(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1燃焼バーナと前記第2燃焼バーナの少なくとも一方が複数設けられるとき、前記第1燃焼バーナと前記第2燃焼バーナが上下方向に交互に配置されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のボイラ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したボイラは、火炉の上段側に低スラッギング性の第1燃料ガスを吹き込み、火炉の下段側に高スラッギング性の第2燃料ガスを吹き込むため、火炉における熱負荷の高い領域に低スラッギング性の第1燃料ガスが供給され、燃焼バーナの先端部や火炉壁におけるスラッギングの発生を抑制することができる。
【0007】
ところが、上段で燃焼した低スラッギング性の第1燃料ガスを起因とする溶融灰と、下段側で燃焼した高スラッギング性の第2燃料ガスを起因とする溶融灰は、結果として、火炉内を上昇する。そのため、高スラッギング性の溶融灰が起点となって低スラッギング性の溶融灰を取り込み、燃焼バーナの先端部や火炉壁への灰付着が発生するおそれがある。
【0008】
本発明は上述した課題を解決するものであり、スラッギングの発生を抑制可能とするボイラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明のボイラは、中空形状をなして鉛直方向に沿って設置される火炉と、高灰融点燃料と燃焼用空気を混合した第1燃料ガスを前記火炉内に向けて吹き込むことで第1火炎旋回流を形成する第1燃焼バーナと、低灰融点燃料と燃焼用空気を混合した第2燃料ガスを前記火炉内に向けて吹き込むことで前記第1火炎旋回流と旋回径の相違する第2火炎旋回流を形成する第2燃焼バーナと、を有することを特徴とするものである。
【0010】
従って、第1燃焼バーナは、高灰融点燃料を含む第1燃料ガスを火炉内に向けて吹き込むことで第1火炎旋回流を形成し、第2燃焼バーナは、低灰融点燃料を含む第2燃料ガスを火炉内に向けて吹き込むことで第2火炎旋回流を形成する。このとき、第1火炎旋回流と第2火炎旋回流の旋回径が相違することから、高灰融点燃料の燃焼領域と低灰融点燃料の燃焼領域が火炎旋回流の径方向にずれることとなる。そのため、低灰融点燃料の灰に高灰融点燃料の灰が取り込まれにくくなり、灰の成長を抑制することで、燃焼バーナの先端部や火炉壁におけるスラッギングの発生を抑制することができる。
【0011】
本発明のボイラでは、前記第1火炎旋回流の旋回径より前記第2火炎旋回流の旋回径が小さく設定されることを特徴としている。
【0012】
従って、高灰融点燃料の燃焼領域の内側に低灰融点燃料の燃焼領域が形成されることとなり、低灰融点燃料の燃焼によって生成された灰が火炉壁から離間することとなり、火炉壁におけるスラッギングの発生を抑制することができる。
【0013】
本発明のボイラでは、前記第2燃焼バーナは、前記第1燃焼バーナより燃料ガスを前記火炉の中心側に向けて吹き込むことを特徴としている。
【0014】
従って、簡単な構成で、容易に高灰融点燃料の燃焼領域の内側に低灰融点燃料の燃焼領域を形成することができ、低灰融点燃料の燃焼によって生成された灰の火炉壁への付着を抑制することができる。
【0015】
本発明のボイラでは、前記火炉は、四角筒形状をなし、前記第1燃焼バーナは、前記第2燃焼バーナより前記火炉の角部側に配置されることを特徴としている。
【0016】
従って、第1、第2燃焼バーナの構造を同様とし、配置位置を異ならせることで、容易に高灰融点燃料の燃焼領域の内側に低灰融点燃料の燃焼領域を形成することができる。
【0017】
本発明のボイラでは、前記第1燃焼バーナが前記第2燃焼バーナより上方側に配置されることを特徴としている。
【0018】
従って、火炉内における鉛直方向の熱流束分布を考えると、上方側で熱流束が高いものとなっており、スラッギングが発生しやすい。そこで、上方側に高灰融点燃料を吹き込むことで第1火炎流を形成し、下方側に低灰融点燃料を吹き込むことで第2火炎流を形成している。そのため、異なるスラッギング性の燃料をこのスラッギング性に見合った位置で燃焼させることとなり、燃焼バーナの先端部や火炉壁への灰付着を抑制することができる。
【0019】
本発明のボイラでは、前記第2燃焼バーナが前記第1燃焼バーナより上方側に配置されることを特徴としている。
【0020】
従って、高灰融点燃料の吹き込み量が低灰融点燃料の吹き込み量より多いとき、上方側に低灰融点燃料を吹き込み、下方側に高灰融点燃料を吹き込むと、吹き込み量が多い高灰融点燃料の燃焼時間を長く確保することができ、燃焼性を向上することができる。
【0021】
本発明のボイラでは、前記第1燃焼バーナと前記第2燃焼バーナの少なくとも一方が複数設けられるとき、前記第1燃焼バーナと前記第2燃焼バーナが上下方向に交互に配置されることを特徴としている。
【0022】
従って、高灰融点燃料の燃焼領域と低灰融点燃料の燃焼領域上下方向に交互に形成されることとなり、燃焼しにくい燃料が含まれていたとき、その燃焼性を向上することができる。
【0023】
本発明のボイラでは、前記第1燃焼バーナ及び前記第2燃焼バーナの燃料ガスの吹き込み方向を水平方向に調整する調整装置が設けられることを特徴としている。
【0024】
従って、燃料の種類や混合比率に応じて、調整装置により各燃焼バーナによる燃料ガスの吹き込み方向を調整すればよく、第1、第2燃焼バーナの構造を同様とすることで、製造コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のボイラによれば、高灰融点燃料を含む第1燃料ガスを火炉内に向けて吹き込むことで形成した第1火炎旋回流と、低灰融点燃料を含む第2燃料ガスを火炉内に向けて吹き込むことで形成した第2火炎旋回流との旋回径を相違させるので、低灰融点燃料の灰に高灰融点燃料の灰が取り込まれにくくなり、灰の成長を抑制することで、燃焼バーナの先端部や火炉壁におけるスラッギングの発生を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るボイラの好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0028】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の石炭焚きボイラを表す概略構成図、
図2は、第1燃焼バーナの平面図、
図3は、第2燃焼バーナの平面図、
図4は、第2燃焼バーナの変形例を表す平面図、
図5は、火炉内での火炎旋回流を表す概略図である。
【0029】
第1実施形態のボイラは、石炭(瀝青炭、亜瀝青炭など)を粉砕した微粉炭を微粉燃料(固体燃料)として用い、この微粉炭を燃焼バーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を回収することが可能な微粉炭焚きボイラである。
【0030】
第1実施形態において、
図1に示すように、石炭焚きボイラ10は、コンベンショナルボイラであって、火炉11と燃焼装置12とを有している。火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置され、この火炉11を構成する火炉壁が伝熱管により構成されている。
【0031】
燃焼装置12は、この火炉11を構成する火炉壁(伝熱管)の下部に設けられている。この燃焼装置12は、火炉壁に装着された複数の燃焼バーナ21,22,23,24,25を有している。本実施形態にて、この燃焼バーナ21,22,23,24,25は、周方向に沿って4個均等間隔で配設されたものが1セットとして、鉛直方向に沿って5セット、つまり、5段配置されている。但し、火炉の形状や一つの段における燃焼バーナの数、段数はこの実施形態に限定されるものではない。
【0032】
上段側に配置された第1燃焼バーナ21,22は、微粉炭供給管26,27を介して微粉炭機(ミル)31,32に連結されている。この微粉炭機31,32は、図示しないが、ハウジング内に鉛直方向に沿った回転軸心をもって粉砕テーブルが駆動回転可能に支持され、この粉砕テーブルの上方に複数の粉砕ローラが粉砕テーブルの回転に連動して回転可能に支持されて構成されている。従って、石炭が複数の粉砕ローラと粉砕テーブルとの間に投入されると、ここで所定の大きさまで粉砕され、搬送用空気(1次空気)により分級された微粉炭を微粉炭供給管26,27から第1燃焼バーナ21,22に供給することができる。
【0033】
また、下段側に配置された第2燃焼バーナ23,24,25は、微粉炭供給管28,29,30を介して微粉炭機(ミル)33,34,35に連結されている。この微粉炭機33,34,35は、図示しないが、ハウジング内に鉛直方向に沿った回転軸心をもって粉砕テーブルが駆動回転可能に支持され、この粉砕テーブルの上方に複数の粉砕ローラが粉砕テーブルの回転に連動して回転可能に支持されて構成されている。従って、石炭が複数の粉砕ローラと粉砕テーブルとの間に投入されると、ここで所定の大きさまで粉砕され、搬送用空気(1次空気)により分級された微粉炭供給管28,29,30から第2燃焼バーナ23,24,25に供給することができる。
【0034】
そして、火炉11は、各燃焼バーナ21,22,23,24,25の装着位置に風箱36が設けられており、この風箱36に空気ダクト37の一端部が連結されており、この空気ダクト37は、他端部に送風機38が装着されている。更に、火炉11は、各燃焼バーナ21,22,23,24,25の装着位置より上方にアディショナル空気ノズル39が設けられており、このアディショナル空気ノズル39に空気ダクト37から分岐した分岐空気ダクト40の端部が連結されている。従って、送風機38により送られた燃焼用空気(2次空気)を空気ダクト37から風箱36に供給し、この風箱36から各燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給することができると共に、送風機38により送られた燃焼用空気(追加空気)を分岐空気ダクト40からアディショナル空気ノズル39に供給することができる。
【0035】
火炉11は、上部に煙道50が連結されており、この煙道50に、排ガスの熱を回収するための過熱器(スーパーヒータ)51,52,53、再熱器(リヒータ)54,55、節炭器(エコノマイザ)56,57が設けられており、火炉11での燃焼で発生した排ガスと水との間で熱交換が行われる。
【0036】
煙道50は、その下流側に熱交換を行った排ガスが排出されるガスダクト58が連結されている。このガスダクト58は、空気ダクト37との間にエアヒータ59が設けられ、空気ダクト37を流れる空気と、ガスダクト58を流れる排ガスとの間で熱交換を行い、燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給する燃焼用空気を昇温することができる。
【0037】
なお、ガスダクト58は、図示しないが、脱硝装置、電気集塵機、誘引送風機、脱硫装置が設けられ、下流端部に煙突が設けられている。
【0038】
ところで、各燃焼バーナ21,22,23,24,25は、微粉炭と空気とを混合した微粉燃料を火炉11内に吹き込むことで火炎を形成しているが、使用する石炭の種類によりスラッギング性、つまり、灰の溶融温度(灰融点)が異なり、低灰融点の石炭を使用した場合、各燃焼バーナ21,22,23,24,25の先端部や火炉11の内壁面に溶融灰が付着しやすくなる。
【0039】
そのため、第1実施形態では、第1燃焼バーナ21,22が高灰融点微粉炭(高灰融点燃料)と燃焼用空気を混合した第1微粉炭混合気(第1燃料ガス)を火炉11内に向けて吹き込むことで第1火炎旋回流を形成し、第2燃焼バーナ23,24,25が低灰融点微粉炭(低灰融点燃料)と燃焼用空気を混合した第2微粉炭混合気(第2燃料ガス)を火炉11内に向けて吹き込むことで第1火炎旋回流と旋回径の相違する第2火炎旋回流を形成するようにしている。具体的には、第1火炎旋回流の旋回径より第2火炎旋回流の旋回径が小さくなるように設定している。
【0040】
そのため、第2燃焼バーナ23,24,25は、第1燃焼バーナ21,22より微粉炭混合気を火炉11の中心側に向けて吹き込むようにしている。この場合、第1燃焼バーナ21,22は、第2燃焼バーナ23,24,25より火炉11の角部側に配置されることとなる。また、第1燃焼バーナ21,22が第2燃焼バーナ23,24,25より上方側に配置されている。
【0041】
ここで、燃焼装置12について詳細に説明するが、この燃焼装置12を構成する第1燃焼バーナ21,22と第2燃焼バーナ23,24,25は、それぞれほぼ同様の構成をなしていることから、第1燃焼バーナ21と第2燃焼バーナ23を代表して説明する。
【0042】
第1燃焼バーナ21(22)は、
図2に示すように、火炉11における4つの壁部にそれぞれ設けられる燃焼バーナ21a,21b,21c,21dから構成されている。各燃焼バーナ21a,21b,21c,21dは、微粉炭供給管26から分岐した各分岐管26a,26b,26c,26dが連結されると共に、空気ダクト37から分岐した各分岐管37a,37b,37c,37dが連結されている。
【0043】
また、第2燃焼バーナ23(24,25)は、
図3に示すように、火炉11における4つの壁部にそれぞれ設けられる燃焼バーナ23a,23b,23c,23dから構成されている。各燃焼バーナ23a,23b,23c,23dは、微粉炭供給管28から分岐した各分岐管28a,28b,28c,28dが連結されると共に、空気ダクト37から分岐した各分岐管37a,37b,37c,37dが連結されている。
【0044】
ここで、
図2及び
図3に示すように、第1燃焼バーナ21a,21b,21c,21dは、第2燃焼バーナ23a,23b,23c,23dより火炉11の角部側に配置されている。逆に言えば、第2燃焼バーナ23a,23b,23c,23dは、第1燃焼バーナ21a,21b,21c,21dより燃料ガスを火炉11の中心O(中心線L)側に配置されている。
【0045】
そのため、第1燃焼バーナ21にて、各燃焼バーナ21a,21b,21c,21dは、火炉11に対して、高灰融点微粉炭と搬送用空気が混合した第1微粉炭混合気を吹き込むと共に、その第1微粉炭混合気の外側に燃焼用空気を吹き込む。そして、この第1微粉炭混合気に着火することで、4つの火炎F1,F2,F3,F4を形成することができ、この火炎F1,F2,F3,F4は、火炉11の上方から見て(
図2にて)反時計周り方向に旋回する第1火炎旋回流C1となる。また、第2燃焼バーナ23にて、各燃焼バーナ23a,23b,23c,23dは、火炉11に対して、低灰融点微粉炭と搬送用空気が混合した第2微粉炭混合気を吹き込むと共に、その第2微粉炭混合気の外側に燃焼用空気を吹き込む。そして、この第2微粉炭混合気に着火することで、4つの火炎F11,F12,F13,F14を形成することができ、この火炎F11,F12,F13,F14は、火炉11の上方から見て(
図3にて)反時計周り方向に旋回する第2火炎旋回流C2となる。
【0046】
ここで、第2燃焼バーナ23a,23b,23c,23dからの第2微粉炭混合気は、第1燃焼バーナ21a,21b,21c,21dの第1微粉炭混合気より火炉11の中心O側に向けて吹き込む。そのため、第1火炎旋回流C1の旋回径より、第2火炎旋回流C2の旋回径が小さくなる。
【0047】
なお、低スラッギング性を有する高灰融点燃料とは、灰溶融温度(灰融点)が1200度以上の燃料であると規定され、高スラッギング性を有する低灰融点燃料とは、灰溶融温度(灰融点)が1200度より低い燃料であると規定される。第1実施形態では、低スラッギング性の固体燃料として瀝青炭の微粉燃料を使用し、高スラッギング性の固体燃料として亜瀝青炭の微粉燃料を使用する。但し、適用される燃料の種類は、この瀝青炭や亜瀝青炭に限定されるものではない。例えば、低スラッギング性を有する高灰融点燃料は、瀝青炭以外に無煙炭や半無煙炭などがある。一方、高スラッギング性を有する低灰融点燃料は亜瀝青炭以外に、水分や酸素の多い褐炭や亜炭、泥炭、コークス、バイオマスなどがある。
【0048】
また、第1実施形態では、使用する石炭における低スラッギング性を有する高灰融点燃料と高スラッギング性を有する低灰融点燃料との混合割合に応じて第1燃焼バーナと第2燃焼バーナの使用割合が設定される。本実施形態では、使用する石炭における低スラッギング性を有する高灰融点燃料の割合が40%で、高スラッギング性を有する低灰融点燃料の割合が60%である。そのため、上段側の第1燃焼バーナ21,22を低スラッギング性を有する高灰融点燃料用として使用し、下段の第2燃焼バーナ23,24,25を高スラッギング性を有する低灰融点燃料用として使用する。
【0049】
なお、この実施形態では、第1燃焼バーナ21a,21b,21c,21dを第2燃焼バーナ23a,23b,23c,23dより火炉11の角部側に配置することで、第1火炎旋回流C1の旋回径より第2火炎旋回流C2の旋回径を小さくしたが、この構成に限定されるものではない。
【0050】
例えば、
図4に示すように、第2燃焼バーナ23は、第1燃焼バーナ21と同様の位置に、燃焼バーナ23a,23b,23c,23dが配置されて構成されている。各燃焼バーナ23a,23b,23c,23dは、微粉炭供給管28から分岐した各分岐管28a,28b,28c,28dが連結されると共に、空気ダクト37から分岐した各分岐管37a,37b,37c,37dが連結されている。そして、燃焼バーナ23a,23b,23c,23dは、第2燃料ガスの吹き込み方向が、燃焼バーナ21a,21b,21c,21dによる第1燃料ガスの吹込み方向より、火炉11の中心O側に設定されている。即ち、第1燃焼バーナ21a,21b,21c,21dによる第1微粉炭混合気の吹込み方向は、火炉11の隣接する壁部に平行であるが、第2燃焼バーナ23a,23b,23c,23dによる第2微粉炭混合気の吹き込み方向は、火炉11の隣接する壁部に対して、例えば、20度の角度に設定されている。
【0051】
従って、各燃焼バーナ23a,23b,23c,23dは、火炉11に対して、低灰融点微粉炭と搬送用空気が混合した第2微粉炭混合気を吹き込むと共に、その第2微粉炭混合気の外側に燃焼用空気を吹き込む。そして、この第2微粉炭混合気に着火することで、4つの火炎F11,F12,F13,F14を形成し、第2火炎旋回流C2を形成することができる。この場合、第2火炎旋回流C2の旋回径は、第1火炎旋回流C1の旋回径より小さくなる。
【0052】
このように構成された本実施形態の石炭焚きボイラ10において、
図1に示すように、微粉炭機31,32,33,34,35が駆動すると、微粉炭機31,32は、高灰融点の固体燃料を粉砕し、高灰融点微粉炭を搬送用空気と共に微粉炭供給管26,27から第1燃焼バーナ21,22に供給する。また、微粉炭機33,34,35は、低灰融点の固体燃料を粉砕し、生成された低灰融点微粉炭を搬送用空気と共に微粉炭供給管28,29,30から第2燃焼バーナ23,24,25に供給する。
【0053】
また、加熱された燃焼用空気が空気ダクト37から風箱36を介して各燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給されると共に、分岐空気ダクト40からアディショナル空気ノズル39に供給される。すると、燃焼バーナ21,22,23,24,25は、微粉炭と搬送用空気とが混合した微粉炭混合気を火炉11に吹き込むと共に燃焼用空気を火炉11に吹き込み、このときに着火することで火炎を形成することができる。また、アディショナル空気ノズル39は、追加空気を火炉11に吹き込み、燃焼制御を行うことができる。この火炉11では、微粉炭混合気と燃焼用空気とが燃焼して火炎が生じ、この火炉11内の下部で火炎が生じると、燃焼ガス(排ガス)がこの火炉11内を上昇し、煙道50に排出される。
【0054】
このとき、
図5に示すように、第1燃焼バーナ21,22は、高灰融点微粉炭と搬送用空気とが混合した第1微粉炭混合気と燃焼用空気を火炉11の燃焼領域Aに吹き込み、このときに着火することでこの燃焼領域Aに第1火炎旋回流C1を形成する。一方、第2燃焼バーナ23,24,25は、低灰融点微粉炭と搬送用空気とが混合した第2微粉炭混合気と燃焼用空気を火炉11の燃焼領域Aに吹き込み、このときに着火することでこの燃焼領域Aに第2火炎旋回流C2を形成する。また、アディショナル空気ノズル39は、追加空気を火炉11における還元領域Bの上方に吹き込み、燃焼制御を行う。この火炉11は、第1、第2微粉炭混合気と燃焼用空気とが燃焼して第1、第2火炎旋回流C1,C2が生じ、燃焼領域Aで火炎旋回流が生じると、燃焼ガス(排ガス)が旋回しながら上昇して還元領域Bに至る。
【0055】
また、第1燃焼バーナ21,22は、高灰融点微粉炭を含む第1微粉炭混合気を燃焼領域Aの上方に吹き込むことで、大径の第1火炎旋回流C1を形成し、第2燃焼バーナ23,24,25は、低灰融点微粉炭を含む第2微粉炭混合気を燃焼領域Aの下方に吹き込んで、小径の第2火炎旋回流C2を形成する。すると、第1火炎旋回流C1の内側に第2火炎旋回流C2が形成されることから、高灰融点燃料の燃焼領域の内側に低灰融点燃料の燃焼領域が位置することとなる。そのため、低灰融点微粉炭の灰に高灰融点微粉炭の灰が取り込まれにくくなり、低灰融点の灰の成長が抑制されることで、燃焼バーナ21,22,23,24,25の先端部や火炉壁における灰付着が抑制される。また、低灰融点微粉炭の燃焼領域が火炉11の中央部に位置することとなり、低灰融点の灰が火炉11の中央部を上昇することで、この点でも、火炉壁における灰付着が抑制される。
【0056】
また、火炉11では、空気の供給量が微粉炭の供給量に対して理論空気量未満となるように設定されることで、内部が還元雰囲気に保持される。そして、微粉炭の燃焼により発生したNOxが火炉11で還元され、その後、追加空気(アディショナルエア)が追加供給されることで微粉炭の酸化燃焼が完結され、微粉炭の燃焼によるNOxの発生量が低減される。即ち、火炉11は、燃焼バーナ21とアディショナル空気ノズル39との間にNOxを還元する燃焼領域Aが形成される。
【0057】
そして、図示しない給水ポンプから供給された水は、節炭器56,57によって予熱された後、図示しない蒸気ドラムに供給され火炉壁の各水管(図示せず)に供給される間に加熱されて飽和蒸気となり、図示しない蒸気ドラムに送り込まれる。更に、図示しない蒸気ドラムの飽和蒸気は過熱器51,52,53に導入され、燃焼ガスによって過熱される。過熱器51,52,53で生成された過熱蒸気は、図示しない発電プラント(例えば、タービン等)に供給される。また、タービンでの膨張過程の中途で取り出した蒸気は、再熱器54,55に導入され、再度過熱されてタービンに戻される。なお、火炉11をドラム型(蒸気ドラム)として説明したが、この構造に限定されるものではない。
【0058】
その後、煙道50の節炭器56,57を通過した排ガスは、ガスダクト58にて、図示しない脱硝装置にて、触媒によりNOxなどの有害物質が除去され、電気集塵機で粒子状物質が除去され、脱硫装置により硫黄分が除去された後、煙突から大気中に排出される。
【0059】
このように第1実施形態のボイラにあっては、中空形状をなして鉛直方向に沿って設置される火炉11と、高灰融点微粉炭と燃焼用空気を混合した第1微粉炭混合気を火炉11内に向けて吹き込むことで第1火炎旋回流C1を形成する第1燃焼バーナ21,22と、低灰融点微粉炭と燃焼用空気を混合した第2微粉炭混合気を火炉11内に向けて吹き込むことで第1火炎旋回流C1と旋回径の相違する第2火炎旋回流C2を形成する第2燃焼バーナ23,24,25とを設けている。
【0060】
従って、第1火炎旋回流C1と第2火炎旋回流C2の旋回径の相違することから、高灰融点微粉炭の燃焼領域と低灰融点微粉炭の燃焼領域が火炎旋回流の径方向にずれることとなる。そのため、低灰融点微粉炭の灰に高灰融点微粉炭の灰が取り込まれにくくなり、灰の成長を抑制することで、燃焼バーナ21,22,23,24,25の先端部や火炉壁におけるスラッギングの発生を抑制することができる。
【0061】
第1実施形態のボイラでは、第1火炎旋回流C1の旋回径より第2火炎旋回流C2の旋回径が小さく設定されている。従って、高灰融点微粉炭の燃焼領域の内側に低灰融点微粉炭の燃焼領域が形成されることとなり、低灰融点微粉炭の燃焼によって生成された灰が火炉壁から離間することとなり、火炉壁におけるスラッギングの発生を抑制することができる。
【0062】
第1実施形態のボイラでは、第2燃焼バーナ23,24,25は、第1燃焼バーナ21,22より第2微粉炭混合気を火炉11の中心側に向けて吹き込むようにしている。従って、簡単な構成で、容易に高灰融点微粉炭の燃焼領域の内側に低灰融点微粉炭の燃焼領域を形成することができ、低灰融点微粉炭の燃焼によって生成された灰の火炉壁への付着を抑制することができる。
【0063】
第1実施形態のボイラでは、第1燃焼バーナ21,22を第2燃焼バーナ23,24,25より火炉11の角部側に配置している。従って、第1、第2燃焼バーナ21,22,23,24,25の構造を同様とし、配置位置を異ならせるだけで、容易に高灰融点微粉炭の燃焼領域の内側に低灰融点微粉炭の燃焼領域を形成することができる。
【0064】
第1実施形態のボイラでは、第1燃焼バーナ21,22を第2燃焼バーナ23,24,25より上方側に配置している。火炉11内における鉛直方向の熱流束分布を考えると、上方側で熱流束が高いものとなっており、スラッギングが発生しやすい。そのため、上方側に高灰融点微粉炭を吹き込むことで第1火炎旋回流C1を形成し、下方側に低灰融点微粉炭を吹き込むことで第2火炎旋回流C2を形成している。そのため、異なるスラッギング性の燃料をスラッギング性に見合った位置(温度)で燃焼させることとなり、燃焼バーナ21,22,23,24,25の先端部や火炉壁への灰付着を抑制することができる。
【0065】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態の石炭焚きボイラを表す概略構成図、
図7は、火炉内での火炎旋回流を表す概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0066】
第2実施形態において、
図6に示すように、石炭焚きボイラ100は、コンベンショナルボイラであって、火炉11と燃焼装置101とを有している。燃焼装置101は、複数の燃焼バーナ111,112,113,114,115を有している。上段側に配置された第2燃焼バーナ111,112は、微粉炭供給管26,27を介して微粉炭機31,32に連結されている。下段側に配置された第1燃焼バーナ113,114,115は、微粉炭供給管28,29,30を介して微粉炭機33,34,35に連結されている。
【0067】
第2燃焼バーナ111,112は、低灰融点微粉炭と燃焼用空気を混合した第2微粉炭混合気を火炉11内に向けて吹き込むことで第2火炎旋回流を形成する。また、第1燃焼バーナ113,114,115は、高灰融点微粉炭と燃焼用空気を混合した第1微粉炭混合気を火炉11内に向けて吹き込むことで第2火炎旋回流と旋回径の相違する第1火炎旋回流を形成する。具体的には、第1火炎旋回流の旋回径より第2火炎旋回流の旋回径が小さくなるように設定している。
【0068】
そのため、第2燃焼バーナ111,112は、第1燃焼バーナ113,114,115より微粉炭混合気を火炉11の中心側に向けて吹き込むようにしている。この場合、第1燃焼バーナ113,114,115は、第2燃焼バーナ111,112より火炉11の角部側に配置されることとなる。また、第2燃焼バーナ111,112が第1燃焼バーナ113,114,115より上方側に配置されている。
【0069】
そのため、微粉炭機31,32は、低灰融点の固体燃料を粉砕し、低灰融点微粉炭を搬送用空気と共に微粉炭供給管26,27から第2燃焼バーナ111,112に供給する。また、微粉炭機33,34,35は、高灰融点の固体燃料を粉砕し、生成された高灰融点微粉炭を搬送用空気と共に微粉炭供給管28,29,30から第1燃焼バーナ113,114,115に供給する。
【0070】
すると、燃焼バーナ111,112,113,114,115は、微粉炭と搬送用空気とが混合した微粉炭混合気を火炉11に吹き込むと共に燃焼用空気を火炉11に吹き込み、このときに着火することで火炎を形成する。この火炉11では、微粉炭混合気と燃焼用空気とが燃焼して火炎が生じ、この火炉11内の下部で火炎が生じると、燃焼ガス(排ガス)がこの火炉11内を上昇し、煙道50に排出される。
【0071】
このとき、
図7に示すように、第2燃焼バーナ111,112は、低灰融点微粉炭と搬送用空気とが混合した第2微粉炭混合気と燃焼用空気を火炉11の燃焼領域Aに吹き込み、このときに着火することでこの燃焼領域Aに第2火炎旋回流C2を形成する。一方、第1燃焼バーナ113,114,115は、高灰融点微粉炭と搬送用空気とが混合した第1微粉炭混合気と燃焼用空気を火炉11の燃焼領域Aに吹き込み、このときに着火することでこの燃焼領域Aに第1火炎旋回流C1を形成する。また、アディショナル空気ノズル39は、追加空気を火炉11における還元領域Bの上方に吹き込み、燃焼制御を行う。この火炉11は、第1、第2微粉炭混合気と燃焼用空気とが燃焼して第1、第2火炎旋回流C1,C2が生じ、燃焼領域Aで火炎旋回流が生じると、燃焼ガス(排ガス)が旋回しながら上昇して還元領域Bに至る。
【0072】
また、第2燃焼バーナ111,112は、低灰融点微粉炭を含む第2微粉炭混合気を燃焼領域Aの上方に吹き込むことで、小径の第2火炎旋回流C2を形成し、第1燃焼バーナ113,114,115は、高灰融点微粉炭を含む第1微粉炭混合気を燃焼領域Aの下方に吹き込んで、大径の第1火炎旋回流C1を形成する。すると、第1火炎旋回流C1の内側に第2火炎旋回流C2が形成されることから、高灰融点燃料の燃焼領域の内側に低灰融点燃料の燃焼領域が位置することとなる。そのため、低灰融点微粉炭の灰に高灰融点微粉炭の灰が取り込まれにくくなり、低灰融点の灰の成長が抑制されることで、燃焼バーナ111,112,113,114,115の先端部や火炉壁における灰付着が抑制される。また、低灰融点微粉炭の燃焼領域が火炉11の中央部に位置することとなり、低灰融点の灰が火炉11の中央部を上昇することで、この点でも、火炉壁における灰付着が抑制される。
【0073】
このように第2実施形態のボイラにあっては、中空形状をなして鉛直方向に沿って設置される火炉11と、高灰融点微粉炭と燃焼用空気を混合した第1微粉炭混合気を火炉11内に向けて吹き込むことで第1火炎旋回流C1を形成する第1燃焼バーナ113,114,115と、低灰融点微粉炭と燃焼用空気を混合した第2微粉炭混合気を火炉11内に向けて吹き込むことで第1火炎旋回流C1より小径の第2火炎旋回流C2を形成する第2燃焼バーナ111,112とを設けている。
【0074】
従って、第1火炎旋回流C1と第2火炎旋回流C2の旋回径が相違することから、高灰融点微粉炭の燃焼領域と低灰融点微粉炭の燃焼領域が火炎旋回流の径方向にずれることとなる。そのため、低灰融点微粉炭の灰に高灰融点微粉炭の灰が取り込まれにくくなり、灰の成長を抑制することで、燃焼バーナ111,112,113,114,115の先端部や火炉壁におけるスラッギングの発生を抑制することができる。
【0075】
第2実施形態のボイラでは、第2燃焼バーナ111,112を第1燃焼バーナ113,114,115より上方側に配置している。従って、異なるスラッギング性の燃料をスラッギング性に見合った位置(温度)で燃焼させることとなり、燃焼バーナ111,112,113,114,115の先端部や火炉壁への灰付着を抑制することができる。
【0076】
また、高灰融点微粉炭の吹き込み量が低灰融点微粉炭の吹き込み量より多いとき、上方側に第2燃焼バーナ111,112を配置して低灰融点微粉炭を吹き込み、下方側に第1燃焼バーナ113,114,115を配置して高灰融点微粉炭を吹き込んでいる。即ち、吹き込み量が多い高灰融点微粉炭を3個の第2燃焼バーナ113,114,115から燃焼領域Aの下方に吹き込むことで、吹き込み量が多い高灰融点微粉炭の燃焼時間を長く確保することができ、燃焼性を向上することができる。
【0077】
[第3実施形態]
図8は、第3実施形態の石炭焚きボイラを表す概略構成図、
図9は、燃焼バーナの平面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0078】
第3実施形態において、
図8に示すように、石炭焚きボイラ120は、コンベンショナルボイラであって、火炉11と燃焼装置121とを有している。燃焼装置121は、複数の燃焼バーナ131,132,133,134,135を有している。ここで、燃焼装置121について詳細に説明するが、この燃焼装置121を構成する燃焼バーナ131,132,134,135は、ほぼ同様の構成をなしていることから、燃焼バーナ131を代表して説明する。
【0079】
燃焼バーナ131は、
図9に示すように、火炉11における4つの壁部にそれぞれ設けられる燃焼バーナ131a,131b,131c,131dから構成されている。各燃焼バーナ131a,131b,131c,131dは、微粉炭供給管26から分岐した各分岐管26a,26b,26c,26dが連結されると共に、空気ダクト37から分岐した各分岐管37a,37b,37c,37dが連結されている。また、各燃焼バーナ131a,131b,131c,131dは、微粉炭混合気の噴射方向を水平方向に調整可能な噴射方向調整装置(調整装置)141(141a,141b,141c,141d)が設けられている。この噴射方向調整装置141(141a,141b,141c,141d)は、例えば、調整用モータ(図示略)により燃焼バーナ131a,133b,133c,133dのノズル部を左右に旋回して微粉炭混合気の噴射角度を調整することができる。
【0080】
なお、
図8に示すように、他の燃焼バーナ132,133,134,135は、微粉炭混合気の噴射方向を水平方向に調整可能な噴射方向調整装置(調整装置)142,143,144,145が設けられている。
【0081】
第3実施形態では、
図8及び
図9に示すように、例えば、第1実施形態と同様に、第1燃焼バーナ131,132が高灰融点微粉炭と燃焼用空気を混合した第1微粉炭混合気を火炉11内に向けて吹き込むことで第1火炎旋回流C1を形成し、第2燃焼バーナ133,134,135が低灰融点微粉炭と燃焼用空気を混合した第2微粉炭混合気を火炉11内に向けて吹き込むことで第1火炎旋回流C1より小径の第2火炎旋回流C2を形成する。
【0082】
そのため、噴射方向調整装置141,142,143,144,145は、燃焼バーナ131,132,134,135のノズル部の向きを左右に調整することで、微粉炭混合気の噴射角度を調整する。即ち、第1燃焼バーナ131,132による第1微粉炭混合気の吹込み方向を隣接する壁部と平行とし、第2燃焼バーナ133,134,135による第2微粉炭混合気の吹き込み方向を隣接する壁部に対して所定角度(例えば、20度)に設定する。そのため、第2燃焼バーナ133,134,135は、第1燃焼バーナ131,132より微粉炭混合気を火炉11の中心側に向けて吹き込むようにしている。
【0083】
なお、本実施形態の石炭焚きボイラ120の作動は、第1実施形態とほぼ同様であることから、説明は省略する。
【0084】
このように第3実施形態のボイラにあっては、燃焼バーナ131,132,134,135による微粉炭混合気の吹き込み方向を水平方向に調整する噴射方向調整装置141,142,143,144,145を設けている。
【0085】
従って、石炭の種類や微粉炭の混合比率に応じて、噴射方向調整装置141,142,143,144,145により燃焼バーナ131,132,134,135による微粉炭混合気の吹き込み方向を調整すればよい。そのため、全ての燃焼バーナ131,132,134,135の構造を同様に設定することで、製造コストを低減することができる。
【0086】
なお、第3実施形態では、第1実施形態と同様に、第1燃焼バーナ131,132と第2燃焼バーナ133,134,135を設定したが、第2実施形態のように設定してもよく、また、石炭の種類や微粉炭の混合比率に応じて、第1燃焼バーナと第2燃焼バーナに割り振る割合を設定すればよい。
【0087】
また、上述した実施形態では、上方側に第1燃焼バーナ(または、第2燃焼バーナ)を配置し、下方側に第2燃焼バーナ(または、第1燃焼バーナ)を配置したが、この配置方法に限定されるものではない。例えば、第1燃焼バーナと第2燃焼バーナを上下方向に交互に配置してもよい。この場合、高灰融点燃料の燃焼領域と低灰融点燃料の燃焼領域上下方向に交互に形成されることとなり、燃焼しにくい燃料が含まれていたとき、その燃焼性を向上することができる。
【0088】
また、上述した実施形態では、第1燃焼バーナが大径の第1火炎旋回流を形成し、第2燃焼バーナが小径の第2火炎旋回流を形成するように構成したが、第1燃焼バーナが小径の第1火炎旋回流を形成し、第2燃焼バーナが大径の第2火炎旋回流を形成するように構成してもよい。
【0089】
また、上述した実施形態では、本発明のボイラを石炭焚きボイラとしたが、燃料としては、バイオマスや石油コークスなどを使用するボイラであってもよい。