(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記収納部材は、さらに、前記点灯装置と前記基板とを電気接続する電線を通すための穴と、前記ボス部の形状に合わせた切り欠きとが形成された蓋部を有する請求項5または6に記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向は、説明の便宜上、そのように記しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。
【0013】
実施の形態1.
本実施の形態の説明では、説明の便宜のため、光の照射方向側を上側(上方)、その反対側を下側(下方)とするが、実際の光の照射方向は重力方向、水平方向(重力方向と直交する方向)、あるいは、その他の方向(重力方向に対して斜めの方向)であってもよい。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る照明装置500の正面図である。
【0015】
図1に示すように、照明装置500は、グローブ100、金属筐体200、樹脂筐体300、口金部400を備える。照明装置500は、例えば、電球形LEDランプである。
【0016】
グローブ100は、光源を覆うカバーの例である。金属筐体200は、光源が実装された基板と樹脂筐体300の少なくとも一部とを収容する筐体(放熱部材)の例である。樹脂筐体300は、光源を点灯する点灯装置(図示していない)を収納する筐体(収納部材)の例である。グローブ100、金属筐体200、樹脂筐体300の詳細については後述する。
【0017】
口金部400は、樹脂筐体300の下方の端部に取り付けられる。口金部400は、外部の電源と電気的に接続されたソケット(図示していない)に接続されるとともに、樹脂筐体300に収納された点灯装置に電気接続され、点灯装置に電力を供給する。
【0018】
図2は、照明装置500のLED基板250及び金属筐体200の斜視図である。
【0019】
図2に示すように、金属筐体200には、LED基板250が取り付けられる。LED基板250は、基板締結用ネジ260により金属筐体200に締結される。LED基板250には、光源としてLED251が実装される。なお、LED基板250は、光源が実装された基板の例であり、LED251以外の光源が実装された基板に置き換えられてもよい。LED251以外の光源としては、例えば、レーザーダイオード、有機ELを用いることができる。
【0020】
図3は、照明装置500のLED基板250の斜視図である。
【0021】
図3に示すように、LED基板250は、円盤状の基板である。LED基板250の円形板面(LED251の実装面)の中央部には、リード線等を通す基板孔252が形成される。LED基板250の円形板面の周縁近傍には、基板孔252を挟んでLED基板250の円形板面の径方向に並ぶように2つの貫通孔253が形成される。LED基板250の周縁近傍には、さらに、12個のLED251が実装される。LED251は、2つの貫通孔253を結ぶ直線(径)の両側に、6個ずつ配置される。なお、LED基板250の形状、LED251の配置、個数等は適宜変更可能である。
【0022】
図4は、照明装置500の金属筐体200の斜視図である。
図5は、金属筐体200の正面図である。
図6は、金属筐体200の上面図である。
図7は、金属筐体200のA−A断面図である。
図8は、金属筐体200のB−B断面図である。
【0023】
図4から
図8に示すように、金属筐体200は、光源取付部210、フィン230、本体部240を備える。金属筐体200は、例えば、アルミニウム等の熱伝導性のよい金属で形成される。ただし、熱伝導性のよい材質であれば、金属でなくても構わない。金属筐体200は、例えば、型抜き製法等により、一体成形される。
【0024】
本体部240は、下面側よりも上面側の面積が広い円錐台状である。なお、本体部240は、円錐台状に限らず、円柱状、楕円柱状、角柱状等でもよい。
【0025】
光源取付部210は、本体部240の上面(一方の端面)側に設けられる。光源取付部210には、LED基板250が取り付けられる。光源取付部210は、LED基板250に当接する円形の光源取付面213を有する。光源取付面213には、LED基板250のLED251が実装される実装面の裏面が接着剤等により接着される。光源取付面213の中央部には、リード線等を通す電線挿通孔211が形成される。光源取付面213の周縁近傍には、電線挿通孔211を挟んで光源取付面213の径方向に並ぶように2つの貫通孔212が形成される。それぞれの貫通孔212は、後述する空洞227と連通する。なお、光源取付面213は、円形に限らず、長方形、楕円形等でもよい。
【0026】
光源取付部210の周囲には、グローブ100を取り付けるための環状の取付溝220が形成される。取付溝220は、内周側の溝内周壁224、外周側の溝外周壁221、溝内周壁224と溝外周壁221との間の溝底部223から形成される。溝外周壁221の上端縁の近傍には、溝外周壁221に沿って環状の係合凹部222が形成される。
【0027】
フィン230は、金属筐体200の側面から複数立設する。フィン230は、本体部240の径方向外側に突出するように本体部240と一体成形される。フィン230は、例えば、等間隔に20枚設けられる。フィン230は、光源取付部210に取り付けられるLED基板250の熱(LED基板250に実装されるLED251等が発する熱)を放熱し、温度上昇によるLED251等の部品の劣化を防止する。なお、フィン230の配置、枚数等は適宜変更可能である。
【0028】
フィン230は、本体部240の上面(一方の端面)側から本体部240の下面(他方の端面)側に向かって、湾曲面231、連続面232を有する。湾曲面231は、本体部240の外側に凸状に湾曲する。連続面232は、湾曲面231に連続し、湾曲面231の頂上Xより低くなっている。このように、本実施の形態では、フィン230の高さが本体部240の外側に凸状の湾曲面231の頂上Xで最も高くなっているため、照明装置500でグローブ100から斜め下方に出射される光のほとんどがフィン230によって妨げられることなく外部に照射される。よって、照明装置500で広い配光角が得られる。
【0029】
フィン230は、羽形状であり、湾曲面231が帯状の曲面、連続面232が帯状の曲面と帯状の傾斜平面とがつながった面、両側面が本体部240の側面から本体部240の外側に向かって延びる平面となっている。フィン230の側面は、輪郭が略D字状である。なお、連続面232は、曲面を含んでいなくてもよいし、逆に、全体が曲面であってもよい。また、連続面232は、傾斜しない平面(垂直平面)を含んでいてもよい。
【0030】
フィン230の湾曲面231と本体部240の上面とのなす角度R1は、15度以上25度以下である。つまり、15°<R1<25°である。ここで、フィン230の湾曲面231と本体部240の上面とのなす角度R1とは、本体部240の上面から本体部240の外側下方を臨める角度のことである。より具体的には、金属筐体200を正面から見たときに、フィン230の湾曲面231と本体部240の上面との境界位置(接続点)を通るフィン230の湾曲面231の接線と、本体部240の上面に対して平行な直線とのなす角度のことである。15°<R1<25°の関係が満たされれば、十分な放熱性を確保しつつ、照明装置500で広い配光角が得られる。計算上、15°<R1<25°の関係が満たされれば、照明装置500で200度以上の1/2ビーム角(配光角)を得ることができる。実際に、フィン230の湾曲面231と本体部240の上面とのなす角度R1を20度としたところ、照明装置500で230度の1/2ビーム角を得ることができた。なお、1/2ビーム角とは、配光曲線において、中心に対し、明るさが半分になる角度のことである。例えば、1/2ビーム角が230度の照明装置500では、光軸の両側に広がる230度の範囲において、光軸上で得られる明るさの少なくとも半分の明るさが得られることになる。
【0031】
フィン230の湾曲面231は、本体部240の側面の上端縁から、徐々に高くなるように湾曲して下方に延びていき、頂上Xで連続面232につながる。本実施の形態では、フィン230が本体部240の上端から設けられているため、放熱性が向上する。なお、湾曲面231は、本体部240の側面の上端縁より下の位置から形成されていてもよい。つまり、フィン230は、本体部240の上端より下の位置から設けられていてもよい。
【0032】
フィン230の連続面232は、湾曲面231の頂上Xにつながり、徐々に低くなるように傾斜して本体部240の側面の下端縁より上の位置まで延びる。本実施の形態では、フィン230の高さが下方に向かって徐々に低くなっているため、照明装置500を挿入するための開口部が狭い器具にも照明装置500を取り付けることができる。即ち、器具適合率が上がる。また、フィン230が本体部240の下端より上の位置までしか設けられていないため、さらに、器具適合率が上がる。なお、連続面232は、本体部240の側面の下端縁まで形成されていてもよい。つまり、フィン230は、本体部240の下端まで設けられていてもよい。
【0033】
フィン230の上端から頂上Xまでの垂直距離L1(フィン230の湾曲面231の上下方向における長さ)は、本体部240の上端から下端までの垂直距離L3(本体部240の側面の上下方向における長さ)の0.1倍以上0.2倍以下であることが望ましい。つまり、(L3×0.1)≦L1≦(L3×0.2)であることが望ましい。
【0034】
フィン230の頂上Xから下端までの垂直距離L2(フィン230の連続面232の上下方向における長さ)は、本体部240の上端から下端までの垂直距離L3の0.7倍以上0.8倍以下であることが望ましい。つまり、(L3×0.7)≦L2≦(L3×0.8)であることが望ましい。
【0035】
ここで、フィン230の上端から頂上Xまでの垂直距離L1は、例えば5.6mmである。フィン230の頂上Xから下端までの垂直距離L2は、例えば25.3mmである。本体部240の上端から下端までの垂直距離L3は、例えば33.9mmである。このとき、(L3×0.1)≦L1≦(L3×0.2)の関係、(L3×0.7)≦L2≦(L3×0.8)の関係はいずれも満たされる。
【0036】
フィン230は、本体部240の上面側から本体部240の下面側に向かって幅が徐々に狭まる。例えば、フィン230の上端の幅W1を下端の幅W2の約1.5倍とする。これにより、例えば、金属筐体200を金型で成形する際に、成形後の金属筐体200を金型から取り出しやすくなる。
【0037】
フィン230間の距離は、どの位置においても等しい。つまり、隣接するフィン230の側面同士は、互いに平行である。なお、フィン230間の距離が本体部240の上面側から本体部240の下面側に向かって徐々に短くなっていてもよい。
【0038】
本体部240の隣接するフィン230に挟まれた部分は、その隣接するフィン230の湾曲面231の頂上Xと同じ位置で最も外側に出る。例えば、本体部240の側面は、上端縁から頂上Xまで垂直であり(又は徐々に高くなり)、頂上Xから下端縁まで徐々に低くなる。つまり、本体部240の側面は「く」字状である。これにより、例えば、金属筐体200を金型で成形する際に、頂上Xに相当する位置で上型と下型を分離するようにすれば、成形後の金属筐体200を金型から取り出しやすくなる。
【0039】
金属筐体200の内部には、樹脂筐体300の一部を収納するための円柱状の空洞227が形成される。空洞227の周壁(金属筐体200の内壁)には、空洞227の軸方向に沿って延びる2つの嵌合溝228と1つのガイド溝229が形成される。2つの嵌合溝228は、光源取付部210の2つの貫通孔212に1対1で対応する。それぞれの嵌合溝228の内径は、対応する貫通孔212の内径に一致し、それぞれの嵌合溝228は、対応する貫通孔212と連続して、金属筐体200の下端まで延びる。よって、2つの嵌合溝228は、空洞227の径方向に沿って対向する位置にある。別の言い方をすれば、2つの嵌合溝228のうち一方の嵌合溝228が、空洞227の円形底壁の中心に対して0度の位置にあるとしたとき、他方の嵌合溝228は、空洞227の円形底壁の中心に対して180度の位置にある。このとき、ガイド溝229は、空洞227の円形底壁の中心に対して90度の位置にある。ガイド溝229は、空洞227の周壁の上端縁より下の位置から金属筐体200の下端まで延びる。
【0040】
本実施の形態において、光源取付部210は、光源取付部210に取り付けられるLED基板250と、空洞227に一部が収納される樹脂筐体300とを隔てる隔壁となる。
【0041】
図9は、照明装置500のグローブ100の斜視図である。
【0042】
図9に示すように、グローブ100は、光透過部110、取付筒部120、係合凸部130、固定部140を備える。
【0043】
光透過部110は、透明あるいは半透明の樹脂により形成される。樹脂としては、例えばポリカーボネートやアクリル等の材料が製品仕様に応じて選択される。光透過部110は、所定の板厚を有する樹脂を、球形に成形したものである。光透過部110は、正確には、内部が空洞の球の一部が欠けた形状である。光透過部110は、LED基板250に実装されたLED251が発する光を内部から外部に透過させる。光透過部110は、製品仕様に応じて、光を拡散、集光、反射させる機能を備えてもよい。これらの機能については、光透過部110の基材である樹脂を成形する際に拡散層(あるいは拡散面)、レンズ、反射層(あるいは反射面)等を形成して基材自体が当該機能を直接有するようにしてもよいし、基材の表面に当該機能を有する光学フィルム等の別の部材を貼合する等の方法で実現してもよい。なお、光透過部110の形状は、球形に限らず、半球形、長球形、直方体形、ドーム型等でもよい。
【0044】
取付筒部120は、光透過部110と一体に形成される。取付筒部120は、所定の板厚の樹脂を、筒状に成形したものである。つまり、取付筒部120は、光透過部110の球の欠けた部分を筒状に突き出るようにしたものである。
【0045】
係合凸部130は、取付筒部120の外周面から突き出るように所定の数形成される。
【0046】
固定部140は、取付筒部120の下方の端部から外側に鍔状に突き出るように形成される。
【0047】
取付筒部120は、金属筐体200の取付溝220に挿入される。取付筒部10が取付溝220に挿入されると、係合凸部130が取付溝220に形成された係合凹部222に係合する。固定部140は、取付溝220の底部である溝底部223近傍に固定される。これにより、グローブ100が金属筐体200に固定される。
【0048】
図10は、照明装置500の樹脂筐体300の斜視図である。
図11は、樹脂筐体300の正面図である。
図12は、樹脂筐体300の上面図である。
図13は、樹脂筐体300のC−C断面図である。
図14は、樹脂筐体300のD−D断面図である。
図15は、樹脂筐体300の蓋部350の斜視図である。
【0049】
図10から
図15に示すように、樹脂筐体300は、本体部310、ボス部320、鍔部330、ネジ部340、蓋部350を有する。本体部310、ボス部320、鍔部330、ネジ部340は、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂により一体成形される。蓋部350は、例えば、本体部310等と同じ樹脂により成形され、本体部310の上方の端部に装着される。なお、
図10から
図14は、樹脂筐体300の本体部310に蓋部350が装着される前の状態を示している。
【0050】
本体部310は、略円筒状である。本体部310の内部には、LED基板250に実装されたLED251を点灯させるために、いくつかの電子部品が実装された点灯装置等が収納される。本体部310の側壁(外周壁)には、直方形状の挿入ガイド311が設けられる。挿入ガイド311は、本体部310の上端より下の位置から本体部310の下端より上の位置まで本体部310の軸方向に沿って延びる。本体部310の上方の端部には、4本の嵌合ガイド312が互いに等間隔に設けられる。それぞれの嵌合ガイド312は、円柱状であり、本体部310の環状の上端面から上方に突出する。
【0051】
ボス部320は、略円筒状であり、本体部310の側壁に2つ設けられる。2つのボス部320は、互いに等間隔に設けられる。つまり、2つのボス部320は、本体部310の周方向において180度離れた位置に設けられる。なお、2つのボス部320は、180度以外の角度で離れた位置に設けられてもよい。ボス部320の個数は、2つに限らず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0052】
ボス部320には、前述した基板締結用ネジ260を本体部310の軸方向に沿って挿入するための穴321が形成される。基板締結用ネジ260は、締結部材の例であり、代わりに、リベットや圧入ボルト等、他の種類の締結部材が用いられてもよい。
【0053】
ボス部320の側壁の一部である外側部322は、本体部310の側壁の外側に位置する。つまり、ボス部320の側壁の最も外側の部分(ボス部320の最外部)は、本体部310の側壁の最も外側の部分(本体部310の最外部)よりも外側に位置する。ここで、ボス部320の太さは、基板締結用ネジ260を挿入するための穴321が形成できる程度の太さでなければならない。よって、ボス部320があることで、本体部310の内部の点灯装置等を収容するスペースが狭くなってしまうおそれがある。しかし、本実施の形態では、ボス部320が本体部310の外側にずれているため、その分、本体部310の内部のスペースが広くなる。即ち、本実施の形態によれば、樹脂筐体300の内部に広いスペースを確保することができる。
【0054】
ボス部320の(外側部322と反対側の)側壁の一部である内側部323は、本体部310の側壁の内側に位置する。つまり、ボス部320の側壁の最も内側の部分(ボス部320の最内部)は、本体部310の側壁の最も内側の部分(本体部310の最内部)よりも内側に位置する。このように、本実施の形態では、2つのボス部320が本体部310の内側に張り出しているため、内側に張り出した部分(内側部323)を、本体部310の内部における点灯装置等の位置決めに利用することができる。
【0055】
ボス部320の外径D1は、本体部310の側壁の板厚D2よりも大きい。つまり、D1>D2である。D1>D2の関係が満たされれば、ボス部320の外側部322が本体部310の側壁の外側に位置し、かつ、ボス部320の内側部323が本体部310の側壁の内側に位置する構造を実現することができる。
【0056】
ボス部320の外径D1は、本体部310の側壁の板厚D2の2倍以上3倍以下であることが望ましい。つまり、(D2×2)≦D1≦(D2×3)であることが望ましい。
【0057】
ここで、絶縁性の確保と本体部310の小型化との両立を図るため、本体部310の側壁の板厚D2は、例えば1.66mmとする。基板締結用ネジ260として一般的なM2タッピングネジを用いるとして、ボス部320の内径D3(穴321の直径)は、例えば1.7mmとする。ボス部320の強度の確保とボス部320の小型化との両立を図るため、ボス部320の側壁の板厚は、例えば1.0mmとする。このとき、D1=D3+1.0×2=3.7mmとなるから、D1>D2の関係は満たされる。さらに、(D2×2)≦D1≦(D2×3)の関係も満たされる。
【0058】
ボス部320の穴321の中心は、本体部310の側壁の中央に位置する。このため、ボス部320の外側部322と内側部323は、本体部310の側壁から略同じ幅だけ張り出している。つまり、ボス部320は、本体部310の側壁の両側に均等に張り出している。
【0059】
ボス部320の先端部324は、本体部310の側壁の一端面(本体部310の上端面)から突出する。
【0060】
ボス部320の高さH1は、ボス部320の本体部310から上方に突出した部分(ボス部320の先端部324)の高さH2の1.5倍以上2.5倍以下であることが望ましい。つまり、(H2×1.5)≦H1≦(H2×2.5)であることが望ましい。
【0061】
ここで、ボス部320の高さH1は、例えば10.9mmである。ボス部320の本体部310から上方に突出した部分の高さH2は、例えば6.1mmである。このとき、(H2×1.5)≦H1≦(H2×2.5)の関係は満たされる。
【0062】
ボス部320の穴321の深さH3は、ボス部320の本体部310から上方に突出した部分の高さH2よりも小さい。つまり、H3<H2である。
【0063】
ここで、ボス部320の穴321の深さH3は、例えば5.0mmである。前述したように、ボス部320の本体部310から上方に突出した部分の高さH2は、例えば6.1mmである。このとき、H3<H2の関係は満たされる。
【0064】
本体部310の側壁の外周面は、上端縁から下端縁まで垂直に延びている。上から見たときにボス部320がない部分では、本体部310自体の上端が本体部310の側壁の外周面の上端縁となる。ボス部320がある部分では、ボス部320の下端が本体部310の側壁の外周面の上端縁となる。ボス部320の外側部322と本体部310の側壁は段差325を介して連続している。一方、本体部310の側壁の内周面は、一部が上端縁から下端縁まで斜めに延びている。斜めに延びている部分の角度R2は、例えば90.5度である。その他の部分の角度R3は90度である。上から見たときにボス部320がない部分では、本体部310自体の上端が本体部310の側壁の内周面の上端縁となる。ボス部320がある部分では、ボス部320の下端が本体部310の側壁の内周面の上端縁(
図14の点線Y)となる。このボス部320がある部分では、本体部310の側壁の内周面がボス部320の内側部323と同様の形状で内側に凸状に湾曲している。ボス部320の内側部323と本体部310の側壁は連続しており、同じ角度R2で傾斜している。つまり、ボス部320は、下端から上端に向かって徐々に細くなる(前述した外径D1は、例えば上端の外径とする)。これにより、ボス部320の先端部324を金属筐体200の光源取付部210の貫通孔212に挿入しやすくなる。
【0065】
樹脂筐体300は、以下のような方法(照明装置500の筐体部の組立方法、即ち、照明装置500の製造方法)で、金属筐体200に装着される。
【0066】
まず、樹脂筐体300の2つのボス部320が金属筐体200の2つの嵌合溝228に挿入でき、かつ、樹脂筐体300の本体部310の挿入ガイド311が金属筐体200のガイド溝229に挿入できるように、2つのボス部320と挿入ガイド311の位置が調整される。次に、樹脂筐体300の上端部が金属筐体200の空洞227の奥まで挿入される。これにより、2つのボス部320の外側部322が金属筐体200の2つの嵌合溝228に嵌合する。また、2つのボス部320の先端部324が金属筐体200の光源取付部210の2つの貫通孔212を貫通する。このとき、先端部324の上端面の高さは、金属筐体200の光源取付面213の高さに一致する。つまり、先端部324の上端面の高さは、LED基板250の裏面の高さに一致する。続いて、2本の基板締結用ネジ260が、光源取付部210の2つの貫通孔212を貫通している2つのボス部320の穴321に挿入される。このとき、2つの基板締結用ネジ260は、金属筐体200の光源取付部210に取り付けられたLED基板250の2つの貫通孔253と、光源取付部210の2つの貫通孔212とを順番に貫通する。これにより、LED基板250が、金属筐体200の光源取付部210に締結される。
【0067】
上記のように、本実施の形態では、樹脂筐体300が金属筐体200に装着される際に、2つのボス部320の外側部322が金属筐体200の2つの嵌合溝228に嵌合するため、金属筐体200に対する樹脂筐体300の回動を防止することができる。なお、基板締結用ネジ260によって、金属筐体200と樹脂筐体300とが締結されれば、金属筐体200に対する樹脂筐体300の回動を防止できる。この場合、LED基板250の裏面と光源取付面213とは接着部材等を用いて接着されてもよい。
【0068】
また、本実施の形態では、2つのボス部320の位置を金属筐体200の2つの嵌合溝228に合わせなければ、樹脂筐体300を金属筐体200に挿入できないようになっているため、樹脂筐体300が間違った向きで挿入されることを防止できる。ただし、2つのボス部320だけでは、樹脂筐体300が正しい向きから180度回転した向きでも挿入できてしまう。そのため、本実施の形態では、さらに、本体部310に挿入ガイド311を設けている。即ち、本実施の形態では、挿入ガイド311の位置を金属筐体200のガイド溝229に合わせなければ、樹脂筐体300を金属筐体200に挿入できないようになっているため、樹脂筐体300が間違った向きで挿入されることを確実に防止できる。なお、挿入ガイド311を設けることに代えて、2つのボス部320を180度以外の角度で離れた位置に設けるようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0069】
本実施の形態において、本体部310は、筒状であれば、略円筒状に限らず、他の形状であってもよい。金属筐体200の空洞227の形状は、本体部310の形状に合わせて適宜変更すればよい。
【0070】
ボス部320は、基板締結用ネジ260を挿入するための穴321が形成されていれば、略円筒状に限らず、他の形状であってもよい。光源取付部210の貫通孔212の形状は、ボス部320の形状に合わせて適宜変更すればよい。
【0071】
ボス部320は、本体部310の上端面から突出しなくてもよい。つまり、ボス部320は、光源取付部210の貫通孔212を貫通しなくてもよい。この場合、基板締結用ネジ260のみが光源取付部210の貫通孔212を貫通してボス部320の穴321に挿入される。
【0072】
ボス部320の側壁において、本体部310の側壁の内側に位置する部分(内側部323)はなくてもよい。例えば、ボス部320の最内部は、本体部310の最内部と同じ位置にあってもよい。この場合、ボス部320が本体部310の内側に張り出さないため、樹脂筐体300の内部に、より一層広いスペースを確保することができる。
【0073】
鍔部330は、本体部310の下方の端部から外側に鍔状に突き出るように形成される。鍔部330の外径は、金属筐体200の下方の端部の内径よりも大きくなければならない。意匠性の向上のため、鍔部330の外径は、金属筐体200の下方の端部の外径と同じであることが望ましい。本実施の形態では、ボス部320が鍔部330の内側に設けられるが、鍔部330の外側に設けられてもよい。
【0074】
樹脂筐体300が金属筐体200に装着される際には、鍔部330が、金属筐体200の下方の端部に当接し、樹脂筐体300が必要以上に金属筐体200の空洞227の奥に挿入されることを阻止する。
【0075】
ネジ部340は、鍔部330の下方に形成される。ネジ部340には、口金部400が螺合される。
【0076】
蓋部350は、本体部310の上方の開口部を覆うように本体部310と嵌合する。蓋部350には、通線筒部351、2つの嵌合凹部352、4つの嵌合孔部353が形成される。通線筒部351は、円筒状であり、本体部310に収納される点灯装置とLED基板250とを電気接続する電線を通すための穴が形成されたものである。樹脂筐体300が金属筐体200に装着された状態では、通線筒部351が金属筐体200の光源取付部210の電線挿通孔211を貫通する。2つの嵌合凹部352は、2つのボス部320の位置及び形状(太さ)に合わせた切り欠きであり、2つのボス部320と嵌合する。4つの嵌合孔部353は、本体部310の4本の嵌合ガイド312の位置及び形状(太さ)に合わせた穴であり、4本の嵌合ガイド312と嵌合する。なお、4本の嵌合ガイド312を蓋部350に、4つの嵌合孔部353を本体部310にそれぞれ形成して、互いに嵌合できるようにしてもよい。
【0077】
なお、蓋部350は、本体部310と一体成形されてもよい。樹脂筐体300は、蓋部350を有していなくてもよい。
【0078】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。