特許第6289002号(P6289002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289002
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】医用画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20180226BHJP
   A61B 6/02 20060101ALI20180226BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20180226BHJP
   A61B 8/00 20060101ALI20180226BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   A61B6/00 360B
   A61B6/02 353A
   A61B5/05 380
   A61B8/00
   G06T1/00 290A
   G06T1/00 290D
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-197560(P2013-197560)
(22)【出願日】2013年9月24日
(65)【公開番号】特開2015-62504(P2015-62504A)
(43)【公開日】2015年4月9日
【審査請求日】2016年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】大石 悟
【審査官】 伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−052018(JP,A)
【文献】 特開2013−150801(JP,A)
【文献】 特開2010−188003(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0208037(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0050986(US,A1)
【文献】 特開2002−200066(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0082484(US,A1)
【文献】 米国特許第06181768(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
A61B 6/00 − 6/14
A61B 8/00 − 8/15
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査時期の異なる同一被検体の、略同一の撮影角度から撮影した複数の画像のデータを記憶する記憶部と、
選択された右目用画像及び左目用画像の互いの解剖学的位置を一致させるために、前記右目用画像、及び前記左目用画像のうち、少なくとも一方に対して位置の補正処理を実行する位置補正部と、
前記複数画像のうち、最新の画像を前記右目用画像、前記最新の画像の撮影時期から最も近い時期に撮影された画像を前記左目用画像として表示する表示部と、
を具備することを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項2】
検査時期の異なる同一被検体の、略同一の撮影角度から撮影した複数の画像のデータを記憶する記憶部と、
選択された右目用画像及び左目用画像の互いの解剖学的位置を一致させるために、前記右目用画像、及び前記左目用画像のうち、少なくとも一方に対して位置の補正処理を実行する位置補正部と、
前記複数の画像のうち、最新の画像を前記右目用画像、前記最新の画像の撮影時期から最も遠い時期に撮影された画像を前記左目用画像として表示する表示部と、
を具備することを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項3】
検査時期の異なる同一被検体の、略同一の撮影角度から撮影した複数の画像のデータを記憶する記憶部と、
選択された右目用画像及び左目用画像の互いの解剖学的位置を一致させるために、前記右目用画像、及び前記左目用画像のうち、少なくとも一方に対して位置の補正処理を実行する位置補正部と、
前記複数の画像のうち、最新の画像を前記右目用画像として表示し、前記最新の画像が撮影された時期に最も近い画像から検査画像が撮影された時期に最も遠い画像まで、順に前記左目用画像として表示する表示部と、
を具備することを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項4】
前記表示部において表示される画像に対し、立体視ON/OFFを切り替える切替部を更に有することを特徴とする請求項1乃至のうち少なくともいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像の比較読影において、読影医は、例えば、同一被検体に関する過去の画像と現在の画像とを並べて表示する。そして、表示された過去の画像と現在の画像とを交互に見ることにより、被検体に腫瘍等がないかを確認する。
【0003】
しかしながら、例えば、過去の画像と現在の画像との間に、明らかな画像の違いがあったとしても、読影医が、その違いを発見することは難しい場合があり、多くの時間を費やす必要がある。実際、腫瘍がある画像と腫瘍のない画像とを比較した場合、これらの画像の間にはわずかな違いしかない場合がある。そのため、読影医にとって、そのわずかな違いの有無を比較読影から判定することは、困難な場合がある。
【0004】
一方、ユーザが画像間のわずかな違いの有無を発見するための、経時サブストラクション技術がある。経時サブストラクション技術は、同一被検体に関する過去の画像と現在の画像とで差分処理を実行することにより、経時変化部分を強調する技術である。しかしながら、この技術により経時変化部分を強調させるためには、被検体、骨、血管、及び臓器等の位置を細かく位置合わせする必要があり、違いの有無の判定に多くの時間を費やしてしまう上、判定精度の確保が困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、ユーザによる、画像間の違いの有無の判定効率を向上する医用画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態による医用画像表示装置は、検査時期の異なる同一被検体の、略同一の撮影角度から撮影した複数の画像のデータを記憶する記憶部と、選択された右目用画像及び左目用画像の互いの解剖学的位置を一致させるために、前記前記右目用画像、及び前記左目用画像のうち、少なくとも一方に対して位置の補正処理を実行する位置補正部と、前記複数の画像のうち、最新の画像を前記右目用画像、前記最新の画像の撮影時期から最も近い時期に撮影された画像を前記左目用画像として表示する表示部と、を具備することを特徴とする。
【0007】
を具備することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る医用画像表示装置を含むシステム構成図の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る医用画像表示装置を用いた比較読影の方法を説明するためのフローチャート図である。
図3図3は、本実施形態に係る医用画像表示装置に表示される画像のユーザによる見え方を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る医用画像表示装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。図1は、本実施形態に係る医用画像表示装置1を含むシステム構成図の一例を示す図である。本実施形態に係る医用画像表示装置1は、画像を表示するための表示デバイスを有する携帯端末や汎用のパーソナルコンピューター等である。本医用画像表示装置1は、送受信部11、記憶部12、位置補正部13、入力部14、画像読み出し部15、表示制御部16、表示部17、切替部18、及びシステム制御部19を有する。
【0010】
本医用画像表示装置1は、LAN(Local Area Network)や公衆電子通信回線等のネットワーク20を介して、X線診断装置21、超音波診断装置22、MRI(Magnetic Resonance Imaging)23、及びPACS(Picture Archiving and Communication System:医療画像情報システム)24等の外部装置に接続される。そのため、本医用画像表示装置1は、ネットワーク20を介して外部装置に接続するための送受信部11を有する。送受信部11は、例えば、外部装置等と有線ケーブル等で接続されるためのコネクタ部(図示せず)及び外部装置からの無線信号を受信するための無線信号受信部(図示せず)等を有する。本医用画像表示装置1は、後述のシステム制御部19の制御に従って、外部装置と送受信部11を介したデータの送受を行う。例えば、送受信部11は、システム制御部19の制御下において、後述の画像読み出し部15により発生された画像取得要求を、上述の外部装置に送信する。そして、本医用画像表示装置1は、外部装置から、取得要求に対する応答を、送受信部11を介して受信する。この時、取得要求に応じた画像があれば、本医用画像表示装置1は、送受信部11を介して、画像のデータを受信する。受信した画像のデータは、システム制御部19の制御に従って、一時的にメモリに記憶させて、後述の表示部17に表示させてもよいし、後述の記憶部12に記憶させてもよい。
【0011】
記憶部12は、システム制御部19による制御に従って、外部装置から送信された画像のデータを記憶する。具体的には、例えば、記憶部12は、検査時期の異なる同一被検体の、同一の撮影角度から撮影した2枚の画像のデータを記憶する。
【0012】
位置補正部13は、検査時期の異なる同一被検体の、同一の撮影角度から撮影した2枚の画像の互いの解剖学的位置を一致させるための補正処理を、少なくとも一方の画像に対して実行する。補正処理は、例えば相互相関法や位相限定相関法等が用いられる。また、位置補正部13は、2枚の画像がほぼ一致するように細かく非線形な補正(ワーピング)を行っても良い。
【0013】
入力部14は、例えば、検査時期の異なる同一被検体の、同一の撮影角度から撮影した2枚の画像の互いの位置合わせを、ユーザが手動で行うための、マウスやキーボードなどの入力インターフェースを有する。また、ユーザは、これらの入力インターフェースを介して、検査画像を、複数の画像から選択することができる。また、入力部14は、比較読影の開始の契機となる比較読影スイッチを有する。なお、入力デバイスには、トラックボール、タッチパネル、及びスイッチ等が用いられてもよい。
【0014】
画像読み出し部15は、記憶部12またはネットワーク上の外部装置から、検査画像と略同一の撮影角度で撮影された同一被検体に関する画像(以下、比較画像と呼ぶ)を読み出す。具体的には、入力部14の比較読影スイッチがユーザにより押されたのを契機に、画像読み出し部15は、ユーザにより選択された検査画像の画像情報(被検体及び撮影条件等に関する情報)に基づいて、記憶部12やネットワーク上の外部装置に記憶されている画像を検索する。そして、検索した結果、比較画像がある場合、画像読み出し部15は、比較画像を、比較画像が記憶されている記憶部12またはネットワーク上の外部装置から読み出す。検索した結果、比較画像がない場合、比較画像がない旨を通知する信号を表示制御部16に対して出力する。
【0015】
表示制御部16は、検査時期の異なる同一被検体の、略同一の撮影角度から撮影した2枚の画像を表示する。検査時期の異なる同一被検体の、略同一の撮影角度から撮影した2枚の画像とは、ユーザにより選択された検査画像と、画像読み出し部15により読み出された比較画像とを指す。表示制御部16は、検査画像と比較画像とのうち、一方の画像を右目用画像、他方を左目用画像として表示部17に表示する。具体的には、表示制御部16は、右目用画像と左目用画像とを、それぞれ縦に帯状に分割した映像信号を表示部17に送信する。表示部17は、縦に帯状に分割された左目用画像と右目用画像とを交互になるように並べて表示する。表示部17は、表示面上にレンチキュラーレンズを有する。レンチキュラーレンズは、ユーザの見る位置により、視線の届く位置を変化させるレンズである。したがって、ユーザが表示部17を視認する位置を調整するか、または、表示部17の配置を調整されることにより、ユーザは、その右目には右目用画像が、左目には左目用画像だけが見える状態となる。
【0016】
なお、表示制御部16及び表示部17による、上記2枚の画像の表示方法は、ユーザの一方の目に一方の画像が、他方の目に他方の画像が見える状態とすることができるのであれば、上述の方法に限定されない。そして、表示制御部16及び表示部17による2枚の画像の表示方法は、例えば、画像立体視で用いられる表示方法の適用が可能である。
【0017】
例えば、眼鏡式のフレーム・シーケンシャル方式において、表示制御部16は、1フレーム同期期間内で、左目用画像に対応する左目用画像信号の後に右目用画像に対応する右目用画像信号を表示部17に送信する。表示制御部16による上述の映像信号の送信処理は、特定の周期毎に繰り返し実行される。表示部17は、表示制御部16から繰り返し送信された左目用画像信号と右目用画像信号に基づいて、特定の周期毎に画像を切り替えて表示する。一方、ユーザは、液晶シャッター眼鏡を装着して表示部17を視認する。液晶シャッターは、表示部17による画像の切り替え表示処理と同期して、左右の視界を交互に遮蔽する。眼鏡のシャッターが2つの画像と完全に同期して開閉することにより、右目には右目用画像が、左目には左目用画像だけが見える状態となる。
【0018】
また、複数の比較画像がある場合において、表示制御部16は、予めユーザにより設定された方法に従って、複数の比較画像から表示部17に表示する比較画像を決定する。例えば、表示制御部16は、複数の比較画像から、検査画像の撮影時期から最も近い時期に撮影された比較画像を表示部17に出力する。また、表示制御部16は、複数の比較画像から、検査画像が撮影された時期から最も遠い時期に撮影された比較画像を表示部17に出力する。また、表示制御部16は、複数の比較画像を、予め設定された方法に従って、1枚ずつ切り替えながら表示部17に表示してもよい。この時、表示部17には、例えば、右目用画像として最新検査画像が常に表示され、左目用画像には、比較画像が、1枚ずつ切り替わりながら表示される。比較画像の切り替わる順序として、例えば、表示制御部16は、検査画像が撮影された時期に最も近い比較画像から検査画像が撮影された時期に最も遠い比較画像までを、順に表示部17に表示する。
【0019】
表示制御部16は、画像読み出し部15からの出力に従って、比較画像がない旨をユーザに通知するためのメッセージを表示する。
【0020】
切替部18は、表示部17において表示される画像に対し、立体視ON/OFFを切り替える。具体的には、立体視ONの状態において、表示制御部16は、検査画像と比較画像とのうち、一方の画像を右目用画像、他方を左目用画像として表示部17に表示する。一方、立体視OFFの状態において、表示制御部16は、検査画像を表示部17に表示する。立体視OFFの状態において、ユーザは、一平面上に検査画像を見ることができる。また、立体視OFFの状態において、表示制御部16は、検査画像と比較画像とを表示部17に並べて表示してもよい。立体視ON/OFFの機能により、ユーザは、立体視ONの状態で、検査画像と比較画像との間に違いの有無があるとユーザが判断した場合、即座に立体視ONから立体視OFFに切り替え、検査画像を読影することができる。切替部は、立体視ON/OFFをユーザが切り替えるための切替スイッチを有する。切替スイッチは、ハードウェアでも、表示部17に表示されるアイコン等であってもよい。これらをユーザが操作することにより、立体視ON/OFFが切り替わる。なお、切替部18は、予めユーザにより設定された間隔で、自動的に立体視ON/OFFを切り替えてもよい。
【0021】
システム制御部19は、CPU(Central Processing Unit)とメモリ回路等を有する。システム制御部19は、入力部14を介して、本医用画像表示装置1に入力された情報を、一時的にメモリ回路に記憶する。システム制御部19は、入力された情報に基づいて本医用画像表示装置1の各部を統括して制御する。
【0022】
次に、本医用画像表示装置1を用いた比較読影の方法について図2を参照して説明する。
【0023】
図2は、本実施形態に係る医用画像表示装置1を用いた比較読影の方法を説明するためのフローチャート図である。
【0024】
(ステップS11:検査画像を表示)
表示制御部16により、ユーザにより選択された検査画像が表示部17に表示される。この時検査画像は通常のモニターと同様に平面的に表示される。長時間立体視を行うとユーザは非常に疲れる。比較が必要な時のみ立体視することで、ユーザの負担を少なくすることができる。
【0025】
(ステップS12:比較画像を読み出し)
画像読み出し部15により、ユーザにより選択された検査画像に対応する比較画像が、記憶部12またはネットワーク上の外部装置から読み出される。
【0026】
(ステップS13:画像間の位置補正)
位置補正部13により、検査時期の異なる同一被検体の、略同一の撮影角度から撮影した2枚の画像(検査画像及び比較画像)の互いの解剖学的位置を一致させるための補正処理を、少なくとも一方の画像に対して実行される。なお、入力部14を介したユーザ指示に従って、位置が調整されてもよい。
【0027】
(ステップS14:画像表示)
表示制御部16により、検査時期の異なる同一被検体の、略同一の撮影角度から撮影した2枚の画像(検査画像及び比較画像)が表示部17に表示される。
【0028】
ステップS14にて、表示される画像について、図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係る医用画像表示装置に表示される画像のユーザによる見え方を説明するための説明図である。
【0029】
図3(a)は、検査画像に、画像の変化部分(以下、腫瘍と呼ぶ)がない場合における、ユーザによる表示部の見え方を示しており、図3(b)は、検査画像に、腫瘍がある場合における、ユーザによる画像の見え方を示している。図3(a)に示すように、腫瘍がない場合、検査画像と比較画像との間に、画像の変化部分がないため、所定の位置において、ユーザには、その右目にも左目にも同じ画像が見える。そのため、ユーザには、同一平面上に画像を見ることができる。一方、図3(b)に示すように、検査画像に腫瘍がある場合、検査画像と比較画像との間に画像の変化部分があるため、所定の位置において、ユーザには、右目で見る画像と、左目で見る画像とが異なる。すると、ユーザには、その腫瘍が、一平面上から浮き出て見ることができる。
【0030】
以上に述べた医用画像表示装置によれば、以下の効果を得ることができる。
【0031】
本医用画像表示装置1は、検査時期の異なる同一被検体の、略同一の撮影角度から撮影した2枚の画像を表示することができる。ユーザは、所定の位置で、本医用画像表示装置1を見ることにより、一方の画像を右目に、他方の画像を左目に見ることができる。これにより、腫瘍等の画像の変化が一方の画像にある場合において、画像の変化部分が、ユーザ方向に浮き出てみることができる。これにより、ユーザは、通常は見落としてしまうような腫瘍の有無を判別することができる。これが、例えば、経時サブトラクションを用いた場合、完全に2枚の画像の解剖学的位置が一致していないと、2枚の画像から発生した差分画像を見て、ユーザが画像の変化部分の有無を判別することは困難である。一方、人間の脳は、2枚の画像の細かい位置ずれを補正することができる。そのため、本医用画像表示装置1にて表示された2枚の画像の間に細かい位置ずれがあったとしても、ユーザは、画像の変化部分が浮き出たように見ることができる。すなわち、本医用画像表示装置1は、ユーザによる、画像間の違いの有無の判定効率を向上することができる。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や趣旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものある。
【符号の説明】
【0033】
1…医用画像表示装置、11…送受信部、12…記憶部、13…位置補正部、14…入力部、15…画像読み出し部、16…表示制御部、17…表示部、18…切替部、18…システム制御部、20…ネットワーク、21…X線診断装置、22…超音波診断装置、23…MRI、24…PACS
図1
図2
図3