(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
搬送方向上流側の第1工程部(9)から該第1工程部に隣接する搬送方向下流側の第2工程部(10)に供給される被測定物(14)を、前記第2工程部から搬出する搬送部材(2)と、
該搬送部材を循環軌道(7)で駆動し、該循環軌道と前記被測定物の搬送軌道(25)の一部を重ねて前記搬送部材を移動する駆動機構部(8)と、
を具備し、
前記搬送部材には、
前記第2工程部の前記被測定物の搬送方向後面を押圧して、該被測定物を前記第2工程部から該第2工程部に隣接する搬送方向下流側の第3工程部(11)に搬出する第1押出面(3)と、
前記被測定物を前記第3工程部からさらに下流に搬送する第2押出面(4)と、
前記第1押出面に対し搬送方向上流側に設けられ、前記第2工程部に供給されて来る次の被測定物の前記第2工程部より下流側への行き過ぎを規制する抑止面(5)と、
該抑止面と前記第1押出面の間に前記被測定物の搬送を1つずつに区切るための空間となる間隙(24,34)と、
を有することを特徴とする重量測定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、カプセルは、両端が半球状に形成された円柱状であり、その長手方向に沿う軸線方向が搬送方向とされ、また、カプセル自体を押し、滑らせることで搬送が行われるもので、カプセルの素材の弾性力や硬さ、表面の円滑性によって、スムースに搬送されたり、滑らかでなく送りにくくなるなど、搬送状況が変わる。また、カプセルは、中身の量や状態によっても搬送状況が変わる。カプセル内に薬剤が隙間無く入っている場合には跳ねやすく、少ないと跳ねにくい、或いはその逆も起こる場合がある。さらに、上記したカプセルの形状から、その軸線方向が搬送方向とされるが、カプセルの構造は、外径の大小があり、ボディーに対してキャップが被さる構造である。大径であるキャップ側が先頭で搬送される場合には、スムースに移動する。しかし、逆のボディー側が先頭となって搬送される場合では、大径なキャップのエッジが外周面の途中に僅かではあるが存在することで、滑りにくく、搬送しにくいことがある。このように、従来のカプセル重量測定装置では、種々の状態のカプセルが混在して搬送されているため、シャッター板を上方に持上げる際のタイミングがとりにくい問題があった。より具体的には、カプセルが軽い場合には、シャッター板が上がる前に、カプセルが勢いよく前に飛んでいってしまい、シャッター板を早くあげれば、カプセルが通過しない。その結果、高速搬送においては、正確な位置でカプセルを停止させ、例えば上記したような秤量装置の計測精度を高めることが困難となった。
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、被測定物の素材や質量、弾性力等に影響されず、高速な搬送を行うことができ、被測定物を載置面等所定の位置で停止させることができる重量測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の重量測定装置1は、搬送方向上流側の第1工程部9から該第1工程部9に隣接する搬送方向下流側の第2工程部10に供給される被測定物14を、前記第2工程部10から搬出する搬送部材2と、
該搬送部材2を循環軌道7で駆動し、該循環軌道7と前記被測定物14の搬送軌道25の一部を重ねて前記搬送部材2を移動する駆動機構部8と、
を具備し、
前記搬送部材2には、
前記第2工程部10の前記被測定物14の搬送方向後面を押圧して、該被測定物14を前記第2工程部10から
該第2工程部10に隣接する搬送方向下流側の第3工程部11に搬出する
第1押出面3と、
前記被測定物14を前記第3工程部11からさらに下流に搬送する第2押出面4と、
前記
第1押出面3に対し搬送方向上流側に設けられ、前記第2工程部10に供給されて来る次の被測定物14の前記第2工程部10より下流側への行き過ぎを規制する抑止面5と、
該抑止面5と前記第1押出面3の間に前記被測定物14の搬送を1つずつに区切るための空間となる間隙(間隙部24,ブロック爪部34)と、
を有することを特徴とする。
【0009】
この重量測定装置1では、第1工程部9と第2工程部10とが、被測定物14の搬送方向に隣接して配置される。第1工程部9へは搬送方向上流側から被測定物14が供給される。第1工程部9へ供給された被測定物14は、搬送手段、例えばプッシャー17によって第2工程部10へと搬送され供給される。この際、第2工程部10には、前の被測定物14が載置されている。第1工程部9の被測定物14が、搬送手段等によって第2工程部10への供給と同時に、第2工程部10に載置されている被測定物14は、搬送方向後面が搬送部材2の
第1押出面3に押される。搬送部材2の
第1押出面3に押された第2工程部10の被測定物14は、第2工程部10からの搬出が開始される。
また、第3工程部11に載置されている被測定物14は、搬送方向後面が搬送部材2の第2押出面4に押される。搬送部材2の第2押出面4に押された第3工程部12の被測定物14は、第3工程部11からさらに下流に搬出される。
従って、第1工程部9の被測定物14は第2工程部10へ向かって搬送されるとともに、第2工程部10の被測定物14は搬送部材2によって第2工程部10から搬出される方向へと搬送され
、また、第3工程部11の被測定物14は搬送部材2によって第3工程部からさらに下流へ搬送される。これらの搬送は、同期して行われる。
この際、第1工程部9から第2工程部10へ向かう被測定物14は、搬送手段による供給の勢いと、第2工程部10へ到着したときの慣性力とが作用する。被測定物14は、この慣性力等によって、第2工程部10よりもさらに搬送方向下流側へ、或いはその周囲に飛び出す虞がある。そこで、搬送部材2には、
第1押出面3よりも搬送方向上流側に、抑止面5が設けられている。抑止面5は、第2工程部10へ到着し、慣性力等によってさらに搬送方向下流側等へと飛び出そうとする被測定物14に当たる。これにより、第2工程部10に到達した被測定物14は、第2工程部10より下流側への行き過ぎが規制され、高速搬送においても、確実に第2工程部10に留まることになる。
また、従来機構のように、タイミング制御に限界のあるシャッターを使用しないので、さらなる搬送速度の高速化が可能となる。
【0010】
本発明の請求項2記載の重量測定装置1は、請求項1記載の重量測定装置1であって、
前記第2工程部10は、秤量装置を構成し、前記被測定物14が載置される秤量台18を具備することを特徴とする。
【0011】
この重量測定装置1では、高速な搬送を行う場合においても、被測定物14が、秤量台18から逸脱せず、確実に秤量台18上に停止する。被測定物14が秤量台18から逸脱したり、被測定物14の一部分が秤量台18から飛び出した状態で載置されたりするようなことがない。その結果、被測定物14が完全に停止するまでの時間が短くなり、秤量装置の計測精度が高まる。
【0012】
本発明の請求項3記載の重量測定装置1は、請求
項2記載の重量測定装置であって、
前記搬送部材2が、前記
第1押出面3によって前記第2工程部10から搬出される前記被測定物14が次に静止する静止位置より下流側への行き過ぎを規制する他の抑止面6を有
し、該他の抑止面6と前記第1押出面3の離間距離が前記秤量台18の搬送方向の長さと同等またはやや長く設定されていることを特徴とする。
【0013】
この重量測定装置1では、第2工程部10から搬出される被測定物14が、慣性力等によって次に静止する静止位置よりも下流側へと行き過ぎ飛び出そうとすると、他の抑止面6に当たる。これにより、第2工程部10につづいて例えば第3工程部(バッファ部11等)が隣接し存在する場合には、第2工程部10から搬出された被測定物14が、
逃げ、飛び出しを防止されて確実に第3工程部内での第2工程部(秤量部)10の次の静止位置に留まる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る請求項1記載の重量測定装置によれば、被測定物の質量や弾性力、素材等に影響されず、被測定物を載置面等所定の位置でさらに下流側へ行き過ぎることなく停止させることができる。そして、
第2工程部の被測定物の搬送方向後面を第1押出面で押し、第3工程部の被測定物の搬送方向後面を第2押出面で押して、それぞれ搬出を行うとともに、第1押出面と抑止面とで搬出と同時に被測定物の供給が安定して行われることとなり、被測定物の搬送の高速化を図ることができる。
また、間隙部によって、被測定物の搬送が1つずつに区切られ、搬送される複数の被測定物同士が接触せず間欠的に搬送され、各工程部において確実に被測定物を載置し、且つこれら載置状態の被測定物の搬送開始の際に、各被測定物間に各面を進入可能とする空間を形成することができる。
【0015】
本発明に係る請求項2記載の重量測定装置によれば、高速な搬送を行う場合においても、被測定物を秤量台上に正確に停止させ、安定的な計量を行うことができる。
【0016】
本発明に係る請求項3記載の重量測定装置によれば、高速な搬送を行う場合においても、被測定物の質量、弾性力等に影響されず、第1押出面によって押し出されて第2工程部から搬出される被測定物の次に静止する静止位置より下流側への行き過ぎを規制することができる。
また、他の抑止面と第1押出面の離間距離によって、被測定物がその軸線方向で収容可能となる空間を形成し、被測定物がその軸線方向で十分に余裕を持って収容可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る重量測定装置1の概略の構成図、
図2はそれぞれの工程部と搬送部材2を表した側面図、
図3(a)は押出面3、他の押出面4によって搬送される被測定物14の側面図、(b)は抑止面5、他の抑止面6によって飛び出しが規制される被測定物14の側面図、
図4は搬送部材2の循環軌道7を表す動作説明図である。
本実施形態に係る重量測定装置1は、第1工程部、第2工程部、第3工程部、搬送部材2、駆動機構部8と、を有する。本実施形態において、第1工程部は供給部9であり、第2工程部は秤量部10であり、第3工程部はバッファ部11である。なお、本実施形態では、バッファ部11の搬送方向下流側に、振り分け部13が接続される。
【0019】
本実施形態において、被測定物は、例えば、薬剤が封入され、両端が半球状に形成された円柱状のカプセル錠(以下、単に「カプセル」と言う。)14である。なお、被測定物は、この他、錠剤や、菓子等の食品であってもよい。カプセル14の原料としては、ゼラチンやヒドロキシプロピルメチルセルロース等を用いることができる。
【0020】
供給部9は、上方に配置されるホッパーより投入されたカプセル14を間欠的に1個ずつ後工程へ送り出す。供給部9は、マガジン15と、ストッパー(図示略)と、を有する。マガジン15は、ホッパーの底部に連通し、カプセル14を落下させる供給路が形成されて、周期的に上下移動される。カプセル14は、マガジン15の内部でその軸線を上下方向に向けた縦方向で、上下方向に一列に並んで収容されている。ストッパーは、マガジン15が上下移動における下端位置を外れたときに供給路を閉鎖し、供給路の下端からカプセル14の落下を停止する。
【0021】
供給部9には、マガジン15の直下に湾曲凹部16が設けられる。マガジン15から落下したカプセル14は、湾曲凹部16に着地することで、
図1に示すように、その軸線を搬送方向斜め上に向けた傾斜姿勢で保持される。供給部9には、湾曲凹部16の搬送方向上流側(図中右側)に、搬送方向に進出されるプッシャー17が設けられる。プッシャー17は、湾曲凹部16の後方(図中右側)から水平にスライドして、湾曲凹部16に位置するカプセル14を搬送方向下流側となる秤量部10へ送る。
【0022】
秤量部10は、供給部9の次工程に設けられ、供給部9から送り出されたカプセル14が1個ずつ載せられてカプセル14の1個の重量を計測する。秤量部10は、秤量台18を有する計測装置からなる。秤量台18の載置面19は、搬送方向に直交する断面形状がV溝状に形成される。秤量台18は、ロバーバル機構によって計測装置に支持される。ロバーバル機構は、それぞれの辺が自由に動ける平行四辺形の枠組みを有する。この枠組みの一方の柱に秤量台18を取り付け、他方の柱を固定端とした計量センサとされる。これにより、秤量台18のどの位置にカプセル14が載せられても正確な重量が計測される。計測装置は、計量センサとして、例えばロードセル(図示略)を有する。秤量台18にカプセル14が載置されることで、荷重が加わるロードセルの電気信号によってカプセル14の重量を計量する。なお、計量センサは、ロードセルに限定されず、他の種々の計量センサを用いることが可能である。
【0023】
なお、本実施形態では、第2工程部が秤量部10である場合を例に説明するが、本発明に係る重量測定装置1は、第2工程部がその他の工程部であってもよい。例えば、第2工程部は、カメラ等による外観、長さ測定、異物検査等を行う検査部とすることもできる。
【0024】
バッファ部11は、秤量部10の次工程に設けられ、計測の終了した少なくとも1個のカプセル14を区切って保持し、秤量部10の計測タイミングと略一致で静止させて載置する。バッファ部11は、載置によりカプセル14を保持する載置台12を有する。本実施形態では、
図1に示すように、複数の載置台12が階段状に形成され、各載置台12によってカプセル14が区切られ、間欠的に搬送が行われるようになっている。
【0025】
振り分け部13は、バッファ部11の次工程に設けられる。振り分け部13は、バッファ部11からカプセル14が搬送されるときに、秤量部10からの計測の結果に基づきカプセル14の搬送先を切り替える。振り分け部13には、落下口と、落下口開閉蓋と、が設けられている。落下口は、自由落下によってカプセル14を第1搬送先へ排出する。落下口開閉蓋は、落下口を塞ぐことで、カプセル14を第2搬送先へ排出する。本実施形態において、第1搬送先はNG品のカプセル14を搬送する場所となり、第2搬送先はOK品のカプセル14を搬送する場所となる。
【0026】
このように、重量測定装置1では、搬送方向上流側から搬送方向下流側に向かって、供給部9,秤量部10、及びバッファ部11が隣接して配設されている。本実施形態では、供給部9,秤量部10、及びバッファ部11は、それぞれが水平方向に平坦となって並び、複数のカプセル14が1つずつ間欠的に連続して搬送される。
【0027】
搬送部材2は、例えばE字状等、下向きの空間を備えた構造で形成される。本構成例では、下向きに突出する複数の爪部を有し、
図2に示すように、搬送方向上流側から後爪部20,中爪部21,前爪部22が下側に垂下して、例えば金属板の折曲加工等で一体構造で製作される。中爪部21と前爪部22との間には、カプセル14がその軸線方向で収容可能となる空間となる。より具体的には、この空間は、カプセル14がその軸線方向で十分に余裕を持って収容可能に中爪部21と前爪部22が離間し、またこの離間距離は、秤量台18の搬送方向の長さと同等またはやや長く設定される。搬送部材2は、これら後爪部20,中爪部21,前爪部22、及び上壁部23によってカプセル14の逃げ、飛び出しを防止することができる。また、中爪部21と後爪部20との間は、間隙部24を有する。この間隙部24は、カプセル14の搬送を1つずつに区切るための空間であり、搬送される複数のカプセル14同士が接触せず間欠的に搬送され、各工程である供給部9,秤量部10,バッファ部11に確実にカプセル14を載置し、且つこれら載置状態のカプセル14の搬送開始の際に、各カプセル14間に各爪部20,21,22を進入可能とする空間を形成する。
【0028】
搬送部材2は、中爪部21の搬送方向下流側となる前面が押出面としての第1押出面3、前爪部22の搬送方向下流側となる前面が他の押出面としての第2押出面4となる(
図3(a)参照)。また、搬送部材2は、後爪部20の搬送方向上流側となる後面が抑止面としての第1抑止面5、前爪部22の搬送方向上流側となる後面が他の抑止面としての第2抑止面6となる(
図3(b)参照)。
第1押出面3は、秤量部10のカプセル14の搬送方向後面を押圧して秤量部10に載置状態のカプセル14を秤量部10から搬出する。
第2押出面4は、秤量部10に隣接するバッファ部11に載置状態のカプセル14の搬送方向後面を押圧してバッファ部11のカプセル14をバッファ部11の秤量部10に隣接する載置台12から次の載置台12へと搬送する。
【0029】
第1抑止面5は、第1押出面3に対し搬送方向上流側に離間して設けられ、湾曲凹部16に落下されて来る次のカプセル14の湾曲凹部16から秤量部10がある搬送方向側への飛び出しを規制するとともに、第1押出面3によって秤量部10上のカプセル14を次の工程部であるバッファ部11へ押し出したときに、湾曲凹部16から来る次のカプセル14が秤量部10に留まるように秤量部10から下流側への飛び出しを規制する。
第2抑止面6は、第2押出面4に対し、搬送方向上流側に離間して設けられ、バッファ部11に搬送されて来る次のカプセル14がバッファ部11の秤量部10に隣接する載置台12に留まるように、秤量部10に隣接する載置台12から行き過ぎて下流側の載置台12へ飛び出すのを規制する。本実施形態においては、前爪部22の搬送方向下流側が第2押出面4となり、前爪部22の搬送方向上流側が第2抑止面6となっている。
【0030】
搬送部材2は、後述の駆動機構部8によって、
図4に示す略四角形の循環軌道7を移動する。この循環軌道7は、搬送部材2でカプセル14を搬送させる移動軌道を水平方向とする送り軌道7A、この送り軌道7Aから離脱する離脱軌道7B、搬送部材2を離脱後に降下位置へ水平移動させる帰還軌道7C、この帰還軌道7Cの終端である降下位置から秤量台18上に搬送部材2を降下して送り軌道7Aの始点に移動させる降下軌道7Dとからなる。そして、送り軌道7Aが、カプセル14の直線状の搬送軌道25と重なる。これにより、搬送部材2は、搬送軌道25上のカプセル14を、上方から掻き出すようにして、秤量部10から切り出し、バッファ部11へと搬送する。従って、搬送軌道25の下側からは何ら送り手段を突出させる必要がない。その結果、秤量装置の秤量台機構と干渉が生じない。
【0031】
なお、本実施形態において、搬送部材2は、搬送軌道25の上方からカプセル14に被さるようにアクセスするが、カプセル14の側方からのアクセスであってもよい。さらに、秤量台18との干渉が回避される場合、すなわち秤量部10等の第2工程部として搬送軌道25の下方に干渉するような構成が無い場合には、搬送部材2が下側からアクセスするような構成であってもよい。また、搬送部材2の循環軌道7は、上記した略四角形状に限定するものではなく、例えば、搬送部材2の各爪部20,21,22を外向きとして、この搬送部材2を複数で構成させ、各搬送部材2を円周方向で配置して所望の中心軸を中心として、これら搬送部材2が円周方向に移動する円周軌道とするものであってもよい。
【0032】
駆動機構部8は、駆動源であるモータ26と、モータ26に連動連結されるリンク27で構成される。駆動機構部8は、ホッパーより受け入れたカプセル14を供給部9から秤量部10へ搬送するとともに、計測されたカプセル14をバッファ部11、振り分け部13へ搬送する。また、振り分け部13にて、カプセル14の搬送先を切り替えるように落下口開閉蓋を駆動する。さらに、駆動機構部8は、搬送部材2を循環軌道7で駆動する。搬送部材2は、駆動機構部8によって駆動されることで、カプセル14の搬送軌道25に循環軌道7の一部を重ねて移動される。
図1に示すように、駆動機構部8のリンク27は、供給部9のプッシャー17と、バッファ部11の階段状の載置台12とに図示しない機構で連動連結され、また図示しない連接部材等により搬送部材2が連動連結されて、これらが同期して駆動する。
【0033】
次に、上記の構成を有する重量測定装置1の作用を説明する。
図5は
図1に示した重量測定装置の構成を概念化して表した動作説明図であり、(a)は秤量台18の被測定物が搬出開始されるときの動作説明図、(b)は秤量台18の被測定物が搬出途中の動作説明図、(c)は秤量台18の被測定物が第3工程部に搬送途中の動作説明図、(d)は秤量台18の被測定物が第3工程部に到達したときの動作説明図、
図6は
図1に示した重量測定装置の構成を概念化して表した動作説明図であり、(a)は第3工程部の被測定物が搬出され、次の被測定物が秤量台18に載置されたときの動作説明図、(b)は次の被測定物が計測中の動作説明図、(c)はさらに次の被測定物が第1工程部に供給されたときの動作説明図である。
本実施形態に係る重量測定装置1では、まず、
図5(a)に示すように、秤量部10の秤量台18に載置されているカプセル14が、搬送部材2の送り軌道7Aによって搬出開始される。同時に、プッシャー17が次のカプセル14を供給部9から秤量台18へ向けて押し出す。また、このとき、搬送部材2はバッファ部11のカプセル14の搬出を開始させる。搬送部材2は、秤量台18上のカプセル14の搬送方向後面を第1押出面3で押し、バッファ部11上のカプセル14の搬送方向後面を第2の押出面4で押して、それぞれ搬出を行う。
【0034】
図5(b)に示すように、搬送部材2によって、秤量台18のカプセル14、載置台12のカプセル14は搬出途中となる。
図5(c)に示すように、搬送部材2と、プッシャー17とが搬送方向に移動することで、秤量台18のカプセル14がバッファ部11に搬送途中となり、供給部9のカプセル14が秤量台18に搬送途中となる。
図5(d)に示すように、さらに搬送部材2とプッシャー17が搬送方向に移動すると、秤量台18のカプセル14がバッファ部11に到達する。また、供給部9の次のカプセル14が秤量台18に達する。
【0035】
その後、
図6(a)に示すように、バッファ部11の秤量部10に隣接する載置台12のカプセル14は、次の載置台12へと搬送され、次のカプセル14がプッシャー17によって秤量台18に載置される。秤量台18に載置されていたカプセル14は、搬送部材2によってバッファ部11の秤量部10に隣接する載置台18に載置される。
図6(b)に示すように、秤量台18と、バッファ部11の秤量部10に隣接する載置台12へのカプセル14の載置が完了すると、秤量台18上のカプセル14は計測となる。この際、搬送部材2は、循環軌道7の離脱軌道7Bとなり上方向に移動され、搬送軌道25から退避する。
図6(c)に示すように、秤量台18での次のカプセル14の計測中に、さらに搬送方向上流側から次のカプセル14が供給部9に供給され、搬送部材2は帰還軌道7Cを通り、秤量台18のカプセル14の上方に到達する。
供給部9へ供給されたカプセル14は、プッシャー17によって秤量部10へと搬送され、以後、上記同様の動作が繰り返される。
【0036】
従って、供給部9のカプセル14は秤量部10へ向かって搬送されるとともに、秤量部10のカプセル14は搬送部材2の押出面3によって秤量部10から搬出される方向へと搬送される。これらの搬送は、同期して行われる。
【0037】
この時、供給部9から秤量部10へ向かうカプセル14は、秤量部10へ到着する際に、カプセル14自体の素材の弾性力や硬さ、表面の滑らかさ等よって慣性力が作用することがある。カプセル14は、プッシャー17の押圧による移動だけではなく、このプッシャー17が当たることが衝撃となり、慣性力が加わることで、停止すべき秤量部10よりもさらに搬送方向下流側へと勢いがつき(
図3(b)中矢線28A)、飛び出す虞がある。そこで、搬送部材2には、第1押出面3よりも搬送方向上流側に、第1抑止面5が離間して設けられている。第1抑止面5は、
図3(b)に示すように、プッシャー17によって秤量部10へ到着し、慣性力によってさらに搬送方向下流側へと飛び出そうとするカプセル14が当たる。これにより、秤量部10に到達したカプセル14は、秤量部10からの逸脱が規制され、高速搬送を行った場合においても、確実に秤量部10に留めることが可能となる。
【0038】
その結果、重量測定装置1では、従来のシャッターを設けずに、確実に秤量部10にカプセル14を留まらせることができ、すなわち、カプセル14を搬送する搬送部材2自体にカプセル14の逸脱を規制する構造を一体に構成したので、従来の別機構のシャッターを備えるものに比べて構造を簡素にすることができる。
【0039】
また、従来機構のように、タイミング制御に限界のあるシャッターを使用しないので、さらなる搬送速度の高速化が可能となる。
【0040】
また、重量測定装置1では、高速に搬送を行っても、カプセル14が、秤量台18から逸脱せず確実に停止し、カプセル14の一部分が秤量台18から飛び出した状態で載置されたりするようなことがない。これにより、カプセル14が完全に停止するまでの時間が短くなり、すなわち秤量台18上に載置されるカプセル14が載置された直後からカプセル自身の揺れや秤量台18の揺れ等が収まるまでの時間が短縮され、秤量装置が不安定になることがなく、計測精度を高めることができる。その結果、高速搬送においても、カプセル14を秤量台18に正確に停止させ、安定的な計量を行うことができる。
【0041】
さらに、重量測定装置1では、
図5(a)に示すように、秤量部10から搬送部材2の第1押出面3によって搬出されるカプセル14が、上記同様の慣性力等によって搬送方向下流側へと勢いがつき(
図3(b)中矢線28B)飛び出そうとすると、
図3(b)に示すように、第2抑止面6に当たる。これにより、秤量部10につづいてバッファ部11が存在する場合には、秤量部10から搬出されたカプセル14を、確実にバッファ部11に留めることができる。その結果、高速に搬送を行った場合においても、カプセル14の素材や質量、弾性力等に影響されず、第1押出面3によって押し出されて秤量部10から搬出されるカプセル14の搬送方向下流側への飛び出し、すなわち、バッファ部11から逸脱し飛び出してしまうことを規制することができる。
【0042】
なお、上記実施形態では、搬送部材2を、E字状下向きの空間を備えた構成で説明したが、上述の通り、カプセル14を秤量台18上に確実に停止させるには、第1押出面3と第1抑止面があればよく、第1押出面3と第1抑止面5の間にカプセル14の搬送を1つずつ区切るための空間である間隙部24を有するコ字状下向きの構成としてもよい。
【0043】
次に、本発明の第2実施形態に係る重量測定装置を説明する。
図7は第2実施形態に係る搬送部材31の側面図、
図8(a)は第2実施形態の搬送部材31によって秤量台18の被測定物が搬出開始されるときの動作説明図、(b)は秤量台18の被測定物が搬出途中の動作説明図、(c)は秤量台18の被測定物が第3工程部に到達したときの動作説明図である。
なお、以下の実施形態において、
図1〜
図6に示した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
第2実施形態に係る重量測定装置は、搬送部材31がコ字に形成される。上述した実施形態の搬送部材2がE字状に形成されているのに比べ、間隙部24が無い形状で単純化されている。
この搬送部材31は、上記実施形態の後爪部20と中爪部21が、1つの単体爪部32で形成される。単体爪部32は、搬送方向下流側の面が第1押出面3となり、搬送方向上流側の面が第1抑止面5となる。その他の構成は、重量測定装置1と同一である。
【0044】
この搬送部材31では、まず、
図8(a)に示すように、秤量台18のカプセル14が搬送部材31によって搬出開始されると、同時に、プッシャー17が次のカプセル14を供給部9から秤量台18へ向けて押し出す。
図8(b)に示すように、搬送部材31と、プッシャー17とが搬送方向に移動することで、秤量台18のカプセル14がバッファ部11に搬送途中とされ、供給部9のカプセル14が秤量台18に搬送途中とされる。
図8(c)に示すように、秤量台18に載置されていたカプセル14は、搬送部材31によってバッファ部11へ載置される。また、次のカプセル14がプッシャー17によって秤量台18に載置される。
この搬送部材31によれば、搬送部材31の構造を簡素にできる。また、搬送部材31を軽量化して、より高速移動を可能にできる。
【0045】
次に、本発明の第3実施形態に係る重量測定装置を説明する。
図9は第3実施形態に係る搬送部材33の側面図、
図10(a)は第3実施形態の搬送部材33によって秤量台18の被測定物が搬出開始されるときの動作説明図、(b)は秤量台18の被測定物が搬出途中の動作説明図、(c)は秤量台18の被測定物が第3工程部に到達したときの動作説明図である。
第3実施形態に係る重量測定装置は、搬送部材33の第1押出面3と第1抑止面5とが、ブロック形状部の前後面に形成されている。
搬送部材33は、上述した実施形態の後爪部20と中爪部21が、間隙部24を有せずに1つのブロック爪部34で形成される。このブロック爪部34は、搬送方向下流側の面が第1押出面3となり、搬送方向上流側の面が第1抑止面5となる。上記の単体爪部32と異なり、第1押出面3と第1抑止面5との間に、上述した実施形態の搬送部材2に設けた間隙部24と同様の間隙幅が確保されている。その他の構成は、重量測定装置1と同一である。
【0046】
この搬送部材33では、まず、
図10(a)に示すように、秤量台18のカプセル14が搬出開始されると、同時に、プッシャー17が次のカプセル14を供給部9から秤量台18へ向けて押し出す。
図10(b)に示すように、搬送部材33と、プッシャー17とが搬送方向に移動することで、秤量台18のカプセル14がバッファ部11に搬送途中となり、供給部9のカプセル14が秤量台18に搬送途中とされる。。
図10(c)に示すように、秤量台18に載置されていたカプセル14は、搬送部材33によってバッファ部11へ載置される。また、次のカプセル14がプッシャー17によって秤量台18に載置される。
この搬送部材33によれば、搬送部材33の構造を簡素にしながら、第1押出面3と第1抑止面5との間に、搬送部材2と同様の間隙を確保することができる。搬送部材33は、ブロック爪部34を形状に含む樹脂材等による一体成形品とすることができる。この結果、搬送部材33は、高精度、且つ高強度のものが、大量生産可能となる。
【0047】
従って、本発明に係る重量測定装置1によれば、カプセル14の素材や質量、弾性力等に影響されず、高速な搬送を行うことができ、秤量部10の載置面19等、所定の位置にカプセル14を正確に停止させ載置することができる。
【0048】
なお、上述した各実施形態では、搬送部材2,31,33の各押出面3,4、及び各抑止面5,6の形状について、特に詳述せず、図示のように側面視で略垂直な平面状とされた例を示したが、これら面3,4,5,6の形状は湾曲するような形状としてもよく、例えば抑止面5,6の形状を平面視でU字状やコ字状として、搬送方向に向かって搬送方向下流側となる正面と左右側方の三方が囲まれるような形状としてもよく、このような形状とすることで、被測定物であるカプセル14の逸脱を、搬送方向下流側のみではなく、側方への逸脱も防ぐことが可能となる。