特許第6289024号(P6289024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6289024無線セルラー電気通信ネットワークの基地局の負荷を軽減するための方法及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289024
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】無線セルラー電気通信ネットワークの基地局の負荷を軽減するための方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/32 20090101AFI20180226BHJP
   H04W 36/04 20090101ALI20180226BHJP
   H04W 36/22 20090101ALI20180226BHJP
   H04W 36/38 20090101ALI20180226BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20180226BHJP
【FI】
   H04W16/32
   H04W36/04
   H04W36/22
   H04W36/38
   H04W84/10
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2013-218952(P2013-218952)
(22)【出願日】2013年10月22日
(65)【公開番号】特開2014-99846(P2014-99846A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2016年6月20日
(31)【優先権主張番号】12192500.2
(32)【優先日】2012年11月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161115
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(72)【発明者】
【氏名】ムーラド・カンフシ
(72)【発明者】
【氏名】ロイク・ブルネル
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・グレッセ
(72)【発明者】
【氏名】エルヴェ・ボネヴィル
【審査官】 三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−211645(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/018639(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0270553(US,A1)
【文献】 米国特許第08103310(US,B1)
【文献】 Alcatel-Lucent Shanghai Bell, Alcatel-Lucent,Network-Assisted Inter-frequency Pico Cell Discovery in LTE HetNets,3GPP TSG-RAN WG2#77bis R2-121709,2012年 3月30日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線セルラー電気通信ネットワークのノードによって該無線セルラー電気通信ネットワークの基地局の負荷を軽減するための方法であって、前記ノードは前記基地局のセルに配置され、前記基地局は複数の移動端末をサービングし、少なくとも1つのノードが少なくとも1つの移動端末をサービングし、
該方法は、デバイスによって実施されるステップであって、
前記基地局の前記セルに配置されている前記ノードのうちの少なくとも一部の仮想負荷軽減容量を取得するステップであって、1つのノードの該仮想負荷軽減容量は、該ノードの少なくとも1つの近傍ノードが該ノードによって現在サービングされている移動端末をサービングすることができることを考慮して求められるステップと、
仮想負荷軽減容量に従って、1つのノードによってサービングされる前記移動端末のハンドオーバーをどの近傍ノードと行わなければならないのか決定するステップと、
前記1つのノードによってサービングされる前記移動端末の前記ハンドオーバーを前記近傍ノードと行うステップと、
前記近傍ノードにハンドオーバーされた前記移動端末をサービングしていた前記ノードへの、前記基地局によってサービングされる少なくとも1つの移動端末のハンドオーバーを行うステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
少なくとも、前記近傍ノードにハンドオーバーされた前記移動端末をサービングしていた前記ノードによって実行され、近傍ノードから負荷情報を取得するステップを更に含み、
前記負荷情報は、前記ノードのインターフェースの利用可能なリソース及び/又は前記ノードがサービングしている移動端末の数及び/又は近傍ノードの数であり、
前記仮想負荷軽減容量は、前記取得された負荷情報から取得される
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記仮想負荷軽減容量は、
少なくとも前記ノードによってサービングされる移動端末が近傍ノードにハンドオーバーされる場合に解放することができる前記ノードのインターフェースのリソースの量であるか、又は
前記ノードによってサービングされる少なくとも1つの移動端末が近傍ノードにハンドオーバーされる場合にサービングすることができる移動端末の量であるか、又は
少なくとも前記ノードによってサービングされる移動端末が近傍ノードにハンドオーバーされる場合に前記ノードが提供することができるスループットである
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記仮想負荷軽減容量を取得することは各ノードによって定期的に実行されるとともに、前記基地局に転送され、
前記1つのノードによってサービングされる前記移動端末のハンドオーバーをどの近傍ノードと行わなければならないのか決定することは、前記基地局によって行われる
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記基地局によって実行され、前記仮想負荷軽減容量を求めるように各ノードに要求するメッセージを該ノードに転送するステップを更に含み、
前記仮想負荷軽減容量は前記基地局によって取得され、
前記1つのノードによってサービングされる前記移動端末のハンドオーバーをどの近傍ノードと行わなければならないのか決定することは、前記基地局によって行われる
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記基地局によって実行されるステップであって、
前記基地局の前記セルに配置されている前記ノードの中から、ノードのサブセットを選択するステップと、
前記仮想負荷軽減容量を求めるように前記ノードに要求するメッセージを前記ノードのサブセットの前記ノードに転送するステップと、
を更に含み、
前記仮想負荷軽減容量は前記基地局によって取得され、
前記1つのノードによってサービングされる前記移動端末のハンドオーバーをどの近傍ノードと行わなければならないのか決定することは、前記基地局によって行われる
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ノードのサブセットの前記ノードは、該ノードの近傍ノードの数及び/又は前記基地局によってサービングされるとともに該ノードのセルに位置している移動端末の数に従って選択されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
1つのメッセージが前記基地局によって前記ノードのサブセットの各ノードに転送され、各メッセージは、ハンドオーバーを行うことを受け入れることができる、前記基地局によってサービングされる移動端末の数を示す情報を更に含むことを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記ノードのサブセットの各ノードは、該ノードが前記ノードのサブセットに属することを前記近傍ノードに通知することを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ノードがゲートウェイにリンクされることを特徴とし、
前記基地局によって実行され、前記仮想負荷軽減容量を求めるように前記ゲートウェイに要求するメッセージを該ゲートウェイに転送するステップを更に含み、
前記仮想負荷軽減容量は、前記基地局によって取得され、
前記1つのノードによってサービングされる前記移動端末のハンドオーバーをどの近傍ノードと行わなければならないのか決定することは、前記基地局によって行われる
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記基地局によって実行されるステップであって、
少なくとも1つの移動端末をサービングするどのノードが、1つの近傍ノードとハンドオーバーを行わなければならないのかを前記ゲートウェイに通知するか、又は
ハンドオーバーを1つの近傍ノードと行わなければならない少なくとも1つの移動端末をサービングする前記ノードを通知する
ステップを更に含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基地局によって実行されるステップであって、
どのノードが少なくとも前記基地局によってサービングされる移動端末のハンドオーバーを行われなければならないのかを前記ゲートウェイに通知するか、又は
前記基地局によってサービングされる少なくとも1つの移動端末の少なくとも1つのハンドオーバーに関与する各ノードに通知する
ステップを更に含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ノードは、基地局及び/又はピコ基地局及び/又はホーム基地局及び/又は中継器であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
無線セルラー電気通信ネットワークのノードによって該無線セルラー電気通信ネットワークの基地局の負荷を軽減するためのデバイスであって、前記ノードは前記基地局のセルに配置され、前記基地局は複数の移動端末をサービングし、少なくとも1つのノードが少なくとも1つの移動端末をサービングし、
該デバイスは、
前記基地局のセルに配置されている前記ノードのうちの少なくとも一部の仮想負荷軽減容量を取得する手段であって、ノードの該仮想負荷軽減容量は、該ノードの少なくとも1つの近傍ノードが該ノードによって現在サービングされている移動端末をサービングすることができることを考慮して求められる手段と、
仮想負荷軽減容量に従って、1つのノードによってサービングされる前記移動端末のハンドオーバーをどの近傍ノードと行わなければならないのか決定する手段と、
1つのノードによってサービングされる移動端末の前記ハンドオーバーを前記近傍ノードと行う手段と、
前記近傍ノードにハンドオーバーされた前記移動端末をサービングしていた前記ノードへの、前記基地局によってサービングされる少なくとも1つの移動端末のハンドオーバーを行う手段と、
を備えることを特徴とする、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、無線セルラー電気通信ネットワークのノードによってこの無線セルラー電気通信ネットワークの基地局の負荷を軽減するための方法及びデバイスに関する。これらのノードは、基地局のセルに配置されている。
【背景技術】
【0002】
無線セルラー電気通信ネットワークは、大規模に展開されているが、依然として、無線セルラー電気通信ネットワークの基地局によってカバーされていない幾つかのエリアが存在する。
【0003】
例えば、基地局によって放射された信号及び/又は移動端末によって放射された信号が過度に減衰された場合、建物内に位置している移動端末について、無線セルラー電気通信ネットワークへのアクセスが可能でない場合もあれば、過度に高い送信電力又は過度に低いスペクトル効率、すなわち、過度に多くのシステムリソースを要する場合もある。
【0004】
今日、解決策が提案されている。ピコ基地局若しくはフェムト基地局若しくはホーム基地局又は中継器のような特定のノードが、屋外又は建物内にカバレッジエリアを提供することができ、基地局の負荷を軽減するために用いることができる。
【0005】
ピコ基地局又はフェムト基地局が提供するカバレッジエリアは限られている。ピコ基地局の数が増加しても、ピコ基地局のカバレッジエリアが限られているとともに、ピコ基地局によって提供されるリソースが基地局リソースと比較して限られているので、基地局の負荷軽減を行うことが困難な場合がある。
【0006】
ピコ基地局は、幾つかの特定のエリアでは、無線セルラー電気通信ネットワークの事業者が設置する場合がある。これらのピコ基地局によって、それらのそれぞれのリソースを通じて、限られた数の移動端末が無線セルラー電気通信ネットワークにアクセスすることが可能になる。
【0007】
ホーム基地局は、それらのそれぞれのリソースを通じて、限られた数の移動端末が無線セルラー電気通信ネットワークにアクセスすることを可能にすることができる。ホーム基地局を通じてネットワークのリソースにアクセスすることを許可される移動端末は、ホーム基地局、ネットワーク、又は双方の組合せの所有者が決定することができる。
【0008】
ここで、所有者とは、一般的な意味に理解されなければならない。すなわち、所有者はホーム基地局の主なユーザーのみの場合もあるし、所有者はホーム基地局を借りている人の場合もあるし、所有者は当該所有者の自宅又はオフィスにホーム基地局を収容している人の場合もある。
【0009】
基地局は、それらのそれぞれのリソースを通じて多数の移動端末が無線セルラー電気通信ネットワークにアクセスすることを可能にする。基地局を通じてネットワークのリソースにアクセスすることを許可される移動端末は、無線セルラー電気通信ネットワークの事業者が決定することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、負荷軽減を担当する集中型デバイスを何ら用いることなく、無線セルラー電気通信ネットワークの基地局の負荷を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのために、本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークのノードによって該無線セルラー電気通信ネットワークの基地局の負荷を軽減するための方法であって、前記ノードは前記基地局のセルに配置され、前記基地局は複数の移動端末をサービングし、少なくとも1つのノードが少なくとも1つの移動端末をサービングし、
該方法は、
前記基地局の前記セルに配置されている前記ノードのうちの少なくとも一部の仮想負荷軽減容量を取得するステップであって、1つのノードの該仮想負荷軽減容量は、該ノードの少なくとも1つの近傍ノードが該ノードによって現在サービングされている移動端末をサービングすることができることを考慮して求められるステップと、
仮想負荷軽減容量に従って、1つのノードによってサービングされる前記移動端末のハンドオーバーをどの近傍ノードと行わなければならないのか決定するステップと、
前記1つのノードによってサービングされる前記移動端末の前記ハンドオーバーを前記近傍ノードと行うステップと、
前記近傍ノードにハンドオーバーされた前記移動端末をサービングしていた前記ノードへの、前記基地局によってサービングされる少なくとも1つの移動端末のハンドオーバーを行うステップと、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0012】
また、本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークのノードによって該無線セルラー電気通信ネットワークの基地局の負荷を軽減するためのデバイスであって、前記ノードは前記基地局のセルに配置され、前記基地局は複数の移動端末をサービングし、少なくとも1つのノードが少なくとも1つの移動端末をサービングし、
該デバイスは、
前記基地局のセルに配置されている前記ノードのうちの少なくとも一部の仮想負荷軽減容量を取得する手段であって、1つのノードの該仮想負荷軽減容量は、該ノードの少なくとも1つの近傍ノードが該ノードによって現在サービングされている移動端末をサービングすることができることを考慮して求められる、取得する手段と、
仮想負荷軽減容量に従って、1つのノードによってサービングされる前記移動端末のハンドオーバーをどの近傍ノードと行わなければならないのか決定する手段と、
前記1つのノードによってサービングされる移動端末の前記ハンドオーバーを前記近傍ノードと行う手段と、
前記近傍ノードにハンドオーバーされた前記移動端末をサービングしていた前記ノードへの、前記基地局によってサービングされる少なくとも1つの移動端末のハンドオーバーを行う手段と、
を備えることを特徴とする、デバイスに関する。
【0013】
したがって、無線セルラー電気通信ネットワークの基地局とノードとの間のシグナリングを低く維持しつつ、負荷軽減プロセスの全体的な柔軟性が高められる。
【0014】
さらに、ノードのリソースの実際の可用性(availability)の代わりに仮想負荷軽減容量を用いることによって、基地局によってサービングされる移動端末をサービングすることができるノードに利用可能となるリソースを増加させることが、近傍ノード間でハンドオーバーを行うことによって可能である。この場合、基地局の負荷軽減は、非常に効率的である。
【0015】
特定の特徴によれば、
少なくとも前記移動端末をサービングする前記ノードは、前記近傍ノードにハンドオーバーされた前記移動端末をサービングしていた前記ノードによってサービングされる前記移動端末の前記ハンドオーバーの前に、近傍ノードから負荷情報を取得し、
該負荷情報は、前記ノードのインターフェースの利用可能なリソース及び/又は前記ノードがサービングしている移動端末の数及び/又は近傍ノードの数であり、
前記仮想負荷軽減容量は、前記取得された負荷情報から取得される。
【0016】
したがって、最小の負荷を有する少なくとも1つのノードに対して負荷軽減が行われるので、負荷軽減性能が改善される。
【0017】
特定の特徴によれば、
前記仮想負荷軽減容量は、
少なくとも前記ノードによってサービングされる移動端末が近傍ノードにハンドオーバーされる場合に解放することができる前記ノードのインターフェースのリソースの量であるか、又は
前記ノードによってサービングされる少なくとも1つの移動端末が近傍ノードにハンドオーバーされる場合にサービングすることができる移動端末の量であるか、又は
少なくとも前記ノードによってサービングされる移動端末が近傍ノードにハンドオーバーされる場合に前記ノードが提供することができるスループットである。
【0018】
したがって、ノードは、解放することができるインターフェースのリソースを前もってシグナリングしているので、高い移動性の移動端末に対する負荷軽減の反応性が改善される。その上、負荷軽減は、最良のスループットを提供しているノードに対して行われるので、負荷軽減の性能が改善される。
【0019】
特定の特徴によれば、
前記仮想負荷軽減容量を取得することは、各ノードによって定期的に実行されるとともに、前記基地局に転送され、
前記1つのノードによってサービングされる前記移動端末のハンドオーバーをどの近傍ノードと行わなければならないのか決定することは、前記基地局によって行われる。
【0020】
したがって、仮想負荷軽減容量を取得することが無線セルラー電気通信ネットワークのノード内で実行されるので、基地局における仮想負荷軽減容量に関係した複雑さが削減される。
【0021】
特定の特徴によれば、
前記基地局は、前記仮想負荷軽減容量を求めるように各ノードに要求するメッセージを該ノードに転送し、
前記仮想負荷軽減容量は前記基地局によって取得され、
前記1つのノードによってサービングされる前記移動端末のハンドオーバーをどの近傍ノードと行わなければならないのか決定することは、前記基地局によって行われる。
【0022】
したがって、各ノードの仮想負荷軽減容量は、格納も更新もする必要はない。基地局のメモリリソースが効率的に用いられる。さらに、その動作及び維持の要件が削減される。
【0023】
特定の特徴によれば、前記基地局は、
前記基地局の前記セルに配置されている前記ノードの中から、ノードのサブセットを選択し、
前記仮想負荷軽減容量を求めるように前記ノードに要求するメッセージを前記ノードのサブセットの前記ノードに転送し、
前記仮想負荷軽減容量は、前記基地局によって取得され、
前記1つのノードによってサービングされる前記移動端末のハンドオーバーをどの近傍ノードと行わなければならないのか決定することは、前記基地局によって行われる。
【0024】
したがって、基地局は、仮想負荷軽減容量の計算をトリガーするための削減された数のノードを事前に選択しているので、仮想負荷軽減容量に関係するシグナリングは、更に削減される。
【0025】
特定の特徴によれば、前記ノードのサブセットの前記ノードは、該ノードの近傍ノードの数及び/又は前記基地局によってサービングされるとともに該ノードのセルに位置している移動端末の数に従って選択される。
【0026】
したがって、サブセットは、1つのノードによってサービングされる移動端末のハンドオーバーを行わなければならないノードの数を最大にするように選択することができるので、仮想負荷軽減容量の計算は更に簡略化され、負荷軽減性能が改善される。
【0027】
特定の特徴によれば、1つのメッセージが前記ノードのサブセットの各ノードに転送され、各メッセージは、ハンドオーバーを行うことを受け入れることができる、前記基地局によってサービングされる移動端末の数を示す情報を更に含む。
【0028】
したがって、ノードのサブセット内において少なくとも1つのノードに個々に対処することができるので、負荷軽減の柔軟性が改善される。さらに、ハンドオーバーを行うことを受け入れることができる、基地局によってサービングされる移動端末の数を示すことによって、ノードは、その所与の数の移動端末をサービングするために解放すべきリソースの量を認識する。
【0029】
特定の特徴によれば、前記ノードのサブセットの各ノードは、該ノードが該サブセットに属することを前記近傍ノードに通知する。
【0030】
したがって、仮想負荷軽減容量の計算は、ノードのサブセットからのノード間で協同して行われるので、負荷軽減効率が改善される。ノードのサブセットに含まれないノードは、優先順位が、ハンドオーバーのために、ノードのサブセットのノードによってサービングされる移動端末に与えられるべきであることを認識している。
【0031】
特定の特徴によれば、
前記ノードは、ゲートウェイにリンクされ、
前記基地局は、前記仮想負荷軽減容量を求めるように前記ゲートウェイに要求するメッセージを前記ゲートウェイに転送し、
前記仮想負荷軽減容量は、前記基地局によって取得され、
前記1つのノードによってサービングされる前記移動端末のハンドオーバーをどの近傍ノードと行わなければならないのか決定することは、前記基地局によって行われる。
【0032】
したがって、ノードにおける仮想負荷軽減容量の計算の複雑さが削減され、基地局への全体的なシグナリングが更に削減される。
【0033】
特定の特徴によれば、前記基地局は、少なくとも1つの移動端末をサービングするどのノードが1つの近傍ノードとハンドオーバーを行わなければならないのかを前記ゲートウェイに通知するか、又はハンドオーバーを1つの近傍ノードと行わなければならない少なくとも1つの移動端末をサービングする前記ノードを通知する。
【0034】
したがって、基地局における負荷軽減に関係した全体的なシグナリング及び処理の負荷が、ゲートウェイのプロキシ構造に起因して削減される。
【0035】
特定の特徴によれば、前記基地局は、どのノードが少なくとも前記基地局によってサービングされる移動端末のハンドオーバーを行われなければならないのかを前記ゲートウェイに通知するか、又は前記基地局によってサービングされる少なくとも1つの移動端末の少なくとも1つのハンドオーバーに関与する各ノードに通知する。
【0036】
したがって、ノードにおける仮想負荷軽減容量の計算の複雑さが削減され、高い移動性の移動端末について、全体的な負荷軽減プロセスの全体的な反応性が改善される。
【0037】
特定の特徴によれば、前記ノードは、基地局及び/又はピコ基地局及び/又はホーム基地局及び/又は中継器である。
【0038】
したがって、基地局のカバレッジエリア内に異種(heterogonous)ネットワークが展開されている場合の負荷軽減の効率が改善される。
【0039】
更に別の態様によれば、本発明は、プログラム可能デバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータープログラムであって、このコンピュータープログラムがプログラム可能デバイスにおいて実行されると、本発明による方法のステップを実施するための命令又はコード部を含む、コンピュータープログラムに関する。
【0040】
コンピュータープログラムに関する特徴及び利点は、本発明による方法及び装置に関連して上述したものと同じであるので、ここでは繰り返さないことにする。
【0041】
本発明の特徴は、例示的な実施形態の以下の説明を読むことによってより明らかになるであろう。この説明は、添付図面に関して作成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークを表す図である。
図2】本発明が実施される基地局のアーキテクチャを表す図である。
図3】本発明が実施されるピコ基地局のアーキテクチャを表す図である。
図4】本発明が実施されるゲートウェイのアーキテクチャを表す図である。
図5】本発明の第1の実現態様による、各ピコ基地局によって実行されるアルゴリズムを開示する図である。
図6】近傍ピコ基地局と情報を交換するための各ピコ基地局によって実行されるアルゴリズムを開示する図である。
図7】本発明による、負荷軽減容量を求めるための各ピコ基地局又はゲートウェイによって実行されるアルゴリズムを開示する図である。
図8】本発明の第1の実現態様による、ピコ基地局が負荷を軽減するためにどの移動端末についてハンドオーバーを行うことができるのかを決定するための基地局によって実行されるアルゴリズムを示す図である。
図9】本発明の第2の実現態様による、ピコ基地局が負荷を軽減するためにどの移動端末についてハンドオーバーを行うことができるのかを決定するための基地局によって実行されるアルゴリズムを示す図である。
図10】本発明の第2の実現態様による、各ピコ基地局によって実行されるアルゴリズムを開示する図である。
図11】本発明の第3の実現態様による、ピコ基地局が負荷を軽減するためにどの移動端末についてハンドオーバーを行うことができるのかを決定するための基地局によって実行されるアルゴリズムを示す図である。
図12】本発明の第3の実現態様による、各ピコ基地局によって実行されるアルゴリズムを開示する図である。
図13】本発明の第4の実現態様による、ピコ基地局が負荷を軽減するためにどの移動端末についてハンドオーバーを行うことができるのかを決定するための基地局によって実行されるアルゴリズムを示す図である。
図14】本発明の第4の実現態様による、ゲートウェイによって実行されるアルゴリズムを開示する図である。
図15】本発明の第4の実現態様による、各ピコ基地局によって実行されるアルゴリズムを開示する図である。
図16】本発明の第4の実現態様の一変形形態による、ゲートウェイによって実行されるアルゴリズムを開示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークを表している。
【0044】
図1には、無線セルラー電気通信ネットワークの1つのコアネットワークデバイスCn、1つのゲートウェイGw、1つの基地局BS1、及び複数のノードPBS1〜PBS3が示されている。
【0045】
上記ノードは、基地局及び/又はピコ基地局及び/又はホーム基地局及び/又は中継器である。本発明は、ノードがピコ基地局である一例において開示される。
【0046】
例えば、中継器は、基地局BS1との無線リンクを介して無線セルラー電気通信ネットワークに接続されるピコ基地局PBSである。
【0047】
各ピコ基地局PBS1〜PBS3は、例えば、屋外又は屋内に配置され、移動端末MTが無線セルラー電気通信ネットワークにアクセスすることを可能にすることができる。
【0048】
1つの基地局BS1及び3つのピコ基地局PBS1〜PBS3しか示されていないが、本発明は、より多くの数(more important number)の基地局BS及び/又はピコ基地局PBSが存在する場合に機能することを理解することができる。
【0049】
コアネットワークデバイスCnは、無線セルラー電気通信ネットワークの複数の基地局を管理することができ、基地局BSの代わりに、図8図9図11、及び図13を参照して以下に開示するアルゴリズムを実行することができる。
【0050】
第4の実現態様によれば、ゲートウェイGwが、ピコ基地局PBS1〜PBS3を管理する。基地局BS1は、例えば、基地局BS1のセルCE1に位置している移動端末をサービングすることができる無線セルラー電気通信ネットワークの基地局である。
【0051】
図1には、明瞭にするために13個の移動端末MT1〜MT13しか示されていない。
【0052】
基地局BSは、エリア又はセルCE1に位置している移動端末MT1〜MT13によって転送された信号を受信することができる。基地局BS1は、セルCE1に位置している移動端末MT1〜MT13が受信して処理することができる信号を転送する。
【0053】
図1の例では、基地局BS1は、1つのセルCE1しか有しない。本発明は、基地局BS1が複数のセルを有する場合にも適用可能である。その場合、本発明は、基地局BS1のセルごとに別々に適用することができる。
【0054】
ピコ基地局PBS1〜PBS3は、基地局BS1のセルCE1に含まれる。
【0055】
ピコ基地局PBS1は、ピコ基地局PBS1のセルCE11に位置している移動端末MT3、MT4、MT7、及びMT8が受信して処理することができる信号を発する。
【0056】
ピコ基地局PBS1は、移動端末MT3、MT4、MT7、及びMT8によって転送された信号を受信することができる。
【0057】
ピコ基地局PBS2は、ピコ基地局PBS2のセルCE12に位置している移動端末MT1、MT2、MT3、及びMT8が受信して処理することができる信号を発する。
【0058】
ピコ基地局PBS2は、移動端末MT1、MT2、MT3、及びMT8によって転送された信号を受信することができる。
【0059】
ピコ基地局PBS3は、ピコ基地局PBS3のセルCE13に位置している移動端末MT5、MT6、及びMT7が受信して処理することができる信号を発する。
【0060】
ピコ基地局PBS3は、移動端末MT5、MT6、及びMT7によって転送された信号を受信することができる。
【0061】
移動端末MT7〜MT13は、基地局BS1によってサービングされる。
【0062】
移動端末MT1及びMT2は、ピコ基地局PBS2によってサービングされる。
【0063】
移動端末MT3及びMT4は、ピコ基地局PBS1によってサービングされる。
【0064】
移動端末MT5及びMT6は、ピコ基地局PBS3によってサービングされる。
【0065】
移動端末MTは、基地局BS又はピコ基地局PBSによってサービングされるとき、この基地局BS又はピコ基地局PBSを通じて遠隔の電気通信デバイスとの通信を受信又は確立又は継続することができる。
【0066】
ピコ基地局PBS、基地局BS1及びコアネットワークデバイスCnは、図1に示されていない少なくとも1つの通信ネットワークによってリンクされる。ゲートウェイGwが存在する場合には、当該ゲートウェイも、図1に示されていない少なくとも1つの通信ネットワークによってリンクされる。
【0067】
本発明によれば、無線セルラー電気通信ネットワークの基地局は、この無線セルラー電気通信ネットワークのノードによって負荷を軽減される。これらのノードは、基地局のセルに配置されている。この基地局は、複数の移動端末と、少なくとも1つの移動端末をサービングする少なくとも1つのノードとをサービングする。
本発明によれば、以下のとおりである。
基地局のセルに配置されているノードのうちの少なくとも一部の仮想負荷軽減容量(virtual offloading capacity)が取得される。1つのノード(one node)の仮想負荷軽減容量は、そのノードの少なくとも1つの近傍ノードが、そのノードによって現在サービングされている移動端末をサービングすることができるということを考慮して求められる。
仮想負荷軽減容量に従って、1つのノードによってサービングされる移動端末のハンドオーバーをどの近傍ノードと実行しなければならないのかが決定される。
1つのノードによってサービングされる移動端末の、近傍ノードとのハンドオーバーが実行される。
近傍ノードにハンドオーバーされた移動端末をサービングするノードへの、基地局によってサービングされる少なくとも1つの移動端末のハンドオーバーが実行される。
【0068】
図2は、本発明が実施される基地局のアーキテクチャを表す図である。
【0069】
基地局BSは、例えば、バス201によって互いに接続された構成要素と、図8図9図11及び図13に開示するようなプログラムによって制御されるプロセッサ200とに基づくアーキテクチャを有する。
【0070】
バス201は、プロセッサ200を、読み出し専用メモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203、無線インターフェース205及びネットワークインターフェース206にリンクする。
【0071】
メモリ203は、図8図9図11及び図13に開示するようなアルゴリズムに関連したプログラムの命令と変数とを収納するように意図されたレジスタを含む。
【0072】
プロセッサ200は、ネットワークインターフェース206の動作及び無線インターフェース205の動作を制御する。
【0073】
読み出し専用メモリ202は、図8図9図11及び図13に開示するようなアルゴリズムに関連したプログラムの命令を含む。これらの命令は、基地局BSに電源が投入されると、ランダムアクセスメモリ203に転送される。
【0074】
基地局BSは、ネットワークインターフェース206を通じて電気通信ネットワークに接続することができる。例えば、ネットワークインターフェース206は、DSL(デジタル加入者線)モデム又はISDN(統合サービスデジタルネットワーク)インターフェース等である。ネットワークインターフェース206を通じて、基地局BSは、無線セルラー電気通信ネットワークのコアネットワークにメッセージを転送することができる。
【0075】
無線インターフェース205及びネットワークインターフェース206は、移動端末が遠隔の電気通信デバイスとの通信を確立又は受信するときに無線セルラー電気通信ネットワークにアクセスするために移動端末によって用いられる基地局BSのリソースである。
【0076】
図8図9図11及び図13に関して後に説明されるアルゴリズムのありとあらゆるステップは、PC(パーソナルコンピューター)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)若しくはマイクロコントローラーのようなプログラム可能な計算機によって1組の命令若しくはプログラムを実行することによってソフトウェアにおいて実施することができるか、又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)若しくはASIC(特定用途向け集積回路)のような、機械若しくは専用構成要素によってハードウェアにおいて実現することができる。
【0077】
換言すれば、基地局BSは、図8図9図11、及び図13に関して以下で説明するアルゴリズムのステップを基地局BSに実行させる回路、又は回路を含むデバイスを備える。
【0078】
図3は、本発明が実施されるピコ基地局のアーキテクチャを表す図である。
【0079】
ピコ基地局PBSは、例えば、バス301によって互いに接続された構成要素と、図5図6図7図10図12及び図15に開示するようなプログラムによって制御されるプロセッサ300とによって互いに接続された構成要素に基づくアーキテクチャを有する。
【0080】
バス301は、プロセッサ300を、読み出し専用メモリROM302、ランダムアクセスメモリRAM303、無線インターフェース305及びネットワークインターフェース306にリンクする。
【0081】
メモリ303は、図5図6図7図10図12及び図15に開示するようなアルゴリズムに関連したプログラムの命令と変数とを収納するように意図されたレジスタと、を含む。
【0082】
プロセッサ300は、ネットワークインターフェース306の動作及び無線インターフェース305の動作を制御する。
【0083】
読み出し専用メモリ302は、図5図6図7図10図12及び図15に開示するようなアルゴリズムに関連したプログラムの命令を含む。これらの命令はピコ基地局PBSに電源が投入されると、ランダムアクセスメモリ303に転送される。
【0084】
ピコ基地局PBSは、ネットワークインターフェース306を通じて電気通信ネットワークに接続することができる。例えば、ネットワークインターフェース306は、DSL(デジタル加入者線)モデム又はISDN(統合サービスデジタルネットワーク)インターフェース又はピコ基地局PBSを基地局BSにリンクする無線リンク等である。ネットワークインターフェース306を通じて、ピコ基地局PBSは、無線セルラー電気通信ネットワークのコアネットワークにメッセージを転送することができる。
【0085】
無線インターフェース305及びネットワークインターフェース306は、移動端末が遠隔の電気通信デバイスとの通信を確立又は受信するときに無線セルラー電気通信ネットワークにアクセスするために移動端末によって用いられるピコ基地局PBSのリソースである。
【0086】
図5図6図7図10図12及び図15に関して後に説明されるアルゴリズムのありとあらゆるステップは、PC(パーソナルコンピューター)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)若しくはマイクロコントローラーのようなプログラム可能な計算機によって1組の命令若しくはプログラムを実行することによってソフトウェアにおいて実施することができるか、又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)若しくはASIC(特定用途向け集積回路)のような、機械若しくは専用構成要素によってハードウェアにおいて実現することができる。
【0087】
換言すれば、ピコ基地局PBSは、図5図6図7図10図12及び図15に関して以下で説明するアルゴリズムのステップをピコ基地局PBSに実行させる回路、又は回路を含むデバイスを備える。
【0088】
図4は、本発明が実施されるゲートウェイのアーキテクチャを表す図である。
【0089】
ゲートウェイGwは、例えば、バス401と、図7及び/又は図14又は図16に開示するようなプログラムによって制御されるプロセッサ400とによって互いに接続された構成要素に基づくアーキテクチャを有する。
【0090】
バス401は、プロセッサ400を、読み出し専用メモリROM402、ランダムアクセスメモリRAM403、及びネットワークインターフェース406にリンクする。
【0091】
メモリ403は、図7及び/又は図14又は図16に開示するようなアルゴリズムに関連したプログラムの命令と変数とを収納するように意図されたレジスタを含む。
【0092】
プロセッサ400は、ネットワークインターフェース406の動作を制御する。
【0093】
読み出し専用メモリ402は、図7及び/又は図14又は図16に開示するようなアルゴリズムに関連したプログラムの命令を含む。これらの命令は、ゲートウェイGwに電源が投入されると、ランダムアクセスメモリ403に転送される。
【0094】
ゲートウェイGwは、ネットワークインターフェース406を通じて電気通信ネットワークに接続される。例えば、ネットワークインターフェース406は、DSL(デジタル加入者線)モデム又はISDN(統合サービスデジタルネットワーク)インターフェース等である。ネットワークインターフェース406を通じて、ゲートウェイGwは、メッセージを無線セルラー電気通信ネットワークのコアネットワーク及び/又は基地局BS及び/又はピコ基地局に転送することができる。
【0095】
図7及び/又は図14又は図16に関して後に説明されるアルゴリズムのありとあらゆるステップは、PC(パーソナルコンピューター)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)若しくはマイクロコントローラーのようなプログラム可能な計算機によって1組の命令若しくはプログラムを実行することによってソフトウェアにおいて実施することができるか、又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)若しくはASIC(特定用途向け集積回路)のような、機械若しくは専用構成要素によってハードウェアにおいて実現することができる。
【0096】
換言すれば、ゲートウェイGwは、図7及び/又は図14又は図16に関して以下で説明するアルゴリズムのステップをゲートウェイに実行させる回路、又は回路を含むデバイスを備える。
【0097】
図5は、本発明の第1の実現態様による、各ピコ基地局によって実行されるアルゴリズムを開示している。
【0098】
より正確には、本アルゴリズムは、各ピコ基地局PBSのプロセッサ300によって実行される。
【0099】
ステップS500において、プロセッサ300は、負荷軽減容量の計算を行う時であるか否かを確認する。負荷軽減容量の計算を行う時である場合、プロセッサ300は、ステップS501に移動する。そうでない場合、プロセッサ300はステップS500に戻る。
【0100】
負荷軽減容量の計算は、定期的に、例えば1時間ごとに行われる。
【0101】
ステップS501において、プロセッサ300は、当該ピコ基地局PBSの無線環境に関する現在の状態に関係した情報を近傍ピコ基地局PBSに転送するようにネットワークインターフェース304に命令する。
【0102】
近傍ピコ基地局PBSは、
当該ピコ基地局PBSによって受信される無線信号に従って当該ピコ基地局PBSによって求められるか、又は
当該ピコ基地局PBSによってハンドリングされる移動端末によって転送された測定報告から導出されるか、又は
当該ピコ基地局BSが配置されているセル内の基地局BS1によって当該ピコ基地局PBSに通知されるか、又は
コアネットワークデバイスCnによって通知される。
【0103】
ステップS501は、図6を参照してより詳細に開示される。
【0104】
次のステップS502において、プロセッサ300は、仮想負荷軽減容量の計算を行う。
【0105】
負荷軽減容量は、当該ピコ基地局PBSによって現在サービングされている移動端末MTを少なくとも1つの近傍ピコ基地局PBSがサービングすることができるということを考慮して求められるので、仮想とみなされる。換言すれば、仮想負荷軽減容量は、少なくとも1つの移動端末の少なくとも1つのハンドオーバーを近傍ピコ基地局PBSと行うことができるということを考慮して求められる。
仮想負荷軽減容量は、ピコ基地局PBSの現在の負荷軽減容量を表すものではなく、少なくとも1つのハンドオーバーが行わる場合の今後の容量を表している。仮想負荷軽減容量は、図7を参照して以下で開示する、求めるステップS704〜S706の結果のうちの1つ又はそれらの結果を組み合わせたものである。
【0106】
次のステップS503において、プロセッサ300は、計算された仮想負荷軽減容量のネットワークインターフェース304を通じての転送を命令する。
【0107】
この仮想負荷軽減容量は、基地局BS1又はコアネットワークデバイスCnに転送される。
【0108】
図6は、近傍ピコ基地局と情報を交換するための各ピコ基地局によって実行されるアルゴリズムを開示している。
【0109】
より正確には、本アルゴリズムは、各ピコ基地局PBSのプロセッサ300によって実行される。
【0110】
本アルゴリズムは、ピコ基地局PBS1のプロセッサ300によって実行される一例において開示される。
【0111】
ステップS600において、プロセッサ300は、ピコ基地局PBS1の負荷情報を近傍ピコ基地局PBS2及びPBS3に転送することを命令する。
【0112】
例えば、負荷情報は、利用可能な無線インターフェース305のリソース及び利用可能なネットワークインターフェース304のリソースを含む。
【0113】
例えば、ピコ基地局PBS1の負荷情報は、無線インターフェース305のリソースの70パーセントが現在用いられていることと、ネットワークインターフェースの30パーセントが現在用いられていることとを示す。
【0114】
次のステップS601において、プロセッサ300は、ピコ基地局PBS1が現在サービングしている移動端末MTの数を近傍ピコ基地局PBS2及びPBS3に転送することを命令する。プロセッサ300は、ピコ基地局PBS1が現在サービングしている移動端末MTを識別する情報を近傍ピコ基地局PBS2及びPBS3に転送することを命令することができる。
【0115】
例えば、ピコ基地局PBS1は、現在、移動端末MT3及びMT4をサービングしている。
【0116】
次のステップS602において、プロセッサ300は、
そのセルCE11に現在位置している、基地局BS1によってサービングされる移動端末MTの数と、
そのセルCE11に現在位置している、ピコ基地局PBS2によってサービングされる移動端末MTの数と、
そのセルCE11に現在位置している、ピコ基地局PBS3によってサービングされる移動端末MTの数と
を近傍ピコ基地局PBS2及びPBS3に転送することを命令する。
プロセッサ300は、
そのセルCE11に現在位置している、基地局BS1によってサービングされる移動端末MTを識別する情報と、
そのセルCE11に現在位置しているピコ基地局PBS2によってサービングされる移動端末MTを識別する情報と、
そのセルCE11に現在位置している、ピコ基地局PBS3によってサービングされる移動端末MTを識別する情報と
を近傍ピコ基地局PBS2及びPBS3に転送することを命令することができる。
【0117】
例えば、移動端末MT7及びMT8は、基地局BS1によって現在サービングされ、セルCE11に位置している。
【0118】
次のステップS603において、プロセッサ300は、例えば近傍の状態が変化したとき、ピコ基地局PBS1の近傍ピコ基地局PBSの数を近傍ピコ基地局PBS2及びPBS3に転送することを命令することができる。一変形形態では、基地局BS1がピコ基地局PBS1の近傍ピコ基地局PBSを既に認識している場合、ステップS603は実行されない。
【0119】
例えば、ピコ基地局PBS1は、2つの近傍ピコ基地局、すなわち、ピコ基地局PBS1及びPBS2を有する。
【0120】
図7は、本発明による負荷軽減容量を求めるための各ピコ基地局又はゲートウェイによって実行されるアルゴリズムを開示している。
【0121】
より正確には、本アルゴリズムは、各ピコ基地局PBSのプロセッサ300又はゲートウェイGwのプロセッサ400によって実行される。
【0122】
本アルゴリズムは、ピコ基地局PBS1のプロセッサ300によって実行される一例において開示される。
【0123】
ステップS700において、プロセッサ300は、その近傍ピコ基地局PBS2及びPBS3の負荷情報を、ネットワークインターフェース305を通じて受信する。
【0124】
例えば、ピコ基地局PBS2の負荷情報は、無線インターフェース305のリソースの40パーセントが現在用いられていることと、ネットワークインターフェース304の30パーセントが現在用いられていることとを示す。
【0125】
例えば、ピコ基地局PBS3の負荷情報は、無線インターフェース305のリソースの40パーセントが現在用いられていることと、ネットワークインターフェース304の30パーセントが現在用いられていることとを示す。
【0126】
次のステップS701において、プロセッサ300は、ピコ基地局PBS2及びPBS3がそれぞれ現在サービングしている移動端末MTの数を、ネットワークインターフェース305を通じて受信する。また、プロセッサ300は、ピコ基地局PBS1がサービングしているとともにセルCE12に位置している移動端末MTの数と、ピコ基地局PBS1がサービングしているとともにセルCE13に位置している移動端末MTの数とを受信する。
【0127】
プロセッサ300は、ピコ基地局PBS2及びPBS3がそれぞれ現在サービングしている移動端末MTを識別する情報を、ネットワークインターフェース305を通じて受信することができる。また、プロセッサ300は、ピコ基地局PBS1がサービングしているとともにセルCE12に位置している移動端末MTを識別する情報と、ピコ基地局PBS1がサービングしているとともにセルCE13に位置している移動端末MTの数とを受信することができる。
【0128】
例えば、ピコ基地局PBS2は、移動端末MT1及びMT2を現在サービングしている。
【0129】
例えば、ピコ基地局PBS3は、移動端末MT5及びMT6を現在サービングしている。
【0130】
例えば、ピコ基地局PBS1によってサービングされる移動端末MT3は、セルCE12に位置している。
【0131】
次のステップS702において、プロセッサ300は、近傍ピコ基地局PBS2及びPBS3のセルCE12及びCE13に現在それぞれ位置しているとともに、基地局BS1によってサービングされる移動端末MTの数を、ネットワークインターフェース305を通じて受信する。
【0132】
プロセッサ300は、近傍ピコ基地局PBS2及びPBS3のセルCE12及びCE13に現在それぞれ位置しているとともに、基地局BS1によってサービングされる移動端末MTを識別する情報を、ネットワークインターフェース305を通じて受信することができる。
【0133】
例えば、移動端末MT8は、基地局BS1によって現在サービングされているとともに、セルCE12に位置している。
【0134】
例えば、移動端末MT7は、基地局BS1によって現在サービングされているとともに、セルCE13に位置している。
【0135】
次のステップS703において、プロセッサ300は、ピコ基地局PBS1及びPBS3が有する近傍ピコ基地局PBSの数を、ネットワークインターフェース305を通じて受信する。
【0136】
例えば、ピコ基地局PBS2は、1つの近傍ピコ基地局、すなわちピコ基地局PBS1を有する。
【0137】
例えば、ピコ基地局PBS3は、1つの近傍ピコ基地局、すなわちピコ基地局PBS1を有する。
【0138】
次のステップS704において、プロセッサ300は、リソースの中で、ピコ基地局PBS1が現在サービングしている少なくとも1つの移動端末MTが少なくとも1つの近傍ピコ基地局PBS2及び/又はPBS3にハンドオーバーされる場合に解放することができるリソースを求める。
【0139】
プロセッサ300は、
サービングされる移動端末MT3又はMT4のうちの一方がセルCE12に位置していることと、
ピコ基地局PBS2が幾つかの利用可能なリソースを有することと、
基地局BS1によってサービングされる1つの移動端末MTがセルCE11に位置していることと、
基地局BS1によってサービングされる1つの移動端末MTがセルCE12に位置していることとを認識している。
【0140】
プロセッサ300は、ピコ基地局PBS1が現在サービングしている1つの移動端末MTをピコ基地局PBS2にハンドオーバーすることができると判断する。
【0141】
プロセッサ300は、少なくとも1つの移動端末がハンドオーバーされる場合に、解放することができる無線インターフェース又はネットワークインターフェースのリソースの量を求める。
【0142】
例えば、1つの移動端末MTがピコ基地局PBS2にハンドオーバーされる場合、無線インターフェース305のリソースの70パーセントを利用可能にすることができ、ネットワークインターフェース304の70パーセントを利用可能にすることができる。
【0143】
次のステップS705において、プロセッサ300は、より多くのリソースが利用可能になる場合、ピコ基地局PBS1がサービングすることができる余剰の移動端末MTの数を求める。
【0144】
例えば、プロセッサ300は、ステップS704の結果を用いて、ピコ基地局PBS1によって2つの余剰の移動端末MTがサービングされ得ると判断する。
【0145】
次のステップS706において、プロセッサ300は、より多くのリソースが利用可能になる場合、ピコ基地局PBS1が提供することができるスループットを求める。
【0146】
図8は、本発明の第1の実現態様による、ピコ基地局が負荷を軽減するためにどの移動端末についてハンドオーバーを行うことができるのかを決定するための基地局によって実行されるアルゴリズムである。
【0147】
ここで、本アルゴリズムは、基地局BS1が実行する代わりに、コアネットワークデバイスCnが実行することができることに留意しなければならない。
【0148】
より正確には、本アルゴリズムは、基地局BS1のプロセッサ200によって実行される。
【0149】
ステップS800において、プロセッサ200は、基地局BS1のセルCE1に配置されているピコ基地局PBS1〜PBS3からの仮想負荷軽減容量の受信を検出する。
【0150】
例えば、ピコ基地局PBS1の仮想負荷軽減容量は、
移動端末のハンドオーバーが行われる場合には、ピコ基地局PBS1の無線インターフェースのリソースの70パーセントであるとともに、ピコ基地局PBS1のネットワークインターフェースの70パーセントであり、及び/又は
移動端末MTのハンドオーバーが行われる場合には、ピコ基地局PBS1が2つの余剰の移動端末MTをサービングすることができるということであり、及び/又は
より多くのリソースが利用可能になる場合には、ピコ基地局PBS1が提供することができるスループットである。
【0151】
例えば、ピコ基地局PBS2は、移動端末MT1及びMT2のいずれもが近傍ピコ基地局PBS1のセルに位置していないことと、基地局BS1によってサービングされる1つの移動端末MTがセルCE12に位置していることと、ピコ基地局PBS1によってサービングされる1つの移動端末MTがセルCE12に位置していることとを認識している。
【0152】
ピコ基地局PBS2は、ピコ基地局PBS2によって2つの余剰の移動端末MTがサービングされ得ると判断する。
【0153】
2つの余剰の移動端末を考慮すると、ピコ基地局PBS2の仮想負荷軽減容量は、
その無線インターフェースのリソースの10パーセントであるとともに、そのネットワークインターフェースの10パーセントであり、及び/又は
ピコ基地局PBS2が2つの余剰の移動端末MTをサービングすることができるということであり、及び/又は
より多くのリソースが利用可能になる場合には、ピコ基地局PBS2が提供することができるスループットである。
【0154】
例えば、ピコ基地局PBS3は、移動端末MT5及びMT6のいずれもが近傍ピコ基地局PBSのセルに位置していないことと、基地局BS1によってサービングされる1つの移動端末MTがそのセルに位置していることとを認識している。
【0155】
ピコ基地局PBS3は、1つの余剰の移動端末MTがピコ基地局PBS3によってサービングされ得ると判断する。
【0156】
余剰の移動端末MTを考慮すると、ピコ基地局PBS3の仮想負荷軽減容量は、
その無線インターフェースのリソースの40パーセントであるとともに、そのネットワークインターフェースの40パーセントであり、及び/又は
ピコ基地局PBS3が1つの余剰の移動端末MTをサービングすることができるということであり、及び/又は
より多くのリソースが利用可能になる場合には、ピコ基地局PBS3が提供することができるスループットである。
【0157】
次のステップS801において、プロセッサ200は、ステップS800において受信された仮想負荷軽減容量をRAMメモリ203に記憶する。
【0158】
次のステップS802において、プロセッサ200は、基地局BS1の負荷を軽減する必要があるか否かを確認する。例えば、基地局BS1の負荷は、その無線インターフェース205のリソース又はそのネットワークインターフェース204のリソースの90よりも多くが現在用いられている場合に軽減する必要がある。
【0159】
基地局BS1の負荷を軽減する必要がある場合、プロセッサ200はステップS803に移動する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS800に戻る。
【0160】
ステップS803において、プロセッサ200は、少なくとも1つのピコ基地局PBSによってハンドオーバーされなければならない少なくとも1つの移動端末MTを選択する。
【0161】
そのために、プロセッサ200は、移動端末MT7〜MT12によって提供される測定報告と、ピコ基地局PBSによって提供される仮想負荷軽減能力とを用いる。
【0162】
プロセッサ200は、ピコ基地局PBS1及びPBS2のセルに移動端末MT8がいると判断し、ピコ基地局PBS1及びPBS3のセルに移動端末MT7がいると判断する。
【0163】
ピコ基地局PBS3の仮想負荷軽減容量は、
その無線インターフェースのリソースの40パーセントであるとともに、そのネットワークインターフェースの40パーセントであり、及び/又は
1つの余剰の移動端末MTをピコ基地局PBS3がサービングすることができるということであり、及び/又は
より多くのリソースが利用可能になる場合にはピコ基地局PBS3が提供することができるスループットである。
【0164】
プロセッサ200は、移動端末MT7のハンドオーバーをピコ基地局PBS3と行わなければならないと判断する。
【0165】
ピコ基地局PBS1の仮想負荷軽減容量は、
その無線インターフェースのリソースの70パーセントであるとともに、そのネットワークインターフェースの70パーセントであり、及び/又は
2つの余剰の移動端末MTをピコ基地局PBS1がサービングすることができるということであり、及び/又は
より多くのリソースが利用可能になる場合にはピコ基地局PBS1が提供することができるスループットである。
【0166】
ピコ基地局PBS2の仮想負荷軽減容量は、
その無線インターフェースのリソースの10パーセントであるとともに、そのネットワークインターフェースの10パーセントであり、及び/又は
2つの余剰の移動端末MTをピコ基地局PBS2がサービングすることができるということであり、及び/又は
より多くのリソースが利用可能になる場合にはピコ基地局PBS2が提供することができるスループットである。
【0167】
プロセッサ200は、移動端末MT8のハンドオーバーをピコ基地局PBS1と行わなければならないと判断し、移動端末MT3のハンドオーバーをピコ基地局PBS1とPBS2との間で行うべきであると判断する。
【0168】
次のステップS804において、プロセッサ200は、どの移動端末についてどの基地局又はピコ基地局とハンドオーバーを行うべきであるのかを示す情報をピコ基地局PBS1〜PBS3に転送することを命令する。
【0169】
図9は、本発明の第2の実現態様による、ピコ基地局が負荷を軽減するためにどの移動端末についてハンドオーバーを行うことができるのかを決定するための基地局によって実行されるアルゴリズムである。
【0170】
ここで、本アルゴリズムは、基地局BS1が実行する代わりに、コアネットワークデバイスCnが実行することができることに留意しなければならない。
【0171】
より正確には、本アルゴリズムは、基地局BS1のプロセッサ200によって実行される。
【0172】
ステップS900において、プロセッサ200は、基地局BS1の負荷を軽減する必要があるか否かを確認する。例えば、基地局BS1の無線インターフェース205のリソース又はそのネットワークインターフェース204のリソースの90よりも多くが現在用いられている場合、その基地局BS1の負荷を軽減する必要がある。
【0173】
基地局BS1の負荷を軽減する必要がある場合、プロセッサ200はステップS901に移動する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS900に戻る。
【0174】
次のステップS901において、プロセッサ200は、セルCE1に配置されているピコ基地局PBS1〜PBS3が仮想負荷軽減容量を求めるプロセスを行うことを要求するメッセージの転送を命令する。
【0175】
次のステップS902において、プロセッサ200は、基地局BS1のセルCE1に配置されているピコ基地局PBS1〜PBS3からの仮想負荷軽減容量の受信を検出する。
【0176】
次のステップS903において、プロセッサ200は、図8のステップS803において開示したように、少なくとも1つのピコ基地局PBSによってハンドオーバーされなければならない少なくとも1つの移動端末MTを選択する。
【0177】
次のステップS904において、プロセッサ200は、どの移動端末についてどの基地局又はピコ基地局とハンドオーバーを行うべきであるのかを示す情報をピコ基地局PBS1〜PBS3に転送することを命令する。
【0178】
図10は、本発明の第2の実現態様による、各ピコ基地局によって実行されるアルゴリズムを開示している。
【0179】
より正確には、本アルゴリズムは、各ピコ基地局PBSのプロセッサ300によって実行される。
【0180】
ステップS1000において、プロセッサ300は、メッセージが、仮想負荷軽減容量を求めるプロセスを行うように当該ピコ基地局PBSに要求するものであるか否かを確認する。
【0181】
メッセージが、仮想負荷軽減容量を求めるプロセスを行うように当該ピコ基地局PBSに要求するものである場合、プロセッサ300はステップS1001に移動する。そうでない場合、プロセッサ300はステップS1000に戻る。
【0182】
ステップS1001において、プロセッサ300は、図5のステップS501において開示したように、当該ピコ基地局PBSの無線環境に関する現在の状態に関係した情報を近傍ピコ基地局PBSに転送するようにネットワークインターフェース304に命令する。
【0183】
次のステップS1002において、プロセッサ300は、図7に開示したように、仮想負荷軽減容量の計算を行う。
【0184】
次のステップS1003において、プロセッサ300は、計算された仮想負荷軽減容量を、ネットワークインターフェース304を通じて転送することを命令する。
【0185】
この仮想負荷軽減容量は、基地局BS1又はコアネットワークデバイスCnに転送される。
【0186】
図11は、本発明の第3の実現態様による、ピコ基地局が負荷を軽減するためにどの移動端末についてハンドオーバーを行うことができるのかを決定するための基地局によって実行されるアルゴリズムである。
【0187】
ここで、本アルゴリズムは、基地局BS1が実行する代わりに、コアネットワークデバイスCnが実行することができることに留意しなければならない。
【0188】
より正確には、本アルゴリズムは、基地局BS1のプロセッサ200によって実行される。
【0189】
ステップS1100において、プロセッサ200は、基地局BS1の負荷を軽減する必要があるか否かを確認する。例えば、基地局BS1の無線インターフェース205のリソース又はそのネットワークインターフェース204のリソースの90よりも多くが現在用いられている場合に、基地局BS1の負荷を軽減する必要がある。
【0190】
基地局BS1の負荷を軽減する必要がある場合、プロセッサ200はステップS1101に移動する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS1100に戻る。
【0191】
次のステップ1101において、プロセッサ200は、セルCE1に配置されているピコ基地局PBSのサブセットを選択する。
【0192】
ピコ基地局PBSのサブセットはプロセッサ200によって保持され、このサブセットに含まれるピコ基地局PBSは、複数のパラメーターに基づいてサブセット群に加わるか又はサブセット群から出る。
【0193】
例えば、1つのパラメーターは、或るピコ基地局PBSの近傍ピコ基地局の数である。この近傍ピコ基地局PBSの数は、近傍ピコ基地局間の接続グラフに従って求められる。
ピコ基地局PBSは、大きな数(例えば5つ)の近傍ピコ基地局を有する場合に、すなわち、そのピコ基地局PBSがサービングする移動端末MTのハンドオーバー用に十分な候補をそのピコ基地局PBSが有する場合に、サブセットに加わる。
例えば、或るピコ基地局PBSは、その近傍のものの数が接続グラフにおける近傍のものの最大数に近い場合に、サブセット群に加わる。
【0194】
例えば、1つのパラメーターは、或るピコ基地局PBSのセルに位置しているとともに基地局BS1によってサービングされる移動端末MTの数である。
【0195】
次のステップS1102において、プロセッサ200は、仮想負荷軽減容量を求めるプロセスを行うようにピコ基地局に要求するメッセージを、サブセット内の各ピコ基地局PBSに転送することを命令する。
【0196】
仮想負荷軽減容量を求めるプロセスを行うようにピコ基地局に要求するメッセージは、サブセット内の各ピコ基地局PBSに送信されるマルチキャストシグナリングとすることができる。
【0197】
仮想負荷軽減容量を求めるプロセスを行うようにピコ基地局に要求するメッセージは、サブセットの各ピコ基地局への専用のユニキャストメッセージとすることができる。
その場合、このメッセージは、そのピコ基地局PBSがハンドオーバーさせることができる、基地局BSによって現在サービングされている移動端末MTの数を更に含む。このメッセージは、そのピコ基地局PBSがハンドオーバーさせることができる、基地局BSによって現在サービングされている移動端末MTを識別する情報を更に含む。
【0198】
次のステップS1103において、プロセッサ200は、サブセットのピコ基地局からの仮想負荷軽減容量の受信を検出する。
【0199】
次のステップS1104において、プロセッサ200は、図8のステップS803において開示したように、少なくとも1つのピコ基地局PBSによってハンドオーバーされなければならない少なくとも1つの移動端末MTを選択する。
【0200】
次のステップS1105において、プロセッサ200は、どの移動端末についてどの基地局又はピコ基地局とハンドオーバーを行うべきであるのかを示す情報をサブセットのピコ基地局に転送することを命令する。
【0201】
図12は、本発明の第3の実現態様による、各ピコ基地局によって実行されるアルゴリズムを開示している。
【0202】
より正確には、本アルゴリズムは、各ピコ基地局PBSのプロセッサ300によって実行される。
【0203】
ステップS1200において、プロセッサ300は、メッセージが、仮想負荷軽減容量を求めるプロセスを行うように当該ピコ基地局PBSに要求するものであるか否かを確認する。
【0204】
メッセージが、仮想負荷軽減容量を求めるプロセスを行うように当該ピコ基地局PBSに要求するものである場合、プロセッサ400はステップS1201に移動する。そうでない場合、プロセッサ300はステップS1200に戻る。
【0205】
次のステップS1201において、ハンドオーバーを要求することができる、基地局BS1によってサービングされる移動端末MTの数が、受信されたメッセージに含まれている場合、プロセッサ300はその移動端末MTの数を取得する。ハンドオーバーを要求することができる、基地局BS1によってサービングされる移動端末MTを識別する情報が、受信されたメッセージに含まれている場合、プロセッサ300はその識別する情報を取得することができる。
【0206】
次のステップS1202において、プロセッサ300は、当該ピコ基地局PBSがピコ基地局のサブセットに属することをその近傍局PBSに通知するようにネットワークインターフェース304に命令する。
【0207】
ステップS1203において、プロセッサ300は、図5のステップS501において開示したように、当該ピコ基地局PBSの無線環境に関する現在の状態に関係した情報を近傍ピコ基地局PBSに転送するようにネットワークインターフェース304に命令する。
【0208】
次のステップS1204において、プロセッサ300は、図7に開示したように、サブセットに属するピコ基地局がリソースを優先して解放すべきであることを、仮想負荷軽減容量を計算するのに用いられる負荷軽減アルゴリズムが考慮に入れることができるということを考慮に入れて、仮想負荷軽減容量の計算を行う。
【0209】
次のステップS1205において、プロセッサ300は、計算された仮想負荷軽減容量を、ネットワークインターフェース304を通じて転送することを命令する。
【0210】
この仮想負荷軽減容量は、基地局BS1又はコアネットワークデバイスCnに転送される。
【0211】
図13は、本発明の第4の実現態様による、ピコ基地局が負荷を軽減するためにどの移動端末についてハンドオーバーを行うことができるのかを決定するための基地局によって実行されるアルゴリズムである。
【0212】
ここで、本アルゴリズムは、基地局BS1が実行する代わりに、コアネットワークデバイスCnが実行することができることに留意しなければならない。
【0213】
より正確には、本アルゴリズムは、基地局BS1のプロセッサ200によって実行される。
【0214】
ステップS1300において、プロセッサ200は、基地局BS1の負荷を軽減する必要があるか否かを確認する。例えば、基地局BS1の負荷は、その無線インターフェース205のリソース又はそのネットワークインターフェース204のリソースの90よりも多くが現在用いられている場合に軽減する必要がある。
【0215】
基地局BS1の負荷を軽減する必要がある場合、プロセッサ200はステップS1301に移動する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS1300に戻る。
【0216】
次のステップS1301において、プロセッサ200は、セルCE1に配置されているピコ基地局PBS1〜PBS3が仮想負荷軽減容量を求めるプロセスを行うことを要求するメッセージの転送を命令する。このメッセージは、ゲートウェイGwに転送されるか、又はピコ基地局PBSに転送されて、このピコ基地局PBSがゲートウェイGwに転送する。
【0217】
次のステップS1302において、プロセッサ200は、基地局BS1のセルCE1に配置されているピコ基地局PBS1〜PBS3の仮想負荷軽減容量の受信を検出する。これらの仮想負荷軽減容量は、ゲートウェイGW又はピコ基地局PBSから受信される。
【0218】
次のステップS1303において、プロセッサ200は、図8のステップS803において開示したように、少なくとも1つのピコ基地局PBSによってハンドオーバーされなければならない少なくとも1つの移動端末MTを選択する。
【0219】
次のステップS1304において、プロセッサ200は、どの移動端末MTについてどの基地局又はピコ基地局とハンドオーバーを行うべきであるのかを示す情報の転送を命令する。
【0220】
例えば、どの移動端末MTについてどの基地局又はピコ基地局とハンドオーバーを行うべきであるのかを示す情報は、ゲートウェイGwに送信され、ゲートウェイGwは、当該情報をピコ基地局PBS1〜PBS3にブロードキャストする。
【0221】
例えば、どの移動端末についてどの基地局又はピコ基地局とハンドオーバーを行うべきであるのかを示す情報は、ゲートウェイに送信され、ゲートウェイによって、ハンドオーバーに関与するピコ基地局PBSにのみ転送される。
【0222】
例えば、どの移動端末についてどの基地局又はピコ基地局とハンドオーバーを行うべきであるのかを示す情報は、ハンドオーバーに関与するピコ基地局にのみ直接送信される。その場合、そのようなメッセージを受信するピコ基地局PBSは、ハンドオーバーが行われることをゲートウェイGwに知らせる。
【0223】
図14は、本発明の第4の実現態様による、ゲートウェイによって実行されるアルゴリズムを開示している。
【0224】
より正確には、本アルゴリズムは、ゲートウェイGwのプロセッサ400によって実行される。
【0225】
ステップS1400において、プロセッサ400は、メッセージが、仮想負荷軽減容量を求めるプロセスを行うようにピコ基地局PBSに要求するものであるか否かを確認する。
【0226】
メッセージが、仮想負荷軽減容量を求めるプロセスを行うようにピコ基地局PBSに要求するものである場合、プロセッサ400はステップS1401に移動する。そうでない場合、プロセッサ300はステップS1400に戻る。
【0227】
ステップS1401において、プロセッサ400は、ピコ基地局PBSの無線環境に関する現在の状態に関係した情報を転送するようにそれらのピコ基地局PBSに要求するメッセージの転送を命令する。
【0228】
次のステップS1402において、プロセッサ400は、ピコ基地局PBSの無線環境に関する現在の状態に関係した情報を各ピコ基地局PBSからネットワークインターフェース404を通じて受信する。
【0229】
次のステップS1402において、プロセッサ400は、図7に開示するような仮想負荷軽減容量の計算を行う。
【0230】
次のステップS1403において、プロセッサ400は、計算された仮想負荷軽減容量をネットワークインターフェース404を通じて転送することを命令する。
【0231】
この仮想負荷軽減容量は、基地局BS1又はコアネットワークデバイスCnに転送される。
【0232】
次のステップS1405において、プロセッサ400は、どの移動端末についてどの基地局又はピコ基地局とハンドオーバーを行うべきであるのかを示す情報を含むメッセージが基地局BS1又は少なくとも1つのピコ基地局PBSから受信されたか否かを確認する。
【0233】
どの移動端末についてどの基地局又はピコ基地局とハンドオーバーを行うべきであるのかを示す情報を含むメッセージが受信された場合、プロセッサ400はステップS1406に移動する。そうでない場合、プロセッサ400はステップS1405に戻る。
【0234】
ステップS1406において、メッセージが基地局BS1から受信された場合、プロセッサ400は、各関係ピコ基地局PBSに、そのピコ基地局PBSが関与しているハンドオーバーに関係した情報を転送する。メッセージが、少なくとも1つのピコ基地局PBSから受信された場合、プロセッサ400は、ピコ基地局によってサービングされる移動端末MTに関係した、プロセッサ400のデータベースを更新する。
【0235】
図15は、本発明の第4の実現態様による、各ピコ基地局によって実行されるアルゴリズムを開示している。
【0236】
より正確には、本アルゴリズムは、各ピコ基地局PBSのプロセッサ300によって実行される。
【0237】
ステップS1500において、プロセッサ300は、メッセージが、当該ピコ基地局PBSの無線環境に関する現在の状態に関係した情報をゲートウェイGwに転送するように当該ピコ基地局PBSに要求するものであるか否かを確認する。
【0238】
メッセージが、当該ピコ基地局PBSの現在の状態に関係した情報をゲートウェイGwに転送するように当該ピコ基地局PBSに要求するものである場合、プロセッサ300はステップS1501に移動する。そうでない場合、プロセッサ300はステップS1500に戻る。
【0239】
ステップS1501において、プロセッサ300は、当該ピコ基地局PBSの無線環境に関する現在の状態に関係した情報をゲートウェイGwに転送するようにネットワークインターフェース304に命令する。
【0240】
次のステップS1502において、プロセッサ300は、メッセージが、ハンドオーバーを行うようにピコ基地局PBSに要求するものであるか否かを確認する。
【0241】
メッセージが受信されない場合、プロセッサ300は、本アルゴリズムを中断する。そうでない場合、プロセッサ300は、ステップS1503に移動し、ハンドオーバーに進む。
【0242】
図16は、本発明の第4の実現態様の一変形形態による、ゲートウェイによって実行されるアルゴリズムを開示している。
【0243】
より正確には、本アルゴリズムは、ゲートウェイGwのプロセッサ400によって実行される。
【0244】
ステップS1600において、プロセッサ400は、メッセージが、仮想負荷軽減容量を求めるプロセスを行うようにピコ基地局PBSに要求するものであるか否かを確認する。
【0245】
メッセージが、仮想負荷軽減容量を求めるプロセスを行うようにピコ基地局PBSに要求するものである場合、プロセッサ400はステップS1601に移動する。そうでない場合、プロセッサ400はステップS1600に戻る。
【0246】
ステップS1601において、プロセッサ400は、仮想負荷軽減容量を求めるプロセスを行うようにピコ基地局PBSに要求するメッセージの転送を命令する。
【0247】
次のステップS1602において、プロセッサ400は、仮想負荷軽減容量を求めるプロセスの結果を各ピコ基地局PBSからネットワークインターフェース404を通じて受信する。
【0248】
次のステップS1603において、プロセッサ400は、受信された仮想負荷軽減容量の結果を、ネットワークインターフェース404を通じて転送することを命令する。
【0249】
この仮想負荷軽減容量は、基地局BS1又はコアネットワークデバイスCnに転送される。
【0250】
次のステップS1604において、プロセッサ400は、どの移動端末についてどの基地局又はピコ基地局とハンドオーバーを行うべきであるのかを示すメッセージが基地局BS1又は少なくとも1つのピコ基地局PBSから受信されたか否かを確認する。
【0251】
どの移動端末MTについてどの基地局又はピコ基地局とハンドオーバーを行うべきであるのかを示すメッセージが受信された場合、プロセッサ400はステップS1605に移動する。そうでない場合、プロセッサ400はステップS1604に戻る。
【0252】
ステップS1605において、メッセージが基地局BS1から受信された場合、プロセッサ400は、各関係ピコ基地局PBSに、そのピコ基地局PBSが関与しているハンドオーバーに関係した情報を転送する。メッセージが、少なくとも1つのピコ基地局PBSから受信された場合、プロセッサ400は、ピコ基地局によってサービングされる移動端末MTに関係した、プロセッサ400のデータベースを更新する。
【0253】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に対して多くの変更を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16