特許第6289282号(P6289282)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6289282-地中埋設箱の管接続部防蟻構造 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289282
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】地中埋設箱の管接続部防蟻構造
(51)【国際特許分類】
   H02G 9/10 20060101AFI20180226BHJP
   E04B 1/72 20060101ALI20180226BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   H02G9/10
   E04B1/72
   H02G1/06
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-123648(P2014-123648)
(22)【出願日】2014年6月16日
(65)【公開番号】特開2016-5335(P2016-5335A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2016年12月15日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)平成26年5月28日〜30日にインテックス大阪にて開催の「第62回電設工業展 JECA FAIR 2014」において、印刷物の展示および配布
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079968
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 光司
(72)【発明者】
【氏名】安田 真之
(72)【発明者】
【氏名】加納 一啓
【審査官】 木村 励
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−11128(JP,A)
【文献】 国際公開第99/047763(WO,A1)
【文献】 特開2011−226248(JP,A)
【文献】 特開平5−298940(JP,A)
【文献】 特開2000−188819(JP,A)
【文献】 特開2011−26945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 9/10
H02G 1/06
E04B 1/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設される地中埋設箱の、保護管が直接接続される接続部分の防蟻構造であって、
前記地中埋設箱の側壁に形成された貫通孔に、前記保護管が直接接続されて、前記保護管内と前記地中埋設箱内とに渡ってケーブルが配設され、
前記接続部分である貫通孔において、前記ケーブルと、前記保護管との間が、防蟻成分を含有するとともに通水性を備えた防蟻具により、閉塞される、地中埋設箱の管接続部防蟻構造。
【請求項2】
地中に埋設される地中埋設箱の、保護管が接続具を介して接続される接続部分の防蟻構造であって、
前記地中埋設箱の側壁に形成された貫通孔に、前記保護管が前記接続具を介して接続されて、前記保護管内と前記地中埋設箱内とに渡ってケーブルが配設され、
前記接続部分である貫通孔において、前記ケーブルと、前記接続具との間が、防蟻成分を含有するとともに通水性を備えた防蟻具により、閉塞される、地中埋設箱の管接続部防蟻構造。
【請求項3】
前記防蟻具は、前記ケーブルの外周に巻きつけ可能なシート状に形成された防蟻シートからなる、請求項1または2に記載の地中埋設箱の管接続部防蟻構造。
【請求項4】
前記防蟻シートは、不織布に前記防蟻成分を内包したマイクロカプセルが付着されて形成される、請求項に記載の地中埋設箱の管接続部防蟻構造。
【請求項5】
前記保護管は、その保護管自身が防蟻成分を含有する材料で形成され、または、その保護管の内面を形成する層が防蟻成分を含有する材料で形成される、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地中埋設箱の管接続部防蟻構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地中埋設箱の、保護管が接続される接続部分の防蟻構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ケーブルが配設される管路内にシロアリが住むのを防止するため、管路内に防蟻剤を散布してシロアリを駆除する方法が知られていた(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、管路内に雨水や地下水が流れ込むと、その水とともに防蟻剤が流れてしまい、防蟻効果が低下する虞があった。
【0003】
そこで、管路の両端を封止部材で閉塞し、両封止部材間に、水溶化した防蟻剤を吸収させた吸水性高分子を充填することがあった(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2795512号公報
【特許文献2】特開2009−11128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記従来の封止部材で管路の両端を閉塞する方法では、管路(保護管)内に雨水や地下水が流れ込むと、その水が抜けることができず、ケーブルが常に水に浸されることとなった。しかし、ケーブルは、水に長期間浸されることで、その水が浸透し絶縁性が低下する等の虞があった。
【0006】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、シロアリの移動を防ぐことができ、かつ、ケーブルへの水の浸透を防ぐことができる、地中埋設箱の管接続部防蟻構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る地中埋設箱の管接続部防蟻構造は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る地中埋設箱の管接続部防蟻構造は、地中に埋設される地中埋設箱の、保護管が直接接続される接続部分の防蟻構造であって、前記地中埋設箱の側壁に形成された貫通孔に、前記保護管が直接接続されて、前記保護管内と前記地中埋設箱内とに渡ってケーブルが配設される。ここで、前記接続部分である貫通孔において、前記ケーブルと、前記保護管との間が、防蟻成分を含有するとともに通水性を備えた防蟻具により、閉塞される。
【0008】
この防蟻構造によると、地中埋設箱の、保護管が直接接続される接続部分において、ケーブルと、保護管との間が、防蟻具により閉塞される。したがって、この防蟻具により、保護管内と地中埋設箱内との間をシロアリが移動するのを防ぐことができる。そして、防蟻具は、通水性を備えており、保護管内に雨水や地下水が流れ込んだとしても、その水は、防蟻具を通過して、地中埋設箱側へと流れ出ることができる。このため、ケーブルが水に長期間浸されることがない。
また、請求項2に記載の発明に係る地中埋設箱の管接続部防蟻構造は、地中に埋設される地中埋設箱の、保護管が接続具を介して接続される接続部分の防蟻構造であって、前記地中埋設箱の側壁に形成された貫通孔に、前記保護管が前記接続具を介して接続されて、前記保護管内と前記地中埋設箱内とに渡ってケーブルが配設される。ここで、前記接続部分である貫通孔において、前記ケーブルと、前記接続具との間が、防蟻成分を含有するとともに通水性を備えた防蟻具により、閉塞される。
この防蟻構造によると、地中埋設箱の、保護管が接続具を介して接続される接続部分において、ケーブルと、接続具との間が、防蟻具により閉塞される。したがって、この防蟻具により、保護管内と地中埋設箱内との間をシロアリが移動するのを防ぐことができる。そして、防蟻具は、通水性を備えており、保護管内に雨水や地下水が流れ込んだとしても、その水は、防蟻具を通過して、地中埋設箱側へと流れ出ることができる。このため、ケーブルが水に長期間浸されることがない。
【0009】
また、請求項に記載の発明に係る地中埋設箱の管接続部防蟻構造のように、請求項1または2に記載の防蟻構造において、前記防蟻具は、前記ケーブルの外周に巻きつけ可能なシート状に形成された防蟻シートからなってもよい。こうして、防蟻具が防蟻シートからなり、その防蟻シートをケーブルの外周に巻きつけることで、ケーブルとか、保護管や接続具の各種サイズに対応することができる。
【0010】
また、請求項に記載の発明に係る地中埋設箱の管接続部防蟻構造のように、請求項に記載の防蟻構造において、前記防蟻シートは、不織布に前記防蟻成分を内包したマイクロカプセルが付着されて形成されてもよい。このように、防蟻シートが不織布を用いたものであると、そのことによって、防蟻シートは、通水性を備えるが、その不織布がシロアリに絡み付きやすく、その不織布自身によってもシロアリの移動を防ぐことができる。
【0011】
また、請求項に記載の発明に係る地中埋設箱の管接続部防蟻構造のように、請求項1ないしのいずれか1項に記載の防蟻構造において、前記保護管は、その保護管自身が防蟻成分を含有する材料で形成され、または、その保護管の内面を形成する層が防蟻成分を含有する材料で形成されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る地中埋設箱の管接続部防蟻構造によれば、防蟻具により、シロアリの移動を防ぐことができ、かつ、防蟻具が通水性を備えることで、ケーブルが水に長期間浸されることがなく、ケーブルへの水の浸透を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の一実施の形態の、断面図である。
図2】同じく、変形例を示す、要部拡大断面図である。
図3】同じく、他の変形例を示す、要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明に係る地中埋設箱の管接続部防蟻構造を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、地中を示し、2は、地中1に埋設される地中埋設箱を示す。3は、前記地中埋設箱2に接続される保護管を示す。4は、前記保護管3内に通されるケーブル(電力ケーブルとか通信ケーブル(光ファイバケーブルを含む))を示す。5は、前記地中埋設箱2の、前記保護管3が接続される接続部分の防蟻構造を示す。
【0016】
この防蟻構造5は、地中埋設箱2の側壁2aに形成された貫通孔2bに、保護管3が直接または接続具を介して接続されて(図示実施の形態においては、保護管3が直接接続されて)、保護管3内と地中埋設箱2内とに渡ってケーブル4が配設される。そして、接続部分である貫通孔2bにおいて、ケーブル4と、保護管3または接続具(図示実施の形態においては、保護管3)との間が、防蟻成分を含有するとともに通水性を備えた防蟻具6により、閉塞される。
【0017】
具体的には、地中埋設箱2は、ハンドホールとかマンホール等からなる。この地中埋設箱2は、接合部2cを有する。詳細には、地中埋設箱2は、底壁2dと側壁2aとを有する箱本体2eと、その箱本体2eの上方の開口2f周りに配置される枠状の蓋受け2gと、開口2fを閉じるように蓋受け2gに載せられる蓋体2hとを備える。さらに、箱本体2eは、側壁2aの中間位置で分離されて、下側の第1構成体2iと、上側の第2構成体2jとで構成される。そこで、第1構成体2iと第2構成体2jとの間が前記接合部2cとしての第1接合部2kとなり、この第1接合部2kには、一般には、ブチルパテ等のパテが詰められる。そして、箱本体2e(詳しくは、第2構成体2j)と蓋受け2gとの間が前記接合部2cとしての第2接合部2mとなり、蓋受け2gと蓋体2hとの間が前記接合部2cとしての第3接合部2nとなる。
【0018】
保護管3は、ケーブル4を収容保護する電線管であって、図示実施の形態においては、その長手方向に波が形成された波付管からなり、可撓性を備える。そして、保護管3は、少なくとも内面側に防蟻処理が施されている。詳細には、保護管3の、少なくとも内面側に施される防蟻処理は、保護管3自身が防蟻成分を含有する材料で形成されることによる。この防蟻成分としては、例えば、クロチアニジン等のネオニコチノイド系化合物、ピレスロイド系剤、有機リン剤、カーバメート剤、ホウ素化合物、フッ素化合物などが挙げられる。この防蟻成分は、通常、マイクロカプセルに封入され、ベースとなる合成樹脂材料とともに混練されて成形される。
【0019】
防蟻具6は、例えば、ケーブル4の外周に巻きつけ可能なシート状に形成された防蟻シート6aからなる。そして、この防蟻シート6aは、不織布に防蟻成分を含有するものである。詳細には、防蟻シート6aは、不織布に防蟻成分を内包したマイクロカプセルが付着(詳しくは、非水溶性の接着剤を用いて接着されることによる付着)されて形成される。ここで、防蟻成分としては、保護管3の場合と同様の成分が挙げられる。なお、図示実施の形態においては、保護管3の口元部分には、ベルマウス7が挿入されて、防蟻シート6a(防蟻具6)は、ケーブル4とベルマウス7との間に詰められる。
【0020】
また、ケーブル4は、地中埋設箱2内において、連結具8により連結されている。そして、連結具8の両端においては、その連結具8とケーブル4とに跨がるように、前記防蟻シート6aと同様の防蟻シート9が巻きつけられる。
【0021】
また、地中埋設箱2は、その地中埋設箱2の内面において、その地中埋設箱2が有する接合部2cに跨がって、またはその接合部2cと貫通孔2bとの間に、防蟻成分を含有する防蟻具2pが配置される。図示実施の形態においては、第1接合部2kに跨がって、防蟻具2pとしての第1防蟻シート2qが配置され、第2接合部2mおよび第3接合部2nと貫通孔2bとの間に、防蟻具2pとしての第2防蟻シート2rが配置される。ここで、第1および第2防蟻シート2q、2rは、前述の防蟻シート6aと同様に、不織布に防蟻成分を含有するものであって、詳細には、不織布に防蟻成分を内包したマイクロカプセルが付着(詳しくは、非水溶性の接着剤を用いて接着されることによる付着)されて形成される。そして、この防蟻成分としては、保護管3の場合と同様の成分が挙げられる。なお、図中符号10は、地中埋設箱2の貫通孔2bにおいて、その内面と保護管3との間の隙間を埋めるモルタル等の充填材を示す。
【0022】
次に、以上の構成からなる地中埋設箱2の管接続部防蟻構造5の作用効果について説明する。この防蟻構造5によると、地中埋設箱2の、保護管3が接続される接続部分である貫通孔2bにおいて、ケーブル4と、保護管3または接続具(図示実施の形態においては、保護管3)との間が、防蟻具6により閉塞される。したがって、この防蟻具6により、保護管3内と地中埋設箱2内との間をシロアリが移動するのを防ぐことができる。そして、防蟻具6は、通水性を備えており、保護管3内に雨水や地下水が流れ込んだとしても、その水は、防蟻具6を通過して、地中埋設箱2側へと流れ出ることができる。このため、ケーブル4が水に長期間浸されることがない。すなわち、この防蟻構造5によれば、防蟻具6により、シロアリの移動を防ぐことができ、かつ、防蟻具6が通水性を備えることで、ケーブル4が水に長期間浸されることがなく、ケーブル4への水の浸透を防ぐことができる。なお、地中埋設箱2内に入った水は、ポンプ等により排出されたり、また、地中埋設箱2に水抜き孔が設けられる場合には、その水抜き孔を通して排出される。
【0023】
また、防蟻具6は、防蟻シート6aからなる。このため、その防蟻シート6aをケーブル4の外周に巻きつけることで、ケーブル4とか、保護管3や接続具(図示実施の形態においては、保護管3)の各種サイズに対応することができる。
【0024】
また、防蟻シート6a(防蟻具6)は、不織布を用いたものであり、そのことによって、防蟻シート6aは、通水性を備えるが、その不織布がシロアリに絡み付きやすく、その不織布自身によってもシロアリの移動を防ぐことができる。
【0025】
また、地中埋設箱2は、その内面において、防蟻具2pが、接合部2cに跨がって配置されたり、接合部2cと貫通孔2bとの間に配置されたりする。そこで、防蟻具2p(詳しくは、第1防蟻シート2q)が接合部2c(詳しくは、第1接合部2k)に跨がって配置されると、接合部2c(詳しくは、第1接合部2k)から内部に侵入しようとするシロアリを、その防蟻具2p(詳しくは、第1防蟻シート2q)でくい止めることができ、そのシロアリが保護管3とかケーブル4に達するのを防ぐことができる。そして、防蟻具2p(詳しくは、第2防蟻シート2r)が接合部2c(詳しくは、第2接合部2mとか第3接合部2n)と貫通孔2bとの間に配置された場合には、シロアリが接合部2c(詳しくは、第2接合部2mとか第3接合部2n)から内部に侵入したとしても、その防蟻具2p(詳しくは、第2防蟻シート2r)により、シロアリが保護管3とかケーブル4に達するのを防ぐことができる。
【0026】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、保護管3は、波付管でなくとも、平滑管であってもよい。
【0027】
また、保護管3は、その保護管3自身が防蟻成分を含有する材料で形成されるが、その保護管3が多層管からなる場合には、その保護管3の内面を形成する層(内層)が防蟻成分を含有する材料で形成されてもよい。また、保護管3の内面側に防蟻処理を施す方法としては、保護管3の全体または前記内層の材料が防蟻成分を含有する以外に、保護管3の内面に、防蟻成分を有する防蟻剤を塗布、散布して付着させてもよい。また、これら防蟻処理は、必要なければ無くともよい。
【0028】
また、保護管3に挿入されるベルマウス7においても、保護管3と同様に、防蟻処理が施されてもよい。
【0029】
また、防蟻具6は、シート状に形成された防蟻シート6aからならなくとも、ケーブル4が挿入される筒状体からなって、例えば、通水性を備えた多孔質材料によって形成されてもよい。
【0030】
また、地中埋設箱2内に配置される防蟻具2pは、不織布によって形成されなくとも、前述した防蟻成分が、例えばマイクロカプセルに封入され、ベースとなる合成樹脂材料とともに混練されてシート状に成形されたものでもよい。
【0031】
また、図2に示すように、保護管3は、地中埋設箱2の貫通孔2bに、直接接続されなくとも、接続具11を介して接続されてもよい。そして、この場合には、ケーブル4と接続具11との間が、防蟻具6により閉塞される。ここで、接続具11は、筒状に形成された、第1コネクタ11aと第2コネクタ11bとを備える。第1コネクタ11aは、地中埋設箱2の外側に配置されて、保護管3が挿入され接続される。第2コネクタ11bは、地中埋設箱2の内側から貫通孔2bに挿入されて第1コネクタ11aに、例えばねじ込まれることにより連結される。また、この接続具11においては、第1コネクタ11aの内面と保護管3の外面との間に、オーリング12が配置され、第1コネクタ11aの端面と地中埋設箱2の外面との間に、パッキン13が配置される。そして、この接続具11においても、保護管3と同様に、防蟻処理が施されてもよい。
【0032】
また、この図2に示す例においては、防蟻具6とケーブル4との間に、防蟻具6の防蟻成分がケーブル4に移行するのを防止するシート材14が配置される。このシート材14は、例えば、ステンレスとかアルミ等の金属からなる。そして、シート材14は、テープ状に形成されて、ケーブル4に巻かれる。これにより、防蟻成分がケーブル4に移行するのが防止され、また、防蟻具6が防蟻成分とともに有機溶剤を含有する場合であっても、その有機溶剤がケーブル4に移行することがない。また、このシート材14は、前述の図1に示す例とか、後述する図3に示す例においても、用いることができる。
【0033】
また、図3に示すように、地中埋設箱2の貫通孔2b内において、保護管3の外周に防蟻シート15が巻きつけられてもよい。ここで、防蟻シート15は、前述した防蟻成分が、例えばマイクロカプセルに封入され、ベースとなる合成樹脂材料とともに混練されて成形される。もっとも、この防蟻シート15は、前述の防蟻シート6aと同様に、不織布を用いたものであってもよい。
【0034】
また、図1および図3に示す例においては、保護管3の口元部分に、ベルマウス7が挿入されるが、このベルマウス7は、無くともよい。
【符号の説明】
【0035】
1 地中
2 地中埋設箱
2a 側壁
2b 貫通孔
3 保護管
4 ケーブル
5 防蟻構造
6 防蟻具
6a 防蟻シート
11 接続具
図1
図2
図3