(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289213
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】圧縮材係止金具
(51)【国際特許分類】
E04B 9/18 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
E04B9/18 B
E04B9/18 E
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-72539(P2014-72539)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-194021(P2015-194021A)
(43)【公開日】2015年11月5日
【審査請求日】2017年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】598153847
【氏名又は名称】株式会社奥村製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(72)【発明者】
【氏名】奥村 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】奥村 彰啓
【審査官】
富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−088927(JP,A)
【文献】
米国特許第04084364(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井下地材を吊持する吊ボルトに沿って配設される圧縮材の上端部を、吊ボルトに係止するための圧縮材係止金具であって、
圧縮材の上端部に固定される固定板部と、
該固定板部から前上方に延出する上部係止板部と、
該上部係止板部の下方で、固定板部から前方に延出する下部係止板部と
を備えてなり、
上部係止板部には、吊ボルトを挿通可能な係止孔と、周縁から吊ボルトを係止孔に挿入可能とする案内溝とが切欠状に形成され、
下部係止板部は、係止孔の下方で、幅方向から吊ボルトと係合する側方係止部を備え、
圧縮材の上端部に固定された状態で、上部係止板部が略水平となるよう圧縮材を傾けると、係止孔の前後幅が広がるとともに、側方係止部が係止孔の下方から退避することにより、案内溝を介して上部係止板部の周縁から係止孔に吊ボルトを挿入可能となり、
圧縮材の上端部に固定されて、吊ボルトを係止孔に挿入した状態で、圧縮材を吊ボルトに沿って垂直にすると、係止孔の前後幅が吊ボルトの径と略等しくなることにより、係止孔で吊ボルトと前後方向に係合し、また、係止孔の下方で、側方係止部が吊ボルトと幅方向に係合することを特徴とする圧縮材係止金具。
【請求項2】
固定板部と上部係止板部と下部係止板部とは、屈曲する一枚の金属板によって構成されており、
上部係止板部は、固定板部の上縁に形成された屈曲部から、前上方に延成され、
下部係止板部は、固定板部の下縁に形成された屈曲部から、前方に延成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮材係止金具。
【請求項3】
下部係止板部は、圧縮材の上端部に固定され、吊ボルトを係止孔に挿入して、圧縮材を吊ボルトに沿って垂直にした状態で、係止孔の下方で、吊ボルトに前方から近接する傾動規制部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧縮材係止金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井構造にあって、天井下地材を吊持する吊ボルトに沿って配設される圧縮材の上端部を吊ボルトに係止する圧縮材係止金具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な天井構造は、天井スラブ等から吊ボルトを垂下させて、該吊ボルトの下端に天井下地材を吊持し、該天井下地材に天井板を支持する構造となっている。また、近年では、吊ボルトの補強を目的として、吊ボルトに沿って圧縮材を配設した天井構造が提案されている。かかる天井構造では、圧縮材は、吊ボルトの略全長に亘って配設され、その上端部は吊ボルトの上端部に係止される。そして、圧縮材の上端部を吊ボルトに係止する圧縮材係止金具として、吊ボルトを囲う吊ボルト囲繞部と、圧縮材の上端部を吊ボルトに係止する係止部とからなる金具が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−9450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の圧縮材係止金具は、吊ボルトを囲繞する構成であるため、少なくとも二片の金属部材によって構成して、施工現場で二片の金属部材を、吊ボルトを囲繞するように組み付ける作業が必要である。このため、上記特許文献1の圧縮材係止金具は、圧縮材の上端部を吊ボルトに係止する作業が煩雑となっている。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、圧縮材の上端部を吊ボルトに容易に係止可能な圧縮材係止金具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、天井下地材を吊持する吊ボルトに沿って配設される圧縮材の上端部を、吊ボルトに係止するための圧縮材係止金具であって、圧縮材の上端部に固定される固定板部と、該固定板部から前上方に延出する上部係止板部と、該上部係止板部の下方で、固定板部から前方に延出する下部係止板部とを備えてなり、上部係止板部には、吊ボルトを挿通可能な係止孔と、周縁から吊ボルトを係止孔に挿入可能とする案内溝とが切欠状に形成され、下部係止板部は、係止孔の下方で、幅方向から吊ボルトと係合する側方係止部を備え、圧縮材の上端部に固定された状態で、上部係止板部が略水平となるよう圧縮材を傾けると、係止孔の前後幅が広がるとともに、側方係止部が係止孔の下方から退避することにより、案内溝を介して上部係止板部の周縁から係止孔に吊ボルトを挿入可能となり、圧縮材の上端部に固定されて、吊ボルトを係止孔に挿入した状態で、圧縮材を吊ボルトに沿って垂直にすると、係止孔の前後幅が吊ボルトの径と略等しくなることにより、係止孔で吊ボルトと前後方向に係合し、また、係止孔の下方で、側方係止部が吊ボルトと幅方向に係合することを特徴とする圧縮材係止金具である。ここで、圧縮材係止金具の「前方」とは、水平方向であって、固定板部に対して吊ボルトが配置されることとなる方向を指す。また、「幅方向」とは、水平方向であって、「前方」と直交する方向を指す。
【0007】
かかる圧縮材係止金具は、圧縮材の上端部に固定して、圧縮材を傾けた状態で吊ボルトを係止孔に挿入し、圧縮材を吊ボルトに沿って垂直にするだけで、圧縮材の上端部を吊ボルトに係止できる。かかる圧縮材係止金具は、一片の金属部材で構成可能であり、圧縮材の上端部に固定するだけで使用可能であるから、上記従来構成に比べて圧縮材の上端部を吊ボルトに容易に係止できる。
【0008】
本発明にあって、固定板部と上部係止板部と下部係止板部とは、屈曲する一枚の金属板によって構成されており、上部係止板部は、固定板部の上縁に形成された屈曲部から、前上方に延成され、下部係止板部は、固定板部の下縁に形成された屈曲部から、前方に延成されている構成が提案される。
【0009】
かかる構成にあっては、一枚の金属板を屈曲させるだけで、固定板部と上部係止板部と下部係止板部とを簡単に形成できるため、二片以上の金属部材が必要な特許文献1の圧縮材係止金具に比べて、極めて低廉に実現できるという利点がある。
【0010】
また、本発明にあって、下部係止板部は、圧縮材の上端部に固定され、吊ボルトを係止孔に挿入して、圧縮材を吊ボルトに沿って垂直にした状態で、係止孔の下方で、吊ボルトに前方から近接する傾動規制部を備える構成が提案される。
【0011】
圧縮材の下端部を傾動させて吊ボルトに沿って垂直にする時に、圧縮材の下端部を吊ボルトに近づけ過ぎると、係止孔の前後幅が吊ボルトの径より狭くなり、上部係止板部に大きな負荷がかかって変形するおそれがあるが、かかる構成によれば、傾動規制部が前方から吊ボルトに突き当たることで、圧縮材の下端部が吊ボルトに接近しすぎるのを阻止して、上部係止板部の変形を防止できる。
【発明の効果】
【0012】
以上に述べたように、本発明によれば、従来構成の圧縮材係止金具に比べて、圧縮材の上端部を吊ボルトに容易に係止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施例1の圧縮材係止金具1を用いた天井構造を示す説明図である。
【
図9】圧縮材係止金具1の使用状態を示す平面図である。
【
図10】圧縮材係止金具1の使用状態を示す正面図である。
【
図11】圧縮材係止金具1の使用状態を示す縦断側面図である。
【
図12】圧縮材係止金具1を用いて圧縮材iの上端部を吊ボルトdに係止する手順を示す説明図である。
【
図13】圧縮材係止金具1を用いて圧縮材iの上端部を吊ボルトdに係止する手順を別角度から示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
【0015】
図1は、本実施例の圧縮材係止金具1を用いた天井構造の施工例である。かかる天井構造は、格子状に組み付けられた天井下地材aと、該天井下地材aの下部に支持された天井板bと、上端部を天井スラブcに埋設されて鉛直方向に垂下する吊ボルトdと、天井下地材aを吊ボルトdの下端部に連結するハンガーeとを備えている。また、天井下地材aとハンガーeの連結部分には、公知の補強金具gが取り付けられる。そして、かかる天井構造には、吊ボルトdに沿って圧縮材iが配設される。圧縮材iは、
図2に示すように、帯状鋼板を断面コ字状に屈曲させてなるものであり、吊ボルトdと正対する中板i1と、吊ボルトdの両側に位置する側板i2,i2とによって構成される。圧縮材iは、吊ボルトdの全長に亘って配設されており、本実施例の圧縮材係止金具1によって、上端部を吊ボルトdに係止され、下端部を補強金具gにネジ止めされている。かかる天井構造は、圧縮材係止金具1を除き、既存の天井構造の構成を広く採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0016】
本実施例の圧縮材係止金具1は、
図3〜8に示すように、金属鋼板をプレス加工してなるものである。圧縮材係止金具1は、圧縮材iの正面に固定される垂直な固定板部2と、固定板部2の上縁の屈曲部13aから前上方に延出する上部係止板部3と、固定板部2の下縁の屈曲部13bから前方に延出する下部係止板部4とを備えている。
【0017】
固定板部2は、垂直な矩形平板状をなしており、その幅寸法は、圧縮材iよりもわずかに幅狭となっている。
図9〜11に示すように、圧縮材係止金具1は、固定板部2を圧縮材iの正面、すなわち中板i1の正面に被着して、タッピンネジhで固定板部2を中板i1にネジ止めすることにより圧縮材iの上端部に固定される。固定板部2の中央付近には、タッピンネジhを挿通するネジ挿通孔10が予め形成されている。なお、固定板部2を圧縮材iに固定する方法は、ネジ止めに限定されず、溶接などの固定方法も採用できる。
【0018】
上部係止板部3は、金属鋼板を屈曲させることにより固定板部2の上縁に延成されたものであり、水平面に対して約20°の角度で前上方に延出している。この上部係止板部3には、吊ボルトdと前後方向に係合するための係止孔11と、左側縁から係止孔11に吊ボルトdを挿入可能とする幅方向の案内溝12とが切欠状に形成されており、平面視において、つ字状をなしている。
図9〜11に示すように、係止孔11及び案内溝12の前後幅は、吊ボルトdの径と略等しく設計されており、係止孔11に吊ボルトdを内嵌させた状態で、係止孔11の前後縁部分で吊ボルトdと前後方向に係合し得るよう構成されている。なお、後述するように、上部係止板部3が水平になるよう圧縮材係止金具1を傾けた場合は、係止孔11と案内溝12の前後幅が吊ボルトdよりも幅広となるため、上部係止板部3の左側縁から、案内溝12を介して吊ボルトdを係止孔11に抵抗なく容易に挿入可能となる。
【0019】
下部係止板部4は、金属鋼板を屈曲させることにより固定板部2の下縁に形成されたものであり、略水平に前方に延出している。この下部係止板部4は、吊ボルトdと幅方向に係合する左右一対の側方係止部14a,14bと、吊ボルトdの正面に近接する傾動規制部15とを備えており、平面視においてU字状をなしている。
【0020】
図9〜11に示すように、側方係止部14a,14bの内側縁の間には、前方が開放された前後方向の保持溝孔16が形成される。かかる保持溝孔16は、吊ボルトdの径よりもわずかに幅広な幅寸法をなし、係止孔11と上下方向に重なる位置に形成されており、係止孔11に吊ボルトdを内嵌させた時に、係止孔11の下方で、吊ボルトdが保持溝孔16に内嵌して、側方係止部14a,14bが吊ボルトdと幅方向に係合するよう構成される。
【0021】
傾動規制部15は、保持溝孔16の突き当り部分を形成する。傾動規制部15の前縁は、係止孔11の後縁と上下に略重なる位置に形成され、係止孔11の下方で、前方から吊ボルトdに近接することで、圧縮材iの下端部が吊ボルトdに過度に接近するのを防止する。
【0022】
以下に、上記圧縮材係止金具1を用いて圧縮材iの上端部を吊ボルトdに係止する方法を説明する。
【0023】
まず、圧縮材iの上端部に圧縮材係止金具1を固定する。具体的には、
図9〜11に示すように、圧縮材iの中板i1の上端部正面側に固定板部2を被着し、タッピンネジh,hを用いてネジ挿通孔10,10の部分を中板i1にネジ止めする。
【0024】
続いて、
図12(a),13(a)に示すように、上部係止板部3が略水平になるよう圧縮材iを傾けて、案内溝12を介して吊ボルトdの上端部を係止孔11に挿入する。この時、上部係止板部3が略水平となることで、係止孔11と案内溝12の前後幅が吊ボルトdの径より幅広となるため、吊ボルトdを抵抗なく係止孔11に容易に挿入できる。また、係止孔11と案内溝12の下方に配設された下部係止板部4は、圧縮材係止金具1が傾くことで、後方に退避しているため、かかる状態では、吊ボルトdを下部係止板部4と干渉させることなく係止孔11に挿入できる。
【0025】
吊ボルトdを係止孔11に挿入した後は、
図12(b),13(b)に示すように、圧縮材iが吊ボルトdに沿って垂直になるように、圧縮材iの下端部を、上端部を中心に前方に傾動させる。そして、圧縮材iを傾動して垂直にすると、
図12(c),13(c)に示すように、圧縮材iの傾動とともに前方に進出した下部係止板部4の保持溝孔16に吊ボルトdが内嵌することとなる。かかる状態では、上部係止板部4が水平面に対して傾いて、係止孔11の前後幅が吊ボルトdと略等しくなることで、吊ボルトdが係止孔11に密嵌して、吊ボルトdと係止孔11とが前後方向に係合する。また、かかる状態では、吊ボルトdは、下部係止板部4の側方係止部14a,14と幅方向に係合することとなる。すなわち、かかる状態にあっては、係止孔11で吊ボルトdと前後方向に係合し、保持溝孔16において吊ボルトdと幅方向に係合することで、圧縮材iの上端部が、圧縮材係止金具1を介して吊ボルトdの上端部に係止される。
【0026】
また、
図12(c),13(c)に示すように、圧縮材iを吊ボルトdに沿って垂直にした状態で、圧縮材iの下端部を吊ボルトdにさらに近接させると、係止孔11の前後幅が吊ボルトdの径より狭くなり、上部係止板部3に大きな負荷がかかって、上部係止板部3が変形するおそれがある。本実施例では、かかる上部係止板部3の変形を防止するために、圧縮材iを吊ボルトdに沿って垂直にした時に、下部係止板部4の傾動規制部15を、吊ボルトdに前方から近接させて、圧縮材iの下端部の前方傾動を規制している。
【0027】
上述のように、圧縮材係止金具1を介して圧縮材iの上端部を吊ボルトdに係止したら、
図1に示すように、圧縮材iの下端部を吊ボルトdの下端部付近の補強金具gにネジ止めすれば、圧縮材iの天井構造への取付けが完了する。なお、圧縮材iの下端部の固定方法はネジ止めに限定されず、固定対象も補強金具gに限らず、吊ボルトdやハンガーeに固定するようにしてもよい。
【0028】
以上のように、本実施例の圧縮材係止金具1は、圧縮材iの上端部に固定して、圧縮材iを傾けた状態で吊ボルトdを上部係止板部3の係止孔11に挿入し、圧縮材iを吊ボルトdに沿って垂直にするだけで、圧縮材iの上端部を吊ボルトdに係止できる。したがって、かかる圧縮材係止金具1によれば、吊ボルトを囲繞するように二片の金属部材を組み付ける従来の金具に比べて、圧縮材iの上端部を吊ボルトdに対して容易に係止できるという利点がある。特に、本実施例の圧縮材係止金具1は、最初に、圧縮材iの上端部に固定しておけば、圧縮材係止金具1を吊ボルトdに係止する作業は、圧縮材iの中央部や下端部を把持して行うことができるから、作業者は吊ボルトdの上端部まで上ることなく、吊ボルトdの上端部に圧縮材iを係止できるという利点がある。
【0029】
また、本実施例の圧縮材係止金具1は、一枚の金属平板に、溝や孔10,11,12,16を形成し、上下二箇所で屈曲させるだけで製造できるため、従来の圧縮材係止金具に比べて簡単かつ低廉に製造できるという利点がある。
【0030】
なお、本発明のブレース上部取付金具は、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、本発明の圧縮材係止金具は、上記実施例の天井構造に限らず、吊ボルトに沿って圧縮材を取り付ける天井構造全般に使用可能である。
【0031】
また、上記実施例の圧縮材係止金具1は、横断面コ字状の圧縮材iに固定しているが、本発明の圧縮材係止金具は、横断面コ字状以外の圧縮材を係止するのにも使用できる。圧縮材のその他の横断面形状としては、横断面L字状などが挙げられる。
【0032】
また、上記実施例は、左右一対の側方係止部14a,14bによって、幅方向の両側から吊ボルトdと係合し得るよう構成されているが、本発明に係る側方係止部は、少なくとも、吊ボルトの係止孔からの脱落を防止する側で、吊ボルトと係合すれば足りる。すなわち、上記実施例であれば、案内溝12と上下に重なる側に設けられた側方係止部14aがあれば足りる。
【0033】
また、上記実施例では、直線状の案内溝12を介して吊ボルトdを係止孔11に挿入可能としているが、本発明に係る案内溝の形状は、直線状に限らず。L字状や曲線状などにしてもかまわない。
【符号の説明】
【0034】
1 圧縮材係止金具
2 固定板部
3 上部係止板部
4 下部係止板部
10 ネジ挿通孔
11 係止孔
12 案内溝
13a,13b 屈曲部
14a,14b 側方係止部
15 傾動規制部
16 保持溝孔
a 天井下地材
b 天井板
c 天井スラブ
d 吊ボルト
e ハンガー
g 補強金具
h タッピンネジ
i 圧縮材