロヘキシル、−CH
2−シクロヘキシル、シクロヘキセニルエチル、シクロヘキサニルエチル、ノルボルニル部分などが含まれるがそれらに限定されない。
【0065】
本明細書で使用する用語「アルコキシ」もしくは「アルキルオキシ」は、酸素原子を通した飽和もしくは不飽和親分子部分を意味する。特定の実施形態では、アルキル基は、約1〜20個の脂肪族炭素原子を含有している。特定の他の実施形態では、アルキル基は、約1〜10個の脂肪族炭素原子を含有している。さらに他の実施形態では、本発明で使用されるアルキル基は、約1〜8個の脂肪族炭素原子を含有している。さらに他の実施形態では、アルキル基は、約1〜6個の脂肪族炭素原子を含有している。さらに他の実施形態では、アルキル基は、約1〜4個の脂肪族炭素原子を含有している。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ネオペントキシ、n−ヘキシルオキシなどが含まれるがそれらに限定されない。
【0066】
本明細書で使用する用語「低級アルコキシ」は、上記で同様に分枝状もしくは非分枝状であってよく、酸素によって他の基(すなわち、アルキルエーテル)へ結合されている上記で規定した低級アルキルを意味する。
【0067】
本明細書で使用する用語「チオアルキル」は、硫黄原子を通して親分子部分に結合している飽和もしくは不飽和(すなわち、S−アルケニルおよびS−アルキニル)基を意味する。特定の実施形態では、アルキル基は、約1〜20個の脂肪族炭素原子を含有している。特定の他の実施形態では、アルキル基は、約1〜10個の脂肪族炭素原子を含有している。さらに他の実施形態では、本発明で使用されるアルキル基は、約1〜8個の脂肪族炭素原子を含有している。さらに他の実施形態では、アルキル基は、約1〜6個の脂肪族炭素原子を含有している。さらに他の実施形態では、アルキル基は、約1〜4個の脂肪族炭素原子を含有している。チオアルキルの例には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオなどが含まれるがそれらに限定されない。
【0068】
本明細書で使用する用語「低級アルキルチオ」は、二価硫黄原子を通して結合された低級アルキル基、例えばメチルメルカプトもしくはイソプロピルメルカプト基を意味する。低級アルキレンチオは、各端部で結合されているような基を意味する。
【0069】
用語「アルキルアミノ」は、構造−NHR’(式中、R’は、本明細書に規定したアルキルである)を有する基を意味する。用語「アミノアルキル」は、構造NH
2R’−(式中は本明細書に規定したとおりである)を有する基を意味する。特定の実施形態では、アルキル基は、約1〜20個の脂肪族炭素原子を含有している。特定の他の実施形態では、アルキル基は、約1〜10個の脂肪族炭素原子を含有している。さらに他の実施形態では、本発明で使用されるアルキル基は、約 個の脂肪族炭素原子を含有している。さらに他の実施形態では、アルキル基は、約1〜6個の脂肪族炭素原子を含有している。さらに他の実施形態では、アルキル基は、約1〜4個の脂肪族炭素原子を含有している。アルキルアミノの例には、メチルアミノなどであるがそれには限定されない。
【0070】
本発明の化合物の上述した脂肪族(およびその他の)部分の置換基の例には脂肪族;脂環式;ヘテロ脂肪族;複素環式;芳香族;ヘテロ芳香族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;ヘテロアルキルアリール;アルキルヘテロアリール;ヘテロアルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;R
xには、独立して脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ヘテロアルキルアリールもしくはヘテロアルキルヘテロアリール(このとき、上記および本明細書に記載した脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、アルキルアリール、もしくはアルキルヘテロアリール置換基のいずれも置換もしくは未置換の、分枝状もしくは非分枝状、飽和もしくは不飽和であってよく、上記および本明細書に記載したアリールもしくはヘテロアリール置換基のいずれも置換もしくは未置換であってよい)が含まれるがそれらに限定されない。一般に適用できる置換基の追加の例は、本明細書で記載する実施例の項に示した特定実施形態によって具体的に説明する。
【0071】
一般に、本明細書で使用する用語「芳香族部分」は、それらの各々が置換もしくは未置換であってよい、好ましくは3〜14個の炭素原子を有する安定性単環式もしくは多環式の不飽和部分を意味する。特定の実施形態では、用語「芳香族部分」は、各環原子で環の平面に垂直なp−軌道を有し、環内のpi電子の数が(4n+2)(式中、nは整数である)であるヒュッケル(Huckel)則を満たすプレーナー環を意味する。芳香族性についてこれらの基準の1つもしくは全部を満たさない単環式もしくは多環式の不飽和部分は、本明細書では「非芳香族」と規定され、用語「脂環式」に含まれる。
【0072】
一般に、本明細書で使用する用語「ヘテロ芳香族部分」は、それらの各々が置換もしくは未置換であってよい;および環状炭素原子の代わりに環内にO、S、およびNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む、好ましくは3〜14個の炭素原子を有する安定性単環式もしくは多環式の不飽和部分を意味する。特定の実施形態では、用語「ヘテロ芳香族部分」は、少なくとも1つのヘテロ原子を含み、各環原子で環の平面に垂直なp−軌道を有し、環内のpi電子の数が(4n+2)(式中、nは整数である)であるヒュッケル(Huckel)則を満たすプレーナー環を意味する。
【0073】
本明細書に規定した芳香族およびヘテロ芳香族部分は、アルキルもしくはヘテロアルキル部分を介して結合されてよく、したがって同様に−(アルキル)芳香族、−(ヘテロアルキル)芳香族、−(ヘテロアルキル)ヘテロ芳香族、および−(ヘテロアルキル)ヘテロ芳香族部分もまた含まれることも理解されるであろう。そこで、本明細書で使用する言い回し「芳香族もしくはヘテロ芳香族部分」および「芳香族、(ヘテロアルキル)芳香族、−(ヘテロアルキル)ヘテロ芳香族、および−(ヘテロアルキル)ヘテロ芳香族」は互換可能である。置換基には、安定性化合物の形成を結果として生じる、上述した置換基のいずれか、例えば脂肪族部分について、または本明細書に開示した他の部分について言及した置換基が含まれるがそれらに限定されない。
【0074】
本明細書で使用する用語「アリール」は、当技術分野におけるこの用語の一般的意味と大きく相違せず、少なくとも1つの芳香族環を含む不飽和環状部分を意味する。特定の実施形態では、「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどを含むがそれらに限定されない1つまたは2つの芳香族環を有する単環式もしくは二環式炭素環系を意味する。
【0075】
本明細書で使用する用語「ヘテロアリール」は、当技術分野における本用語の一般的意味と有意には相違しておらず、5〜10個の環原子を有する環状芳香族ラジカルを意味しており、そのうちの1個の環原子はS、およびNから選択され、0、1もしくは2個の環原子はS、およびNから独立して選択される追加のヘテロ原子であり;そして残りの環原子は炭素であり、ラジカルは例えばピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニルなどの環原子のいずれかを介して分子の残りへ結合している。
【0076】
アリールおよびヘテロアリール基(二環式アリール基を含む)は未置換もしくは置換であってよく、このとき置換は、その上の1つまたは複数の水素原子と:脂肪族;脂環式;ヘテロ脂肪族;複素環式;芳香族;ヘテロ芳香族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;ヘテロアルキルアリール;アルキルヘテロアリール;ヘテロアルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO
2;−CN;−CF
3;−CH
2CF
3;−CHCl
2;−CH
2OH;−CH
2CH
2OH;−CH
2NH
2;−CH
2SO
2CH
3;−C(=O)R
x;−C(=O)N(R
x)
2;−OC(=O)R
x;−OCO
2R
x;−OC(=O)N(R
x)
2;−N(R
x)
2;−S(O)
2R
x;−NR
x(CO)R
x(式中、R
xの各出現には独立して脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ヘテロアルキルアリール、もしくはヘテロアルキルヘテロアリールが含まれるが、このとき上記および本明細書に記載した脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、アルキルアリール、もしくはアルキルヘテロアリール置換基のいずれも置換もしくは未置換、分枝状もしくは非分枝状、飽和もしくは不飽和であってよく、ならびに上記および本明細書に記載した芳香族、ヘテロ芳香族、アリール、ヘテロアリール、−(アルキル)アリールもしくは−(アルキル)ヘテロアリール置換基のいずれも置換もしくは未置換であってよい)を含むがそれらに限定されない1つまたは複数の以下の部分のいずれかとの独立した交換を含んでいることは理解されるであろう。さらに、任意の2つの隣接基は一緒になって、4、5、6、もしくは7員の置換もしくは未置換脂環式もしくは複素環式部分を表すことがあることも理解されるであろう。一般に適用できる置換基の追加の例は、本明細書で記載する実施例の項に示した特定実施形態によって具体的に説明する。
【0077】
本明細書で使用する用語「シクロアルキル」は、詳細には3〜7個、好ましくは3〜10個の炭素原子を有する基を意味する。適切なシクロアルキルには、脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族もしくは複素環式部分の場合におけるように、脂肪族;脂環式;ヘテロ脂肪族;複素環式;芳香族;ヘテロ芳香族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;ヘテロアルキルアリール;アルキルヘテロアリール;ヘテロアルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO
2;−CN;−CF
3;−CH
2CF
3;−CHCl
2;−CH
2OH;−CH
2CH
2OH;−CH
2NH
2;−CH
2SO
2CH
3;−C(=O)R
x;−C(=O)N(R
x)
2;−OC(=O)R
x;−OCO
2R
x;−OC(=O)N(R
x)
2;−N(R
x)
2;−S(O)
2R
x;−NR
x(CO)R
x(式中、R
xの各出現には独立して脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ヘテロアルキルアリール、もしくはヘテロアルキルヘテロアリールが含まれるが、このとき上記および本明細書に記載した脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、アルキルアリール、もしくはアルキルヘテロアリール置換基のいずれも置換もしくは未置換、分枝状もしくは非分枝状、飽和もしくは不飽和であってよく、および上記および本明細書に記載した芳香族、ヘテロ芳香族、アリールもしくはヘテロアリール置換基のいずれも、置換もしくは未置換であってよい)を含むがそれらに限定されないシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが含まれるがそれらに限定されない。一般に適用できる置換基の追加の例は、本明細書で記載する実施例の項に示した具体的な実施形態によって説明する。
【0078】
本明細書で使用する用語「ヘテロ脂肪族」は、主鎖中の1つまたは複数の炭素原子がヘテロ原子で置換されている脂肪族部分を意味する。そこで、ヘテロ脂肪族基は、炭素原子の代わりに、1つまたは複数の酸素、硫黄、窒素、リンもしくはケイ素原子を含有する脂肪族鎖を意味する。ヘテロ脂肪族部分は、直鎖状もしくは分枝状、および飽和もしくは不飽和であってよい。特定の実施形態では、ヘテロ脂肪族部分は、その上の1つまたは複数の水素原子と、脂肪族;脂環式;ヘテロ脂肪族;複素環式;芳香族;ヘテロ芳香族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;アルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO
2;−CN;−CF
3;−CH
2CF
3;−CHCl
2;−CH
2OH;−CH
2CH
2OH;−CH
2NH
2;−CH
2SO
2CH
3;−C(=O)R
x;−C(=O)N(R
x)
2;−OC(=O)R
x;−OCO
2R
x;−OC(=O)N(R
x)
2;−N(R
x)
2;−S(O)
2R
x;−NR
x(CO)R
x(式中、R
xの各出現には独立して脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ヘテロアルキルアリール、もしくはヘテロアルキルヘテロアリールが含まれるが、このとき上記および本明細書に記載した脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、アルキルアリール、もしくはアルキルヘテロアリール置換基のいずれも置換もしくは未置換、分枝状もしくは非分枝状、飽和もしくは不飽和であってよく、および上記および本明細書に記載した芳香族、ヘテロ芳香族、アリールもしくはヘテロアリール置換基のいずれも、置換もしくは未置換であってよい)を含むがそれらに限定されない1つまたは複数の部分との独立交換によって置換されている。一般に適用できる置換基の追加の例は、本明細書で記載する実施例の項に示した特定実施形態によって具体的に説明する。
【0079】
本明細書で使用する用語「ヘテロシクロアルキル」、「複素環」もしくは「複素環式」は、ヘテロ脂肪族および環式化合物の特性を結合している化合物を意味しており、5〜16個の原子を有する飽和および不飽和の単環式もしくは多環式環系(このとき少なくとも1つの環原子はSおよびN(このとき窒素および硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されてよい)から選択されるヘテロ原子であり、環系は任意で本明細書に規定した1つまたは複数の官能基で置換されている)が含まれるがそれらに限定されない。特定の実施形態では、用語「ヘテロシクロアルキル」、「複素環」もしくは「複素環式」は、二環式もしくは三環式基を含むがそれらに限定されない非芳香族の5、6もしくは7員環もしくは多環式基(このとき少なくとも1つの環原子は、酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する縮合6員環を含む、SおよびN(このとき窒素および硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されてよい)から選択されるヘテロ原子である)を意味するが、このとき(i)各5員環は0〜2個の二重結合を有し、各6員環は0〜2個の二重結合を有し、および各7員環は0〜3個の二重結合を有する、(ii)窒素および硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されてよい、(iii)窒素ヘテロ原子は任意で四級化されてよい、および(iv)上記の複素環のいずれもアリールもしくはヘテロアリール環に縮合されていてよい。代表的な複素環には、フラニル、ピラニル、ピロリル、チエニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル、イソキサゾリジニル、ジオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル、チアトリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、ジチアゾリル、ジチアゾリジニル、テトラヒドロフリル、およびそれらのベンゾ融合誘導体などの複素環が含まれるがそれらに限定されない。特定の実施形態では、本明細書で利用かつ使用される「置換複素環、もしくはヘテロシクロアルキルもしくは複素環式」基は、その上の1つ、2つもしくは3つの水素原子が、脂肪族;脂環式;ヘテロ脂肪族;複素環式;芳香族;ヘテロ芳香族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;ヘテロアルキルアリール;アルキルヘテロアリール;ヘテロアルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO
2;−CN;−CF
3;−CH
2CF
3;−CHCl
2;−CH
2OH;−CH
2CH
2OH;−CH
2NH
2;−CH
2SO
2CH
3;−C(=O)R
x;−C(=O)N(R
x)
2;−OC(=O)R
x;−OCO
2R
x;−OC(=O)N(R
x)
2;−N(R
x)
2;−S(O)
2R
x;−NR
x(CO)R
x(式中、R
xの各出現には独立して脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ヘテロアルキルアリール、もしくはヘテロアルキルヘテロアリールが含まれるが、このとき上記および本明細書に記載した脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、アルキルアリール、もしくはアルキルヘテロアリール置換基のいずれも置換もしくは未置換、分枝状もしくは非分枝状、飽和もしくは不飽和であってよく、および上記および本明細書に記載した芳香族、ヘテロ芳香族、アリールもしくはヘテロアリール置換基のいずれも、置換もしくは未置換であってよい)を含むがそれらに限定されない部分との独立交換によって置換されている複素環、もしくはヘテロシクロアルキルもしくは複素環式基を意味する。さらに、上記および本明細書に記載した脂環式もしくは複素環式部分のいずれもそれに融合したアリールもしくはヘテロアリール部分を含んでいてよいことは理解されるであろう。
【0080】
本明細書で使用する用語「ハロ」および「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子を意味する。
【0081】
用語「ハロアルキル」は、上記に規定したように、それに結合した1、2、もしくは3個のハロゲン原子を有するアルキル基を意味しており、例えばクロロメチル、ブロモメチル、トリフルオロメチルなどの基によって例示される。
【0082】
本明細書で使用する用語「アミノ」は、第1級(−NH
2)、第2級(−NHR
x)、第3級(−NR
xR
y)、または第4級アミン(−N
+R
xR
yR
z)(式中、R
yおよびR
zは、独立して本明細書に規定した脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、芳香族もしくはヘテロ芳香族部分である)を意味する。アミノ基の例には、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジエチルアミノカルボニル、iso−プロピルアミノ、ピペリジノ、トリメチルアミノ、およびプロピルアミノが含まれるがそれらに限定されない。
【0083】
本明細書で使用する用語「アシル」は、一般式−C(=O)R(式中、Rは、本明細書に規定した脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、芳香族もしくはヘテロ芳香族部分である)を有する基を意味する。
【0084】
本明細書で使用する用語「スルホンアミド」は、一般式−SO
2NR
xR
y(式中、R
xおよびR
yは、独立して水素、または本明細書に規定した脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、芳香族、ヘテロ芳香族もしくはアシル部分である)を有する基を意味する。
【0085】
本明細書で使用する用語「ベンズアミド」は、一般式PhNR
x(式中、R
xは、独立して水素、または本明細書に規定した脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、芳香族、ヘテロ芳香族もしくはアシル部分である)を有する基を意味する。
【0086】
本明細書で使用する用語「C
1−6アルキリデン」は、ラジカルの両端で自由原子価「−」を有する、1〜6個の炭素原子を有する、炭素および水素原子だけからなる置換もしくは未置換、直鎖状もしくは分枝状の飽和二価ラジカルを意味する。
【0087】
本明細書で使用する用語「C
2−6アルキリデン」は、ラジカルの両端で自由原子価「−」を有する、2〜6個の炭素原子を有する、炭素および水素原子だけからなる置換もしくは未置換、直鎖状もしくは分枝状の飽和二価ラジカルを意味し、このとき不飽和は二重結合としてのみ存在し、二重結合は鎖の第1炭素と分子の残りとの間に存在してよい。
【0088】
本明細書で使用する用語「脂肪族」、「ヘテロ脂肪族」、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」などは、置換基および未置換基の、飽和および不飽和の、そして直鎖状および分枝状の基を含んでいる。同様に、用語「脂環式」、「複素環式」、「ヘテロシクロアルキル」、「複素環」などは、置換および未置換、ならびに飽和および不飽和基を含んでいる。さらに、用語「シクロアルキル」、「シクロアルケニル」、「シクロアルキニル」、「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクロアルケニル」、「ヘテロシクロアルキニル」、「芳香族」、「ヘテロ芳香族」、「アリール」、「ヘテロアリール」などは、置換基および未置換基の両方を含んでいる。
【0089】
本明細書で使用する用語「天然アミノ酸」は、天然型タンパク質:グリシン(Gly)、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、リシン(Lys)、アルギニン(Arg)、ヒスチジン(His)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、トリプトファン(Trp)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、システイン(Cys)およびメチオニン(Met)に見いだされる一般の天然型L−アミノ酸のいずれか一つを意味する。
【0090】
本明細書で使用する用語「非天然アミノ酸」は、天然アミノ酸ではないあらゆるアミノ酸を意味する。これには、例えば、α−、β−、D−、L−アミノ酸残基、および一般式:
【0091】
【化58】
(式中、側鎖Rは、天然で発生するアミノ酸側鎖以外である)の化合物が含まれる。
【0092】
より一般的には、本明細書で使用する用語「アミノ酸」は、天然アミノ酸および非天然アミノ酸を含んでいる。
【0093】
本明細書で使用する用語「バイオ同配体(bioisostere)」は、一般に類似の分子形状および/または分子体積を有する2つ以上の化合物もしくは部分を意味する。特定の実施形態では、バイオ同配体はほぼ同一の電子分布を有する。特定の他の実施形態では、バイオ同配体は類似の生物学的特性を示す。好ましい実施形態では、バイオ同配体は類似の分子形状および分子体積を有する;ほぼ同一の電子分布を有する;および類似の生物学的特性を示す。
【0094】
本明細書で使用する用語「医薬上許容可能な誘導体」は、そのような化合物の任意の医薬上許容可能な塩、エステル、もしくはそのようなエステルの塩、または患者に投与されると、本明細書に記載したような化合物を(直接的もしくは間接的に)提供できる他の付加物もしくは誘導体、またはそれらの代謝産物もしくは残留物を意味する。そこで医薬上許容可能な誘導体には、特にプロドラッグが含まれる。プロドラッグは、通常は薬理学的活性が有意に減少している、インビボで除去され易く、薬理学的活性種として親分子を産生する追加の成分を含有する化合物の誘導体である。プロドラッグの例は、インビボで開裂されると目的の化合物を産生するエステルである。広範囲の化合物のプロドラッグ、ならびにプロドラッグを作製するために親化合物を誘導体化するための材料および方法は、よく知られており、本発明に適合させることができる。以下では特定の例示的な医薬組成物および医薬上許容可能な誘導体についてより詳細に記載する。
【0095】
本明細書で使用する用語「医薬上許容可能な塩」は、医薬使用のため、好ましくは無用な刺激、アレルギー反応などを伴わずにヒトおよび下等動物の組織中で使用するのに適切な塩を意味する。アミン、カルボン酸、および他のタイプの化合物の医薬上許容可能な塩は、当技術分野においてよく知られている。例えば、参照して本明細書に組み込まれるS.M.Berge,らは、J Pharmaceutical Sciences,66:1−19(1977)で医薬上許容可能な塩について詳細に記載している。塩は、本発明の化合物の最終単離および精製中にインサイチューで、または以下で概して記載するように遊離塩基もしくは遊離酸官能基を適切な試薬と反応させることによって個別に調製できる。例えば、遊離塩基官能基は、適切な酸と反応させることができる。さらに、本発明の化合物が酸性部分を有する場合は、それらの適切な医薬上許容可能な塩には、アルカリ金属塩、例えばナトリウムもしくはカリウム塩;およびアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムもしくはマグネシウム塩などの金属塩が含まれてよい。医薬上許容可能な非毒性酸付加塩の例は、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸、または例えば酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸を用いて、またはイオン交換などの当技術分野において使用される他の方法を用いて形成されたアミノ基の塩である。他の医薬上許容可能な塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳、スルホン酸樟脳、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルクロン酸塩、ドデシル硫酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトネート、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、hernisulfate、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。代表的なアルカリもしくはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。その他の医薬上許容可能な塩には、適切な場合は、例えばハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩およびスルホン酸アリールなどの対イオンを用いて形成される非毒性のアンモニウム、第3級アンモニウム、およびアミンカチオンが含まれる。
【0096】
本明細書で使用する用語「医薬上許容可能なエステル」は、インビボで加水分解するエステルを意味しており、ヒト身体内で容易に分解されて親化合物もしくはその塩を放出するエステルが含まれる。適切なエステル基には、例えば、医薬上許容可能な脂肪族アルコール化合物、詳細には、各アルキルもしくはアルケニル部分が有益にも6個以内の炭素原子を有するアルカン、アルケン、エチレングリコール、シクロアルカンなどに由来するエステル基が含まれる。これらは、単に例示的なものであり、決して当技術分野において知られているエステルの可能性を決して限定するものではない。
【0097】
本明細書で使用する用語「医薬上許容可能なプロドラッグ」は、医薬使用のために、好ましくは無用な毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに、そしてそれらの意図する使用のために有効である、ならびに可能な場合は本発明の化合物の両性イオン形である、ヒトおよび下等動物の組織と一緒に使用するのに適切な本発明の化合物のプロドラッグを意味する。用語「プロドラッグ」は、例えば血液中での加水分解によって、インビボで迅速に変換されて上記の式の親化合物を産生する化合物を意味する。徹底的な考察は、どちらも参照して本明細書に組み込まれるT.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems,Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series,and in Edward B.Roche,ed.,Bioreversible Carriers
in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987に提供されている。
【0098】
B.本方法の例示的な化合物
1つの実施形態では、本発明の方法において有用な化合物には、式I:
【0099】
【化59】
(式中、
R
1およびR
2は、各々独立して水素、アミノ酸側鎖、−(CH
2)
mOH、−(CH
2)
mアリール、−(CH2)
mヘテロアリール(式中、mは0〜6である)、−CH(R
1A)(OR
1B)、−CH(R
1A)(NHR
1B)、U−T−Q、またはU−T−Q(式中、Uは不在であっても以下:−O−、−S(O)
0−2−、−SO
2N(R
1A)、−N(R
1A)−、−N(R
1A)C(=O)−、−N(R
1A)C(=O)−O−、−N(R
1A)C(=O)−N(R
1B)−、−N(R
1A)−SO
2−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、−C(=O)−N(R
1A)−、−OC(=O)N(R
1A)−、−C(=N−R
1E)−、−C(=N−R
1E)−O−、−C(=N−R
1E)−N(R
1A)−、−O−C(=N−R
1E)−N(R
1A)−、−N(R
1A)C(=N−R
1E)−、−N(R
1A)C(=N−R
1E)−O−、−N(R
1A)C(=N−R
1E)−N(R
1B)−、−P(=O)(OR
1A)−O−、もしくは−P(=O)(R
1A)−O−のうちの1つであってよい;Tは不在であるか、または脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール部分である;およびQは、水素、ハロゲン、シアノ、イソシアネート、−OR
1B;−SR
1B;−N(R
1B)
2、−NHC(=O)OR
1B、−NHC(=O)N(R
1B)
2、−NHC(=O)R
1B、−NHSO
2R
1B、NHSO
2N(R
1B)
2、−NHSO
2NHC(=O)OR
1B、−NHC(=O)NHSO
2R
1B、−C(=O)NHC(=O)OR
1B、C(=O)NHC(=O)R
1B、−C(=O)NHC(=O)N(R
1B)
2、−C(=O)NHSO
2R
1B、−C(=O)NHSO
2N(R
1B)
2、C(=S)N(R
1B)
2、−SO
2R
1B、−SO
2OR
1B、−SO
2N(R
1B)
2、−SO
2−NHC(=O)OR
1B、−OC(=O)−N(R
1B)
2、−OC(=O)R
1B、−OC(=O)NHC(=O)R
1B、−OC(=O)NHSO
2R
1B、−OSO
2R
1B、または脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールもしくはヘテロアリール部分である)で任意に置換された脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族もしくはヘテロ脂環式部分であるか、またはR
1およびR
2は一緒になって脂環式もしくは複素環式部分となるか、または一緒に
【0100】
【化60】
(式中、R
1AおよびR
1Bの各出現は、独立して水素、脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール部分、−C(=O)R
1C、もしくは−C(=O)NR
1CR
1Dである;R
1CおよびR
1Dの各出現は、独立して水素、ヒドロキシル、もしくは脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール部分である;およびR
1Eは水素、脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール部分、−CN、−OR
1C、−NR
1CR
1Dもしくは−SO
2R
1Cである)である;
R
3は、−C(=O)OR
3A、−C(=O)H、−CH
2OR
3A、−CH
2OC(=O)−アルキル、−C(=O)NH(R
3A)、−CH
2X
0(式中、R
3Aの各出現は、独立して水素、保護基、脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ヘテロアルキルアリール、ヘテロアルキルヘテロアリール部分または医薬上許容可能な塩もしくはエステルであるか、またはR
3AはR
1およびR
2と一緒になって複素環式部分を形成する;X
0は、F、BrもしくはIから選択されるハロゲンである)である;
R
4は、各出現について、独立して水素、ハロゲン、−CN、−NO
2、脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール部分であるか、またはGR
G1(式中、Gは、−O−、−S−、NR
G2−、−CO−、−SO−、−SO
2−、C(=O)O−、−C(=O)NR
G2−、C(=O)−、−NR
G2C(=O)−もしくは−SO
2NR
G2−であり、そしてR
G1およびR
G2は、独立して水素、脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール部分である)である;
nは、0〜4の整数である;
AR
1は、単環式もしくは多環式アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、脂環式もしくは複素環式部分である;
A、B、DおよびEは、原子価が許容する限り、単結合もしくは二重結合のいずれかによって結合される;このときA、DおよびEの各出現は、独立してC=O、CR
iR
ii、NR
i、CR
i、N、O、S、−S(=O)もしくはSO
2(式中、R
iの各出現は独立して水素、ハロゲン、−CN、−NO
2、脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール部分である)、または−GR
G1(式中、Gは−O−、−S−、−NR
G2、−CO−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NR
G2−、−OC(=O)−、−NR
G2C(=O)−もしくは−SO
2NR
G2−である、ならびにR
G1およびR
G2は、独立して水素、脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール部分であるか、または一緒にされた任意の2つの隣接出現は、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリール部分を表す)である;
pは、0〜4の整数である;および
Lは、不在であるか、またはV−W−X−Y−Z(式中、V、W、X、YおよびZの各出現は独立して不在、C=O、NR
L1、−O−、−C(R
L1)=、=C(R
L1)−、−C(R
L1)(R
L2)、C(=N−OR
L1)、C(=NR
L1)、−N=、S(O)
0−2;置換もしくは未置換C
1−6アルケニリデンもしくはC
2−6アルケニリジン鎖(式中、2つまでの非隣接メチレン単位は独立して−C(=O)−、−CO
2−、−C(=O)C(=O)−、−C(C=O)NR
L3−、−OC(=O)−、−OC(=O)NR
L3−、−NR
L3NR
L4−、−NR
L3NR
L4C(=O)−、−NR
L3C(=O)−、NR
L3CO
2−、NR
L3C(=O)NR
L4−、−S(=O)−、−SO
2−、−NR
L3SO
2−、−SO
2NR
L3、−NR
L3SO
2NR
L4、−O−、−S−、もしくは−NR
L3−によって任意に置き換えられている;R
L3およびR
L4の各出現は、独立して水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはアシル;または脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール部分である;ならびにR
L1およびR
L2の各出現は、独立して水素、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アミノ、保護アミノ、チオ、保護チオ、ハロゲン、シアノ、イソシアネート、カルボキシ、カルボキシアルキル、ホルミル、ホルミルオキシ、アジド、ニトロ、ウレイド、チオウレイド、チオシアナト、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、スルホンアミド、ベンズアミド、トシル、または脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール部分であるか、またはR
L1およびR
L2の1つまたは複数の出現は、一緒に、またはV、W、X、YもしくはZのうちの1つと一緒になって脂環式もしくは複素環式部分を形成するか、またはアリールもしくはヘテロアリール部分を形成する)である)の化合物が含まれる。
【0101】
本発明の方法の一部の好ましい実施形態は、式II:
【0102】
【化61】
(式中、R
28は、以下の基:
【0103】
【化62】
のうちの1つである;
およびR
27は、以下の基:
【0104】
【化63】
のうちの1つである;
およびR
29は水素である)の化合物、医薬上許容可能な塩もしくはエステルである。
【0105】
本発明の方法の一部の好ましい実施形態は、式II’:
【0106】
【化64】
(式中、置換基は式IIの場合と同様である)の化合物である。
【0107】
本発明の方法の化合物の一部の特に好ましい実施形態は、式IIA、IIBおよびIIC:
【0108】
【化65】
(式中、R
17は各々、水素、医薬上許容可能な塩およびエステルの群から選択されてよい)の化合物である。
【0109】
本発明の方法の化合物のまた別の組の好ましい実施形態は、式III:
【0110】
【化66】
(式中、Cyは、芳香族炭素環、芳香族複素環、またはヒドロキシル(−OH)、メルカプト(−SH)、チオアルキル、ハロゲン(例、F、Cl、Br、I)、オキソ(=O)、チオ(=S)、アミノ、アミノアルキル、アミジン(−C(NH)−NH
2)、グアニジン(−NH
2−C(NH)−NH
2)、ニトロ、アルキルもしくはアルコキシで任意に置換された非芳香族炭素環もしくは複素環である)の化合物である。特定の実施形態では、Cyは、3〜5員環である。好ましい実施形態では、Cyは、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン(好ましくはFもしくはCl)、オキソ(=O)、チオ(=S)、アミノ、アミジン、グアニジン、ニトロ、アルキルもしくはアルコキシで任意に置換された5もしくは6員の非芳香族複素環である。より好ましい実施形態では、Cyは、ヒドロキシル、オキソ、チオ、Cl、C
1−4アルキル(好ましくは、メチル)、またはC
1−4アルカノイル(好ましくは、アセチル、プロパノイルもしくはブタノイル)で任意に置換された5員の非芳香族複素環である。より好ましくは、非芳香族複素環は、1つまたは複数のヘテロ原子(N、OもしくはS)を含んでおり、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、チオ、メチル、アセチル、プロパノイルもしくはブチルで任意に置換されている。特定の実施形態では、非芳香族複素環は、メチルもしくはアセチルで任意に置換されている少なくとも1つの窒素原子を含んでいる。特に好ましい実施形態では、非芳香族複素環は、ヒドロキシ、オキソ、メルカプト、チオ、アルキルもしくはアルカノイルで任意に置換されたピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、オキサゾリジン、チアゾリジンからなる群から選択される。最も好ましい実施形態では、Cyは、テトラヒドロフラン−2−イル、チアゾリジン−5−イル、チアゾリジン−2−オン−5−イル、ならびにチアゾリジン−2−チオン−5−イルおよびシクロプロパピロリジンからなる群から選択される非芳香族複素環である。好ましい実施形態では、Cyは、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン(好ましくはFもしくはCl)、オキソ(=O)、チオ(=S)、アミノ、アミジン、グアニジン、ニトロ、アルキルもしくはアルコキシで任意に置換された5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは複素環である。より好ましい実施形態では、Cyは、ヒドロキシル、オキソ、チオ、Cl、C
1−4アルキル(好ましくは、メチル)、またはC
1−4アルカノイル(好ましくは、アセチル、プロパノイルもしくはブタノイル)で任意に置換された5員の芳香族炭素環もしくは複素環である。より好ましくは、芳香族もしくは複素環は、1つまたは複数のヘテロ原子(N、OもしくはS)を含んでおり、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、チオ、メチル、アセチル、プロパノイルもしくはブチルで任意に置換されている。
【0111】
また別の好ましい実施形態では、Cyは、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、オキソ、チオ、アミノ、アミジン、グアニジン、アルキル、アルコキシもしくはアシルで任意に置換された3〜6員の炭素環である。特定の実施形態では、炭素環は飽和もしくは部分不飽和である。特定の実施形態では、Cyは、シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルからなる群から選択される炭素環である。
【0112】
X
2は、N、O、S、SOもしくはSO
2で置換された1つまたは複数の炭素原子を任意に有しており、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、ニトロ、オキソもしくはチオで任意に置換されているC
1−5二価炭化水素リンカーである。好ましい実施形態では、X
2は、少なくとも1個の炭素原子を有するであろう。交換および置換は、炭化水素鎖内または一方もしくは両端でアミド部分(−NRC(=O)−もしくは−C(=O)NR−)を形成することができる。他の部分には、スルホンアミド(−NRSO
2−もしくは−SO
2NR)、アシル、エーテル、チオエーテルおよびアミンが含まれる。特定の好ましい実施形態では、X
2は、基−CH
2−NR
10−C(O)−(式中、そのカルボニル−C(O)−部分はCyに隣接(すなわち、共有結合)しており、R
10はアルキル、すなわちメチル、およびより好ましくはHである)である。
【0113】
Kは、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、オキソ、チオ、炭化水素、ハロ置換炭化水素、アミノ、アミジン、グアニジン、シアノ、ニトロ、アルコキシもしくはアシルで任意に置換された炭素環もしくは複素環である。特定の実施形態では、Kは、ハロゲンもしくはヒドロキシルで任意に置換されたアリールもしくはヘテロアリールである。特に好ましい実施形態では、Kは、フェニル、フラン−2−イル、チオフェン−2−イル、好ましくはメタ位置でハロゲン(好ましくはCl)もしくはヒドロキシルで置換されたフェニルである。
【0114】
L
2は、任意にN、O、S、SOもしくはSO
2で交換されている1つまたは複数の炭素原子を有し、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、もしくはチオで任意に置換されているか;または炭化水素の3個の炭素原子がアミノ酸残基と交換されている二価炭化水素である。好ましくは、L
2は、長さが原子10個未満、より好ましくは5個以下、および最も好ましくは長さが原子5もしくは3個である。特定の実施形態では、L
2は、−CH=CH−C(O)−NR
10−CH
2−、−CH
2−NR
10−C(O)−、−C(O)−NR
10−CH
2−、−CH(OH)−(CH
2)
2−、−(CH
2)
2−CH(OH)−、−(CH
2)
3−、−C(O)−NR
10−CH(R
7)−C(O)−NR
10−、−NR
10−C(O)−CH(R
16)−NR
10−C(O)−、−CH(OH)−CH
2−O−および−CH(OH)−CF
2−CH
2−(式中、各R
10は独立してHもしくはアルキルであり、R
16はアミノ酸側鎖である)からなる群から選択される。好ましいアミノ酸側鎖には、フェニルなどの非天然型側鎖もしくは天然型側鎖が含まれる。好ましい側鎖は、Phe、Tyr、Ala、GlnおよびAsnからの側鎖である。好ましい実施形態では、L
2は、−CH=CH−C(O)−NR
10−CH
2−(式中、その−CH=CH−部分はKに隣接(すなわち、共有結合)している)である。また別の好ましい実施形態では、L
2は、−CH
2−NR
10−C(O)−(式中、そのメチレン部分(−CH
2−)はKに隣接している)である。
【0115】
R
5は、H、OH、アミノ、O−炭素環、またはアミノ、炭素環、複素環で任意に置換されたアルコキシであるか、または医薬上許容可能な塩もしくはエステルである。好ましい実施形態では、R
5は、H、フェニル、またはフェニルなどの炭素環で任意に置換されたC
1−4アルコキシである。好ましい実施形態では、R
5はHである。また別の特定の実施形態では、R
5は、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、s−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、フェノキシもしくはベンジルオキシである。さらにまた別の特定実施形態では、R
5はNH
2である。特に好ましい実施形態では、R
5はエトキシである。別の特に好ましい実施形態では、R
5はイソブチルオキシである。また別の特に好ましい実施形態では、R
5は、アミノで置換されたアルコキシ、例えば2−アミノエトキシ、N−モルホリノエトキシ、N,N−ジアルキルアミノエトキシ、第4級アンモニウムヒドロキシアルコキシ(例、トリメチルアンモニウムヒドロキシエトキシ)である。
【0116】
R
6−9は、独立してH、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、シアノ、アミノ、アミジン、グアニジン、ニトロもしくはアルコキシであるか;またはR
7およびR
8は一緒に、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、チオ、アミノ、アミジン、グアニジンもしくはアルコキシで任意に置換された縮合炭素環もしくは複素環を形成する。特定の実施形態では、R
6およびR
7は、独立してH、F、Cl、BrもしくはIである。また別の特定の実施形態では、R
8およびR
9はどちらもHである。また別の特定の実施形態では、R
6およびR
7の一方はハロゲンであり、他方は水素もしくはハロゲンである。特定の好ましい実施形態では、R
7はClであるが、R
6、R
8およびR
9は各々Hである。また別の特に好ましい実施形態では、R
6およびR
7はどちらもClであるが、R
8およびR
9はどちらもHである。R
10は、Hまたは、炭素環もしくは複素環で任意に置換された炭化水素鎖である。好ましい実施形態では、R
10は、Hもしくはアルキル、すなわち、メチル、エチル、プロピル、ブチル、i−ブチル、s−ブチルもしくはt−ブチルである。好ましい実施形態では、R
10はHである。
【0117】
本発明の方法のさらに好ましい実施形態は、式IV:
【0119】
【化68】
(式中、Aは、水素、ヒドロキシ、アミノ、もしくはハロゲンであり、Bはアミノ、カルボキシ、水素、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ハロゲン、低級アルキル、もしくは低級アルコキシである)の基である;
R
12は式:
【0120】
【化69】
(式中、R
13は水素、カルボキシ、もしくは低級アルキルである;nは0もしくは1である;U
2、V
2、およびW
2は、U
2およびV
2の両方が水素にはならないことを前提に、独立して水素、ハロゲン、もしくは低級アルキルである;X
3は、カルボニル、フェニル置換低級アルキレン、イミノ、置換イミノ、もしくはスルホニルである;Y
2は、アミノ、置換アミノ、低級アルキル、もしくはシクロ低級アルキルのうちの1つまたは複数で置換されてよい低級アルキレンであるか、またはY
2は低級アルケニレンもしくは低級アルキレンチオである)の基である;
kは0もしくは1である;kが1である場合は、Z
2は水素、低級アルキルチオ、−COOH、−CONH
2、アミノである;およびkが0もしくは1である場合は、Z
2は1−アダマンチル、ジフェニルメチル、3−[[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル]ピラジン−2−イル、ヒドロキシ、フェニルメトキシ、2−クロロ−4−[[[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]アミノ]カルボニル]フェニル、[2,6−ジクロロフェニル)メトキシ]フェニルである;さらにkが0もしくは1である場合は、Z
2は、同一もしくは相違していてよい0〜3個のヘテロ原子を含有するシクロアルキルもしくはアリール、またはそれらの環が同一もしくは相違していてよい0〜3個のヘテロ原子を含有する独立してシクロアルキルもしくはアリールである2もしくは3個の環を含有する縮合環系であってよく、それらの環のいずれも未置換、またはハロゲン、シアノ、アミノ、置換アミノ、アミノスルホニル、ニトロ、オキソ、ヒドロキシ、アリール、アリールオキシ、未置換低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、低級アルコキシ置換低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカンスルホニル、低級アルキルチオ、アセチル、アミノカルボニル、ヒドラジノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アセトキシのうちの少なくとも1つで、または追加してアミノ低級アルキルで置換されてよい;およびR
20は水素である)の化合物、医薬上許容可能な塩もしくはエステルである。
【0121】
式IVの化合物の好ましい実施形態は、式IV:
【0122】
【化70】
に示した立体化学構造を有する。
【0123】
本発明の方法の化合物のまた別の組の好ましい実施形態は、式V:
【0125】
【化72】
の基である;
式中、R
15は、水素、カルボキシ、もしくは低級アルキルである;U
3、V
3、およびW
3は、独立して水素、ハロゲンであるか;またはU
3、V
3、およびW
3は、U
3およびV
3の両方が水素にはならないことを前提に、低級アルキルである;X
4は、カルボニル、フェニル置換低級アルキレン、イミノ、シアノを含む置換イミノ、もしくはスルホニルである;Y
3は、低級アルケニレン、低級アルキレンチオであるか、またはアミノ、アセチルアミノ、もしくはシクロ低級アルキルで置換されていてよい低級アルキレンである;
k
2は0もしくは1である;k
2が1である場合は、Z
3は、水素、低級アルキルチオ、−COOH、−CONH
2、もしくはアミノである;k
2が0もしくは1である場合は、Z
3は1−アダマンチル、ジフェニルメチル、3−[[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル]ピラジン−2−イルである;さらにk
2が0もしくは1である場合は、Z
2は、同一もしくは相違していてよい0〜3個のヘテロ原子を含有するシクロアルキルもしくはアリール、またはそれらの環が同一もしくは相違していてよい0〜3個のヘテロ原子を含有する独立してシクロアルキルもしくはアリールである2もしくは3個の環を含有する縮合環系であってよく、それらの環のいずれも未置換、またはハロゲン、シアノ、アミノ、置換アミノ、アミノスルホニル、ニトロ、オキソ、ヒドロキシ、アリール、アリールオキシ、未置換低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、低級アルコキシ置換低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、もしくはアセトキシのうちの少なくとも1つで置換されてよい;および
R
21は水素である)の化合物、それらの医薬上許容可能な塩もしくはエステルである。
【0126】
式Vの化合物の好ましい実施形態は、式V’:
【0127】
【化73】
に示した立体化学構造を有する。
【0128】
本方法のまた別のクラスの好ましい化合物は、式VI:
【0129】
【化74】
(式中、D
4は、単環式、二環式、もしくは三環式の飽和、不飽和、もしくは芳香族環であり、各環は環内に5、6もしくは7個の原子を有するが、このとき環内の原子は炭素であるか、または窒素、酸素、および硫黄の群から選択される1〜4個のヘテロ原子であり、このとき任意の炭素もしくは硫黄環原子は任意に酸化されていてよく、各環は0〜3個のR
31で置換されている;
L
3は:
−L
3−L
2−L
1−、
−L
4−L
3−L
2−L
1−、および
−L
5−L
4−L
3−L
2−L
1−
(式中、L
1は、オキソ(−O−)、S(O)
s、C(=O)、CR
32、R
32、CR
32het、NR
30およびNから選択される、
L
2は、オキソ(−O−)、S(O)
s、C(=O)、C(=N−O−R
33)、CR
34R
34’、CR
34、het NR
30およびNから選択される、
L
3は、オキソ(−O−)、S(O)
s、C(=O)、C(=N−O−R
33)、CR
35R
35’、CR
35、het NR
30およびNから選択される、
L
4は、不在であるか、またはオキソ(−O−)、S(O)
s、C(=O)、C(=N−O−R
33)、CR
36R
36’、CR
36、NR
30およびNから選択される、
L
5は、不在であるか、またはL
1〜L
3のうちの1つだけがhetであってよく、L
1〜L
3のうちの1つがhetである場合は、他のL
1〜L
5は不在であってよいことを前提にオキソ(−O−)、S(O)
s、C(=O)、CR
37R
37’、CR
37、NR
30およびN(式中、R
32、R
32’、R
34、R
34’、R
35、R
35’、R
36、R
36’、R
37およびR
37’は各々、独立してR
38、R
39およびU−Q−V−Wから選択される、
任意で、R
24およびR
34’は、個別もしくは一緒にB上の置換基RPを介してB
3と飽和、不飽和もしくは芳香族縮合環を形成することができ、縮合環は環内に5、6もしくは7個の原子を含有しており、さらにO、SおよびNの群から選択される1〜3個のヘテロ原子を任意に含有しており、このときSもしくはNのいずれかは任意に酸化されてよい;
任意で、R
35およびR
35’は、個別もしくは一緒に、ならびにR
36およびR
36’は、個別もしくは一緒にD
3上の置換基R
31を介してD
3と飽和、不飽和もしくは芳香族縮合環を形成することができ、縮合環は環内に5、6もしくは7個の原子を含有しており、さらにO、SおよびNの群から選択される1〜3個のヘテロ原子を任意に含有しており、このときSもしくはNのいずれかは任意に酸化されてよい;
さらに、L
1〜L
5中の各R
32〜R
37、NR
30もしくはNはL
1〜L
5中の任意の他のR
32〜R
37、NR
30もしくはNと一緒に飽和、不飽和もしくは芳香族いずれかの、N、OおよびSから任意に選択される1〜3個の追加のヘテロ原子を任意に含有する5、6もしくは7員の単素環もしくは複素環を形成してよいが、このとき任意の炭素もしくは硫黄環原子は任意に酸化されていてよく、各環は0〜3個のR
31で置換されている;およびこのときsは0〜2である;Bは:
【0130】
【化75】
は、5、6もしくは7個の原子を含有する縮合複素環もしくは単素環であり、環は不飽和、部分飽和もしくは芳香族であり、ヘテロ原子は1〜3個のO、SおよびNから選択される)から選択される)の群から選択される二価連結基である;
Y
3は、CHおよびNR
30から選択される;nは0〜3である;
G
3は、水素およびC
1−C
6アルキルから選択され、任意でGはTと一緒に、−V−Wで任意に置換されたC
3−C
6シクロアルキルを形成してよい;
T
3は、天然型α−アミノ酸側鎖、およびU
4−Q
4−V
4−W
4
(式中、U
4は、C
1−C
6アルキル、C
0−C
6アルキル−Q、C
2−C
6アルケニル−Q、およびC
2−C
6アルキル−Q(式中、任意のアルキル、アルケニルもしくはアルキニル上の置換基は1〜3個のR
38である)の群から選択される任意に置換された二価ラジカルである;
Q
4は、不在であるか、または−O−、−S(O)
s−、−SO
2−N(R
30)−、−N(R
30)−、−N(R
30)−C(=O)−、−N(R
30)−C(=O)−N(R
30)−、−N(R
30)−C(=O)−O−、−N(R
30)−SO
2−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−het−、−C(=O)−N(R
30)−、−O−C(=O)−N(R
30)−、−PO(OR
30)O−および−P(O)O−(式中、sは0〜2である、およびhetは単環式もしくは二環式の5、6、7、9もしくは10員の複素環であり、各環はN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しており、このとき複素環は飽和、部分飽和、もしくは芳香族であってよく、任意のNもしくはSは任意に酸化されていてよく、複素環は0〜3個のR
41で置換されている)の群から選択される;
V
4は、不在であるか、またはC
1−C
6アルキル、C
3−C
8シクロアルキル、C
0−C
6アルキル−C
6−C
10アリール、およびC
0−C
6アルキル−het(式中、任意のアルキル上の置換基は1〜3個のR
38であり、任意のアリールもしくはhet上の置換基は1〜3個のR
31である)から選択される任意に置換された二価基である;
W
4は、水素、OR
33、SR
42、NR
30R
30、NH−C(=O)−O−R
43、NH−C(=O)−NR
nR
n、NH−C(=O)−R
43、NH−SO
2−R
37、NH−SO
2−NR
30R
30、NH−SO
2−NH−C(=O)−R
43、NH−C(=O)−NH−SO
2−R
37、C(=O)−NH−C(=O)−O−R
43、C(=O)−NH−C(=O)−R
43、C(=O)−NH−C(=O)−NR
30R
30’、C(=O)−NH−SO
2−R
37、C(=O)−NH−SO
2−NR
30R
30’、C(=S)−NR
30R
30’、SO
2−R
37、SO
2−O−R
37、SO
2−NR
37R
37’、SO
2−NH−C(=O)−O−R
43、SO
2−NH−C(=O)−NR
30R
30’、SO
2−NH−C(=O)−R
43、O−C(=O)−NR
30R
30’、O−C(=O)−R
43、O−C(=O)−NH−C(=O)−R
43、O−C(=O)−NH−SO
2R
46およびO−SO
2−R
37の群から選択される)の群から選択される;
R
44は、C(=O)−R
45、C(=O)−H、CH
2(OH)、およびCH
2O−C(=O)−C
1−C
6アルキルから選択される;
R
38は、R
38’または1〜3個のR
38’で置換されたR
38’’(式中、R
38’は、水素、ハロ(F、Cl、Br、I)、シアノ、イソシアネート、カルボキシ、カルボキシ−C
1−C
11アルキル、アミノ、アミノ−C
1−C
8アルキル、アミノカルボニル、カルボキサミド、カルバモイル、カルバモイルオキシ、ホルミル、ホルミルオキシ、アジド、ニトロ、イミダゾイル、ウレイド、チオウレイド、チオシアナト、ヒドロキシ、C
1−C
6アルコキシ、メルカプト、スルホンアミド、het、フェノキシ、フェニル、ベンズアミド、トシル、モルホリノ、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリニル、イミダゾリル、およびインドリルの群から選択される;
R
38’’は、C
0−C
10アルキル−Q−C
0−C
6アルキル、C
0−C
10アルケニル−Q−C
0−C
6アルキル、C
0−C
10アルキニル−Q−C
0−C
6アルキル、C
3−C
11シクロアルキル−Q−C
0−C
6アルキル、C
3−C
10シクロアルケニル−Q−C
0−C
6アルキル、C
1−C
6アルキル−C
6−C
12アリール−Q−C
0−C
6アルキル、C
6−C
10アリール−C
1−C
6アルキル−Q−C
0−C
6アルキル、C
0−C
6アルキル−het−Q−C
0−C
6アルキル、C
0−C
6アルキル−Q−het−C
0−C
6アルキル、het−C
0−C
6アルキル−Q−C
0−C
6アルキル、C
0−C
6アルキル−Q−C
6−C
12アリール、および−Q−C
1−C
6アルキルの群から選択される)である;
R
43は、水素および置換もしくは未置換のC
1−C
10アルキル、C
2−C
10アルケニル、C
2−C
10アルキニル、C
3−C
11シクロアルキル、C
3−C
10シクロアルケニル、C
1−C
6アルキル−C
6−C
12アリール、C
6−C
10アリール−C
1−C−
6アルキル、C
1−C
6アルキル−het、het−C
1−C
6アルキル、C
6−C
12アリールおよびhet(式中、任意のアルキル、アルケニルもしくはアルキニル上の置換基は1〜3個のR
38であり、任意のアリールもしくはhet上の置換基は1〜3個のR
31である)から選択される;
R
31は、R
40およびR
41から選択される;
R
41は、OH、OCF
3、OR
43、SR
42、ハロ(F、Cl、Br、I)、CN、イソシアネート、NO
2、CF
3、C
0−C
6アルキル−NR
30R
30’、C
0−C
6アルキル−C(=O)−NR
30R
30’、C
0−C
6アルキル−C(=O)−R
38、C
1−C
8アルキル、C
1−C
8アルコキシ、C
2−C
8アルケニル、C
2−C
8アルキニル、C
3−C
6シクロアルキル、C
3−C
6シクロアルケニル、C
1−C
6アルキル−フェニル、フェニル−C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルキルオキシカルボニル、フェニル−C
0−C
6アルキルオキシ、C
1−C
6アルキル−het、het−C
1−C
6アルキル、SO
2−het、−O−C
6−C
12アリール、−SO
2−C
6−C
12アリール、−SO
2−C
1−C
6アルキルおよびhet(式中、任意のアルキル、アルケニルもしくはアルキニルは、OH、ハロ(F、Cl、Br、I)、ニトロ、アミノおよびアミノカルボニルから選択される1〜3個の基で任意に置換されてよく、そして任意のアリールもしくはhet上の置換基は1〜2個のヒドロキシ、ハロ(F、Cl、Br、I)、CF
3、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、ニトロおよびアミノである)の群から選択される;
R
42は、S−C
1−C
6アルキル、C(=O)−C
1−C
6アルキル、C(=O)−NR
30R
30’、C
1−C
6アルキル、ハロ(F、Cl、Br、I)−C
1−C
6アルキル、ベンジルおよびフェニルから選択される;
R
30は、R
43、NH−C(=O)−O−R
43、NH−C(=O)−R
43、NH−C(=O)−NHR
43、NH−SO
2−R
46、NH−SO
2−NH−C(=O)−R
43、NH−C(=O)−NH−SO
2−R
37、C(=O)−O−R
43、C(=O)−R
43、C(=O)−NHR
43、C(=O)−NH−C(=O)−O−R
43、C(=O)−NH−C(=O)−R
43、C(=O)−NH−SO
2−R
46、C(=O)−NH−SO
2−NHR
37、SO
2−R
37、SO
2−O−R
37、SO
2−N(R
43)
2、SO
2−NH−C(=O)−O−R
43、SO
2−NH−C(=O)−O−R
43およびSO
2−NH−C(=O)−R
43の群から選択される;
R
30’は、水素、ヒドロキシおよび置換もしくは未置換のC
1−C
11アルキル、C
1−C
11アルコキシ、C
2−C
10アルケニル、C
2−C
10アルキニル、C
3−C
11シクロアルキル、C
3−C
10シクロアルケニル、C
1−C
6アルキル−C
6−C
12アリール、C
6−C
10アリール−C
1−C−
6アルキル、C
6−C
10アリール−C
0−C
6アルキルオキシ、C
1−C
6アルキル−het、het−C
1−C
6アルキル、C
6−C
12アリール、het、C
1−C
6アルキルカルボニル、C
1−C
8アルコキシカルボニル、C
3−C
8シクロアルキルカルボニル、C
3−C
8シクロアルコキシカルボニル、C
6−C
11アリールオキシカルボニル、C
7−C
11アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールアルキルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、C
1−C
6アルキルスルホニル、およびC
6−C
10アリールスルホニル(式中、任意のアルキル、アルケニルもしくはアルキニル上の置換基は1〜3個のR
38であり、任意のアリール、hetもしくはヘテロアリール上の置換基は1〜3個のR
31である)から選択される;
R
30およびR
30’は、それにそれらが結合している共通窒素と一緒になって、モルホリニル、ピペラジニル、チアモルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、チアゾリジニルおよびアザビシクロノニル(式中、置換基は1〜3個のR
38である)から選択される任意に置換された複素環を形成してよい;
R
33は、水素および置換もしくは未置換のC
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルキルカルボニル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
3−C
8シクロアルキルおよびベンゾイル(式中、任意のアルキル上の置換基は1〜3個のR
38であり、任意のアリール上の置換基は1〜3個のR
40である)の群から選択される;
R
40は、OH、ハロ(F、Cl、Br、I)、CN、イソシアネート、OR
43、SR
42、SOR
43、NO
2、CF
3、R
43、NR
30R
30’、NR
30C(=O)−O−R
43、NRC(=O)−R
43、C
0−C
6アルキル−SO
2−R
43、C
0−C
6アルキル−SO
2−NR
30R
30’、C(=O)−R
43、O−C(=O)−R
43、C(=O)−O−R
43、およびC(=O)−NR
30R
30’(式中、任意のアルキル、アルケニルもしくはアルキニル上の置換基は1〜3個のR
38であり、任意のアリールもしくはhet上の置換基は1〜3個のR
31である)から選択される;
R
46は、C
1−C
8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
2−C
8アルキニル、C
3−C
8シクロアルキル、C
3−C
6シクロアルケニル、C
0−C
6アルキル−フェニル、フェニル−C
0−C
6アルキル、C
0−C
6アルキル−hetおよびhet−C
0−C
6アルキル(式中、任意のアルキル、アルケニルもしくはアルキニル上の置換基は1〜3個のR
38であり、任意のアリールもしくはhet上の置換基は1〜3個のR
31である)から選択される置換もしくは未置換基である;
R
45は、ヒドロキシ、C
1−C
11アルコキシ、C
3−C
12シクロアルコキシ、C
8−C
12アラルコキシ、C
8−C
12アルシクロアルコキシ、C
6−C
10アリールオキシ、C
3−C
10アルキルカルボニルオキシアルキルオキシ、C
3−C
10アルコキシカルボニルオキシアルキルオキシ、C
3−C
10アルコキシカルボニルアルキルオキシ、C
5−C
10シクロアルキルカルボニルオキシアルキルオキシ、C
5−C
10シクロアルコキシカルボニルオキシアルキルオキシ、C
5−C
10シクロアルコキシカルボニルアルキルオキシ、C
8−C
12アリールオキシカルボニルアルキルオキシ、C
8−C
12アリールオキシカルボニルオキシアルキルオキシ、C
8−C
12アリールカルボニルオキシアルキルオキシ、C
5−C
10アルコキシアルキルカルボニルオキシアルキルオキシ、(R
30)(R
30)N(C
1−C
10アルコキシ)−、
【0131】
【化76】
(式中、任意のアルキル、アルケニルもしくはアルキニル上の置換基は1〜3個のR
38であり、任意のアリールもしくはhet上の置換基は1〜3個のR
31である)から選択される置換もしくは未置換基である)およびそれらの医薬上許容可能な塩によって提示される。
【0132】
式I〜VIの化合物には、式I〜VI(式中、R
3A、R
5、R
10、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
29、およびR
44でのカルボン酸エステルは低級アルキルもしくは−CH
2CH
2−R
22(式中、R
22は以下の:
【0133】
【化77】
(式中、R
23は水素もしくはメチルであり、R
24は低級アルキルもしくは低級シクロアルキルである)うちの1つである)であってよい)のプロドラッグ化合物を含む医薬上許容される塩、およびエステルもまた含まれる。
【0134】
式VIの化合物の好ましい実施形態は、式VI’に示した立体化学構造を有する。
【0135】
【化78】
本明細書に記載の化合物の一部は1つまたは複数の不斉中心を含んでいてよく、したがって個々の立体異性体、個々のジアステレオマーおよびそれらの任意の混合物を含んでいてよい。さらに、本発明の化合物は、ZおよびE異性体を含む二重結合の幾何異性体を含有していてよく、そして純粋幾何異性体もしくはそれらの混合物として存在してよい。
【0136】
一部の好ましい実施形態では、本発明の方法は、以下の化合物またはそれらの医薬上許容可能な塩もしくはエステルを用いて実施される。
【0137】
【化79】
本発明の化合物には、以下:
【0141】
【化83】
の化合物またはそれらの医薬上許容可能な塩もしくはエステルが含まれる
本発明の化合物は、当業者によく知られている方法によって調製することができ、1つまたは複数の多形体を産生するための様々な条件下で結晶化もしくは沈降法を含む、多数の方法で精製できる。そこで、本発明は、上述した本発明の化合物、それらの多形体、それらの医薬上許容可能な塩、それらの医薬上許容可能な溶媒和物、およびそれらを含有する医薬上許容可能な組成物を含んでいる。
【0142】
好ましい実施形態の上述した例は、潜在的治療薬の一部を例示することを意図しており、決して本発明を限定することは意図していない。本発明の方法は、ドライアイ疾患を治療する目的で、LFA−1とICAM−1との相互作用の選択的、強力かつ直接的な競合的阻害剤である治療薬を同定するために、上述した方法を用いて同定できる抗体、抗体のフラグメント、ペプチドおよび他の合成分子を用いて実施できる。
【0143】
本明細書では、本明細書に記載の化合物ならびに診断および治療方法を利用するビジネス方法もまた提供される。1つのビジネス方法は、ペプチドもしくは低分子のLFA−1拮抗特性の同定、ならびに好ましくは局所的送達によるLFA−1媒介性疾患を治療するための化合物を開発する工程を含んでいる。本化合物は全身性では投与されないので、これらの薬物の全身性薬物動態プロフィールは典型的には決定されず、このため開発に利用できる薬物の候補プールは相当に大規模である。1つの実施形態では、LFA−1アンタゴニストが眼製剤に開発され、次にドライアイなどの眼障害を治療するために宣伝かつ販売される。Hut78アッセイは、典型的にはLFA−1拮抗特性を決定するために使用される。LFA−1拮抗特性に加えて、白血球拮抗特性を決定できる。
【0144】
III.投与
本発明の方法は、本明細書に記載の方法のLFA−1アンタゴニストを送達するために多数の適切な投与様式を利用することができる。身体の罹患領域へのそのような送達は、局所的もしくは全身性投与のいずれかを介して達成できる。適切な製剤および追加の担体は、その教示が全体として参照して本明細書に組み込まれる、Remington“The Science and Practice of Pharmacy”(20
th
Ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore MD)に記載されている。
【0145】
一部の実施形態では、本発明は、被験者に:(i)有効量の治療薬;および(ii)経口投与に適切な医薬賦形剤を含有する投与用の医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、本組成物は:(iii)有効量の第2治療薬をさらに含有する。
【0146】
眼障害における炎症を減少させるために、本発明の医薬組成物は、好ましくは眼表面、相互連絡している神経分布、結膜、涙腺、またはマイボーム腺に送達される。有効な治療が、経口投与、局所投与、注射、鼻腔内、経直腸、経皮、眼インサートもしくはインプラントなどの含浸もしくは塗布器具、または投与経路の中でも特にイオン導入法によって本発明の治療薬を投与する工程を含むことができることは想定されている。
【0147】
注射による投与のためには、医薬組成物は、筋肉内、動脈内、皮下、もしくは静脈内で注射できる。事前に選択した期間にわたって医薬組成物を投与するためにポンプ機構を使用できる。本発明の一部の実施形態のためには、薬物を局所送達するのが望ましい。そこで注射は、眼周囲、眼内、結膜下、球後、または眼房間(intercamerally)に行なうことができる。本発明の一部の実施形態のためには、全身性送達が好ましい。
【0148】
全身性投与のためには、本発明の化合物を調製して経口投与することができる。治療薬の局部的もしくは全身性分布のいずれかを生じさせる投与のためには、本発明の組成物は鼻腔内、経皮的、または一部の形態の経口投与によって、例えば消化管からの吸収が不良である本発明の化合物を組み込んでいるマウスウォッシュもしくはロゼンジ剤を使用して投与できる。本発明の組成物の局部的もしくは局所的送達を結果として生じさせる投与のためには、イオン導入もしくは局所投与を使用できる。
【0149】
さらに、本発明の医薬組成物は、ポンプ・カテーテルシステムを介して眼表面に投与できるか、または例えばOcusert(商標)System(Alza Corp社、カリフォルニア州パロ・アルト)において使用される器具などであるがそれらに限定されない膜などの持続的もしくは選択的放出器具内から放出できる。本医薬組成物は、後に被験者によって装着されるコンタクトレンズ内に組み込む、コンタクトレンズで運ぶ、またはコンタクトレンズに付着させることができる。本医薬組成物は、眼表面上にスプレーできる。
【0150】
本発明の医薬組成物は、障害もしくは基礎疾患を治療するための他の療法と結び付けて投与できる。例えば、本発明のLFA−1アンタゴニストは、被験者が、アザチオプリン、シクロホスホルアミド、メトトレキセート、抗マラリア薬、ミコフェノール酸モフェチル、ダクリツマブ、静脈内免疫グロブリン療法などの免疫抑制療法を受ける治療期間中に、同時または別個に投与される。また別の例では、本発明のLFA−1アンタゴニストは、被験者が、シクロスポリンA、コルチコステロイド、NSAIDS、アスピリン、ドキシサイクリンなどの他の抗炎症療法を受ける治療期間中に、同時または別個に投与される。さらに別の例では、本発明のLFA−1アンタゴニストは、被験者が、ホルモン療法などを受ける治療期間中に、同時または別個に投与される。さらにまた別の例では、本発明のLFA−1アンタゴニストは、被験者が、抗アレルギー療法、人工類液もしくは人工唾液を含むドライアイのための緩和ケア、水性分泌物を増加させるためのムスカリン性M3受容体アゴニスト、自己血清、ヒアルロン酸ナトリウム液滴などを受ける治療期間中に、同時または別個に投与される。これらの例は、単に例示するためであり、本発明を限定することは意図されていない。一部の実施形態では、LFA−1アンタゴニストは単回用量で投与される。LFA−1アンタゴニストの単回用量は、急性状態を治療するために他の作用物質(例、鎮痛剤)と共投与される場合にも使用できる。
【0151】
一部の実施形態では、LFA−1アンタゴニスト(単独または他の薬物と組み合わせて)は、複数回投与で投与される。投与は、1日当たり約1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回もしくは11回以上であってよい。投与は、約1カ月に1回、2週間毎に1回、1週間に1回、または1日おきに1回であってよい。1つの実施形態では、本薬物は鎮痛薬である。また別の実施形態では、LFA−1アンタゴニストおよび他の治療用物質は、1日に約1回〜1日に約10回まで一緒に投与される。また別の実施形態では、LFA−1アンタゴニストおよびまた別の治療用物質の投与は約7日間未満にわたり継続される。さらにまた別の実施形態では、共投与は、約6、10、14、28日間、2カ月間、6カ月間、または1年間を超えて継続される。一部の場合には、共投与される用量は、例えば慢性炎症のための投与のように必要である限り維持される。
【0152】
本発明の組成物の投与は、必要な限り持続されてよい。一部の実施形態では、本発明の組成物は、1、2、3、4、5、6、7、14、もしくは28日間を超えて投与される。一部の実施形態では、本発明の組成物は、28、14、7、6、5、4、3、2、もしくは1日間未満にわたり投与される。一部の実施形態では、本発明の組成物は、例えば慢性疼痛を治療するために、継続的に長期間にわたり投与される。
【0153】
本発明の方法におけるLFA−1アンタゴニストの投与は、日常的実験によって見いだすことができる。1日量は、約1×10
−7g〜5,000mgの範囲に及んでよい。1日量の範囲は、本明細書に記載したLFA−1アンタゴニスト、例えば使用されるエステルもしくは塩の形状、および/または投与経路に依存してよい。例えば、全身性投与のためには、典型的な1日量範囲は、例えば、約1〜5,000mg、もしくは約1〜3,000mg、もしくは約1〜2,000mg、もしくは約1〜1,000mg、もしくは約1〜500mg、もしくは約1〜100mg、もしくは約10〜5,000mg、もしくは約10〜3,000mg、もしくは約10〜2,000mg、もしくは約10〜1,000mg、もしくは約10〜500mg、もしくは約10〜200mg、もしくは約10〜100mg、もしくは約20〜2,000mg、もしくは約20〜1,500mg、もしくは約20〜1,000mg、もしくは約20〜500mg、もしくは約20〜100mg、もしくは約50〜5,000mg、もしくは約50〜4,000mg、もしくは約50〜3,000mg、もしくは約50〜2,000mg、もしくは約50〜1,000mg、もしくは約50〜500mg、もしくは約50〜100mg、約100〜5,000mg、もしくは約100〜4,000mg、もしくは約100〜3,000mg、もしくは約100〜2,000mg、もしくは約100〜1,000mg、もしくは約100〜500mgである。一部の実施形態では、LFA−1アンタゴニストの1日量は、約100、200、300、400、500、600、700、800、900、もしくは1,000mgである。一部の実施形態では、LFA−1アンタゴニストの1日量は10mgである。一部の実施形態では、LFA−1アンタゴニストの1日量は100mgである。一部の実施形態では、LFA−1アンタゴニストの1日量は500mgである。一部の実施形態では、LFA−1アンタゴニストの1日量は1,000mgである。
【0154】
眼表面へ局所送達するために、典型的な1日量の範囲は、例えば、約1×10
−7g〜5.0g、もしくは約1×10
−7g〜2.5g、もしくは約1×10
−7g〜1.00g、もしくは約1×10
−7g〜0.5g、もしくは約1×10
−7g〜0.25g、もしくは約1×10
−7g〜0.1g、もしくは約1×10
−7g〜0.05g、もしくは約1×10
−7g〜0.025g、もしくは約1×10
−7g〜1×10
−2g、もしくは約1×10
−7g〜5×10
−3g、もしくは約1×10
−7g〜2.5×10
−3g、もしくは約1×10
−7g〜1×10
−3g、もしくは約1×10
−7g〜5×10
−4g、もしくは約1×10
−6g〜5.0g、もしくは約1×10
−6g〜2.5g、もしくは約1×10
−6g〜1g、もしくは約1×10
−6g〜0.5g、もしくは約1×10
−6g〜0.25g、もしくは約1×10
−6g〜0.1g、もしくは約1×10
−6g〜5×10
−2g、もしくは約1×10
−6g〜5×10
−2g、もしくは約1×10
−6g〜2.5×10
−2g、もしくは約1×10
−6g〜1×10
−2g、もしくは約1×10
−6g〜5×10
−3g、もしくは約1×10
−6g〜2.5×10
−3g、もしくは約1×10
−6g〜1×10
−3g、もしくは約1×10
−6g〜5×10
−4g、もしくは約1×10
−5g〜5g、もしくは約1×10
−5g〜2.5g、もしくは約1×10
−5g〜1g、もしくは約1×10
−5g〜0.5g、もしくは約1×10
−5g〜0.25g、もしくは約1×10
−5g〜0.1g、もしくは約1×10
−5g〜0.05g、もしくは約1×10
−5g〜2.5×10
−2g、もしくは約1×10
−5g〜1×10
−2g、もしくは約1×10
−5g〜5×10
−3g、もしくは約1×10
−5g〜2.5×10
−3g、もしくは約1×10
−5g〜1×10
−3g、もしくは約1×10
−5g〜5×10
−4gである。一部の実施形態では、LFA−1アンタゴニストの1日量は、約1×10
−7、1×10
−6、1×10
−5、1×10
−4、1×10
−3g、1×10
−2g、1×10
1g、もしくは1gである。一部の実施形態では、LFA−1アンタゴニストの1日量は1×10
−7gである。一部の実施形態では、LFA−1アンタゴニストの1日量は1×10
−5gである。一部の実施形態では、LFA−1アンタゴニストの1日量は1×10
−3gである。一部の実施形態では、LFA−1アンタゴニストの1日量は1×10
−2gである。一部の実施形態では、個別用量範囲は、約1×10
−7g〜5.0g、もしくは約1×10
−7g〜2.5g、もしくは約1×10
−7g〜1.00g、もしくは約1×10
−7g〜0.5g、もしくは約1×10
−7g〜0.25g、もしくは約1×10
−7g〜0.1g、もしくは約1×10
−7g〜0.05g、もしくは約1×10
−7g〜0.025g、もしくは約1×10
−7g〜1×10
−2g、もしくは約1×10
−7g〜5×10
−3g、もしくは約1×10
−7g〜2.5×10
−3g、もしくは約1×10
−7g〜1×10
−3g、もしくは約1×10
−7g〜5×10
−4g、もしくは約1×10
−6g〜5.0g、もしくは約1×10
−6g〜2.5g、もしくは約1×10
−6g〜1g、もしくは約1×10
−6g〜0.5g、もしくは約1×10
−6g〜0.25g、もしくは約1×10
−6g〜0.1g、もしくは約1×10
−6g〜5×10
−2g、もしくは約1×10
−6g〜5×10
−2g、もしくは約1×10
−6g〜2.5×10
−2g、もしくは約1×10
−6g〜1×10
−2g、もしくは約1×10
−6g〜5×10
−3g、もしくは約1×10
−6g〜2.5×10
−3g、もしくは約1×10
−6g〜1×10
−3g、もしくは約1×10
−6g〜5×10
−4g、もしくは約1×10
−5g〜5g、もしくは約1×10
−5g〜2.5g、もしくは約1×10
−5g〜1g、もしくは約1×10
−5g〜0.5g、もしくは約1×10
−5g〜0.25g、もしくは約1×10
−5g〜0.1g、もしくは約1×10
−5g〜0.05g、もしくは約1×10
−5g〜2.5×10
−2g、もしくは約1×10
−5g〜1×10
−2g、もしくは約1×10
−5g〜5×10
−3g、もしくは約1×10
−5g〜2.5×10
−3g、もしくは約1×10
−5g〜1×10
−3g、もしくは約1×10
−5g〜5×10
−4gである。一部の実施形態では、上述した個別用量は、1日に1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10回繰り返される。
【0155】
他の投与形態のためには、1日量はほぼ全身性投与のために記載された範囲に及んでよく、またはほぼ局所投与のために記載された範囲に及んでよい。
【0156】
IV.製剤
本発明の化合物は、当技術分野においてよく知られている適切なビヒクル中で無菌溶液もしくは懸濁液として調製できる。適切な製剤および追加の担体は、その教示が全体として参照して本明細書に組み込まれる、Remington“The Science and Practice of Pharmacy”(20
th Ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore MD)に記載されている。
【0157】
注射製剤のためには、ビヒクルは、ゴマ油、コーン油、綿実油、もしくはピーナッツ油、ならびにエリキシル剤、マンニトール、デキストロース、または無菌水溶液、および類似の医薬用ビヒクルとともに、水溶液もしくは油性懸濁液、またはエマルジョンを含む、適切であることが当技術分野において知られているビヒクルから選択できる。
【0158】
薬物の濃度は、調整でき、溶液のpHを緩衝し、等張性を当技術分野においてよく知られているように静脈注射液と適合するように調整できる。
【0159】
経口製剤は、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、ピル剤、ウエハー剤、チューインガム、ロゼンジ剤、水性溶液もしくは懸濁液、油性懸濁液、シロップ剤、エリキシル剤、または分散性の散剤もしくは顆粒剤などであってよく、当技術分野において知られている任意の方法で作製できる。経口製剤は、さらにまた甘味料、フレーバー剤、着色剤および保存剤もまた含有していてよい。錠剤形のための医薬上許容可能な賦形剤は、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、もしくはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤などの非毒性成分を含むことができる。
【0160】
経口使用するための錠剤の場合は、一般に使用される担体には、ラクトースおよびコーンスターチが含まれ、そしてステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤が一般に添加される。カプセル形で経口投与するために、有用な担体にはラクトースおよびコーンスターチが含まれる。担体および賦形剤のまた別の非限定的例には、牛乳、砂糖、特定のタイプの粘土、ゼラチン、ステアリン酸もしくはその塩、ステアリン酸カルシウム、タルク、植物性脂肪もしくは油、ガムおよびグリコールが含まれる。
【0161】
本発明の医薬組成物および製剤を形成するために使用できる界面活性剤には、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、およびそれらの混合物が含まれるがそれらに限定されない。すなわち、親水性界面活性剤の混合物を使用できる、親油性界面活性剤の混合物を使用できるか、または少なくとも1つの親水性界面活性剤と少なくとも1つの親油性界面活性剤との混合物を使用できる。
【0162】
適切な親水性界面活性剤は一般に少なくとも10のHLB値を有していてよいが、他方適切な親油性界面活性剤は一般に約10以下のHLB値を有していてよい。非イオン性両親媒性化合物の相対的親水性および疎水性を特徴付けるために使用される実証的パラメータは、親水性−親油性平衡(「HLB」値)である。低いHLB値を有する界面活性剤はより親油性もしくは疎水性であり、油中でより大きな溶解性を有するが、他方高いHLB値を有する界面活性剤はより親水性であり、水溶液中で大きな溶解性を有する。親水性界面活性剤は一般に約10より大きいHLB値を有する化合物、ならびにHLB尺度を一般に適用できないアニオン性、カチオン性、または両性イオン性化合物であると考えられる。同様に、親油性(すなわち、疎水性)界面活性剤は、約10以下のHLB値を有する化合物である。しかし、界面活性剤のHLB値は、単に工業用、医薬用および化粧品用エマルジョンの調製を可能にするために一般に使用される大まかな指針である。
【0163】
親水性界面活性剤は、イオン性または非イオン性のいずれかであってよい。適切なイオン性界面活性剤には、アルキルアンモニウム塩;フシジン酸塩;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドのグリセリド誘導体;レシチンおよび水素添加レシチン;リゾレシチンおよび水素添加リゾレシチン;リン脂質およびその誘導体;リゾリン脂質およびその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸の塩;脂肪酸塩;ドキュセートナトリウム;アシルラクチレート;モノ−およびジ−グリセリドのモノ−およびジアセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノ−およびジグリセリド;モノ−およびジグリセリドのクエン酸エステル;ならびにそれらの混合物が含まれるがそれらに限定されない。
【0164】
上記の群内で、好ましいイオン性界面活性剤には、例えば:レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質およびそれらの誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸塩;脂肪酸塩;ドキュセートナトリウム;アシルラクチレート;モノ−およびジ−グリセリドのモノ−およびジ−アセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノ−およびジ−グリセリド;モノ−およびジ−グリセリドのクエン酸エステル;ならびにそれらの混合物が含まれる。
【0165】
イオン性界面活性剤は、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG−ホスファチジルエタノールアミン、PVP−ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸のラクチル酸エステル、ステアロイル−2−ラクチレート、ラクチル酸ステアロイル、スクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン、カプロン酸塩、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミン酸塩、オレイン酸塩、リシノール酸塩、リノール酸塩、リノレン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリル硫酸塩、テラセシル(teracecyl)硫酸塩、ドキュセート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、ならびにそれらの塩および混合物のイオン化形であってよい。
【0166】
親水性非イオン性界面活性剤には、アルキルグリコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリエチレングリコールアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリエチレングリコールアルキルフェノールなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール;ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステルおよびポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルなどのポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリド、植物油、水素添加植物油、脂肪酸、およびステロールからなる群の少なくともメンバーとのポリオールの親水性エステル交換生成物;ポリオキシエチレンステロール、それらの誘導体およびアナログ;ポリオキシエチル化ビタミンおよびそれらの誘導体;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーおよびそれらの混合物;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルならびにポリオールとトリグリセリド、植物油、および水素添加植物油からなる群の少なくともメンバーとの親水性エステル交換生成物が含まれてよいが、それらに限定されない。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリトリトール、または糖類であってよい。
【0167】
他の親水性非イオン性界面活性剤には、制限なく、PEG−10ラウレート、PEG−12ラウレート、PEG−20ラウレート、PEG−32ラウレート、PEG−32ジラウレート、PEG−12オレエート、PEG−15オレエート、PEG−20オレエート、PEG−20ジオレエート、PEG−32オレエート、PEG−200オレエート、PEG−400オレエート、PEG−15ステアレート、PEG−32ジステアレート、PEG−40ステアレート、PEG−100ステアレート、PEG−20ジラウレート、PEG−25グリセリルトリオレエート、PEG−32ジオレエート、PEG−20グリセリルラウレート、PEG−30グリセリルラウレート、PEG−20グリセリルステアレート、PEG−20グリセリルオレエート、PEG−30グリセリルオレエート、PEG−30グリセリルラウレート、PEG−40グリセリルラウレート、PEG−40パーム核油、PEG−50水素添加ヒマシ油、PEG−40ヒマシ油、PEG−35ヒマシ油、PEG−60ヒマシ油、PEG−40水素添加ヒマシ油、PEG−60水素添加ヒマシ油、PEG−60コーン油、PEG−6カプリン酸/カプリル酸グリセリド、PEG−8カプリン酸/カプリル酸グリセリド、ポリグリセリル−10ラウレート、PEG−30コレステロール、PEG−25フィトステロール、PEG−30大豆ステロール、PEG−20トリオレエート、PEG−40ソルビタンオレエート、PEG−80ソルビタンラウレート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE−9ラウリルエーテル、POE−23ラウリルエーテル、POE−10オレイルエーテル、POE−20オレイルエーテル、POE−20ステアリルエーテル、トコフェリルPEG−100スクシネート、PEG−24コレステロール、ポリグリセリル−10オレエート、Tween40、Tween60、スクロースモノステアレート、スクロースモノラウレート、スクロースモノパルミテート、PEG10−100ノニルフェノールシリーズ、PEG15−100オクチルフェノールシリーズ、ならびにポロキサマーが含まれる。
【0168】
適切な親油性界面活性剤は、単に例としてだけであるが、脂肪アルコール;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ステロールおよびステロール誘導体;ポリオキシエチル化ステロールおよびステロール誘導体;ポリエチレングリコールアルキルエーテル;糖エステル;糖エーテル;モノ−およびジ−グリセリドの乳酸誘導体;ポリオールと、グリセリド、植物油、水素添加植物油、脂肪酸およびステロールからなる群から選択される少なくともメンバーとの疎水性エステル交換生成物;油溶性ビタミン/ビタミン誘導体;ならびにそれらの混合物が含まれる。この群内で、好ましい親油性界面活性剤には、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびそれらの混合物を含み、またはポリオールと植物油、水素添加植物油、およびトリグリセリドからなる群の少なくともメンバーとの疎水性エステル交換生成物である。
【0169】
界面活性剤は、その使用が他の点で禁忌でない場合には本発明の任意の製剤中に使用できる。本発明の一部の実施形態では、界面活性剤の不使用または限定されたクラスの界面活性剤の使用が好ましい。
【0170】
経口投与のために本発明の化合物を調製する場合には、消化(GI)管からの吸収を増強するために胃保持型製剤を利用するのが望ましいことがある。数時間にわたり胃内に保持される製剤は、本発明の化合物を緩徐に放出して、本発明の一部の実施形態では好ましい可能性がある徐放性を提供できる。そのような胃保持型製剤の開示は、Klausner,E.A.;Lavy,E.;Barta,M.;Cserepes,E.;Friedman,M.;Hoffman,A.2003“Novel gastroretentive dosage forms:evaluation of gastroretentivity and its effect on levodopa in humans.”Pharm.Res.20,1466−73,Hoffman,A.;Stepensky,D.;Lavy,E.;Eyal,S.Klausner,E.;Friedman,M.2004“Pharmacokinetic and pharmacodynamic aspects of gastroretentive dosage forms”Int.J.Pharm.11,141−53,Streubel,A.;Siepmann,J.;Bodmeier,R.;2006“Gastroretentive drug delivery systems”Expert Opin.Drug Deliver.3,217−3,and Chavanpatil,M.D.;Jain,P.;Chaudhari,S.;Shear,R.;Vavia,P.R.“Novel sustained release,swellable and bioadhesive gastroretentive drug delivery system for olfoxacin”Int.J.Pharm.2006 epub March 24に見いだすことができる。拡張性、浮遊性および生体接着剤技術を利用して、本発明の化合物の吸収を最大化することができる。
【0171】
鼻内投与は、被験者が吸入する、本発明の化合物からなる呼吸用粒子のエーロゾル懸濁液を利用できる。本発明の化合物は、肺吸収によって血流内に吸収されるか、または鼻涙管を介して涙腺組織に接触し、引き続いて医薬有効量で涙腺組織へ送達される。呼吸用粒子は、吸収するために有効であることが当技術分野において知られているように、適切な粒径の粒子を備える固体もしくは液体であってよい。吸入もしくは通気のための組成物には、医薬上許容可能な水性もしくは有機溶媒中の溶液および懸濁液、またはそれらの混合物、および散剤が含まれる。液体もしくは固体組成物は、上述したように適切な医薬上許容可能な賦形剤を含有していてよい。好ましくは、本組成物は、局所もしくは全身性作用のために経口もしくは経鼻呼吸経路によって投与される。好ましくは医薬上許容可能な溶媒中の組成物は、不活性気体によって噴霧化できる。噴霧化された溶液は、噴霧化器具から直接的に吸入できるか、または噴霧化器具は、フェースマスクテント、もしくは間欠的陽圧呼吸装置に取り付けることができる。溶液、懸濁液、もしくは散剤組成物は、適切な方法で製剤を送達する器具から、好ましくは経口もしくは経鼻的に投与できる。
【0172】
経皮的投与のためには、当技術分野において知られている任意の適切な製剤を、液剤、懸濁剤、ゲル剤、散剤、クリーム剤、油剤、固形剤、ジメチルスルホキシド(DMSO)を基剤とする液剤、またはパッチもしくは当技術分野において知られている他の送達システムに使用するためのリポソーム製剤のいずれかとして利用できる。医薬組成物はさらに、皮膚の角質層透過性障壁を越える治療分子の浸透を増加させる、もしくは送達を補助する化合物である適切な固体もしくはゲル相担体もしくは賦形剤を含むことができる。局所用製剤の分野における当業者に知られている、多数のこれらの浸透強化分子が存在する。そのような担体および賦形剤の例には、湿潤剤(例、尿素)、グリコール(例、プロピレングリコール)、アルコール(例、エタノール)、脂肪酸(例、オレイン酸)、界面活性剤(例、イソプロピルミリステートおよびラウリル硫酸ナトリウム)、ピロリドン、グリセロールモノラウレート、スルホキシド、テルペン(例、メントール)、アミン、アミド、アルカン、アルカノール、水、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、ならびにポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれるがそれらに限定されない。医薬物質を送達するための経皮パッチの構造および使用は、当技術分野においてよく知られている。例えば、米国特許第5,023,252号、第4,992,445号および第5,001,139号を参照されたい。そのようなパッチは、医薬物質の持続性、拍動性、またはオンデマンド送達のために構築できる。
【0173】
局所投与のためには、眼科学の分野において使用される局所的眼投与のための全製剤(例えば、点眼剤、インサート、アイパック、含浸コンタクトレンズ、ポンプデリバリーシステム、ジメチルスルホキシド(DMSO)を基剤とする液剤、懸濁剤、リポソーム剤、および眼軟膏)ならびに皮膚学および耳鼻咽喉科学の分野において外用するための全製剤(例えば、軟膏剤(ointment)、クリーム剤、ゲル剤、散剤、軟膏剤(salve)、ローション剤、結晶剤、発泡剤、およびスプレー剤)は当技術分野において知られているように利用できる。さらに、本発明の化合物へ送達するために、鼻道の皮膚および粘膜へ局所投与するためのあらゆる適切な製剤を利用できる。本発明の医薬組成物は、それらのうちのいずれかが本発明の目的に適切であることが当技術分野において知られている局所もしくは経口投与のためのリポソーム製剤であってよい。
【0174】
本発明の医薬組成物および製剤を形成するために使用できる潤滑剤には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素添加植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、またはそれらの混合物が含まれるがそれらに限定されない。追加の潤滑剤には、例えば、シロイドシリカゲル、合成シリカの凝固エーロゾル、またはそれらの混合物が含まれる。潤滑剤は、医薬組成物の約1重量%未満の量で任意に添加することができる。
【0175】
さらに、本発明の化合物は、局所的もしくは全身性投与のためにインサート上、インサート内、もしくはインサートに付着させた徐放性製剤中で使用するために生体適合性ポリマーへ放出可能に付着させることができることは想定されている。生体適合性ポリマーからの制御放出は、同様に点滴注入用製剤を形成するために水溶性ポリマーとともに利用できる。
【0176】
点眼剤は、生理的食塩水、緩衝液などの無菌水溶液中に有効成分を溶解させる工程によって、または使用前に溶解させるべき散剤組成物を結合する工程によって調製できる。当技術分野において知られているように、平衡食塩液、食塩液、ポリエチレングリコールなどの水溶性ポリエーテル、ポリビニル、ポリビニルアルコールおよびポビドンなどのセルロース誘導体、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、鉱油および白色ワセリンなどの石油誘導体、ラノリンなどの動物脂肪、カルボキシポリメチレンゲルなどのアクリル酸のポリマー、落花生油などの植物油およびデキストランなどの多糖類、ならびにヒアルロン酸ナトリウムなどのグリコサミノグリカンを含むがそれらに限定されない他のビヒクルを選択できる。所望であれば、点眼剤で通常使用される添加物を添加できる。そのような添加物には、等張化剤(例えば、塩化ナトリウムなど)、緩衝剤(例えば、ホウ酸、一水素リン酸ナトリウム、二水素リン酸ナトリウムなど)、保存料(例えば、塩化ベンズアルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノールなど)、増粘剤(例えば、ラクトース、マンニトール、マルトースなどの糖類;例えば、ヒアルロン酸もしくはヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウムなどのその塩;例えば、硫酸コンドロイチンなどのムコ多糖;例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、架橋ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたは当業者に知られている他の物質)が含まれる。
【0177】
本組成物の成分の溶解度は、組成物中の界面活性剤もしくは他の適切な共溶媒によって増強することができる。そのような共溶媒には、ポリソルベート20、60、および80、Pluronic F68、F−84およびP−103、シクロデキストリン、または当業者に知られている他の物質が含まれる。そのような共溶媒は、重量で約0.01%〜2%のレベルで使用できる。
【0178】
本発明の組成物は、保存料を含有していない無菌単位用量タイプとして調製できる。本発明の組成物は、多用量形で包装できる。使用中の細菌汚染を防止するために、保存料が好ましいことがある。適切な保存料には、塩化ベンズアルコニウム、チメロサール、クロロブタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸二ナトリウム、ソルビン酸、Onamer M、または当業者に知られている他の物質が含まれる。先行技術の眼科用製品では、そのような保存料は0.004%〜0.02%のレベルで使用できる。本出願の組成物では、保存料、好ましくは、塩化ベンズアルコニウムは、重量で0.001%〜0.01%未満、例えば0.001%〜0.008%、好ましくは約0.005%のレベルで使用できる。0.005%の塩化ベンズアルコニウムの濃度は、本発明の組成物を細菌攻撃から保護するために十分な可能性があることが見いだされている。
【0179】
本発明において使用される有効成分の投与の量および投与回数は、患者の性別、年齢および体重、治療される症状、望ましい治療作用、投与経路および治療期間によって変動する。成人用の点眼剤については、本発明の化合物を含有する製剤の濃度範囲は、約0.0001〜10.0(W/V)%、約0.005〜10.0(W/V)%、約0.01〜10.0(W/V)%、約0.05〜10.0(W/V)%、約0.1〜10.0(W/V)%、約0.5〜10.0(W/V)%、約1.0〜10.0(W/V)%、約20〜10.0(W/V)%、約3.0〜10.0(W/V)%、約4.0〜10.0(W/V)%、または約5.0〜10.0(W/V)%に及んでよい。本発明の1つの実施形態は、本発明の化合物の約1.0〜10.0(W/V)%の製剤を有している。本発明の1つの実施形態は、本発明の化合物の約0.01〜10.0(W/V)%の製剤を有している。本発明の1つの実施形態は、本発明の化合物の約5.0〜10.0(W/V)%の製剤を有している。本投与は、1眼につき1日に数回、好ましくは1〜10回、より好ましくは1〜4回、最も好ましくは1日1回投与されてよい。投与される滴の径の範囲は、約10〜100μL、約10〜90μL、約10〜80μL、約10〜70μL、約10〜60μL、約10〜50μL、約10〜40μL、約10〜30μL、約20〜100μL、約20〜90μL、約20〜80μL、約20〜70μL、約20〜60μL、約20〜50μL、約20〜40μL、または約20〜30μLであってよい。本発明の1つの実施形態は、10〜30μLの範囲内の滴を投与する。本発明の1つの実施形態は、10〜100μLの範囲内の滴を投与する。本発明の1つの実施形態は、20〜50μLの範囲内の滴を投与する。本発明の1つの実施形態は、10〜60μLの範囲内の滴を投与する。
【0180】
本発明の製剤は、1回につき数滴、1〜4滴、好ましくは1〜3滴、より好ましくは1〜2滴、および最も好ましくは1日当たり1滴を投与されてよい。
【0181】
軟膏剤、クリーム剤、ローション剤もしくはスプレー剤の製剤については、製剤中の本発明の化合物の濃度範囲は、約0.0001〜10.0(W/V)%、約0.005〜10.0(W/V)%、約0.01〜10.0(W/V)%、約0.05〜10.0(W/V)%、約0.1〜10.0(W/V)%、約0.5〜10.0(W/V)%、約1.0〜10.0(W/V)%、約20〜10.0(W/V)%、約3.0〜10.0(W/V)%、約4.0〜10.0(W/V)%、または約5.0〜10.0(W/V)%に及んでよい。本発明の1つの実施形態は、本発明の化合物の約1.0〜10.0(W/V)%の製剤を有している。本発明の1つの実施形態は、本発明の化合物の約0.01〜10.0(W/V)%の製剤を有している。本発明の1つの実施形態は、本発明の化合物の約5.0〜10.0(W/V)%の製剤を有している。これらの製剤は、1日に数回、好ましくは1〜6回、より好ましくは1〜4回、最も好ましくは1日1回適用またはスプレーされてよい。各成分の配合比は、炎症もしくは感染の程度に基づいて適切に増減させることができる。
【0182】
本発明の製剤は、それらが本発明のために禁忌ではない限り、他の薬理学的有効成分をさらに含むことができる。複数の有効成分の組み合わせでは、それらの各含量は,
それらの作用および安全性を考慮に入れて適切に増減されてよい。
【0183】
V.キット
本発明は、キットもまた提供する。本キットは、適切な包装内の本発明の化合物、および使用説明書、臨床試験についての考察、副作用の一覧などを含むことができる文書資料を含んでいる。本キットは、本発明のLFA−1アンタゴニストと共投与されるまた別の治療薬をさらに含有していてよい。一部の実施形態では、治療薬および本発明のLFA−1アンタゴニストは、キット内の個別容器内の個別組成物として提供される。一部の実施形態では、治療薬および本発明のLFA−1アンタゴニストは、キット内の容器内の単独組成物として提供される。適切な方法および使用するための追加の物品(例えば、液体調合液のメジャーカップ、空気への曝露を最小限に抑えるためのアルミホイル、ディスペンサーなど)は、当技術分野において知られており、キット内に含めることができる。
【0184】
VI.治療方法において有用な新規な化合物を同定する方法
A.アッセイ方法の背景
1.二価カチオンへのリガンド親和性の依存性
二価カチオンはインテグリン/リガンド結合において極めて重要な役割を果たし、それらの存在はこれらの相互作用についての実験研究において不可欠である。Hynes,R.O.1992.Integrins:Versatility,modulation,and signaling in cell adhesion,Cell,69:11−25;Humphries,M.J.1996.Integrin activation:the link between ligand binding and
signal transduction,Curr.Op.Cell Biol.,8:632−640を参照されたい。蛍光偏光を用いて、2組の一般に使用される二価カチオン条件下でICAM−1−Igならびに化合物1、3、および4(構造は
図4に示した)のLFA−1に対する親和性を測定した。最初に化合物1のLFA−1に対する親和性を直接結合アッセイにおいて測定し、次にICAM−1−Igならびに化合物3および4のLFA−1に対する親和性を化合物1のLFA−1に対する親和性と競合させて測定した(
図4、および
図5における表1)。IDASに結合するA−286982の親和性は、化合物1のLFA−1に対する親和性と競合しないので測定しなかった(以下を参照されたい)。ICAM−1−Igについてと同様に、様々なカチオン条件下で、化合物1、3、および4のLFA−1に対する親和性において類似の変化が測定された。低分子親和性は、CaCl
2およびMgCl
2の存在下で測定された親和性に比してMnCl
2の存在下では少なくとも10倍増加する。これらの低分子は、二価カチオンの不在下ではLFA−1へは結合しない(データは示していない)。同様に、同一方法で測定すると、MnCl
2の存在下では、可溶性タンパク質であるICAM−1−IgのLFA−1に対する結合親和性は、CaCl
2およびMgCl
2の存在下での親和性より少なくとも4倍良好である。そこで、IドメインのIDAS領域に結合することが知られている(Liu,G.,Huth,J.R.,Olejniczak,E.T.,Mendoza,R.,DeVries,P.,Leitza,S.,Reilly,E.B.,Okasinski,G.F.,Fesik,S.W.,and von Geldern,T.W.2001.Novel p−arylthio cinnamides as antagonists of leukocyte function−associated antigen−1/intracellular adhesion molecule−1 interaction.2.Mechanism of inhibition and structure−based improvement of pharmaceutical properties,J.Med.Chem.,44:1202−1210.,Huth,J.R.,Olejniczak,E.T.,Mendoza,R.,Liang,H.,Harris,E.A.S.,Lupher,M.L.Jr.,Wilson,A.E.,Fesik,S.W.,and Staunton,D.E.2000.NMR and mutagenesis evidence for an I domain allosteric site that regulates lymphocyte function−associated antigen 1 ligand binding,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,97:5231−5236.)およびカチオン非依存性方法でLFA−1に結合することが報告されている(Welzenbach,K.,Hommel,U.,and Weitz−Schmidt,G.2002.Small molecule inhibitors induce conformational changes
in the I domain and the I−like domain of Lymphocyte Function−Associated Antigen−1,J.Biol.Chem.,277:10590−10598)A−286982を含むLFA−1アンタゴニストのクラスとは相違して、ICAM−1−Igおよび化合物1〜4によって提示されるクラスのLFA−1アンタゴニストはどちらも、LFA−1結合について二価カチオン感受性を共有している(表1)。結果として、ICAM−1−Igならびに化合物1〜4のアンタゴニストへ類似方法で結合するLFA−1/ICAM−1のアンタゴニストを同定するために、本明細書に記載した全結合アッセイは、ICAM−1およびこれらのカチオン感受性アンタゴニストのどちらの結合も最大化することが知られているMnCl
2の存在下の類似条件下で実施した。
【0185】
2.LFA−1のαLサブユニットへの化合物5の架橋結合
低分子アンタゴニストである化合物5の結合部位を同定するために、トリチウム標識した、化合物3の光活性化可能なアナログをLFA−1へ結合させ、次に光架橋結合させた。特異的な高親和性架橋結合を最大化するために、照射前に結合していない、または弱く結合した化合物5を取り除くためにサンプルをゲル濾過にかけることが必要であった(
図6、レーンe対fおよびg対h)。ゲル濾過の不在下では、LFA−1αサブユニット、βサブユニット、およびヘテロダイマーへの化合物5の有意な架橋結合が生じたが(およそ200,000でのバンド)、ゲル濾過サンプル中では非特異的架橋結合は観察されなかった(データは示していない)。ゲル濾過条件下では、化合物5はαLサブユニットにだけ特異的に架橋結合した(
図6、レーンcおよびg)。さらに、インキュベーション中の化合物3の存在は、αLサブユニット内へのトリチウムの取込みを実質的に減少させた(
図6、レーンe対g)。同様に、化合物3の存在下では、ゲル濾過の不在下ではαLサブユニット、β2サブユニットおよびヘテロダイマー内へのトリチウムの取込みの減少はわずかであった(
図6、レーンf対h)。単離され、構造的に無傷のαLもしくはβ2サブユニットのゲル濾過されたサンプルが使用された場合は、化合物5の架橋結合は発生しなかった(データは示していない)。そこで、ゲル濾過後に架橋結合させるために必要とされる高親和性結合部位は、無傷LFA−1ヘテロダイマーによって提供される。単離されたαLサブユニット内の高親和性部位の不在は、XVA143と単離されたIドメインとの相互作用の欠如を証明している以前の試験と一致している(Welzenbachら、2002)。
【0186】
架橋結合の部位は、ヒドロキシルアミンを用いて親和性標識したαLサブユニットをフラグメント化し、フラグメントを電気泳動法により分離させ、次にタンパク質配列内のそれらの位置を決定するために放射標識フラグメント上でのN末端シーケンシングを実行することによってさらに規定した。第1は残基1(見いだされた配列:YNLDVRGARSFS)および第2は残基30(見いだされた配列:GVIVGAPGEGNST)で始まっている2つの配列が同定された(Larson,R.S.,Corbi,A.L.,Berman,L.,and Springer,T.1989.Primary structure of the leukocyte function−associated molecule−1 alpha subunit:an integrin with an embedded domain defining a protein superfamily,J.Cell Biol,.108:703−712)。どちらのペプチドも、SDS−PAGE上のそれらのサイズ(50〜60kDa)によって判定すると長さが約500アミノ酸であった;このフラグメントサイズは、ヒドロキシルアミンについての次の2つの予想開裂部位(N−G)、N507およびN530と一致している(Larsonら、1989,Bornstein,P.1969.The nature of a hydroxylamine−sensitive bond in collagen,Biochem.Biophys.Res.Comm.,36:957−964)。このサブユニットのC末端半分内には標識は取り込まれなかった。架橋結合部位をさらに絞り込む試みは成功しなかった。臭化シアンもしくはLys−Cのいずれかを用いて、標識されたαLサブユニットの制限消化後には、定義可能な標識されたペプチドを回収することはできなかった。
【0187】
3.Iドメインが欠如しているLFA−1への化合物2Bの結合の欠如
化合物2Bおよび標識されたアナログのLFA−1への結合においてIドメインが果たす役割は、Iドメインが欠如しているαLサブユニットの構築体を調製することによって証明された。単独(mock)またはIドメインが欠如している構築物もしくは野生型αLを備えるβ2構築体を293細胞内にトランスフェクトし、トランスフェクトされた細胞への化合物2Bの結合を試験した(
図7)。化合物2Bは野生型αLトランスフェクトされた細胞への実質的な結合を示したが、mock(β2)トランスフェクトされた細胞への結合に比較してIドメインが欠如しているαLでトランスフェクトされた細胞への有意な結合を全く証明しなかった。トランスフェクタントについてもそれらがICAM−1−Igへ付着する能力について試験され、予想されたように、Iドメインが欠如しているLFA−1トランスフェクトされた細胞およびmockトランスフェクタントは識別不能な結合のバックグラウンドレベルを示したが、野生型αLトランスフェクトされた細胞は強固な接着を示した(
図7B)(Yalamanchili,P.,Lu,C.,Oxvig,C.,and Springer T.A.2000.Folding and function of I domain−deleted Mac−1 and lymphocyte function−associated antigen−1,J.Biol.Chem.,275:21877−21882)。トランスフェクトされた細胞へのパネルのLFA−1抗体の結合についての評価は、Iドメインへマッピングされた抗体による結合の消失とは別に、LFA−1ヘテロダイマーはαLIドメインが欠如しているトランスフェクトされた細胞においては無傷であるように見えた(データは示していない)。
【0188】
データは、化合物3および関連分子が以前にLFA−1のαLサブユニット内のIドメインのMIDASモチーフを含むことが証明されているICAM−1結合部位と重複するLFA−1上の高親和性部位へ結合するという結論を支持している(Shimaoka,M.,Xiao,T.,Liu,J.−H.,Yang,Y.,Dong,Y.,Jun,C−D.,McCormack,A.Zhang,R.,Joachimiak,A.,Takagi,J.,Wang,J.−H.,and Springer,T.A.2003a.Structures of the alpha L I domain and its complex with ICAM−1 reveal a shape−shifting pathway for integrin regulation,Cell,112:99−111.)。
【0189】
LFA−1上のICAM−1と低分子アンタゴニスト結合部位が極めて接近していることについての確実な証拠は、ICAM−1−Igおよび化合物2Bの両方の結合にIドメインの欠失が及ぼす共通作用において見ることができる。化合物2BおよびICAM−1はどちらも、ICAM−1結合部位が位置するドメインであるIドメインが欠如しているLFA−1へ結合することができなかった。さらに、A−286982がICAM−1−Igおよび化合物2Bの両方の結合をアロステリックとして修飾する能力は、LFA−1αサブユニットのIドメイン内のIDASモチーフ内のA−286982結合部位へそれらの結合部位が極めて近接していることと一致している(Liu,G.2001b.Small molecule antagonists of the LFA−1/ICAM−1 interaction as potential therapeutic agents,Expert Opin.Ther.Patents,11:1383−1393,Liuら、2001)。LFA−1のα鎖への化合物5の選択的光化学的架橋結合は、その結合部位をこのサブユニットの残基30〜507内へ局在化する。上述した所見のすべては、LFA−1のα鎖のIドメイン内に位置した単一高親和性低分子結合部位と一致している。
【0190】
相対的に高い濃度の化合物5を用いて実施した光化学架橋結合試験(4.1μM、
図6)は、LFA−1上の追加の低親和性低分子結合部位についての直接的証拠を与える。劇的に相違するタンパク質および架橋結合パターンは、ゲル濾過の存在下および不在下で観察される。照射前に結合していない、および弱く結合している分子を除去するためにサンプルがゲル濾過される場合は、αサブユニットの高親和性標識しか観察されない。しかし、ゲル濾過工程の不在下では、化合物5とLFA−1との複合体の照射は、結果としてαサブユニットへの高強度架橋結合および化合物5との複合体がゲル濾過を生き延びるには弱すぎるαサブユニット内における低親和性結合部位への低強度架橋結合を生じさせる。両方の条件下で、観察された架橋結合は、化合物3の大きな過剰(290μM)によって部分的に阻害され(
図6、レーンeおよびg、fおよびH)、これは両方の部位への結合の特異的な性質を証明している。単離されたαもしくはβサブユニットいずれかへ化合物5を架橋結合させる試みは、ゲル濾過プロセスを生き延びることができる高親和性複合体を入手できなかった。結果として、化合物3によって表されるクラスの化合物の高親和性競合結合は無傷全長LFA−1ヘテロダイマーの存在を必要とすると思われる。LFA−1サブユニットもしくは単離されたIドメインいずれかの構築物中の結合部位を捕捉する試みは、LFA−1のICAM−1および化合物3の低分子アナログ(例、XVA143)に比して減少した親和性を生じさせる(Shimaoka,M.,Lu,C.,Palframan,R.T.,von Andrian,U.H.,McCormack,A.,Takagi,J.,and Springer,T.A.2001.Reversibly locking a protein fold in an active
conformation with a disulfide bond:integrin alpha L I domains with high affinity and antagonist activity in vivo,Proc.Natl.Acad.Sci,U.S.A.,98:6009−6014.,Welzenbachら、2002)。ゲル濾過の不在下で出現する小さなLFA−1ヘテロダイマーの存在に注目することは特に興味深い(
図6、>200,000ダルトンでのバンド)。クーマジーブルー染色およびオートラジオグラフィーの両方によって判定されるLFA−1バンドの強度は、ヘテロダイマーを安定化させるβ鎖上の第2部位への低親和性結合と一致している。
【0191】
公表されたゲル安定化試験から(Shimaoka,M.,Salas,A.,Yang,W.,Weitz−Schmidt,G.and Springer,T.2003b.Small molecule integrin antagonists that bind to the β
2 subunit I−like domain and activate signals in one direction and block them in another,Immunity,19:391−402,Salas,A.,Shimaoka,M.,Kogan,A.N.,Harwood,C.,von Andrian,U.H.,and Springer,T.A.,2004.Rolling adhesion through an extended conformation of integrin α
Lβ
2 and relation to αI and βI−like domain interaction,Immunity,20:393−406,Yang,W.,Shimaoka,M.,Salas,A.,Takagi,J.,and Springer,T.A.2004.Intersubunit signal transmission in
integrins by a receptor−like interaction with a pull spring.PNAS,101:2906−2911)、LFA−1のSDS−PAGEに対する安定化の原因となる結合部位はβサブユニットのI様ドメイン内に存在すると思われる。本明細書に提示のデータは、このβサブユニット結合部位が、ICAM−1結合の直接的な競合的阻害の原因となるαサブユニット内の高親和性結合部位には関連していないことを示している。しかし、化合物3によるLFA−1安定化の原因となるβサブユニット結合部位は、本発明者らが観察した低親和性βサブユニット架橋結合部位と同一であってよい。
【0192】
全体として、架橋結合および結合実験は、本明細書で使用したLFA−1低分子アンタゴニストプローブのクラスのための別個の結合部位があることを指示している。第1は、それを通して低分子およびLFA−1がゲル濾過プロセスを生き延びるために十分に安定(例えば、K
d<25nM)である複合体を形成するLFA−1のαLサブユニット内の高親和性結合部位である。それは、本明細書でICAM−1結合部位に重複すると報告された結合実験で特徴付けられている、そして化合物3および4(化合物4のIC
50=1.4nM)によるLFA−1/ICAM−1結合の強力な阻害;インビトロでのLFA−1誘導性リンパ球増殖のそれらの強力な阻害(化合物4のIC
50=3nM);およびインビボでの免疫系応答のそれらの阻害と相関しているこの低分子結合部位である(Gadekら、2002)。第2部位は、SDS−PAGE下でのLFA−1ヘテロダイマーの安定化に関係しているβサブユニット内の低親和性結合部位(例えば、K
d>1μM)である。この部位は、本質的により動態的であり(すなわち、より速いオフレート)、ゲル濾過/光分解プロセス後に残存しない。この第2の低親和性部位の特性は、βサブユニットのI様ドメイン内の最近報告されたα/βI様アロステリックアンタゴニスト結合部位の特性と一致している(Welzenbachら、2002,Shimaokaら、2003b,Salasら、2004,Yangら、2004)。本明細書に記載の、LFA−1のβサブユニットへの、おそらくはI様ドメインへのICAM−1ミメティックの低親和性結合はおそらく、詳細にはMIDASモチーフおよびこのクラスのアンタゴニストに共通するカルボン酸部分に対するそれらの親和性に関して、IおよびI様ドメイン間の配列相同性に起因する。MAC−1を含むインテグリンのβ2ファミリーがこのサブユニットを共有することを前提にすると、β2サブユニット内のI様ドメインに対する化合物の親和性は、LFA−1に対して特異的なアンタゴニストを選択するためには弱められなければならない(Keating,S.,Marsters,J.,Beresini,M.,Ladner,C.,Zioncheck,K.,Clark,K.,Arellano,F.,and Bodary,S.2000.Putting the pieces together:Contribution of fluorescence polarization assays to small molecule lead optimization,SPIE Proceedings,3913:128−137)。
【0193】
上述した実験は、LFA−1αLサブユニットのIドメイン内のMIDASモチーフを含むICAM−1結合部位に重複する部位で、ICAM−1に類似する方法で化合物3および4のLFA−1への高親和性結合を実証している(Shimaoka,M.,Xiao,T.,Liu,J.−H.,Yang,Y.,Dong,Y.,Jun,C−D.,McCormack,A.Zhang,R.,Joachimiak,A.,Takagi,J.,Wang,J.−H.,and Springer,T.A.2003a.Structures of the alpha L I domain and its complex with ICAM−1 reveal a shape−shifting pathway for integrin regulation,Cell,112:99−111.)。これは、彼らが提案したICAM−1エピトープの模倣性と一致しているが(Gadekら、2002)、それらがLFA−1/ICAM−1のα/βI様アロステリックアンタゴニストとして機能するといういずれかの結論とは一致していない(Shimaokaら、2003b,Shimaoka,M.,and Springer,T.A.2004.Therapeutic antagonists
and the conformational regulation of the β2 integrins,Curr.Topics Med.Chem.,4:1485−1495)。これらのICAM−1ミメティックのβ2インテグリンサブユニットへの結合は、低親和性にもかかわらず、ICAM−1自体がフィードバック機構の一部としてI様ドメイン内の第2部位へ結合するのかどうかという疑問を提起する(Welzenbachら、2002,Shimaokaら、2003b,Salasら、2004,Yangら、2004,Shimaoka and Springer 2004)。LFA−1の活性立体構造の形成を保証するための二価カチオンに対する要件、そしてLFA−1の知られている調節因子であるプローブ分子1〜5がICAM−1と直接的に競合するという物理的実証は、LFA−1の直接的な競合的アンタゴニストである新規なアンタゴニストを同定する方法を形成するために本発明で使用した実験の詳細である。本方法は、ドライアイ疾患を治療するための本発明の方法において使用される、LFA−1の新規なアンタゴニストを同定するために有用である。
【0194】
上記では、低分子は、LFA−1に独特であるαLサブユニットへ高親和性で結合できることが証明されている。結果として、これらの化合物は、Mac−1(αMβ2)に比してLFA−1(α
Lβ
2)に対して選択的な可能性がある。本発明の1つの好ましい実施形態は、治療安全性において長所を付与できるLFA−1の選択的阻害剤を同定して利用することである。
【0195】
B.アッセイ方法:競合的結合実験
1.LFA−1/ICAM−1およびLFA−1/低分子のELISAにおけるアンタゴニスト競合
本方法を証明するために、化合物2Aおよび3、A−286982、ならびにsICAM−1を使用した。ICAM−1−IgのLFA−1への結合の阻害を例示するために、これらのアンタゴニストをLFA−1/ICAM−1のELISA内へ滴定した。実験は化合物3(−黒塗りの円−)、化合物2A(−黒塗りの三角形−)、A−286982(−黒塗りの菱形−)およびsICAM−1(−黒塗りの逆三角形−)の1/5連続希釈を添加し、捕捉されたLFA−1を含有するプレート上でICAM−1−Ig(A)または化合物2B(B)のいずれかと一緒にインキュベートすることで実施した。示したデータは、単一実験からの2枚のプレートの平均値であり、数回の独立測定の代表値である。実線はデータの当てはめである。IC
50値(nM)は凡例に提供されている。
【0196】
ELISAにおけるこれらの阻害剤についての典型的な競合曲線は、
図8Aに示されている。化合物3は、2nMのIC
50でLFA−1へのICAM−1−Igの結合を強力に阻害した。化合物3のアナログである化合物2Aは、ほぼ10倍高いIC
50値ではあるが結合を阻害した。A−286982およびsICAM−1は、化合物3の100倍を超えるIC
50値でLFA−1へのICAM−1−Ig結合を阻害した。
【0197】
これらの同一化合物がFITC標識低分子アンタゴニストである化合物2BのLFA−1への結合を阻害する能力もまた証明された(
図8B)。化合物2Aおよび3ならびに可溶性ICAM−1の化合物2B結合の阻害剤としての効力は、それらのICAM−1結合の阻害剤としての効力と平行していた。化合物3、化合物2AおよびsICAM−1は、各々3、56、および1,200nMのIC
50値で化合物2BのLFA−1への結合を阻害した。A−286982は、吸光度値における一過性増加によって指示されるように化合物2BのLFA−1への結合を阻害せずにむしろ増強し、ほぼ4μMで最高作用に到達し、その後減少した。
【0198】
LFA−1/低分子およびLFA−1/ICAM−1ELISAにおけるIC
50値の評価は、kistrin由来ペプチドおよびこのクラスのLFA−1低分子アンタゴニストの進化を表す低分子の群を含む大規模な化合物セットに拡大された(Gadekら、2002)。
図9に示したように(LFA−1:ICAM−1およびLFA−1:低分子のELISAにおけるアンタゴニスト競合からのIC50値の相関、化合物2Bと競合する化合物4の様々な群(4種のペプチド、5種の低分子およびsICAM−1)のIC
50値は、LFA−1への結合についてICAM−1と競合させて決定したIC
50値に対してプロットした。プロットの勾配は0.964であり、y切片は0.237、およびR=0.940である。各データポイントは2枚のプレートからのIC
50値の平均値である)、効力の5対数単位にわたって、sICAM−1、化合物2Aおよび3を含むこの様々な化合物セットについての2つのリガンド結合アッセイの各々の競合についてIC
50値間で良好な相関(R=0.94)が見られる。ICAM−1および化合物2Bを用いた2回のアンタゴニスト競合ELISA間の効力内の一般的傾向は、各化合物が機械的に類似方法でICAM−1および低分子リガンドの両方の結合を崩壊させることを明らかにしている。この阻害効力における類似は、ICAM−1−Igおよび化合物2BがLFA−1上の同一部位に結合することを証明している(Wong,A.,Hwang,S.M.,Johanson,K.,Samanen,J.,Bennett,D.,Landvatter,S.W.,Chen,W.,Heys,J.R.,Ali,F.E.,Ku,T.W.,Bondinell,W.,Nichols,A.J.,Powers,D.A.,and Stadel,J.M.1998.Binding of[3H]−SK&F 107260 and[3H]−SB 214857 to purified integrin alphaIIbbeta3:evidence for a common binding site for cyclic arginyl−glycinyl−aspartic acid peptides and nonpeptides,J.Pharmacol.Exp.Therapeutics,285:228−235)。
【0199】
2.LFA−1/ICAM−1およびLFA−1/低分子のELISAにおけるリガンド結合のアンタゴニスト調節
目的のリガンドとの直接競合を通して阻害するアンタゴニストは、アンタゴニスト濃度の増加を伴うが、リガンドの最高結合の減少を伴わずにより高い明白なEC
50値へのリガンド結合曲線の非飽和性右方向へのシフトを示す(Lutz,M.,and Kenakin,T.1999.Quantitative Molecular Pharmacology and Informatics in Drug Discovery,John Wiley & Sons,Ltd.,New York,Pratt,W.B.,and Taylor,P.1990.Principles of Drug
Action:The Basis of Pharmacology,Churchill Livingstone,New York Matthews,J.C.1993.Fundamentals of Receptor,Enzyme,and Transport Kinetics,CRC Press,Boca Raton,Kenakin,T.1997.Pharmacologic Analysis of Drug−Receptor Interaction,Lippincott−Raven,Philadelphia)。阻害は克服可能であろうが、濃度が上昇する直接的な競合阻害剤の存在下でリガンドの量を増加させることを必要とするであろう(Gaddum,J.H.,Hameed,K.A.,Hathway,D.E.,and Stephens,F.F.1955.Quantitative studies of antagonists for 5−hydroxytryptamine,Q.J.Exp.Physiol.,40:49−74)。直接的な競合的化合物3、A−286982およびsICAM−1がICAM−1−Igおよび化合物2BのLFA−1への結合曲線に及ぼす作用は、直接的競合を示すアンタゴニストの例として
図10に示されている。LFA−1/ICAM−1およびLFA−1/低分子のELISAにおけるアンタゴニストの不在下(−◇−)または存在下でのICAM−1−Ig(A、C、E)または化合物2B(B、D、F)の滴定。アンタゴニストは、2.4(A)および2.7(B)μMのsICAM−1、0.040(C)および0.10(D)μMの化合物3および20(E)ならびに50(F)μMのA−286982で開始する2倍の希釈率で加えた。アンタゴニスト濃度の順序は、−白抜きの四角形−(最低の添加されたアンタゴニスト濃度)、−白抜きの三角形−、−白抜きの円−、−黒塗りの菱形−、−黒塗りの四角形−、−黒塗りの三角形−から−黒塗りの円−(最高アンタゴニスト濃度)であった。データの当てはめは実線で示されている。示したデータは、1枚のプレートからであり、少なくとも2回の実験の代表値である。(A−286982(F)は化合物2BのLFA−1への結合の増加を生じさせた。)。これとは対照的に、アロステリック阻害剤は、最高結合における減少または曲線の右方向へのシフトにおける飽和を誘発することによってリガンド結合曲線を変化させることができる(Lutz and Kenakin 1999,Matthews 1993)。
図10Aに示したように、濃度の増加するsICAM−1の存在はICAM−1−Ig結合曲線をより高いEC
50値へ向けて右方向へシフトさせた。さらに、ICAM−1−IgのLFA−1への同一の最高度の結合は、同一天然リガンドの2つの分子形が受容体上の1つの部位への結合に直接的に競合する場合に予測されるように、sICAM−1の存在下および不在下で観察された(Lutz and Kenakin 1999,Pratt,W.B.,and Taylor,P.1990.Principles of Drug Action:The Basis of Pharmacology,Churchill Livingstone,New York,Matthews 1993,Kenakin,T.1997.Pharmacologic Analysis of Drug−Receptor Interaction,Lippincott−Raven,Philadelphia)。同様に、化合物3の濃度の上昇もまた、ICAM−1−Igの結合を最高ICAM−1−Ig結合における最小変化を伴ってより高いEC
50値へ変化させた(
図10C)。競合的アンタゴニストの存在下でのリガンド結合曲線における右方向へのシフトが典型的には平行であるが、これは必ずしも当てはまらない(Coultrap,S.J.,Sun,H.,Tenner,T.E.Jr.,and Machu,T.K.1999.Competitive antagonism of the mouse 5−hydroxytryptamine3 receptor by bisindolylmaleimide I,a“selective”protein kinase C inhibitor,Journal of Pharmacology and Experimental
Therapeutics.290:76−82)。化合物3の存在下および不在下でのLFA−1/ICAM−1−Ig結合曲線についての平行ではない勾配は、この化合物を用いた異質のリガンド結合ELISA条件下で完全平衡を達成できないことに起因し得る。リガンド結合ELISAのLFA−1/化合物2Bフォーマットでは、化合物3の濃度を上昇させると、化合物2Bの結合曲線をより明確に高いEC
50値へシフトさせたが、最高結合の減少は伴わなかった(
図10D)。sICAM−1の濃度を上昇させると、さらに同様の作用を示したが(
図10B)、曲線内のシフトの程度は2.7μMでのsICAM−1の最高達成可能濃度によって限定された。そこで、sICAM−1および組成物3がLFA−1へのICAM−1−Igおよび化合物2Bの結合に及ぼす作用は、上述したように直接競合の特性である。
【0200】
ICAM−1−Igおよび化合物2Bの受容体への結合にA−286982が及ぼす作用は明白に相違していた(
図10Eおよび10F)。LFA−1/ICAM−1ELISAでは、ICAM−1−Ig曲線はより高いEC
50値へ向かって右方向へシフトした;しかし、ICAM−1−IgのLFA−1への最高結合はA−286982の濃度が上昇するにつれて相当に減少した。A−286982濃度の上昇に伴う最高結合の減少およびリガンド結合曲線の右方向シフトは、上述したようにアロステリック阻害を反映している。A−286982はリガンド親和性および結合能力における減少を引き起こす(Lutz,M.,and Kenakin,T.1999.Quantitative Molecular Pharmacology and Informatics in Drug Discovery,John Wiley & Sons,Ltd.,New
York,Matthews 1993);これは、A−286982がICAM−1−Ig結合の克服できないアンタゴニストであることを証明する。これとは対照的に、LFA/低分子のELISAでは、マイクロモル濃度でのA−286982の存在は化合物2B結合曲線をより低いEC
50値へシフトさせ、化合物2BのLFA−1への結合を増強させると思われた(
図10F)。A−286982が化合物2BおよびICAM−1−Ig結合に及ぼす対照的な作用は、LFA−1上のIDAS部位への化合物結合の知られているアロステリック作用に起因する可能性がある。A−286982結合データは、本方法で証明された結合実験においてLFA−1への低分子およびタンパク質リガンド結合についてのアロステリック阻害についての例示として機能する。
【0201】
化合物が単一結合部位についての直接競合を通してリガンド結合を阻害するかどうかを調査するためにシルド(Schild)分析もまた使用できる(Lutz and Kenakin 1999,Pratt and Taylor 1990,Matthews 1993,Kenakin 1997,Coultrap 1999)。このモデルは、アッセイにおける等活性応答がリガンドによる受容体の同等利用率の結果であり、最高結合はアンタゴニストの存在によって変化しないという前提条件に基づいている。シルド分析では、用量比はアンタゴニストの存在下および不在下でのEC
50値の比率であり、等活性応答を導くリガンド濃度の尺度である。この用量比は、アンタゴニストの各濃度について決定され、シルド回帰を
図11に示したようにプロットした。シルド回帰における1の勾配を伴う線形応答は、アンタゴニストによる阻害が直接的に競合性かつ可逆性であることを指示している(Lutz and Kenakin 1999,Kenakin 1997)。シルド分析は、最高結合の減少を結果として生じさせないアロステリック阻害剤の場合には1から有意に逸脱する非線形関係および/または勾配を生じさせるであろう(Lutz and Kenakin 1999,Kenakin 1997)。sICAM−1および化合物3の両方についてのシルド回帰は、各々1.26および1.24に匹敵する勾配を伴って
図11に示されている。LFA−1/ICAM−1リガンド結合ELISAにおけるs−ICAM−1(−黒塗りの三角形−)および化合物3(−黒塗りの円−)拮抗作用のシルド回帰は、
図5(A)および(C)の各々にデータからプロットされる。化合物3についてのプロットの勾配は1.24であり、y切片は10.9、およびR=0.99832である。sICAM−1プロットの勾配は1.26であり、y切片は8.51、およびR=0.99131である。シルド分析は直接競合阻害を証明するために1に近い勾配を備える線形回帰を必要とするが、広範な文献中にシルド値の範囲を許容可能であるかについての指針はない。1.24および1.26の勾配は、競合的結合の結論を支持するために使用される多数の公表されたシルド値の限度内に含まれるので、したがって、これらの勾配値は1からは有意に相違しないと考えられる。回帰プロットの線形性および関係の勾配における類似性は、類似方法で同一部位へのリガンド(ICAM−1−Ig)および両方のアンタゴニスト(sICAM−1および化合物3)の結合と一致している。
【0202】
上述した結合実験および考察した分析を使用して、LFA−1の直接的な競合的阻害剤を同定するための方法を形成することができる。潜在的かつ直接的な競合的治療薬を調査すると、本明細書に記載の1つまたは複数の実験タイプを用いて、ICAM−1が結合する同一LFA−1部位での結合について競合することに当該の物質が知られている天然および合成リガンドと競合するかどうかを確定することができる。このようにして同定された直接的な競合的アンタゴニスト治療薬は、LFA−1およびそれとICAM−1との相互作用によって媒介される炎症性障害の治療を必要とする被験者を治療するために、本発明の方法において使用される。
【0203】
VII.ヒトの疾患を治療する際に有用な化合物を同定する方法。
【0204】
培養細胞系の群内で類似するパターンの細胞増殖阻害を備える化合物を同定するために、細胞増殖およびヒト疾患に関係する細胞標的に対して向けられたsiRNA(短鎖干渉RNA配列)による細胞増殖の阻害のパターンを用いる、絞り出された探索方法について記載する。siRNAデータの使用は、siRNAが標的の遺伝子を沈黙させ、その標的による細胞増殖の阻害に直接的に連結しているために望ましい。このため、siRNAデータは標的の機能の阻害および細胞増殖の阻害と関連付けるために有用である。この方法で同定された化合物は、ヒト疾患の治療において有用である。
【0205】
図12は、siRNA増殖阻害データを用いてヒト疾患を治療するための化合物の同定についてのフローチャートである。
【0206】
本方法は、それらの阻害が細胞増殖の制御において有用であろう前記標的を含有する細胞の増殖に関係している細胞標的(例えば、その形成が遺伝子の転写および/または翻訳によって制御されるタンパク質または他のバイオポリマー)を選択する工程を含んでいる。この選択は、化学文献を含む公衆ドメイン内のそのような標的のリスト由来であってよく、酵素、受容体およびタンパク質−タンパク質相互作用に関係しているタンパク質を含んでいる。そのような1つの有用な標的は、β−カテニンとTCF−4などのTCFファミリーのタンパク質との結合である。これらのタンパク質はWnt経路内にあり、一般的癌を含む多数のヒト腫瘍の成長および増殖に関係している。β−カテニンに結合してそれとTCF−4との結合を遮断する化合物は、選択された遺伝子転写およびヒトの癌、詳細には大腸癌における腫瘍の増殖を防止することに有用である。標的に独特の短鎖干渉RNA(siRNA)配列は、Dharmacon(コロラド州ボールダー)などの商業的供給業者から購入される。癌(例えば、大腸癌および乳癌由来NCI細胞系)および/または炎症(例えば、NCI白血病細胞系)に関連する国立癌研究所(NCI)の60種の細胞系のパネルからの細胞系は、細胞の増殖が阻害されるまで標的に対して向けられる量を増加させながらsiRNAの存在下で増殖させることができる。または、全細胞系に対して単一濃度のsiRNAを使用して、細胞増殖の相対阻害を測定することができる。その増殖が標的の存在に依存する細胞系は阻害されるであろうが、他の細胞系はそれほど依存性ではなく、結果としてそれらの増殖はそれほど阻害されないであろう。そこで、NCIの60種の細胞系のパネルの阻害は、試験された各siRNAおよび標的について増殖阻害のパターンを生じさせるであろう。NCI−60細胞系パネル内に現在は含まれていない細胞系の使用もまた、本方法の一部として想定されている。さらに、例えばLipofectin(商標)、Lipofectamine(商標)などの試薬が細胞へのsiRNAの送達を調節できることもまた想定されている。化合物が同一60細胞系の増殖に及ぼす作用を用量滴定するために、または類似のパターン活性(例えば、阻害されていないその増殖に比較して細胞増殖を50%阻害する化合物の濃度、化合物についてのGI50値)を有する化合物を同定するために、NCIの現在あるデータは、NCIのCOMPAREプログラムを用いて検索できる。類似性は、NCI COMPAREプログラムにおいて使用されるPearson相関を含む統計的もしくは他の方法によって定量できる。化合物およびsiRNA類似性を規定するために、NCI COMPAREプログラム以外の検索アルゴリズムを使用できる。NCIからのデータは、www(ワールド・ワイド・ウェブ)を通してオンラインで分析でき、またはコンピュータもしくはコンピュータのネットワークへダウンロードしてオフラインで分析できる。化合物の構造を細胞増殖のそれらの阻害へ結び付ける公衆および専有データベースを含む追加のデータベースは、本発明のためにも有用である。各表的について、その細胞増殖活性パターンがsiRNA実験によって生成された増殖阻害のパターンに類似する化合物の構造は、構造活性関係(SAR)を規定できる一般的な下部構造の特徴(例えば、フェニル基、カルボン酸基、水素結合ドナー基など)を含有するであろう。そのようなSAR関係は、一般に、標的に対する化合物の活性を共通構造モチーフへ連結するために新薬発見の分野における医薬品科学者によって使用される。SARの開発および洗練は、類似もしくは改良された細胞活性を示す見込みもしくは可能性を備える構造的に類似の化合物を同定および設計する際に有用である。SARは、構造的に関連する化合物の活性を比較することによって開発かつ洗練されてきた。有用な化合物は、NCIデータベースもしくは市販で入手できる化合物の他のデータベースまたは興味深く多種多様な構造的特徴および計算された特性(例えば、薬らしさ)を備える化合物のコンピュータで作製されたライブラリーのコンピュータ検索において合成または同定できる。市販もしくは合成源からの化合物は、細胞増殖の阻害において改良された効力について細胞増殖アッセイにおいて試験することができ、データ(効力における改良および低下の両方)を使用して標的によって媒介される細胞増殖の阻害についてSARを洗練することができる。データ獲得、SAR精錬、化合物調達、化合物の試験/データ獲得の反復サイクルは、細胞増殖の阻害における10μMを下回る効力を備える化合物を同定できる。そのような化合物は、ヒトの疾患モデル(例えば、非限定的例として、ヒトの癌のマウス異種移植片モデル)として使用される動物において10μMを超える循環レベルを達成することがしばしば可能であるために新薬発見において有用なことがある。改良された効力、作用の有効性および期間について標的に関連する動物モデルにおける更なる試験は、異常な細胞増殖の癌および炎症性疾患を含むヒトの疾患を臨床的に治療するための候補分子を同定できる。または、siRNAによる細胞増殖の阻害とは反対の活性パターンに適合する化合物の同定は、緩徐な細胞増殖の疾患および状態において有用な細胞増殖の刺激原となることがある。増強された細胞増殖は、創傷治癒および他の臨床状況において有用であろう。本明細書に記載した方法は、類似の活性パターンを有する分子を同定できるために十分に顕著である阻害のパターンを同定することに役立つように、標的の知られているタンパク質調節因子について遺伝子のトランスフェクションを利用することもできる。
【0207】
本方法は、細胞増殖の阻害における10μMを下回る有意な効力を有する強力な化合物を同定する際に有用である。これらの化合物は、ヒトの癌および炎症の動物モデルにおいて使用できる。より好ましいのは、細胞増殖の阻害(GI50)が1μM未満である化合物である。いっそうより好ましいのは増殖阻害(GI50)が100nM未満の化合物である。最も好ましいのは、10nM未満のGI50値を備える化合物である。本発明の方法は、LFA−1、B細胞受容体BR3、Grb2(シグナリングカスケードにおいて成長因子受容体の下流にあるタンパク質)および細胞内外の他のタンパク質標的の有用な阻害剤を同定するために使用することもできる。これはヒト大腸癌を治療するためにβ−カテニンを含むWnt経路における標的に対して特に有用である。これは、リンパ腫、白血病、大腸癌、黒色腫、乳癌、脳腫瘍、肺癌、腎臓癌および他のヒトの癌における追加の疾患関連標的に対してもまた有用である。本方法は、炎症性細胞の増殖および増殖によって媒介されるヒト炎症性疾患の治療において有用な化合物を同定する際に有用である。これらには、乾癬、湿疹、喘息、関節リウマチおよびドライアイが含まれるがそれらに限定されない。上記の方法で同定され、ヒト疾患の動物モデルにおいて活性である化合物は、癌および炎症性疾患を含むヒト疾患の治療として有用である。異常な細胞増殖に関係する癌および炎症以外の疾患に関係する標的もまた本発明において使用できる。
【0208】
さらに、ヒト薬剤の同定において有用な化合物を同定するための方法として、化合物もしくは化合物の集合に応答して類似の細胞活性のパターンについて化合物細胞活性の公衆および/または専有データベースを検索することによって、標的もしくは標的の選択のためにsiRNA細胞活性データを使用する方法が想定されている。
【実施例】
【0209】
(VIII.実施例)
(A.材料)
全長組換えヒト膜結合LFA−1および組換えヒト5−ドメインICAM−1−Ig融合(ICAM−1−Ig)は、記載のようにヒト293細胞中で生成して精製した(Fisherら、1997,Keatingら、2000)。sICAM−1(インビトロアッセイで容易に使用できるために膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを伴わないが、しかし無傷LFA−1結合エピトープを有している天然ICAM−1の短縮形)およびMEM−48はR&D Systems社(ミネソタ州ミネアポリス)からであった。マウスモノクローナル抗ヒトβ2インテグリン(クローンPLM2)は標準方法を用いて生成した(Fisherら、1997)。低分子およびペプチドアンタゴニストは、記載のように合成した(Gadekら、2002,Burdick 1999,Liuら、2000)。化合物1〜5およびA−286982は、
図4に示す。化合物1、2Aおよび2Bは、フルオレセインへのコンジュゲート化を可能にするためにリンカーを添加する以外は化合物3に類似する(化合物1および2B;2Aはフルオレセインにコンジュゲート化しなかった)。フルオレセインコンジュゲートは、フルオレセイン−5−イソチオシアネート(FITC)とのアミン官能基の結合によって調製した(Keatingら、2000)。分析された追加の分子には、化合物6および7(Gadekら、2002)、kistrin(Dennisら、1990)、非Kistrinヘプタペプチド、H
2N−CGFDMPC−CO
2HおよびH
2N−CGY
(m)DMPC−CO
2H、環状kistrinペプチドのCRIPRGDMPDDRCおよびテトラペプチド、H
2N−CN
(F)PC−CO
2H(式中、Y
(m)はメタチロシンであり、N
(F)はN’−3−フェニルプロピルアスパラギンである)が含まれる。
【0210】
【化84】
全低分子アンタゴニストは、−20℃で50%のDMSO中の10mM溶液として保存した。化合物5は、Hoffman−LaRoche社(ニュージャージー州ナットレー)から贈与された。
【0211】
B.実験
実施例1:親和性の測定
LFA−1に対する低分子の親和性は、以前に記載のように(Keatingら、2000)、低分子アンタゴニストである化合物1(
図2)を有する競合的フォーマットで蛍光偏光(FP)(Lakowicz 1999,Panvera 1995)を用いて測定した。全測定は、50mMのHepes、pH7.2、150mMのNaCl、0.05%のn−オクチグルコシドおよび0.05%のウシγグロブリン(BGG)ならびに1mMのMnCl
2、もしくは1mMのCaCl
2および1mMのMgCl
2のいずれかを含有するバッファー中で実施した。LFA−1に対する化合物1の親和性は、最初に2nMの化合物1をMnCl
2もしくはCaCl
2のいずれかおよびMgCl
2を含有するバッファー中で1μMから開始する連続希釈のLFA−1へ添加することによって測定した。競合実験は、連続希釈のアンタゴニストを2nMの化合物1(3nMのLFA−1(MnCl
2中)または40nMのLFA−1(CaCl
2およびMgCl
2中)を用いて)へ添加することによって実施した。ICAM−1−Ig競合実験では、LFA−1濃度は、ICAM−1−Igによる阻害を最大化するために二価カチオンバッファー条件において2および20nMのLFA−1へ減少させた。これらの実験において使用した相違するLFA−1濃度を親和性の計算において考慮に入れた(以下を参照されたい)。これらの溶液を37℃の96ウエルの黒色HE96プレート(Molecular Devices、カリフォルニア州サニーベール)内で2時間インキュベートした。蛍光偏光(FP)測定は、485nmでの励起、530nmでの発光および505nmのダイクロイックフィルターを用いて、Analystプレートリーダー(Molecular Devices社、カリフォルニア州サニーベール)上で実施した。強度の全生データは、化合物1を用いずに適切なサンプルから測定した強度を減算することによってバックグラウンド発光について補正した。LFA−1結合およびアンタゴニスト競合データは、LFA−1滴定のためのEC
50値およびアンタゴニストのIC
50値を入手するためにKaleidaGraphソフトウエア(Synergy Software社、ペンシルベニア州レディング)を用いて4パラメータ方程式の非線形最小二乗法を用いて分析した。データを当てはめるために使用する方程式は、Y=((A−D)/(1+(X/C)^B))+D(式中、Yはアッセイ応答であり、Aは上方漸近線でのY値であり、Bは勾配係数であり、CはIC
50もしくはEC
50であり、そしてDは下方漸近線でのY値である)であった。一般に、以下で記載する同種FPおよび異種ELISAフォーマットの両方で測定したデータは、バッググラウンド比への相当に大きな信号を含有しており、当てはめにおける誤差推定値は典型的には当てはめられたパラメータの最終値の10%未満である。A−286982を含む、および含まない化合物1についてのLFA−1の平衡解離定数(K
d)は、クロッツ(Klotz)およびヒル(Hill)分析を用いて計算した(Panvera,1995)。LFA−1に対するアンタゴニストの親和性(K
i)はIC
50値、化合物1/LFA−1のK
d、ならびに競合実験における化合物1およびLFA−1の濃度を用いて計算した(Keatingら、2000,Jacobsら、1975)。
【0212】
実施例2:LFA−1/ICAM−1およびLFA−1/低分子の酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)。
【0213】
(A)アンタゴニストの競合:低分子およびsICAM−1がICAM−1−Igもしくはフルオレセイン標識低分子アンタゴニスト、化合物2BのLFA−1への結合を競合的フォーマットで分離させる能力についてアッセイした(Gadekら、2002,Burdick 1999,Quanら、1998)。化合物2Bは、抗フルオレセイン検出抗体の結合を最大化するための低分子とフルオレセインとの間のより長いリンカーを備える以外は、化合物1と類似している。96ウエルプレートを4℃で一晩かけてリン酸緩衝食塩液(PBS)中の5μg/mL(33.3nM)のマウス抗ヒトβ2インテグリン(非官能的ブロッキング抗体)で被覆した。これらのプレートは室温で1時間にわたりアッセイバッファー(20mMのHepes、pH7.2、140mMのNaCl、1mMのMnCl
2、0.5%のウシ血清アルブミン(BSA)および0.05%のTween−20)を用いてブロッキングした。バッファー(50mMのTris−HCl、pH7.5、100mMのNaCl、1mMのMnCl
2、および0.05%のTween−20)中で洗浄した後、8nMのLFA−1(LFA−1/ICAM−1ELISA)もしくは2nMのLFA−1(LFA−1/低分子のELISA)を加え、その後に37℃で1時間にわたりインキュベートした。これらのプレートを洗浄し、LFA−1/ICAM−1ELISAについては、連続希釈の低分子アンタゴニストもしくはsICAM−1をプレートへ30分間にわたり加え、次に37℃で2時間にわたり0.89nMのICAM−1−Ig(最終濃度)を加えた。さらに1回洗浄した後、ヤギ抗ヒトIgG(Fc特異的)−HRPを加え、37℃で1時間にわたりインキュベートした。LFA−1/低分子のELISAでは、希釈したアンタゴニストおよび25nMの化合物2Bをプレートへ同時に加え、その後37℃で2時間インキュベートした。1回の洗浄後にヒツジ抗フルオレセイン−HRPを加え、37℃で1時間インキュベートした。両方のアッセイのために、洗浄した後、結合したHRP−コンジュゲート抗体は、テトラメチルベンジジン(TMB)を添加し、反応を停止させるために1MのH
3PO
4を添加した後に450nmで生成物の吸光度を測定することによって検出した。各曲線についてのIC
50値は、KaleidaGraphソフトウエアを用いて上述した4パラメータ方程式に当てはめることによって決定した。フォーマットおよびLFA−1/ICAM−1アッセイのこの形からの結果は、以前に報告されたものに類似している(Gadekら、2002,Burdick
1999);しかし、このフォーマットは、ELISAプレートへの直接的コーティングではなくむしろLFA−1の抗体捕捉に起因してより強固である。
【0214】
(B)リガンドの結合:LFA−1/ICAM−1およびLFA−1/低分子のELISAを、ICAM−1−Igもしくは化合物2Bいずれかの連続希釈がアンタゴニストの存在下もしくは不在下のいずれかでプレートへ加えられたこと以外は、上述したように実施した。すべての場合において、リガンドはアンタゴニストと同時に加えた。プレートは、洗浄および検出抗体の添加前に、アンタゴニストおよびリガンドを添加した後の平衡条件に近付けるために37℃で6時間インキュベートした。各曲線のEC
50値は、上述したように4パラメータモデルを用いて当てはめによって決定した。アンタゴニストの存在下および不在下で生成したEC
50値は、シルド回帰によって分析した(Arunlakshana and Schild 1959,Lutz and Kenakin 1999,Pratt and Taylor 1990,Matthews 1993,Kenakin,1997)。アンタゴニスト濃度に対する対数(濃度比−1)のシルドプロットは、(濃度比−1)=((アンタゴニスト存在下のリガンドEC
50)/(アンタゴニスト不在下のリガンドEC
50))−1から計算する。アンタゴニスト濃度に対する対数(濃度比−1)のプロットの勾配は、この線を一次方程式Y=A+BXに当てはめることによって計算する。
【0215】
実施例3:化合物3の放射標識した光活性化可能なアナログのLFA−1への架橋結合
全長ヒト膜結合LFA−1もしくはBSA(20mMのHepes中、0.35mg/mL[各々、1.4および5.3μM]、150mMのNaCl、5mMのCaCl
2、5mMのMgCl
2、1mMのMnCl
2、および1%のn−オクチルグルコシド、pH7.2)は、290μMの化合物3の存在下もしくは不在下のいずれかで、化合物3のトリチウム標識光活性可能アナログ(Kauerら、1986)である4.1μMの化合物5とともに37℃で一晩インキュベートした。化合物5対LFA−1のモル比は3:1であった。1%のBSAでプレコートした96ウエルプレートをインキュベーションのために使用した。架橋結合の直前に、過剰の化合物5は、同一バッファーを用いて平衡化させた96ウエルフォーマットでG−25マイクロスピンカラムを用いたゲル濾過によって迅速に除去した。LFA−1/化合物5の複合体は、高圧水銀蒸気ランプ(450ワット、Ace glass社、ニュージャージー州バインランド)へ曝露させることによって架橋結合させた。照射中に、サンプルを氷上で冷却し、タンパク質分解を最小限に抑えるためにホウケイ酸塩の厚さ5mmのプレートによって保護した。残留している未結合化合物5は、上述したようにゲル濾過(G−25)によって除去した。架橋複合体は、次に8M塩酸グアニジン(GuHCl)中で変性させ、還元させ、アルキル化した。処理したタンパク質を、SDS−PAGEに供した後、クーマジーブルー染色を行った。放射標識タンパク質はaudioradiographyによって視認した。
【0216】
化合物5の結合部位を同定するために、処理されたαLおよびβ2サブユニットは6MのGuHCl、20mMのHepes、10mMのEDTA、pH6.8の存在下でサイズ排除クロマトグラフィーによって分離し、次に7MのGuHClを含む10%酢酸中の2.6Mのヒドロキシルアミンを用いて75℃で4時間にわたり化学的に開裂させた。放射標識タンパク質フラグメントはSDS−PAGEによって分離し、オートラジオグラフィーによって視認するか、またはポリフッ化ビニリデン膜上に移し、クーマジーブルーで染色し、その後N末端タンパク質シーケンシングによって同定した。
【0217】
実施例4:Iドメインが欠如しているαL構築物の生成
使用した構築物であるpLFA.huID.Δpは、IドメインのNar1制限部位5’からIドメインの第1PflM1制限部位3’が除去されたIドメインの第2PflM1制限部位へのαL遺伝子の配列を含有している(Edwardsら、1995)。Iドメインが欠如する突然変異体を生成するために、以下のプライマー:Nar1部位からIドメインの始まりまでの配列、GSGSGをコードするDNAの配列およびIドメインの末端後のαL配列の23bpを含有するフォワードプライマーCACTGTGGCGCCCTGGTTTTCAGGAAGGTAGTGGATCAGGCACAAGCAAACAGGACCTGACTTC、およびIドメイン後の第2PflM1制限部位でプライミングするリバースプライマーTCTGAGCCATGTGCTGGTATCGAGGGGCを作製した。PCRは、これらのプライマーおよびIドメイン内の1つの部位で切断したBglIIを用いて線形化したpLFA.huID.Δpを用いて実施した。Nar1部位から第2PflM1部位までの配列を含有しており、その中ではC125からG311までの全IドメインがGSGSGをコードするDNA配列で置換されたDNAフラグメントを増幅させた。DNAのこの断片を精製し、Nar1およびPflM1を用いて消化し、対応するNar1およびPflM1部位でヒトαLプラスミド(pRKLFAαm)内へ挿入した。GSGSGをコードするDNA配列の正確な挿入は、配列分析によって確認した。
【0218】
実施例5:Iドメインが欠如しているLFA−1のICAM−1もしくは化合物2Bへの結合
293細胞はβ2構築物単独(mock)または野生型αL構築物(wt)もしくはIドメインが欠けているαL構築物(I−less)いずれかを用いてトランスフェクトし、3日間にわたり回復させた。これらの細胞を剥離させ、接着バッファー中に再懸濁させた(0.02MのHEPES、pH7.2、0.14MのNaCl、0.2%のグルコース)。ICAM−1−Igが結合したプレートへの結合は、記載のように実施した(Edwardsら、1998)。化合物2Bの結合のために、丸底96ウエルプレート内の1ウエル当たり0.5%のBGG、0.1mMのMnCl
2、1μg/mLの抗β2活性化抗体MEM−48および1μMの化合物2Bを含有する接着バッファー中に2×10
5細胞を加えた。これらの細胞を37℃で1時間インキュベートし、低温PBSで洗浄し、1%のホルムアルデヒド/PBSで固定した。細胞は次に1:500の希釈率のヒツジ抗フルオレセイン−HRPを用いて室温で1時間インキュベートし、PBSで洗浄し、TMBとともに15分間インキュベートした。この反応を1MのH
3PO
4で停止させ、450nmで読み取った。同時に、トランスフェクタントは表面発現したαL/β2複合体の構造完全性およびIドメインの存在もしくは不在について、知られている結合エピトープを有するパネルの抗体を用いるFACS分析によって試験した(Edwardsら、1998)。
【0219】
実施例6:ヒトT細胞接着アッセイ(細胞付着アッセイ)。
【0220】
T細胞接着アッセイは、ヒトTリンパ球細胞系HuT78を用いて実施した。ヤギ抗HuIgG(Fc)はPBS中で2mg/mLに希釈し、96ウエルプレートを50mL/ウエルで1時間かけて37℃で被覆した。プレートをPBSで洗浄し、PBS中1%のBSAを用いて室温で1時間にわたりブロックした。5ドメインICAM−IgをPBS中で100ng/mLへ希釈し、50mL/ウエルを4℃でプレートO/Nへ加えた。HuT78細胞を100gで遠心分離し、細胞ペレットを5%CO
2内で5mMのEDTAにより約5分間にわたり37℃で処理した。細胞を0.14MのNaCl、0.02MのHepes、0.2%のグルコースおよび0.1mMのMnCl
2(アッセイバッファー)で洗浄し、遠心分離した。細胞をアッセイバッファー中で3.0×10
6c.mLへ再懸濁させた。阻害剤をアッセイバッファー中で2×の最終濃度へ希釈し、室温で30分間にわたりHuT78細胞と一緒にプレインキュベートした。100μL/ウエルの細胞および阻害剤をプレートに加え、室温で1時間インキュベートした。100μL/ウエルのPBSを加え、プレートを密封し、5分間にわたり100gで反転させて遠心分離した。付着しなかった細胞はプレートからはじき飛ばされ、過剰のPBSをペーパータオル上で拭い取った。60μL/ウエルのp−ニトロフェニルn−アセチル−b−D−グルコサミニド(0.257gから100mLのクエン酸バッファー)をプレートに加え、37℃で1.5時間インキュベートした。酵素反応は90μL/ウエルの50mMのグリシオン/5mMのEDTAを用いて停止させ、405nMでプレートリーダーにて読み取った。5dICAM−IgへのHUT78細胞の接着は、Langegren,U.(1984).J.Immunol.Methods 57,379−388のp−ニトロフェニル法を用いて測定した。
【0221】
実施例7:T細胞増殖アッセイ。
【0222】
このアッセイは、抗原提示細胞と相互作用すると、T細胞受容体およびLFA−1の関与によって誘導される、活性化の結果として生じるリンパ球増殖のインビトロモデルである(Springer,ら、1990,Nature)。マイクロタイタープレート(認定されたNunc96ウエルELISA)は、無菌PBS中の50μLの2μg/mLのヤギ抗ヒトFc(CaltagH10700)およびCD3に対する50μLの0.07μg/mLのモノクローナル抗体(Immunotech0178)を用いて4℃で一晩かけて事前に被覆した。
【0223】
翌日、コーティング溶液を吸引した。次にプレートをPBSで2回洗浄し、100μLの17ng/mLの5d−ICAM−Igを37℃で4時間にわたり加えた。プレートは、CD4+T細胞を添加する前にPBSで2回洗浄した。末梢血由来のリンパ球は、健常ドナーから採血したヘパリン添加全血から分離した。代替法は、白血球泳動法を通して健常ドナーから全血を入手する方法であった。血液を食塩液で1:1に希釈し、層形成し、LSM上で30分間にわたり2,500×gで遠心分離した(100mLにつき6.2gのFicollおよび9.4gのsodium diztrizoate)(Organon Technica社、ニュージャージー州)。単球は、骨髄性細胞枯渇試薬法を用いて枯渇させた(Myeloclear,Labs、カナダ国オンタリオ州ホーンビー)。PBLを90%の熱不活化ウシ胎児血清および10%のDMSO中に再懸濁させ、アリコート作製し、そして液体窒素中に保存した。解凍した後、細胞は10%熱不活化ウシ胎児血清(Intergen社、ニューヨーク州パーチェス)、1mMのピルビン酸ナトリウム、3mMのL−グルタミン、1mMの非必須アミノ酸、500μg/mLのペニシリン、50μg/mLのストレプトマイシン、50μg/mLのゲンタマイシン(Gibco社)を補給したRPMI1640培地(Gibco社、ニューヨーク州グランドアイランド)中に再懸濁させた。
【0224】
CD4+T細胞の精製は、負の選択法(Human CD4 Cell Recovery Column Kit #CL110−5 Accurate)によって入手した。マイクロタイタープレートの1ウエル当たり100,000個の精製されたCD4+T細胞(純度90%)を100mLの培養培地(10%の熱不活化FBS(Intergen社)、0.1mMの非必須アミノ酸、1nMのピルビン酸ナトリウム、100単位/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、50μg/mLのゲンタマイシン、10mMのHepesおよび2mMのグルタミンを補給したRPMI1640(Gibco社))中、5%CO
2中で37℃にて72時間にわたり培養した。阻害剤は、培養開始時にプレートに加えた。これらの培養中の増殖応答は、細胞を採取する前に少なくとも6時間滴定した1μCi/ウエルのチミジンの添加によって測定した。放射能標識の取り込みは、液体シンチレーション計数によって測定した(Packard 96ウエルハーベスターおよびカウンター)。結果は、分当たりカウント(cpm)で表示した。
【0225】
実施例8:インビトロ混合リンパ球培養モデル
移植のインビトロモデルである混合リンパ球培養モデル(A.J.Cunningham,“Understanding Immunology,Transplantation Immunology”pages157−159(1978)を、ヒト混合リンパ球応答の増殖群およびエフェクター群の両方において様々なLFA−1アンタゴニストの作用について試験する。
【0226】
細胞の単離:末梢血(PBMC)由来の単核球は、健常ドナーから採血したヘパリン添加全血から分離した。血液を食塩液で1:1に希釈し、層形成し、LSM上で30分間にわたり2,500×gで遠心分離した(100mLにつき6.2gのFicollおよび9.4gのsodium diztrizoate)(Organon Technica社、ニュージャージー州)。代替法は、白血球泳動法を通して健常ドナーから全血を入手する方法であった。PBMCを上述したように分離し、90%の熱不活化ウシ胎児血清および10%のDMSO中に再懸濁させ、アリコート作製し、そして液体窒素中に保存した。解凍した後、細胞は10%熱不活化ウシ胎児血清(Intergen社、ニューヨーク州パーチェス)、1mMのピルビン酸ナトリウム、3mMのL−グルタミン、1mMの非必須アミノ酸、500μg/mLのペニシリン、50μg/mLのストレプトマイシン、50μg/mLのゲンタマイシン(Gibco社)を補給したRPMI1640培地(Gibco社、ニューヨーク州グランドアイランド)中に再懸濁させた。
【0227】
混合リンパ球応答(MLR):一方向ヒト混合リンパ球培養は、96ウエルの平底マイクロタイタープレート内で確立させた。1.5×10
5のレスポンダーPBMCは、200μLの完全培地中で同等数の同種照射した(3,000ラッドで3分52秒間、スティミュレーターPBMScと一緒に共培養した。LFA−1アンタゴニストは培養開始時に加えた。
【0228】
培養は37℃の5%CO
2中で6日間にわたりインキュベートし、次に6時間にわたり
3H−チミジン(6.7Ci/mmol、NEN、マサチューセッツ州ボストン)を用いてパルスした。培養は、Packardセルハーベスター上に採取した(Packard社、カナダ国キャンベラ)。[
3H]TdRの取り込みは、液体シンチレーション計数によって測定した。結果は、分当たりカウント(cpm)で表示した。
【0229】
実施例9:ドライアイの発生を無効にするためのウサギモデル
ドライアイは、ウサギにおいて外科的に涙腺分泌管を閉鎖し、ウサギを少なくとも4週間にわたり未処置のままにすることによって作製した。例えば、Gilbard,J.P,1996“Dry Eye:phramcological approaches,effects,and progress”CLAO J.22,141−145を参照されたい。シルマー試験、および眼表面染色によってドライアイを確認した後、本発明のLFA−1アンタゴニストを中性の等張性緩衝水溶液中の濃度0.01、0.1、および1.0%の溶液として注入する。投与は、4週間にわたり毎日、1日5回まで、眼表面へ1回50μLの滴である。ドライアイの症状は4週間にわたり週1回監視し、シルマースコアにおける増加および/または眼表面染色量の減少は、ドライアイ疾患の治療におけるLFA−1アンタゴニストの有効性を示す。
【0230】
実施例10:ヒトを対象とする第I相試験
56人までの健常な個人を登録した。LFA−1アンタゴニストの単回および複数回両方の投与のランダム化対照増量試験を実施した。被験者各7例のコホート(治療群5例、プラセボ2例)を無菌中性等張性緩衝水溶液として調製した各6〜8用量レベルのLFA−1アンタゴニストで処置した。被験者は、第1日に単回眼内投与を受けた。その後の一週間にわたって薬物動態および薬力学的評価のためにサンプルを入手した。第8日から始めて、被験者は計14日間にわたり同一用量のLFA−1アンタゴニストを毎日摂取した。PK/PD評価、安全性検査室試験、シルマー試験、角膜染色および結膜生検を評価した。
【0231】
実施例11:ヒトを対象とする第II相試験
主要包含/排除基準によって規定されたドライアイを有する成人患者150人を登録した。患者は、シェーグレン症候群もしくはシェーグレン病を有する場合も有していない場合もあった。LFA−1アンタゴニストのランダム化対照用量設定試験を実施した。3群の患者は、表示された用量でレスタシス、または中性の緩衝等張性水溶液として調製した2種の用量レベルのLFA−1アンタゴニストの1つを2週間にわたり毎日摂取した。患者は、3カ月間のフォローアップ期間にわたりシルマー試験、角膜染色および総合疾患重症度指数において安全性および改善の証拠について追跡調査された。結膜生検は、サブセットの患者において入手した。
【0232】
本発明の好ましい実施形態を本明細書に示して記載してきたが、当業者には、そのような実施形態が例としてのみ提供されていることは明白であろう。今では、本発明から逸脱せずに極めて多数の変動、変化および置き換えが当業者には思い浮かぶであろう。本発明を実施する際には、本明細書に記載した本発明の実施形態に対する多数の代替形を使用できることを理解されたい。以下の特許請求項が本発明の範囲を規定すること、そしてこれらの請求項の範囲内の方法および構造およびそれらの同等物はそれらによって含まれることが意図されている。