(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明によるナビゲーション装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。また、本実施の形態において説明する各情報の形式、内容などは、あくまで例示であり、各情報の持つ意味を示すことができれば、形式、内容などは問わない。
【0028】
(実施の形態1)
本実施の形態において、2以上の階を有する建物内において、現在位置から、現在位置とは異なる階の目的地までの経路を探索するナビゲーション装置1について説明する。
【0029】
なお、本実施の形態におけるナビゲーション装置1は、例えば、ナビゲーション機能を備える携帯端末などである。また、ナビゲーション装置1は、通常、人が所有するものである。
【0030】
図1は、本実施の形態におけるナビゲーション装置1のブロック図である。ナビゲーション装置1は、建物地図画像格納部101、種類管理情報格納部102、建物地図情報構成部103、蓄積部104、建物地図情報格納部105、身障者情報格納部106、現在位置情報取得部107、受付部108、変更部109、経路探索部110、出力部111を備える。
【0031】
建物地図画像格納部101には、建物地図を示す画像である建物地図画像が格納される。建物地図とは、2以上の階を有する建物の地図である。建物地図は、例えば、いわゆるフロアマップや、駅や空港などの構内図などである。また、建物地図は、通常、いわゆる平面図であることが好適である。また、建物地図は、例えば、いわゆる立体図であってもよい。また、建物は、例えば、駅や、空港、ショッピングセンター、デパート、総合レジャー施設、スポーツジム、病院、オフィスビル、商業施設などである。また、建物は、2以上の階を有する建物であれば何でもよい。
【0032】
また、建物は、通常、1以上の通路を有する。当該通路は、通常、人などが往来する通常の通路(以下、適宜、通常通路)と、階間を移動する手段(以下、適宜、階間移動手段)である。階間移動手段は、例えば、階段、エスカレータ、エレベータなどである。また、階間移動手段は、通常、2種類以上であるが、これらの3種類であることが好適である。また、建物は、例えば、店舗や、施設、部屋などの1以上の区画を有する。施設は、例えば、トイレや、出入り口、自販機コーナー、喫煙所などである。
【0033】
また、建物は、例えば、分散していてもよい。「分散している」とは、例えば、2以上の建物が、2以上の建物間を行き来するための通路で接続されていることである。当該「2以上の建物間を行き来するための通路」は、例えば、渡り廊下や、陸橋などである。
【0034】
また、建物地図画像には、例えば、建物を識別する情報(以下、適宜、建物識別情報)が対応付いていてもよい。建物識別情報は、例えば、建物の名称や、住所、その他の任意の文字列などである。
【0035】
また、建物地図画像は、通常、1つの階を示す画像であることが好適である。つまり、1つの建物に対応する建物地図は、通常、2以上の建物地図画像の集合により示されることが好適である。言い換えると、当該2以上の建物地図画像の集合には、1つの建物識別情報が対応付いていることが好適である。また、当該建物識別情報により識別される建物の各階に対応する建物地図は、当該2以上の各建物地図画像により示される。また、1つの階を示す建物地図画像には、階を示す階情報が対応付いていてもよい。
【0036】
また、建物地図画像格納部101に建物地図画像が蓄積される過程は、問わない。当該建物地図画像は、例えば、図示しない撮影部が撮影することにより取得した画像であってもよい。当該撮影部は、通常、いわゆるカメラにより実現され得る。また、当該建物地図画像は、例えば、図示しない受信部が受信した画像であってもよい。当該画像は、例えば、いわゆるWebからダウンロードした画像である。また、当該受信部は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されてもよい。
【0037】
種類管理情報格納部102には、図柄画像と、種類情報とが対応付いた情報である2以上の種類管理情報が格納される。図柄画像とは、階間移動手段の図柄を示す画像である。また、種類情報は、階間移動手段の種類を示す情報である。
【0038】
図柄画像は、通常、階間移動手段を示すアイコンである。アイコンは、図柄、絵柄、記号、文字などを表現したものである。アイコンは、通常、いわゆる画像である。また、当該画像の形式は問わない。つまり、当該画像は、ラスタデータであってもよいし、ベクタデータであってもよいし、その他のデータであってもよい。また、アイコンは、アイコンの属性を示す1以上の属性情報を有していてもよい。当該属性は、例えば、色や、大きさ、形状などである。また、アイコンは、アイコンを識別するアイコン識別子を有していてもよい。また、図柄画像は、例えば、階間移動手段を抽象化した画像や、階間移動手段の外観や形状を摸した画像などであってもよい。
【0039】
また、種類情報は、例えば、「階段」や、「エスカレータ」、「エレベータ」などである。
【0040】
建物地図情報構成部103は、建物地図画像を用いて、建物地図情報を構成する。建物地図情報とは、建物地図を示す情報である。建物地図情報は、通常、通路を示す情報である1以上の通路情報を有する。通路情報は、通常通路を示す情報である通常通路情報と、階間移動手段を示す情報である階間移動手段情報とに分類することができる。また、当該「構成」とは、「作成」や、「生成」などを含み、広く解する。
【0041】
通路情報は、例えば、通路の両端の位置を示す位置情報や、当該位置に対応する名称を示す名称情報などを有する。位置は、通常、経緯度であるが、建物地図上の座標であってもよい。また、位置には、通常、いわゆる高さ(高度)も含まれる。高さは、例えば、階数であってもよい。また、名称は、例えば、店舗名や、建物内の施設名、階数、などである。
【0042】
また、通路情報は、例えば、通路を識別する情報である通路識別情報や、当該通路のスコアなどを有する。当該「スコア」は、通常、後述の経路探索部110が経路探索に用いる情報である。つまり、当該「スコア」は、経路探索に用いる「コスト」と考えてよい。また、当該「スコア」は、例えば、通路の距離に基づくものや、通路の幅に基づくものなどである。また、当該「スコア」は、例えば、通路の混雑状況に基づくものであってもよい。また、当該「スコア」は、例えば、優先順位を示すものであってもよい。
【0043】
また、通路情報は、例えば、身障者の通行の可否を示す身障者通行可否情報を有していてもよい。身障者とは、通常、歩行が困難な者である。具体的に、身障者は、例えば、車いすを利用している者や、松葉杖を利用している者などである。また、身障者通行可否情報は、通常、いわゆるフラグである。また、通路情報は、例えば、通路の種類を示す種類情報を有していてもよい。この場合、通路情報が通常通路情報であるか階間移動手段情報であるかは、当該種類情報により示される。
【0044】
また、通常通路情報は、通常、通常通路の幅を示す幅情報を有する。
【0045】
また、階間移動手段情報は、通常、階間移動手段の種類を示す種類情報を有する。また、階間移動手段情報は、例えば、階間移動手段の属性を示す情報を有していてもよい。
【0046】
例えば、階間移動手段である「階段」を示す階間移動手段情報は、例えば、階段の属性を示す情報を有していてもよい。当該「階段の属性を示す情報」は、例えば、階段の幅や、階段の段数などを示す情報である。
【0047】
また、例えば、階間移動手段である「エスカレータ」を示す階間移動手段情報は、例えば、エスカレータの属性を示す情報を有していてもよい。当該「エスカレータの属性を示す情報」は、例えば、エスカレータの幅や、エスカレータの段数、エスカレータの進行方向、エスカレータでの移動に要する時間などを示す情報である。
【0048】
また、例えば、階間移動手段である「エレベータ」を示す階間移動手段情報は、例えば、エレベータの属性を示す情報を有していてもよい。当該「エレベータの属性を示す情報」は、例えば、エレベータの定員数や、エレベータの最大積載量、エレベータでの移動に要する時間などを示す情報である。
【0049】
また、上記の通路情報が有する情報は、建物地図情報が有していてもよい。この場合、建物地図情報は、例えば、通路識別情報と、上記の通路情報が有する情報との対応表を有する。
【0050】
また、建物地図情報は、例えば、建物内の区画を示す情報である区画情報を有していてもよい。区画情報は、例えば、区画の位置や、区画の名称、区画の種類などを示す情報を有する。
【0051】
また、建物地図情報の形式は、例えば、いわゆるカーナビゲーションに用いる地図情報(以下、適宜、通常の地図情報)と同じ形式であってもよい。当該形式は、通常、KIWIフォーマットである。この場合、建物地図情報が有する通路情報は、通常の地図情報が有する道路情報と同様であると考えることができる。また、建物地図情報が有する区画情報は、通常の地図情報が有する地点情報と同様であると考えることができる。
【0052】
ここで、道路情報とは、地図上の道路を示す情報であり、当該道路の両端の位置や、名称、種類などを示す情報を有する。また、道路情報は、通常、道路を識別する情報も有する。また、地点情報とは、地図上の地点を示す情報であり、当該地点の位置や、名称、種類などを示す情報を有する。また、地点情報は、通常、地点を識別する情報も有する。
【0053】
具体的に、建物地図情報構成部103は、例えば、建物地図画像を画像処理し、1以上の通路情報や1以上の区画情報などを取得する。建物地図画像において、通路部分と区画部分とは、通常、色が異なる。また、当該色が異なる部分の境界線は、通常、直線または曲線で構成される。従って、建物地図情報構成部103は、例えば、直線検出のアルゴリズムや、曲線検出のアルゴリズム、パターン認識などを用いて、建物地図画像から、通路部分または区画部分を検出する。そして、建物地図情報構成部103は、検出した通路部分または区画部分が配置されている建物地図上の位置を示す位置情報や、当該位置の付近に配置されている名称を示す名称情報などを、建物地図画像を用いて取得する。そして、建物地図情報構成部103は、これらの取得した情報を対応付けることにより、通路情報や区画情報などを構成する。
【0054】
また、例えば、位置情報を取得する場合、建物地図情報構成部103は、例えば、検出した通路部分または区画部分が配置されている建物地図上の座標を、建物地図画像を用いて取得する。そして、建物地図情報構成部103は、建物地図画像に対応付いている建物識別情報により識別される建物の領域を示す経緯度を取得する。当該経緯度を取得する方法や手順などは、問わない。そして、建物地図情報構成部103は、当該取得した座標と当該取得した経緯度とを用いて、検出した通路部分または区画部分が配置されている経緯度を算出する。
【0055】
また、例えば、名称情報を取得する場合、建物地図情報構成部103は、例えば、建物地図画像に対していわゆるOCR(Optical Character Recognition)を行う。そして、建物地図情報構成部103は、当該OCRにより取得できた文字を、名称情報として取得する。このとき、建物地図情報構成部103は、例えば、当該文字が配置されている建物地図上の座標を、建物地図画像を用いて取得する。
【0056】
また、例えば、通路情報を構成する場合、建物地図情報構成部103は、例えば、以下の手順により、通路情報を構成する。
(1)建物地図画像から位置情報と共に名称情報を取得する。
(2)建物地図画像から通路部分を検出する。
(3)(2)で検出した通路部分の中心線を検出する。
(4)(3)で検出した中心線の両端の位置や、中心線同士の交点の位置、中心線上の予め決められた間隔ごとの位置など示す位置情報を取得する。
(5)(4)で取得した1以上の位置情報について、(3)で検出した中心線において隣接する2つの位置情報を対応付ける。
(6)(4)で対応付けた2つの各位置情報が示す位置との距離が予め決められた距離以下である位置を示す位置情報が対応付いている名称情報を、当該対応付いている2つの位置情報に対応付けることにより、通路情報を構成する。
【0057】
なお、上記(6)において、「対応付いている2つの位置情報」に対応付ける名称情報は、上記(1)で取得した名称情報である。
【0058】
また、例えば、区画情報を構成する場合、建物地図情報構成部103は、例えば、以下の手順により、区画情報を構成する。
(1)建物地図画像から位置情報と共に名称情報を取得する。
(2)建物地図画像から区画部分を検出する。
(3)(2)で検出した区画部分の中心点を検出する。
(4)(3)で検出した中心点の位置を示す位置情報を取得する。
(5)(4)で取得した位置情報が示す位置との距離が予め決められた距離以下である位置を示す位置情報が対応付いている名称情報を、当該取得した位置情報に対応付けることにより、通路情報を構成する。
【0059】
なお、上記(3)において、中心点以外の点を検出してもよい。当該「中心点以外の点」とは、例えば、区画部分の輪郭線上の点である。
【0060】
また、上記(6)において、「取得した位置情報」に対応付ける名称情報は、上記(1)で取得した名称情報である。
【0061】
また、通路情報や区画情報が有するその他の情報について、建物地図情報構成部103は、例えば、建物の領域を示す経緯度や、建物地図画像のサイズ(寸法)などを用いて算出してもよい。
【0062】
また、上記において、「パターン認識」に用いられる画像は、例えば、種類管理情報格納部102に格納されている図柄画像である。この場合、建物地図情報構成部103は、例えば、図柄画像が示す図柄と同一の図柄が配置されている建物画像中の位置に該当する画像から、当該図柄画像に対応付いている種類情報が示す種類の階間移動手段を示す階間移動手段情報を取得する。具体的に、建物地図情報構成部103は、例えば、当該図柄画像が配置されている建物地図画像中の位置を示す位置情報を、建物地図画像を用いて取得する。そして、建物地図情報構成部103は、当該取得した位置情報と、当該図柄画像に対応付いている種類情報とを対応付け、階間移動手段情報を構成する。
【0063】
例えば、建物地図画像格納部101に、
図2に示す建物地図画像が格納されているとする。当該建物地図画像は、名称が「店A」、「店B」、「店C」、「店D」である4つの区画と、当該区画間の通常通路を示す。この様な場合、建物地図情報構成部103は、まず、当該通常通路と区画との境界線を、画像処理により検出し、当該境界線を示す画像を取得する。そして、建物地図情報構成部103は、当該取得した境界線を示す画像を用いて、当該境界線を示す座標を算出する。当該座標は、通常、
図2における図形の頂点の座標である。そして、建物地図情報構成部103は、当該算出した頂点の座標を用いて、
図3に示す様に、各区画の中心の座標と、通路の中心線の両端および交点の座標を算出し、それぞれを、区画情報および通常通路情報として取得する。また、建物地図情報構成部103は、例えば、
図2の建物地図画像が示す区画の名称を取得し、当該名称を、取得した区画情報に対応付けてもよい。
【0064】
また、例えば、異なる階の同じ位置に通路や区画が存在する場合、建物地図情報構成部103は、例えば、当該階数を、当該通路や区画に対応する高さとして取得する。また、この場合、建物地図情報構成部103は、例えば、階数に基づいて高さを算出してもよい。当該高さの算出方法は、通常、予め決められている。建物地図情報構成部103は、例えば、当該高さを算出するための算出式を保持している。当該算出式は、通常、階数を代入するための変数を有する。そして、建物地図情報構成部103は、当該算出式が有する変数に階数を代入し、当該算出式を計算することにより、高さを算出する。
【0065】
また、階間移動手段は、異なる階を移動するための手段である。従って、建物地図情報構成部103は、例えば、階間移動手段が位置する階に応じて、2つの高さを算出する。そして、建物地図情報構成部103は、階間移動手段の進行方向に応じて、当該2つの高さを階間移動手段の両端の位置を示す位置情報に対応付けることにより、階間移動手段情報を構成する。
【0066】
例えば、階間移動手段が2階と3階の間に位置する場合、建物地図情報構成部103は、2階に対応する高さと、3階に対応する高さとを算出する。また、例えば、建物地図画像において、当該階間移動手段が2階から3階に移動するものであることが示されているとする。この様な場合、建物地図情報構成部103は、当該階間移動手段の始点の位置を示す位置情報に、2階に対応する高さを対応付ける。また、建物地図情報構成部103は、当該階間移動手段の終点の位置を示す位置情報に、3階に対応する高さを対応付ける。
【0067】
また、例えば、建物地図画像に階情報が対応付いている場合、建物地図情報構成部103は、当該階情報を高さとして取得してもよい。
【0068】
また、建物地図情報構成部103は、通路情報が有し得るスコアを、例えば、当該通路情報が有する2つの位置情報が示す位置間の距離に基づいて算出してもよい。この場合、当該スコアの算出方法は、通常、予め決められている。建物地図情報構成部103は、例えば、当該スコアを算出するための算出式を保持している。当該算出式は、通常、距離を代入するための変数を有する。そして、建物地図情報構成部103は、当該算出式が有する変数に距離を代入し、当該算出式を計算することにより、スコアを算出する。
【0069】
また、建物地図情報構成部103は、通路情報が有し得る通路識別情報を、例えば、予め決められた方法により作成してもよい。「予め決められた方法」とは、例えば、通路情報を構成した順序を示す情報を、通路識別情報として取得することや、通路情報を構成するために取得した2つの名称情報を連結することなどである。なお、通路識別情報を作成する方法や手順などは、問わない。
【0070】
また、例えば、構成した通路情報がエレベータを示す階間移動手段情報である場合、建物地図情報構成部103は、例えば、当該階間移動手段情報が有し得るエレベータの属性を示す情報を、例えば、当該エレベータや当該エレベータを制御している装置などから受信してもよい。
【0071】
また、建物地図情報構成部103は、通路情報が有する身障者通行可否情報を、例えば、通路情報が有する情報に応じて取得してもよい。当該「通路情報が有する情報」は、例えば、幅情報や、種類情報などである。通常、幅が狭いと、身障者の通行は困難である。従って、例えば、通路情報が有する幅情報が示す幅が予め決められた条件を満たすほど狭い場合、建物地図情報構成部103は、身障者の通行が不可であることを示す身障者通行可否情報を取得する。また、通常、段差があると、身障者の通行は困難である。従って、例えば、通路情報が有する種類情報が示す種類が予め決められた条件を満たす種類である場合、建物地図情報構成部103は、身障者の通行が不可であることを示す身障者通行可否情報を取得する。当該種類の通路は、通常、階段およびエスカレータである。
【0072】
以上の様に、建物地図情報構成部103は、通常、建物地図画像を用いて、通常通路や、階間移動手段、区画などの位置を示す位置情報を取得する。そして、建物地図情報構成部103は、当該取得した位置情報を、当該通常通路や、階間移動手段、区画などごとに対応付けて、通常通路情報や、階間移動手段情報、区画情報などを構成する。そして、建物地図情報構成部103は、当該通常通路情報や、階間移動手段情報、区画情報などを有する建物地図情報を構成する。
【0073】
また、例えば、建物地図画像に建物識別情報が対応付いている場合、建物地図情報構成部103は、構成した建物地図情報に当該建物識別情報を対応付けてもよい。
【0074】
蓄積部104は、建物地図情報構成部103が構成した建物地図情報を、建物地図情報格納部105に蓄積する。
【0075】
建物地図情報格納部105には、1以上の建物地図情報が格納される。当該建物地図情報は、通常、建物地図情報格納部105に予め格納されている建物地図情報である。また、当該建物地図情報は、例えば、建物地図情報構成部103が構成し、蓄積部104が建物地図情報格納部105に蓄積した建物地図情報であってもよい。また、当該1以上の各建物地図情報には、通常、建物識別情報が対応付いている。
【0076】
身障者情報格納部106には、ユーザが身障者であるか否かを示す身障者情報が格納される。身障者情報は、通常、いわゆるフラグである。
【0077】
現在位置情報取得部107は、建物内での現在位置を示す現在位置情報を取得する。現在位置情報が示す現在位置は、通常、経緯度である。また、当該現在位置には、通常、いわゆる高さ(高度)も含まれる。高さは、例えば、階数であってもよい。なお、高さから階数を算出する方法や手順などは、前述のとおりであるので、説明を省略する。また、現在位置情報取得部107は、通常、定期的に現在位置情報を取得する。また、現在位置情報取得部107は、通常、移動体通信用の基地局から現在位置情報を受信する装置や、無線LANのアクセスポイントから現在位置情報を受信する装置などから、現在位置情報を取得する。この場合、現在位置情報取得部107は、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。また、現在位置情報取得部107の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。
【0078】
受付部108は、建物内での目的地に関する情報である目的地関連情報を受け付ける。目的地関連情報は、例えば、建物内の区画の位置や、区画の名称、区画の種類、建物内の位置などを示す情報である。目的地関連情報は、例えば、「3階自販機コーナー」や、「2階北エレベータ乗り場」、「○○ショップ」、「(x1,y1,2F)」などである。
【0079】
また、受付部108が受け付ける目的地関連情報により示される目的地の階は、例えば、ユーザの現在位置の階とは異なる階である。
【0080】
また、受付部108は、エレベータの現在の状況を示すエレベータ現在状況情報を受け付けてもよい。「エレベータの現在の状況」とは、例えば、エレベータの移動の状況や、エレベータの混雑の状況などである。エレベータの移動の状況とは、エレベータが移動中であるか否かや、エレベータが移動している階、エレベータの進行方向、エレベータが停止している階、エレベータがユーザのいる階に到着するまでの時間などである。また、エレベータの混雑の状況とは、例えば、エレベータが混雑しているか否かや、エレベータの混雑の度合などである。
【0081】
また、受付部108は、例えば、電源ONの指示や、電源OFFの指示などを受け付けてもよい。なお、受付部108がこれらの指示を受け付けた場合、ナビゲーション装置1は、通常、当該受け付けた指示に応じた処理を行う。
【0082】
また、受け付けとは、タッチパネルや、キーボードなどの入力デバイスから入力された情報の取得、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体に格納されている情報の取得、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信などを含む概念である。
【0083】
また、例えば、エレベータ現在状況情報を受信する場合、受付部108は、通常、エレベータやエレベータを制御している装置などから現在状況情報を受信する。この場合、当該エレベータ現在状況情報には、通常、当該エレベータを識別する通路識別情報が対応付いている。
【0084】
また、受付部108における情報や指示などの入力手段は、メニュー画面によるものや、キーボードなど、何でもよい。受付部108は、メニュー画面の制御ソフトウェアや、キーボード等の入力手段のデバイスドライバなどで実現され得る。
【0085】
変更部109は、エレベータ現在状況情報が示すエレベータの現在の状況に応じて、エレベータに対応する1種類以上のスコアを変更する。「スコアを変更する」とは、スコアを増加させること、または、スコアを減少させることである。
【0086】
例えば、エレベータが混雑している場合、当該エレベータを利用しない経路を探索することが好適である。また、エレベータが混雑していない場合、当該エレベータを利用する経路を探索することが好適である。従って、例えば、エレベータ現在状況情報がエレベータの混雑の度合を示す場合、変更部109は、当該混雑の度合に応じてスコアを増加または減少させる。
【0087】
また、当該スコアの増分または減分の算出方法は、通常、予め決められている。変更部109は、例えば、当該増分または減分を算出するための算出式を保持している。当該算出式は、数値を代入するための変数を有する。そして、エレベータ現在状況情報が数値である場合、変更部109は、例えば、当該数値を、当該算出式が有する変数に代入し、当該算出式を計算することにより、増分または減分を算出する。また、エレベータ現在状況情報が数値でない場合、変更部109は、例えば、エレベータ現在状況情報に対応する数値を算出し、当該数値を、当該算出式が有する変数に代入し、当該算出式を計算することにより、増分または減分を算出する。なお、エレベータ現在状況情報に対応する数値を算出する方法や手順などは、問わない。変更部109は、例えば、エレベータ現在状況情報と数値との対応表を用いて、数値を取得する。
【0088】
また、変更部109は、例えば、上記スコアの増分または減分を算出することなく、変更後のスコアを算出してもよい。当該変更後のスコアの算出方法は、上記スコアの増分または減分の算出方法と同様であるので、説明を省略する。
【0089】
また、変更部109は、通常、エレベータ現在状況情報に対応付いている識別情報と同一の識別情報を有する階間移動手段情報が有するスコアを変更する。つまり、変更部109は、通常、エレベータ現在状況情報に対応付いている識別情報と同一の識別情報を有する階間移動手段情報を、建物地図情報格納部105から検索する。そして、変更部109は、当該検索した階間移動手段情報が有するスコアを変更する。
【0090】
経路探索部110は、建物内経路を探索し、当該建物内経路を示す情報である建物内経路情報を取得する。建物内経路とは、一の建物内の現在位置から、同一の建物内の目的地までの経路である。また、建物内経路は、通常、通常通路と階間移動手段とを用いた経路である。また、当該建物内の現在位置の階と、建物内の目的地の階とは、通常、異なる。言い換えると、建物内経路は、階間移動手段を必ず経由する経路であると言える。従って、経路探索部110は、経由地条件付経路探索(経由地に対する条件が設定されている経路探索)を行うと言える。また、建物内経路情報は、通常、1以上の通常通路情報と、1以上の階間移動手段情報とを有する。
【0091】
具体的に、経路探索部110は、通常、現在位置情報と、目的地関連情報と、予め決められた条件(以下、適宜、経由条件)を満たす階間移動手段情報とを、建物地図情報格納部105に格納されている建物地図情報に適用する。当該現在位置情報は、現在位置情報取得部107が取得した現在位置情報である。また、当該目的地関連情報は、受付部108が受け付けた目的地関連情報である。また、経由条件とは、経由するか否かを判断するための条件である。経由条件は、例えば、現在位置からの距離が最短であることや、混雑状況が予め決められた混雑状況を満たすこと、幅や定員数などが予め決められた幅や定員数などを満たすこと、予め決められた種類であることなどである。また、経由条件を満たす階間移動手段情報は、通常、建物地図情報が有する階間移動手段情報である。
【0092】
例えば、経由条件が「距離=最短」であるとする。当該経由条件は、現在位置からの距離が最短であることを意味する。この様な場合、経路探索部110は、現在位置からの距離が最短である階間移動手段を経由する経路を探索する。
【0093】
また、例えば、経由条件が「混雑度≦40%」であるとする。当該経由条件は、混雑の度合が40%以下であることを意味する。この様な場合、経路探索部110は、混雑の度合が40%以下である階間移動手段を経由する経路を探索する。なお、当該階間移動手段は、通常、エレベータである。
【0094】
また、例えば、経由条件が「種類=階段orエスカレータ」であるとする。当該経由条件は、種類が階段またはエスカレータであることを意味する。この様な場合、経路探索部110は、階段またはエスカレータを経由する経路を探索する。
【0095】
また、例えば、経由条件が「段差=なし」であるとする。当該経由条件は、段差がないことを意味する。この様な場合、経路探索部110は、段差のない階間移動手段を経由する経路を探索する。なお、当該階間移動手段は、通常、エレベータまたは段差のないエスカレータである。
【0096】
また、経由条件は、例えば、予め決められていてもよいし、そうでなくてもよい。そうでない場合、経由条件は、経路探索部110が作成する。また、この場合、経路探索部110は、例えば、エレベータ現在状況情報が示すエレベータの現在の状況に応じて、経由条件を作成する。つまり、経路探索部110は、当該エレベータの現在の状況に応じて、エレベータを利用するか否かを判断し、その結果に応じた経由条件を作成する。
【0097】
例えば、エレベータ現在状況情報が「南第一:1階:5分」であるとする。当該エレベータ現在状況情報は、識別情報「南第一」により識別されるエレベータ(以下、適宜、南第一エレベータ)が1階に到着するまでの時間
が5分であることを意味する。また、ユーザが、1階の南第一エレベータ付近にいるとする。この様な場合、経路探索部110は、南第一エレベータが1階に到着するまでの時間が長いため、南第一エレベータを利用しないと判断する。そして、経路探索部110は、南第一エレベータを経由しない(利用しない)ことを示す経由条件を作成する。当該経由条件は、例えば、「識別情報≠南第一」である。
【0098】
また、例えば、エレベータ現在状況情報が「北第二:4階〜5階:上」であるとする。当該エレベータ現在状況情報は、識別情報「北第二」により識別されるエレベータ(以下、適宜、北第二エレベータ)が4階から5階の間を上方向に移動していることを意味する。また、ユーザが、1階の北第二エレベータ付近にいるとする。この様な場合、経路探索部110は、北第二エレベータが1階に到着するまでの時間が長いため、北第二エレベータを利用しないと判断する。そして、経路探索部110は、北第二エレベータを経由しない(利用しない)ことを示す経由条件を作成する。当該経由条件は、例えば、「識別情報≠北第二」である。
【0099】
また、例えば、エレベータ現在状況情報が「全エレベータ:点検中」であるとする。当該エレベータ現在状況情報は、建物内のすべてのエレベータが点検中であり、稼働していないことを意味する。この様な場合、経路探索部110は、エレベータが稼働していないため、エレベータを利用しないと判断する。そして、経路探索部110は、エレベータを経由しない(利用しない)ことを示す経由条件を作成する。当該経由条件は、例えば、「種類≠エレベータ」である。
【0100】
また、上記「経由条件を作成する」こととは、言い換えると、エレベータ現在状況情報が示すエレベータの現在の状況に応じた通常通路および階間移動手段を用いた建物内経路を探索することである。「エレベータの現在の状況に応じた通常通路および階間移動手段」とは、「エレベータの現在の状況に応じた通常通路」および「エレベータの現在の状況に応じた階間移動手段」である。また、「エレベータの現在の状況に応じた通常通路」とは、例えば、エレベータの現在の状況によりエレベータを利用しない経路を探索することになった結果、エレベータを利用する経路における通常通路とは異なる通常通路が必然的に選択されることを意味する。
【0101】
また、上記「現在位置情報を建物地図情報に適用する」とは、当該現在位置情報が示す建物地図上の位置を、出発地とすることである。また、上記「目的地関連情報を建物地図情報に適用する」とは、当該目的地関連情報が示す位置や、目的地関連情報が示す名称などに対応する位置を、目的地とすることである。また、上記「階間移動手段情報を建物地図情報に適用する」とは、当該階間移動手段情報が示す階間移動手段や、当該階間移動手段の位置などを、経由地とすることである。
【0102】
そして、経路探索部110は、当該経由地を経由した出発地から目的地までの建物内経路を探索する。このとき、経路探索部110は、通常、建物地図情報が有する通常通路情報および階間移動手段情報が有するスコアを、経路のコストとして用いる。この場合、経路探索部110は、通常、スコアの合計が最小となる建物内経路を探索する。また、このとき、経路探索部110は、当該スコアを、経路の優先順位として用いてもよい。この場合、経路探索部110は、通常、2以上の通路の選択肢がある場合に、優先順位の最も高い通路を選択する。そして、経路探索部110は、建物内経路を示す建物内経路情報を取得する。
【0103】
なお、経路の探索(ここでは、建物内経路の探索)には、通常、最短経路問題の解法(アルゴリズム)を用いる。「最短経路問題の解法」は、例えば、ダイクストラ法や、A*アルゴリズムなどである。これらの解法は、公知であるので、詳細な説明を省略する。また、経路情報(ここでは、建物内経路情報)を取得する方法や手順などは、公知であるので、詳細な説明を省略する。
【0104】
また、ユーザが身障者である場合、経路探索部110は、通常、予め決められた条件(以下、適宜、幅条件)を満たすほど幅が広い通常通路を用いた経路を探索する。なお、「ユーザが身障者である場合」とは、身障者情報格納部106に格納されている身障者情報が、ユーザが身障者であることを示す場合である。
【0105】
例えば、幅条件が「幅≧2m」であるとする。当該幅条件は、通常通路の幅が2m以上であることを意味する。この様な場合、経路探索部110は、幅が2m以上である通常通路を用いた経路を探索する。
【0106】
また、例えば、幅条件が「1.5m≦幅≦3.0m」であるとする。当該幅条件は、通常通路の幅が1.5m以上3m以下であることを意味する。この様な場合、経路探索部110は、幅が1.5m以上3m以下である通常通路を用いた経路を探索する。
【0107】
また、ユーザが身障者である場合、経路探索部110は、例えば、身障者の通行が可であることを示す身障者通行可否情報を有する通常通路情報および階間移動手段情報が示す通常通路および階間移動手段を用いた経路を探索してもよい。
【0108】
また、ユーザが身障者でない場合に探索する建物内経路を、以下、適宜、普通経路とする。また、当該普通経路を示す情報を、普通経路情報とする。また、ユーザが身障者である場合に探索する建物内経路を、以下、適宜、身障者用経路とする。また、当該身障者用経路を示す情報を、以下、適宜、身障者用経路情報とする。
【0109】
出力部111は、経路探索部110が取得した建物内経路情報を出力する。出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。なお、送信や蓄積、処理結果の引渡しについては、出力対象が最終的にユーザに提示されるものとする。
【0110】
また、出力部111は、例えば、建物地図情報格納部105に格納されている建物地図情報と共に、建物内経路情報を出力してもよい。この結果、建物地図上に建物内経路が表示される。
【0111】
また、出力部111は、ディスプレイやスピーカーなどの出力デバイスを含むと考えてもよいし、含まないと考えてもよい。出力部111は、出力デバイスのドライバソフトまたは、出力デバイスのドライバソフトと出力デバイスなどで実現され得る。
【0112】
なお、建物地図画像格納部101、種類管理情報格納部102、建物地図情報格納部105、身障者情報格納部106は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。また、建物地図画像格納部101などに所定の情報が記憶される過程は、問わない。例えば、当該所定の情報は、記録媒体や、通信回線、入力デバイスなどを介して建物地図画像格納部101などに記憶されてもよい。
【0113】
また、建物地図情報構成部103、蓄積部104、変更部109、経路探索部110は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。また、建物地図情報構成部103などの処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。なお、建物地図情報構成部103などは、ハードウェア(専用回路)で実現されてもよい。
【0114】
次に、ナビゲーション装置1の全体動作について、フローチャートを用いて説明する。
図4は、ナビゲーション装置1の全体動作を示すフローチャートである。
【0115】
(ステップS401)ナビゲーション装置1は、受付部108が電源ONの指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS402に進み、そうでない場合は、ステップS401に戻る。
【0116】
(ステップS402)ナビゲーション装置1は、電源ONの処理を行う。
【0117】
(ステップS403)現在位置情報取得部107は、現在位置情報の取得を開始する。以降、現在位置情報取得部107は、通常、ナビゲーション装置1の電源がOFFになるまで、現在位置情報を定期的に取得し続ける。
【0118】
(ステップS404)建物地図情報構成部103は、建物地図画像格納部101に建物地図画像が格納されているか否かを判断する。格納されている場合は、ステップS405に進み、そうでない場合は、ステップS407に進む。
【0119】
(ステップS405)建物地図情報構成部103は、建物地図画像を用いて建物地図情報を構成する。この処理の詳細は、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0120】
(ステップS406)蓄積部104は、ステップS405で構成した建物地
図情報を、建物地図情報格納部105に蓄積する。
【0121】
(ステップS407)変更部109は、建物地図情報格納部105に建物地図情報が格納されているか否かを判断する。格納されている場合は、ステップS408に進み、そうでない場合は、ステップS415に進む。
【0122】
(ステップS408)変更部109は、受付部108がエレベータ現在状況情報を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS409に進み、そうでない場合は、ステップS410に進む。
【0123】
(ステップS409)変更部109は、ステップS408で受け付けたエレベータ現在状況情報が示すエレベータの現在の状況に応じて、当該エレベータに対応するスコアを変更する。なお、当該スコアは、建物地図情報が有する当該エレベータを示す階間移動手段情報が有するスコアである。
【0124】
(ステップS410)経路探索部110は、受付部108が目的地関連情報を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS411に進み、そうでない場合は、ステップS415に進む。
【0125】
(ステップS411)経路探索部110は、ユーザが身障者であるか否かを判断する。当該判断は、通常、身障者情報格納部106に格納されている身障者情報を用いて判断する。そして、身障者である場合は、ステップS412に進み、そうでない場合は、ステップS413に進む。
【0126】
(ステップS412)経路探索部110は、身障者用経路を探索する。そして、経路探索部110は、当該身障者用経路を示す身障者用経路情報を取得する。
【0127】
(ステップS413)経路探索部110は、普通経路を探索する。そして、経路探索部110は、当該普通経路を示す普通経路情報を取得する。
【0128】
(ステップS414)出力部111は、ステップS412またはステップS413で取得した建物内経路情報を出力する。
【0129】
(ステップS415)ナビゲーション装置1は、受付部108が電源OFFの指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS416に進み、そうでない場合は、ステップS404に戻る。
【0130】
(ステップS416)ナビゲーション装置1は、電源OFFの処理を行う。そして、ステップS401に戻る。
【0131】
なお、
図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理を終了してもよい。
【0132】
図5は、
図4のフローチャートのステップS405の建物地図情報の構成処理を示すフローチャートである。
【0133】
(ステップS501)建物地図情報構成部103は、建物地図画像格納部101に格納されている建物地図画像から、1以上の名称情報を取得する。
【0134】
(ステップS502)建物地図情報構成部103は、ステップS501で取得した1以上の各名称情報に対応する位置情報を、建物地図画像を用いて取得する。
【0135】
(ステップS503)建物地図情報構成部103は、建物地図画像から線を検出する。当該線は、通常、直線または曲線である。
【0136】
(ステップS504)建物地図情報構成部103は、ステップS503で検出した線を用いて、建物地図画像から、建物地図における通路部分を検出する。
【0137】
(ステップS505)建物地図情報構成部103は、ステップS504で検出した通路部分を用いて、当該通路部分の中心線を検出する。
【0138】
(ステップS506)建物地図情報構成部103は、ステップS505で検出した中心線上の位置を示す1以上の位置情報を取得する。
【0139】
(ステップS507)建物地図情報構成部103は、ステップS505で検出した中心線において隣接する2つの位置情報と、当該2つの各位置情報に対応する名称情報を対応付けることにより、通路情報を構成する。なお、当該名称情報および当該名称情報に対応する位置情報は、ステップS501およびステップS502で取得した名称情報および位置情報である。
【0140】
(ステップS508)建物地図情報構成部103は、ステップS503で検出した線を用いて、建物地図画像から、建物地図における区画部分を検出する。
【0141】
(ステップS509)建物地図情報構成部103は、ステップS508で検出した区画部分を用いて、当該区画部分の中心点を検出する。
【0142】
(ステップS510)建物地図情報構成部103は、ステップS509で検出した中心点の位置を示す位置情報を取得する。
【0143】
(ステップS511)建物地図情報構成部103は、ステップS510で取得した位置情報と、当該位置情報に対応する名称情報とを対応付けることにより、区画情報を構成する。なお、当該名称情報および当該名称情報に対応する位置情報は、ステップS501およびステップS502で取得した名称情報および位置情報である。
【0144】
(具体例)
次に、ナビゲーション装置1の動作の具体例について説明する。
【0145】
(例1)
本例において、建物地図情報を構成する例について説明する。なお、本例において、建物地図画像格納部101には、
図6に示す建物地図画像が格納されているものとする。当該建物地図画像は、2つの階(1階と2階)を有する建物の各階の地図を示す画像である。また、当該各階は、
図6に示す様に、1以上の区画を有している。また、1階の1以上の各区画には、
図6に示す様に、「1A」から「1V」までの文字が付与されている。また、2階の1以上の各区画には、
図6に示す様に、「2A」から「2P」までの文字が付与されている。当該文字は、店舗名である。また、当該文字は、当該各区画を識別する情報としてもよい。また、当該建物地図画像は、ユーザがナビゲーション装置1を操作した結果、図示しない撮影部が撮影を行い取得した画像であるものとする。また、種類管理情報格納部102には、
図7に示す種類管理情報が格納されているものとする。当該種類管理情報は、レコードを一意に特定するためのIDと、図柄画像(項目名:画像)と、種類情報(項目名:種類)とを有する。
【0146】
まず、建物地図情報構成部103は、
図6の建物地図画像から、通常通路部分の領域である通常通路領域を検出する。「通常通路領域を検出する」とは、通常通路領域を構成する1以上の各頂点の座標を取得することである。また、当該通常通路領域の検出は、例えば、いわゆるエッジ検出により行う。
【0147】
次に、建物地図情報構成部103は、検出した通常通路領域に含まれる1以上の矩形を検出する。「通常通路領域に含まれる1以上の矩形」とは、通常通路領域を構成する1以上の矩形である。また、当該1以上の各矩形は、通常、一連の通路を示す。また、当該矩形は、例えば、他の形状の図形であってもよい。また、「矩形を検出する」とは、矩形を構成する4つの各頂点の座標を取得することである。また、当該1以上の矩形の検出は、例えば、
図8に示す様に、通常通路領域を構成する1以上の各矩形を、1つずつ順に取得することにより行う。また、このとき、建物地図情報構成部103は、通常、他の矩形と一部が重なる矩形を検出する。
【0148】
次に、建物地図情報構成部103は、検出した1以上の矩形ごとに、当該矩形の中心線を検出する。「中心線を検出する」とは、中心線の両端の座標を取得することである。また、当該中心線は、通常、矩形の長辺に平行な線である。つまり、当該中心線は、当該矩形の2つの短辺の中心点を結ぶ線である。従って、建物地図情報構成部103は、当該矩形の2つの短辺の中心点の座標を取得する。また、当該検出した中心線を、以下、適宜、構成線とする。
【0149】
次に、建物地図情報構成部103は、検出した構成線同士の交点、および当該構成線の端点を検出する。「交点を検出する」とは、交点の座標を取得することである。また、「端点を検出する」とは、端点の座標を取得することである。また、当該検出した交点および端点は、建物地図上の点である。
【0150】
次に、建物地図情報構成部103は、
図6の建物地図画像から、
図7の種類管理情報が有する図柄画像を用いて、当該図柄画像が示す図柄と同一の図柄が配置されている領域である階間移動手段領域を検出する。「階間移動手段領域を検出する」とは、階間移動手段領域を構成する1以上の各頂点の座標を取得することである。また、当該階間移動手段領域の検出は、例えば、いわゆるパターン認識などにより行う。また、階間移動手段領域は、通常、矩形である。また、建物地図情報構成部103は、検出した階間移動手段領域に対して、当該階間移動手段領域の検出に用いた図柄画像に対応付いている種類情報を対応付ける。これにより、検出した階間移動手段領域が、どの種類の階間移動手段に対応する領域であるかを判別することができる。
【0151】
例えば、建物地図画像に、
図7の「ID=011」の図柄画像が示す図柄と同一の図柄が配置されているとする。この様な場合、建物地図情報構成部103は、当該領域を階間移動手段領域として検出する。そして、建物地図情報構成部103は、当該検出した階間移動手段領域に、
図7の「ID=011」の種類情報「階段」を対応付ける。
【0152】
また、例えば、建物地図画像に、
図7の「ID=015」の図柄画像が示す図柄と同一の図柄が配置されているとする。この様な場合、建物地図情報構成部103は、当該領域を階間移動手段領域として検出する。そして、建物地図情報構成部103は、当該検出した階間移動手段領域に、
図7の「ID=015」の種類情報「エレベータ」を対応付ける。
【0153】
なお、
図6の各階の建物地図画像の中央付近には、
図7の「ID=015」の図柄画像が示す図柄と同一の図柄が配置されている。
【0154】
次に、建物地図情報構成部103は、検出した階間移動手段領域の中心線または中心点を検出する。「中心点を検出する」とは、中心点の座標を取得することである。また、3種類の階間移動手段のうち、階段とエスカレータは、通常、いわゆる斜め垂直方向に移動するための手段である。つまり、階段とエスカレータは、始点と終点の位置および高さが異なる。また、エレベータは、通常、垂直方向に移動するための手段である。つまり、エレベータは、始点と終点の位置は同じであり、高さのみが異なる。従って、建物地図情報構成部103は、例えば、検出した階間移動手段領域のうち、階段とエスカレータに対応する階間移動手段領域については、中心線を検出する。また、建物地図情報構成部103は、例えば、検出した階間移動手段領域のうち、エレベータに対応する階間移動手段領域については、中心点を検出する。また、建物地図情報構成部103は、検出した中心線および中心点に、階間移動手段領域に対応付いている種類情報を対応付ける。また、当該検出した中心線は、構成線である。
【0155】
次に、建物地図情報構成部103は、
図6の建物地図画像から、区画部分の領域である区画領域を検出する。「区画領域を検出する」とは、区画領域を構成する1以上の各頂点の座標を取得することである。また、当該区画領域の検出は、例えば、いわゆるエッジ検出などにより行う。また、区画領域は、通常、矩形である。
【0156】
次に、建物地図情報構成部103は、検出した区画領域の中心点を検出する。
【0157】
次に、建物地図情報構成部103は、検出した階間移動手段領域の中心線のいずれか一方の端点、階間移動手段領域の中心点、区画領域の中心点の各点から、最も近い構成線までの垂線と、当該垂線と構成線との交点を検出する。また、当該検出した垂線は、構成線である。
【0158】
次に、建物地図情報構成部103は、1つの階において検出した階間移動手段領域と、当該階間移動手段領域に対応する他の階の階間移動手段領域とを対応付ける。具体的に、建物地図情報構成部103は、例えば、
図6の1階の建物地図画像から検出した階間移動手段領域について、当該階間移動手段領域に対応する点と、
図6の2階の建物地図画像から検出した階間移動手段領域に対応する点とを対応付ける。当該「階間移動手段領域に対応する点」とは、階間移動手段領域の中心線のいずれか一方の端点または階間移動手段領域の中心点である。このとき、建物地図情報構成部103は、対応付ける端点間を結ぶ線である移動線を検出する。「移動線を検出する」とは、移動線の端点の座標を取得することである。また、当該検出した移動線は、構成線である。
【0159】
以上の処理により、建物地図情報構成部103は、建物地図上の点と、当該点を結ぶ構成線とを検出する。当該検出により取得した情報を、以下、適地、通路基情報とする。また、通路基情報は、例えば、
図9である。
図9は、
図6の1階の建物地図画像に対応する通路基情報である。つまり、
図9は、
図6の建物地図画像が示す通常通路や階間移動手段、区画などを簡略化した情報である。また、
図9において、階段に対応する階間移動手段領域の中心線は、他の構成線と区別するために、実線にて示されている。
【0160】
次に、建物地図情報構成部103は、
図9において、構成線により隣接する2つの点ごとに、以下の処理を順に行う。
(1)2つの各点の座標に対応する経緯度を取得する。
(2)2つの各点の座標に対応する種類情報を取得する。
(3)(1)で取得した経緯度を用いて、2つの点間の距離を算出する。
(4)(3)で算出した距離を用いて、スコアを算出する。
(5)2つの各点の座標に対応する通路の幅または定員を算出する。
(6)(5)で取得した幅または定員に応じて、身障者通行可否情報を作成する。
【0161】
上記(1)の経緯度は、例えば、ユーザが建物地図画像を撮影した位置や、当該建物の位置などを示す経緯度を用いて取得する。
【0162】
また、上記(2)の種類情報の取得について、例えば、2つの各点を示す座標に種類情報が対応付いている場合、建物地図情報構成部103は、当該種類情報を取得する。また、当該2つの各点を示す座標に種類情報が対応付いていない場合、建物地図情報構成部103は、例えば、予め決められた記憶領域に格納されている種類情報を取得する。
【0163】
また、上記(5)の幅または定員は、例えば、通常通路領域または階間移動手段領域の大きさを用いて取得する。
【0164】
また、上記(6)において、建物地図情報構成部103は、例えば、上記(2)で取得した種類情報が示す種類に応じて、身障者通信可否情報を作成してもよい。
【0165】
次に、建物地図情報構成部103は、上記の様にして取得した経緯度などを対応付け、1以上の通路情報を構成する。そして、蓄積部104は、当該構成した通路情報を、当該通路情報を有する建物地図情報として建物地図情報格納部105に蓄積する。当該蓄積された1以上の通路情報は、例えば、
図10である。
【0166】
図10において、通路情報は、レコードを一意に識別するためのIDが対応付いている。また、当該通路情報は、通路識別情報(項目名:識別子)と、2つの位置情報(項目名:位置1、位置2)と、種類情報(項目名:種類)と、スコアと、幅と、定員と、身障者通行可否情報(項目名:身障者可否)を有する。
【0167】
また、
図10において、通路識別情報は、例えば、当該通路情報を構成した順、または、当該通路情報を蓄積する順に自動的に生成されるものである。
【0168】
また、
図10において、位置情報は、高さを示す「1F」や「2F」などの情報を有する。当該高さは、階数である。建物地図情報構成部103は、例えば、
図6の建物地図画像に配置されている「1F」や「2F」などの文字をOCRにより取得する。そして、建物地図情報構成部103は、当該取得した文字を、上記で取得した経緯度に対応付け、位置情報を構成する。
【0169】
(例2)
本例において、建物内経路を探索し、建物内経路情報を取得する例について説明する。なお、本例において、建物地図情報格納部105には、
図10に示す様な1以上の通路情報を有する建物地図情報が格納されているものとする。また、当該建物地図情報により示される建物地図は、例えば、
図6である。また、本例において、
図11に示す現在位置から目的地までの建物内経路を探索するものとする。
【0170】
まず、普通経路を探索する例について説明する。この場合、身障者情報格納部106には、ユーザが身障者でないことを示す身障者情報が格納されている。また、この場合、経路探索部110は、例えば、
図10に示す様な1以上の通路情報を用いて、距離が最短である建物内経路を探索する。このとき、経路探索部110は、例えば、通路情報が有するスコアを、コストまたは距離として用いる。この様にして探索された普通経路は、例えば、
図12である。
【0171】
次に、身障者用経路を探索する例について説明する。この場合、身障者情報格納部106には、ユーザが身障者であることを示す身障者情報が格納されている。また、この場合、経路探索部110は、例えば、
図10に示す様な1以上の通路情報のうち、経由条件や、幅条件を満たす通路情報や、身障者の通行が可であることを示す身障者通行可否情報を有する通路情報などを用いて、身障者用経路を探索する。例えば、
図10の通路情報の場合、経路探索部110は、「ID=011」、「ID=017」、「ID=018」、「ID=019」、「ID=020」、「ID=021」、「ID=022」の通路情報を用いて、身障者用経路を探索する。また、このとき、経路探索部110は、上記の普通経路の探索と同様に、通路情報が有するスコアを、コストまたは距離として用いる。この様にして探索された身障者用経路は、例えば、
図13である。
【0172】
図12と
図13とにおいて、建物内経路のうち、通常通路を用いている部分は、実線により示されている。また、当該建物内経路のうち、階間移動手段を用いている部分は、点線により示されている。
【0173】
また、
図12と
図13を比較すると、
図12では、ユーザが身障者ではないため、最短距離であることを優先し、階間移動手段として階段を選択している。しかしながら、
図13では、ユーザが身障者であるため、身障者の通行が可であることを優先し、階間移動手段としてエレベータを選択している。
【0174】
(例3)
本例において、エレベータ現在状況情報に応じて建物内経路を探索し、建物内経路情報を取得する例について説明する。なお、本例において、建物地図情報格納部105には、
図10に示す様な1以上の通路情報を有する建物地図情報が格納されているものとする。また、当該建物地図情報により示される建物地図は、例えば、
図6である。また、本例において、
図14に示す現在位置から目的地までの建物内経路を探索するものとする。
【0175】
まず、受付部108が、エレベータを制御している装置から、エレベータ現在状況情報「全エレベータ:点検中」を受信したとする。すると、経路探索部110は、経由条件「種類≠エレベータ」を作成する。
【0176】
次に、経路探索部110は、例えば、
図10に示す様な1以上の通路情報を用いて、経由条件「種類≠エレベータ」を満たす建物内経路を探索する。また、当該建物内経路は、通常、普通経路である。また、当該探索された普通経路は、例えば、
図15である。
図15に示す様に、当該普通経路は、現在位置の近くに存在するエレベータを利用せずに、現在位置から遠い階段を利用している。
【0177】
以上、本実施の形態によるナビゲーション装置1によれば、2以上の階を有する建物内での現在位置から、現在位置とは異なる階の目的地までの建物内経路を探索し、案内することができる。これにより、ユーザは、建物内にて迷うことなく建物内の目的地に辿り着くことができる。
【0178】
なお、本実施の形態において、建物は、例えば、
図16に示す様な構造を持つ建物であってもよい。当該建物は、2つの建物(建物1と建物2)から構成される。また、当該2つの建物は、渡り廊下により接続されている。
【0179】
また、本実施の形態において、建物地図情報は、例えば、建物地図情報を構成する建物地図情報構成装置2により構成されてもよい。建物地図情報構成装置2のブロック図は、
図17である。建物地図情報構成装置2は、建物地図画像格納部101と、種類管理情報格納部102と、建物地図情報構成部103とを備える。なお、建物地図画像格納部101、種類管理情報格納部102、建物地図情報構成部103における動作や処理などは、前述のとおりであるので、説明を省略する。また、建物地図情報構成装置2により構成された建物地図情報は、ナビゲーション装置1が備える建物地図情報格納部105に蓄積される。また、この場合、ナビゲーション装置1は、通常、建物地図画像格納部101と、種類管理情報格納部102と、建物地図情報構成部103と、蓄積部104とを備えていない。
【0180】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことは言うまでもない。
【0181】
また、上記各実施の形態におけるナビゲーション装置は、例えば、スタンドアロンの装置であってもよいし、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。
【0182】
また、上記各実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよいし、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0183】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよいし、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0184】
また、上記各実施の形態におけるナビゲーション装置を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、2以上の階を有する建物の地図である建物地図を示す情報であり、同一階を移動するための通路である通常通路を示す1以上の通常通路情報と、異なる階間を移動するための手段である階間移動手段を示す1以上の階間移動手段情報とを有する情報である建物地図情報が格納される建物地図情報格納部にアクセス可能なコンピュータを、前記建物内での現在位置を示す現在位置情報を取得する現在位置情報取得部と、前記建物内での目的地に関する情報である目的地関連情報を受け付ける受付部と、前記現在位置の階と前記目的地の階とが異なる場合に、前記現在位置から前記目的地までの経路であり、前記通常通路と前記階間移動手段とを用いた経路である建物内経路を、前記建物地図情報を用いて探索し、当該建物内経路を示す建物内経路情報を取得する経路探索部と、前記経路探索部が取得した建物内経路情報を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
【0185】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。
【0186】
また、上記プログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよいし、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0187】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよいし、複数であってもよい。つまり、集中処理を行ってもよいし、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0188】
また、
図18は、前述のプログラムを実行して、前述の実施の形態のナビゲーション装置等を実現するコンピュータシステム9の概観図である。前述の実施の形態は、コンピュータハードウェア、およびその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
【0189】
図18において、コンピュータシステム9は、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0190】
図19は、コンピュータシステム9のブロック図である。
図19において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012に加えて、MPU9013と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM9014と、MPU9013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM9015と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、およびデータを記憶するためのハードディスク9016と、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012、MPU9013等を相互に接続するバス9017とを備える。ここでは図示しないが、コンピュータ901は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを備えていてもよい。
【0191】
コンピュータシステム9に、前述の実施の形態のナビゲーション装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM9101、またはFD9102に記憶されて、CD−ROMドライブ9011またはFDドライブ9012に挿入され、さらにハードディスク9016に転送されてもよい。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク9016に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM9015にロードされる。プログラムは、CD−ROM9101、FD9102またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0192】
プログラムは、コンピュータ901に、前述の実施の形態のナビゲーション装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいればよい。コンピュータシステム9がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0193】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。