【文献】
富士ゼロックス株式会社,ドキュセンターフォーDocuCentre−4 C2260,製品カタログ,日本,富士ゼロックス株式会社,2010年 5月,pp.1−14
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記窪み部の上端に向かう傾斜および下端に向かう傾斜は、前記窪み部の深さが最も深いところから前記窪み部の長手方向両端部まで続いていることを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての画像形成装置10の斜視図を示す。
図2は、画像形成装置10の右側面からの断面図を示す。
【0015】
画像形成装置10は、画像形成装置本体12と、画像が形成された記録媒体が排出される排出部14と、原稿を読取る原稿読取装置16と、画像形成装置10を操作する操作部18とを有する。
また、画像形成装置10には、例えばパーソナルコンピュータ等の外部の装置から画像情報が入力される情報入力端子20が設けられている。
【0016】
画像形成装置10は、原稿読取装置16で読み取った画像情報、あるいは、情報入力端子20から入力された画像情報に基づいて記録媒体に画像を形成する。
画像形成装置10は、例えば電話回線に接続可能であり、この電話回線を介して入力された画像情報に基づいて記録媒体に画像を形成する。また、画像形成装置10は、原稿読取装置16で読み取った画像情報、あるいは、情報入力端子20から入力されたデータを電話回線を介して送信する。
【0017】
画像形成装置本体12の前側の面には、給紙用開閉部32が設けられている。給紙用開閉部32は、ヒンジ34を用いて画像形成装置本体12に開閉自在に装着されている。
図1は、給紙用開閉部32が画像形成装置本体12に対して開かれた状態を示し、
図2は、給紙用開閉部32が画像形成装置本体12に対して閉じられた状態を示している。
また、画像形成装置本体12には、画像が形成された記録媒体を排出するために用いられる排出孔36が形成されている。
【0018】
画像形成装置本体12内には、像形成部40と、給紙装置42と、搬送路44とが設けられている。
【0019】
像形成部40は、像保持体として用いられる感光体ドラム52と、この感光体ドラム52の表面を帯電する帯電装置54と、この帯電装置54によって帯電された感光体ドラム52の表面に光を照射することで感光体ドラム52の表面に潜像を形成する潜像形成装置56と、この潜像形成装置56によって感光体ドラム52の表面に形成された潜像を現像剤を用いて現像する現像装置58と、この現像装置58による現像で感光体ドラム52の表面に形成された現像剤像を記録媒体に転写する転写装置60と、この転写装置60による転写の後に感光体ドラム52の表面に残留する現像剤を清掃する清掃装置62と、転写装置60によって記録媒体に転写された現像剤像を記録媒体に定着する定着装置64とを有する。
【0020】
給紙装置42は、記録媒体を積層した状態で収納する例えば1つの記録媒体収納部72と、この記録媒体収納部72に収納された記録媒体を送り出す送出ロール74とを有する。
一定以上の大きさの記録媒体を記録媒体収納部72に収納する際は、給紙用開閉部32を開いた状態とする。このような記録媒体が収納されると記録媒体の後端部側が画像形成装置本体12からはみ出し、記録媒体のはみ出した部分が給紙用開閉部32に重力方向下側から支持された状態となる。
【0021】
搬送路44は、給紙装置42から転写装置60に向けて記録媒体を搬送し、さらに排出部14へ記録媒体を搬送するために用いられる。搬送路44に沿って、記録媒体の搬送方向における上流側から順に、送出ロール74、搬送ロール76、レジストロール78、転写装置60、定着装置64、及び排出ロール80が設けられている。
【0022】
搬送ロール76は、記録媒体をレジストロール78に向けて搬送する。
レジストロール78は、転写装置60に向けて搬送される記録媒体の先端部の転写装置60側に向けての移動を一時的に停止させ、感光体ドラム52に形成された現像剤像が転写装置60の位置に到達するタイミングに合致するように、記録媒体の先端部の転写装置60に向けての移動を再開させる。
排出ロール80は、定着装置64で現像剤像が定着された記録媒体を排出部14に向けて搬送する。
【0023】
排出部14は、画像形成装置本体12の上向きの面92に設けられており、記録媒体が排出される方向である前方向(
図2における左方向)に、面92から延長自在である延長部94を有する。
【0024】
延長部94は、面92から記録媒体の排出方向に延長することができる第1の延長部材96と、この第1の延長部材96からさらに前方向に延長することができる第2の延長部材98とを有する。
延長部94は、画像が形成された記録媒体の面92からはみ出した部分を重力方向下側から支持する。
【0025】
原稿読取装置16は、原稿読取装置本体102と、この原稿読取装置本体102に対して一端が回転可能に支持され他端が開閉自在に設けられた開閉体としての原稿搬送装置104とを有する。原稿読取装置16は、排出部14との間に空間Sを形成するように、画像形成装置本体12の上方に配置されている。
原稿搬送装置104の前側(
図2において左側、開閉する側の端部)には、操作者がこの原稿搬送装置104を開閉する際に用いる取っ手部106が形成されている。取っ手部106は、原稿搬送装置104の回転軸方向に対して、略中心に設けられている。取っ手部106には、操作者が指等を進入させる窪み部106aが形成されている。
【0026】
原稿読取装置16は、ヒンジ110の回転軸112を中心に画像形成装置本体12に対して回転するように、この画像形成装置本体12に装着されている。
ヒンジ110は、第1の位置と、第2の位置との間で原稿読取装置16が移動することができるように、原稿読取装置16を画像形成装置本体12に装着している。ここで、第1の位置とは、原稿読取装置16が画像形成装置本体12の上向きの面92に下方から支持される位置である。また。第2の位置とは、原稿読取装置16が第1の位置に配置されている場合と比較して、空間Sが拡張される位置である。
【0027】
画像形成装置10においては、原稿読取装置16が第1の位置に配置された状態で操作者が空間Sに手を挿入して排出部14に排出された記録媒体を取り出してもよいし、原稿読取装置16を第2の位置に移動させ、空間Sを拡張した後に操作者が空間Sに手を挿入して排出部14に排出された記録媒体を取り出してもよい。
例えば、ハガキ等の比較的小さい記録媒体を排出部14から取り出す場合、空間Sの奥側まで手を挿入することを要するため、原稿読取装置16が第1の位置にある状態で記録媒体を取り出すよりも、原稿読取装置16を第2の位置に移動させ、空間Sを拡張した後に記録媒体を取り出す方が、記録媒体が取り出しやすい。
【0028】
次に、原稿読取装置16の詳細について説明する。
図3は、原稿読取装置16の断面図を示す。
図4は、原稿搬送装置104が開かれた状態の画像形成装置10の斜視図を示す。
【0029】
原稿読取装置16は、原軸132を備えた例えば2つのヒンジ部134を有し、これらのヒンジ部134によって原稿読取装置本体102と原稿搬送装置104とが連結されている。
原稿搬送装置104は、原軸132を中心に回転するようにして、原稿読取装置本体102に対して開閉する。原稿搬送装置104が閉じられた状態では、
図3に示すように原稿読取装置本体102のプラテン部材136が覆われた状態となる。
原稿読取装置16には、原稿搬送装置104の開閉状態を検知する開閉検知手段として用いられる開閉センサ138が取り付けられている。
【0030】
原稿読取装置本体102には、プラテン部材136に載せられた原稿に光を照射し、照射した光の原稿からの反射光に基づいて原稿を読み取る読取部140が装着されている。
【0031】
原稿読取装置16は、原稿搬送装置104により搬送中の原稿Dを流し読みする機能と、プラテン部材136上に載置された原稿Dを読み取る機能とを備えている。
【0032】
読取部140は、フルレートキャリッジ142、ハーフレートキャリッジ144、レンズ146、及び光電変換素子148を有する。
【0033】
フルレートキャリッジ142は、光源150と、第1ミラー152とを有し、
図3に矢印で示すように原稿Dの副走査方向(
図3において左側から右側)をスキャン方向として、原稿読取装置本体102内をスキャン方向に、フルストロークの移動をするようにされている。
光源150は、原稿の主走査方向に延びる例えばハロゲン又はキセノン等のランプであり、所定のスキャン幅が設定されている。
【0034】
ハーフレートキャリッジ144は、第2ミラー154と第3ミラー156とを有し、原稿読取装置本体102内を副走査方向に半ストロークの移動をするようにされている。
【0035】
レンズ146は、フルレートキャリッジ142及びハーフレートキャリッジ144の移動範囲の上方に設けられたプラテン部材136に置かれた原稿D、又は後述する搬送原稿読取位置182を通る原稿D等に対して光源150が照射した光の反射光を、第1ミラー152、第2ミラー154及び第3ミラー156を介して受け入れて結像させる。
【0036】
光電変換素子148は、レンズ146による反射光の結像位置で反射光を受光し、例えばRGBそれぞれのフィルタ(原色フィルタ)が設けられたフォトダイオードによって画素単位のRGBそれぞれの光量に対応するアナログの電気信号を、処理回路に対して出力する例えば3ラインカラーCCDである。
【0037】
原稿搬送装置104は、読取前の原稿Dが載置(セット)される原稿台160と、原稿Dを搬送する原稿搬送路162と、画像を読み取った後の原稿Dが排出される排出台164とを有する。
【0038】
原稿搬送路162は、主搬送部166と反転部168とを有する。主搬送部166はU字状に形成され、この主搬送部166に沿って原稿搬送方向上流側から順に、ピックアップロール170、フィードロール172、プリレジストロール174、レジストロール176、アウトロール178、及び排出ロール180が設けられている。
【0039】
ピックアップロール170は、原稿送り時に下降し、原稿台160に載置された原稿Dをピックアップする。
フィードロール172は、ピックアップロール170から送られた原稿Dを捌き、最上部にある原稿Dのみを供給する。
プリレジストロール174は、フィードロール172から送られた原稿Dを一時停止させてループを形成し、斜行補正をするようになっている。
レジストロール176は、プリレジストロール174から送られた原稿Dを一時停止させ、読み取りタイミングをとるようにする。
原稿Dを排出する場合は、排出ロール180を正転させ、アウトロール178及び排出ロール180を介して排出台164へ排出する。
【0040】
反転部168は、一端がアウトロール178と排出ロール180との間で主搬送部166に接続され、他端がプリレジストロール174の上流側で主搬送部166に接続されている。反転部168の一端付近には、反転ゲート162が設けられている。
原稿Dを反転させる場合は、原稿Dの後端が排出ロール180付近まで到達した段階で排出ロール180を逆転させ、反転ゲート162が下方に位置することで原稿Dを反転部168に導くようにする。
反転ゲート162は、原稿Dの押圧力で開いて反転ゲート162の自重で閉じるようにしてもよいし、反転ゲート162を開閉するアクチュエータを設けるようにしてもよい。
【0041】
原稿搬送路162には、主搬送部166に沿って搬送中の原稿Dを流し読みする際に原稿Dを読み取る位置である搬送原稿読取位置182が設けられている。搬送原稿読取位置182は、レジストロール176とアウトロール178との間に設けられ、原稿搬送装置104により送られた原稿Dを読み取るようにされている。
【0042】
搬送原稿読取位置182とプラテン部材136との間には、光源150が照射した光を反射する第1の基準白色板184が設けられている。第1の基準白色板184は、光を反射する反射面が基準となる白色にされており、例えば画像形成装置10の電源投入時に、光源150が第1の基準白色板184に対して照射した光の反射光(初期の基準光量光)を、第1ミラー152、第2ミラー154、第3ミラー156及びレンズ146を介して光電変換素子148が受光できるようにされている。
【0043】
図5は、原稿搬送装置104を開いた状態において、画像形成装置10を上方から見た図を示す。
搬送原稿読取位置182の両端にはそれぞれ、光源150が照射した光を反射する第2の基準白色板202が設けられている。
第2の基準白色板202は、光を反射する反射面が基準となる白色にされており、例えば原稿読取装置16が原稿Dを流し読みすると同時に、光源150が第2の基準白色板202に対して照射した光の反射光(読取時の基準光量光)を、第1ミラー152、第2ミラー154、第3ミラー156及びレンズ146を介して光電変換素子148が受光できるようにされている。
【0044】
プラテン部材136及び搬送原稿読取位置182の外側には、これらからの光が外部に漏れるのを防止するように原稿搬送装置104によって被覆される被覆スペース(余地)204が形成されている。なお、被覆スペース204のうち、プラテン部材136及び搬送原稿読取位置182の前側(
図5において下側)に形成されている部分を開閉側被覆スペース204aとする。
【0045】
図6は、原稿搬送装置104の原稿読取装置本体102と接する側の面を示す。
原稿搬送装置104の前側(
図6において上側)には、閉じられた状態において開閉側被覆スペース204aと接する開閉側被覆部214aが形成されている。本実施形態において、開閉側被覆部214aの前後方向の長さは、開閉側被覆スペース204aの前後方向の長さよりも短くなっている。
原稿搬送装置104が閉じられた状態において、取っ手部106は、前側被覆スペース204aの上方に配置されるようになっている。
【0046】
次に、取っ手部106の詳細について説明する。
図7は、原稿搬送装置104の長手方向に対する各位置における取っ手部106の側面断面図を示す。
図7中のaは取っ手部106の長手方向の端部近傍の位置、bはaよりも中央寄りの位置、cは中央の位置、それぞれにおける側面断面図を示す。
【0047】
取っ手部106には、原稿搬送装置104が原稿読取装置本体102に対して閉まった状態において、この原稿読取装置本体102に近づくほどこの原稿搬送装置104の内側に向かうように傾斜した形態の窪み部106aが形成されている。また、窪み部106aは、原稿搬送装置104の回転軸方向に対して中央に行くほど、この原稿搬送装置104の内側に向かって傾斜する形態となっている。窪み部106aがこのような形態に形成されている場合、本構成を有さない場合と比較して、取っ手部106は、操作者の指等と接する範囲が増大する。
【0048】
本実施形態においては、取っ手部106は、前後方向(
図2における水平方向)に対して、原稿読取装置本体102の前側被覆スペース204aから突出しないように形成されている。すなわち、原稿搬送装置104の上面の端部104aが前側被覆スペース204aよりも前側とならないように形成されている。
取っ手部106がこのように形成されている場合、本構成を有さない場合と比較して、画像形成装置10の前側であって取っ手部106の下方に設けられた装置(例えば操作部18)の操作性の低下が抑制される。
【0049】
図8は、原稿搬送装置104の厚み方向(
図2において上下方向)に対しての各位置における取っ手部106の上面断面図を示す。
図8中のdは取っ手部106の厚み方向の下端近傍の位置、eは中央の位置、fは上端近傍の位置、それぞれにおける上面断面図を示す。
【0050】
取っ手部106は、原稿装置104の長手方向に対して略中央に形成されている。取っ手部106がこのように形成されている場合、本構成を有さない場合と比較して、この取っ手部106を用いて開閉動作を行う際の付加が原稿搬送装置104(あるいは2つのヒンジ部134)全体へ均等にかかる。
【0051】
取っ手部106は、原稿搬送装置104の長手方向に対して、端部から中央に向かって内向きに曲線状に傾斜した形態となっている。取っ手部106は、原稿搬送装置104の長手方向に対して左右対称に、中央が最も内側に窪んだ形態となっている。
【0052】
上記においては、取っ手部106は、厚み方向の下端から上端にかけて窪みが浅くなる形態について説明したが、これに限らず、厚み方向の中央が最も窪んだ形態とするようにしてもよい。すなわち、原稿搬送装置104の長手方向及び厚み方向に対して、取っ手部106の中心に向かって内側に窪んだ形態(曲面が奥行き方向に対角線状になっている形態)とするようにしてもよい。
【0053】
次に、取っ手部106の作用について説明する。
図9(a)は、本実施形態における取っ手部106を示し、
図9(b)は、比較例として取っ手部300を示す。取っ手部300は、曲線状の傾斜を有さず、原稿搬送装置104の上面の端部から下面の端部までの距離L(原稿搬送装置104の長手方向の中央における窪みの奥行き)は、取っ手部106と同一のものである。
【0054】
図9(a)に示すように、取っ手部106は、窪み部106aにより操作者の指等と接触し易く、原稿搬送装置104の開閉方向に追随して、操作者の力が加わり易くなっている。
これに対し、
図9(b)に示すように、取っ手部300のように、曲線状の傾斜を有さず、直線状に凹んだ形態となっている場合、操作者の指等と接しにくく、さらには、原稿搬送装置104の開閉方向に対して、操作者の力が加わりにくい。
【0055】
このように、取っ手部106では、この形態の窪み部106aを有さないものと比較して、距離Lの長さ(窪みの奥行き)が低減される。
【0056】
上記実施形態においては、取っ手部106が形成された開閉体として自動搬送装置104を用いた構成について説明したが、これに限らず、プラテン部材136上に載置された原稿Dを挟んで保持する原稿保持体等について適用するようにしてもよい。
【0057】
なお、原稿読取装置は、原稿読取装置本体と、原稿読取装置本体に対して一端が回転可能に支持され他端が開閉自在に設けられた開閉体と、を有し、開閉体の他端には、当該開閉体が原稿読取装置本体に対して閉まった状態で原稿読取装置本体に近づくほど開閉体の内側に向かうように傾斜した窪み部を有する取っ手部が設けられているようにしてもよい。
【0058】
また、取っ手部は、水平方向に対して原稿読取装置本体の前縁よりも内側に形成されていてもよい。
【0059】
また、窪み部は、開閉体の回転軸方向に対して中央に行くほど前記開閉体の内側に向かって傾斜する形態を有するようにしてもよい。
【0060】
また、取っ手部は、開閉体の回転軸方向に対して略中央に形成されているようにしてもよい。
【0061】
また、開閉体は、原稿を搬送する原稿搬送装置とすることもできる。
【0062】
また、画像形成装置として、原稿読取装置と、原稿読取装置が読み取った画像情報に基づいて画像を形成する画像形成部と、を有し、原稿読取装置は、原稿読取装置本体と、原稿読取装置本体に対して一端が回転可能に支持され他端が開閉自在に設けられた開閉体と、を有し、開閉体の他端には、当該開閉体が原稿読取装置本体に対して閉まった状態で原稿読取装置本体に近づくほど開閉体の内側に向かうように傾斜した窪み部を有する取っ手部が設けられているようにすることもできる。