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前記テナント型医療情報システムは、前記利用者に対して適切なアプリケーションを推奨するに当たって、読影の対象となる前記医療画像に関する前記医療画像診断装置へのオーダ情報も検索の条件として用いることを特徴とする請求項1に記載の医療情報システム。
医療画像診断装置によって取得された患者の内部情報を示す医療画像の読影を行う際に利用するアプリケーションの推奨を得るに当たって、前記医療画像に関するオーダ情報を取得するステップと、
前記オーダ情報を解析して、利用者が好適に利用することができる前記アプリケーションを判定するステップと、
を備えることを特徴とする推奨アプリケーションの検索方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
[医療情報システムの全体構成]
図1は、本発明の実施の形態における医療情報システムSの全体構成を示すブロック図である。医療情報システムSは、利用者が使用するクライアント端末1と、システム運営者が設置し、通信ネットワークNを介してクライアント端末1から送信される利用者からの読影を行うに当たって利用するアプリケーションの検索要求に基づいて最適なアプリケーションの推奨を行うテナント型医療情報システム2と、テナント型医療情報システム2と通信ネットワークNを介して接続され、アプリ提供者によって提供されるアプリケーションを備えるアプリケーションサーバ3(以下、明細書における表記及び図面の表記として「アプリサーバ3」と表わす)と、を備える。
【0018】
さらにこの実施の形態における医療情報システムSには、通信ネットワークNを介して、医療画像診断装置4と、管理サーバ5とが併せて接続されている。
【0019】
クライアント端末1は、利用者である、医師、或いは、技師によって使用される情報端末である。このクライアント端末1としては、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)や、WS(診療ワークステーション)等が考えられる。また、クライアント端末1が携帯可能であることを否定するものではない。
【0020】
さらに、クライアント端末1は、例えば、アプリケーションの検索条件を入力といった、少なくとも利用者の操作を受け付ける入力部と、読影等の各種処理を行うCPUを備える処理部と、テナント型医療情報システム2によって検索条件等に基づいて検索された当該利用者が読影を行うに当たって利用する推奨アプリケーションを表示する表示部を備えている。
【0021】
テナント型医療情報システム2は、利用者が医療画像の読影を行うに当たって利用するアプリケーションを検索、推奨する機能を果たす。また、検索の結果である推奨アプリケーションに関する様々な情報をクライアント端末1の表示部に表示させる機能も果たす。ここで「医療画像」とは、利用者が読影の対象とする画像であり、最終的に例えば、検査レポートに掲載されたり、診察に役立てたりするための画像である。
【0022】
テナント型医療情報システム2は、システム運営者が設けるもので、利用者は当該システムを利用することで、必要とする最適なアプリケーションを効率良く検索、利用することができる。すなわち、テナント型医療情報システム2には利用することが可能な単数、または複数のアプリケーションが接続されており、利用者はテナント型医療情報システム2を介してこれらのアプリケーションを検索、利用、或いは必要に応じて入手し、必要な医療情報を取得することができる。従って、利用者が医療情報の取得に当たり、個別にアプリケーションを探し出して利用するといった手間を省くことができる。
【0023】
なお、ここで「医療情報」とは、例えば、カルテ等の文字情報、血液検査等の数値データや波形データ、X線CT装置のような医療画像診断装置が取得(撮影)する医療画像に関する情報、或いは検査レポート等の文字・画像混在情報等、を含む概念である。
【0024】
また、利用者自ら医療情報の収集を行う場合には、多くの場合、どうしても自らの思考(嗜好)に合った特定のアプリケーションを利用しがちであり、特に、新規なアプリケーションについては利用されにくいのが現状である。また、例えば、読影に不慣れな利用者にとっては最適なアプリケーションの選択、利用は困難な場合も多い。
【0025】
そこで、本発明の実施の形態におけるテナント型医療情報システム2を利用することで、後述するように、利用者の属性に合わせて利用者に適したアプリケーションを検索、推奨してくれる。そのため、利用者は推奨されたアプリケーションを利用することで、医療画像の読影の結果、所望の医療情報を取得することができる。
【0026】
なお、システム運営者が設けるテナント型医療情報システム2は、このシステム運営者が「大家」という位置付けにあり、一方、検索、推奨されて利用者に利用されるアプリケーションを提供するアプリ提供者は、いわば「店子」の位置付けとなる。従って、大家(システム運営者)が設けるテナント型医療情報システム2内には店子(アプリ提供者)がアプリケーションを提供しており、この点を示して「テナント」と表わしている。利用者は自分が要求する医療画像を取得するに当たって、テナントであるアプリ提供者が提供する読影の目的、実力等に合った各種アプリケーションを利用する。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態におけるテナント型医療情報システム2の内部構成を示すブロック図である。テナント型医療情報システム2は、本体部2Aと画像管理部2Bの大きく2つの部分に分かれている。本体部2Aは、アプリケーションの検索、推奨、利用者による検査レポートの作成等、利用者からの要求を受け付けて利用者に必要な医療情報を生成して戻す機能を備えている。一方、画像管理部2Bは、医療画像診断装置4が取得した医療画像を保管、管理する。
【0028】
本体部2Aは、統合ビューア21と、検索装置22と、検索データベース23と、シンクライアントマネージャ24と、アプリケーション25(アプリケーションA)と、課金エンジン26と、課金データベース27とから構成されている。また、画像管理部2Bは、画像情報マネージャ28と、画像レポートデータベース29とから構成されている。
【0029】
なお、本体部2Aの各部の内部構成、機能や働きについては、以下、利用者に対して最適なアプリケーションを検索、推奨する流れに沿って別途説明する。
【0030】
画像管理部2Bを構成する画像情報マネージャ28は、医療画像診断装置4によって取得される医療画像に関する情報を管理する。一方、画像レポートデータベース29は、画像情報マネージャ28を介して医療画像診断装置4から送られてきた医療画像を記憶する。また、アプリサーバ3に記憶されているアプリケーションを利用して加工、生成される医療画像についても記憶することとしても良い。
【0031】
なお、テナント型医療情報システム2の設置場所については、
図1に示す医療情報システムSにおいて特に示されていない。従って、テナント型医療情報システム2は、医療機関内に設けられていても良く、或いは、クラウド・コンピューティング技術を用いて医療機関外に設けられていても良い。さらに、各医療機関ごとに設けられていても、或いは、複数の医療機関で共有していても良い。
【0032】
アプリサーバ3は、アプリ提供者が提供するアプリケーションを記憶している。テナント型医療情報システム2(検索装置22)によって利用者の要求に基づいて検索、推奨されるアプリケーションは、いずれかのアプリサーバ3内にて提供されている。利用者が読影に当たって推奨されたアプリケーションを利用する場合には、例えば、当該アプリケーションを備えるアプリサーバ3に対して、医療画像の加工、生成が依頼される。アプリサーバ3では要求に応じて医療画像を加工、生成し、改めてテナント型医療情報システム2に送信する。アプリサーバ3から生成された医療画像を受信したテナント型医療情報システム2では、この医療画像と検査レポートとを当該要求を出した利用者のクライアント端末1にまとめて(統合して)表示させる。
【0033】
なお、アプリサーバ3は、格納するアプリケーションごとに設けられていても良く、或いは、アプリ提供者ごとに設けられていても良い。後者の場合、1つのアプリサーバ3内に当該アプリ提供者が提供するアプリケーションが単数、或いは、複数含まれて(記憶されて)いる。
【0034】
また、以下の説明、或いは、各図面において、適宜「アプリ」と表わされる場合があるが、この「アプリ」とは「アプリケーション」の略である。
【0035】
医療画像診断装置4は、被検体を撮影してその内部情報を取得する医療画像取得(撮影)装置である。医療画像診断装置4としては、例えば、上述したようにX線CT装置や磁気共鳴診断装置等が該当する。医療画像診断装置4において取得された各撮影データは、例えば、テナント型医療情報システム2に送信されて、画像管理部に格納(記憶)される。また、
図1には示していないが、例えば、通信ネットワークNに接続されている画像サーバ等に記憶されていても良い。
【0036】
管理サーバ5は、例えば、医療機関内に構築されている、例えば、病院情報管理システム(HIS:Hospital Information System)、放射線部門情報管理システム(RIS:Radiological Information System)、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving Communication System)等が該当する。
【0037】
本発明の実施の形態において当該管理サーバ5内には、特に以下に説明する実施の形態において必要な利用者情報記憶部5aとオーダ情報記憶部5bのみを示している。従って、このほかの機能を果たす各部が含まれているのはもちろんである。
【0038】
利用者情報記憶部5aは、当該医療情報システムSを利用して読影や診察等を行う医師、或いは、技師に関する、例えば、IDや所属科といった属性に関する情報が記憶されている。オーダ情報記憶部5bは、医療画像診断装置4において被検体の内部情報を医療画像として取得する際の要求(オーダ)情報である。従って、医療画像診断装置4は、当該オーダ情報に基づいて医療画像を取得することになる。なお、管理サーバ5に入力された各種情報は、併せてテナント型医療情報システム2にも送られ、利用者からの要求に対処する際に用いられる。
【0039】
利用者情報記憶部5aやオーダ情報記憶部5bは、この発明の実施の形態においては、管理サーバ5内に設けられているように示されているが、例えば、これらはそれぞれ独立して通信ネットワークNに接続されていても、或いは、テナント型医療情報システム2内に設けられていても良く、これらの情報の記憶場所はどこであっても良い。
【0040】
なお、
図1に示す医療情報システムSでは、通信ネットワークNに2つのクライアント端末1Aと1B(以下、適宜これら複数のクライアント端末をまとめて「クライアント端末1」と表わす。)、アプリサーバ3A及び3B(以下、適宜これらのアプリサーバをまとめて「アプリサーバ3」と表わす。)が接続されているが、通信ネットワークNに接続されるクライアント端末1、或いは、アプリサーバ3の数は単数、或いは複数のいずれでも良く、その数は任意である。 また、医療画像診断装置4は、
図1では1つのみ通信ネットワークNに接続されているが、この医療画像診断装置4の数についても任意である。
【0041】
通信ネットワークNは、クライアント端末1、テナント型医療情報システム2、アプリサーバ3、医療画像診断装置4、及び管理サーバ5をそれぞれつなぎ、互いの間で、例えば医療情報のやりとりを可能とする。通信ネットワークNの例としては、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信ネットワークを挙げることができる。また、この通信ネットワークNで使用される通信規格は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)等、いずれの規格であっても良い。
【0042】
[テナント型医療情報システム(本体部)の構成]
上述したように、テナント型医療情報システム2の本体部2Aは、統合ビューア21と、検索装置22と、検索データベース23と、シンクライアントマネージャ24と、アプリケーション25(アプリケーションA)と、課金エンジン26と、課金データベース27とから構成されている。
【0043】
統合ビューア21は、利用者から医療画像を読影する際に利用するアプリケーションの検索要求が出された場合に、検索装置22を用いて利用者に対して推奨可能なアプリケーションを検索する。検索されたアプリケーションは、利用者が使用するクライアント端末1の表示部にその情報を出力するとともに、利用者からの新たな要求に基づいて、後述するように、例えば、「読影例」や「利用ガイド」を表示させる。
【0044】
図3は、本発明の実施の形態における統合ビューア21の内部構成を示すブロック図である。統合ビューア21は、受信部21aと、情報解析部21bと、情報収集部21cと、情報統合部21dと、送信部21eとから構成される。
【0045】
情報解析部21bは、例えば、検査レポートが作成される場合に、利用者から出される要求を解析する。また、情報収集部21cは、情報解析部21bにおいて解析された情報に基づいて必要な情報を、例えば、管理サーバ5から収集する。情報統合部21dは、例えば、利用者に推奨するアプリケーションに関して、アプリケーションに関する基本的な情報と、例えば当該アプリケーションを利用して得られた医療情報とを統合して利用者が使用するクライアント端末1の表示部に表示させる。
【0046】
なお、ここでは本発明の実施の形態を説明する上で必要な構成のみを示しており、テナント型医療情報システム2として機能するに必要とされる構成については当然備えられている。
【0047】
さらに、統合ビューア21自体は医療情報を統合的に利用者に提示するアプリケーションである。しかし、以下の説明に係る実施の形態においては、テナント型医療情報システム2に当該アプリケーションが読み込まれることによって統合ビューア21が実装されることを前提とする。
【0048】
統合ビューアは、Webアプリケーション、ファットクライアントアプリケーション、或いは、シンクライアントアプリケーション等、いずれの実装形態を採用しても良い。一方、統合ビューアは医療情報を統合的に利用者に提示する回路としてテナント型医療情報システム2に設けられていても良い。
【0049】
検索装置22は、利用者が医療画像の読影を行うに当たって適切なアプリケーションを推奨してもらう場合に、該当するアプリケーションを検索する装置である。
図4は、本発明の第1の実施の形態における検索装置22及び検索データベース23の内部構成を示すブロック図である。
【0050】
検索装置22は、送受信部22aと、条件監視部22bと、利用者情報取得部22cと、起動アプリ取得部22dと、アプリ絞込部22eと、アプリ利用頻度取得部22fと、オーダ情報取得部22gと、オーダ情報解析部22hと、好適アプリ判定部22iと、を備える。また、検索データベース23内には、起動アプリ記憶部23aと、アプリ利用頻度記憶部23bとが設けられている。
【0051】
なお、検索装置22、及び、検索データベース23の内部に設けられている各部の詳細な働きについては、以下、推奨アプリケーションの検索の流れを説明する際に併せて説明をする。また、起動アプリ記憶部23aとアプリ利用頻度記憶部23bが検索データベース23に設けられているが、これらについては、例えば、管理サーバ5、或いは、それぞれが独立して通信ネットワークNに接続されるように構成されていても良い。
【0052】
シンクライアントマネージャ24は、
図1に示すアプリサーバ3に通信ネットワークNを介して接続されている。例えば、利用者に推奨するアプリケーションを入手して利用者が利用することができるようにテナント型医療情報システム2に取り込む。また利用者が検査レポートを作成する場合には、同じように必要とする医療画像の加工、生成を行うためのアプリケーションをテナント型医療情報システム2に取り込む。
【0053】
アプリケーション25(アプリケーションA)は、システム運営者が提供するアプリケーションの1つである。つまり、アプリ提供者がアプリケーションを提供するのと同じように、テナント型医療情報システム2を運営するシステム運営者が自ら提供するアプリケーションである。システム運営者が提供するアプリケーションであることから、アプリケーション25(アプリケーションA)は、例えば、クライアント端末1に表示される基本的な画面設定に関するアプリケーション、或いは、画像管理部2Bに記憶、管理されている医療画像の処理を行うアプリケーションである。
【0054】
なお、
図2では、1つのアプリケーション25(アプリケーションA)が統合ビューア21に接続されているが、このようなアプリケーションがどのくらいの数、統合ビューア21に接続されている(テナント型医療情報システム2内に設けられている)かは自由である。
【0055】
テナント型医療情報システム2には、アプリサーバ3が接続されている。上述したように、いくつのアプリサーバ3がテナント型医療情報システム2に接続されるかは、医療情報システムSにアプリケーションを提供するアプリ提供者の数、或いは、提供されるアプリケーションの数によって増減する。
図2においては、アプリケーションBを提供するアプリサーバ3AとアプリケーションCを提供するアプリサーバ3Bとがテナント型医療情報システム2に接続されている。
【0056】
課金エンジン26は、利用者がテナント型医療情報システム2、或いは、アプリサーバ3に記憶されているアプリケーションを利用した際の利用料金等を算出する。課金エンジン26に接続されている課金データベース27は、利用者の利用料金等の算出を行う際に基礎となる料金に関する情報が記憶されている。
【0057】
[利用者にアプリケーションを推奨する流れ]
図5、
図6は、本発明の実施の形態におけるアプリケーションの検索、推奨の流れを示すフローチャートである。すなわち、以下に説明する実施の形態においては、医師等(利用者)が医療画像の読影を行う際に利用するアプリケーションを如何に簡易かつ適切に推奨されるか、その流れを説明するものである。
【0058】
利用者は医療画像の読影を行う際、クライアント端末1を使用する。ここで読影の対象となる医療画像が、例えば、利用者にとってあまり経験のない部位に関する画像であったり、或いは、利用者が読影自体に習熟していない場合、読影を行うに必要な医療画像を得るために用いるアプリケーションを選択することは以外と困難を伴うことも多い。また、読影のベテランの場合は、読影に当たって通常利用するアプリケーションの選択に迷うことはないと思われるが、例えば新しいアプリケーションがリリースされた場合に、普段利用しているアプリケーション以外に当該新たなアプリケーションの推奨を受けることはアプリケーション利用の幅が広がる点からも有用であると考えられる。新たなアプリケーションがリリースされた場合に利用者に推奨されれば、それだけその後の利用につながることになり、アプリケーションをリリースしたアプリ提供者にとっても有用である。従って、読影が開始される際に利用者に適したアプリケーションの推奨を行うことは非常にメリットの大きなことである。
【0059】
実際に利用者が読影を行う際にアプリケーションの推奨を受けるには、以下の流れに従うことになる。まず、利用者は読影に利用するアプリケーションの推奨を受けるべく、推奨されるアプリケーション(以下、このようなアプリケーションを「推奨アプリケーション」と表わす)の検索を行う。そのために利用者はクライアント端末1の入力部を使用して推奨アプリケーションの検索画面を開く。検索画面が開かれた情報は、通信ネットワークNを介して当該検索を行うテナント型医療情報システム2にもたらされ、統合ビューア21(情報解析部21b)が検索画面が開かれたことを検知する(ST1)。
【0060】
検索画面が開かれると、例えば、検索を行うアプリケーションが起動し、利用者は当該検索画面においてログインする。ログインに必要な情報は、利用者を一義的に特定することが可能な、例えば、利用者のIDといったログイン情報が入力される。
【0061】
このログイン情報は、統合ビューア21を介して検索装置22に送信される。当該ログイン情報を受信した検索装置22の条件監視部22bは、さらに利用者情報取得部22cにログイン情報を送る。利用者情報取得部22cは、当該ログイン情報を基に利用者に関する情報(以下、このような情報を「利用者情報」と表わす)を取得する(ST2)。
【0062】
具体的には、利用者情報取得部22cは、この実施の形態においては管理サーバ5内に設けられている利用者情報記憶部5aにアクセスすることで利用者情報を取得する。
図7は、本発明の実施の形態における利用者情報記憶部5aに格納される利用者に関する情報のテーブルの一例を示す説明図である。
【0063】
当該テーブルには、例えば、
図7のテーブルに示されているように、「利用者ID」、「利用者名」、「所属科」、及び「権限」が記憶されている。もちろん、これらの項目はこれら4つの項目に制限されるわけではなく、任意に項目を設定することができる。また利用者情報記憶部5aに記憶される利用者に関する情報については、例えば、テナント型医療情報システム2内に新たに利用者に関する情報を適宜利用者情報記憶部5aに記憶させる機能を持つ、例えば、利用者情報登録部を設けることで対応しても良い。さらには、各医療機関内に既に構築されている各種システム内に登録されている情報を利用することとしても良い。
【0064】
例えば、利用者である医師Aが読影に当たって利用するアプリケーションの推奨を受けようとしている場合、ログインに使用した「利用者ID」は「100」である。この利用者IDに紐付けられている通り、医師Aは、「放射線科」に所属しており、「技師」との権限を有している。一方、「利用者ID」が「400」であった場合、推奨アプリケーションの検索を行うのは、「放射線科」の「医師D」であって、権限は「技師長」である。
【0065】
利用者情報取得部22cは、さらに、推奨アプリケーションの検索を行う利用者に似ている利用者(以下、このような利用者を「類似利用者」と表わす)の情報についても取得する(ST3)。この類似利用者とは、推奨アプリケーションの検索を行う利用者とその属性が似ている者のことである。例えば、推奨アプリケーションの検索を行う利用者が医師Aである場合、「類似利用者」は、同じ放射線科に属し技師という権限を備える「医師B」と「医師C」である。
【0066】
以下に説明する実施の形態においては、推奨アプリケーションの検索に当たって、この利用者情報、並びに類似利用者に関する情報(以下、このような情報を「類似利用者情報」と表わす)を利用する。利用者が自ら設定する推奨して欲しいアプリケーションの条件の他に、自身と似た属性を持つ者がどのようなアプリケーションを利用しているかを考慮することで、利用者により適したアプリケーションを推奨することができると考えられるからである。
【0067】
利用者によってログインされると、推奨して欲しいアプリケーションを検索するための条件を入力するための画面がクライアント端末1の表示部に表示される。
【0068】
図8は、本発明の実施の形態における推奨アプリケーションの検索を行う際に利用者がアプリケーションの検索条件を入力する画面の一例を示す画面例である。なお、
図8に示す画面例はあくまでも一例であり、画面のレイアウトや利用者が入力しなければならない条件の設定等については任意に設定することが可能である。
【0069】
当該画面例においては、最上部に「読影アプリケーション検索」という表題が示されており、併せて利用者が誰であるかが示されている。ここでは読影の際に利用するアプリケーションの推奨を受けるべく検索を行う者の利用者IDが「100」であること(
図5を参照すると、当該利用者は「医師A」である)がわかる。
【0070】
この実施の形態においては、入力条件として「予算」と「検査種別」が設定されている。「予算」とは、自らが利用するアプリケーションの価格としてどのくらいの価格のアプリケーションであれば利用できるかを示すものである。最近では医療機関内における予算管理も厳しくなってきており、どのような価格のアプリケーションであっても自由に利用が可能である、ということではないことも多い。従って、利用者が所属する科、グループ、或いは、医療機関全体といった、予算管理が行われている単位で当該アプリケーションに使える予算を設定する。
【0071】
なお、「予算」を設定する際には、推奨されたアプリケーションを回数を決めて利用する際の利用額とするのか、或いは、アプリケーション自体を買い取る際の買取額とするのかは自由である。
図8の画面例では、プルダウンタブを用いて予算額の範囲を決める領域と金額を入力する領域とが設けられているが、さらにこの「利用額」「買取額」の別を選択できるようにしても良い。
【0072】
一方、「検査種別」とは、読影の対象となる医療画像がいずれの医療画像診断装置によって得られたものであるかを選択する項目である。医療画像診断装置によって得られる医療画像は異なり、しかも得られた医療画像をどのように解析、加工して読影するかも異なり、それぞれに適したアプリケーションが存在する。従って、読影のために利用する適切なアプリケーションを推奨するには必須の条件といえる。ここではプルダウンメニューに様々設定されているであろう医療画像診断装置の中から「CT装置」が選択されている。
【0073】
以上の通り
図8に示されている入力画面例では、「予算」は「11,000円以下」、「検査種別」は「CT」と示されている。従って、当該検索条件からすれば、入力した利用者(医師A)は、CT装置で得られた医療画像を読影する際に利用することのできる予算11,000円以下のアプリケーションの検索を行いたい(そのようなアプリケーションの推奨を受けたい)ことが理解できる。
【0074】
例えば
図8に示すような入力画面を介して検索条件が入力されると、統合ビューア21から検索装置22へと送信される。検索装置22の条件監視部22bは、検索条件が入力されたことを検知するとともに(ST4)、全ての条件が入力されたか否かを監視する(ST5)。検索条件は、利用者に対して当該利用者が読影を行う際に最適なアプリケーションを推奨するために必要な条件であることから、ここでは、条件監視部22bによって設定された全ての条件が入力されたか否か判断され、全ての条件が入力されない限り検索処理を行わず待機することとしている(ST5のNO)。
【0075】
条件監視部22bによる全ての検索条件が入力されたか否かの判断は、例えば当該実施の形態における入力画面例(
図8参照)では、画面例右下に「検索ボタン」が設けられているので、この検索ボタンが利用者によって押されたか否か(条件監視部22bがその信号を受信したか否か)を基に判断される。
【0076】
条件監視部22bによって検索ボタンが押された旨の信号を受信し、利用者が検索条件を全て入力したと判断された場合には(ST5のYES)、起動アプリ取得部22dにその旨送信され、推奨アプリケーションの検索が開始される。
【0077】
起動アプリ取得部22dは、検索データベース23内の起動アプリ記憶部23aに格納されている情報を取得する(ST6)。起動アプリ記憶部23aには、アプリ提供者から提供されるアプリケーションに関する各種情報が記憶されている。
図9は、本発明の実施の形態における検索データベース内の起動アプリ記憶部に格納されるアプリケーションに関する情報のテーブルの一例を示す説明図である。
【0078】
図9に示されているテーブルには、設定される項目に合わせてそれぞれのアプリケーションに関する情報が格納されている。ここでは、「アプリID」、「アプリ名」、「価格」、「検査種別」の4つの項目が示されている。ここで項目として示されている「価格」と「検査種別」の意味については、入力画面例(
図8参照)の箇所で説明した内容と同様である。例えば、「アプリID」が「2」で示される「アプリB」の場合、「価格」は「10,500円」であり、「検査種別」は「CT」である。
【0079】
なお、アプリケーションに関する情報をテーブルに格納するに当たって設定される項目の数は
図9に示すテーブルのように4つに限られず、任意に設定することが可能である。また、ここでは特に示していないが、テナント型医療情報システム2を用いてアプリケーションが利用された場合、或いは、アプリ提供者によって新規なアプリケーションが提供された場合には、あるタイミングでそれらのアプリケーションに関する情報が起動アプリ記憶部23aに記憶(格納)される。
【0080】
起動アプリ取得部22dが起動アプリ記憶部23aから取得したアプリケーションに関する情報は、アプリ絞込部22eへと送られる。アプリ絞込部22eには、併せて条件監視部22bから検索条件が入力されたこと、及び検索条件が通知されるので、アプリ絞込部22eは検索条件に従ってアプリ絞込部22eから受けたアプリケーションに関する情報を基に検索条件に合致するアプリケーションを絞り込む(ST7)。
【0081】
例えば、当該実施の形態においては、検索条件として「予算」は11,000円以下であり、「検査種別」はCT(装置)である(
図8の入力画面例参照)。そこでアプリ絞込部22eは、これらの検索条件を基に起動アプリ取得部22dから送信されたアプリケーションの情報から合致するアプリケーションを抽出する。上述したように、起動アプリ記憶部23aには、
図9に示すようなテーブルが格納されており、検索条件を基にアプリ絞込部22eが絞り込みを掛けると、7つあるアプリケーションに関する情報の中から、「アプリID」が「2」、「4」、「6」、すなわち、「アプリB」、「アプリC」、「アプリE」の3つを抽出することができる。
【0082】
アプリ絞込部22eによって入力条件に沿ったアプリケーションが抽出されると、次に、アプリ利用頻度取得部22fにおいて抽出されたアプリケーションの利用頻度を把握する。具体的には、まず、利用者情報取得部22cから利用者情報及び類似利用者情報がアプリ利用頻度取得部22fに入力される。併せてアプリ絞込部22eから抽出されたアプリケーションに関する情報がアプリ利用頻度取得部22fに入力される。つまり、アプリ利用頻度取得部22fに集まった、利用者情報、類似利用者情報、絞り込まれて抽出されたアプリケーションに関する情報を利用して抽出されたアプリケーションに関する利用頻度を把握する。
【0083】
ここで利用者情報は、読影に当たって自身に適切と考えられるアプリケーションの推奨を受ける医師A(利用者ID:100)に関する情報である。また、類似利用者情報は、利用者である医師Aとその属性が類似する利用者に関する情報であり、上述した通り、医師B(利用者ID:200)と医師C(利用者ID:300)に関する情報である。一方、絞り込まれて抽出されたアプリケーションは、「アプリB」、「アプリC」、「アプリE」である。アプリ利用頻度取得部22fは、アプリ利用頻度記憶部23bからこれらの条件を含むアプリケーションの利用頻度に関する情報を取得する。
【0084】
アプリ利用頻度取得部22fは、検索サーバ23内に設けられているアプリ利用頻度記憶部23bから上述した3つの情報を基に利用頻度に関する情報を抽出する。
図10は、本発明の実施の形態における検索データベース23内のアプリ利用頻度記憶部23bに格納されるそれぞれのアプリケーションの利用頻度に関する情報のテーブルの一例を示す説明図である。
【0085】
ここでは5つの項目が示されており、「アプリID」、「アプリ名」、「利用者ID」、「疾病」、「利用頻度」である。例えば、「アプリID:1」、「アプリ名:アプリA」、「利用者ID:100」、「疾病:心筋梗塞症」、「利用頻度:20」(テーブルの1番目)についての情報は、利用者情報を基にアプリ利用頻度取得部22fがアプリ利用頻度記憶部23bから取得した情報である。また、テーブルの上から10番目に示されている情報は、「アプリID:6」、「アプリ名:アプリE」、「利用者ID:200」、「疾病:大動脈解離」、「利用頻度:0」となっている。
【0086】
但し、このようにアプリ利用頻度取得部22fがアプリケーションの情報を取得しても、
図10に示すテーブルからも明らかなように、このままでは利用者に対して適切なアプリケーションを推奨するには数が多すぎる。そこで、さらにアプリケーションを絞り込むために、利用者が読影する医療画像に関する情報を利用する。
【0087】
具体的には、条件監視部22bから入力条件が入力された旨の情報がオーダ情報取得部22gに送られる。オーダ情報取得部22gは、読影対象となっている医療画像に関する情報を取得する(ST9)。さらに、オーダ情報取得部22gは、当該医療画像に関する情報を基にオーダ情報記憶部5bから当該医療画像が医療画像診断装置4において取得される基となったオーダ情報を取得する(ST10)。
【0088】
医療画像は、例えば管理装置5を構成する各種システムにてオーダ情報が生成され、当該オーダ情報に基づいて医療画像診断装置4によって取得、生成される。従って、オーダ情報は、いわば医療画像を取得するための依頼書、発注書の役割を果たすものである。
【0089】
図11は、本発明の実施の形態におけるオーダ情報記憶部5bに格納される医療画像の取得処理に関するオーダ情報のテーブルの一例を示す説明図である。
図11に示すテーブルによれば、オーダ情報は、8つの項目をもって規定されている。なお、オーダ情報記憶部5bにいくつの項目をもってオーダ情報を規定するかは任意に設定することができる。
【0090】
当該実施の形態においては、「オーダID」、「患者ID」、「依頼元科」、「依頼元医師ID」、「ステータス」、「実施予定日」、「依頼先科」、「オーダ情報テキスト」の各項目が設けられている。例えば、「オーダID」が「2」のオーダ情報は、「患者ID:2000」、「依頼元科:外科」、「依頼元医師ID:500」、「ステータス:依頼中」、「実施予定日:2011年8月22日」、「依頼先科:放射線科」とされる。ここで、「ステータス」とは、読影がなされたか否かの情報を示す項目であり、「依頼中」は読影を現在依頼中であり未だ完了していないことを示している。
【0091】
さらに「オーダ情報テキスト」には、
図11のテーブルに示されているように、テキスト形式で具体的な撮影の依頼内容が表わされている。また、当該オーダ情報テキスト内には、患者を診察した医師である依頼元医師による所見も含まれており、例えば、「オーダID」が「2」のオーダ情報の場合、「腹部大動脈瘤の疑い」と、疑われる疾病も示されている。
【0092】
なお、
図11に示すオーダ情報は、例えば、HL7(HEALTH LEVEL 7)のような標準形式で作成されても良く、或いは、各医療機関における独自のフォーマットにて作成されても良い。
【0093】
ここでは読影の対象である医療画像に関する情報から、オーダ情報取得部22gは、「オーダID」が「2」のオーダ情報を取得する。オーダ情報取得部22gがオーダ情報を取得するに当たっては、オーダ情報における「実施予定日」の日付が、例えば、現実の日付と同一の日付、或いは、それよりも前の日付となっているオーダ情報を取得する。このようなオーダ情報であれば、未だ読影処理がなされていないと判断できるからである。
【0094】
なお、当然のことながら、「ステータス」の項目も確認される。
図11に示されるオーダ情報においては、実施予定日が同じ「2011年8月22日」であっても、オーダIDが「1」のオーダ情報については、ステータスは「完了」とあることから、当該オーダ情報に関する医療画像ついては既に読影処理が完了している。一方、オーダIDが「2」のオーダ情報に関する医療画像については、ステータスが「依頼中」となっていることから未だ当該医療画像に対する読影処理は行われていない。そこで、このオーダ情報を取得して読影処理に必要な推奨アプリケーションの検索に使用する。
【0095】
オーダ情報取得部22gは、該当するオーダ情報を取得すると、当該オーダ情報をオーダ情報解析部22hへ送る。オーダ情報解析部22hでは、受信したオーダ情報の中から、例えばオーダ情報テキストに示されている語句を構文解析する(
図6のST11)。
【0096】
オーダ情報解析部22hでは、例えば、オーダ情報テキストの作成ルールと構文解析から必要な情報を取得する。オーダ情報テキスト内の語句のうち、例えば、疾病の名称といった、あるまとまりを持った語句を抽出する。例えば、「オーダID」が「2」のオーダ情報を例に取ると、オーダ情報テキストの中から依頼元医師の所見である「大動脈」との語句を抽出する。また、「X線CT検査造影腹部仰臥位3D作成必要」との一連の語句から、検査装置が「X線CT」であり、「造影(剤)」を利用して「腹部」の検査を行う、といった内容が理解できるため、これらの各語句を抽出する。
【0097】
なお、オーダ情報解析部22hが構文解析を行う際には、抽出される語句が適切でなければならない。すなわち、ここで説明している実施の形態においては利用者(医師A)は、オーダIDが「2」であるオーダ情報に基づいて取得された医療画像について読影を行う。従って、患者IDが「20000」に対して疑われる疾病は「腹部大動脈瘤」である(
図11参照)。
【0098】
また、医師Aがもともと「腹部大動脈瘤」に関する読影を行った経験がない、或いは少ない、または、経験があってもこれまで利用したことがない新規なアプリケーションが提供されているが当該アプリケーションを医師Aは利用したことがない場合に、医師Aに対して最適なアプリケーションを推奨することを前提としている。
【0099】
このような状況にあって、オーダ情報解析部22hが「腹部大動脈瘤」をキーワードとなる語句として抽出して検索すると、過去に「腹部大動脈瘤」に関する医療画像の読影に利用されたアプリケーションが検索され、推奨されることになる。但し、医師A自身は「腹部大動脈瘤」に関する医療画像の読影を行った経験がないことから、このようなアプリケーションが推奨されたとしても、利用者である医師Aにとってこれらのアプリケーションが利用勝手の良いアプリケーションであるかは不明である。
【0100】
そこで利用者(医師A)に対してより良いアプリケーションを推奨するべく、これまで読影に利用されてきたアプリケーションを広く抽出し、その中から上述した、例えば類似利用者情報等を用いて好適なアプリケーションを絞り込み推奨することとしている。そのため、オーダ情報解析部22hが構文解析を行って語句を抽出する際には、疾病名をそのまま抽出するだけではなく、広く複数の疾病が検索されるように語句を抽出している。従って、当該実施の形態においては、抽出する語句を「腹部大動脈瘤」とするのではなく、例えば、「大動脈瘤」、或いは、「大動脈」とする。ここでは「大動脈」と抽出された場合を例に挙げて説明する。
【0101】
オーダ情報解析部22hが構文解析を行い、「大動脈」をキーワードとしてオーダ情報の内容を抽出したら、オーダ情報解析部22hは好適アプリ判定部22iへとキーワードを送信する。好適アプリ判定部22iには、当該キーワードの他、利用者情報、類似利用者情報、並びに、絞り込まれたアプリケーションに関する情報、これらのアプリケーションの利用頻度に関する情報が入力される(ST12)。好適アプリ判定部22iでは、これらの条件を基に、利用者に対して最も適したアプリケーションを検索、推奨する。好適アプリを判定する流れについては、以下、
図12ないし
図15に示す、本発明の実施の形態における推奨アプリケーションの検索の流れを説明するための説明図を用いて説明する。
【0102】
まず、好適アプリ判定部22iがオーダ情報解析部22hから送られてきたキーワード(ここでは「大動脈」)を基に、
図10に示すアプリケーションの利用頻度に関する情報のテーブルにおいて「大動脈」の語句が疾病の名称の中に含まれるアプリを抽出する。なお、上述したように、
図10に示されるテーブルは、既に入力された検索条件を基に、アプリケーションの中から「アプリA」、「アプリB」、「アプリC」、「アプリE」が検索され、これらに関する利用頻度を好適アプリ判定部22iが把握できるように調整されている。
【0103】
ここでは、
図10のテーブルにも示されているように、上から2つ以外のアプリケーションは、「大動脈」がその名称の中に含まれる疾病に対して利用されることが理解できる(上2つは、「心筋梗塞症」の医療画像の読影の際に利用されるアプリケーションである)。また、利用者情報及び類似利用者情報を用いて、これらの情報に合致しないアプリケーションに関しては選択されないようにする。利用者情報、類似利用者情報を用いるのは、類似利用者(医師B、或いは、医師C)のアプリケーションの利用傾向を把握することで、利用者(医師A)に対して新たに利用することになるアプリケーションであってもより使い勝手の良いアプリケーションを推奨するためである。
【0104】
これらの情報を用いて、
図10に示したテーブルに示されるアプリケーションの中から好適アプリ判定部22iが推奨アプリケーションの候補として選択したアプリケーションが
図12のテーブルに示されている。
図12に示すテーブルでは、便宜上、好適アプリ判定部22iにおいて選択されたアプリケーションには色が付されており、反対に選択されなかったアプリケーションは白抜きで示されている。
【0105】
上述したように、「大動脈」をその中に含まない疾病である「心筋梗塞症」については選択されていない。また、利用者IDが「400」の者が過去利用したアプリケーションについても選択されていない。これは、利用者IDが「400」の者は、
図7に示されているように、その権限は「技師長」であり、利用者である医師Aや医師B、医師Cとは、その属性が異なることから類似利用者とは判断されていないからである。
【0106】
このようにして選択されたアプリケーション(
図12において色が付されているアプリケーション)を基に、今度は疾病ごとに利用者ごとのアプリケーションの利用頻度を把握する。この状態を表わしたのが、
図13、
図14である。いずれも特定の疾病について誰がどのアプリケーションをどれだけ利用しているかが明確にされている。
【0107】
図13では、「大動脈解離」について示されている。
図13によると、「大動脈解離」に関する医療画像の読影を行う際には、医師Aは、アプリBを最も良く利用する(20回)。一方、アプリCは2回、アプリEについては、0回である。同じように、医師Bは、アプリBを13回、アプリCを2回、アプリEを0回、医師Cは、アプリBを20回、アプリCを26回、アプリEを3回である。
図13を見ると、医師Aと医師Bに関しては、いずれもアプリBの利用頻度が一番高く、次にアプリCであることから、医師Aと医師Bはアプリケーションの利用傾向が似ていると把握できる。一方、医師CはアプリBよりもアプリCの方が利用頻度が高く、医師Aや医師Bの利用傾向とは異なる。
【0108】
図14「腹部大動脈縮窄」に関する各利用者のアプリケーションの利用傾向を示す説明図である。「腹部大動脈縮窄」に関する医療画像を読影する場合、いずれの利用者もアプリBは利用していない。一方、医師Aと医師BはアプリEの利用頻度が高いのに対して、医師CはアプリCを頻繁に利用している。従って、「腹部大動脈縮窄」の読影に際し利用されるアプリケーションの傾向も、「大動脈解離」の場合と同様、医師Aと医師Bとが似ていることが分かる。
【0109】
以上2つの疾病に関するアプリケーションの利用傾向を見ると、また、医師Aのアプリケーションの利用傾向が似ているのは、医師Bであることが分かる。従って、医師Aに類似する利用者は医師Bである、と判定される(ST13)。
【0110】
そこで、いよいよ以上説明した傾向を基に、利用したことがないアプリケーションを新たに利用する場合、或いは、読影の経験がない医療画像を読影する際に利用する場合にどのアプリケーションを利用することが、医師Aにとって最適であるかが好適アプリ判定部22iにおいて判定される。すなわち、医師Aが「腹部大動脈瘤」に関する医療画像を読影する際に利用するアプリケーションとしてどのアプリケーションを推奨することが最も適切なアプリケーションの推奨になるかが判定される。
【0111】
ここで、
図15には「腹部大動脈瘤」に関する医師Bと医師Cのアプリケーションの利用傾向が示されている。なお、医師Aは、アプリケーションの推奨を受ける利用者であり、腹部大動脈瘤に関する医療画像の読影を経験していないことが前提なので、
図15に示す説明図ではいずれのアプリケーションにおいても利用頻度が不明であること(利用されていないこと)が示されている。
【0112】
上述したように、医師Aとアプリケーションの利用傾向が似ているのは医師Bである。そこで
図15を参照すると、医師Bが腹部大動脈瘤に関する医療画像の読影を行う場合には、アプリCを最も良く利用することが分かる。そこで、好適アプリ判定部22iは、このように、オーダ情報から得られる読影対象となる画像の疾病(ここでは「腹部大動脈瘤」)に関して当該類似利用者(医師B)の利用頻度が高いアプリ(アプリC)を抽出する(ST14)。そして、統合ビューア21は、抽出された当該アプリケーションを利用者(医師A)への推奨アプリケーションとしてクライアント端末1を介して提示する(ST15)。
【0113】
図16は、本発明の実施の形態における推奨アプリケーションの検索を行った結果を利用者に提示する画面の一例を示す画面例である。当該画面例では、最上部に、「読影アプリケーション検索結果」と表示されており、上述した流れに沿って推奨アプリケーションが検索され、当該画面上において推奨結果であるアプリケーションが提示(推奨)されている。
【0114】
具体的な推奨結果は、画面の上部に「アプリ名称」、「価格」、「対応検査種別」という3つの項目でその書誌的な事項が示されている。これらはそれぞれ、「アプリC」、「11,000円」、「CT」となるが、「価格」と「対応検査種別」については、入力条件を満たしていることが示されている。推奨アプリケーションとして、ここでは「アプリケーションC」が利用者である医師Aに対して示されている。
【0115】
この推奨アプリケーションの具体的な機能については、その一端が画面例中央に示されている。ここでは、アプリケーションCを利用して加工された医療画像の例が2枚表示されている。また、画面右側には「読影例」、「利用ガイド」といった2つのボタンが設けられている。利用者は、これらのボタンを適宜押す(クリックする)ことで、推奨されたアプリケーションCに関して必要な情報を入手することができる。
【0116】
ここで「読影例」とは、アプリケーションCを利用して医療画像を読影する際の様々な画像について例示的に示すものである。「利用ガイド」は、その名の通りアプリケーションCの、いわば取扱説明書である。アプリケーションCを用いて表示可能な医療画像を確認し、その他様々なアプリケーションCに関する情報を確認し、当該アプリケーションCを利用する場合には、画面例右下に設けられている「ダウンロード」のボタンを押すことで、アプリケーションCを入手することができる。
【0117】
なお、
図16に示す画面例は、あくまでも例示であって、そのレイアウトや表示項目、例えば、推奨アプリケーションを利用した場合の画像等の表示枚数等については任意に設定することができる。また、ダウンロードボタンを押すと、統合ビューア21、シンクライアントマネージャ24を介して推奨されたアプリケーションをダウンロードすることができるが、このダウンロードがアプリケーションの購入であっても、或いは、購入はせず利用するだけの形態であっても構わない。
【0118】
ダウンロードボタンが押されて推奨アプリケーションがダウンロードされると、テナント型医療情報システム2に設けられている課金エンジン26にその利用態様、或いは、購入に掛かる費用が課金される。
【0119】
また、例えば、推奨アプリケーションをダウンロードした時点、或いは、読影レポートが作成された時点でアプリ利用頻度記憶部23bに当該推奨アプリケーションの利用回数が1回分追加される。例えば、上述した医師AがアプリケーションCを腹部大動脈瘤に用いる、という利用の仕方については、今回初めてであることから、例えば、
図10に示すアプリ利用頻度記憶部23bに記憶されるテーブルに新たに、「アプリID:4」、「アプリ名:アプリC」、「利用者ID:100」、「疾病:腹部大動脈瘤」、「利用頻度:1」が追加して記憶されることになる。なお、どの時点で利用頻度の回数をカウントするかは自由に設定することができる。
【0120】
以上説明した構成、検索方法を採用することによって、利用者が読影のためにアプリケーションを利用する際、アプリケーションの検索を行うに当たって、アプリケーションに関する利用条件のみならず利用者の属性をも考慮し当該利用者に対して最適なアプリケーションの提供を行うことが可能な医療情報システム及び推奨アプリケーションの検索方法を提供することができる。
【0121】
特に、利用者に対する推奨アプリケーションの提示に当たって、利用者が入力した検索条件のみを利用して検索、推奨を行うのではなく、利用者自身に関する情報(利用者情報)及び、利用者にその属性が似ている利用者に関する情報(類似利用者情報)をも利用することで、より利用者に適したアプリケーションを推奨することができる。
【0122】
さらには、これら入力条件や利用者情報等は、いわば利用者側の情報と言えるが、これらの情報の他に、読影対象となる医療画像側の情報であって利用者以外の者によって入力された情報、すなわち、上述したオーダ情報を利用することで、より客観的に実際に読影を行うに当たって最適なアプリケーションを推奨することが可能となる。
【0123】
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0124】
第2の実施の形態における検索装置22Aと検索データベース23Aの内部構成は、第1の実施の形態における検索装置22と検索データベース23の内部構成が相違する。
図17は、本発明の第2の実施の形態における検索装置22A及び検索データベース23Aの内部構成を示すブロック図である。
【0125】
第2の実施の形態における検索装置22Aでは、好適条件取得部22jと装置情報取得部22kとが追加されて設けられている。ここで「好適条件」とは、利用者に対して推奨されたアプリケーションを利用する際に、当該推奨アプリケーションを利用するクライアント端末1に対して要求される動作環境(スペック)のことである。
【0126】
好適条件取得部22jは、好適条件記憶部23cから好適条件に関する情報を取得する。
図18は、本発明の第2の実施の形態におけるアプリケーションの好適条件を格納するテーブルの一例を示す説明図である。当該テーブルは好適条件記憶部23c内に設けられている。ここでは、4つの項目が設けられており、「アプリID」、「アプリ名」に「好適条件ID」及び「好適条件」が紐づけられている。例えば、「アプリID:2」、「アプリ名:アプリB」で示されるアプリケーションについては、好適条件が2つ定められており、1つは当該アプリケーションを動作させるに必要なOSとして「Windows(登録商標)2008R2」が挙げられており、また、当該アプリケーションは、胸部画像を読影する際に利用されるに適していることが読み取れる。
【0127】
推奨アプリケーションの検索等を行うに当たってこの好適条件を検討することで、実際に利用者が推奨アプリケーションを利用する際に用いるクライアント端末1の動作環境等に見合ったアプリケーションを推奨することが可能となる。
【0128】
次に、検索装置22には、装置情報取得部22kが設けられ、検索データベース23には装置情報記憶部23dが設けられている。通常、依頼元医師によって作成されたオーダ情報に基づいて医療画像診断装置4にて所望の医療画像が取得、生成される。ここでいう「装置情報」とは、当該医療画像を取得する医療画像診断装置4に関する情報である。「装置情報」には、例えば、CT装置、MRIといった医療画像診断装置4の種類を表わす「装置種」と、同一種の医療画像診断装置4におけるモデルを表わす「装置型」のいずれも含まれる。装置情報記憶部23d内には、例えば、医療機関内に設置されている、各種医療画像診断装置の装置に関する情報が記憶されている。
【0129】
オーダ情報解析部22hは、上述したようにオーダ情報取得部22gが取得したオーダ情報を解析することで様々な情報を得て、好適アプリ判定部22iに送信する。その解析された情報の中には医療画像を取得する際に利用される医療画像診断装置に関する情報も含まれる(例えば、
図11のオーダ情報「2」においては、「X線CT装置」が使用されることがオーダ情報に含まれている)。そこで、この使用される装置に関する情報をオーダ情報解析部22hから装置情報取得部22kへと送信し、使用される詳細な装置に関する情報を装置情報記憶部23dから入手させる。装置情報取得部22kは入手した「装置情報」を好適アプリ判定部22iへと送信する。
【0130】
好適アプリ判定部22iが利用者に対して推奨するアプリケーションを判定する際に、これまで説明してきた各種情報の他に、装置情報も加味して判定することによって、利用者に対して適切なアプリケーションを推奨することが可能となる。
【0131】
すなわち、利用者にとっても今回の読影処理を行うに当たって、過去に当該装置で取得された医療画像の読影処理に利用されたアプリケーションを利用した方が、全く異なる装置で取得された医療画像の読影処理に利用されたアプリケーションを利用するよりも使い勝手が良く、読影処理も適切に進められるものと考えられる。
【0132】
そこで、当該実施の形態においては、好適アプリ(推奨アプリケーション)の検索、推奨を図るに当たって、これまで説明してきた利用者情報等以外に、装置情報も併せて用いることによって、利用者に対してより適切なアプリケーションを推奨することができる。
【0133】
また、これら好適条件に関する情報、装置情報をアプリケーションを推奨するに当たって併せて用いることによって、当然のことながら、利用者が読影のためにアプリケーションを利用する際、アプリケーションの検索を行うに当たって、アプリケーションに関する利用条件のみならず利用者の属性をも考慮し当該利用者に対して最適なアプリケーションの提供を行うことが可能な医療情報システム及び推奨アプリケーションの検索方法を提供することができる。
【0134】
(第3の実施の形態)
次に本発明における第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態において、上述の第1、または第2の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0135】
第3の実施の形態における医療情報システムS1は、これまで説明してきた医療情報システムSを、これまでのように特定の医療機関のみで利用するのではなく、ある地域全体で利用可能とした形態である。
【0136】
図19は、本発明の第3の実施の形態における医療情報システムS1の全体構成を示すブロック図である。医療情報システムS1は、通信ネットワークN1にそれぞれ医療機関H(
図19では、医療機関H1ないしH3)が接続されるとともに、併せて地域データセンタ6も接続されている。
【0137】
医療機関Hの内部には、例えば、医療機関H1に示されているように、上述した医療情報システムSが構築されている。また一方で、医療機関H1とは異なった構成を採用していても良い。
【0138】
地域データセンタ6は、地域の医療機関Hにおいて医療画像の読影処理を行う際に利用することのできるアプリケーションを推奨してもらうに必要な情報が格納されている。
図20は、本発明の第3の実施の形態における地域データセンタ6の内部構成を示すブロック図である。
【0139】
地域データセンタ6内には、通信ネットワークN1と接続し、各医療機関Hとの通信をやり取りする送受信部6aと、地域利用者情報取得部6bと、地域利用者情報記憶部6cと、アプリ利用頻度取得部6dと、アプリ利用頻度記憶部6eとが設けられている。
【0140】
地域利用者情報記憶部6cには、医療機関Hから当該地域データセンタ6にアクセスして読影処理を行う際に利用するアプリケーションの推奨を受けた利用者に関する情報が記憶されている。従って、地域利用者情報取得部6bは、医療機関Hから地域データセンタ6にアクセスしアプリケーションの推奨を受けようとする利用者(以下、このような利用者を便宜的に「地域利用者」と表わす)に関する情報を地域利用者情報記憶部6cから取得する。併せて、地域利用者にその属性が似ている他の利用者(以下、このような利用者を「類似地域利用者」と表わす)に関する情報も取得する。ここで、類似地域利用者は、地域利用者と同じ医療機関Hに勤務する者であっても良く、或いは、同じ地域の別の医療機関Hに勤務する者であっても良い。
【0141】
アプリ利用頻度記憶部6eには、地域データセンタ6を利用してアプリケーションの選択がなされた場合に、それら選択されたアプリケーションの利用頻度に関する情報が記憶されている。そして、推奨アプリケーションの検索、選択が行われ、利用者が当該推奨アプリケーションを利用した場合に、推奨されたアプリケーションの利用頻度が1つ増えることになる。また、アプリケーションの推奨に当たっては、必要な情報(アプリケーションの利用頻度に関する情報)がアプリ利用頻度取得部6dによってアプリ利用頻度記憶部6eから取得される。
【0142】
ここで、地域利用者がある医療画像に関して読影処理を行う際に利用するアプリケーションの推奨を受ける流れは、基本的に上述した通りである。
【0143】
すなわち、地域利用者が検索画面を開き、ログインした際に入力された地域利用者に関する情報を基に、地域データセンタ6の地域利用者情報取得部6bが地域利用者情報記憶部6cから地域利用者に関する情報を取得する。併せて、地域利用者に類似する類似地域利用者に関する情報も取得する。検索装置22内の条件監視部22bでは、地域利用者が推奨を希望するアプリケーションに関する条件が入力されたことを検知して、起動アプリ取得部22dに通知する。起動アプリ取得部22dは、起動アプリ記憶部23aからアプリケーションに関する情報を入手し、アプリ絞込部22eに送信する。
【0144】
アプリ絞込部22eでは、推奨するアプリケーションを絞り込むとともに、アプリ利用頻度取得部6dに情報を送り、アプリ利用頻度記憶部6eは該当するアプリケーションに関する利用頻度をアプリ利用頻度記憶部6eから取得する。
【0145】
さらに、検索装置22内のオーダ情報取得部22gは、オーダ情報記憶部5bから読影の対象となっている医療画像に関するオーダ情報を取得し、オーダ情報解析部22hにおいて、その内容が解析される。好適アプリ判定部22iは、地域利用者情報、類似地域利用者情報、アプリケーションの利用頻度に関する情報、オーダ情報を解析した情報等を基に、地域利用者に対して推奨するアプリケーションを判定する。
【0146】
なお、ここで起動アプリ記憶部23aとオーダ情報記憶部5bは、地域データセンタ6内には設けられず、あくまでも各医療機関Hの内部に設けられている。医療機関Hの地域連携が進み、アプリケーションの推奨を受けるに当たっても地域データセンタ6内の情報が利用される状態となっても、起動アプリに関する情報やオーダ情報は、患者の個人情報としての側面が非常に強いため、地域データセンタ6内に置いておくことはできないと考えられるからである。従って、ここでは起動アプリ取得部22dとオーダ情報取得部22gについても各医療機関Hの内部に設けられている。
【0147】
好適アプリ判定部22iによって推奨するアプリケーションが判定されたら、統合ビューア21において表示の体裁が整えられ、利用者が使用するクライアント端末1の表示部に推奨アプリケーションが表示される。
【0148】
以上説明した通り、読影を行う際に利用するアプリケーションの推奨を行うに当たってある地域に属する複数の医療機関が地域データセンタに記憶されている地域利用者に関する情報等を用いることによって、一医療機関内の利用者情報のみならず、地域間において連係する複数の医療機関に属する利用者に関する情報をも用いることができることになるため、アプリケーションの推奨を受ける利用者により一層適したアプリケーションを推奨することができる。
【0149】
なお、この際、最初から地域データセンタ内に記憶されている、各種情報を利用して推奨アプリケーションの検索を行っても、或いは、利用者が属する医療機関Hの内部で一度アプリケーションの検索等を行い、適切な推奨アプリケーションが得られなかった場合に、次に地域データセンタ内の情報を利用して推奨アプリケーションの検索等を行うようにしても良い。
【0150】
また、当然のことながら、利用者が読影のためにアプリケーションを利用する際、アプリケーションの検索を行うに当たって、アプリケーションに関する利用条件のみならず利用者の属性をも考慮し当該利用者に対して最適なアプリケーションの提供を行うことが可能な医療情報システム及び推奨アプリケーションの検索方法を提供することができる。
【0151】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、これまでは、利用者の使用するクライアント端末、システム運営者が設置するテナント型医療情報システム、アプリ提供者が参加するアプリサーバからなる医療情報システムを基に説明を行ってきたが、例えば、テナント型医療情報システムの機能をクライアント端末内に設けることで上述した各機能を果たすことができるようにしても良い。
【0152】
また、利用者情報(類似利用者情報)の取得、起動アプリ取得部によるアプリケーションに関する情報の取得、或いは、オーダ情報の取得といった各処理については、上記説明においてはその処理に順番があるように説明をしているが、これはあくまでも説明の便宜のためであり、各処理が並行して行われるようにしても良い。
【0153】
この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。