特許第6289145号(P6289145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289145
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】重量測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 15/00 20060101AFI20180226BHJP
   G01G 17/04 20060101ALI20180226BHJP
   B07C 5/16 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   G01G15/00 A
   G01G17/04 C
   B07C5/16
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-25546(P2014-25546)
(22)【出願日】2014年2月13日
(65)【公開番号】特開2015-152392(P2015-152392A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2017年1月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】302046001
【氏名又は名称】アンリツインフィビス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】朝井 英治
【審査官】 細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−066279(JP,U)
【文献】 特開平10−305260(JP,A)
【文献】 特開平07−128119(JP,A)
【文献】 特開2000−254593(JP,A)
【文献】 特開平07−116610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 15/00
B07C 5/16
G01G 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパーより投入された被測定物(9)を間欠的に1個ずつ次工程へ送り出す供給部(6)と、
前記供給部の次工程に設けられ、前記供給部から送り出された前記被測定物が1個ずつ載せられて前記被測定物の1個の重量を計測する秤量部(7)と、
前記秤量部の次工程に設けられ、前記計測の終了した少なくとも1個の前記被測定物を1個ずつ区切って保持し、前記被測定物の搬送方向に沿って段階的に低くなる複数のバッファ部(19)が階段状に形成される階段状搬送機構(18)を有して、前記被測定物を前記供給部及び前記秤量部と同期した水平方向の直線運動にて間欠的に搬送する間欠搬送部(8)と、
前記間欠搬送部またはその次工程に設けられ、前記間欠搬送部から前記被測定物が搬送されるときに少なくとも前記秤量部からの前記計測の結果に基づき前記被測定物の搬送先を切り替える振り分け部(4)と、
前記供給部の送り出し動作、前記秤量部の計測動作、前記間欠搬送部の搬送動作、及び前記振り分け部の切替動作を制御する制御部と、
を具備することを特徴とする重量測定装置。
【請求項2】
請求項記載の重量測定装置であって、
前記間欠搬送部が
記階段状搬送機構の上方に離間して対向配置され、対向下面(27)が前記階段状に倣って形成されることで前記被測定物の搬送先バッファ部よりも先の前方バッファ部への段飛びを防止する段飛び規制屋根部(20)と、
を具備することを特徴とする重量測定装置。
【請求項3】
請求項または記載の重量測定装置であって、
前記バッファ部が、載置により前記被測定物を保持する載置台(25)を有し、
前記振り分け部が、
前記載置台に開口されて前記被測定物を第1搬送先(29)へ落下させる落下口(28)と、
前記落下口を塞いで前記被測定物の搬送先を前記第1搬送先と異なる第2搬送先(39)へ切り替える落下口開閉蓋(5)と、
を具備することを特徴とする重量測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物、例えば、薬剤が封入され、両端が半球状に形成された円柱状のカプセルの重量測定等に用いて好適な重量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
円筒形のボディーとキャップからなるカプセルの中に、粉末状や顆粒状、油状やペースト状等の医薬品を充填したカプセル剤は、品質管理を厳格に実施する必要がある。このため、製薬においては、カプセル剤毎に重量等を測定して、測定値が許容範囲に入っているか否かを検査し、許容範囲を外れるカプセルを選別している。従来、この種の選別に用いられるものとして、例えば特許文献1に開示されるカプセル重量測定装置が知られている。
【0003】
このカプセル重量測定装置は、マガジンと、ストッパーと、カプセル受け台と、搬送機構と、秤量機構と、排出機構と、選別機構と、を備える。マガジンは、ホッパー内の底部に連通し、カプセルを落下させる供給路が形成され、周期的に上下移動される。ストッパーは、マガジンが上下移動における下端位置を外れたとき供給路の下端からカプセルの落下を停止する。カプセル受け台は、供給路の下端から落下したカプセルを受ける溝が形成される。搬送機構は、マガジンの上下移動に連動して、供給路の下端からカプセル受け台の溝内に落下したカプセルを倒し、溝の刻設方向に押出す。秤量機構は、カプセル受け台の溝に連通する溝が形成されると共に、搬送機構にてカプセル受け台から押出されたカプセルを秤量する。排出機構は、秤量されたカプセルを排出する。選別機構は、排出機構から排出されたカプセルのOK/NG品を選別する。
【0004】
このカプセル重量測定装置では、ホッパー内に収納された長尺のカプセルが、上下移動しているマガジンの供給路内を落下する。マガジンが下端に達すると、ストッパーが開いて、カプセルは下方のカプセル受け台の溝内へ落下する。同時に、押出し搬送機構が駆動して溝内へ落下したカプセルは倒され、溝の刻設方向に押出され、隣接する秤量機構へ移動する。この秤量機構で重量が計量される。重量が計量されたカプセルは排出機構によって、選別機構へ排出される。カプセルは、秤量部到着の後、計測開始、計測終了、排出開始、選別機構到着、選別完了の過程を経る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−48032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記した従来のカプセル重量測定装置は、秤量機構と、選別機構とがガイドを介して直結されている。カプセルは、秤量機構から排出されると、ガイドを通り選別機構へと到達する。この際、選別機構に先のカプセルが到達すると同時に、秤量機構には後のカプセルが到達する。選別機構では、秤量機構から送られて来るカプセルに対し、選別機構の駆動制御によって振り分け処理がなされる。
この振り分け処理では、先のカプセルがNG品カプセルであった場合、後のカプセルが秤量機構から選別機構に送られて来る前に、選別機構においてNG品カプセルの振り分け処理を完了させておく必要がある。
しかしながら、従来のカプセル重量測定装置は、秤量機構と、選別機構とが直結されており、選別が計量測定結果を基に行われるため、選別機構の駆動動作開始を早めることができず、処理能力を高くすると選別が不確実になるという問題があった。また、重量測定の他に、外観や異物混入等の検査を行いたいという要請もある。
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、秤量位置と選別機構の間に予備空間を設け、処理能力を向上させても確実に選別できる重量測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の重量測定装置1は、ホッパーより投入された被測定物9を間欠的に1個ずつ後工程へ送り出す供給部6と、
前記供給部6の後工程に設けられ、前記供給部6から送り出された前記被測定物9が1個ずつ載せられて前記被測定物9の1個の重量を計測する秤量部7と、
前記秤量部7の後工程に設けられ、前記計測の終了した少なくとも1個の前記被測定物9を1個ずつ区切って保持し、前記被測定物9の搬送方向に沿って段階的に低くなる複数のバッファ部19が階段状に形成される階段状搬送機構18を有して、前記被測定物9を前記供給部6及び前記秤量部7と同期した水平方向の直線運動にて間欠的に搬送する間欠搬送部8と、
前記間欠搬送部8またはその次工程に設けられ、前記間欠搬送部8から前記被測定物9が搬送されるときに少なくとも前記秤量部7からの前記計測の結果に基づき前記被測定物9の搬送先を切り替える振り分け部4と、
前記供給部6の送り出し動作、前記秤量部7の計測動作、前記間欠搬送部8の搬送動作、及び前記振り分け部4の切替動作を制御する制御部と、
を具備することを特徴とする。
【0009】
この重量測定装置1では、バッファ部19が例えば1つである場合、被測定物である第1のカプセル9が秤量部7から排出されると、間欠搬送部8のバッファ部19へと進む。バッファ部19に第1のカプセル9が到達すると同時に、秤量部7には第2のカプセル9が供給される。計測の完了した第2のカプセル9が秤量部7から排出されると、間欠搬送部8のバッファ部19へと進む。バッファ部19に保持されていた第1のカプセル9は、振り分け部4へと到達する。これと同時に、秤量部7には第3のカプセル9が供給される。
振り分け部4へと到達した第1のカプセル9は、振り分け部4にて振り分けられる。振り分け部4では、バッファ部19から送られて来る第1のカプセル9に対して選別機構の駆動制御によって振り分けが行われる。この際、第1のカプセル9は、一旦、バッファ部19に保持されているので、第1のカプセル9がNG品カプセルであった場合、制御部は、NG品カプセルの振り分け処理の制御を、秤量機構における計量タイミングの制約を受けずに行うことが可能となる。すなわち、本構成では、処理能力を高くする場合には、駆動動作開始タイミングと駆動動作時間の両方によって選別機構の駆動制御が行えるようになる。
なお、バッファ部19での第1のカプセル9の保持は、第2のカプセル9が秤量部7で計測中に、保持状態の第1のカプセル9が静止していることが好ましい。
【0011】
また、この重量測定装置1では、複数のバッファ部19が、被測定物9の搬送方向に沿って設けられる。被測定物9は、これらバッファ部19の搬送方向の上流側より、1個ずつが保持され、搬送されることによって、全ての被測定物9が同時に搬送方向下流側のバッファ部19へと間欠搬送される。この間欠搬送部8では、バッファ部19の数を多くすることで、秤量部7にて計測が完了したカプセル9の振り分け部4まで到着時間を長くすることが可能となる。複数の被測定物9は、1個ずつが区切られ、混在することがないので、搬送中においてもそれぞれを追跡しながら観察が可能となる。
さらに、この重量測定装置1では、被測定物9の搬送方向に沿って複数のバッファ部19が段階的に低くなることで、階段状搬送機構18が構成されている。これにより、搬送方向上流側のバッファ部19に載置されている被測定物9は、搬送方向に押されると、搬送方向下流側のバッファ部19、すなわち、下段側のバッファ部19に移載される。この動作が、それぞれのバッファ部19において行われることで、複数の被測定物9のそれぞれが、順次、間欠的に搬送方向下流側へ区切られるように搬送される。
【0012】
本発明の請求項2記載の重量測定装置1は、請求項1記載の重量測定装置1であって、
前記間欠搬送部8が
記階段状搬送機構18の上方に離間して対向配置され、対向下面27が前記階段状に倣って形成されることで前記被測定物9の搬送先バッファ部19よりも先の前方バッファ部19への段飛びを防止する段飛び規制屋根部20と、
を具備することを特徴とする。
【0013】
この重量測定装置1では、段飛び規制屋根部20によって、被測定物9が勢い付いて飛び出すことがなく、搬送方向下段のバッファ部19に、混ざり合うことを防止しながら、被測定物9を順次1個ずつ搬送でき、簡素な構造で、複数の被測定物9を確実に間欠搬送して、搬送の信頼性を確保できる。
【0014】
本発明の請求項記載の重量測定装置1は、請求項または記載の重量測定装置1であって、
前記バッファ部19が、載置により前記被測定物9を保持する載置台25を有し、
前記振り分け部4が、
前記載置台25に開口されて前記被測定物9を第1搬送先29へ落下させる落下口28と、
前記落下口28を塞いで前記被測定物9の搬送先を前記第1搬送先29と異なる第2搬送先30へ切り替える落下口開閉蓋5と、
を具備することを特徴とする。
【0015】
この重量測定装置1では、例えばバッファ部19の最終段が振り分け部4となる。なお、この場合の振り分け部4は、階段状搬送機構18の途中に設けられてもよい。バッファ部19は、送られて来た被測定物9を載置台25に載置する。上記のように、前段側から押し出された被測定物9は、下段側のバッファ部19の載置台25に移載される。被測定物9が最終段のバッファ部19(すなわち、振り分け部4)に到達する際、振り分け部4では、選別機構の駆動制御が行われる。例えば、被測定物9がNG品であり、NG品を第1搬送先29に搬送する場合には、被測定物9の振り分け部4への到達の直前から直後までの時間の範囲で、落下口開閉蓋5が開かれる。落下口開閉蓋5が開かれることで、被測定物9は、落下口28から落下して、OK品の第2搬送先30とは異なるNG品専用の第1搬送先29へと振り分けられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る請求項1記載の重量測定装置によれば、被測定物を計測した後に予備空間であるバッファ部を通ることで、このバッファ部から振り分け部への搬送の時間が作られ、秤量機構における計量タイミングによる選別機構の駆動動作開始タイミングの制約がなくなり、処理能力を向上させても確実に選別できる。
【0017】
また、この重量測定装置によれば、秤量部と振り分け部との間で、複数の被測定物を1個ずつ区切って間欠送りすることができ、選別動作までの時間に余裕が生まれるので、秤量部による重量計測の他に、カメラ等による外観、長さ測定、異物検査等による選別も可能、すなわち重量がOKであっても外観に不良がある場合にNGとするなどの選別も可能となる。さらに、この重量測定装置によれば、被測定物を搬送方向に送ることで、重力によって搬送方向下段のバッファ部に、混ざり合うことを防止しながら、被測定物を順次1個ずつ搬送できる。これにより、簡素な構造で、複数の被測定物を確実に間欠搬送することができる。
【0018】
本発明に係る請求項記載の重量測定装置によれば、段飛び規制屋根部によって、送り出し時の被測定物の飛び出しを防止でき、搬送の信頼性を確保できる。
【0019】
本発明に係る請求項記載の重量測定装置によれば、重力を利用することで、落下口開閉蓋の開閉動作のみで、被測定物を第1搬送先と第2搬送先とに振り分けることができる。これにより、簡素な構造で、信頼性の高い振り分け処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る重量測定装置の要部側面図である。
図2図1に示した重量測定装置のリンク機構を表した側面図である。
図3】段状プッシャーが被測定物を押し終えた状態の側面図である。
図4】段状プッシャーが戻る際の側面図である。
図5】振り分け部の落下口開閉蓋が作動された重量測定装置の側面図である。
図6】落下口開閉蓋が作動され段状プッシャーが被測定物を押し終えた状態の側面図である。
図7図1に示した重量測定装置の構成を概念化して表した計測中の動作説明図である。
図8】搬送始めの動作説明図である。
図9】計測結果がOK品であったときの搬送途中の動作説明図である。
図10】秤量部に次の被測定物が供給されたときの動作説明図である。
図11】搬送体が戻る際の動作説明図である。
図12】計測開始時の動作説明図である。
図13】(a)は計測結果がNG品であったときの振り分け前の動作説明図、(b)は振り分け途中の動作説明図、(c)は振り分け後の動作説明図である。
図14】階段状でない間欠搬送部の変形例1を表す模式図である。
図15】搬送面が傾斜平面である間欠搬送部の変形例2を表す模式図である。
図16】周回搬送路がゼネバ機構によって駆動される間欠搬送部の変形例3を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る重量測定装置1の要部側面図、図2図1に示した重量測定装置1のリンク機構2を表した側面図、図3は段状プッシャー3が被測定物を押し終えた状態の側面図、図4は段状プッシャー3が戻る際の側面図、図5は振り分け部4の落下口開閉蓋5が作動された重量測定装置1の側面図、図6は落下口開閉蓋5が作動され段状プッシャー3が被測定物を押し終えた状態の側面図である。
本実施形態に係る重量測定装置1は、供給部6と、秤量部7と、間欠搬送部8と、振り分け部4と、制御部(図示せず)と、に構成が大別されてなる。本実施形態において、被測定物9は、例えば、薬剤が封入され、両端が半球状に形成された円柱状のカプセル錠(以下、単に「カプセル」と言う。)である。なお、被測定物9は、この他、錠剤や、菓子等の食品であってもよい。カプセル9の原料としては、ゼラチンやヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを用いることができる。
【0022】
供給部6は、上方に配置されるホッパーより投入されたカプセル9を間欠的に1個ずつ後工程へ送り出す。供給部6は、マガジン10と、ストッパー11と、を有する。マガジン10は、ホッパーの底部に連通し、カプセル9を落下させる供給路が形成されて、周期的に上下移動される。カプセル9は、マガジン10の内部でその軸線を上下方向に向けた縦方向で、上下方向に一列に並んで収容されている。ストッパー11は、マガジン10が上下移動における下端位置を外れたときに供給路を閉鎖し、供給路の下端からカプセル9の落下を停止する。
【0023】
供給部6には、マガジン10の直下に湾曲凹部12が設けられる。マガジン10から落下したカプセル9は、湾曲凹部12に着地することで、図1に示すように、その軸線を搬送方向斜め上に向けた傾斜姿勢で保持される。供給部6には、湾曲凹部12の搬送方向上流側(図中右側)に、搬送方向に進出されるプッシャー13が設けられる。プッシャー13は、湾曲凹部12の後方(図中右側)から水平にスライドして、湾曲凹部12に位置するカプセル9を次工程へ送る。
【0024】
供給部6には、湾曲凹部12を挟んでプッシャー13の反対側に、供給ゲート部14(図4参照)が形成される。供給ゲート部14は、搬送方向に直交する断面形状が略V字形状に形成される。すなわち、底面がV溝となっている。このV溝の最下端には、プッシャー13がスライドするプッシャー用スリット(図示略)がカプセル搬送方向に沿って形成される。プッシャー13は、先端の上部が突出した形状となっている。これにより、プッシャー13は、カプセル9の立ち上がりを規制しながら、カプセル9を水平方向で供給ゲート部14へ送り出す。なお、供給ゲート部14のV溝は、対向する斜面がカプセル9を支えることによってカプセル9との接触面積を小さくしている。このV溝は、搬送対象のカプセル9の大きさが変わっても、同じように支えることができる。そして、プッシャー13で押し出されるカプセル9は、次工程である秤量部7の秤量台15へ送られる。
【0025】
秤量部7は、供給部6の次工程に設けられ、供給部6から送り出されたカプセル9が1個ずつ載せられてカプセル9の1個の重量を計測する。秤量部7は、秤量台15を有する計測装置16からなる。秤量台15は、上記の供給ゲート部14と同様に、搬送方向に直交する断面形状がV溝状に形成される。秤量台15は、ロバーバル機構によって計測装置16に支持される。ロバーバル機構は、それぞれの辺が自由に動ける平行四辺形の枠組みを有する。この枠組みの一方の柱に秤量台15を取り付け、他方の柱を固定端とした計量センサとされる。これにより、秤量台15のどの位置にカプセル9が載せられても正確な重量が計測される。計測装置16は、計量センサとして、例えばロードセル(図示略)を有する。秤量台15にカプセル9が載置されることで、荷重が加わるロードセルの電気信号によってカプセル9の重量を計量する。なお、計量センサは、ロードセルに限定されず、他の種々の計量センサを用いることが可能である。
【0026】
間欠搬送部8は、カプセル9を、供給部6及び秤量部7と同期して間欠的に搬送する。間欠搬送部8は、搬送体17と、バッファ部19を形成する階段状搬送機構18と、段飛び規制屋根部20と、からなる。
【0027】
搬送体17は、例えばE字状等、下向きの空間を備えた構造で形成される。本構成例では、図4に示すように、下向きに突出する前爪部21と、中爪部22と、後爪部23と、を有する。前爪部21と中爪部22との間には、カプセル9がその軸線方向で収容可能となる。搬送体17は、これら前爪部21、中爪部22、後爪部23、及び上壁部24によってカプセル9の逃げ、飛び出しを防止することができる。
【0028】
図5に示すように、搬送体17は、搬送方向上流側移動位置で、中爪部22が秤量台15のカプセル9の後端に当たる。この状態で、前爪部21は、先のカプセル9の後端に当たり、後爪部23は後のカプセル9の前端に当たる。搬送体17は、秤量台15のカプセル9を上から被せるように保持し、次段の階段状搬送機構18に送る。搬送体17は、カプセル9を搬送した後、上昇し、カプセル9の搬送軌跡から外れて搬送初期位置に戻される。この動作が繰り返される。搬送体17は、供給部6の動きに同期してカプセル9を間欠搬送する。すなわち、停止している時間は、秤量部7の秤量タイミングと略一致する。
【0029】
階段状搬送機構18は、カプセル9の搬送方向に沿って段階的に低くなる図1に示す複数のバッファ部19が階段状に形成されてなる。本構成において、間欠搬送部8は、階段状搬送機構18によって、カプセル9を1個ずつ区切って保持するバッファ部19が、複数(図例では5個所)設けられている。
【0030】
バッファ部19は、秤量部7の次工程に設けられ、計測の終了した少なくとも1個のカプセル9を1個ずつ区切って保持し、秤量部7の秤量タイミングと略一致で静止させて載置する。
【0031】
バッファ部19は、載置によりカプセル9を保持する載置台25を有する。本構成において、バッファ部19は、図1に示すように、5個所となる。つまり、5つの載置台25が設けられる。なお、本発明に係る重量測定装置1は、上記のように、少なくとも1つのバッファ部19を備える構成であればよい。搬送方向最上流のバッファ部19の載置台25は、秤量台15と連続して配置される。本構成では、この搬送方向最上流の載置台25は、秤量台15と略同じ高さ(略同じ水平面)で構成される。なお、この載置台25は、秤量台15よりも一段落ちるような、低くなって構成されてもよい。複数のバッファ部19を有する構成で複数の載置台25を有する場合、複数のカプセル9をそれぞれの載置台25に個別に保持して次々送る。すなわち、間欠搬送となる。
【0032】
階段状搬送機構18は、複数の載置台25が階段状であることで、水平方向の直線運動にて、簡素な構造でカプセル9の搬送が可能となる。それぞれの載置台25において、カプセル9の搬送される径路は、上記同様のV溝に形成されている。これにより、上記と同様、載置台25とカプセル9との接触面積を小さくしている。載置台25のV溝においても、上記同様にプッシャー用スリット(図示略)が形成されている。
【0033】
階段状搬送機構18は、固定段部体26と、段状プッシャー3と、を有する。固定段部体26は、複数のバッファ部19、すなわち載置台25が階段状となって形成されている。段状プッシャー3は、固定段部体26の溝中心で、搬送方向に沿って上記のプッシャー用スリットに、前後方向(図中左右方向)に水平スライド自在に挟入されている。固定段部体26と段状プッシャー3とからなる搬送路は、載置台25によって段々のV溝となる。この各段には、1個1個のカプセル9が保持されるように載る。段状プッシャー3は、スライド作動されることにより、カプセル9を、「押す」、「落とす」、「戻す」の動作を繰り返す。
【0034】
階段状搬送機構18は、段差を使い、カプセル9を次々に落としていくことで間欠的な搬送を可能としている。各段は、固定段部体26を用いることで、一体構造となっている。本実施形態では、供給部6の湾曲凹部12から供給ゲート部14を含めて一体構造とされる。固定段部体26は、例えばアルミ削りだしによって形成される。このように、固定段部体26は、一体形成することで、各段における高さ方向や幅方向などの微調整等を不要としたメンテナンスフリー構造となっている。
【0035】
段状プッシャー3は、固定段部体26と略同形状の階段状に形成された一体の板材からなる。この段状プッシャー3が、固定段部体26のV溝の中央から、搬送方向前後にスライドする。これにより、それぞれの載置台25のV溝に載置されているカプセル9は、段状プッシャー3に押されて下段の載置台25へと送られることになる。固定段部体26と段状プッシャー3とは、同じ面でカプセル9を載置していない。すなわち、固定段部体26は、上記したように載置台25のV溝にカプセル9が載置され、カプセル9の後端側が段差部分である垂直面26aとなり、また、段状プッシャー3は、水平面3aが載置台25よりもやや低く設定され段差部分が押圧垂直面3bとされる。階段状搬送機構18は、段状プッシャー3の前進時に押圧垂直面3bにてカプセル9の後端を押す。押されたカプセル9は、次の載置台25よりもやや高い位置となって前進する段状プッシャー3の次の水平面3aに落ちた後、この段状プッシャー3の後進時(戻る際)には、段状プッシャー3の水平面3aと載置台25との高低差で生じる固定段部体26の垂直面26aにカプセル9の後端が当たって停止し、段状プッシャー3の後進が終わる際には、カプセル9が次の載置台25に落ち、載置されることとなる。
【0036】
本構成では、5個所のバッファ部19を有して階段状搬送機構18が構成されている。これにより、階段状搬送機構18は、搬送方向が所定の長さとなる。この所定長さとなった階段状搬送機構18の下方の空間部を利用して、上記の計測装置16が収容されている。換言すれば、計測装置16を収容しながら、階段状搬送機構18によって、秤量部7と振り分け部4とを接続している。
【0037】
間欠搬送部8には、階段状搬送機構18の上方に、段飛び規制屋根部20が設けられる。段飛び規制屋根部20は、階段状搬送機構18に対し離間して対向配置され、対向下面27が階段形状に倣って形成される。
【0038】
対向下面27は、それぞれのバッファ部19の載置台25に対向する逆段部を有する。この逆段部は、載置台25とによって、カプセル9の下段側バッファ部19への落下を防止する包囲空間を形成する。これにより、段飛び規制屋根部20の対向下面27は、カプセル9の搬送先バッファ部19よりも先の前方バッファ部19への段飛びを防止している。
【0039】
なお、搬送先バッファ部19とは、正規の間欠搬送において、カプセル9が搬送される次段のバッファ部19を言う。
【0040】
また、前方バッファ部19とは、搬送先バッファ部19よりも前方のバッファ部19を言う。
【0041】
振り分け部4は、間欠搬送部8またはその次工程に設けられる。本実施形態において、振り分け部4は、間欠搬送部8の最後部に設けられる。すなわち、最後部のバッファ部19が振り分け部4を備える。この振り分け部4は、間欠搬送部8からカプセル9が搬送されるときに少なくとも秤量部7からの計測の結果に基づきカプセル9の搬送先を切り替える。振り分け部4は、落下口28と、落下口開閉蓋5と、を有する。
【0042】
落下口28は、最後部のバッファ部19における載置台25に開口され、カプセル9を第1搬送先29へ落下させる。すなわち、自由落下によってカプセル9を排出する。落下口28は、間欠搬送部8の少なくも最上流のバッファ部19以外が好ましく、いずれのバッファ部19に設けられていてもよい。最上流のバッファ部以外とする理由は、後述するように、秤量部7でのカプセル9計測後に選別機構の駆動制御の時間を確保するためである。
【0043】
第1搬送先29は、本実施形態において、NG品のカプセル9を搬送する場所となる。本構成では、第1搬送先29は、第2搬送先30よりもカプセル搬送方向上流側に配置される。
【0044】
落下口開閉蓋5は、落下口28を塞いでカプセル9の搬送先を第1搬送先29と異なる第2搬送先30へ切り替える。落下口開閉蓋5としては種々の機構のものが考えられる。例えば一端が回転軸を中心に回転することで、落下口28を開閉する回転蓋機構、或いは、落下口28に沿って直線往復運動、すなわち段状プッシャー3とともにスライド移動することにより、落下口28を開閉するスライド蓋機構等が挙げられる。さらに、回転蓋機構は、図5に示すように、カプセル9を載置した状態から、下方へ回転して落下口28を開きカプセル9を落下させるもの。或いは図7図13に示すように、上方へ回転して落下口28を開きカプセル9を落下させるものとすることができる。また、回転蓋機構は、鉛直軸を中心に回転することで、カプセル9を左右に振り分けるものとしてもよい。
【0045】
第2搬送先30は、本実施形態において、OK品のカプセル9を搬送する場所となる。本構成では、第2搬送先30は、第1搬送先29よりもカプセル搬送方向下流側に配置されている。
【0046】
回転蓋機構の場合、振り分け部4は、カプセル9がOK品のとき、落下口開閉蓋5が回転しない。これにより、段状プッシャー3によって押されたOK品カプセルは、図3図12に示すように、第2搬送先30に振り分け搬送される。一方、振り分け部4は、カプセル9がNG品のとき、落下口開閉蓋5が回転される。これにより、段状プッシャー3によって押されたNG品のカプセル9は、図6図13に示すように、第1搬送先29に振り分け搬送される。
【0047】
重量測定装置1は、上記したそれぞれの可動部である供給部6、間欠搬送部8、振り分け部4が、図2に示す1つのモーター31で駆動されるリンク機構2等によって動作するように構成される。リンク機構2は、モーター31の略一定の回転速度による回転運動が往復運動や揺動運動に変換され制御されることで、間欠搬送を所定時間間隔(タイミング)で可能としている。重量測定装置1は、この間欠搬送のタイミングに同期して、秤量部7の秤量動作が制御される。
【0048】
なお、重量測定装置1の駆動機構は、上記のリンク機構2に限定されない。重量測定装置1の駆動系は、例えば、供給部6、間欠搬送部8、振り分け部4のそれぞれが、独立した流体圧シリンダーや電磁ソレノイド等によって駆動されるものであってもよい。
【0049】
制御部は、モーター31の回転速度を制御することによって、供給部6の送り出し動作、間欠搬送部8の搬送動作、及び振り分け部4の切替動作を制御する。また、制御部は、これらの間欠搬送動作に同期させて、秤量部7の計測動作を制御する。より具体的に、制御部は、中央演算装置(CPU)や、内部メモリ、外部メモリ、インターフェース等を備えたコンピューターとすることができる。このコンピューターには、入力手段(キーボード等)や表示手段を接続することができる。これにより、制御部は、計測動作や、間欠搬送速度等の設定を入力したり、計測結果や、振り分け結果を表示させたりできる。また、制御部は、プログラマブルシーケンサー等を用いて、動作タイミングのみを制御するものとしてもよい。
【0050】
次に、上記の構成を有する重量測定装置1の作用を説明する。
図7図1に示した重量測定装置1の構成を概念化して表した計測中の動作説明図、図8は搬送始めの動作説明図、図9は計測結果がOK品であったときの搬送途中の動作説明図、図10は秤量部7に次のカプセル9が供給されたときの動作説明図、図11は搬送体17が戻る際の動作説明図、図12は計測開始時の動作説明図、図13(a)は計測結果がNG品であったときの振り分け前の動作説明図、(b)は振り分け途中の動作説明図、(c)は振り分け後の動作説明図である。
本実施形態に係る重量測定装置1では、図7に示すように、例えばバッファ部19が例えば1つである場合、図8に示すように、第1のカプセル9が秤量部7から排出されると、間欠搬送部8のバッファ部19へと進む。バッファ部19に第1のカプセル9が到達すると同時に、秤量部7には第2のカプセル9が供給される。図9に示すように、計測の完了した第2のカプセル9が秤量部7から排出されると、間欠搬送部8のバッファ部19へと進む。図10に示すように、バッファ部19に保持されていた第1のカプセル9は、振り分け部4へと到達する。これと同時に、秤量部7には第3のカプセル9が供給される。搬送体17は、第1のカプセル9を振り分け部4に送った後、図11に示すように、搬送初期位置に向かって戻される。
【0051】
振り分け部4へ到達した第1のカプセル9は、図12に示すように、振り分け部4にて振り分けられる。振り分け部4では、バッファ部19から送られて来る第1のカプセル9に対して、選別機構の駆動制御によって振り分けがなされる。この際、第1のカプセル9は、一旦、バッファ部19に保持されているので、秤量部7から排出してから、カプセル2個分、すなわち秤量部7からバッファ部19とバッファ部19から振り分け部4に到達するまでの間欠搬送に費やされる時間が経過して振り分け部4に到着する。
【0052】
第1のカプセル9がNG品カプセルであった場合、制御部は、図13に示す落下口開閉蓋5を開く駆動を制御して、NG品カプセルを振り分ける。振り分け処理は、秤量部7でのカプセル9の計測の結果に基づいて、選別機構の駆動制御を行うもので、上記したように計測の結果がNG品カプセルであれば落下口開閉蓋5を開き、OK品カプセルの場合には、落下口開閉蓋5を開かない。
【0053】
搬送される複数のカプセル9は、1個ずつが区切られ、混在することがないので、搬送中においてもそれぞれを追跡しながら観察が可能となる。その結果、秤量部7と振り分け部4との間で、複数のカプセル9を1個ずつ区切って間欠送りすることができ、選別動作までの時間に余裕が生まれるので、カメラ等による外観、長さ測定、異物検査等による選別も可能となる。
【0054】
また、重量測定装置1では、カプセル9の搬送方向に沿って複数のバッファ部19が段階的に低くなることで、階段状搬送機構18が構成されている。これにより、搬送方向上流側のバッファ部19に載置されているカプセル9は、搬送方向に押されると、搬送方向下流側のバッファ部19、すなわち、下段側のバッファ部19に移載される。この動作が、それぞれのバッファ部19において行われることで、複数のカプセル9のそれぞれが、順次、間欠的に搬送方向下流側へ搬送される。
【0055】
また、それぞれのバッファ部19のカプセル9が高速で押し出されても、段飛び規制屋根部20がバッファ部19に対向配置されているので、カプセル9が搬送先バッファ部から勢い付いて飛び出すことがない。その結果、カプセル9を搬送方向に送ることで、重力によって搬送方向下段のバッファ部19に、混ざり合うことを防止しながら、カプセル9を順次1個ずつ搬送できる。これにより、簡素な構造で、複数のカプセル9を確実に間欠搬送することができる。また、段飛び規制屋根部20によって、送り出し時のカプセル9の飛び出しを防止でき、搬送の信頼性を確保できる。
【0056】
また、重量測定装置1では、例えばバッファ部19の最終段が振り分け部4となる。なお、この場合の振り分け部4は、階段状搬送機構18の途中に設けられてもよい。バッファ部19は、送られて来たカプセル9を載置台25に載置する。上記のように、押し出されたカプセル9は、下段側のバッファ部19の載置台25に移載される。カプセル9が最終段のバッファ部19、すなわち、振り分け部4に到達する際、振り分け部4では、選別機構の駆動制御が行われる。例えば、カプセル9がNG品である場合には、カプセル9の振り分け部4への到達の直前から直後までの時間の範囲で、落下口開閉蓋5が開かれる。落下口開閉蓋5が開かれることで、カプセル9は、落下口28から落下して、NG品の第1搬送先29へと搬出される。また、カプセル9がOK品である場合には、落下口開閉蓋5は開かず、この落下口開閉蓋5上を通って、NG品の第1搬送先29とは異なるOK品専用の第2搬送先30へと搬出されることとなる。このように、振り分け部4にて、NG品とOK品とが振り分けられる。
【0057】
この振り分け部4は、載置台25に形成した落下口28と、落下口28に設けた落下口開閉蓋5のみによって構成が可能となる。なお、落下口開閉蓋5は、回転軸を中心に回転する構造、或いはガイドレールに沿って直線往復移動する構造等とすることができる。その結果、重力を利用することで、落下口開閉蓋5の開閉動作のみで、カプセル9を第1搬送先29と第2搬送先30とに振り分けることができる。これにより、簡素な構造で、信頼性の高い振り分け処理を行うことができる。
【0058】
なお、上記したように、バッファ部19を1つで構成する場合に、そのバッファ部19は、図7に示すように秤量部7の秤量台15と連なるように配設されることとし、バッファ部19に続けて振り分け部4が配置される例として示したが、このバッファ部19を1つで構成する場合に、このバッファ部19に振り分け部4を備える構成としても良い。すなわち、バッファ部19には上記同様の落下口28と落下口開閉蓋5とを具備し、秤量台15の次工程である載置台25に落下口28を開口して設ける。このような構成とすることで、例えば第1のカプセル9が秤量部7で計測された後、この第1のカプセル9は間欠搬送部8の搬送体17等で搬送され載置台25に載せられる。秤量部7には次の第2のカプセル9が供給され、その第2のカプセル9の計測中は第1のカプセル9が載置台25上に保持状態となる。この載置台25上でのカプセル9の保持状態は、間欠搬送によるものであり、上記同様に搬送体17や供給部6によって間欠的に搬送される際の停止状態である。そして、この第2のカプセル9の計測中に、載置台25上に保持された第1のカプセル9に対する振り分け処理、すなわち選別機構の駆動制御が行われる。
つまり、載置台25の上には計測を終えたカプセル9が一旦静止して保持されており、この載置台25に載る以前の秤量部7での計測の結果に基づいて、振り分け部4がこのカプセル9の搬送先を切り替える。例えば、第1のカプセル9の計測結果がNG品であれば、秤量部7から載置台25に搬送された第1のカプセル9は、この載置台25上に一旦保持され、第2のカプセル9が秤量台7での計測中に落下口開閉蓋5が開き、第1のカプセル9の落下処理が行われる。また、第1のカプセル9の計測結果がOK品であれば、第2のカプセル9の秤量台7での計測中に落下口開閉蓋5は開かず、載置台25上に一旦保持された第1のカプセル9は、そのまま載置台25に保持されて、次の間欠搬送による搬送状態でNG品とは異なる搬送先へと搬送されることとなる。
そして、第2のカプセル9が、間欠搬送部8の搬送体17によって載置台25に搬送される際には、既に第1のカプセル9が振り分け処理を終えた後とされ、例えば第1のカプセル9がNG品で落下口開閉蓋5が開く振り分け処理を行っていた際には、第2のカプセル9が搬送されてくる以前に落下口開閉蓋5を閉ざす駆動制御が選別機構にて行われ、すなわち、載置台25は、この計測後の第2のカプセル9が間欠搬送され到達することを待機状態とされる。
【0059】
次に、上記実施形態に係る重量測定装置1の変形例を説明する。
図14は階段状でない間欠搬送部の変形例1を表す模式図である。
間欠搬送部は、上記の階段状搬送機構18に代えて、階段状でない略水平方向の凹凸連続形状であってもよい。この変形例1では、曲状凹部32が所定間隔で形成されることで凹凸連続形状(ギザギザ形状)となる。曲状凹部32は、固定曲状凹部体33と、スライド曲状凹部体34とに形成される。この変形例では、固定曲状凹部体33に対し、スライド曲状凹部体34を直線移動させることにより、カプセル9を間欠搬送することができる。なお、この凹凸連続形状の間欠搬送部においても、僅かに段差若しくは高低差を設ければ、より高い搬送性能が得られる。
【0060】
図15は搬送面が傾斜平面35である間欠搬送部の変形例2を表す模式図である。
また、間欠搬送部は、傾斜平面35を有するものであってもよい。傾斜平面35には、複数のカプセル9が、その軸線を傾斜方向に沿うようにして所定間隔で載置される。それぞれのカプセル9は、前後に保持爪36を有したスライダー37によって保持されて、スライダー37のスライドにより保持爪36によるカプセル9の保持が外れて、下り傾斜方向へと搬送される。
【0061】
図16は周回搬送路がゼネバ機構38によって駆動される間欠搬送部の変形例3を表す模式図である。
この変形例3に係る間欠搬送部は、水平な一対のローラー体39が離間して回転自在に支持されている。一対のローラー体39には、無端ベルト40が側面視で長円状となって張架される。無端ベルト40の下方の長手外周には、ガイド壁41が対向して設けられる。この無端ベルト40とガイド壁41との間は、カプセル搬送路42となる。無端ベルト40の外周には、搬送体として所定間隔で複数のカプセル保持爪43が固定される。カプセル保持爪43は、外側が開放される略コ状に形成される。カプセル搬送路42の最上流側には、マガジン44を備えた供給部45が接続される。供給部45は、順次移動して来るそれぞれのカプセル保持爪43に、カプセル9を1個ずつ供給する。この変形例3において、マガジン44は、カプセル9を軸線が搬送方向となる向きで1個ずつ排出する。
【0062】
一対のローラー体39は、少なくとも一方が連続回転運動を断続回転に変換するゼネバ機構38等によって間欠回転される。また、供給部45は、この間欠回転に同期してストッパー11が作動し、カプセル9をカプセル保持爪43に供給するよう駆動制御される。カプセル搬送路42には、秤量部7が設けられる。秤量部7は、制御部によって、間欠搬送と同期して計測が行われるよう制御される。カプセル搬送路42の秤量部7の下流側には、振り分け部46が設けられる。秤量部7と振り分け部46との間がバッファ部19となる。この振り分け部46は、カプセル9を第1搬送先29へ振り分ける落下口開閉蓋5と、カプセル9を第2搬送先30へ振り分けるスロープ47と、からなる。
【0063】
この変形例3に係る間欠搬送部8によれば、無端ベルト40の外周にカプセル保持爪43を固定し、無端ベルト40をゼネバ機構38等によって駆動することで、カプセル9を強制的に、間欠搬送することができる。
なお、この変形例3の構成は、上記した図16に示す例では垂直から水平へ湾曲するカプセル搬送路42としたが、このカプセル搬送路42を全域で水平面としてもよい。この場合、ローラー体39は、回転中心、すなわち軸48が鉛直方向に沿う方向となって、水平回転となり、カプセル保持爪43が水平長円移動し、つまり、各カプセル保持爪43が水平外方向となってカプセル9を側方から保持し、無端ベルト41が平面視で長円状となり、秤量部7、振り分け部46は、カプセル9の鉛直方向下側に設けられることとなる。
【0064】
また、上記の実施形態に係る重量測定装置1では、振り分け部4が、カプセル9を、OK品とNG品とに振り分ける場合を例に説明したが、振り分け部4の振り分け動作は、これに限定されるものではない。例えば、OK品と、NG品とに振り分けた後、さらにNG品を、薬品充填量の多い超過NG品と、薬品充填量の少ない不足NG品等に振り分けてもよい。この場合の構成は、第1搬送先29に、さらに別の振り分け部4が追加して設けられることになる。そして、バッファ部19を備えることで、これら振り分け部4の動作は確実に行われる。
【0065】
従って、本実施形態に係る重量測定装置1によれば、秤量位置と選別機構の間に予備空間であるバッファ部19を設けたので、選別機構の駆動制御に充分な時間を確保することができ、秤量機構における計量タイミングによる選別機構の駆動動作開始タイミングの制約がなくなり、処理能力を向上させても確実に選別することができる。
【符号の説明】
【0066】
1…重量測定装置
4…振り分け部
5…落下口開閉蓋
6…供給部
7…秤量部
8…間欠搬送部
9…カプセル(被測定物)
17…搬送体
18…階段状搬送機構
19…バッファ部
20…段飛び規制屋根部
25…載置台
27…対向下面
28…落下口
29…第1搬送先
30…第2搬送先
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16