(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明はここで説明する実施形態に限定されず、他の形態に具体化もできる。むしろ、ここで紹介される実施形態は、開示された内容が徹底、かつ完全なものとなるようにし、また、当業者に本発明の思想を十分に伝達するために提供されたものである。
図面において、層及び領域の厚さは、明確性を期するために誇張して示した。また、層が他の層または基板「上」にあると言及される場合に、それは他の層または基板上に直接形成されるか、またはそれらの間に第3の層が介在してもよい。明細書の全体にわたって同一の参照番号で表示された部分は、同一の構成要素を意味する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態による液晶表示装置を示した平面図である。
図2は、
図1の切断線II−IIに沿って切断した断面図である。
図3は、
図1の液晶表示装置の一画素に対する等価回路図である。
図4は、
図1の液晶表示装置からカラーフィルタ及び遮光部材だけを分離して示した平面図である。
【0020】
図1及び
図2を参照すれば、本実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する下部表示板100と上部表示板200、これら二つの表示板100、200の間に挿入されている液晶層3、及び表示板100、200の外側面に付着している一対の偏光子(図示せず)を含む。
【0021】
まず、下部表示板100について説明する。
絶縁基板110の上に複数のゲート線121、複数の減圧ゲート線123、及び複数の維持電極線131を含む複数のゲート導電体が形成される。
ゲート線121及び減圧ゲート線123は、主に横方向に延在して、ゲート信号を伝達する。ゲート線121は、上下に突出した第1ゲート電極124h及び第2ゲート電極124lを含み、減圧ゲート線123は、上に突出した第3ゲート電極124cを含む。
図1の実施形態では、第1ゲート電極124h及び第2ゲート電極124lは互いに接続して一つの突出部を形成する。
【0022】
維持電極線131も、主に横方向に延在して、共通電圧Vcomなどの定められた電圧を伝達する。維持電極線131は、第1縦維持電極135a、横維持電極135b、第2縦維持電極135cを含み、下に拡張された容量電極134を含む。維持電極線131は、上に延在している二つの第1縦維持電極135a、二つの第1縦維持電極135aを連結する横維持電極135b、及び前記横維持電極135bからさらに上に延在している二つの第2縦維持電極135cを含む。
【0023】
第1縦維持電極135aは、上部に形成された第1画素電極191hの縦周縁に沿って形成され、第2縦維持電極135cは、第2画素電極191lの縦周縁に沿って形成される。一方、横維持電極135bは、前段の第2画素電極191lの横周縁と、本段の第1画素電極191hの横周縁との間に位置し、二つの横周縁に沿って形成される。
【0024】
その結果、第1縦維持電極135aと横維持電極135bは、第1画素電極191hの周縁に沿って形成されて、第1画素電極191hと少なくとも一部が重なり、第2縦維持電極135cと横維持電極135bは、第2画素電極191lの周縁に沿って形成されて、第2画素電極191lと少なくとも一部が重なる。
【0025】
図1において、上部に位置している横維持電極135bと、下部に位置している横維持電極135bとが、互いに分離しているように示されているが、実際には、隣接する上下の画素PXに形成される横維持電極135bと互いに電気的に接続される。
ゲート導電体121、123、131の上にはゲート絶縁膜140が形成される。
【0026】
ゲート絶縁膜140の上には、非晶質または結晶質ケイ素などからなる複数の半導体が形成される。半導体は、主に縦方向に延在して、第1ゲート電極124h及び第2ゲート電極124lに向かって延在しており、互いに接続される第1半導体154hと第2半導体154l、及び第2半導体154lと接続された第3半導体154cを含む。第3半導体154cは延在して、第4半導体(図示せず)を形成する。第4半導体は、
図1の平面図上に表示されていないが、平面的に見れば、後述する第3ドレイン電極175cと第3ドレイン電極175cの広い端部177cの下部に、それらと実質的に同じ形状を有して配置してもよい。
【0027】
半導体154h、154l、154cの上には複数のオーミックコンタクト部材(図示せず)を形成してもよく、第1半導体154hの上には第1オーミックコンタクト部材(図示せず)を形成してもよく、第2半導体154l及び第3半導体154cの上にはそれぞれ第2オーミックコンタクト部材(図示せず)及び第3オーミックコンタクト部材(図示せず)を形成してもよい。第3オーミックコンタクト部材は延在して、第4オーミックコンタクト部材(図示せず)を形成する。
【0028】
オーミックコンタクト部材の上には複数のデータ線171、複数の第1ドレイン電極175h、複数の第2ドレイン電極175l、及び複数の第3ドレイン電極175cを含むデータ導電体が形成される。
データ線171は、データ信号を伝達し、主に縦方向に延在してゲート線121及び減圧ゲート線123と交差する。各データ線171は、第1ゲート電極124h及び第2ゲート電極124lに向かって延在し、互いに接続される第1ソース電極173h及び第2ソース電極173lを含む。
【0029】
第1ドレイン電極175h、第2ドレイン電極175l、及び第3ドレイン電極175cは、広い一端部と、棒状の他端部分とを含む。第1ドレイン電極175h及び第2ドレイン電極175lの棒状端部は、第1ソース電極173h及び第2ソース電極173lによって一部が取り囲まれる。第2ドレイン電極175lの広い一端部はさらに延長されて、U字状に曲がった第3ソース電極173cを形成する。第3ドレイン電極175cの広い端部177cは、容量電極134と重なって減圧キャパシタCstdを形成し、棒状の端部は、第3ソース電極173cによって一部が取り囲まれる。
【0030】
第1/第2/第3ゲート電極(124h/124l/124c)、第1/第2/第3ソース電極(173h/173l/173c)、及び第1/第2/第3ドレイン電極(175h/175l/175c)は、第1/第2/第3半導体(154h/154l/154c)と共にそれぞれ一つの第1/第2/第3薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)(Qh/Ql/Qc)を形成し、薄膜トランジスタのチャネル(channel)は各ソース電極(173h/173l/173c)と各ドレイン電極(175h/175l/175c)の間の各半導体(154h/154l/154c)に形成される。
【0031】
半導体154h、154l、154cは、ソース電極173h、173l、173cとドレイン電極175h、175l、175cの間のチャネル領域を除いては、データ導電体171、175h、175l、175c及びその下部のオーミックコンタクト部材(図示せず)と実質的に同一の平面形状を有する。つまり、半導体154h、154l、154cには、ソース電極173h、173l、173cとドレイン電極175h、175l、175cの間をはじめとして、データ導電体171、175h、175l、175cによって覆われずに露出した部分がある。
【0032】
データ導電体171、175h、175l、175c及び露出した半導体154h、154l、154c部分の上には、窒化ケイ素または酸化ケイ素などの無機絶縁物からなる保護膜180が形成される。
保護膜180の上にはカラーフィルタ230を配置する。カラーフィルタ230は、隣接するデータ線171の間に沿って縦方向に長く延在して形成される。各カラーフィルタ230は、赤色、緑色及び青色の三原色など原色(primary color)のうちの一つを表示でき、各カラーフィルタ230は、縦方向に長く延在したデータ線171を中心として互いに離隔してもよい。本実施形態で、カラーフィルタ230は実質的に画素領域でその厚さが一定であってもよい。
互いに隣接するカラーフィルタ230がデータ線171を中心として離隔する場合には、保護膜180が露出してもよい。露出した保護膜180を満たしながら、互いに隣接するカラーフィルタ230の間に遮光部材220が形成される。
【0033】
遮光部材220は、データ線171に沿って縦方向に長く延在した部分と、薄膜トランジスタを覆いながら、ゲート線121に沿って横方向に長く延在した部分とを含む。遮光部材220が覆わない領域は、外部に光を放出させて画像を表示する領域になる。
【0034】
遮光部材220は、光漏れ現象を防止するために、マトリックス形状に配列される。本実施形態で、遮光部材220は画素領域に位置する段差形成部220pを含む。段差形成部220pは、
図1及び
図2で示したように十字形状を有してもよく、カラーフィルタ230の上に配置する。具体的に、
図4を参照すれば、十字形状に形成された段差形成部220pは、ゲート線121と実質的に同一の方向に延在した横部分と、このような横の部分と交差する縦部分とを含む。段差形成部220pの横部分は、長く延在して遮光部材220の縦部分と連結され、段差形成部220pの縦部分は、長く延在して遮光部材220の横部分と連結されている。しかし、段差形成部220pが必ず画素領域の周縁に沿って形成された遮光部材220と連結される必要はなく、遮光部材220と断絶して画素領域内で独立的に形成してもよい。但し、その場合でも段差形成部220pは、遮光部材220と同様の物質で同時に形成してもよい。
【0035】
遮光部材220を形成する以前に、カラーフィルタ230の上に蓋膜(図示せず)を形成してもよい。したがって、カラーフィルタ230と遮光部材220の間に蓋膜を配置してもよい。蓋膜は、カラーフィルタ230が浮くことを防止し、カラーフィルタ230から流入する溶剤(solvent)のような有機物による液晶層3の汚染を抑制して、画面駆動時に発生する残像のような不良を防止でき、窒化ケイ素または酸化ケイ素などの無機絶縁物または有機物質で形成してもよい。
【0036】
保護膜180及びカラーフィルタ230には、第1ドレイン電極175hの広い端部と、第2ドレイン電極175lの広い端部をそれぞれ露出する、複数の第1コンタクトホール185h及び複数の第2コンタクトホール185lが形成される。
【0037】
カラーフィルタ230の上には複数の画素電極191が形成される。画素電極191は、二つのゲート線121、123を介在して互いに分離されて、画素領域の上と下に配置されて、列方向に隣接する第1副画素電極191hと第2副画素電極191lを含む。
【0038】
第1副画素電極191hと第2副画素電極191lは、それぞれその中央に位置する板状電極192h、192lと、板状電極192h、192lから斜線方向に突出している複数の微細枝電極193h、193lとを含む。
【0039】
第1副画素電極191hは、正方形領域に位置する第1板状電極192hと複数の第1微細枝電極193hが形成されており、正方形領域の外部に延長された第1連結部197hによって、第1ドレイン電極175hの広い端部と連結される。
【0040】
第1板状電極192hはひし形形状を有し、正方形領域の中心にその中心を位置させており、ひし形形状の各頂点は正方形領域の境界と接触する。
第1板状電極192hは、カラーフィルタ230及び十字形状の段差形成部220pを覆っている。段差形成部220pは、第1板状電極192hと重なるカラーフィルタ230で上に突出した構造を有するため段差を形成し、第1板状電極192hは、段差形成部220pが提供する段差をそのまま有する。つまり、板状電極192hも十字形状の突出した構造を有してもよく、十字形状の突出した構造は、正方形領域の中心に位置する液晶分子にプレチルトを提供して、液晶分子の配列方向を制御する役割を果たし、その結果、テクスチャ不良が減る。
【0041】
第1板状電極192hの斜線方向の辺からは複数の第1微細枝電極193hが延長される。複数の第1微細枝電極193hは、正方形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121またはデータ線171に対してほぼ45度の角度をなしており、第1板状電極192hの斜線方向の辺に対してはほぼ90度の角度をなす。
【0042】
一方、
図1の実施形態では、第1副画素電極191hは第1板状電極192h及び複数の第1微細枝電極193hの端部を縦方向に連結する第1縦連結部194hが形成される。しかし、実施形態によっては、第1縦連結部194hは除外してもよく、この時には複数の第1微細枝電極193hは外部に突出する。
【0043】
一方、第2副画素電極191lは、縦に長い長方形領域に位置する第2板状電極192lと複数の第2微細枝電極193lが形成されており、長方形領域の外部に延長された第2連結部197lによって第2ドレイン電極175lの広い端部と連結される。
【0044】
第2板状電極192lは、全ての辺の長さが同じひし形形状を有し、長方形領域の中心にその中心を位置させており、全ての辺の長さが同じひし形形状の各頂点のうちの左右の頂点は、長方形領域の境界と接触している。第2板状電極192lのそれ以外の二つの頂点では縦方向に延長された縦延長部195lが連結されており、縦延長部195lの他端は長方形領域の境界と接触している。本実施形態を変形して、第2板状電極192lは左右の頂点だけでなく、上下の頂点も長方形領域の境界と接触するように形成してもよく、この時、第2板状電極192lは全ての辺の長さが同じひし形形状でない上下に長いひし形形状を有する。また、この場合、上述した縦延長部195lは形成されなくてもよい。
【0045】
第2板状電極192lは、カラーフィルタ230及び十字形状の段差形成部220pを覆っている。段差形成部220pは、第2板状電極192lと重なるカラーフィルタ230で上に突出した構造を有するため段差を形成し、第2板状電極192lは、段差形成部220pが提供する段差をそのまま有する。
第2板状電極192lの斜線方向の辺及び二つの縦延長部195lからは複数の第2微細枝電極193lが延長されている。複数の第2微細枝電極193lは、長方形領域のそれ以外の領域を満たし、ゲート線121またはデータ線171に対してほぼ45度の角度をなしており、第2部分板状電極192lの斜線方向の辺に対してはほぼ90度の角度をなしている。
【0046】
一方、
図1の実施形態では、第2副画素電極191lは、第2板状電極192l及び複数の第2微細枝電極193lの端部を縦方向に連結する第2縦連結部194lが形成される。しかし、実施形態によっては第2縦連結部194lは除外してもよく、この時には複数の第2微細枝電極193lは外部に突出する。
【0047】
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、第1コンタクトホール185h及び第2コンタクトホール185lを通じて、それぞれ第1ドレイン電極175h及び第2ドレイン電極175lからデータ電圧の印加を受ける。データ電圧が印加された第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、共通電極表示板200の共通電極270と共に電界を生成することによって,二つの電極191、270の間の液晶層3の液晶分子の方向を決定する。このように決められた液晶分子の方向によって、液晶層3を通過する光の輝度が変化する。
【0048】
第1副画素電極191hと共通電極270は、その間の液晶層3と共に第1液晶キャパシタClchを形成し、第2副画素電極191lと共通電極270は、その間の液晶層3と共に第2液晶キャパシタClclを形成して、第1薄膜トランジスタQh及び第2薄膜トランジスタQlがターンオフされた後にも印加された電圧を維持する。
【0049】
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、維持電極135をはじめとする維持電極線131と重なって、第1ストレージキャパシタCsth及び第2ストレージキャパシタCstlを形成し、第1ストレージキャパシタCsth及び第2ストレージキャパシタCstlは、それぞれ第1液晶キャパシタClch及び第2液晶キャパシタClclの電圧維持能力を強化する。
容量電極134と第3ドレイン電極175cの拡張部177cは、ゲート絶縁膜140と第4半導体(図示せず)を介在して互いに重なって減圧キャパシタCstdを形成する。本発明の他の実施形態において、減圧キャパシタCstdを構成する容量電極134と第3ドレイン電極175cの拡張部177cの間に配置されている第4半導体は除去してもよい。
【0050】
画素電極191、露出したカラーフィルタ230または蓋膜上には下部配向膜11が形成される。下部配向膜11は、垂直配向膜であってもよく、光反応物質を含む配向膜であってもよい。
【0051】
次に、上部表示板200について説明する。
本実施形態で、カラーフィルタ230と遮光部材220が下部表示板100に形成されているため、上部表示板200の構造は比較的に単純である。上部基板210の下に共通電極270が形成される。
共通電極270の下には上部配向膜21が形成される。上部配向膜21は、垂直配向膜であってもよく、光重合物質を利用して光配向された配向膜であってもよい。
【0052】
二つの表示板100、200の外側面には偏光子(polarizer)(図示せず)が備えられており、二つの偏光子の透過軸は直交し、このうちの一つの透過軸は、ゲート線121に対して平行であるのが好ましい。しかし、偏光子は、二つの表示板100、200のいずれか一つの外側面だけに配置してもよい。
【0053】
液晶層3は負の誘電率異方性を有し、液晶層3の液晶分子は、電界がない状態でその長軸が二つの表示板100、200の表面に対して垂直になるように配向される。したがって、電界がない状態で入射光は直交偏光子を通過できなくて遮断される。
【0054】
上述したように、データ電圧が印加された第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、共通電極表示板200の共通電極270と共に電界を生成することによって、電界がない状態で二つの電極191、270の表面に対して垂直になるように配向されていた液晶層3の液晶分子が、二つの電極191、270の表面に対して水平な方向に向かって傾くようになり、液晶分子が傾く程度によって液晶層3を通過する光の輝度が変化する。
【0055】
液晶表示装置は、二つの表示板100、200の間のセル間隔を維持するための間隔材(図示せず)をさらに含み、間隔材は上部表示板200に付着して、共通電極270の下に配置してもよい。
【0056】
下部表示板100と上部表示板200の間に挿入されている液晶層3は、負の誘電率異方性を有する液晶分子310を含む。
液晶層3には、紫外線などの光によって重合された配向重合体をさらに含んでもよい。液晶層3に含まれている配向重合体は、液晶層3にプレチルト角を提供するためのものであって、後述する
図6でプレチルト角を提供する方法について詳細に説明する。つまり、液晶層3がプレチルト角を提供する配向重合体がなくても、十分に配列方向が制御される場合には、重合体を含まなくてもよい。一方、実施形態によっては、上部表示板200及び下部表示板100に形成されている配向膜に紫外線などの光によって重合された配向重合体が含まれていてもよく、
図6で説明する方法によって配向重合体が含まれていてもよい。この時、液晶層3では配向重合体が含まれていなくてもよい。
【0057】
以下、以上のように遮光部材に含まれている段差形成部で提供する段差によって液晶分子の制御特性を説明する。
図5は、
図1の液晶表示装置で段差形成部によって液晶が制御される現象を簡略に示した部分平面図である。
【0058】
図5は、
図1の液晶表示装置において、第1副画素電極191hの中央右側上端に位置する一部構成を示した平面図である。
図5を参照すれば、第1微細枝電極193hと第1板状電極192hの境界部分では、(1)方向への力が作用して、液晶分子310が傾く。
本実施形態で、第1板状電極192hの横横断幹部と縦横断幹部は段差形成部220pによって、
図2に示したようにフィールド(field)を形成するため、(2)方向または(3)方向に力が作用して、液晶分子310が傾く。
【0059】
もし、本実施形態のように遮光部材220に含まれている段差形成部220pがなければ、第1板状電極192hの横横断幹部(horizontal stem)と縦横断幹部(vertical stem)の近くで液晶分子310には制御の原動力がないため、旋風(whirlwind)状のテクスチャ不良が発生しうる。しかし、本実施形態では、遮光部材220に含まれている段差形成部220pによって、第1板状電極192hに位置する大部分の液晶分子310には、第1微細枝電極193hと第2板状電極192hの境界部分で作用する(1)方向への力が連続的に伝達される。また、段差形成部220pと重なる第1板状電極192hの横横断幹部と縦横断幹部では、互いに反対方向に傾く液晶分子310が接触する境界部分で非透過領域になりうる。
【0060】
図5では、第1板状電極192hの一部分に対して説明したが、それ以外の部分も同一の規則に従って液晶分子310が傾く。つまり、第1副画素電極191hは、(1)方向に液晶分子310が傾く第1領域、(1)方向と90度である方向に液晶分子310が傾く第2領域、(1)方向と180度である方向に液晶分子310が傾く第3領域、及び(1)方向と270度である方向に液晶分子310が傾く第4領域を含んでもよい。
【0061】
図6は、光によって重合される配向補助剤を用いて液晶分子がプレチルトを有する過程を示した図面である。
図6を参照すれば、まず、紫外線などの光による重合反応(polymerization)によって硬化する単量体(monomer)などの配向補助剤330を、液晶物質310と共に二つの表示板100、200の間に注入する。配向補助剤330は、紫外線などの光によって重合反応を行う反応性メソゲン(reactive mesogen)であってもよい。
【0062】
次に、第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lにデータ電圧を印加し、上部表示板200の共通電極270に共通電圧を印加して、二つの表示板100、200の間の液晶層3に電界を生成する。このことにより、液晶層3の液晶分子310はその電界に応答して、一定の方向に傾く。
このように液晶層3の液晶分子310が一定の方向に傾いた状態で、紫外線などの光を照射すれば、配向補助剤330が重合反応を行って、
図6に示したように配向重合体350が形成される。配向重合体350は表示板100、200に隣接して形成される。配向重合体350によって、液晶分子310は上述した方向にプレチルトを有するように配向方向が定められる。したがって、電界生成電極191、270に電圧を印加しない状態でも、液晶分子310は互いに異なる4方向にプレチルトを有して配列するようになる。
その結果、一画素のうちの上部副画素または下部副画素それぞれの領域で、液晶分子310が総四方向にプレチルトを有する。
【0063】
図6に示したような配向重合体を利用したプレチルトは、遮光部材220に含まれている段差形成部220pが提供する段差だけでは液晶分子を制御してテクスチャ不良を減らすことができない場合に、付随的に用いられるのが好ましい。
【0064】
図7は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置を示す平面図である。
図8は、
図7の切断線VIII−VIIIに沿って切断した断面図である。
図9は、
図7の液晶表示装置からカラーフィルタ及び遮光部材だけを分離して示した平面図である。
図7で説明する実施形態は、
図1で説明した実施形態と大部分同一の構成要素を含むので、ここでは差がある部分を中心に説明する。
【0065】
図7及び
図8を参照すれば、保護膜180の下の構成要素は、
図1で説明した実施形態と大体同一である。本実施形態で、保護膜180の上に傾斜部230sを含むカラーフィルタ230が形成される。具体的に、
図9を参照すれば、本実施形態で、カラーフィルタ230は隣接するデータ線171の間に沿って縦方向に長く延在して形成されており、そのうちの第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lと重なる部分中一部領域に、高さが変化する傾斜部230s1、230s2を有する。傾斜部230sは、
図9に示したようにひし形構造を有する。第1傾斜部230s1のひし形構造は、第1板状電極192hが占める正方形領域の境界と頂点が接するように形成される。
第2傾斜部230s2のひし形構造は、第2板状電極192lが占める長方形領域の中央に配置されており、第2傾斜部230s2のひし形構造は、第2板状電極192lが占める長方形領域の左右境界と頂点が接するが、上下境界と頂点が一定の距離ほど離れて配置される。しかし、実施形態によっては、第2副画素電極192lの構造を変形してもよく、これによって第2傾斜部230s2のひし形構造が、第2板状電極192lが占める長方形領域の境界と頂点が全て接するように形成してもよい。
【0066】
本実施形態で、ひし形構造の傾斜部230sの横横断部分及び縦横断部分には段差形成部230pが形成される。傾斜部230sは、ひし形構造の辺から段差形成部230pに向かって高さが次第に低くなる構造を有する。段差形成部230pは、高さが最も低くなったカラーフィルタ傾斜部230sから上に突出した構造であってもよく、傾斜部230sの横横断部分及び縦横断部分に沿って長く延在した十字形状を有してもよい。
傾斜部230sの一辺から中心までは、一定の傾きで高さが低くなる構造を有し、高さが低くなるほどその幅が狭くなってもよい。
【0067】
カラーフィルタ230の上に第1板状電極192h及び第2板状電極192lが形成されており、第1板状電極192h及び第2板状電極192lは、それぞれカラーフィルタ230の傾斜部230s及び十字形状の段差形成部230pを覆っている。段差形成部230pは高さが低くなったカラーフィルタ傾斜部230sから上に突出した構造を有するため段差を形成し、第1板状電極192h及び第2板状電極192lは段差形成部230pが提供する段差をそのまま有する。つまり、第1板状電極192h及び第2板状電極192lもそれぞれ十字形状の突出した構造を有してもよく、十字形状の突出した構造は、正方形領域または長方形領域の中心に位置する液晶分子にプレチルトを提供して、液晶分子の配列方向を制御する役割を果たし、その結果テクスチャ不良が減る。
上述した差異点を除いては、
図1の実施形態で説明した内容は本実施形態にも適用できる。
【0068】
図10は、
図7の実施形態を変形した液晶表示装置を示した平面図である。
図11は、
図10のA−B領域を示した断面図である。
図12は、
図10のC−D領域を示した断面図である。
図13は、
図10のE−F領域を示した断面図である。
【0069】
カラーフィルタ230は、隣接するデータ線171の間に沿って縦方向に長く延在して形成される。各カラーフィルタ230は、赤色、緑色及び青色の三原色など原色(primary color)のうちの一つを表示でき、
図10に示したように、各カラーフィルタ230は、赤色カラーフィルタR、緑色カラーフィルタG、及び青色カラーフィルタBを互いに隣接して配列してもよい。
【0070】
図11乃至
図13を参照すれば、赤色カラーフィルタRに形成された傾斜部230sと段差形成部230pによって形成される第1角度s1、緑色カラーフィルタGに形成された傾斜部230sと段差形成部230pによって形成される第2角度s2、及び青色カラーフィルタBに形成された傾斜部230sと段差形成部230pによって形成される第3角度s3は、互いに異なる大きさを有する。本実施形態で、赤色カラーフィルタRに形成された傾斜部230sと段差形成部230pによって形成される第1角度s1が最も小さいのが好ましい。つまり、赤色カラーフィルタRに形成された傾斜部230sで段差形成部230pに接する部分での高さが最も低い。ここで、第2角度s2は第3角度s3より小さくてもよい。
【0071】
本実施形態で、赤色カラーフィルタR、緑色カラーフィルタG、及び青色カラーフィルタBは、傾斜部230sを除いた部分における厚さは互いに同一である。
本実施形態のように赤色カラーフィルタRの傾斜部230sによる段差を大きくすることによって、色座標の同一性が得られ、経時変化を防止する効果が得られる。
【0072】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。