(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動機構は、前記分注レーン上の前記分析部で1回目の試料の分注が行われた前記試料ラックのうち、前記分析部で2回目の分注が行われる可能性がある試料が収容された試料容器を保持する試料ラックを、前記待機レーン上に移動することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
前記移動機構は、前記待機レーン上に載置された前記分析部で1回目の試料の分注が行われた前記試料ラックのうち、前記分析部で2回目の分注が行われる試料が収容された試料容器を保持する試料ラックを前記分注レーン上に移動することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動分析装置。
前記移動機構は、前記分注レーン又は前記待機レーン上に載置された前記分析部で1回目の試料の分注が行われた前記試料ラックのうち、前記分析部で2回目の分注が不要な試料が収容された試料容器を保持する試料ラックを、前記分注レーンの長手方向における一方に配置された回収レーンに移動することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動分析装置。
前記移動機構は、前記分析部で試料の分注が行われる前の前記試料ラックを前記分注レーンの長手方向における他方に配置された投入レーン上から前記分注レーン上に移動することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の自動分析装置。
前記移動機構は、前記一方のレーン上の前記試料ラックを上方向へ移動した後に下方向へ移動して前記他方のレーン上に載置する上下移動機構、この上下移動機構により上方向に移動された前記試料ラックを回転移動する回動移動機構、及び前記上下移動機構により上方向に移動された前記試料ラックを前記分注レーン及び前記待機レーンに沿って直線移動する直線移動機構により構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の自動分析装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、標準試料や被検試料等の試料及び各検査項目の試薬を分注し、試料及び試薬の混合液を測定する分析部10と、分析部10で分注が可能な位置等へ試料を案内する複数のレーンを有する搬送部40と、分析部10の各分析ユニットを駆動する駆動部50とを備えている。
【0012】
また、自動分析装置100は、分注が行われる前の試料や分注が行われた試料を搬送部40の各レーンに移動する移動機構部51と、駆動部50及び移動機構部51を制御する分析制御部52とを備えている。また、分析部10で標準試料や被検試料を含む混合液の測定により生成される標準データや被検データを処理して検量データや分析データの生成するデータ処理部60と、データ処理部60で生成された検量データや分析データを印刷出力や表示出力する出力部70とを備えている。
【0013】
また、自動分析装置100は、各検査項目の分析データを生成させる分析パラメータを設定するための入力、分析部10で1回目の試料の分注により生成される分析データから分析部10で2回目の分注を行わせて再検データを得る再検査を実行させる可能性のある再検対象の検査項目に対して再検査パラメータを設定するための入力、分析部10で分注及び測定を行わせる試料を識別する試料ID及びその試料に検査項目を設定するための入力等を行う操作部80と、分析制御部52、データ処理部60及び出力部70を統括して制御するシステム制御部90とを備えている。
【0014】
図2は、分析部10の構成を示した斜視図である。この分析部10は、標準試料が収容された試料容器11を保持するサンプルテーブル12と、各検査項目の例えば1試薬系及び2試薬系の第1試薬や2試薬系の第2試薬を収容する試薬容器13と、第1試薬が収容された試薬容器13を保冷する試薬庫15とを備えている。また、第2試薬が収容された試薬容器13を保冷する試薬庫16と、試薬容器13を移動可能に保持する試薬庫15,16内に配置された2つの試薬ラック14と、円周上に配置された複数の反応容器17を保持する反応テーブル18を備えている。
【0015】
また、サンプルテーブル12に保持された試料容器11内の標準試料や、搬送部40上の試料ラック31に保持された試料容器11内の被検試料等の試料を吸引して反応容器17内へ吐出する分注を行うサンプル分注プローブ19と、サンプル分注プローブ19を回動移動及び上下移動可能に保持するサンプル分注アーム20とを備えている。また、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第1試薬を吸引して反応容器17内に吐出する分注を行う第1試薬分注プローブ21と、第1試薬分注プローブ21を回動移動及び上下移動可能に保持する第1試薬分注アーム22とを備えている。
【0016】
また、反応容器17に分注された試料及び第1試薬の混合液を撹拌する第1撹拌子23と、第1撹拌子23を回動移動及び上下移動可能に保持する第1撹拌アーム24とを備えている。また、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第2試薬を吸引して反応容器17内に吐出する分注を行う第2試薬分注プローブ25と、第2試薬分注プローブ25を回動移動及び上下移動可能に保持する第2試薬分注アーム26とを備えている。
【0017】
また、反応容器17に分注された試料、第1試薬及び第2試薬の混合液を撹拌する第2撹拌子27と、第2撹拌子27を回動移動及び上下移動可能に保持する第2撹拌アーム28とを備えている。また、反応容器17内の混合液を光学的に測定する測定部29と、測定部29で測定を終了した反応容器17内を洗浄する洗浄ノズル30とを備えている。
【0018】
そして、測定部29は、反応容器17に光を照射し、反応容器17内の標準試料や被検試料を含む混合液を透過した光を検出する検出信号に基づいて、例えば吸光度や吸光度の変化量で表される標準データや被検データを生成する。そして、生成した標準データや被検データをデータ処理部60に出力する。
【0019】
図3は、搬送部40の構成の一例を示した上面図である。この搬送部40は、長手方向が分析部10の前後方向に平行になるように分析部10の右方に近接配置された投入レーン41と、長手方向が分析部10の左右方向に平行になるように分析部10の前方に近接配置された分注レーン42とを備えている。また、長手方向が互いに平行になるように分注レーン42近傍に配置された待機レーン43と、長手方向が分析部10の前後方向に平行になるように分析部10の左方に近接配置された回収レーン44とを備えている。
【0020】
また、搬送部40は、投入レーン41と分注レーン42の間に配置され、試料ラック31に記されたラックID及びその試料ラック31に保持される試料容器11に記された試料IDを読み取るリーダ45を備えている。また、待機レーン43に配置され、待機レーン43上に載置された試料ラック31を検出する複数の検出器46を備えている。
【0021】
投入レーン41は、分注レーン42の長手方向における一方に配置され、分析部10で試料の分注が行われる前の試料ラック31が載置される。ここで、投入レーン41上に載置された試料ラック31は、移動機構部51により前方の方向である矢印L1方向に移動され、投入レーン41上の投入位置Taで停止された後、更に投入位置Taから左方の方向である矢印L2方向へリーダ45の前方を経由して移動され、長手方向が互いに平行になるように分注レーン42上の搬入位置Tbに載置される。
【0022】
分注レーン42は、分析部10で試料の分注が可能な分注位置Tcへ試料ラック31を移動可能なように設けられ、短手方向の長さが試料ラック31の長手方向の長さよりも短く、長手方向の長さが分析部10の長手方向の長さよりも短い、例えば移動機構部51の一部のユニットに巻回されたベルトにより構成される。そして、投入レーン41と回収レーン44の間に配置される。ここで、移動機構部51により投入位置Taから分注レーン42上に載置された搬入位置Tbの試料ラック31は、L2方向に移動され、分注位置Tcでサンプル分注プローブ19により設定された各検査項目の1回目の試料の分注が行われた後、搬出位置Tdで停止される。
【0023】
このように、長手方向が互いに平行になるように試料ラック31を分注レーン42上に移動させ、分注レーン42上の試料ラック31を長手方向に移動させることにより、分注レーン42の短手方向における長さを短くすることができる。そして、長手方向が分析部10の左右方向に平行になるように分析部10に近接して分注レーン42を配置することにより、分析部10及び搬送部40からなるユニットの前後方向における長さを抑えることができる。
【0024】
待機レーン43は、分析部10で試料の分注が行われた試料ラック31を載置可能なように設けられ、短手方向の長さが試料ラック31の長手方向の長さよりも短く、長手方向の長さが分析部10の長手方向の長さ以下の例えば平板により構成される。そして、投入レーン41と回収レーン44の間に配置される。
【0025】
ここで、分析部10で1回目の試料の分注が行われた搬出位置Tdの試料ラック31のうち、分析部10で2回目の分注が行われる可能性がある再検対象の検査項目が設定された試料を収容する試料容器11が保持された試料ラック31は、移動機構部51により矢印R1方向に180°回転移動された後、右方の方向である矢印L3方向へ移動され、長手方向が互いに平行になるように待機レーン43上に載置される。
【0026】
また、待機レーン43上に載置される分析部10で1回目の試料の分注が行われた試料ラック31のうち、分析部10で2回目の分注が行われる再検対象の検査項目が設定された試料を収容する試料容器11が保持された試料ラック31は、移動機構部51により待機レーン43上からL3方向の回転位置Tfまで移動され、回転位置Tfで矢印R2方向に180°回転移動された後、更にL2方向へ移動されて長手方向が互いに平行になるように分注レーン42上の搬入位置Tbに載置される。
【0027】
また、待機レーン43上に載置される分析部10で1回目の試料の分注が行われた試料ラック31のうち、分析部10で2回目の分注が不要、つまり再検が不要な試料が収容された試料容器11を保持する試料ラック31は、移動機構部51により待機レーン43上から回転位置Tgまで移動され、回転位置TgでR1方向とは反対方向に180°回転移動された後、更にL2方向へ移動されて回収レーン44上の回収位置Teに載置される。
【0028】
なお、分析部10で2回目の分注が不要、つまり再検が不要な試料が収容された試料容器11を保持する試料ラック31を、移動機構部51により待機レーン43上から回転位置Tfまで移動し、回転位置TfでR2方向に180°回転移動した後、L2方向へ移動して回収レーン44上の回収位置Teに載置するように実施してもよい。
【0029】
また、分析部10で1回目の試料の分注が行われた搬出位置Tdの試料ラック31のうち、分析部10で2回目の分注が不要な、つまり再検対象の検査項目が設定されていない試料を収容する試料容器11が保持された試料ラック31は、移動機構部51により搬出位置TdからL2方向へ移動された後、回収レーン44上の回収位置Teに載置される。
【0030】
このように、長手方向が互いに平行になるように試料ラック31を待機レーン43上に移動させることにより、待機レーン43の短手方向における長さを短くすることができる。そして、長手方向が互いに平行になるように分注レーン42近傍に待機レーン43を配置することにより、分析部10及び搬送部40からなるユニットの前後方向における長さを抑えることができる。また、分注レーン42の長手方向における一方に配置した投入レーン41と他方に配置した回収レーン44の間に分注レーン42及び待機レーン43を配置することにより、分析部10及び搬送部40からなるユニットの左右方向における長さを短縮することができる。
【0031】
また、待機レーン43の所定の位置を緊急位置として予め設定し、その緊急位置に操作者により緊急の試料が収容された試料容器11を保持する試料ラック31が載置された場合、検出器46により検出される緊急位置の試料ラック31を優先して分注レーン42に移動させて緊急の試料を分注させるように実施してもよい。
【0032】
また、投入レーン41又は回収レーン44の一方のレーンで、例えば試料ラック31の移動動作に不具合が発生した場合、待機レーン43を臨時に一方のレーンとして代用するように実施してもよい。これにより、待機レーン43を必要に応じて多目的に有効に活用することができる。
【0033】
回収レーン44は、分注レーン42の長手方向における他方に配置され、分析部10で試料の分注を終了した後の試料ラック31が載置される。ここで、回収位置Teの試料ラック31は、移動機構部51により後方の方向である矢印L4方向に移動される。
【0034】
リーダ45は、移動機構部51により前方をL2方向に移動している試料ラック31に記されたラックID及び試料容器11に記された試料IDを読み取って分析制御部52に出力する。また、検出器46は、移動機構部51により待機レーン43上に載置された試料ラック31を検出し、その試料ラック31の待機レーン43上の位置を示す位置情報を分析制御部52に出力する。
【0035】
図1に示した駆動部50は、分析部10のサンプルテーブル12を駆動して試料容器11を移動する。また、試薬ラック14を夫々駆動して試薬容器13を回動する。また、反応テーブル18を駆動して反応容器17を回転移動する。また、サンプル分注アーム20、第1試薬分注アーム22、第2試薬分注アーム26、第1撹拌アーム24、及び第2撹拌アーム28を夫々回動駆動及び上下駆動して、サンプル分注プローブ19、第1試薬分注プローブ21、第2試薬分注プローブ25、第1撹拌子23、及び第2撹拌子27を回動及び上下移動する。また、洗浄ノズル30を上下移動する。
【0036】
移動機構部51は、搬送部40の試料ラック31を移動する第1乃至第4の移動機構53乃至56により構成される。そして、第1の移動機構53は、例えば試料ラック31の背面に当接する搬送部40の投入レーン41上に配置されたアーム及びこのアームを投入レーン41の長手方向に移動駆動する投入レーン41の下側に配置された駆動機構により構成される。そして、
図3に示すように、投入レーン41上に載置された試料ラック31をスライドさせてL1方向に移動し、投入位置Taで停止させる。
【0037】
第2の移動機構54は、搬送部40の投入レーン41、分注レーン42及び回収レーン44と、待機レーン43との間に配置される。そして、試料ラック31を上下方向に移動する上下移動機構57と、上下移動機構57により上方向の上停止位置に移動された試料ラック31を回転移動する回転移動機構58と、上下移動機構57により上停止位置に移動された試料ラック31を分注レーン42及び待機レーン43に沿って投入レーン41と回収レーン44の間を水平方向に直線移動する直線移動機構59とにより構成される。
【0038】
上下移動機構57は、
図3に示すように、投入レーン41上の投入位置Taで停止した試料ラック31を上停止位置まで上方向へ移動する。また、投入位置Taから上停止位置へ移動した試料ラック31を、下方向へ移動して分注レーン42上の搬入位置Tbへ載置する。また、分注レーン42上の搬出位置Tdで停止した試料ラック31を上停止位置まで上方向へ移動する。
【0039】
また、上下移動機構57は、搬出位置Tdから上停止位置へ移動した試料ラック31を下方向へ移動して搬送部40の検出器46により検出可能な待機レーン43上へ載置する。また、待機レーン43上の試料ラック31を上停止位置まで上方向へ移動する。また、搬出位置Tdから上停止位置へ移動した試料ラック31を下方向へ移動して回収レーン44上の回収位置Teへ載置する。
【0040】
回転移動機構58は、
図3に示すように、上下移動機構57により搬出位置Tdから上停止位置へ移動された試料ラック31を、この試料ラック31と待機レーン43の長手方向が互いに平行になるようにR1方向に180°回転移動する。また、上下移動機構57により待機レーン43から上停止位置へ移動された試料ラック31を、この試料ラック31と分注レーン42の長手方向が互いに平行になるように、回転位置TfでR2方向に180°回転移動する。また、上下移動機構57により待機レーン43から上停止位置へ移動された試料ラック31を、この試料ラック31と分注レーン42の長手方向が互いに平行になるように、回転位置TgでR1方向とは反対方向に180°回転移動する。
【0041】
直線移動機構59は、
図3に示すように、上下移動機構57により投入位置Taから上停止位置へ移動された試料ラック31をL2方向へ移動し、リーダ45前方を経由して分注レーン42の搬入位置Tb近傍で停止させる。また、上下移動機構57により搬出位置Tdから上停止位置へ移動された後、回転移動機構58によりR1方向に回転移動された試料ラック31をL3方向へ移動して待機レーン43に載置可能な位置の近傍で停止させる。
【0042】
また、直線移動機構59は、上下移動機構57により待機レーン43から上停止位置へ移動された試料ラック31をL3方向へ移動して回転位置Tfで停止させ、回転移動機構58によりR2方向に回転移動された後にL2方向へ移動して搬入位置Tb又は回収位置Te近傍で停止させる。また、上下移動機構57により待機レーン43から上停止位置へ移動された試料ラック31をL2方向へ移動して回転位置Tgで停止させ、回転移動機構58によりR1方向とは反対方向に回転移動された後にL2方向へ移動して回収位置Te近傍で停止させる。
【0043】
第3の移動機構55は、分注レーン42が巻回された2つのプーリ及びこのプーリを回転駆動するモータにより構成される。そして、第2の移動機構54の上下移動機構57により分注レーン42上の搬入位置Tbに載置された試料ラック31を、分注レーン42を駆動してL2方向へ移動し、分注位置Tcや搬出位置Tdで停止させる。
【0044】
第4の移動機構56は、試料ラック31の前面に当接する搬送部40の回収レーン44上に配置されたアーム及びこのアームを回収レーン44の長手方向に移動駆動する回収レーン44の下側に配置された駆動機構により構成される。そして、
図3に示すように、第2の移動機構54の上下移動機構57により回収レーン44上の回収位置Teに載置された試料ラック31をスライドさせてL4方向に移動する。
【0045】
分析制御部52は、操作部80から入力された各検査項目の分析パラメータ、再検査パラメータ、試料ID、及びこの試料IDで識別される試料に設定された検査項目等の入力情報、搬送部40のリーダ45から出力されるラックID及び試料ID、並びに搬送部40の検出器46から出力される試料ラック31の位置情報等に基づいて、駆動部50及び移動機構部51を制御する。
【0046】
データ処理部60は、分析部10の測定部29で生成された標準データや被検データを処理して各検査項目の検量データや分析データを生成する演算部61と、演算部61で生成された標準データや分析データを保存するデータ記憶部62とを備えている。
【0047】
演算部61は、測定部29から出力された標準データ及びこの標準データの標準試料に予め設定された標準値の関係を示す検量データを生成する。そして、生成した検量データを用いて被検データから濃度値や酵素の活性値で表される分析データを生成する。また、データ記憶部62は、ハードディスク等のメモリデバイスを備え、演算部61で生成された検量データを検査項目毎に保存する。また、演算部61で生成された各検査項目の分析データを被検試料毎に保存する。
【0048】
出力部70は、データ処理部60の演算部61で生成された検量データや分析データを印刷出力する印刷部71及び表示出力する表示部72を備えている。そして、印刷部71は、プリンタなどを備え、検量データや分析データを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙などに印刷する。
【0049】
表示部72は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、演算部61で生成された検量データや分析データを表示する。また、検査項目毎に試料の分注量、第1試薬の分注量及び第2試薬の分注量等の分析パラメータを設定するための分析パラメータ設定画面を表示する。また、検査項目毎に再検査パラメータを設定するための再検査パラメータ設定画面を表示する。また、被検試料毎にこの被検試料を識別する試料ID及び検査対象の検査項目を設定するための検査項目設定画面を表示する。
【0050】
操作部80は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備えている。そして、各検査項目の分析パラメータや再検査パラメータを設定するための入力、試料ID及び検査項目を設定するための入力等を行う。
【0051】
システム制御部90は、CPU及び記憶回路を備え、操作部80からの操作により入力されたコマンド信号、各検査項目の分析パラメータ、再検査パラメータ、試料ID及び検査項目の情報等の入力情報を記憶回路に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析制御部52、データ処理部60及び出力部70を統括してシステム全体を制御する。
【0052】
次に、
図4を参照して、試料ラック31の構成について説明する。
図4は、試料ラック31の構成の一例を示した図である。そして、
図4(a)は、試料ラック31の上面図を示している。また、
図4(b)は試料ラック31の短手方向からの側面図を示している。また、
図4(c)は試料ラック31の長手方向からの側面図を示している。
【0053】
試料ラック31は、
図4(a)に示すように、長手方向に複数の試料容器11を一列に保持可能な開口部311が形成されている。また、
図4(b)に示すように、側面の長手方向両端近傍に、上下方向に細長い貫通穴312が形成されている。また、図示しないが、搬送部40のリーダ45により読み取り可能なように背面側にラックIDが記されている。
【0054】
次に、
図1乃至
図9を参照して、移動機構部51の第2移動機構54における上下移動機構57及び回転移動機構58の構成及び動作の詳細を説明する。
図5は、上下移動機構57の構成の一例を示した側面図である。この上下移動機構57は、試料ラック31の貫通穴312に進入して試料ラック31を支持する支持アーム571と、支持アーム571を長手方向である矢印L5方向及び矢印L6方向にスライド自在に保持するホルダ572とを備えている。また、ホルダ572を上下方向である矢印L7方向及び矢印L8方向にスライド自在に支持する支持ホルダ573と、支持ホルダ573をL7方向及びL8方向に案内するレール574とを備えている。
【0055】
また、上下移動機構57は、支持アーム571に固定された軸575と、軸575に回動自在に配置されたローラ576とを備えている。また、上下方向の中央に位置するローラ576を、曲線の軌道LR1及び軌道LR2を描いて下方向及び上方向へ案内する開口が設けられた破線で示すプレート577を備えている。また、一端部に軸575が遊貫する穴が形成された駆動アーム578を備えている。
【0056】
更に、上下移動機構57は、駆動アーム578の他端部を矢印R3方向及び矢印R4方向に傾動駆動して上下方向の中央に位置する中央点HPの支持アーム571を、ローラ576と同じ曲線の軌道LH3,LH4を描いて下方向及び上方向に駆動するモータ579を備えている。また、レール574、プレート577及びモータ579を保持するフレーム580と、フレーム580に固定された回転軸581を備えている。
【0057】
そして、モータ579が駆動アーム578をR4方向へ傾動駆動することにより、
図6に示すように、中央点HPの支持アーム571はL6方向及びL8方向へ駆動され下死点BPで停止する。次いで、モータ579が駆動アーム578を水平になるまでR3方向へ傾動駆動することにより、支持アーム571はL5方向及びL7方向に駆動され中央点HPに達する。この駆動により、支持アーム571は、投入レーン41、分注レーン42、又は待機レーン43上おける試料ラック31の貫通穴312に進入して貫通穴312の上端部に接触する。更に、モータ579が駆動アーム578をR3方向へ傾動駆動することにより、
図7に示すように、支持アーム571はL6方向及びL7方向に駆動され上死点UPで停止する。この駆動により、試料ラック31を回転移動機構58により回転可能な高さであり、直線移動機構59により移動可能な高さである上停止位置まで移動する。
【0058】
また、モータ579が駆動アーム578を水平になるまでR4方向へ傾動駆動することにより、支持アーム571はL5方向及びL8方向に駆動され中央点HPに達する。この駆動により、上停止位置の試料ラック31を下方向に移動して、分注レーン42、待機レーン43、又は回収レーン44上に載置する。
【0059】
なお、待機レーン43に載置される試料ラック31の数が多い場合、
図8に示すように、搬送部40の待機レーン43の前方に更に複数の検出器46が配置された待機レーン43と同様に構成される待機レーン43aを近接して平行配置するようにしてもよい。この場合、上下移動機構57を、例えば試料ラック31の長手方向における両側部を挟持する挟持機構、この挟持機構を上下移動する上下機構、及びこの上下機構を前後方向に移動する前後機構からなる第2の上下移動機構に置き換える。そして、第2の上下移動機構、回転移動機構58及び直線移動機構59により構成される第2の移動機構54aにより、試料ラック31を待機レーン43や待機レーン43a上に移動させるようにすればよい。これにより、再検査が多い施設に容易に対応することができる。
【0060】
図9は、回転移動機構58の構成の一例を示した上面図である。この回転移動機構58は、上下移動機構57を回転駆動するためのモータ583、このモータ583に固定されたプーリ584、上下移動機構57の回動軸581に固定されたプーリ585、2つのプーリ584,585に巻回されたベルト586、及びモータ583を保持すると共に上下移動機構57の回転軸581を回転自在に保持するフレーム587により構成される。
【0061】
そして、モータ583がプーリ584を回転駆動することにより回転軸581を中心として上下移動機構57を回転駆動し、上下移動機構57により上停止位置に移動された試料ラック31をR1方向、R2方向、及びR1方向とは反対方向の各方向に180°回転移動する。
【0062】
なお、上記実施形態に限定されるものではなく、分析部10と同様に構成される分析部10bを追加配置して実施するようにしてもよい。この場合、
図10及び
図11に示すように、分析部10の例えば左方に配置される分析部10bの追加に応じて
図3の搬送部40及び
図1の移動機構部51を搬送部40b及び移動機構部51bに置き換えて実施する。
【0063】
この搬送部40bが
図3の搬送部40と異なる点は、分析部10bで試料の分注が可能な位置へ試料ラック31を移動可能なように設けた、分注レーン42と同様に構成される分注レーン42bを分析部10bに近接して平行に配置した点である。また、分析部10bで試料の分注が行われた試料ラック31を載置可能なように設けた、待機レーン43と同様に構成される待機レーン43bを分注レーン42b近傍に着脱可能に平行配置した点である。また、回収レーン44を分析部10bの左方に配置した点である。
【0064】
また、移動機構部51bが
図1の移動機構部51と異なる点は、移動機構部51の第2の移動機構54を第2の移動機構54bに置き換えた点と、搬送部40bの分注レーン42b上に載置される試料ラック31を移動する第3の移動機構55bを追加した点である。そして、第2の移動機構54bが第2の移動機構54と異なる点は、上下移動機構57により上停止位置へ移動された試料ラック31を、分注レーン42,42b及び待機レーン43,43bに沿って搬送部40bの投入レーン41と回収レーン44間を直線移動する直線移動機構59bに置き換えた点である。
【0065】
このように、長手方向が互いに平行になるように試料ラック31を分注レーン42b上に移動させ、分注レーン42b上の試料ラック31を長手方向に移動させることにより、分注レーン42bの短手方向における長さを短くすることができる。そして、長手方向が分析部10bの左右方向に平行になるように分析部10bに近接して分注レーン42bを配置することにより、複数の分析部10,10b及び搬送部40bからなるユニットの前後方向における長さを抑えることができる。
【0066】
また、長手方向が互いに平行になるように試料ラック31を待機レーン43b上に移動させることにより、待機レーン43bの短手方向における長さを短くすることができる。そして、長手方向が互いに平行になるように分注レーン42b近傍に待機レーン43bを配置することにより、複数の分析部10,10b及び搬送部40bからなるユニットの前後方向における長さを抑えることができる。また、待機レーン43,43bを投入レーン41と回収レーン44の間に配置することにより、複数の分析部10,10b及び搬送部40bからなるユニットの左右方向における長さを短縮することができる。
【0067】
以上述べた実施形態によれば、分析部10で試料の分注が可能な分注位置Tcへ試料ラック31を移動可能なように設けた分注レーン42、又は分析部10で試料の分注が行われた試料ラック31を載置可能なように設けた待機レーン43の一方のレーン上の試料ラック31を、この試料ラック31と他方のレーンの長手方向が互いに平行になるように他方のレーン上に移動させることにより、分注レーン42及び待機レーン43の短手方向における長さを短くすることができる。そして、長手方向が分析部10の左右方向に平行になるように分注レーン42を分析部10に近接配置し、長手方向が互いに平行になるように分注レーン42の近傍に待機レーン43を配置することにより、分析部10及び搬送部40からなるユニットの前後方向における長さを抑えることができる。また、分注レーン42の長手方向における一方に配置した投入レーン41と他方に配置した回収レーン44の間に分注レーン42及び待機レーン43を配置することにより、分析部10及び搬送部40からなるユニットの左右方向における長さを短縮することができる。以上により、自動分析装置100の小型化を図ることができる。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。