特許第6289025号(P6289025)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289025
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】電動圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/06 20060101AFI20180226BHJP
   F04B 39/00 20060101ALI20180226BHJP
   F04B 39/12 20060101ALI20180226BHJP
   H02K 11/00 20160101ALI20180226BHJP
【FI】
   F04B39/06 Q
   F04B39/00 106Z
   F04B39/12 G
   H02K11/00
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-219238(P2013-219238)
(22)【出願日】2013年10月22日
(65)【公開番号】特開2015-81539(P2015-81539A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2016年10月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデンホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078330
【弁理士】
【氏名又は名称】笹島 富二雄
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(72)【発明者】
【氏名】小林 幹生
(72)【発明者】
【氏名】大里 一三
(72)【発明者】
【氏名】嶋 俊匡
(72)【発明者】
【氏名】唐鎌 雅文
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 淳
【審査官】 新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−044554(JP,A)
【文献】 特開2009−250173(JP,A)
【文献】 特開2012−057504(JP,A)
【文献】 特開2007−162661(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/086270(WO,A1)
【文献】 特開2010−121449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/06
F04B 39/00
F04B 39/12
H02K 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に、冷媒を圧縮する圧縮機構と、この圧縮機構を駆動する電動モータと、この電動モータへの電圧印加を制御する複数のパワースイッチング素子を有するモータ駆動回路と、を備え、
前記ハウジングは、前記圧縮機構と前記電動モータとを軸方向に直列に収容し吸入冷媒が通流する第1空間と、前記第1空間に対し前記軸方向に隣接して前記モータ駆動回路を収容する第2空間と、を仕切る仕切壁を有する、電動圧縮機であって、
前記仕切壁は、前記第1空間側に向けて突出する複数の膨出部を有し、
前記複数のパワースイッチング素子は、2つずつペアにして、前記各膨出部の互いに対向する内面に、互いに対向させて配置されると共に、前記各パワースイッチング素子の外側の面が前記膨出部の内面に熱的に接して配置され、
前記対向するパワースイッチング素子の間に、これらのパワースイッチング素子を前記内面に押付ける押圧固定具が配置され、
前記ハウジングに設けられる冷媒吸入口は、前記第1空間内へ吸入される冷媒の少なくとも一部が前記膨出部の両外面に向かい、両外面に沿って流れるように構成されていることを特徴とする、電動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置などにおいて冷媒の圧縮に用いられ、インバータを含むモータ駆動回路を一体に備える電動圧縮機(インバータ一体型電動圧縮機)に関し、特にインバータを構成する複数のパワースイッチング素子の配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用空調装置に使用される電動圧縮機では、バッテリからの直流電流をインバータにより交流電流に変換しつつ圧縮機構駆動用の電動モータへの給電を制御しており、インバータを含むモータ駆動回路を内蔵させている(特許文献1参照)。
従って、電動圧縮機のハウジング内には、圧縮機構及びモータを収容する第1空間と仕切壁により隔てられた第2空間が設けられ、この第2空間にインバータを含むモータ駆動回路が収容されている。
【0003】
また、インバータは、電動モータへの電圧印加を制御する複数のパワースイッチング素子を含んで構成され、これらのパワースイッチング素子については発熱による温度上昇を抑制することが求められる。
このため、特許文献1では、複数のパワースイッチング素子を仕切壁の平面上に密着させて並べている。仕切壁により隔てられる第1空間には吸入冷媒が通流しているので、複数のパワースイッチング素子を仕切壁を介して吸入冷媒により冷却するためである。
尚、特許文献2、3には、仕切壁に第1空間側に突出する膨出部を設け、この膨出部の内部にコンデンサ、コイルなどの大型部品を収納するようにしたものが開示されているが、いずれにおいても、パワースイッチング素子は仕切壁の平面上に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−275951号公報
【特許文献2】特開2009−250173号公報
【特許文献3】特開2010−121449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術のように、複数のパワースイッチング素子を仕切壁の平面上に並べて配置する構成では、大きな設置面積が必要となり、また放熱しにくいモータシャフト部を避けたりする必要から、ハウジングの径方向の体格が大きくなり、小型化の制約になる。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑み、パワースイッチング素子の配置構造を工夫することにより、パワースイッチング素子に対する冷却性能を確保しつつ、圧縮機の径方向の体格増大を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電動圧縮機は、ハウジング内に、冷媒を圧縮する圧縮機構と、この圧縮機構を駆動する電動モータと、この電動モータへの電圧印加を制御する複数のパワースイッチング素子を有するモータ駆動回路と、を備える。
前記ハウジングは、前記圧縮機構と前記電動モータとを軸方向に直列に収容し吸入冷媒が通流する第1空間と、前記第1空間に対し前記軸方向に隣接して前記モータ駆動回路を収容する第2空間と、を仕切る仕切壁を有する。
ここにおいて、前記仕切壁は、前記第1空間側に向けて突出する膨出部を有する。そして、前記複数のパワースイッチング素子は、前記膨出部の内面に熱的に接して配置される。
望ましくは、前記仕切壁は、前記第1空間側に向けて突出する複数の膨出部を有し、
前記複数のパワースイッチング素子は、2つずつペアにして、前記各膨出部の互いに対向する内面に、互いに対向させて配置されると共に、前記各パワースイッチング素子の外側の面が前記膨出部の内面に熱的に接して配置され、
前記対向するパワースイッチング素子の間に、これらのパワースイッチング素子を前記内面に押付ける押圧固定具が配置され、
前記ハウジングに設けられる冷媒吸入口は、前記第1空間内へ吸入される冷媒の少なくとも一部が前記膨出部の両外面に向かい、両外面に沿って流れるように構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のパワースイッチング素子をコンパクトに配置することが可能となり、圧縮機の径方向の体格増大を抑制することができる。
また、複数のパワースイッチング素子を第1空間側に突出する膨出部を介して第1空間内の吸入冷媒により効果的に冷却でき、冷却性能向上をも期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る電動圧縮機の概略構成図
図2】同上実施形態での電動圧縮機の回路構成図
図3】同上実施形態でのインバータハウジング部の概略断面図
図4】同上実施形態でのインバータハウジング部の概略平面図(図3のA−A矢視図)
図5】他の実施形態1を示すインバータハウジング部の概略平面図
図6】他の実施形態2を示すインバータハウジング部の概略平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る電動圧縮機の概略構成を示す。
本実施形態において、電動圧縮機1のハウジング2は、メインハウジング2A、インバータハウジング2B、及び、蓋部材2C、2Dにより形成されている。これらは一体的に締結される。
【0011】
メインハウジング2A内には、冷媒を圧縮する圧縮機構3と、圧縮機構3を駆動する電動モータ4とが収容されている。これらは軸方向に直列に配置される。
インバータハウジング2B内には、モータ駆動回路としてインバータ5が収容されている。
【0012】
ここで、インバータハウジング2Bは、円筒部とその一端側の底壁部とから構成され、底壁部は、メインハウジング2A内とインバータハウジング2B内とを仕切る仕切壁6をなしている。インバータハウジング2Bの円筒部の他端側の開口部は蓋部材2Dによって閉止される。
従って、電動圧縮機1のハウジング2は、圧縮機構3と電動モータ4とを収納する第1空間S1と、インバータ5を収容する第2空間S2と、第1空間S1と第2空間S2とを仕切る仕切壁6とを有している。
【0013】
尚、メインハウジング2Aの円筒部外壁には冷媒の吸入口(図示せず)が設けられ、この吸入口から吸入される冷媒は第1空間S1を通流した後、圧縮機構3内に吸入される。従って、第1空間S1内は吸入冷媒により冷却される。圧縮機構3にて圧縮された冷媒は、吐出口(図示せず)より吐出される。
また、モータ駆動回路としてのインバータ5からの給電線(図示せず)が電動モータ4に接続されるが、この給電線は仕切壁6を密閉端子(図示せず)を介して気液密に貫通している。
【0014】
図2は本実施形態でのモータ駆動回路(インバータ)を含む電動圧縮機の回路構成図である。
モータ駆動回路としてのインバータ5は、平滑用のコンデンサ11と、パワーモジュール12と、パワーモジュール制御回路13とを含んで構成される。
【0015】
コンデンサ11は、外部電源VBからの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をパワーモジュール12へ供給する。
【0016】
パワーモジュール12は、パワースイッチング素子として用いた絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下「IGBT」という;IGBT=Insulated Gate Bipolar Transistor )Q1〜Q6と、ダイオードD1〜D6とを含んで構成される。
パワーモジュール12について更に詳しく説明すると、パワーモジュール12は、PWM制御(擬似的に正弦波を得るために一定周期でパルス幅を変調した電圧を発生させる制御)により、コンデンサ11からの直流電圧を交流電圧に変換してモータ4に供給するもので、コンデンサ11の電源ラインと接地ラインとの間に、並列に、U相アームと、V相アームと、W相アームとを備える。
U相アームは、コンデンサ11の電源ラインと接地ラインとの間に直列に、2つのIGBT・Q1、Q2を備え、各IGBT・Q1、Q2にダイオードD1、D2がそれぞれ逆並列に接続される。
V相アームも、コンデンサ11の電源ラインと接地ラインとの間に直列に、2つのIGBT・Q3、Q4を備え、各IGBT・Q3、Q4にダイオードD3、D4がそれぞれ逆並列に接続される。
W相アームも、コンデンサ11の電源ラインと接地ラインとの間に直列に、2つのIGBT・Q5、Q6を備え、各IGBT・Q5、Q6にダイオードD5、D6がそれぞれ逆並列に接続される。
U、V、W各相アームの中間点は、モータ4の各一端においてスター結線されたU、V、W各相コイルの他端に接続される。すなわち、IGBT・Q1、Q2の中間点がU相コイルに接続され、IGBT・Q3、Q4の中間点がV相コイルに接続され、IGBT・Q5、Q6の中間点がW相コイルに接続される。
従って、U、V、W各相への正弦波電圧に合わせて、各相アームの電源側のIGBTのON期間と接地側のIGBTのON期間との比率を制御することにより、擬似的な交流電圧を得て、モータ4を駆動することができる。
【0017】
パワーモジュール制御回路13は、外部の空調制御装置からの制御信号(A/C)に基づいて、モータ4、従って圧縮機を駆動すべく、IGBT・Q1〜Q6を制御する。
【0018】
図3は本実施形態でのインバータハウジング部の概略断面図、図4はインバータハウジング部の概略平面図(図3のA−A矢視図)である。これらの図を参照して、本実施形態でのIGBT・Q1〜Q6の配置構造について説明する。
【0019】
本実施形態では、IGBT・Q1〜Q6を配置するため、インバータハウジング2Bの底壁部である仕切壁6に、第1空間S1(メインハウジング2A)側に膨出する膨出部22を形成してある。
また、膨出部22の形成に先立って、仕切壁6の膨出部22形成部の周囲に第2空間S2側に膨出する膨出部21を形成してある。このように、仕切壁6の一部を一旦第2空間S2側へ膨出させ、その中央部を第1空間S1側に膨出させることで、膨出部22の膨出方向の長さを充分に確保するも、第1空間S1のスペースが狭くなるのを抑制している。
また、本実施形態での膨出部22は横長の略矩形形状で、インバータハウジング2Bの周方向に長く形成されている。
【0020】
ここにおいて、6個のIGBT・Q1〜Q6は、膨出部22の内面、すなわち、第1空間S1側に突出する膨出部22により第2空間S2側に形成される凹部の内面に、熱的に接して配置される。
より詳しくは、IGBT・Q1〜Q6は、2つずつペアにして、膨出部22の互いに対向する内面22a、22bに、互いに対向させて配置する。
ペアにするのは、図2で同じアームのIGBTであり、U相アームのQ1とQ2とをペアにし、V相アームのQ3とQ4とをペアにし、W相アームのQ5とQ6とをペアにする。
従って、膨出部22の互いに対向する横長の内面の一方(22a)に、IGBT・Q1、Q3、Q5が配置され、他方(22b)に、IGBT・Q2、Q4、Q6が配置される。よって、6個のIGBT・Q1〜Q6は、対向する内面22a、22bに沿って2列に配置される。
【0021】
また、対向するIGBTの間には、これらのIGBTを内面22a、22b側に押付ける押圧固定具23を配置する。すなわち、IGBT・Q1、Q3、Q5の列と、IGBT・Q2、Q4、Q6の列との間に、これらと同じ方向に延びる押圧固定具23を設け、押圧金具23の両端部を膨出部21の端面上に固定する。
押圧固定具23の中間部には、バネ性を有してIGBTのパッケージ表面に当接する押圧部23a、23bを有している。
【0022】
尚、IGBT・Q1〜Q6はパッケージの頭部側から膨出部21内側の凹部に突入し、端子部が当該凹部より突出し、第2空間S2内の配置されてインバータ5を構成する回路基板24に接続される。
【0023】
本実施形態では、また、メインハウジング2Aの円筒部外壁に設けられる冷媒吸入口25は、膨出部22の近傍に配置される。従って、冷媒吸入口25は、第1空間S1内へ吸入される冷媒の少なくとも一部が膨出部22の外面に向かうように構成されている。尚、冷媒吸入口25から吸入される冷媒の一部を膨出部22側へ誘導・案内するガイド部材を設けてもよい。
【0024】
次に本実施形態の効果について説明する。
本実施形態によれば、第1空間S1と第2空間S2とを仕切る仕切壁6に第1空間S1側に突出する膨出部22を設け、この膨出部22の内面に、複数のIGBT・Q1〜Q6を熱的に接して配置することにより、複数のIGBT・Q1〜Q6をコンパクトに配置することができ、インバータハウジング2Bの径方向の体格増大を抑制することができる。
すなわち、IGBT・Q1〜Q6をインバータハウジング2Bの軸方向に沿わせて配置することができ、また、IGBT・Q1〜Q6のパッケージ厚さ方向をインバータハウジング2Bの径方向とすることができる。よって、インバータハウジング2Bの径方向の体格増大を抑制することができる。
【0025】
また、複数のIGBT・Q1〜Q6を第1空間S1側に突出する膨出部22を介して第1空間S1内の吸入冷媒により効果的に冷却することができ、冷却(放熱)性能向上をも期待できる。
また、仕切壁6が凹凸形状となり、IGBT・Q1〜Q6を含むインバータ5が収容される第2空間側から冷媒が通流する第1空間側への放熱面積が増大する。これもインバータ5の性能改善に寄与できる。
【0026】
また、本実施形態によれば、複数のIGBT・Q1〜Q6は、2つずつペアにして、膨出部22の互いに対向する内面22a、22bに、互いに対向させて配置することにより、同じアームのIGBT(例えばQ1とQ2)を近接させて配置でき、回路構成が容易となる。
【0027】
また、本実施形態によれば、対向するIGBT(例えばQ1とQ2)の間に、これらのIGBTを膨出部22の内面に押付ける押圧固定具23を配置することにより、密着性が高まり、放熱性能をより向上させることができる。また、1つの押圧固定具23で、複数のIGBTを固定でき、部品点数及び部品コストの低減を図ることができる。
【0028】
また、本実施形態によれば、膨出部22は1つ設けられ、1つの膨出部22に複数のIGBT・Q1〜Q6の全てが配置される構成とすることにより、複数のIGBTをまとめてコンパクトに配置できる。
【0029】
また、本実施形態によれば、膨出部22は互いに対向する内面が横長に形成され、複数のIGBT・Q1〜Q6は、前記対向する内面に沿って2列に配置される構成とすることにより、複数のIGBTをコンパクトに、また回路構成容易に配置できる。
【0030】
また、本実施形態によれば、メインハウジング2Aに設けられる冷媒吸入口25は、第1空間S1内へ吸入される冷媒の少なくとも一部が膨出部22の外面に向かうように構成されることにより、IGBT・Q1〜Q6に対する冷却性能をより向上させることができる。
【0031】
次に本発明の他の実施形態について図5及び図6により説明する。
図5は他の実施形態1を示すインバータハウジング部の概略平面図である。
図5の実施形態では、3つの膨出部22−1、22−2、22−3が設けられ、各々の膨出部(該膨出部により形成される凹部)にIGBTが2つずつ配置される。
すなわち、膨出部22−1の互いに対向する内面に、U相のIGBT・Q1、Q2が配置される。また、膨出部22−2の互いに対向する内面に、V相のIGBT・Q3、Q4が配置される。また、膨出部22−3の互いに対向する内面に、W相のIGBT・Q5、Q6が配置される。
【0032】
そして、図5の実施形態では、膨出部22−1、22−2、22−3は、インバータハウジング2Bの周方向に直列に並べてある。
この場合、メインハウジング2A側では冷媒吸入口25から吸入される冷媒が図5の点線矢印のように分流して、膨出部22−1、22−2、22−3の両外面に沿って流れ、IGBT・Q1〜Q6からの放熱を促進する。
尚、膨出部22−1〜22−3は一体的に連ねて形成し、膨出部により形成される凹部を複数独立させて形成してもよい。
【0033】
図6は他の実施形態2を示すインバータハウジング部の概略平面図である。
図6の実施形態では、図5の実施形態と同様、3つの膨出部22−1、22−2、22−3が設けられ、各々の膨出部(該膨出部により形成される凹部)にIGBTが2つずつ配置される。
すなわち、膨出部22−1の互いに対向する内面に、U相のIGBT・Q1、Q2が配置される。また、膨出部22−2の互いに対向する内面に、V相のIGBT・Q3、Q4が配置される。また、膨出部22−3の互いに対向する内面に、W相のIGBT・Q5、Q6が配置される。
【0034】
そして、図6の実施形態では、膨出部22−1、22−2、22−3は、並列に配置してある。
この場合、メインハウジング2A側では冷媒吸入口25から吸入される冷媒が図6の点線矢印のように分流して、各膨出部22−1、22−2、22−3の間を流れ、IGBT・Q1〜Q6からの放熱を促進する。
【0035】
これら図5図6の実施形態のように、膨出部22は複数設けられ、各々の膨出部にIGBTが2つずつ配置される構成とすることにより、放熱面積を増加させて、放熱をより促進することができる。
【0036】
尚、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0037】
1 電動圧縮機
2 ハウジング
2A メインハウジング
2B インバータハウジング
2C、2D 蓋部材
3 圧縮機構
4 電動モータ
5 モータ駆動回路としてのインバータ
6 仕切壁
11 コンデンサ
12 パワーモジュール
Q1〜Q6:スイッチング素子としてのIGBT
D1〜D6:ダイオード
13 パワーモジュール制御回路
21 膨出部
22、22−1、22−2、22−3 膨出部
22a、22b 内面
23 押圧固定具
23a、23b 押圧部
24 回路基板
25 冷媒吸入口
図1
図2
図3
図4
図5
図6