(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係るポータブル撮像装置100を備えた撮像システム600について、添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、第1の実施形態に係るポータブル撮像装置100を備えた撮像システム600の概略の構成の一例を示した概略構成図である。
【0014】
図1に示すように、撮像システム600は、ポータブル撮像装置100、アクセスポイント200、第1のサーバ300、第2のサーバ400、ネットワーク500などを備えて構成されている。
【0015】
ポータブル撮像装置100は、被検体を撮像するための撮像装置であって、ポータブルな超音波診断装置やX線撮影装置などが該当する。超音波診断装置は、超音波を被検体に当てて、その反響を映像化することができる画像診断装置である。X線撮影装置は、被検体にX線を照射して、被検体を透過したX線をX線検出器で可視化することができる撮影装置である。本実施形態では、被検体を撮像(撮影)することができるポータブルな撮像装置であれば、いずれの撮像装置でも適用することができる。
【0016】
アクセスポイント200は、無線LAN(local Area Network)でポータブル撮像装置100と他の端末間を接続する電波中継器である。本実施形態のアクセスポイント200は、ポータブル撮像装置100を、ネットワーク500を経由して第1のサーバ300や第2のサーバ400に接続するようになっている。
【0017】
第1のサーバ300および第2のサーバ400は、医療用画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)の一部を構成する画像管理サーバである。本実施形態では、ポータブル撮像装置100を用いて被検体(患者)を撮像して得られた撮像画像(画像データ)を、保管、閲覧、管理するサーバである。
【0018】
ネットワーク500は、撮像システム600に接続されている各装置を相互に接続するためのネットワークである。
【0019】
本実施形態に係るポータブル撮像装置100は、超音波やX線などの撮像機能を備えた撮像装置に、無線によりネットワーク500に接続するための無線LAN接続部と、ネットワーク500に接続した無線接続の信号強度を取得する信号強度取得部と、取得した無線接続の信号強度に応じて、データ伝送に関する処理を切り替える通信制御部を、さらに備えたことを特徴としている。
【0020】
図2は、第1の実施形態に係るポータブル撮像装置100の機能を示す機能ブロック図である。
【0021】
図2に示すように、このポータブル撮像装置100は、アンテナ10、無線LAN接続部110、信号強度取得部120、通信制御部130、有線LAN接続部150、LANコネクタ30、超音波プローブ20、プローブケーブル21および撮像処理部190などを備えて構成されている。
【0022】
また、撮像処理部190は、超音波送受信部160、画像処理部170、記憶部140および表示部180などを備えて構成されている。
【0023】
アンテナ10は、ポータブル撮像装置100からアクセスポイント200へ送信信号を送信する一方、アクセスポイント200から受信信号を受信するようになっている。また、この送信信号および受信信号は、電波を使ってデータの送受信が行われるようになっている。
【0024】
無線LAN接続部110は、無線によりネットワーク500に接続するためのインターフェース部である。無線LAN接続部110は、アンテナ10を介してアクセスポイント200と無線通信を行うことにより、ネットワーク500に接続することができるようになっている。
【0025】
信号強度取得部120は、ネットワーク500に接続したポータブル撮像装置100とアクセスポイント200との無線接続の信号強度を取得するようになっている。
【0026】
通信制御部130は、信号強度取得部120で取得した無線接続の信号強度に応じて、データ伝送に関する処理を切り替えるようになっている。ここで、データ伝送に関する処理には、伝送量の多い第1の処理と伝送量の少ない第2の処理とが含まれる。通信制御部130は、無線接続の信号強度が強い場合は、伝送量の多い第1の処理と伝送量の少ない第2の処理の両方を実行するようにデータ伝送に関する処理を切り替える一方、無線接続の信号強度が弱い場合は、伝送量の少ない第2の処理のみを実行するようにデータ伝送に関する処理を切り替えるようになっている。
【0027】
有線LAN接続部150は、LANケーブルが挿入されるコネクタを有しており、LANケーブルが挿入されると、他のネットワーク機器と接続することができるようになっている。
【0028】
LANコネクタ30は、ネットワーク500に有線で接続するためのコネクタであり、例えば、診察室の壁や病棟の壁などに設けられたコネクタに接続される。
【0029】
超音波プローブ20は、被検体の表面に当接して、移動しながら超音波を送受波するようになっている。具体的には、複数個の超音波振動子を超音波プローブ20の先端部分に配置して、被検体の撮影対象に対してその先端部分を接触させ、超音波の送受信を行うようになっている。また、超音波プローブ20は、プローブケーブル21を介して撮像処理部190に接続されている。
【0030】
撮像処理部190の超音波送受信部160は、送信部と受信部から構成されており、プローブケーブル21を介して、超音波プローブ20に電気信号を供給して超音波を発生させるとともに、超音波プローブ20で受波した超音波の受信信号(エコー信号)を、プローブケーブル21を介して受信する機能を備えている。
【0031】
画像処理部170は、超音波プローブ20によって受波した超音波の受信信号に所定の画像処理を行って、超音波断層像を生成する機能を備えている。また、画像処理部170は、再構成部と画像データ特定部を備えて構成されている。再構成部は、生成された超音波断層像に磁気センサ(位置センサ)で取得した位置と姿勢に関する情報(位置データ)を関連づけるとともに、その生成される超音波断層像に基づいて、画像データを再構成するようになっている。なお、この画像データには、動画の場合と静止画の場合が含まれる。
【0032】
記憶部140は、記憶メモリを構成する記憶部であり、RAM(Random Access Memory)やハードディスクなどにより構成されている。記憶部140は、画像処理部170で再構成された画像データを格納するようになっている。記憶部140に格納されている画像データは、例えば、第1のサーバ300や第2のサーバ400へ転送する画像転送処理(Storage)がなされるようになっている。また、記憶部140は、撮像による検査の予定を示すモダリティワークリスト管理(MWM:Modality Worklist Management)や、撮像による検査の実施状況を通知するモダリティ実施済手続ステップ(MPPS:Modality Performed Procedure Step)に関する各種情報を格納するようになっている。
【0033】
ここで、Storage、MWMおよびMPPSは、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)によって規格された処理(サービス)の一種である。また、DICOMとは、医用画像情報を機能に応じて規定された処理を実行させるための規格のことである。また、Storage、MWMおよびMPPSは、それぞれデータ伝送に関する処理である。
【0034】
具体的には、Storegeとは、通信制御部130は、記憶部140に格納されている画像データを、予め設定されている第1のサーバ300や第2のサーバ400にネットワーク500を経由して転送する処理のことである。MPPSとは、放射線科情報システム(RIS:Radiology Information System)(図示せず)に、ポータブル撮像装置100の検査の実施状況を伝える処理のことである。例えば、検査の開始および検査の実施中は進行中という状態になり、検査完了時に終了という状態が、ネットワーク500を経由してRISに伝えられる。また、MWMとは、検査を行う前に、ネットワーク500を経由してポータブル撮像装置100からRISに検査予定の問い合わせを行い、ワークリストを取得する処理のことである。
【0035】
表示部180は、液晶ディスプレイやモニタなどにより構成されている。表示部180は、記憶部140に格納されている画像データを表示したり、MPPSの進捗状況を示す通知やMWMの予約状況を表示する機能を有している。
【0036】
なお、本実施形態に係るポータブル撮像装置100は、超音波やX線による撮像機能を備えた撮像装置に、無線LAN接続部110、信号強度取得部120、通信制御部130および記憶部140を備えることを特徴とする一方、処理の制御を司るCPU(Central Processing Unit)やプログラムを格納するROM(Read Only Memory)などの情報処理装置としての機能も備えている。
【0037】
本実施形態に係るポータブル撮像装置100の通信制御部130は、無線接続の信号強度が強い場合は、DICOM規格に規定されたサービスのうち、伝送量の多い第1の処理に該当するStorageと、伝送量の少ない第2の処理に該当するMWMおよびMPPSを実行するように、データ伝送に関する処理を切り替える一方、無線接続の信号強度が弱い場合は、DICOM規格に規定されたサービスのうち、伝送量の少ない第2の処理に該当するMWMまたはMPPSを実行するように、データ伝送に関する処理を切り替えるようになっている。
【0038】
図3は、第1の実施形態に係るポータブル撮像装置100の通信制御部130が、回線の状況に応じて、データ伝送に関する処理を切り替える制御方法を示した制御テーブルである。
【0039】
図3に示すように、この制御テーブルは、有線接続の欄と、有線接続が不通であることを示す有線不通の欄とを備えている。有線接続の場合には、通信制御部130は、Storage、MPPSおよびMWMの全ての処理を実行する旨が記載されている。
【0040】
一方、有線接続が不通(有線不通)の場合には、通信制御部130は、無線接続の信号強度に応じて、無線接続の信号強度が強い場合(無線接続(強))は、伝送量の多いStorage(第1の処理)と、伝送量の少ないMPPSおよびMWM(第2の処理)を実行するようにデータ伝送に関する処理を切り替える一方、無線接続の信号強度が弱い場合(無線接続(弱))は、伝送量の少ないMPPSとMWM(第2の処理)のみを実行するように、データ伝送に関する処理を切り替える旨が記載されている。
【0041】
本実施形態では、伝送量の多いStorageは、ネットワーク500に与える負荷が大きく、一方、伝送量の少ないMPPSとMWMは、ネットワーク500に与える負荷が小さいため、無線接続の信号強度に応じて、データ伝送に関する処理を切り替えるようになっている。
【0042】
なお、
図3では、無線接続の信号強度が強い場合は、StorageとMPPSとMWMとを同時に処理することができるので、これらを全て実施する意味で、Storage/MWM/MPPSと記載されている。また、有線接続が不通であり、無線接続が接続されていないことを示す無線不通の場合には、DICOM規格のサービスの処理を保留することを示す旨が記載されている。
【0043】
(サービス変更処理)
次に、本実施形態に係るポータブル撮像装置100が、ネットワーク500を経由して、無線接続におけるサービスを変更するサービス変更処理について、説明する。
【0044】
図4は、本実施形態に係るポータブル撮像装置100が、超音波プローブ20を用いて被検体の画像データを生成した後に、無線接続の信号強度に応じて、その画像データを転送するサービス変更処理を示したフローチャートである。
図4において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示している。
【0045】
まず、ポータブル撮像装置100は、診察室の壁や病棟の壁などに設けられたコネクタとLANコネクタ30とがLANケーブルで接続されて、ネットワーク500に有線接続されているか、それとも、無線LAN接続部110などによりアクセスポイント200に無線接続されているかを、通信制御部130において判定する(ステップS001)。
【0046】
通信制御部130は、ポータブル撮像装置100がLANケーブルで有線接続されている場合には(ステップS001のYes)、ネットワーク500に有線接続されているので、DICOMに規格された所定のデータ伝送に関する処理を安定して実行することができると判定し、その所定のデータ伝送に関する処理を実行する(ステップS003)。
【0047】
具体的には、例えば、
図3に記載された所定のデータ伝送に関する処理として、有線接続の場合は、Storage、MPPSおよびMWMのいずれも実行する旨が記載されており、通信制御部130は、Storage、MPPSおよびMWMの全ての処理を実行する。
【0048】
Storegeの処理では、通信制御部130は、記憶部140に格納されている画像データを、予め設定されている第1のサーバ300や第2のサーバ400にネットワーク500を介して転送する。MPPSの処理では、通信制御部130は、RIS(図示せず)に、ポータブル撮像装置100の検査の実施状況を伝える。例えば、検査の開始および検査の実施中は進行中という状態になり、検査完了時に終了という状態が、ネットワーク500を経由して、RISに伝えられる。MWMの処理では、通信制御部130は、検査を行う前に、ネットワーク500を経由してポータブル撮像装置100からRISに検査予定の問い合わせを行って、ワークリストを取得する。
【0049】
そして、ステップS003の所定のデータ伝送に関する処理が完了すると、通信制御部130は、サービス変更処理を終了する。
【0050】
一方、ポータブル撮像装置100がLANケーブルで有線接続されていない場合には(ステップS001のNo)、通信制御部130は、ポータブル撮像装置100とアクセスポイント200との無線接続の信号強度を、信号強度取得部120から取得する(ステップS005)。
【0051】
通信制御部130は、信号強度取得部120から取得した無線信号の信号強度が強いか否かを判定し(ステップS007)、信号強度が強い場合は(ステップS007のYes)、所定のデータ伝送に関する処理(例えば、
図3に示したStorage/MPPS/MWMの全ての処理)を実行する(ステップS003)。
【0052】
一方、取得した無線信号の信号強度が強くない場合には(ステップS007のNo)、通信制御部131は、無線信号の信号強度が弱いと判定し、伝送量の多いStorage(画像転送処理)以外の処理(例えば、
図3に示した伝送量の少ないMPPS/MWM)を実行する(ステップS009)。
【0053】
通信制御部130は、無線接続の強度判定を行うための所定の閾値(例えば、−55dBm)を有し、無線接続の信号強度が所定の閾値以下の場合には、無線接続の信号強度が弱いと判定する一方、無線接続の信号強度が所定の閾値よりも大きい場合には、無線接続の信号強度が強いと判定する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態に係るポータブル撮像装置100は、アクセスポイント200とポータブル撮像装置100とにおける無線接続の信号強度に基づいて、所定の伝送に関する処理を切り替えることができる。
【0055】
これにより、本実施形態に係るポータブル撮像装置100は、アクセスポイント200とポータブル撮像装置100とにおける無線接続の信号強度が弱い場合は、Storageを実行せず、MPPSとMWMの処理を実行させることができるので、Storageによる撮像画像の転送ミスを回避するとともに、回診や在宅医療の移動中であっても撮像状態や撮像完了の通知(MPPS)およびポータブル撮像装置100で撮像する予約情報などの取得(MWM)を実行することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、通信制御部130は、アクセスポイント200から無線接続の信号強度を取得して、その信号強度が強いか弱いかを所定の閾値により判定するようになっていた。さらに、本実施形態では、無線接続の強度判定において、強弱の切り替わりにそれぞれ別の閾値を設け、頻繁な切り替えを抑制するようにしてもよい。
【0057】
図5は、通信制御部130の無線接続の強度判定において、2つの閾値を設け、強弱の切り替えについて説明した説明図である。
【0058】
図5に示すように、通信制御部130は、無線接続の信号強度が所定の閾値(―55dBm)よりも小さい閾値α(例えば、第1の閾値として−60dBm)以下に下がった場合には、信号強度は弱いと判定する一方、無線接続の信号強度が所定の閾値よりも大きい閾値β(例えば、第2の閾値として−40dBm)より大きくなった場合には、信号強度は強いと判定することができる。
【0059】
このように判定することにより、通信制御部130は、無線信号が強い場合であって、閾値α以下に下がったとき、Storageの処理を保留し、Storage以外の処理を実行するように伝送に関する処理を切り替えるとともに、無線信号が弱い場合であって、閾値βよりも大きくなったときに無線接続が強いと判定し、保留されていたStorageの処理を実行するように伝送に関する処理を切り替えることができる。
【0060】
なお、通信制御部130は、無線接続の信号強度が、閾値α(第1の閾値)と閾値β(第2の閾値)との間に位置する場合には、信号強度の状態を維持するものとする。
【0061】
このように、通信制御部130は、伝送に関する処理の切り替えにおいて、2つの閾値を用いて無線接続の強度判定を行うことにより、信号強度の変更に伴う頻繁な切り替えを抑制することができる。
【0062】
また、通信制御部130は、無線接続の信号強度が所定の閾値以下の場合には、無線接続の信号強度が弱いと判定するようになっていたが(ステップS007のNo)、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、無線接続の無線不通を判定する閾値をさらに設け、通信制御部130は、その閾値によって無線接続の信号強度が無線不通と判定された場合には、ステップS009の処理を保留するようにしてもよい。
【0063】
また、通信制御部130は、無線接続の信号強度が弱いと判定された場合であっても(ステップS007のNo)、ステップS009の処理を実行せず、所定の時間間隔(例えば、10秒間隔)で、ポータブル撮像装置100とアクセスポイント200との無線接続の信号強度を、信号強度取得部120から定期的に取得するようにしてもよい(ステップS005)。
【0064】
この場合、通信制御部130は、無線接続の信号強度が弱いと判定された場合であっても、無線接続の信号強度が強いと判定されるまで待ち受けることができるので、ステップS003の所定のデータ転送に関する処理を実行することができる。この場合において、無線接続の信号強度の取得に限定されるものではなく、ステップS001に戻り、通信制御部130は、ポータブル撮像装置100がLANケーブルで有線接続されているか否かを判定し、ネットワーク500への接続するのを待ち受けるようにしてもよい。
【0065】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、ステップS003において、Storage、MPPSおよびMWMの処理を実行するようになっていた。第2の実施形態では、さらに、データ伝送の処理(すなわち、Storage)を実行する際、ファイルの種類(以下、これを画像種ともいう。)に応じて、処理内容を変更するようにしてもよい。
【0066】
(ファイル種別変更処理)
図6は、本実施形態に係るポータブル撮像装置100が所定の処理内容を実行する際、画像種に応じて、データ伝送の処理を切り替えるファイル種別変更処理を示したフローチャートである。
【0067】
通信制御部130は、ステップS003で所定のデータ伝送の処理として、Storageを実行する際、画像種を判定し(ステップS101)、その画像種が動画ファイル(例えば、AVI(Audio Video Interleave))の場合には(ステップS101のYes)、ポータブル撮像装置100と、相手先のサーバ(例えば、第1のサーバ300や第2のサーバ400)との通信速度が安定しているか否かを判定する(ステップS103)。
【0068】
通信制御部130は、ポータブル撮像装置100と相手サーバ(例えば、第1のサーバ300)との通信速度が安定している場合(例えば、実効通信速度が30Mbps以上の場合)は(ステップS103のYes)、画像種が動画ファイルであっても動画転送処理を実行し(ステップS105)、ネットワーク500を経由して、第1のサーバ300にその動画ファイルを転送し、ファイル種別変更処理を終了する。
【0069】
一方、ポータブル撮像装置100と第1のサーバ300との通信速度が安定していない場合(例えば、実効通信速度が5Mbpsの場合)は(ステップS103のNo)、通信制御部130は、通信速度が所定の実効通信速度(例えば、30Mbps)以上で安定するまで待ち受けた後、その動画ファイルを第1のサーバ300に転送する動画転送処理を実行する(ステップS105)。
【0070】
他方、通信制御部130は、ステップS101において画像種が動画ファイルではない場合は(ステップS101のNo)、その画像種を静止画(SC:Secondary Capture)に関する撮像画像(画像データ)であると判定し、ネットワーク500を経由して、第2のサーバ400にその静止画に関する撮像画像を画像転送する画像転送処理を実行して(ステップS107)、ファイル種別変更処理を終了する。
【0071】
なお、静止画に関する撮像画像とは、ポータブル撮像装置100で撮像したデジタル画像であって、画像処理や画像編集したデジタル画像やDICOMの規定に則りファイル化したものが該当する。
【0072】
また、通信制御部130は、ステップS107において、静止画のファイル容量が所定の容量(例えば、50MB)を超える場合は、その静止画に関する撮像画像を転送する際、ステップS103と同様に、ポータブル撮像装置100と第2のサーバ400との通信速度が所定の実効通信速度(例えば、30Mbps)以上で安定するまで待ち受けた後、第2のサーバ400に画像転送処理を実行するようにしてもよい。
【0073】
以上説明したように、第2の実施形態に係る通信制御部130では、画像種に応じて、ポータブル撮像装置100と相手先のサーバ(例えば、第1のサーバ300や第2のサーバ400など)との通信速度が安定しているときに、動画画像転送処理を実行することができるので、撮像画像に対して、Storageの処理を実行する際の転送エラーを回避することができる。
【0074】
また、通信制御部130は、Storageの処理を実行する際、ネットワーク500を経由して、接続先から所定の時間内(例えば、5分以内)に応答がない場合は、タイムアウト(Timeout)と判断し、実行中の処理を中断したり、無線接続の場合には、有線接続の場合よりも、タイムアウトの時間を長時間設定するようにしてもよい。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0076】
また、本発明の実施形態では、フローチャートの各ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。