【文献】
J. Immunol.,2010年,Vol. 185, No. 7,pp. 4354-4362
【文献】
J. Biol. Chem.,2004年,Vol. 279, No. 14,pp. 13677-13688
【文献】
東ソー研究・技術報告,2008年,第52巻,pp. 3-9
【文献】
Mol. Immunol.,2008年,Vol. 46,pp. 135-144
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
a)配列番号26のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号104のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号44のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び
b)配列番号53のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号62のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号72のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域
を含む、抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメント。
抗体又はその抗原結合フラグメントが、配列番号80のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号87のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項1に記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメント。
抗体又はその抗原結合フラグメントが、配列番号80のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号88のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項1に記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメント。
抗体又はその抗原結合フラグメントが、配列番号80のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号89のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項1に記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメント。
医薬における使用が、炎症性疾患、自己免疫疾患、呼吸器系疾患、代謝異常、上皮媒介性の炎症性疾患、線維症、又は癌の処置方法における使用である、請求項9記載の抗体又は抗原結合フラグメント又は医薬組成物。
医薬における使用が、乾癬、炎症性腸疾患、乾癬性関節炎、多発性硬化症、関節リウマチ、COPD、慢性喘息、又は強直性脊椎炎の処置方法における使用である、請求項8又は9記載の抗体又は抗原結合フラグメント、又は医薬組成物。
配列番号125、126、127、118、80、87、88、89、26、44、53、62、72、104の1つ以上により定義される配列をコードする、請求項17又は18記載の単離ポリヌクレオチド。
工程(a)宿主細胞を、抗IL−36R抗体又は抗原結合フラグメントの発現を可能にする条件下で培養すること、及び(b)抗IL−36R抗体又は抗原結合フラグメントを回収すること、を含む、請求項24又は25記載の方法。
炎症性疾患、自己免疫疾患、呼吸器系疾患、代謝異常、上皮媒介性の炎症性疾患、線維症、癌、乾癬、炎症性腸疾患、乾癬性関節炎、多発性硬化症、関節リウマチ、COPD、慢性喘息、強直性脊椎炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、掌蹠膿疱症又は汎発性膿疱性乾癬の診断のための、請求項27記載の診断キット。
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットでEFS−Web経由で提出され、全体として引用により取り込まれる配列表を含む。2012年11月12日付けで作成された当該ASCIIの複写は、09−0583WO.txtと命名され、サイズ147,390バイトである。
【0002】
発明の技術分野
本発明は、一般的に、診断上及び治療上用いるための抗IL−36R抗体に関する。抗体は、かかる化合物を含む医薬組成物及びキットにおいて用いることができる。抗体は、ヒトにおける種々の疾患又は異常(例えば、免疫疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、線維症、及び呼吸器系疾患)の処置方法において有用である。
【0003】
発明の背景
サイトカインのIL−1ファミリーは、11種の異なるリガンド、すなわち、IL−1α(IL−1F1とも呼ばれる)、IL−1β(IL−1F2)、IL−1受容体アンタゴニスト(IL−1Ra又はIL−1F3)、IL−18(IL−1F4)、IL−1F5〜IL−1F10、及びIL−1F11(又はIL−33)からなる。IL−1α及びIL−1βは、タイプIのIL−1受容体(IL−1RI)への結合による炎症誘発性活性、及び共通の共受容体IL−1受容体アクセサリータンパク質(IL−1RAcP)の動員を誘導する一方、IL−1Raは、IL−1RIに結合するIL−1の競合的阻害剤として作用し、故に抗炎症性活性を発揮することが知られている。多数の研究により、IL−18はIFN−γのインデューサーである炎症性サイトカインであることが報告されている一方、IL−33は、特に、Th2応答の制御に関与する免疫調節性サイトカインとして記載された。IL−1F5、IL−1F6、IL−1F8、及びIL−1F9を含むIL−1ファミリーの新規メンバーは、IL−1の相同体についてのDNAデータベースでの検索により同定された。ヒト及びマウスにおいて、これらのサイトカインをコードする全遺伝子は、染色体2qの300kb未満に位置し、IL1A、IL1B、及びIL1RN遺伝子に隣接する。IL−1F6、IL−1F8、及びIL−1F9は、IL−1及びIL−1Raと21%〜37%アミノ酸配列相同性を有する一方、IL−1F5は、IL−1Raとの52%アミノ酸配列相同性を示し、これにより、IL−1F5が内在性受容体アンタゴニストとなり得ることが示唆される。
【0004】
IL−1F6、IL−1F8、及びIL−1F9は、IL−1Rファミリーの受容体であるIL−1Rrp2に結合し、IL−1RAcPを、IL−1により誘導されるものと同様の細胞内シグナルを刺激する共受容体として用いる一方、IL−1F5は、IL−1Rrp2を過剰発現するJurkat T細胞において、IL−1F9により誘導されるNF−κB活性化を阻害することが示された。IL−1β同様、これら全てのIL−1相同体は、リーダーペプチドを欠き、通常の分泌経路を介して放出されないが、IL−1Rrp2アゴニストの放出は、IL−1β分泌を制御するものとは異なるメカニズムにより制御され得ることを示唆している。これらのサイトカインの特異的生物学的作用を認識し、それら全てが同一の受容体に結合することを認知するために、最近、IL−1相同体の命名法を修正することが提案されている。従って、IL−1Rrp2は現在IL−36Rと命名され、そのリガンドはIL−36α(IL−1F6)、IL−36β(IL−1F8)、及びIL−36γ(IL−1F9)と命名される。加えて、受容体アンタゴニスト活性を発揮することが示されているIL−1F5は、IL−36Raと再度命名された。
【0005】
IL−36α、IL−36β、及びIL−36γのメッセンジャーRNAは、いくつかの組織、具体的には、病原体にさらされた、皮膚内の内上皮組織において高発現している。興味深いことに、IL−36Ra及びIL−36αの発現は、IL−1β/TNF−αにより刺激されたヒトケラチノサイトにおいて有意にアップレギュレートされ、IL−36Ra及びIL−36γmRNAは、損傷性乾癬皮膚において高度に増大される。更に、IL−36γタンパク質産生は、TNF−α及びIFN−γ刺激後、ヒトケラチノサイトにおいて増強される。上昇したIL−36αのmRNA及びタンパク質発現は慢性腎疾患においても報告された。
【0006】
ケラチノサイトにおいてIL−36αを過剰発現するトランスジェニックマウスは、乾癬と共通するいくつかの特徴を有する炎症性皮膚損傷を示す。この表現型は、トランスジェニックマウスがIL−36Ra欠損マウスと交配されたとき、重度であり、これにより、インビボにおけるIL−36Raの制御機能が支持される。マウスが12−O−テトラデカノイルホルボール13−アセタートで処置されるなら、ケラチノサイト特異的IL−36αトランスジェニックにおける炎症性皮膚状態は、さらにヒト乾癬に類似する(組織学的、分子的、及び治療に対するその応答においてヒト疾患に似ている)。更に、免疫欠損マウスに移植されたヒト乾癬性損傷皮膚は、マウスが抗IL−36R抗体で処置されたとき、正常化され、これにより、IL−36軸がヒト乾癬皮膚における損傷表現型を維持するのに必要とされることが示される。まとめると、これらのデータは、IL−36α、IL−36β、及びIL−36γを含むIL−36Rリガンドが、インビボ及びインビトロにける炎症性作用を示し、IL−36Raが天然のアンタゴニストとして作用し、これによりIL−1/IL−1Raシステムを模倣することを示す。
【0007】
それ故、IL−36Rリガンドが多数の疾患状態に関与する証拠が存在し、特に、炎症性疾患の処置において使用するための、この経路を標的にする新規治療剤が必要である。
【0008】
発明の概要
本発明は、生物学的治療、特に、IL−36Rに結合する抗体を提供することにより、上記の必要に取り組む。1つの態様において、本発明の抗体は、IL36リガンドにより仲介されるシグナル伝達(α、β、及び/又はγ)を阻害する。1つの態様において、本発明の抗体は、例えば、疾患(例えば、乾癬、炎症性腸疾患、強皮症、COPD、及び慢性腎疾患)における上皮媒介性の炎症/線維症の処置に有用である。
【0009】
1つの態様において、本発明は、1個以上の以下の特性を有する抗IL−36R抗体を提供する。
【0010】
1つの態様において、本発明の抗IL−36R抗体は、高い分子/細胞結合能を有する。1つの態様において、本発明の抗IL−36R抗体は、ヒトIL−36RにK
D<0.1nMで結合する。更なる態様において、本発明の抗IL−36R抗体、特にヒト化抗IL−36R抗体は、ヒトIL−36RにK
D<50pMで結合する。1つの態様において、本発明の抗IL−36R抗体は、IL−36R発現細胞にEC
90<5nMで結合する。
【0011】
別の態様において、本発明の抗IL−36R抗体は、高い、細胞に基づく機能的阻害能を有する。1つの態様において、本発明の抗IL−36R抗体は、全3種のIL−36Rアンタゴニストリガンド(α、β、γ)をIC
90≦5nMで疾患関連細胞株及び初代細胞において阻害する。
【0012】
1つの態様において、本発明の抗IL−36R抗体は、上述の分子/細胞結合能及び細胞に基づく機能的阻害能を有する。
【0013】
更なる態様において、本発明の抗IL−36R抗体は、ヒトIL−1R1又はIL−36R陰性細胞株に対して高い選択性(例えば、1000倍より高い選択性)を有する。更なる態様において、本発明の抗IL−36R抗体は、ヒトIL−1R1又はIL−36R陰性細胞株に結合しない。
【0014】
実施態様1において、本発明は、ヒトIL−36Rに0.1nM以下のK
Dで結合する、抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供する。
【0015】
実施態様2において、本発明は、実施態様1に記載のIL−36R抗体又はその抗原結合フラグメント(ここで、当該抗体又は抗原結合フラグメントは、モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントである)を提供する。
【0016】
実施態様3において、本発明は、実施態様1又は2記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメント(ここで、当該抗体又は抗原結合フラグメントは、ヒト化抗体又はその抗原結合フラグメントである)を提供する。
【0017】
実施態様4において、本発明は、ヒトIL−36Rに50pM以下のK
Dで結合する、実施態様3記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供する。
【0018】
実施態様5において、本発明は、ヒトIL−1R1に結合しない、実施態様1〜4のいずれか1つに記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供する。
【0019】
実施態様6において、本発明は、実施態様1記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
a)配列番号26のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号35、102、103、104、105、106、又は140のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号44のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び
b)配列番号53のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号62、108、109、110、又は111のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号72のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域
を含む。
【0020】
実施態様7において、本発明は、実施態様6記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
a)配列番号26のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号102のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号44のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び
b)配列番号53のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号62、108、109、110、又は111のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号72のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域
を含む。
【0021】
実施態様8において、本発明は、実施態様6記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
a)配列番号26のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号103のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号44のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び
b)配列番号53のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号62、108、109、110、又は111のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号72のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域
を含む。
【0022】
実施態様9において、本発明は、実施態様6記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
a)配列番号26のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号104のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号44のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び
b)配列番号53のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号62、108、109、110、又は111のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号72のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域
を含む。
【0023】
実施態様10において、本発明は、実施態様6記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
a)配列番号26のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号105のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号44のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び
b)配列番号53のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号62、108、109、110、又は111のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号72のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域
を含む。
【0024】
実施態様11において、本発明は、実施態様6記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
a)配列番号26のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号106のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号44のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び
b)配列番号53のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号62、108、109、110、又は111のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号72のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域
を含む。
【0025】
実施態様12において、本発明は、実施態様6記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
a)配列番号26のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号140のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号44のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び
b)配列番号53のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号62、108、109、110、又は111のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号72のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域
を含む。
【0026】
実施態様13において、本発明は、実施態様1記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号76、77、78、79、80、81、82、又は83のいずれか1つのアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号87、88、89、90、91、92、93、94、又は95のいずれか1つのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0027】
実施態様14において、本発明は、実施態様13記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
配列番号77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号87のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号88のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号89のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
を含む。
【0028】
実施態様15において、本発明は、
配列番号80のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号87のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号80のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号88のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号80のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号89のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
を含む抗体又はその抗原結合フラグメントを提供する。
【0029】
実施態様16において、本発明は、実施態様1記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
配列番号27のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号36のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号45のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び配列番号107のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号63のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号73のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域;又は
配列番号27のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号36のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号45のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;配列番号107のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号64のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号73のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域;又は
配列番号27のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号36のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号45のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び配列番号54のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号63又は64のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号73のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域
を含む。
【0030】
実施態様17において、本発明は、実施態様1記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号84、85、又は86のいずれか1つのアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号96、97、98、99、100、又は101のいずれか1つのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0031】
実施態様18において、本発明は、実施態様17記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
配列番号85のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号100のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号85のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号101のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
を含む。
【0032】
実施態様19において、本発明は、実施態様17記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号100のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号101のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
を含む。
【0033】
実施態様20において、本発明は、抗IL−36R抗体を提供し、ここで、抗体は、配列番号114、115、116、117、118、119、120、又は121のいずれか1つのアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号125、126、127、128、129、130、131、132、又は133のいずれか1つのアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0034】
実施態様21において、本発明は、実施態様20記載の抗IL−36R抗体を提供し、ここで、抗体は、配列番号115のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号125のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0035】
実施態様22において、本発明は、実施態様20記載の抗IL−36R抗体を提供し、ここで、抗体は、配列番号115のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号126のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0036】
実施態様23において、本発明は、実施態様20記載の抗IL−36R抗体を提供し、ここで、抗体は、配列番号115のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号127のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0037】
実施態様24において、本発明は、実施態様20記載の抗IL−36R抗体を提供し、ここで、抗体は、配列番号118のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号125のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0038】
実施態様25において、本発明は、実施態様20記載の抗IL−36R抗体を提供し、ここで、抗体は、配列番号118のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号126のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0039】
実施態様26において、本発明は、実施態様20記載の抗IL−36R抗体を提供し、ここで、抗体は、配列番号118のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号127のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0040】
実施態様27において、本発明は、抗IL−36R抗体を提供し、ここで、抗体は、配列番号122、123、又は124のいずれか1つのアミノ酸配列を含む軽鎖、及び配列番号134、135、136、137、138、又は139のいずれか1つのアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0041】
実施態様28において、本発明は、実施態様27記載の抗IL−36R抗体を提供し、ここで、抗体は、配列番号123のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号138のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0042】
実施態様29において、本発明は、実施態様27記載の抗IL−36R抗体を提供し、ここで、抗体は、配列番号123のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号139のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0043】
実施態様30において、本発明は、27記載の抗IL−36R抗体を提供し、ここで、抗体は、配列番号124のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号138のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0044】
実施態様31において、本発明は、実施態様1記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
a)配列番号26のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号103のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号44のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び
b)配列番号53のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号62のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号72のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域
を含む。
【0045】
実施態様32において、本発明は、実施態様1記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
a)配列番号26のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号104のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号44のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び
b)配列番号53のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号62のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号72のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域
を含む。
【0046】
実施態様33において、本発明は、実施態様1記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
a)配列番号27のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号36のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号45のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び
b)配列番号107のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号63のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号73のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域
を含む。
【0047】
実施態様34において、本発明は、実施態様1記載の抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
a)配列番号27のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号36のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号45のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び
b)配列番号107のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号64のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号73のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域
を含む。
【0048】
1つの実施態様において、実施態様1〜34のいずれか1つに記載の抗体又はその抗原結合フラグメントは、モノクローナル抗体である。1つの実施態様において、実施態様1〜34のいずれか1つに記載の抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒト化抗体である。1つの実施態様において、実施態様1〜34のいずれか1つに記載の抗体又はその抗原結合フラグメントは、モノクローナルヒト化抗体である。
【0049】
実施態様35において、本発明は、抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
配列番号21のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号30のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号39のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び配列番号48のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号57のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号67のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域;又は
配列番号22のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号31のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号40のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び配列番号49のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号58のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号68のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域;又は
配列番号23のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号32のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号41のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び配列番号50のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号59のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号69のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域;又は
配列番号24のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号33のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号42のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び配列番号51のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号60のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号70のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域;又は
配列番号25のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号34のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号43のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び配列番号52のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号61のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号71のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域;又は
配列番号26のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号35のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号44のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び配列番号53のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号62のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号72のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域;又は
配列番号27のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号36のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号45のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び配列番号54のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号63のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号73のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域;又は
配列番号27のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号36のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号45のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び配列番号54のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号64のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号73のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域;又は
配列番号28のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号37のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号46のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び配列番号55のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号65のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号74のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域;又は
配列番号29のアミノ酸配列(L−CDR1);配列番号38のアミノ酸配列(L−CDR2);配列番号47のアミノ酸配列(L−CDR3)を含む軽鎖可変領域;及び配列番号56のアミノ酸配列(H−CDR1);配列番号66のアミノ酸配列(H−CDR2);配列番号75のアミノ酸配列(H−CDR3)を含む重鎖可変領域
を含む。
【0050】
実施態様36において、本発明は、抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントは、
配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号12のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号3のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号13のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号4のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号14のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号15のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号6のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号16のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号17のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号18のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号9のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;又は
配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び配列番号20のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
を含む。
【0051】
更なる実施態様37において、本発明は、上述の実施態様のいずれか1つに記載の抗体又は抗原結合フラグメント、及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0052】
更なる実施態様38において、本発明は、医薬において使用するための、上述の実施態様のいずれか1つに記載の抗体又は抗原結合フラグメント、又は医薬組成物を提供する。
【0053】
更なる実施態様39において、本発明は、実施態様1〜37のいずれか1つに記載の抗体又は抗原結合フラグメント、又は医薬組成物(ここで、使用は、炎症性疾患、自己免疫疾患、呼吸器系疾患、代謝異常、上皮媒介性の炎症性疾患、線維症、又は癌の処置である)を提供する。
【0054】
更なる実施態様40において、本発明は、実施態様1〜37のいずれか1つに記載の抗体又は抗原結合フラグメント、又は医薬組成物(ここで、使用は、乾癬、炎症性腸疾患、乾癬性関節炎、多発性硬化症、関節リウマチ、COPD、慢性喘息、又は強直性脊椎炎の処置のためである)を提供する。
【0055】
更なる実施態様41において、本発明は、実施態様1〜37のいずれか1つに記載の抗体又は抗原結合フラグメント、又は医薬組成物(ここで、使用は、炎症性腸疾患の処置のためである)を提供する。
【0056】
なお更なる実施態様42において、本発明は、実施態様41に記載の抗体又は抗原結合フラグメント、又は医薬組成物(ここで、疾患はクローン病である)を提供する。
【0057】
別の実施態様43において、本発明は、実施態様1〜37のいずれか1つに記載の抗体又は抗原結合フラグメント、又は医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、疾患の処置方法(ここで、疾患は、炎症性疾患、自己免疫疾患、呼吸器系疾患、代謝異常、上皮媒介性の炎症性疾患、線維症、及び癌から選択される)を提供する。
【0058】
別の実施態様45において、本発明は、実施態様43記載の方法を提供し、ここで、疾患は、乾癬、炎症性腸疾患、乾癬性関節炎、多発性硬化症、関節リウマチ、COPD、慢性喘息、及び強直性脊椎炎から選択される。
【0059】
なお更なる実施態様45において、本発明はクローン病の処置方法を提供する。
【0060】
本発明の更なる実施態様は、
− 本発明による抗IL−36R抗体又は抗原結合フラグメントをコードする配列を含む単離ポリヌクレオチド、好ましくは、DNA又はRNA配列;
− 配列番号1〜140の1つ以上により定義される配列をコードする、本発明による単離ポリヌクレオチド;
− 本発明によるポリヌクレオチドを含むベクター、好ましくは、発現ベクター、より好ましくは、本発明によるポリヌクレオチドを発現制御配列と機能的に関連して含むベクター;
− 本発明によるポリヌクレオチド、及び/又は本発明によるベクターを含む宿主細胞;
− 本発明による抗IL−36R抗体又は抗原結合フラグメントの製造方法、好ましくは、本発明によるポリヌクレオチド、及び/又は本発明によるベクター、及び/又は本発明による宿主細胞の使用を含む組換え製造方法;
− かかる方法は、好ましくは、工程(a)宿主細胞を、抗IL−36R抗体又は抗原結合フラグメントの発現を可能にする条件下で培養し、(b)抗IL−36R抗体又は抗原結合フラグメントを回収する、を含み;
− 本発明による抗IL−36R抗体又は抗原結合フラグメントを含む、診断キット又は診断方法、又はその使用;
− 炎症性疾患、自己免疫疾患、呼吸器系疾患、代謝異常、上皮媒介性の炎症性疾患、線維症、癌、乾癬、炎症性腸疾患、乾癬性関節炎、多発性硬化症、関節リウマチ、COPD、慢性喘息、強直性脊椎炎、又はクローン病の診断のための、本発明による診断キット又は診断方法
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1】IL−36アンタゴニストリガンド(IL−36RA/IL1F5、IL−38/ILF10)は、シグナル伝達カスケードを阻害する。
【
図2】遺伝子チップ分析は、IL−36Rリガンド(IL−36RA、IL−36α、及びIL−36γ)が、乾癬皮膚においてアップレギュレートされることを示す。
【
図3】ヒト皮膚切片を用いた発現プロファイル。抗体33D10を用いた抗体滴定で包埋されたホルマリン固定パラフィン。
【
図4】ヒト皮膚切片の表皮の厚さを評価するための方法。
【0062】
発明の説明
本発明は、抗IL−36R抗体に関する。1つの態様において、本発明の抗体は、例えば、ヒトにおいて、診断上及び治療上用いるためである。
【0063】
本発明は、IL−36R、特にヒトIL−36Rに結合する抗体を提供する。本発明はまた、IL−36Rを結合するヒト化抗体に関する。特定の実施態様において、これらのヒト化抗体の配列は、ある種のリードマウス抗体の配列に基づき同定された。
【0064】
この理論によって結び付けられることを望まなくても、抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントはヒトIL−36Rに結合し、従ってIL−36アゴニストの結合を妨げ、そうすることでIL−36Rから炎症性メディエーターへのシグナル伝達カスケードを少なくとも部分的に阻害すると信じられている。これは
図1により説明される。
【0065】
1つの態様において、本発明の抗体は、ヒトの疾患モデルにおいて用いるためのものである。IL−36Rは、IL−1RL2及びIL−1Rrp2としても知られている。アゴニストIL−36リガンド(α、β、又はγ)は、IL−36受容体を捉えて、IL−1受容体アクセサリータンパク質(IL−1RAcP)と共にヘテロダイマーを形成することにより、シグナル伝達カスケードを開始することが報告されている。IL−36アンタゴニストリガンド(IL−36RA/IL1F5、IL−38/ILF10)は、シグナル伝達カスケードを阻害する(
図1を参照)。
【0066】
1つの態様において、本発明は、以下の1つ以上の特性を有する抗IL−36R抗体を提供する。
【0067】
1つの態様において、本発明の抗IL−36R抗体は、高い分子/細胞結合能を有する。1つの態様において、本発明の抗IL−36R抗体は、ヒトIL−36RにK
D<0.1nMで結合する。更なる態様において、本発明の抗IL−36R抗体、特にヒト化抗IL−36R抗体は、ヒトIL−36RにK
D<50pMで結合する。1つの態様において、本発明の抗IL−36R抗体は、IL−36R発現細胞にEC
90<5nMで結合する。
【0068】
別の態様において、本発明の抗IL−36R抗体は、高い、細胞に基づく機能的阻害能を有する。1つの態様において、本発明の抗IL−36R抗体は、疾患関連細胞株及び初代細胞において、全3種のIL−36Rアゴニストリガンド(α、β、γ)をIC
90≦5nMで阻害する。
【0069】
1つの態様において、本発明の抗IL−36R抗体は、上で説明された分子/細胞結合能及び細胞に基づく機能的阻害能を有する。
【0070】
1つの態様において、本発明の抗IL−36R抗体はヒト化抗体である。1つの態様において、本発明の抗IL−36R抗体はモノクローナル抗体である。1つの態様において、本発明の抗IL−36R抗体は全長抗体である。1つの態様において、本発明の抗IL−36R抗体はヒト化モノクローナル抗体(例えば、全長ヒト化モノクローナル抗体)である。
【0071】
本発明の抗体又はその抗原結合フラグメントは、特異的な「IL−36R抗原エピトープ」又は「IL−36Rエピトープ」を認識する。本明細書において用いられるこれらの用語は、抗IL−36R抗体と免疫活性のある分子(例えば、ペプチド)又は分子のフラグメントに言及する。
【0072】
エピトープは、最も通常には、タンパク質、短いオリゴペプチド、オリゴペプチド模倣物(すなわち、IL−36R抗原の抗体結合特性を模倣する有機化合物)、又はその組み合わせである。抗体のペプチド又はポリペプチドエピトープの最小サイズは、約4〜5個のアミノ酸であると考えられる。ペプチド又はポリペプチドエピトープは、例えば少なくとも7個のアミノ酸、又は例えば少なくとも9個のアミノ酸、又は例えば約15〜約20個のアミノ酸を含有する。抗体は、3次元形態の抗原性ペプチド又はポリペプチドを認識することができるので、エピトープを含むアミノ酸は近接する必要はなく、ある種の場合、同一のペプチド鎖上でなくてもよい。エピトープは、当該技術分野において知られた種々の技術(例えば、X線結晶解析、水素/重水素交換質量分析(HXMS)、部位特異的変異誘発、アラニン系統的変異誘発、及びペプチドスクリーニング法)により決定され得る。
【0073】
抗体又は免疫グロブリンの一般的構造は、当業者に周知である。これらの分子は、典型的には約150,000ダルトンのヘテロ4量体糖タンパク質であり、2個の同一の軽(L)鎖及び2個の同一の重(H)鎖からなり、典型的には全長抗体として言及される。各軽鎖は、1個のジスルフィド結合により重鎖に共有結合して、ヘテロダイマーを形成し、ヘテロ4量体分子は、ヘテロダイマーの2個の同一の重鎖間の共有ジスルフィド結合を介して形成される。軽鎖と重鎖は、1個のジスルフィド結合により互いに結合し、2個の重鎖間のジスルフィド結合数は、免疫グロブリンアイソタイプにより変動する。各重鎖及び軽鎖はまた、一定間隔の鎖間ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は、アミノ末端に可変ドメイン(V
H)、続いて3又は4個の定常ドメイン(C
H1、C
H2、C
H3、及びC
H4)、並びにC
H1とC
H2間のヒンジ領域を有する。各軽鎖は、2個のドメイン、アミノ末端に可変ドメイン(V
L)及びカルボキシ末端の定常ドメイン(C
L)を有する。V
Lドメインは、V
Hドメインと非共有結合的に関連し、一方C
Lドメインは、通常ジスルフィド結合を介してC
H1ドメインに共有結合する。具体的なアミノ酸残基は、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメイン間の境界を形成すると考えられている(Chothia et al., 1985, J. Mol. Biol. 186:651-663)。可変ドメインは、本明細書において可変領域としても言及される。
【0074】
可変ドメイン内のある種のドメインは、異なる抗体間で十分に異なる(すなわち、「高頻度可変性」である)。これらの高頻度可変性ドメインは、その特異的な抗原決定基について、各具体的な抗体の結合及び特異性に直接関与する残基を含有する。軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインの両方における高頻度可変性は、相補性決定領域(CDR)又は高頻度可変性ループ(HVL)として知られる3個のセグメントに集中する。CDRは、Kabat et al., 1991, In: Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5
th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md.における配列比較により定義される。HVL(本明細書においてCDRとしても言及される)は、可変ドメインの3次元構造により構造的に定義される(Chothia and Lesk, 1987, J. Mol. Biol. 196: 901-917により記載される)。これら2つの方法は、CDRを若干異なって同定する。Kabatにより定義される通り、CDR−L1は、軽鎖可変ドメイン中の約残基24〜34、CDR−L2は約残基50〜56、CDR−L3は約残基89〜97に位置し;CDR−H1は、重鎖可変ドメイン中の約残基31〜35、CDR−H2は約残基50〜65、CDR−H3は約残基95〜102に位置する。特定のCDRを含む正確な残基数は、CDRの配列及びサイズに依存して変動する。当業者は、どの残基が抗体の可変領域アミノ酸配列に付与される具体的なCDRを含むかを日常的に決定することができる。それ故、重鎖及び軽鎖のCDR1、CDR2、CDR3は、所定の抗体に特異的な固有性及び機能的特性を定義する。
【0075】
各重鎖及び軽鎖内の3個のCDRは、フレームワーク領域(FR)により分けられ、どちらかといえばほとんど変動しない配列を含有する。FR及びCDRは、重鎖及び軽鎖可変ドメインのアミノ末端からカルボキシ末端に、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4の順で配置される。主として、FRのβ−シート構造は、各鎖内のCDRを互いに、並びに他の鎖由来のCDRに極めて接近させる。得られた配置は抗原結合部位に関与する(Kabat et al., 1991, NIH Publ. No. 91-3242, Vol. I, pages 647-669を参照)が、全てのCDR残基が必ずしも抗原結合に直接関与するわけではない。
【0076】
FR残基及びIg定常ドメインは、直接ではないが、抗原結合に関与し、及び/又は抗体エフェクター機能を仲介する。いくつかのFR残基は、少なくとも3種の方法(エピトープに直接非共有結合すること、1個以上のCDR残基と相互作用すること、及び重鎖と軽鎖間の境界を影響することによる)で、抗原結合に対して有意な作用を有すると考えられる。定常ドメインは、抗原結合に直接関与しないが、種々のIgエフェクター機能(例えば、抗体依存性細胞毒性(ADCC)、補体依存性細胞傷害(CDC)、及び抗体依存性細胞食作用(ADCP)における抗体の関与)を仲介する。
【0077】
脊椎動物の免疫グロブリンの軽鎖は、定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、2種の明確に区別できる種類であるカッパ(κ)及びラムダ(λ)の1つに割り当てられる。比較により、哺乳動物免疫グロブリンの重鎖は、定常ドメインの配列により5つの主要な種類:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMの1つに割り当てられる。IgG及びIgAは更に、サブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG
1、IgG
2、IgG
3、IgG
4、IgA
1、及びIgA
2)に分けられる。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。天然の免疫グロブリンクラスのサブユニット構造及び3次元配置は周知である。
【0078】
用語「抗体」、「抗IL−36R抗体」、「ヒト化抗IL−36R抗体」、「ヒト化抗IL−36Rエピトープ抗体」、及び「変異体ヒト化抗IL−36Rエピトープ抗体」は、具体的にはモノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)、及び抗体フラグメント(例えば、可変ドメイン、及び所望の生物学的活性(例えば、IL−36R結合)を発揮する抗体の他の部分)を包含する。用語「モノクローナル抗体」(mAb)は、単一の抗原決定基である「エピトープ」に対して高度に特異的である抗体に言及する。それ故、修飾語「モノクローナル」は、同一のエピトープに対する抗体を示しており、任意の具体的な方法による抗体産生を必要とすると解されるべきではない。モノクローナル抗体は、当該技術分野で知られた任意の技術又は方法論(例えば、ハイブリードマ方法(Kohler et al., 1975, Nature 256:495)、又は当該技術分野で知られた組み換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照)、又はClackson et al., 1991, Nature 352: 624-628、及びMarks et al., 1991, J. Mol. Biol. 222: 581-597に記載される技術を用いたファージ抗体ライブラリーを用いて組換え的に産生されるモノクローナル抗体の単離方法を含む)により、作成され得ると解されるべきである。
【0079】
用語「モノマー」は、抗体の同種形態に言及する。例えば、全長抗体について、モノマーは、2個の同一の重鎖及び2個の同一の軽鎖を有するモノマー抗体を意味する。
【0080】
キメラ抗体は、1つの種(例えば、非ヒト哺乳類(例えば、マウス))由来の抗体の重鎖及び軽鎖可変領域、及び別の種(例えば、ヒト)抗体の重鎖及び軽鎖定常領域からなり、第1の種(例えば、マウス)由来の抗体の可変領域をコードするDNA配列を、第2の種(例えば、ヒト)由来の抗体の定常領域についてのDNA配列に結び付け、宿主を、キメラ抗体の産生を可能にする結合配列を含有する発現ベクターでトランスフォーメーションすることにより、得ることができる。或は、キメラ抗体はまた、(ここで、重鎖及び/又は軽鎖の1個以上の領域又はドメインが、別の免疫グロブリンクラス又はアイソタイプ、又はコンセンサス又は生殖細胞系列配列由来のモノクローナル抗体における対応する配列と同一、相同、又は変異体である。キメラ抗体は、その親抗体の所望の生物学的活性(例えば、同一のエピトープへの結合)を発揮する抗体のフラグメントを含むことができる(例えば、米国特許第4,816,567号;及びMorrison et al., 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 6851-6855を参照)。
【0081】
用語「抗体フラグメント」、「抗IL−36R抗体フラグメント」、「抗IL−36Rエピトープ抗体フラグメント」、「ヒト化抗IL−36R抗体フラグメント」、「ヒト化抗IL−36Rエピトープ抗体フラグメント」、「変異体ヒト化抗IL−36Rエピトープ抗体フラグメント」は、全長抗IL−36R抗体の部分(ここで、可変領域又は機能的能力は保持されている(例えば、特異的なIL−36Rエピトープ結合))に言及する。抗体フラグメントの例は、Fab、Fab’、F(ab’)
2、Fd、Fv、scFv、及びscFv−Fcフラグメント、二重特異性抗体、直線抗体、1本鎖抗体、小型抗体(minibody)、抗体フラグメントから形成される二重特異性抗体、及び抗体フラグメントから形成される多特異的抗体を含むが、これらに限定されない。
【0082】
全長抗体は、酵素(例えば、パパイン又はペプシン)で処理して、有用な抗体フラグメントを生成することができる。パパイン切断を用いて、それぞれ単一の抗原結合部位、及び残りの「Fc」フラグメントを有する、「Fab」フラグメントと呼ばれる2個の同一の抗原結合抗体フラグメントを生成する。Fabフラグメントはまた、軽鎖の定常ドメイン、及び重鎖のC
H1ドメインを含有する。ペプシン処理は、2個の抗原結合部位を有し、なおも抗原を架橋結合できるF(ab’)
2フラグメントを生じる。
【0083】
Fab’フラグメントは、Fabフラグメントとは抗体ヒンジ領域由来の1個以上のシステインをC
H1ドメインのC末端に含む追加残基の存在により異なる。F(ab’)
2抗体フラグメントは、ヒンジ領域においてシステイン残基により結合された1対のFab’フラグメントである。抗体フラグメントの他の化学的結合も知られている。
【0084】
「Fv」フラグメントは、1個の重鎖可変ドメインと1個の軽鎖可変ドメインの2量体からなる完全抗原認識部位及び抗原結合部位を、タイトな非共有結合性会合において含有する。この配置において、各可変ドメインの3個のCDRは相互作用して、抗原結合部位をV
H−V
L2量体の表面上に明確にする。まとめると、6個のCDRが抗原結合特異性を抗体に付与する。
【0085】
「1本鎖Fv」又は「scFv」抗体フラグメントは、抗体のV
H及びV
Lドメイン(ここで、ドメインは、単一のポリペプチド鎖に存在する)の1本鎖Fv変異体である。1本鎖Fvは、抗原を認識し、結合することができる。scFvポリペプチドは、場合により、scFvによる抗原結合のため、所望の3次元構造の形成を促進するために、V
HとV
Lドメインとの間に位置するポリペプチドリンカーを含有してもよい(例えば、Pluckthun, 1994, In The Pharmacology of monoclonal Antibodies, Vol. 113, Rosenburg and Moore eds., Springer-Verlag, New York, pp. 269-315を参照)。
【0086】
「二重特異性抗体」は、2個の抗原結合部位を有する小さな抗体フラグメントに言及し、そのフラグメントは、同一のポリペプチド鎖において軽鎖可変ドメイン(V.sub.L)に結合された重鎖可変ドメイン(V.sub.H)を含む(V.sub.H−V.sub.L、又はV.sub.L−V.sub.H)。二重特異性抗体は、例えば、Holliger et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6444-6448において十分に記載されている。
【0087】
他の認識される抗体フラグメントは、1対の抗原結合領域を形成するための1対のタンデムFdセグメント(V
H−C
H1−V
H−C
H1)を含むものを含む。これらの「直線抗体」は、例えば、Zapata et al. 1995, Protein Eng. 8(10):1057-1062に記載される二重特異性又は単一特性であり得る。
【0088】
「ヒト化抗体」又は「ヒト化抗体フラグメント」は、免疫グロブリンアミノ酸配列変異体、又はそのフラグメントを含むキメラ抗体の特定の種類であり、そしてそれは予め決められた抗原に結合可能であり、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有する1個以上のFR、及び非ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有する1個以上のCDRを含む。「移入」配列としてしばしば言及されるこの非ヒトアミノ酸配列は、典型的には、「移入」抗体ドメイン、具体的には可変ドメインから入手される。一般に、ヒト化抗体は、ヒト重鎖又は軽鎖可変ドメインのFR間に挿入された、非ヒト抗体の少なくともCDR又はHVLを含む。本発明は、ヒト生殖細胞系列配列重鎖及び軽鎖可変ドメインのFR間に挿入されたマウスモノクローナル抗体又はヒト化CDRからもたらされるCDRを含有する特異的なヒト化抗IL−36R抗体を記載する。ある種のマウスFR残基は、ヒト化抗体の機能に重要であり得、それ故ある種のヒト生殖細胞系列配列重鎖及び軽鎖可変ドメインは、対応するマウス配列のものと同一であるように改変されると理解されるだろう。
【0089】
別の態様において、ヒト化抗IL−36R抗体は、実質的に全てである少なくとも1個、典型的には2個の可変ドメインを含み(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)
2、Fabc、及びFvフラグメントにおいて含有される)、ここで、全て又は実質的に全てのCDRは非ヒト免疫グロブリンのそれに対応し、特に本明細書において、全てのCDRは、本明細書において以下で詳述されるマウス又はヒト化配列であり、全て又は実質的に全てのFRは、ヒト免疫グロブリンコンセンサス又は生殖細胞系列配列のものである。別の態様において、ヒト化抗IL−36R抗体はまた、少なくとも一部の免疫グロブリンFc領域、典型的にはヒト免疫グロブリンのものを含有する。通常、抗体は、軽鎖、並びに少なくとも重鎖の可変ドメインの両方を含有する。抗体はまた、適切に、重鎖の1個以上のC
H1、ヒンジ、C
H2、C
H3、及び/又はC
H4領域も含有し得る。
【0090】
ヒト化抗IL−36r抗体は、IgM、IgG、IgD、IgA、及びIgEを含む任意のクラスの免疫グロブリン、及びIgG
1、IgG
2、IgG
3、IgG
4、IgA
1、及びIgA
2を含む任意のアイソタイプから選択することができる。例えば、定常ドメインは、定常ドメインを固定する補体であり得、ここで、ヒト化抗体は細胞毒性活性を発揮し、アイソタイプは典型的にはIgG
1であることが望まれる。かかる細胞毒性活性が望まれない場合、定常ドメインは別のアイソタイプ(例えば、IgG
2)のものであってもよい。代わりのヒト化抗IL−36R抗体は、1個より多い免疫グロブリンクラス又はアイソタイプ由来の配列を含むことができ、所望のエフェクター機能を最適化するための、具体的な定常ドメインを選択することは当該技術分野において通常の技術である。特定の実施態様において、本発明は、IgG
1抗体であり、より具体的にはエフェクター機能がノックアウトされているIgG1抗体である抗体を提供する。
【0091】
ヒト化抗IL−36R抗体のFR、及びCDR、又はHVLは、親配列に正確に対応する必要はない。例えば、移入CDR、又はHVL、又はコンセンサス又は生殖細胞系列FR配列における1個以上の残基は、得られたアミノ酸残基がいずれかの親配列における対応する部分の元の残基ともはや同一ではないが、それにも関わらず抗体がIL−36Rに対する結合能を保持するように、置換、挿入、又は欠損により変更されてもよい(例えば、変異誘発されてもよい)。かかる変更は、典型的には大規模ではなく、保存的変更である。通常、少なくとも75%のヒト化抗体残基は、親のコンセンサス又は生殖細胞系列FR及び移入CDR配列に対応し、より頻繁には少なくとも90%、最も頻繁には95%より多く、又は98%より多く、又は99%より多くが対応するだろう。
【0092】
重鎖可変領域と軽鎖可変領域間の境界(「V
L−V
H境界」)に影響する免疫グロブリン残基は、互いに関連する2つの鎖の近接性又は配向性に影響するものである。鎖間の相互作用に関与し得るある種の残基は、V
L残基34、36、38、44、46、87、89、91、96、及び98、及びV
H残基35、37、39、45、47、91、93、95、100、及び103を含む(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health, Bethesda, Md., 1987)において説明される番号方式を用いている)。米国特許第6,407,213号はまた、残基(例えば、V
L残基43及び85、及びV
H残基43及び60)もこの相互作用に関与し得ることを考察している。これらの残基がヒトIgGのみについて示されているとき、それらは種に渡り適用可能である。鎖間の相互作用に関与すると合理的に予測される重要な抗体残基がコンセンサス配列への置換のため選択される。
【0093】
用語「コンセンサス配列」及び「コンセンサス抗体」は、任意の具体的なクラス、アイソタイプ、又はサブユニット構造(例えば、ヒト免疫グロブリン可変ドメイン)の全ての免疫グロブリンにおいてそれぞれの位置で最も頻繁に生じるアミノ酸残基を含むアミノ酸配列に言及する。コンセンサス配列は、特定の種又は多くの種の免疫グロブリンに基づき得る。「コンセンサス」配列、構造、又は抗体は、ある種の実施態様において記載されるコンセンサスヒト配列を包含すると解され、任意の具体的なクラス、アイソタイプ、又はサブユニット構造の全ヒト免疫グロブリンにおいてそれぞれの位置で最も頻繁に生じるアミノ酸残基を含むアミノ酸配列に言及する。従って、コンセンサス配列は、それぞれの位置で、1個以上の既知の免疫グロブリンにおいて存在するアミノ酸を有するアミノ酸配列を含有するが、それは任意の単一の免疫グロブリンのアミノ酸配列全体を正確には複製し得ない。可変領域コンセンサス配列は、任意の天然に産生される抗体又は免疫グロブリン(Kabat et al., 1991, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md.,)、及びその変異体から得られない。
【0094】
ヒト生殖細胞系列配列は、ヒト集団において天然に見出される。これらの生殖細胞系列遺伝子の組み合わせは抗体の多様性を生じる。抗体の軽鎖の生殖細胞系列抗体配列は、保存されたヒト生殖細胞系列カッパ、又はラムダv−遺伝子及びj−遺伝子からもたらされる。同様に、重鎖配列は、生殖細胞系列v−遺伝子、d−遺伝子、及びj−遺伝子からもたらされる(LeFranc, M-P, and LeFranc, G, "The Immunoglobulin Facts Book" Academic Press, 2001)。
【0095】
本明細書において用いられる「変異体」、「抗IL−36R変異体」、「ヒト化抗IL−36R変異体」、又は「変異体ヒト化抗IL−36R」のそれぞれは、少なくとも軽鎖可変マウスCDRを有するヒト化抗IL−36R抗体に言及する。変異体は、軽鎖又は重鎖可変ドメインの1つ又は両方において1個以上のアミノ酸変更を有するものを含む(但し、アミノ酸変更は、抗体のIL−36Rへの結合を実質的に損なわない)。
【0096】
「単離」抗体は、その天然環境の構成成分から同定され、分離され、及び/又は回収されるたものである。抗体の天然環境の混入成分は、抗体の診断上又は治療上の使用と干渉し得る物質であり、酵素、ホルモン、又は他のタンパク質又は非タンパク質性溶質であり得る。1つの態様において、抗体は、抗体重量の少なくとも95%より高い単離物に精製されるだろう。
【0097】
抗体の天然環境の構成成分の少なくとも1つは存在しないので、単離抗体には、抗体が産生される組み換え細胞内のインサイツの抗体も含まれる。しかしながら、通常、単離抗体は、少なくとも1つの精製工程(ここで、組み換え細胞材料が取り除かれる)により調製される。
【0098】
用語「抗体パフォーマンス」は、抗原の抗体認識、又はインビボでの抗体の有効性に関与する要因に言及する。抗体のアミノ酸配列中の変更は、抗体特性(例えば、フォールディング)に影響することができ、物理的要因(例えば、抗体の抗原への結合の開始速度(ka)、抗体の抗原からの解離定数(kd)、抗体の抗原についての親和性定数(Kd)、抗体の構造、タンパク質安定性、及び抗体の半減期)に影響し得る。
【0099】
本明細書において用いられる用語「タグを付けられたエピトープ」は、「エピトープタグ」に融合した抗IL−36R抗体に言及する。「エピトープタグ」は、抗体産生のためエピトープを提供するのに十分な数のアミノ酸を有するポリペプチドであり、それが、ヒト化抗IL−36R抗体の所望の活性を阻害しないように設計される。エピトープタグは、通常、エピトープタグに対して生じた抗体が、他のエピトープと実質的にクロス反応しないように十分に固有なものである。適当なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6個のアミノ酸残基を含有し、通常、約8〜50個のアミノ酸残基、又は約9〜30個の残基を含有する。エピトープタグ及びエピトープを結合する抗体の例は、flu HAタグポリペプチド及びその抗体12CA5を含む(Field et al., 1988 Mol. Cell. Biol. 8: 2159-2165;c−mycタグ、及び8F9、3C7、6E10、G4、B7、及びそれに対する9E10抗体(Evan et al., 1985, Mol. Cell. Biol. 5(12):3610-3616);及び単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグ、及びその抗体(Paborsky et al. 1990, Protein Engineering 3(6): 547-553)を含む。ある種の実施態様において、エピトープタグは「エピトープを結合するサルベージ受容体」である。本明細書において用いられる用語「エピトープを結合するサルベージ受容体」は、IgG分子のインビボ血清半減期の増大に関与するIgG分子(例えば、IgG
1、IgG
2、IgG
3、又はIgG
4)のFc領域のエピトープに言及する。
【0100】
いくつかの実施態様において、本発明の抗体は細胞毒性剤に結合され得る。これは、細胞の機能を阻害するか又は妨げる、及び/又は細胞の破壊を引き起こす任意の物質である。用語は、放射性アイソトープ(例えば、I
131、I
125、Y
90、及びRe
186)、化学療法剤、及び毒物(例えば、細菌、真菌、植物、又は動物起源の酵素的に活性な毒物、及びそのフラグメント)を含むことが意図されている。かかる細胞毒性剤は、標準的な方法を用いて本発明のヒト化抗体に結合することができ、例えば、抗体での治療に望ましい患者を処置するために用いられる。
【0101】
「化学療法剤」は、癌の処置において有用な化学的化合物である。本発明の治療抗体と結合することができる化学療法剤の多数の例が存在する。かかる化学療法剤の例は、アルキル化剤(例えば、チオテパ及びシクロスホスファミド;スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファン);アジリジン(例えば、ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、及びウレドーパ(uredopa);アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメチローロメラミンを含むエチレンイミン及びメチルアメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン(合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼルシン、及びビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(cryptophycine)(具体的には、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン、オーリスタチン(類似体モノメチル−オーリスタチンE及びモノメチル−オーリスタチンFを含む);ズオカルマイシン(合成類似体であるKW−2189及びCBI−TMIを含む);エリュテロビン;パンクラティスタチン(pancratistatin);サルコジクチン(sarcodictyin); スポンジスタチン;ナイトロジェンマスタード(例えば、クロラムブチル、クロマファジン、クロロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニマスチン;トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロスレアス(nitrosureas)(例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン;抗生物質(例えば、エンジイン抗生物質(例えば、カリチアマイシン、特にカリケアマイシンガンマ1I及びカリチアマイシンファイI1(例えば、Agnew, Chem. Intl. Ed. Engl., 33:183-186を参照);ディネマイシンAを含むディネマイシン;ビスホスホネート(例えば、クロドロネート);エスペラマイシン;並びにネオカルジノスタチンクロモフォア及び放出された色素タンパク質であるエンジイン抗生物質クロモモホル(chromomophore))、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン(carabicin)、カミノマイシン(caminomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトロビシン(detorubicin)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標))(モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルブシン(epirubucin)、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン(例えば、マイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピュロマイシン(puromycine)、クェラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗物質(例えば、メトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸類似体(例えば、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート);プリン類似体(例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン(thiamiprine)、チオグアニン;ピリミジン類似体(例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン;アンドロゲン(例えば、カルステロン、ドロモスタノロンプロピオネート、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗アドレナル(例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補液(例えば、フロリン酸);アセグラトン;アイドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);ビスアントレン;エダトラキセート;デホファミン(defofamine);デモコルシン(democolcine);ジアジクオン;エルホミチン(elfomithine);エリプチニウムアセテート;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;メイタンシノイド(例えば、メイタンシン及びアンサマイトシン);ミトグアゾン、ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(商標);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフラン(sizofuran);スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2''−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT−2毒、ベラクリン(verracurin)A、ロリジンA、及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミタブロニトール(mitabronitol);ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド(例えば、パクリタキセル(TAXOL(商標)、Bristol−Myers Squibb Oncology、Princeton、N.J.))及びドキセタキセル(doxetaxel)(TAXOTERE(商標)、Rhone-Poulenc Rorer、Antony、France);クロラムブチル;ゲムシタビン(Gemzar(登録商標));6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;プラチナ類似体(例えば、シスプラチン及びカルボプラチン);ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビンNavelbine(登録商標));ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド(例えば、レチノイン酸);カペシタビン;及び上述のいずれかの医薬的に許容される塩、酸、又は誘導体を含む。この定義に、腫瘍上でのホルモン作用を制御するか又は阻害するために作用する抗ホルモン剤(例えば、抗エストロゲン及び選択性エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、例えば、タモキシフェン(Nolvadex(登録商標)を含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン(trioxifene)、ケオキシフェン(keoxifene)、LY117018、オナプリストン(onapristone)、及びトレミフェン(Fareston(登録商標)));副腎でのエストロゲン産生を制御する、酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤(例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、メゲストロールアセテート(Megace(登録商標))、エキセメスタン、ホルメスタン、ファドロゾール、ボロゾール(Rivisor(登録商標))、レトロゾール(Femara(登録商標))、及びアナストロゾール(Arimidex(登録商標));及び抗アンドロゲン(例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリード、及びゴセレリン;及び上述のいずれかの医薬的に許容される塩、酸、又は誘導体も含まれる。これらの剤の任意の1個以上を本発明のヒト化抗体と結合して、種々の異常の処置に有用な治療剤がもたらされ得る。
【0102】
抗体はまたプロドラッグに結合してもよい。「プロドラッグ」は、親薬物と比較して、腫瘍細胞に対してより少ない細胞毒性であり、酵素的に活性化されることができるか、又はより活性な形態に変換される、医薬的に有効な物質の前駆体又は誘導体形態である。例えば、Wilman, 1986, "Prodrugs in Cancer Chemotherapy", In Biochemical Society Transactions, 14, pp. 375-382, 615th Meeting Belfast and Stella et al., 1985, "Prodrugs: A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery, In: "Directed Drug Delivery, Borchardt et al., (ed.), pp. 247-267, Humana Pressを参照。有用なプロドラッグは、プロドラッグを含有するリン酸塩、プロドラッグを含有するチオリン酸塩、プロドラッグを含有する硫酸塩、プロドラッグを含有するペプチド、D−アミノ酸−修飾プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、プロドラッグを含有するβ−ラクタム、場合により置換されている、プロドラッグを含有するフェノキシアセトアミド、及び場合により置換されている、プロドラッグを含有するフェニルアセトアミド、5−フルオロシトシン、及びより活性な細胞毒性のない薬物に変換され得る他の5−フルオロウリジンプロドラッグを含むが、これらに限定されない。プロドラッグ形態に誘導体化され得る細胞毒性薬物の例は、上述の化学療法剤を含むが、これらに限定されない。
【0103】
診断上並びに治療上のモニタリング目的のため、本発明の抗体はまた、標識、標識単独、又は標識と更に第2の剤(プロドラッグ、化学療法剤等)に結合してもよい。他の第2の剤から区別される標識は、検出可能な化合物又は組成物である剤に言及し、そしてこれは、本発明のヒト化抗体に直接的又は間接的に結合されてもよい。標識は、それ自体検出可能(例えば、ラジオアイソトープ標識、又は蛍光標識)であってもよいか、又は酵素標識の場合、検出可能な基質化合物又は組成物の化学的変化を触媒してよもよい。標識ヒト化抗IL−36R抗体は、調製され、インビトロ及びインビボ診断を含む種々の適用に用いることができる。
【0104】
本発明の抗体は、インビボにおけるデリバリーに影響するように、リポソーム調製物の一部として考案されてもよい。「リポソーム」は、様々な種類の脂質、リン脂質、及び/又は界面活性剤からなる小型の小胞である。リポソームは、場合により1個以上の医薬的に有効な剤及び/又は標識に結合されるか、又はそれと組み合わされた、化合物又は製剤(例えば、本明細書で開示されるヒト化抗IL−36R抗体)の哺乳類へのデリバリーに有用である。リポソームの成分は、通常、生物学的メンブレンの脂質配置と同様に、2層構成で配置される。
【0105】
本発明のある種の態様は、本発明のヒト化抗体の1個以上のドメインをコードする単離核酸に関する。「単離」核酸分子は、抗体核酸の天然供給源において通常関連する少なくとも1個の混入核酸分子から同定され、分離された核酸分子である。単離核酸分子は、それが天然の細胞中に存在する核酸分子と区別される。
【0106】
本発明の種々の態様において、ヒト化抗体の1個以上のドメインは、組み換え的に発現される。かかる組み換え発現は、1個以上の制御配列、すなわち、特定の宿主生物において作動可能に結合したコード配列の発現に必要なポリヌクレオチド配列を利用してもよい。原核細胞における使用に適した制御配列は、例えば、プロモーター、オペレーター、及びリボソーム結合部位配列を含む。真核生物の制御配列は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、及びエンハンサーを含むが、これらに限定されない。これらの制御配列は、原核生物及び真核生物の宿主細胞におけるヒト化抗IL−36R抗体の発現及び産生のために利用することができる。
【0107】
核酸配列は、それが、別の核酸配列と機能的に関連して置かれるとき、「作動可能に結合」される。例えば、核酸プレ配列又は分泌リーダーは、ポリペプチドの分泌に関与する前タンパク質として発現されるなら、ポリペプチドをコードする核酸に作動可能に結合し、プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響するなら、コード配列に作動可能に結合するか、又はリボソーム結合部位は、翻訳を促進するよう位置するなら、コード配列に作動可能に結合する。一般的に、「作動可能に結合した」は、結合されたDNA配列が隣接し、分泌リーダーの場合、リーディングフレームで隣接することを意味する。しかしながら、エンハンサーが場合により隣接する。結合は、通常の制限酵素部位でのライゲーションにより成され得る。かかる部位が存在しないなら、合成オリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーが用いられ得る。
【0108】
本明細書において用いられる、表現「細胞」、「細胞株」、及び「細胞培養」は同じ意味で用いられ、かかる指定の全てがその子孫を含む。従って、「形質転換体」及び「トランスフォーメーションされた細胞」は、初代対象細胞、及びトランスファーの数を問わずそこからもたらされる培養物を含む。
【0109】
処置目的のため、用語「哺乳類」は、ヒト、家畜、及び動物園、スポーツ、又はペットの動物(例えば、イヌ、ウマ、ネコ、ウシなど)を含む哺乳類として分類される任意の動物に言及する。好ましくは、哺乳類はヒトである。
【0110】
本明細書で用いられる「異常」は、本明細書に記載されるヒト化抗IL−36R抗体での処置から利益を受ける任意の状態である。これは、哺乳類を対象の異常に罹患しやすくする病的状態を含む慢性及び急性異常又は疾患を含む。本明細書において処置されるべき非限定的な例又は異常は、炎症性、血管形成、自己免疫、及び免疫異常、呼吸障害、癌、血液系腫瘍、良性及び悪性腫瘍、白血病、及びリンパ系腫瘍を含む。
【0111】
用語「癌」及び「癌性」は、無制御の細胞増殖により典型的に特徴付けられる哺乳類における生理的状態に言及するか、又は記載する。癌の例は、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病を含むが、これらに限定されない。
【0112】
IL−36R関連異常は、免疫系の疾患及び異常(例えば、自己免疫疾患及び炎症性疾患)を含む。かかる状態は、関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症、シェーグレン症候群、多発性硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎及びクローン病)、肺の炎症、喘息、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、上皮炎症性疾患、線維症、及び強直性脊椎炎を含むが、これらに限定されない。
【0113】
用語「静脈内注入」は、約15分より長い時間、一般的には約30〜90分間、動物又はヒト患者の静脈への剤の導入に言及する。
【0114】
用語「静脈内ボーラス」又は「静脈内プッシュ」は、身体が約15分未満、一般的には5分未満で薬物を受けるような、動物又はヒトの静脈への薬物投与に言及する。
【0115】
用語「皮下投与」は、動物又はヒト患者の皮下、好ましくは皮膚と下部組織の間のポケット内での、比較的ゆっくりとした、薬物容器からの持続性デリバリーによる、剤の導入に言及する。皮膚をつまむか、又は皮膚を持ち上げて下部組織から離すことにより、ポケットが生まれる。
【0116】
用語「皮下注入」は、30分以下、又は90分以下を含むがこれらに限定されない時間、比較的ゆっくりとした、薬物容器からの持続性デリバリーにより、動物又はヒト患者の皮下、好ましくは皮膚と下部組織の間のポケット内への薬物の導入に言及する。場合により、注入は、動物又はヒト患者の皮下に移植された薬物デリバリーポンプの皮下移植により成され、ここで、ポンプは、予め決められた量の薬物を予め決められた期間(例えば、30分、90分)又は処置計画期間にまたがる時間デリバーする。
【0117】
用語「皮下ボーラス」は、動物又はヒト患者の皮膚の真下での薬物投与に言及し、ボーラス薬物デリバリーは、約15分未満であり、別の態様において5分未満、なお別の態様において60秒未満である。なお別の態様において、投与は、皮膚と下部組織との間のポケット内であり、ここで、ポケットは、皮膚をつまむか、又は皮膚を持ち上げて下部組織から離すことにより作られ得る。
【0118】
用語「治療上有効量」を用いて、処置される異常の症状の1つ以上を軽減するか、又は回復させる有効な剤の量に言及する。別の態様において、治療上有効量は、例えば、疾患の進行を遅延させる際に有効であることが示された標的血清濃度に言及する。有効性は、通常の方法で、処置されるべき状態に依存して測定され得る。
【0119】
本明細書で用いられる用語「処置」及び「治療」などは、1つ以上の症状の軽減又は除去、疾患又は異常の進行の退行、遅延又は停止を含むがこれらに限定されない、任意の臨床上所望又は有益な効果を導く疾患又は異常のための治療、並びに、予防、又は抑制手段を含むことを意味する。従って、例えば、用語処置は、疾患又は異常の症状の始まる前、又はその後の剤の投与を含み、これにより、疾患又は異常の1つ以上の兆候が予防されるか、又は取り除かれる。別の例として、その用語は、疾患の症状と闘うための、疾患の臨床的徴候後の剤の投与を含む。更に、発症後、及び臨床的症状が改善し、投与が臨床的パラメーター(例えば、組織損傷の程度、転移の量又は範囲)に影響を与えた後の剤の投与は、処置が疾患の改善を導くかどうかに関わらず、本明細書で用いられる「処置」又は「治療」に含まれる。更に、単独又は別の治療剤と組み合わせた本発明の組成物が、ヒト化抗IL−36R抗体組成物の使用なしの症状と比較して、処置される異常の少なくとも1つの症状を軽減するか、または改善する限り、結果は、疾患の全症状が軽減されるかどうかに関わらず、内在する異常の効果的な処置と考えられるべきである。
【0120】
用語「添付文書」を用いて、治療産物の使用に関する効能、用法、投与、禁忌及び/又は注意についての情報を含む、治療産物の市販のパッケージに習慣的に含まれる指示に言及する。
【0121】
抗体
1つの態様において、抗IL−36R抗体、特にヒト化抗IL−36R抗体、及び1個以上の抗IL−36R抗体、特に1個以上の本発明のヒト化抗IL−36R抗体を含む組成物及び製造物品が、本明細書において記載及び開示される。抗IL−36抗体、特にヒト化抗IL−36R抗体の抗原結合フラグメントを含む結合剤もまた、記載される。
【0122】
本発明の代表的抗体の可変領域及びCDRが以下に開示される:
【0123】
抗IL−36Rマウス抗体配列
本発明の代表的マウスリード抗体(マウスリード)の可変領域及びCDRが以下に示される:
【0124】
【表1】
【0125】
抗IL−36RマウスCDR配列
リードマウス抗体のCDR配列の概要が以下に示される:
【表2】
【0126】
抗IL−36Rヒト化抗体配列
ヒトフレームワーク配列が、フレームワーク相同性、CDR構造、保存カノニカル残基、保存インターフェースパッキング残基、及びヒト化可変領域を得るための他のパラメーターに基づきマウスリードのため選択された(実施例5を参照)。
【0127】
抗体81B4及び73C5に由来する代表的ヒト化可変領域が以下に示される。
【0128】
軽鎖可変領域(VK)アミノ酸配列
【表3】
【0129】
重鎖可変領域(VH)アミノ酸配列
【表4】
【0130】
上で示された抗体81B4及び73C5に由来するヒト化可変領域由来のCDR配列が以下に表される。
【0131】
【表5】
【0132】
1つの態様において、本発明の可変領域は定常領域に結合する。例えば、本発明の可変領域は、以下に示される定常領域に結合して、抗体の重鎖又は軽鎖を形成する。
【0133】
【表6】
【0134】
本発明の代表的軽鎖及び重鎖配列が以下に示される(定常領域に結合した抗体81B4及び73C5に由来するヒト化可変領域)。
【0135】
軽鎖アミノ酸配列
【表7】
【0136】
重鎖アミノ酸配列
【表8】
【0137】
上で挙げられたCDRは、Chothia番号方式(Al-Lazikani et al., (1997) JMB 273, 927-948)を用いて定義される。
【0138】
1つの態様において、本発明の抗体は、例えば、上で説明された3個の軽鎖CDR及び3個の重鎖CDRを含む。
【0139】
1つの態様において、本発明の抗体は、上で説明された軽鎖及び重鎖可変領域を含む。1つの態様において、本発明の軽鎖可変領域は、軽鎖定常領域(例えば、κ又はλ定常領域)に融合される。1つの態様において、本発明の重鎖可変領域は、重鎖定常領域(例えば、IgA、IgD、IgE、IgG、又はIgM、特にIgG
1、IgG
2、IgG
3、又はIgG
4)に融合される。
【0140】
本発明は、配列番号115のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号125のアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗IL−36R抗体(抗体B1)を提供する。
【0141】
本発明は、配列番号115のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号126のアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗IL−36R抗体(抗体B2)を提供する。
【0142】
本発明は、配列番号115のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号127のアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗IL−36R抗体(抗体B3)を提供する。
【0143】
本発明は、配列番号118のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号125のアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗IL−36R抗体(抗体B4)を提供する。
【0144】
本発明は、配列番号118のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号126のアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗IL−36R抗体(抗体B5)を提供する。
【0145】
本発明は、配列番号118のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号127のアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗IL−36R抗体(抗体B6)を提供する。
【0146】
本発明は、配列番号123のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号138のアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗IL−36R抗体(抗体C3)を提供する。
【0147】
本発明は、配列番号123のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号139のアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗IL−36R抗体(抗体C2)を提供する。
【0148】
本発明は、配列番号124のアミノ酸配列を含む軽鎖;及び配列番号138のアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗IL−36R抗体(抗体C1)を提供する。
【0149】
本発明の代表的な抗体が以下に示される。
【0150】
【表9】
【0151】
【表10】
【0152】
本発明の抗体は、ヒトにおける種々の疾患又は異常(例えば、免疫疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、及び呼吸器系疾患)の処置方法において有用である。例えば、本発明の抗体は、乾癬、関節リウマチ、炎症性腸疾患、又は乾癬性関節炎の処置方法において有用である。例えば、本発明の抗体は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又は喘息の処置方法において有用である。例えば、本発明の抗体は、強皮症、掌蹠膿疱症、汎発性膿疱性乾癬、糖尿病性腎症、ループス腎炎、強皮症、強直性脊椎炎、IL−36受容体アンタゴニスト欠損性自己免疫疾患(DITRA)、IL−1受容体アンタゴニストの欠損性自己免疫疾患(DIRA)、又はクリオピリン関連周期性症候群(CAPS)の処置方法において有用である。
【0153】
いくつかの態様において、ヒト化抗体は阻害活性を示し、これにより、IL−36リガンドのIL−36受容体への結合を、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低減する。IL−36リガンドのIL−36受容体への結合を阻害する抗体の能力は、当該技術分野において知られた競合結合アッセイを用いて測定することができる。或は、抗体の阻害活性は、IL−36の生物学的作用(例えば、IL−8、IL−6、及びGM−CSFの産生)を評価して、IL−36受容体により仲介されるシグナル伝達が阻害されるかどうかを決定することにより、測定することができる。
【0154】
更なる態様において、本発明は、好ましい生物物理学的特性を有するヒト化抗IL−36R抗体を提供する。1つの態様において、本発明のヒト化抗IL−36R抗体は、バッファー中に少なくとも90%のモノマー形態、又は少なくとも92%のモノマー形態、又は少なくとも95%のモノマー形態で存在する。更なる態様において、本発明のヒト化抗IL−36R抗体は、バッファー中に少なくとも90%のモノマー形態、又は少なくとも92%のモノマー形態、又は少なくとも95%のモノマー形態で1ヶ月間又は4ヶ月間残存する。
【0155】
1つの態様において、本発明のヒト化抗体は、抗体B1、抗体B2、抗体B3、抗体B4、抗体B5、抗体B6、抗体C1、抗体C2、又は抗体C3である。従って、1つの実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号115の軽鎖配列、及び配列番号125の重鎖配列を含む(抗体B1)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号115の軽鎖配列、及び配列番号126の重鎖配列を含む(抗体B2)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号115の軽鎖配列、及び配列番号127の重鎖配列を含む(抗体B3)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号118の軽鎖配列、及び配列番号125の重鎖配列を含む(抗体B4)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号118の軽鎖配列、及び配列番号126の重鎖配列を含む(抗体B5)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号118の軽鎖配列、及び配列番号127の重鎖配列を含む(抗体B6)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号124の軽鎖配列、及び配列番号138の重鎖配列を含む(抗体C1)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号123の軽鎖配列、及び配列番号139の重鎖配列を含む(抗体C2)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号123の軽鎖配列、及び配列番号138の重鎖配列を含む(抗体C3)。
【0156】
更なる実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号115の軽鎖配列、及び配列番号125の重鎖配列からなる(抗体B1)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号115の軽鎖配列、及び配列番号126の重鎖配列からなる(抗体B2)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号115の軽鎖配列、及び配列番号127の重鎖配列からなる(抗体B3)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号118の軽鎖配列、及び配列番号125の重鎖配列からなる(抗体B4)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号118の軽鎖配列、及び配列番号126の重鎖配列からなる(抗体B5)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号118の軽鎖配列、及び配列番号127の重鎖配列からなる(抗体B6)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号124の軽鎖配列、及び配列番号138の重鎖配列からなる(抗体C1)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号123の軽鎖配列、及び配列番号139の重鎖配列からなる(抗体C2)。別の実施態様において、本発明のヒト化抗体は、配列番号123の軽鎖配列、及び配列番号138の重鎖配列からなる(抗体C3)。
【0157】
いくつかの実施態様において、抗原結合フラグメント(例えば、重鎖及び軽鎖可変領域)を含むヒト化抗IL−36R抗体は、抗体B1、抗体B2、抗体B3、抗体B4、抗体B5、抗体B6、抗体C1、抗体C2、又は抗体C3に由来する残基のアミノ酸配列を含む。
【0158】
更なる実施態様において、本発明は、ヒトIL−36Rに本発明の抗体(例えば、本明細書に記載の抗体B1、抗体B2、抗体B3、抗体B4、抗体B5、抗体B6、抗体C1、抗体C2、又は抗体C3)と競合的に結合する、抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供する。抗体又は抗原結合フラグメントのIL−36Rに競合的に結合する能力は、当該技術分野において知られた競合的結合アッセイを用いて、測定することができる。
【0159】
ヒト化抗IL−36R抗体は、場合により、コンセンサス又は生殖細胞系列フレームワーク領域に特異的なアミノ酸置換を含む。これらのフレームワーク位置でのアミノ酸残基の特異的置換は、CDR又はHVLのヒト生殖細胞系列フレームワーク領域への「直接交換」により形成されるヒト化抗体で証明されたものにおいて、結合親和性及び/又は安定性を含む抗体パフォーマンスの種々の態様を改良することができる。
【0160】
いくつかの実施態様において、本発明は、配列番号1〜10のいずれか1つにおいて説明されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有する他のモノクローナル抗体を記載する。いくつかの実施態様において、本発明は、配列番号11〜20のいずれか1つにおいて説明されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を有する他のモノクローナル抗体を記載する。かかるCDRをヒトコンセンサス重鎖及び軽鎖可変ドメインのFRに置くことにより、有用な本発明のヒト化抗体を得る。
【0161】
特に、本発明は、配列番号1/11、2/12、3/13、4/14、5/15、6/16、7/17、8/18、9/19、10/20の軽鎖可変領域と重鎖可変領域の組み合わせを有するモノクローナル抗体を提供する。かかる可変領域は、ヒト定常領域と組み合わせることができる。
【0162】
いくつかの実施態様において、本発明は、配列番号76〜86のいずれか1つにおいて説明されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域配列を有する他のヒト化抗体を記載する。いくつかの実施態様において、本発明は、配列番号87〜101のいずれか1つにおいて説明されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域配列を有する他のヒト化抗体を記載する。特に、本発明は、配列番号77/89、80/88、80/89、77/87、77/88、80/87、86/100、85/101、85/100の軽鎖可変領域と重鎖可変領域の組み合わせを有するモノクローナル抗体を提供する。かかる可変領域は、ヒト定常領域と組み合わせることができる。
【0163】
更なる実施態様において、本発明は、配列番号77のCDR、及び配列番号77の可変ドメイン軽鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化軽鎖可変ドメイン、及び配列番号89のCDR、及び配列番号89の可変ドメイン重鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化重鎖可変ドメインを含む抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。1つの実施態様において、抗IL−36R抗体はヒト化モノクローナル抗体である。
【0164】
更なる実施態様において、本発明は、配列番号80のCDR、及び配列番号80の可変ドメイン軽鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化軽鎖可変ドメイン、及び配列番号88のCDR、及び配列番号88の可変ドメイン重鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化重鎖可変ドメインを含む抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。1つの実施態様において、抗IL−36R抗体はヒト化モノクローナル抗体である。
【0165】
更なる実施態様において、本発明は、配列番号80のCDR、及び配列番号80の可変ドメイン軽鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化軽鎖可変ドメイン、及び配列番号89のCDR、及び配列番号89の可変ドメイン重鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化重鎖可変ドメインを含む抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。1つの実施態様において、抗IL−36R抗体はヒト化モノクローナル抗体である。
【0166】
更なる実施態様において、本発明は、配列番号77のCDR、及び配列番号77の可変ドメイン軽鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化軽鎖可変ドメイン、及び配列番号87のCDR、及び配列番号87の可変ドメイン重鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化重鎖可変ドメインを含む抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。1つの実施態様において、抗IL−36R抗体はヒト化モノクローナル抗体である。
【0167】
更なる実施態様において、本発明は、配列番号77のCDR、及び配列番号77の可変ドメイン軽鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化軽鎖可変ドメイン、及び配列番号88のCDR、及び配列番号88の可変ドメイン重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化重鎖可変ドメインを含む抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。1つの実施態様において、抗IL−36R抗体はヒト化モノクローナル抗体である。
【0168】
更なる実施態様において、本発明は、配列番号80のCDR、及び配列番号80の可変ドメイン軽鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワークを含むヒト化軽鎖可変ドメイン、及び配列番号87のCDR、及び配列番号87の可変ドメイン重鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化重鎖可変ドメインを含む抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。1つの実施態様において、抗IL−36R抗体はヒト化モノクローナル抗体である。
【0169】
更なる実施態様において、本発明は、配列番号86CDR、及び配列番号86の可変ドメイン軽鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化重鎖可変ドメイン、及び配列番号100のCDR、及び配列番号100の可変ドメイン重鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化重鎖可変ドメインを含む抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。1つの実施態様において、抗IL−36R抗体はヒト化モノクローナル抗体である。
【0170】
更なる実施態様において、本発明は、配列番号85のCDR、及び配列番号85の可変ドメイン軽鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化軽鎖可変ドメイン、及び配列番号101のCDR、及び配列番号101の可変ドメイン重鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化重鎖可変ドメインを含む抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。1つの実施態様において、抗IL−36R抗体はヒト化モノクローナル抗体である。
【0171】
更なる実施態様において、本発明は、配列番号85のCDR、及び配列番号85の可変ドメイン軽鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化軽鎖可変ドメイン、及び配列番号100のCDR、及び配列番号100の可変ドメイン重鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一、少なくとも93%同一、又は少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化重鎖可変ドメインを含む抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。1つの実施態様において、抗IL−36R抗体はヒト化モノクローナル抗体である。
【0172】
いくつかの特定の実施態様において、本明細書に開示されるヒト化抗IL−36R抗体は、少なくとも、本明細書に開示されるマウスモノクローナル抗体又はヒト化抗体のCDR又はHVL、及びヒト生殖細胞系重鎖及び軽鎖可変ドメインのFRを含む重鎖又は軽鎖可変ドメインを含む。
【0173】
1つの更なる態様において、本発明は、配列番号21〜29のいずれか1つの軽鎖CDR1(L−CDR1)配列;配列番号30〜38のいずれか1つの軽鎖CDR2(L−CDR2)配列;配列番号39〜47のいずれか1つの軽鎖CDR3(L−CDR3)配列;配列番号48〜56のいずれか1つの重鎖CDR1(H−CDR1)配列;配列番号57〜66のいずれか1つの重鎖CDR2(H−CDR2)配列;及び配列番号67〜75のいずれか1つの重鎖CDR3(H−CDR3)配列を含む、抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供する。1つの態様において、抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントは、上で挙げられたL−CDR1、L−CDR2、及びL−CDR3を含む軽鎖可変領域、及び上で挙げられたH−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3を含む重鎖可変領域を含む。
【0174】
更なる態様において、本発明は、
a)それぞれ、配列番号21、30、39、48、57、及び67のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列;又は
b)それぞれ、配列番号22、31、40、49、58、及び68のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列;又は
c)それぞれ、配列番号23、32、41、50、59、及び69のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列;又は
d)それぞれ、配列番号24、33、42、51、60、及び70のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列;又は
e)それぞれ、配列番号25、34、43、52、61、及び71のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列;又は
f)それぞれ、配列番号26、35、44、53、62、及び72のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列;又は
g)それぞれ、配列番号27、36、45、54、63、及び73のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列;又は
h)それぞれ、配列番号27、36、45、54、64、及び74のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列;又は
i)それぞれ、配列番号27、36、45、54、64、及び73のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列;又は
j)それぞれ、配列番号28、37、46、55、65、及び74のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列;又は
k)それぞれ、配列番号29、38、47、56、66、及び75のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列
を含む抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供する。
【0175】
更なる態様において、本発明は、
a)それぞれ、配列番号26、103、44、53、62、及び72のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列;又は
b)それぞれ、配列番号26、104、44、53、62、及び72のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列;又は
c)それぞれ、配列番号27、36、45、107、63、及び73のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列;又は
d)それぞれ、配列番号27、36、45、107、64、又は73のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3配列
を含む抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを提供する。
【0176】
1つの態様において、抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントは、上で挙げられたL−CDR1とL−CDR2とL−CDR3の組み合わせを含む軽鎖可変領域、及び上で挙げられたH−CDR1とH−CDR2とH−CDR3の組み合わせを含む重鎖可変領域を含む。
【0177】
具体的な実施態様において、これらの例示的免疫グロブリン間で交換されたCDR領域(すなわち、例えば、マウス抗体又はこれに由来するヒト化抗体の1つの1又は2個のCDRを、別のマウス抗体又はこれに由来するヒト化抗体由来の類似CDRで交換すること)を有するキメラ抗体は有用な抗体となると考えられる。
【0178】
ある種の実施態様において、ヒト化抗IL−36R抗体は抗体フラグメントである。種々の抗体フラグメントが上で一般的に考察されており、抗体フラグメントの産生のために開発された技術が存在する。フラグメントは、インタクトな抗体のタンパク質消化を解してもたらされ得る(例えば、Morimoto et al., 1992, Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107-117;及びBrennan et al., 1985, Science 229:81を参照)。或は、フラグメントは、組み換え宿主細胞において直接産生され得る。例えば、Fab’−SHフラグメントは、大腸菌(E. coli)から直接回収され、化学的に結合させて、F(ab’)
2フラグメントを形成することができる(例えば、Carter et al., 1992, Bio/Technology 10:163-167を参照)。別のアプローチにより、F(ab’)
2フラグメントは、組み換え宿主細胞培地から直接単離することができる。抗体フラグメントの産生の他の技術は、当業者に明らかである。従って、1つの態様において、本発明は、本明細書に記載されるCDR、特に本明細書に記載のL−CDR1、L−CDR2、L−CDR3、H−CDR1、H−CDR2、及びH−CDR3の組み合わせの1つを含む抗体フラグメントを提供する。更なる態様において、本発明は、本明細書に記載の可変領域(例えば、本明細書に記載の軽鎖可変領域と重鎖可変領域の組み合わせの1つ)を含む抗体フラグメントを提供する。
【0179】
ある種の実施態様は、配列番号115又は118のいずれかの軽鎖配列を配列番号125、126、又は127の重鎖配列と組み合わせて含むヒト化抗IL−36R抗体のF(ab’)
2フラグメントを含む。かかる実施態様は、例えばF(ab’)
2を含むインタクトな抗体を含み得る。
【0180】
ある種の実施態様は、配列番号123又は124のいずれかの軽鎖配列を配列番号138又は139の重鎖配列と組み合わせて含むヒト化抗IL−36R抗体のF(ab’)
2フラグメントを含む。かかる実施態様は、例えばF(ab’)
2を含むインタクトな抗体を含み得る。
【0181】
いくつかの実施態様において、抗体又は抗体フラグメントは、エフェクター機能を仲介する定常領域を含む。定常領域は、IL−36R発現標的細胞に対する抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、及び/又は補体依存性細胞傷害活性(CDC)応答をもたらし得る。エフェクタードメインは、例えば、Ig分子のFc領域であり得る。
【0182】
抗体のエフェクタードメインは、任意の適当な脊椎動物種及びアイソタイプ由来であることができる。異なる動物種由来のアイソタイプは、エフェクター機能を仲介する能力の点で異なる。例えば、CDC及びADCC/ADCPを仲介するヒト免疫グロブリンの能力は、一般に、それぞれ、IgM≒IgG
1≒IgG
3>IgG
2>IgG
4、及びIgG
1≒IgG
3>IgG
2/IgM/IgG
4の順である。マウス免疫グロブリンは、CDC及びADCC/ADCPを、一般にそれぞれマウスIgM≒IgG
3>>IgG
2b>IgG
2a>>IgG
1、及びIgG
2b>IgG
2a>IgG
1>>IgG
3の順で仲介する。別の例において、マウスIgG
2aは、ADCCを仲介し、一方マウスIgG
2a及びIgMの両方がCDCを仲介する。
【0183】
抗体の改変
ヒト化抗IL−36R抗体及び剤は、ヒト化抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントの改変を含み得る。例えば、癌の処置における抗体の有効性を増強すために、抗体をエフェクター機能に関して修飾することが所望され得る。かかる改変の1つは、システイン残基(複数を含む)のFc領域への導入であり、これにより、この領域での鎖間のジスルフィド結合形成が可能になる。このように生成されたホモ2量体抗体は、改良された内部移行能及び/又は増大した補体介在性細胞殺傷、及び/又は抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)を有することができる。例えば、Caron et al., 1992, J. Exp Med. 176:1191-1195;及びShopes, 1992, J. Immunol. 148:2918-2922を参照。増大した抗腫瘍活性を有するホモ2量体抗体は、Wolff et al., 1993, Cancer Research 53: 2560-2565に記載されるヘテロ2官能性架橋剤を用いて調製され得る。或は、抗体は、2個のFc領域を含有するよう操作されて、抗体の補体溶解能及びADCC能を増強し得る。Stevenson et al., 1989, 抗Cancer Drug Design 3: 219-230を参照。
【0184】
ADCCを指示する改良された能力を有する抗体は、Fc領域のグリコシル化パターンを改変することにより生成される。これは、C
H2ドメインにおけるアスパラギン残基N297での抗体グリコシル化が、ADCCに必須のIgG受容体とFcγ受容体との間の相互作用に関与するので、可能である。宿主細胞株は、改変されたグリコシル化(例えば、増大した二分化N−アセチルグルコサミン又は低減したフコース)を有する抗体を発現するよう操作されている。フコースの低減は、二分化N−アセチルグルコサミンの存在を増大するより、ADCC活性をより増強する。更に、低フコース抗体によるADCCの増強は、FcγRIIIaV/F多型の非依存性である。
【0185】
抗体のFc領域のアミノ酸配列を改変することは、ADCCを増強するためのグリコシル化操作に代わるものである。Fcγ受容体に対するヒトIgG
1上の結合部位は、広範な変異解析により決定される。これにより、インビトロでFcγRIIIaに対する結合親和性を増大し、ADCCを増強するFc変異を有するヒト化IgG
1抗体が生成される。加えて、Fc変異体は、結合特性の多数の異なる並べ替え(例えば、他のFcγR受容体に変わらず又は減少して結合する特異的FcγR受容体への改良された結合)で得られる。
【0186】
別の態様は、細胞毒性剤(例えば、化学療法剤、毒物(例えば、細菌、真菌、植物、又は動物起源の酵素活性毒物、又はそのフラグメント)、又は放射性アイソトープ(すなわち、放射性複合体)に結合したヒト化抗体又はそのフラグメントを含む免疫複合体を含む。
【0187】
かかる免疫複合体の生成に有用な化学療法剤は上述されている。有用な免疫複合体を形成するために用いられ得る酵素活性毒物及びそのフラグメントは、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、外毒素A鎖(シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、αサルシン、アロイリテス・ホルジイ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチンタンパク質、フィトラカ・アメリカナ(Phytolaca Americana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP−S)、モモルディカ・カラナティア(Momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サポナリア・オフィシナリス(Sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、トリコテシンなどを含む。様々な放射性核種は、放射性複合体化ヒト化抗IL−36R抗体の産生に利用可能である。例として、
212Bi、
131I、
131In、
90Y、及び
186Reを含む。
【0188】
ヒト化抗IL−36R抗体の細胞毒性剤又は化学療法剤との複合体は、既知の方法により、多数の二機能性タンパク質カップリング剤(例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二機能性誘導体(例えば、ジメチルアジプイミデートHCL)、活性エステル(例えば、ジスクシンイミジルスベレート)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、ビス−アジド化合物(例えば、ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス−ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えば、トルエン2,6−ジイソシアネート)、及びビス−活性フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン))を用いて作成され得る。例えば、リシン免疫毒は、Vitetta et al., 1987, Science 238:1098に記載の通り調製され得る。炭素−14−標識1−イソチオシアネートベンジル−3−メチルジエチレントリアミンペンタ酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体との複合体化のための典型的なキレート剤である。複合体はまた切断可能なリンカーで形成され得る。
【0189】
本明細書に開示されるヒト化抗IL−36R抗体はまた、免疫リポソームとしても処方され得る。抗体を含有するリポソームは、当該技術分野で知られた方法(例えば、Epstein et al., 1985, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:3688;Hwang et al., 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4030;及び米国特許第4,485,045号及び第4,544,545号に記載)により調製される。増強された循環時間を有するリポソームが、例えば、米国特許第5,013,556号において開示される。
【0190】
具体的には、有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、及びPEG−誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物を用いた逆相蒸発法により生成され得る。規定の孔サイズのフィルターを通して、所望の直径を有するリポソームを得る。本明細書で開示される抗体のFab’フラグメントは、Martin et al., 1982, J. Biol. Chem. 257:286-288に記載のリポソームに、ジスルフィド相互変換反応を介して結合され得る。化学療法剤(例えば、ドキソルビシン)が、場合によりリポソーム内に含有される。例えば、Gabizon et al., 1989, J. National Cancer Inst. 81(19):1484を参照。
【0191】
本明細書において記載され、開示される抗体はまた、ADEPT(抗体指示酵素プロドラッグ療法)法において、抗体を、プロドラッグ(例えば、ペプチジル化学療法剤)を活性な抗癌薬物に変換するプロドラッグ活性化酵素に複合体化させることにより、用いられ得る。例えば、国際公開公報第81/01145号、国際公開公報第88/07378号、及び米国特許第4,975,278号を参照。ADEPTに有用な免疫複合体の酵素成分は、プロドラッグをそのより活性な細胞毒性形態に変換する方法で、プロドラッグ上で作用することができる酵素である。ADEPTにおいて有用である特定の酵素は、プロドラッグ含有リン酸塩を遊離薬物に変換するためのアルカリホスファターゼ;プロドラッグ含有硫酸塩を遊離薬物に変換するためのアリールスルファターゼ;非毒性5−フルオロシトシンを抗癌薬物である5−フルオロウラシルに変換するためのシトシンデアミナーゼ;プロドラッグ含有ペプチドを遊離薬物に変換するためのプロテアーゼ(例えば、セラチアプロテアーゼ、サーモリシン、スブチリシン、カルボキシペプチダーゼ、及びカテプシン(例えば、カテプシンB及びL));D−アミノ酸置換基含有プロドラッグを変換するためのD−アラニルカルボキシペプチダーゼ;グリコシル化プロドラッグを遊離薬物に変換するための炭水化物分解酵素(例えば、β−ガラクトシダーゼ及びノイラミニダーゼ);β−ラクタムで誘導体化された薬物を遊離薬物に変換するためのβ−ラクタム;及びアミン窒素にてそれぞれフェノキシアセチル又はフェニルアセチル基で誘導体化された薬物を遊離薬物に変換するためのペニシリンVアミダーゼ又はペニシリンGアミダーゼの様なペニシリンアミダーゼを含むが、これらに限定されない。或は、酵素活性を有する抗体(「アブザイム(abzymes)」)を用いて、プロドラッグを遊離活性薬物に変換することができる(例えば、Massey, 1987, Nature 328: 457-458を参照)。抗体とアブザイムの複合体は、既知の、アブザイムの腫瘍細胞集団へのデリバリー方法(例えば、酵素を上で考察されたヒト化抗IL−36R抗体/ヘテロ2官能性架橋結合試薬に共有結合させることによる)により調製され得る。或は、上述の酵素の少なくとも機能的に活性な部分に結合した本明細書において開示される抗体の少なくとも抗原結合領域を含む融合タンパク質は、組み換えDNA技術(例えば、Neuberger et al., 1984, Nature 312:604-608を参照)を用いて構築され得る。
【0192】
ある種の実施態様において、組織浸潤を増大するためにインタクトな抗体よりむしろヒト化抗IL−36R抗体フラグメントを用いることが所望され得る(例えば、血清半減期を増大するために抗体フラグメントを改変することが所望され得る)。これは、例えば、サルベージ受容体結合エピトープの抗体フラグメントへの取り込みにより達成され得る。1つの方法において、抗体フラグメントの適当な領域は変えられ得る(例えば、変異誘発される)か、又はエピトープは、例えば、DNA又はペプチド合成により末端部又は中間部で抗体フラグメントに融合しているペプチドタグに取り込まれ得る。例えば、国際公開公報第96/32478号を参照。
【0193】
他の実施態様において、ヒト化抗IL−36R抗体の共有結合修飾も含まれる。共有結合修飾は、システイニル残基、ヒスチジル残基、リシニル及びアミノ末端残基、アルギニル残基、チロシル残基、カルボキシル側鎖(アスパルチル又はグルタミル)、グルタミニル及びアスパラギニル残基、又はセリル、又はスレオニル残基の修飾を含む。別の種類の共有結合修飾は、グリコシドを抗体に化学的又は酵素的に結合することを含む。かかる修飾は、適用可能であれば、抗体の化学合成又は酵素的又は化学的切断により作成され得る。抗体の他の種類の共有結合修飾は、抗体の標的アミノ酸残基を、選択された側鎖又はアミノ又はカルボキシ末端残基と反応することができる有機誘導体化剤と反応させることにより、分子に導入され得る。
【0194】
抗体上に存在する任意の炭水化物部分の除去は、化学的又は酵素的に成され得る。化学的脱グリコシル化は、Hakimuddin et al., 1987, Arch. Biochem. Biophys. 259:52、及びEdge et al., 1981, Anal. Biochem., 118:131により記載されている。抗体上の炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakura et al., 1987, Meth. Enzymol 138:350により記載される、様々なエンド−及びエキソ−グリコシダーゼを用いることにより成され得る。
【0195】
別の種類の有用な共有結合修飾は、1個以上の米国特許第4,640,835号、米国特許第4,496,689号、米国特許第4,301,144号、米国特許第4,670,417号、米国特許第4,791,192号、及び米国特許第4,179,337号に説明される方法で、抗体を様々な非タンパク質性ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレン)の1個に結合することを含む。
【0196】
ヒト化及びアミノ酸配列変異体
抗IL−36R抗体のアミノ酸配列変異体は、適当なヌクレオチド変更を抗IL−36R抗体DNAに導入することにより又はペプチド合成により調製することができる。かかる変異体は、例えば、本明細書の実施例の抗IL−36R抗体のアミノ酸配列内の残基の欠損、及び/又は挿入、及び/又は置換を含む。欠損、挿入、及び置換は、最終構造物が所望の特徴を有する条件で、最終構造物に至るよう任意に組み合わされる。アミノ酸変更はまた、ヒト化又は変異体抗IL−36R抗体の翻訳後プロセスを変更し得る(例えば、グリコシル化部位の数又は位置を変更する)。
【0197】
変異誘発の好ましい位置である抗IL−36R抗体のある種の残基又は領域の有用な同定方法は、Cunningham and Wells (Science, 244:1081-1085 (1989))により記載される通り、「アラニン系統的変異導入法」と呼ばれる。ここで、標的残基の残基又は基(例えば、荷電残基(例えば、arg、asp、his、lys、及びglu))が同定され、アミノ酸のIL−36R抗原との相互作用に影響するように、中性又は負に荷電したアミノ酸(典型的には、アラニン)により置き換えられる。次に、置換に対して機能的な感受性を示すこれらのアミノ酸位置は、更に、又は他の変異体を置換部位で又は置換部位に対して導入することにより改良される。従って、アミノ酸配列バリエーションを導入するための部位が予め決定され、一方変異自体の性質が予め決定されることを必要としない。例えば、所定の位置での変異の効力を分析するために、アラニン系統的又は無作為変異誘発が標的コドン又は領域で行われ、発現された抗IL−36R抗体変異体が所望の活性についてスクリーニングされる。
【0198】
アミノ酸配列挿入物は、長さが1個の残基から100個以上の残基を含有するポリペプチドの範囲にある、アミノ及び/又はカルボキシル末端融合物、並びに単一以上のアミノ酸残基の配列間挿入物を含む。末端の挿入物の例としては、エピトープタグに融合した抗IL−36R抗体を含む。抗IL−36R抗体分子の他の挿入性変異体は、抗体の血清半減期を増大する酵素又はポリペプチドの抗IL−36R抗体のN末端又はC末端への融合物を含む。
【0199】
別の種類の変異体はアミノ酸置変異体である。これらの変異体は、取り除かれた抗IL−36R抗体分子において少なくとも1個のアミノ酸残基、及びその場所に挿入された異なる残基を有する。置換性変異誘発についての非常に興味深い位置は超可変領域を含むが、FRの変更も考慮される。保存的置換は、表5において表題「好ましい置換」の下に示される。かかる置換が生物学的活性の変化を生じるなら、「典型的な置換」と命名されるか又はアミノ酸種類に関連して更に後述される、より実質的な変更が導入され、生成物がスクリーニングされ得る。
【0200】
【表11】
【0201】
タンパク質化学において、一般に、抗体の生物学的特性は、(a)置換範囲内のポリペプチド骨格の構造(例えば、シート又はらせん形構造)、(b)標的部位での分子の荷電又は疎水性、又は(c)側鎖の容積の維持に対する作用の点で有意に異なる置換を選択することにより行われ得ることが、受容される。天然に存在する残基は、共通の側鎖特性に基づきグループ分けされる:
(1)疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile;
(2)中性親水性:cys、ser、thr;
(3)酸性:asp、glu;
(4)塩基性:asn、gin、his、lys、arg;
(5)鎖配向性に影響する残基:gly、pro;及び
(6)芳香族性:trp、tyr、phe。
【0202】
非保存的置換は、これらの種類の1個のメンバーを別の種類に変えることを必要とする。
【0203】
ヒト化又は変異体抗IL−36R抗体の適切な構造の維持に関与しない任意のシステイン残基はまた、一般にセリンで置換されて、分子の酸化安定性を改善するか、異常な架橋を防ぐか、又は細胞毒性又は細胞分裂阻害化合物への結合の確立されたポイントを提供し得る。逆に、システイン結合が抗体に追加されて、その安定性を改善し得る(特に、抗体が抗体フラグメント(例えば、Fvフラグメント)である場合)。
【0204】
一種の置換性変異体は、親抗体(例えば、ヒト化又はヒト抗体)の1個以上の超可変領域残基の置換に関与する。一般的には、更なる開発のために選択された生じた変異体(複数を含む)は、親抗体(これから生成される)と比較して改良された生物学的特性を有するだろう。かかる置換性変異体を生成する通常の方法は、ファージディスプレーを用いた親和性成熟である。簡単に言うと、いくつかの超可変領域部位(例えば、6〜7個の部位)が、各部位で全ての可能性のあるアミノ置換を生成するよう変異される。従って、生成された抗体変異体は、各粒子内にパッケージングされたM13の遺伝子III産物への融合物として糸状ファージ粒子から1価形式で提示される。次に、ファージにより提示された変異体は、その生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングされる。改変の候補超可変領域部位を同定するために、アラニン系統的変異導入法が、抗原結合に有意に寄与する超可変領域残基を同定するために行われ得る。或は、又は加えて、抗体とヒトIL−36R間の接触点を同定するために、抗原と抗体複合体の結晶構造を解析することが有益であり得る。かかる接触残基及び近接の残基は、本明細書に詳述される技術による置換の候補である。一度かかる変異体が生成されると、変異体の一団が本明細書に記載されるスクリーニングの対象とされ、1個以上の関連アッセイにおいて優れた特性を有する抗体が、更なる開発のため選択され得る。
【0205】
別の一種の抗体のアミノ酸変異体は、抗体の元のグリコシル化パターンを変える。「変えること」は、抗体中に見出される1個以上の炭水化物部分を欠損すること、及び/又は抗体に存在しない1個以上のグリコシル化部位を加えることを意味する。
【0206】
いくつかの実施態様において、本発明の抗体をグリコシル化部位に加えて改変することが所望され得る。抗体のグリコシル化は、典型的にはN−結合又はO−結合のいずれかである。N−結合は、炭水化物部分のアスパラギン残基の側鎖への結合に言及する。トリペプチド配列であるアスパラギン−X−セリン及びアスパラギン−X−スレオニン(ここで、Xはプロリン以外の任意のアミノ酸である)は、炭水化物部分のアスパラギン側鎖への酵素結合の認識配列である。従って、ポリペプチド中のこれらのトリペプチド配列のいずれかの存在が、可能性のあるグリコシル化部位を生じる。O−結合グリコシル化は、糖であるN−アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又はキシロースの1つの、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリン又はスレオニンへの結合に言及するが、5−ヒドロキシプロリン又は5−ヒドロキシリジンも用いられ得る。従って、所定のタンパク質(例えば、抗体)をグリコシル化するために、タンパク質のアミノ酸配列は、1個以上の上述のトリペプチド配列を含有するよう操作される(N−結合グリコシル化部位について)。変化はまた、元の抗体の配列の1個以上のセリン又はスレオニン残基への付加、又は置換により作成され得る(O−結合グリコシル化部位について)。
【0207】
抗IL−36R抗体のアミノ酸配列変異体をコードする核酸分子は、当該技術分野で知られている様々な方法により調製される。これらの方法は、天然の供給源からの単離(天然に存在するアミノ酸配列変異体の場合)、又は抗IL−36R抗体の既に調製された変異体又は非変異体バージョンのオリゴヌクレオチドにより仲介される(又は部位指定)変異誘発、PCR変異誘発、及びカセット変異誘発による調製を含むが、これらに限定されない。
【0208】
ポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、及び組み換え方法
他の実施態様は、ヒト化抗体の産生のため、ヒト化抗IL−36R抗体をコードする配列を含む単離ポリヌクレオチド、ベクター、及びポリヌクレオチドを含む宿主細胞、及び組み換え技術を包含する。単離ポリヌクレオチドは、例えば、全長モノクローナル抗体、Fab、Fab’、F(ab’)
2、及びFvフラグメント、二重特異性抗体、直鎖抗体、1本鎖抗体分子、及び抗体フラグメントから形成される多特異的抗体を含む、抗IL−36R抗体の任意の所望の形態をコードすることができる。
【0209】
いくつかの実施態様は、配列番号1〜10のいずれかのアミノ酸配列を有する抗体又は抗体フラグメントの軽鎖可変領域をコードする配列を含む単離ポリヌクレオチドを含む。ある種の実施態様は、配列番号11〜20のアミノ酸配列を有する抗体又は抗体フラグメントの重鎖可変領域をコードする配列を含む単離ポリヌクレオチドを含む。
【0210】
いくつかの実施態様は、配列番号76〜86のいずれかのアミノ酸配列を有する抗体又は抗体フラグメントの軽鎖可変領域をコードする配列を含む単離ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施態様は、配列番号87〜101のアミノ酸配列を有する抗体又は抗体フラグメントの重鎖可変領域をコードする配列を含む単離ポリヌクレオチドを含む。
【0211】
いくつかの実施態様は、配列番号114〜124のいずれかのアミノ酸配列を有する抗体の軽鎖をコードする配列を含む単離ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施態様は、配列番号125〜139のアミノ酸配列を有する抗体の重鎖をコードする配列を含むポリヌクレオチドを含む。
【0212】
1つの態様において、単離ポリヌクレオチド配列(複数を含む)は、それぞれ配列番号115及び配列番号127;それぞれ配列番号118及び配列番号126;それぞれ配列番号118及び配列番号127;それぞれ配列番号115及び配列番号125;それぞれ配列番号115及び配列番号126;それぞれ配列番号118及び配列番号125;それぞれ配列番号124及び配列番号138;それぞれ配列番号123及び配列番号139;それぞれ配列番号123及び配列番号138のアミノ酸配列を含む軽鎖及び重鎖可変領域を有する抗体又は抗体フラグメントをコードする。
【0213】
ヒト化抗IL−36R抗体又はそのフラグメント又は鎖をコードする配列を含むポリヌクレオチドは、当該技術分野で知られた1個以上の調節又は制御配列に融合されることができ、当該技術分野で知られた適当な発現ベクター又は宿主細胞に含有され得る。重鎖又は軽鎖可変ドメインをコードするポリヌクレオチド分子のそれぞれは、独立して、定常ドメイン(例えば、ヒト定常ドメイン)をコードするポリヌクレオチド配列に融合されることができ、これによりインタクトな抗体の産生が可能になる。或は、ポリヌクレオチド又はその部分が一緒に融合されて、1本鎖抗体の産生のための鋳型が提供され得る。
【0214】
組み換え体産生のため、抗体をコードするポリヌクレオチドは、クローニング(DNAの増幅)又は発現のための複製可能なベクターに挿入される。組み換え抗体を発現するのに適した多くのベクターが利用可能である。ベクター成分は、一般に、以下:シグナル配列、複製起源、1個以上のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列の1個以上を含むが、これらに限定されない。
【0215】
ヒト化抗IL−36R抗体はまた、融合ポリペプチドとしても産生されることができ、ここで、抗体は異種性ポリペプチド(例えば、成熟タンパク質又はポリペプチドのアミノ末端に特異的な切断部位を有するシグナル配列又は他のポリペプチド)で融合される。選択された異種性シグナル配列は、典型的には、宿主細胞により認識され、プロセシングされる(すなわち、シグナルペプチダーゼにより切断される)ものである。ヒト化抗IL−36R抗体シグナル配列を認識せず、プロセシングしない原核生物宿主細胞のため、シグナル配列は、原核生物のシグナル配列により置換され得る。シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、リポタンパク質、熱安定性エンテロトキシンIIリーダーなどであり得る。酵母分泌のため、天然のシグナル配列が、例えば、酵母インベルターゼα因子により得られるリーダー配列(サッカロミセス(Saccharomyces)及びクリベロマイセス(Kluyveromyces)α−因子リーダーを含む)、酸性ホスファターゼ、カンジタ・アルビカンス(C. albicans)グルコアミラーゼ、又は国際公開公報第90/13646号に記載のシグナルで置換され得る。哺乳類細胞において、哺乳類シグナル配列、並びにウイルス分泌リーダー(例えば、単純ヘルペスgDシグナル)が用いられ得る。かかるプレカーサー領域のDNAが、リーディングフレームでヒト化抗IL−36R抗体をコードするDNAにライゲーションされる。
【0216】
発現及びクローニングベクターは、ベクターを1個以上の選択された宿主細胞において複製することを可能にする核酸配列を含有する。一般に、クローニングベクターにおいて、これらの配列は、ベクターを、宿主染色体DNAと関係なく複製することを可能にするものであり、複製開始点又は自己複製配列を含む。様々な細菌、酵母、及びウイルスについてのかかる配列が周知である。プラスミドpBR322由来の複製開始点は、大抵のグラム陰性細菌に適しており、2−υプラスミド開始点は酵母に適しており、種々のウイルス開始点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV、及びBPV)は、哺乳類細胞におけるクローニングベクターに適している。一般に、複製成分の開始点は、哺乳類発現ベクターに必要とされない(SV40開始点は、初期プロモーターを含有するので、典型的に用いられ得る)。
【0217】
発現及びクローニングベクターは、発現の同定を促進するための選択可能なマーカーをコードする遺伝子を含有し得る。典型的な選択可能なマーカー遺伝子は、抗生物質又は他の毒物(例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、又はテトラサイクリン)に対する耐性を付与するタンパク質をコードするか、或は補体栄養要求性欠損であるか、又は他の代替において複合培地中に存在しない特定の栄養素を供給する(例えば、バチルス(Bacilli)に対するD−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子)。
【0218】
選択スキームの1つの例は、薬物を利用して、宿主細胞の成長を停止させる。異種性遺伝子で十分にトランスフォーメーションされるこれらの細胞は、薬物耐性を付与するタンパク質を生じ、これにより選択計画を生き残る。かかる優性選択の例は、薬物であるネオマイシン、ミコフェノール酸、及びハイグロマイシンを使用する。哺乳類細胞について共通する選択可能なマーカーは、ヒト化抗IL−36R抗体をコードする核酸を取り上げるのに適した細胞の同定を可能にするものである(例えば、DHFR(ジヒドロ葉酸還元酵素)、チミジンキナーゼ、メタロチオネイン−I及び−II(例えば、霊長類メタロチオネイン遺伝子)、アデノシンデアミナーゼ、オルニチンデカルボキシラーゼなど)。DHFR選択遺伝子でトランスフォーメーションされた細胞は、まず、形質転換体の全てを、メトトレキサート(Mtx)、DHFRの競合的アンタゴニストを含有する培養培地において培養することにより、同定される。野生型DHFRが用いられるときの適当な宿主細胞は、DHFR活性(例えば、DG44)における欠損であるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株である。
【0219】
或は、抗IL−36R抗体、野生型DHFRタンパク質、及び別の選択可能なマーカー(例えば、アミノグリコシド3’−ホスホトランスフェラーゼ(APH))をコードするDNA配列でトランスフォーメーション又はコトランスフォーメーションされた宿主細胞(具体的には、内在性DHFRを含有する野生型宿主)は、選択可能なマーカーに対する選択剤(例えば、アミノグリコシド系抗生物質(例えば、カナマイシン、ネオマイシン、又はG418))を含有する培地における細胞成長により選択され得る。例えば、米国特許第4,965,199号を参照。
【0220】
組み換え産生が、宿主細胞としての酵母細胞において行われる場合、酵母プラスミドYRp7に存在するTRP1遺伝子(Stinchcomb et al., 1979, Nature 282: 39)が選択可能なマーカーとして用いられ得る。TRP1遺伝子は、トリプトファン中で成長する能力を欠く酵母の変異株に対する選択マーカーをもたらす(例えば、ATCC番号44076又はPEP4−1(Jones, 1977, Genetics 85:12))。次に、酵母宿主細胞ゲノムにおけるtrp1損傷の存在は、トリプトファンの不存下での成長によるトランスフォーメーションの検出に有効な環境をもたらす。同様に、Leu2p−欠損酵母株(例えば、ATCC20,622及び38,626)は、LEU2遺伝子を生じる既知のプラスミドにより補完される。
【0221】
加えて、1.6μmの環状プラスミドpKD1からもたらされるベクターが、クリベロマイセス酵母のトランスフォーメーションのため用いられ得る。或は、組み換え仔ウシキモシンの巨大スケール産生ための発現系は、クルイベロミセス・ラクチス(K. lactis)において報告されている(Van den Berg, 1990, Bio/Technology 8:135)。クリベロマイセスの工業用株による成熟組み換えヒト血清アルブミンの分泌のための安定な多複製発現ベクターも開示されている(Fleer et al., 1991, Bio/Technology 9:968-975)。
【0222】
発現及びクローニングベクターは、通常、宿主生物により認識され、抗IL−36R抗体又はそのポリペプチド鎖をコードする核酸分子に作動可能に結合しているプロモーターを含有する。原核生物宿主での使用に適したプロモーターは、phoAプロモーター、β−ラクタム、及びラクトースプロモーター系、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系、及びハイブリッドプロモーター(例えば、tacプロモーター)を含む。他の既知の細菌プロモーターも適している。細菌系において使用するためのプロモーターはまた、ヒト化抗IL−36R抗体をコードするDNAに作動可能に結合したシャイン・ダルガーノ(S.D.)配列も含有する。
【0223】
多数の真核生物のプロモーター配列が知られいてる。実質的に、全ての真核生物遺伝子は、転写が開始される場所から約25〜30塩基上流に位置するATリッチな領域を有する。多くの遺伝子の転写の開始から70〜80塩基上流で見出される別の配列は、CNCAAT領域(Nは任意のヌクレオチドであり得る)である。大抵の真核生物遺伝子の3’末端は、コード配列の3’末端へのポリAテールの付加のためのシグナルであり得るAATAAA配列である。これらの配列の全てが真核生物発現ベクターに適当に挿入される。
【0224】
酵母宿主と一緒の使用に適した促進配列の例は、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ又は他の解糖酵素(例えば、エノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸脱炭酸酵素、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼ)用プロモーターを含む。
【0225】
誘導可能なプロモーターは、増殖条件により制御される転写の更なる利点を有する。これらは、アルコール脱水素酵素2、イソチトクロムC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝と関連する誘導体酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド−3−リン酸塩脱水素酵素、及びマルトース及びガラクトース利用に責任を負う酵素についての酵母プロモーター領域を含む。酵母発現での使用に適したベクター及びプロモーターは更に、欧州特許第73,657号に記載されている。酵母エンハンサーはまた、有利には酵母プロモーターと共に用いられる。
【0226】
哺乳類宿主細胞においてベクターからのヒト化抗IL−36R抗体転写は、例えば、ウイルス(例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス2)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、及びシミアンウイルス40(SV40))のゲノム、異種哺乳類プロモーター(例えば、アクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーター)、又はヒートショックプロモーターから得られるプロモーターにより制御される(但し、かかるプロモーターは宿主細胞系と適合可能である)。
【0227】
SV40ウイルスの初期及び後期プロモーターは、好都合には、複製のSV40ウイルス開始点も含有するSV40制限フラグメントとして得られる。ヒトサイトメガロウイルスの前初期プロモーターは、好都合には、HindIII E制限フラグメントとして得られる。ウシパピローマウイルスをベクターとして用いた哺乳類宿主におけるDNA発現系は、米国特許第4,419,446号に開示されている。この系の修飾は、米国特許第4,601,978号に記載されている。単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼプロモーターの制御下でのマウス細胞でのヒトp−インターフェロンcDNAの発現を開示している、Reyes et al., 1982, Nature 297:598-601も参照。或は、ラウス肉腫ウイルス末端反復配列がプロモーターとして用いられ得る。
【0228】
組み換え発現ベクターにおいて用いられ得る別の有用なエレメントは、エンハンサー配列であり、そしてこれを用いて、高等真核生物によるヒト化抗IL−36R抗体をコードするDNAの転写が増大される。哺乳類遺伝子(例えば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテイン、及びインスリン)由来の多数のエンハンサー配列が現在知られている。しかしながら、典型的には、真核生物細胞ウイルス由来のエンハンサーが用いられる。例として、複製開始点の後ろ側(bp100〜270)のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製開始点の後ろ側のポリオーマエンハンサー、及びアデノウイルスエンハンサーを含む。真核生物のプロモーターの活性化のためのエレメントの増強について記載している、Yaniv, 1982, Nature 297:17-18も参照。エンハンサーは、ベクターにヒト化抗IL−36R抗体コード配列にたいして5’又は3’位置でスプライシングされ得るが、好ましくは、プロモーターから5’部位に位置する。
【0229】
真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト又は他の多細胞生物由来の有核細胞)において用いられる発現ベクターはまた、転写の終結に必要な配列、及びmRNAの安定化に必要な配列も含有し得る。かかる配列は、真核生物又はウイルスのDNA又はcDNAの5’、及び場合により3’の非翻訳領域から一般に入手可能である。これらの領域は、抗IL−36R抗体をコードするmRNAの非翻訳部分において、ポリアデニル化フラグメントとして転写されるヌクレオチドセグメントを含有する。1個の有用な転写終結要素は、ウシ成長ホルモンポリアデニル化領域である。国際公開公報第94/11026号、及びそこに開示される発現ベクターを参照。いくつかの実施態様において、ヒト化抗IL−36R抗体は、CHEF系を用いて発現することができる(例えば、米国特許第5,888,809号(開示は、引用により本明細書に取り込まれる)を参照)。
【0230】
本明細書において、ベクター中のDNAのクローニング又は発現に適当な宿主細胞は、上述の原核生物、酵母、又は高等真核生物の細胞である。この目的に適した原核生物は、真正細菌(例えば、グラム陰性又はグラム陽性生物(例えば、腸内細菌科(例えば、エシェリキア(Escherichia)(例えば、エシェリキア・コリ)、エンテロバクター(Enterobacter)、エルウィニア(Erwinia)、クレブシエラ(Klebsiella)、プロテウス(Proteus)、サルモネラ(Salmonella)(例えば、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium))、セラチア(Serratia)(例えば、セラチア・マルセスカンス(Serratia marcescans))、及びシゲラ(Shigella)、並びにバチルス(Bacilli)(例えば、バチルス・サブチリシン(B. subtilis)及びバチルス・リケニホルミス(B. licheniformis)(例えば、1989年4月12日付けで公開された旧東ドイツ公開公報第266,710号において開示されているバチルス・リケニホルミス41P))、シュードモナス(Pseudomonas)(例えば、シュードモナス・エルギノーサ(P. aeruginosa))、及びストレプトマイセス(Streptomyces)))を含む。1個の好ましいエシェリキア・コリクローニング宿主は、エシェリキア・コリ294(ATCC31,446)であるが、他の株(例えば、エシェリキア・コリB、エシェリキア・コリX1776(ATCC31,537)、及びエシェリキア・コリW3110(ATCC27,325))も適している。これらの例は制限よりむしろ説明である。
【0231】
原核生物に加え、真核生物微生物(例えば、糸状菌又は酵母)が、ヒト化抗IL−36R抗体コードベクターの適当なクローニング宿主又は発現宿主である。サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、又は一般的なパン酵母が、下等真核生物の宿主微生物において最も一般的に用いられる。しかしながら、多数の他の属、種、及び系統が、一般に利用可能であり、本明細書において有用である(例えば、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe);クリベロマイセス(Kluyveromyces)宿主(例えば、クリベロマイセス・ラクティス(K. lactis)、クリベロマイセス・フラギリス(K. fragilis)(ATCC12,424)、クリベロマイセス・ブルガリクス(K. bulgaricus)(ATCC16,045)、クリベロマイセス・ウィッケラミイ(K. wickeramii)(ATCC24,178)、クリベロマイセス・ワルティイ(K. waltii)(ATCC56,500)、クリベロマイセス・ドロソフィラルム(K. drosophilarum)(ATCC36,906)、クリベロマイセス・サーモトレランス(K. thermotolerans)、及びクリベロマイセス・マルキシアヌス(K. marxianus);ヤロウイア(欧州特許第402,226号);ピキア・パストリス(Pichia pastors)(欧州特許第EP183,070号);カンジタ(Candida);トリコデルマ・レエシア(Trichoderma reesia)(欧州特許第244,234号);ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa);スクワンニオマイセス(Schwanniomyces)(例えば、スクワンニオマイセス・オッシデンタリス(Schwanniomyces occidentalis));及び糸状菌(例えば、ニューロスポラ(Neurospora)、ペニシリウム(Penicillium)、トリポクラディウム(Tolypocladium)、及びアスペルギルス(Aspergillus)宿主(例えば、アスペルギルス・ニデュランス(A. nidulans)及びアスペルギルス・ニガー(A. niger))。
【0232】
グリコシル化ヒト化抗IL−36R抗体の発現に適した宿主細胞は、多細胞生物からもたらされる。無脊椎動物細胞の例は、例えば、多数のバキュロウイルス株及び変異体、及び宿主(例えば、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(イモムシ)、アエデス・アエジプティ(Aedes aegypti)(蚊)、アエデス・アルボピクタス(Aedes albopictus)(蚊)、ドロソフィア・メラノガステル(Drosophila melanogaster)(ショウジョウバエ)、及びボンビックス・モリ(Bombyx mori)(カイコ))由来の対応する許容状態の昆虫宿主細胞を含む植物及び昆虫細胞を含む。様々なトランスフェクション用ウイルス株が公的に入手可能である(例えば、オートグラファ・カリフォルニア(Autographa californica)NPVのL−1変異体、及びボンビックス・モリ(Bombyx mori)NPVのBm−5株、及びかかるウイルスが、特にスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞のトランスフェクションのために用いられ得る)。
【0233】
綿、トウモロコシ、ポテト、大豆、ペチュニア、トマト、及びタバコの植物細胞培養物は、宿主としても利用され得る。
【0234】
別の態様において、ヒト化抗IL−36Rの発現は脊椎動物細胞において行われる。培養(組織培養)での脊椎動物細胞の増殖は日常的な方法となり、技術が広範に利用可能である。有用な哺乳類宿主細胞株の例は、SV40によりトランスフォーメーションされたサル腎臓CV1株(COS−7、ATCC CRL 1651)、ヒト胚性腎臓株(懸濁培養中での増殖のためサブクローニングされた293又は293細胞(Graham et al., 1977, J. Gen Virol. 36: 59))、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10)、チャイニーズハムスター卵巣細胞細胞/−DHFR1(CHO、Urlaub et al., 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77: 4216;例えば、DG44)、マウスセルトリ細胞(TM4、Mather, 1980, Biol. Reprod. 23:243-251)、サル腎細胞(CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76、ATCC CRL−1587)、ヒト頸部癌腫細胞(HELA、ATCC CCL 2)、イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB 8065)、マウス乳腺腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51)、TR1細胞(Mather et al., 1982, Annals N.Y. Acad. Sci. 383: 44-68)、MRC5細胞、FS4細胞、及びヒトへパトーマ細胞株(Hep G2)である。
【0235】
宿主細胞は、ヒト化抗IL−36R抗体産生のため上述の発現又はクローニングベクターでトランスフォーメーションされ、プロモーターを誘導するか、形質転換体を選択するか、又は所望の配列をコードする遺伝子を増殖するのに適当であるよう改変された通常の栄養培地にて培養される。
【0236】
本明細書に記載されるヒト化抗IL−36R抗体を産生するために用いられる宿主細胞は、様々な培地で培養され得る。市販の培地(例えば、ハムF10(Sigma-Aldrich Co., St. Louis, Mo.)、基礎培地(MEM)(Sigma-Aldrich Co.)、RPMI−1640(Sigma-Aldrich Co.)、及びダルベッコ変法イーグル培地((DMEM)、Sigma-Aldrich Co.)は、宿主細胞の培養に適している。加えて、Ham et al., 1979, Meth. Enz. 58: 44, Barnes et al., 1980, Anal. Biochem. 102: 255、米国特許第4,767,704号、米国特許第4,657,866号、米国特許第4,927,762号、米国特許第4,560,655号、米国特許第5,122,469号、国際公開公報第90/103430号、及び国際公開公報第87/00195号の1つ以上に記載される培地のいずれかが、宿主細胞用培養培地として用いられ得る。これらの培地のいずれかは、必要に応じて、ホルモン及び/又は他の成長因子(例えば、インスリン、トランスフェリン、又は上皮成長因子)、塩(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、及びリン酸塩)、バッファー(例えば、HEPES)、ヌクレオチド(例えば、アデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えば、ゲンタマイシン)、トレースエレメント(マイクロモル範囲の最終濃度で通常存在する無機化合物として定義される)、及びグルコース又は等価のエネルギー供給源で補われる。他の補助剤はまた、当業者に知られた適当な濃度で含まれ得る。培養条件(例えば、温度、pHなど)は、発現のため選択された宿主細胞で従前に用いられたものであり、当業者にあきらかである。
【0237】
組み換え技術を用いたとき、抗体は、細胞膜周辺腔において細胞内で産生され得るか、又は培地中に直接分泌され得る。第1工程として、抗体が細胞内で産生され、細胞を破壊して、タンパク質が放出され得る。粒子状壊死組織片である宿主細胞又は溶解フラグメントのいずれかは、例えば、遠心分離又は限外濾過により取り除かれ得る。Carter et al., 1992, Bio/Technology 10:163-167は、エシェリキア・コリの細胞膜周辺腔に分泌される抗体を単離する方法を記載する。簡単に言うと、細胞ペーストは、酢酸ナトリウム(pH3.5)、EDTA、及びフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)の存在下で約30分かけて分解される。細胞片は遠心分離により取り除かれ得る。抗体が培地中に分泌される場合、かかる発現系由来の培養上清は、一般に、市販のタンパク質濃縮フィルター(例えば、Amicon又はMillipore Pellicon ultrafiltration unit)を用いてまず濃縮される。プロテアーゼ阻害剤(例えば、PMSF)は、前述の工程のいずれかで、タンパク質分解を阻害するために含まれ、抗生物質は、付随的混入物の成長を妨げるために含まれ得る。様々な方法を用いて、抗体を宿主細胞から単離することができる。
【0238】
細胞から調製される抗体組成物は、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及びアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製され得る(但し、アフィニティークロマトグラフィーが典型的な精製技術である)。親和性リガンドとしてのタンパク質Aの適合性は、種、及び抗体中に存在する任意の免疫グロブリンFcドメインのアイソタイプに依存する。タンパク質Aを用いて、ヒトガンマ1、ガンマ2、又はガンマ4重鎖に基づく抗体が精製され得る(例えば、Lindmark et al., 1983 J. Immunol. Meth. 62:1-13を参照)。タンパク質Gが、全てのマウスアイソタイプ、及びヒトガンマ3について推薦される(例えば、Guss et al., 1986 EMBO J. 5:1567-1575を参照)。親和性リガンドが結合するマトリックスは、最も頻繁にはアガロースであるが、他のマトリックスも利用可能である。機械的に安定なマトリックス(例えば、調節された孔ガラス又はポリ(スチレンジビニル)ベンゼン)は、アガロースで達成され得るより速い流速及び短い処理時間を可能にする。抗体がC
H3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX(登録商標)樹脂(J. T. Baker, Phillipsburg, N.J.)は、精製に有用である。タンパク質精製のための他の技術(例えば、イオン交換カラム上での分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上のクロマトグラフィー、ヘパリンSEPHAROSE(登録商標)上でのクロマトグラフィー、アニオン又はカチオン交換樹脂(例えば、ポリアスパラギン酸カラム)上でのクロマトグラフィー、等電点電気泳動、SDS−PAGE、及び硫酸アンモニウム沈殿)も、回収されるべき抗体に依存して利用可能である。
【0239】
任意の予備精製工程(複数を含む)に従い、対象の抗体及び混入物を含む混合物が、pH約2.5〜4.5で溶出バッファーを用いた低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーの対象にされ得る(典型的には、低塩濃度(例えば、約0〜0.25M塩)で行われる)。
【0240】
本明細書で定義される低度、中程度、高度にストリンジェンシーな条件下で、本発明の抗体又は抗体フラグメントをコードする単離ポリヌクレオチド配列(複数を含む)により表されるヌクレオチド配列の全体又は部分(例えば、可変領域をコードする部分)にハイブリダイゼーションする核酸も含まれる。核酸をハイブリダイゼーションするハイブリダイゼーション部分は、典型的には少なくとも15(例えば、20、25、30、又は50)ヌクレオチド長である。核酸をハイブリダイゼーションするハイブリダイゼーション部分は、抗IL−36Rポリペプチド(例えば、重鎖又は軽鎖可変領域)をコードする核酸の一部又は全部の配列、又はその相補鎖と少なくとも80%(例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%)同一である。本明細書に記載される種類の核酸のハイブリダイゼーションは、例えば、クローニングプローブ、プライマー(例えば、PCRプライマー)、又は診断プローブとして用いられ得る。
【0241】
非治療上の使用
本明細書に記載される抗体は、親和性精製剤として有用である。このプロセスにおいて、抗体は、当該技術分野で周知の方法を用いて固相(例えば、タンパク質A樹脂)上に固定される。固定された抗体は、精製されるべきIL−36Rタンパク質(又はそのフラグメント)を含有する試料と接触させ、その後、支持体は、固定された抗体に結合したIL−36Rタンパク質以外の試料中の全材料を実質的に取り除く適当な溶媒で洗浄される。最終的に、支持体は、IL−36Rタンパク質を抗体から放出する別の溶媒で洗浄される。
【0242】
抗IL−36R抗体(例えば、ヒト化抗IL−36R抗体)はまた、IL−36Rタンパク質を検出し、及び/又は定量化するための診断アッセイ(例えば、特定の細胞、組織、又は血清におけるIL−36R発現を検出すること)においても有用である。抗IL−36R抗体もまた診断上用いて、例えば、臨床試験法の一部として疾患の発症又は進行がモニターされ得る(例えば、所定の処置及び/又は予防計画の有効性が決定され得る)。検出は、抗IL−36R抗体を結合させることにより促進され得る。検出可能な物質の例は、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、生物発光物質、放射性物質、種々のポジトロン放出断層撮影を用いたポジトロン放出金属、及び非放射性常磁性金属イオンを含む。本発明による診断として用いるため、抗体に結合され得る金属イオンについて、例えば、米国特許第4,741,900号を参照。
【0243】
抗IL−36R抗体は、IL−36R関連異常(例えば、IL−36Rの異常発現により特徴付けられる異常)の診断方法において、又は対象がIL−36R関連異常を発症する増大したリスクを有するかを決定するために用いられ得る。かかる方法は、対象由来の生物学的試料をIL−36R抗体と接触させ、抗体のIL−36Rへの結合を検出する、を含む。「生物学的試料」により、個々の細胞株、組織培養物、又はIL−36Rを潜在的に発現する細胞の他の供給源から得られる任意の生物学的試料が意図される。組織生検及び体液を哺乳類から得る方法は、当該技術分野において周知である。
【0244】
いくつかの実施態様において、方法は更に、患者試料におけるIL−36Rのレベルを対照試料(例えば、IL−36R関連異常を有しない対象)と比較して、患者が、IL−36R関連異常を有するか、又はIL−36R関連異常を発症するリスクがあるかを決定することを含み得る。
【0245】
いくつかの実施態様において、例えば診断目的のため、検出可能な部分で抗体を標識することが有利であろう。ラジオアイソトープ、蛍光標識、酵素基質標識などを含む多数の検出可能な標識が利用可能である。標識は、種々の既知の技術を用いて抗体と間接的に結合され得る。例えば、抗体はビオチンと結合されることができ、上述の3種の広範なカテゴリーの標識のいずれかがアビジンと結合され得る(又は逆も真なり)。ビオチンはアビジンに選択的に結合し、これにより、標識は、この間接的な方法で抗体と結合され得る。或は、標識の抗体との間接的結合を達成するために、抗体は小ハプテン(例えば、ジゴキシン)と結合されることができ、上述の標識の異なる種類の1つは抗ハプテン抗体(例えば、抗ジゴキシン抗体)と結合される。これにより、標識の抗体との間接的結合が達成され得る。
【0246】
典型的なラジオアイソトープ標識は、
35S、
14C、
125I、
3H、及び
131Iを含む。抗体は、例えば、Current Protocol in Immunology, Volumes 1 and 2, 1991, Coligen et al., Ed. Wiley-Interscience, New York, N.Y., Pubsに記載される技術を用いて、ラジオアイソトープで標識され得る。放射性活性は、例えばシンチレーション測定により測定され得る。
【0247】
典型的な蛍光標識は、レアアースキレート剤(ユーロピウムキレート剤)からもたらされる標識を含むか、又はフルオレセイン及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、ダンシル、リサミン、フィコエリトリン、及びTexas Redが利用可能である。蛍光標識は、既知の技術(例えば、Current Protocol in Immunologyに開示されるもの)を介して抗体に結合され得る。蛍光は蛍光発光を用いて定量化され得る。
【0248】
当該技術分野で知られた、種々の十分に特徴付けられた酵素基質標識が存在する(例えば、説明については米国特許第4,275,149号を参照)。酵素は、一般に、種々の技術を用いて測定され得る発色基質の化学的変化を触媒する。例えば、変化は、分光光度法で測定され得る基質の色の変化であり得る。或は、酵素は、基質の蛍光又は化学発光を変化させ得る。蛍光の変化を定量する技術は上述されている。蛍光発光基質は、化学反応により電気的に励起され、次に、ケミルミノメーターを用いて測定され得る、例えば、又は蛍光受容部にエネルギーを供与する光を放出し得る。
【0249】
酵素標識の例としては、ルシフェラーゼ(例えば、ホタルルシフェラーゼ及び細菌ルシフェラーゼ(米国特許第4,737,456号))、ルシフェリン、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、リンゴ酸脱水素酵素、ウレアーゼ、ペルオキシダーゼ(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO))、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、糖類酸化酵素(例えば、グルコース酸化酵素、ガラクトース酸化酵素、及びグルコース−6−リン酸塩脱水素酵素)、複素環酸化酵素(例えば、ウリカーゼ及びキサンチン酸化酵素)、ラクトペルオキシダーゼ、ミクロペルオキシダーゼなどを含む。酵素を抗体に結合する技術は、例えば、O'Sullivan et al., 1981, Methods for the Preparation of Enzyme-Antibody Conjugates for use in Enzyme Immunoassay, in Methods in Enzym. (J. Langone & H. Van Vunakis, eds.), Academic press, N.Y., 73: 147-166に記載される。
【0250】
酵素と基質の組み合わせの例は、例えば、基質としての水素ペルオキシダーゼとの西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)(ここで、水素ペルオキシダーゼは、色素前駆体(例えば、オルトフェニレンジアミン(OPD)又は3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンヒドロクロライド(TMB)を酸化する);発色基質としてのパラ−ニトロフェニルホスフェートとのアルカリホスファターゼ(AP);及び発色基質(例えば、p−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシダーゼ又は蛍光発生基質4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシダーゼ)とのβ−D−ガラクトシダーゼ(β−D−Gal)を含む。
【0251】
多数の他の酵素と基質の組み合わせが当業者に利用可能である。これらの一般的なレビューについては、米国特許第4,275,149号及び米国特許第4,318,980号を参照。
【0252】
別の実施態様において、ヒト化抗IL−36R抗体が無標識で用いられ、ヒト化抗IL−36R抗体を結合する標識抗体を用いて検出される。
【0253】
本明細書に記載される抗体は、任意の既知のアッセイ方法(例えば、競合的結合アッセイ、直接及び間接サンドイッチアッセイ、及び免疫沈降アッセイ)において用いられ得る。例えば、Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, pp. 147-158 (CRC Press, Inc. 1987)を参照。
【0254】
抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを用いて、リガンドのIL−36受容体への結合を阻害することができる。かかる方法は、抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントを細胞(例えば、哺乳類細胞)又は細胞環境に投与することを含み、これにより、IL−36受容体により仲介されるシグナル伝達が阻害される。これらの方法は、インビトロ又はインビボで行われ得る。「細胞環境」により、組織、培地、又は細胞を囲む細胞外基質が意図される。抗IL−36R抗体又はその抗原結合フラグメントは、抗体又はフラグメントが、IL−36R分子に、細胞の外側及び細胞の周りで結合し、故にIL−36リガンドのその受容体への結合を妨げる能力があるような方法で、細胞環境に投与される、
【0255】
診断キット
抗IL−36R抗体は、診断キット(すなわち、予め決められた量の試薬の診断アッセイを行うための指示書と一緒にパッケージングされた組み合わせ)において用いられ得る。抗体が酵素で標識される場合、キットは、酵素により必要とされる基質及び補助因子(例えば、検出可能な発色団又はフルオロフォアをもたらす基質前駆体)を含み得る。加えて、他の添加剤(例えば、安定剤、バッファー(例えば、ブロックバッファー又は溶解バッファー)など)が含まれ得る。相対量の種々の試薬は広範囲で変動して、アッセイの感受性を実質的に最適化する試薬溶液濃度をもたらし得る。試薬は、溶解に際して、適当な濃度を有する試薬溶液をもたらす、賦形剤を含む通常凍結乾燥された乾燥粉末として提供され得る。
【0256】
治療上の使用
別の実施態様において、本明細書において開示されるヒト化抗IL−36R抗体は、本明細書に記載されるIL−36Rの発現と関連する様々な異常の処置において有用である。IL−36R関連異常の処置方法は、治療上有効量のヒト化抗IL−36R抗体を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0257】
ヒト化抗IL−36R抗体又は剤は、非経腸、皮下、腹腔内、肺内、及び鼻腔内、さらには所望なら、局所免疫抑制処置、病巣内投与(灌流、又はそうでなければ移植前に移植片を抗体と接触させることを含む)を含む任意の適当な方法により投与される。ヒト化抗IL−36R抗体又は剤は、例えば注射又はボーラスとして投与され得る。非経腸注射は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与を含む。加えて、ヒト化抗IL−36R抗体は、適当には、パルス注射、具体的には、減少した用量の抗体で投与される。1つの態様において、投薬は、部分的に投与が短期又は慢性であるかどうかに依存して、注射により、最も好ましくは静脈内又は皮下注射により行われる。
【0258】
疾患の予防又は処置のため、抗体の適当な投薬量は、様々な要因(例えば、上で定義される処置されるべき疾患の種類、疾患の重篤度及び経過、抗体が予防又は治療目的のため投与されるかどうか、薬歴、患者の既往歴及び抗体に対する応答、及び主治医の裁量)に依存する。抗体は、適当には、処置時又は一連の処置に渡り患者に投与される。
【0259】
疾患の種類及び重篤度に依存して、約1μg/kg〜20mg/kg(例えば、0.1〜15mg/kg)の抗体は、例えば、1種以上の別々の投与により又は持続点滴により、患者に投与するための初期候補投薬である。典型的な1日投薬量は、上述の要因に依存して、約1μg/kg〜100mg/kg又はそれ以上の範囲にあり得る。数日又はそれ以上に渡る反復投与のため、状態に依存して、疾患の症状の所望の抑制が生じるまで処置が持続される。しかしながら、他の投薬計画が有用であり得る。この療法の進歩は、通常の技術及びアッセイにより容易にモニターされる。典型的な投薬計画は、国際公開公報第94/04188号に開示されるものである。
【0260】
用語「抑制」は、疾患の1個以上の特徴の低下を指すために、「回復」及び「軽減」と同じ文脈で本明細書で用いられる。
【0261】
抗体組成物は、良好な医療上の実施と一致した方法で処方され、投薬され、投与される。この文脈で考慮する要因は、処置される具体的な異常、処置される具体的な哺乳動物、個々の患者の臨床状態、異常の原因、剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び医療従事者に知られた他の要因を含む。投与されるべき抗体の「治療上有効量」は、かかる考慮結果により影響され、IL−36R発現と関連する異常を予防するか、改善するか、又は処置するのに必要な最小量である。
【0262】
抗体は、問題の異常を予防するか又は処置するために現在用いられる1個以上の剤と共に処方される必要はないが、場合により処方される。かかる他の剤の有効量は、製剤中に存在するヒト化抗IL−36R23p19抗体の量、疾患又は治療の種類、及び上で考察された他の要因に依存する。これらは、一般に、本明細書において上で用いられたのと同一の投薬量及び投与経路で、又は用いられる投薬量の約1〜99%で用いられる。
【0263】
医薬組成物及びその投与
IL−36R結合剤(例えば、抗IL−36R抗体)を含む組成物は、免疫異常、呼吸障害、又は癌を有するか、又はリスクのある対象に投与され得る。本発明は更に、癌、呼吸障害、又は免疫異常の予防又は処置用医薬の製造における、IL−36R結合剤(例えば、抗IL−36R抗体)の使用を提供する。本明細書で用いられる用語「対象」は、IL−36R結合剤が投与され得る任意の哺乳類患者を意味し、例えば、ヒト及び非ヒト哺乳類(例えば、霊長類、げっ歯類、及びイヌ)を含む。本明細書に記載される方法を用いた処置に具体的に意図される対象は、ヒトを含む。抗体又は剤は、免疫異常、呼吸障害若しくは癌の予防又は処置において、単独で又は他の組成物と組み合わせて投与され得る。抗体又は剤と組み合わせて投与され得るかかる組成物は、メトトレキサート(MTX)及び免疫調節物質(例えば、抗体又は低分子)を含む。
【0264】
かかる医薬組成物において使用するための抗体の例は、配列番号1〜10のいずれかの軽鎖可変領域アミノ酸配列を有する抗体又は抗体フラグメントを含むものである。かかる医薬組成物において使用するための抗体の例はまた、配列番号11〜20のいずれかの重鎖可変領域アミノ酸配列を有するヒト化抗体又は抗体フラグメントを含むものである。
【0265】
かかる医薬組成物において使用するための抗体の更なる例はまた、配列番号76〜86のいずれかの軽鎖可変領域アミノ酸配列を有するヒト化抗体又は抗体フラグメントを含むものである。かかる医薬組成物において使用するための好ましい抗体はまた、配列番号87〜101のいずれかの重鎖可変領域アミノ酸配列を有するヒト化抗体又は抗体フラグメントを含むものである。
【0266】
かかる医薬組成物において使用するための抗体の更なる例はまた、配列番号77及び89、配列番号80及び88、配列番号80及び89、配列番号77及び87、配列番号77及び88、配列番号80及び87、配列番号86及び100、配列番号85及び101、又は配列番号85及び10のいずれかの軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を有するヒト化抗体又は抗体フラグメントを含むものである。
【0267】
かかる医薬組成物において使用するための抗体の更なる例はまた、配列番号115、118、123、又は124のいずれかの軽鎖領域アミノ酸配列を有するヒト化抗体を含むものである。かかる医薬組成物において使用するための好ましい抗体はまた、配列番号125、126、127、138、又は139のいずれかの重鎖可変領域アミノ酸配列を有するヒト化抗体を含むものである。
【0268】
かかる医薬組成物において使用するための抗体の更なる例はまた、抗体B1、抗体B2、抗体B3、抗体B4、抗体B5、抗体B6、抗体C1、抗体C2、又は抗体C3を含むものである。
【0269】
種々のデリバリーシステムが知られており、これを用いてIL−36R結合剤を投与することができる。導入方法は、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、及び経口経路を含むが、これらに限定されない。IL−36R結合剤は、例えば、注入(ボーラス又は注射)により投与されることができ、他の生物学的に活性な剤(例えば、化学療法剤)と一緒に投与され得る。投与は全身又は局所であり得る。好ましい実施態様において、投与は皮下注射による。かかる注射用製剤は、例えば、毎週1回投与され得る予め充填されたシリンジに調製され得る。
【0270】
特定の実施態様において、IL−36R結合剤組成物は、注射、カテーテル、座剤、又は移植により投与され、移植片は、メンブレン(例えば、サイラスティックメンブレン)又はファイバーを含む浸透性、非浸透性、又はゲル状の材料である。典型的には、組成物を投与するとき、抗IL−36R抗体又は剤が吸着しない材料が用いられる。
【0271】
他の実施態様において、抗IL−36R抗体又は剤は、制御された放出システムで送達される。1つの実施態様において、ポンプが用いられ得る(例えば、Langer, 1990, Science 249:1527-1533; Sefton, 1989, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201; Buchwald et al., 1980, Surgery 88:507; Saudek et al., 1989, N. Engl. J. Med. 321:574を参照)。別の実施態様において、ポリマー材料が用いられ得る(例えば、Medical Applications of Controlled Release (Langer and Wise eds., CRC Press, Boca Raton, Fla., 1974); Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance (Smolen and Ball eds., Wiley, New York, 1984); Ranger and Peppas, 1983, Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem. 23:61を参照)。Levy et al., 1985, Science 228:190; During et al., 1989, Ann. Neurol. 25:351; Howard et al., 1989, J. Neurosurg. 71:105も参照。他の制御された放出システムが、例えば上記Langerにおいて考察されている。
【0272】
IL−36R結合剤(例えば、抗IL−36R抗体)は、治療上有効量の結合剤及び1種以上の医薬的に適合可能な成分を含む医薬組成物として投与され得る。
【0273】
典型的な実施態様において、医薬組成物は、ヒトへの静脈内又は皮下投与に適合した医薬組成物として日常的な方法に従い処方される。典型的には、注射による投与用組成物は、無菌の等張水性バッファー中の溶液である。必要な場合、医薬はまた、注射部位での痛みを和らげるために可溶化剤及び局所麻酔薬(例えば、リグノカイン)を含み得る。一般的には、成分は、別々、又は例えば、有効な剤の量を示す密封された容器(例えば、アンプル剤又はサシェット)中の凍結乾燥粉末又は水を含まない濃縮物として単位投薬形態で一緒に混合される。医薬が注入により投与されるべき場合、それは、無菌の医薬グレードの水又は食塩水を含有する注入ボトルを用いて調剤され得る。医薬が注射により投与される場合、無菌の注射用水又は食塩水のアンプル剤は、成分が投与前に混合され得るように、提供され得る。
【0274】
更に、医薬組成物は、(a)IL−36R結合剤(例えば、抗IL−36R抗体)を凍結乾燥形態で含有する容器、及び(b)注射用の医薬的に許容される希釈剤(例えば、滅菌水)を含有する第2の容器を含む医薬キットとして提供され得る。医薬的に許容される希釈剤は、凍結乾燥抗IL−36R抗体又は剤の再構成又は希釈のために用いられ得る。場合により、かかる容器(複数を含む)との関係性は、医薬又は生物学的製品の製造、使用、又は販売を規制する政府機関により規定される形で公示され得る。
【0275】
免疫異常又は癌の処置又は予防において有効であるIL−36R結合剤(例えば、抗IL−36R抗体)の量は、標準的な臨床技術により投与され得る。加えて、場合によりインビトロアッセイを用いて、最適な投薬範囲を同定し得る。処方に利用されるべき正確な用量はまた、投与経路、免疫異常又は癌のステージに依存し、医師の判断及びそれぞれの患者の環境により決定されるべきである。有効な用量は、インビトロ又は動物モデル試験系からもたらされる用量応答曲線から推定され得る。
【0276】
一般的に、免疫異常又はIL−36R発現癌を有する患者に投与される抗IL−36R抗体又はIL−36R結合剤の投薬量は、典型的には、対象の体重の約0.1mg/kg〜約100mg/kgである。対象に投与される投薬量は、対象の体重の約0.1mg/kg〜約50mg/kg、約1mg/kg〜約30mg/kg、約1mg/kg〜約20mg/kg、約1mg/kg〜約15mg/kg、又は約1mg/kg〜約10mg/kgである。
【0277】
典型的な用量は、1ng/kg〜100mg/kgを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、用量は、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、又は約16mg/kgである。用量は、例えば、毎日、1週間に1回(毎週)、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、隔週又は毎月、2ヶ月毎、又は3ヶ月毎に投与され得る。特定の実施態様において、用量は、約0.5mg/kg/週、約1mg/kg/週、約2mg/kg/週、約3mg/kg/週、約4mg/kg/週、約5mg/kg/週、約6mg/kg/週、約7mg/kg/週、約8mg/kg/週、約9mg/kg/週、約10mg/kg/週、約11mg/kg/週、約12mg/kg/週、約13mg/kg/週、約14mg/kg/週、約15mg/kg/週、又は約16mg/kg/週である。いくつかの実施態様において、用量は、約1mg/kg/週から約15mg/kg/週までの範囲である。
【0278】
いくつかの実施態様において、IL−36R結合剤を含む医薬組成物は更に、結合剤に結合した又は結合していない治療剤を含み得る。抗IL−36R抗体又はIL−36R結合剤は、免疫異常又は癌の処置又は予防用の1種以上の治療剤と組み合わせて同時投与され得る。
【0279】
かかる併用療法投与は、疾患パラメーター(例えば、症状の重篤度、症状の数、又は再発の頻度)に対する相加効果又は相乗効果を有し得る。
【0280】
併用投与についての治療計画に関して、特定の実施態様において、抗IL−36R抗体又はIL−36R結合剤は治療剤と同時に投与される。別の特定の実施態様において、治療剤は、抗IL−36R抗体又はIL−36R結合剤の投与の少なくとも1時間から最大数ヶ月(例えば、少なくとも1時間、5時間、12時間、1日、1週間、1ヶ月、又は3ヶ月)前又は後に、又は抗IL−36R抗体又はIL−36R結合剤の投与前又は後に投与される。
【0281】
製造物品
別の態様において、上述の異常の処置に有用な材料を含有する製造物品が含まれる。製造物品は容器及び標識を含む。適当な容器は、例えば、瓶、バイアル、シリンジ、及び試験管を含む。容器は、様々な材料(例えば、ガラス又はプラスチック)から形成され得る。容器は、状態を処置するのに有効な組成物を有しており、無菌的にアクセス可能な入り口を有し得る。例えば、容器は、皮下注射針により突き刺すことができるストッパーを有した静脈内溶液バッグ又はバイアルであり得る。組成物中の有効な剤はヒト化抗IL−36R抗体である。容器上のラベル又は容器と関連するラベルは、組成物が最適な状態を処置するために用いられることを示す。製造物品は、更に、医薬的に許容されるバッファー(例えば、リン酸緩衝食塩水、リンゲル溶液、及びデキストロース溶液)を含む第2の容器を含み得る。それは更に、他のバッファー、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用のための指示を伴った添付文書を含む、市販及び使用者の観点から所望される他の材料を含み得る。
【0282】
本発明は、本発明の範囲を制限することを意図していない、以下の実施例において更に記載される。
【0283】
本発明の抗体は、以下の実施例において更に記載される。
【0284】
実施例
実施例1:抗ヒトIL−36R抗体の同定
複数のマウス系統を、組み換え体で産生したヒトIL−36R(ECD−細胞外ドメイン: Genbank Accession番号NP_003845のアミノ酸20〜332)タンパク質、及び従来のハイブリードマ産生を考慮して強力な力価応答を生じるもので免疫した。ヒトIL−36R(ECD)への強力な結合を誘発するが、ヒトIL−1R1(最も関連するIL−1Rファミリーのメンバー)に結合しない融合産物をサブクローニングし、再度スクリーニングした。複数のハイブリードマを同定し、結合し、IL−36Rからのシグナル伝達を中和するモノクローナル抗体を得た(実施例2、3、及び4を参照)。可変ドメインを、標準的PCRプライマーセットを用いてハイブリードマからクローニングした。代表的モノクローナル抗体の可変ドメイン及び特異的CDRは上述されている。全てのマウス抗体を、ヒト定常ドメイン上のマウス可変ドメインからなるキメラ抗体(hu IgG1KO/kappa)に変換した。hu IgG1KO(ノックアウト)は、エフェクター機能(例えば、FcγRと補体の結合)を低減することによりADCCとCDC活性を排除する、2つの置換性変異(Leu234Ala及びLeu235Ala)を有する。マウス及びキメラ抗体の可変ドメインは、同一である。キメラ抗体を作成して、抗体の機能を確認し、正確な可変ドメイン配列が得られたことを確実にした。
【0285】
実施例2:同定したマウス抗ヒトIL−36R抗体の分子結合親和性
A)組み換えヒトIL−36Rへの抗IL−36R抗体結合の動態学及び結合親和性を、Proteon(Bio-Rad, Hercules, CA)、単一カラム精製によりハイブリードマから精製した物質を用いて、測定した。単一IL−36R表面コート濃度で実施したヒトIL−36Rへの全マウスリードの結合親和性は、<100pMであると推定した。7種の異なる表面密度(全体適合)でのマウス抗体のヒトIL−36Rへの結合親和性実施を表1に示す。キメラ抗IL36RIgGの結合は、各マウスリードに相当する。
【0286】
【表12】
【0287】
B)マウスIL−36RとヒトIL−1R1についての分子選択性
マウス及びキメラ抗IL−36R抗体を、濃度100nMでマウスIL−36R又はヒトIL−1R1表面のいずれかに注入した。Fortebio Octet(Fortebio, Menlo Park, CA)を用いて測定したこれらの抗体についてのマウスIL−36R及びヒトIL−1R1への結合シグナルはゼロであり、このことは、これらの抗体がヒトIL−36Rに選択的に結合することを示す。抗IL−36R抗体のヒトIL−36Rへの結合も50%ヒト血清の存在下で分析し、結合on−rateに対する血清の有意な作用を観察しなかった。これは、高い特異性を示している。
【0288】
実施例3:機能的ヒト及びカニクイザルアッセイにおけるマウス及びキメラ抗ヒトIL−36R抗体の効力
プロトコール:ヒトNCI/ADR−RES細胞pNFκB/サイトカイン放出アッセイ
試薬:
R&D Systems:切断型rh IL36β
R&D Systems:切断型rh IL36γ
R&D Systems:切断型rh IL36α:
MA6000 Phospho−NFκB(Ser536)Whole Cell Lysate Kit
Meso Scale Diagnostics, LLC
MSD ELISAカスタムヒト96ウェル4−スポットアッセイ
Meso Scale Diagnostics, LLC
【0289】
NCI/ADR−RES細胞を、45000細胞/ウェルで、0.25%血清を含むRPMI培地中、96ウェルプレートに播種した。1枚のプレートをpNFκBの分析について用い、別のプレートをサイトカイン放出について用いた。次に、プレートを一晩、37℃、5%CO
2でインキュベーションした。リガンド(IL36α、β、又はγ)と抗体を、血清不足(SS)培地中の4×所望濃度で希釈した。アンタゴニスト(抗体)をリガンドに先立ち細胞に加えた。pNFκBについて:NCI細胞+/−リガンドとアンタゴニストを1時間、37℃、5%CO
2でインキュベーションした。次に、培地を吸引し、細胞を100μl/ウェル完全溶解バッファー中、氷上、30分間で溶解した。次に、溶解物を2500RPMで、20分間、4℃で遠心分離し、MSD ELISAプレートに移し、pNFκBについて製造元のプロトコール通りアッセイした。サイトカイン放出について:刺激の18〜24時間後、上清をMSD ELISAプレートに移し、サイトカインについて製造元のプロトコールとおりアッセイした。
【0290】
プロトコール:BaF/3カニクイザルIL−36R細胞についてのpNFκB(S536)MSD ELISA
BaF/3カニクイザルIL−36R細胞を、90,000細胞/ウェルで、SS培地中、96ウェルプレートに播種した。培地100μlを対照ウェルに加えた。アンタゴニスト(抗体)を、4×所望濃度で希釈し、50μlを各ウェルに加えた。リガンド(IL36α、β、又はγ)を、SS培地中の4×所望濃度で希釈し、50μlを各ウェルに加えた(最終容量200μl)。プレートを15分間、37℃、5%CO
2でインキュベーションした。プレートを短時間遠心し、培地を吸引し、細胞を100μl/ウェル完全溶解バッファー(MSD pNFκBプロトコールを参照)中で溶解し、氷上で30分間インキュベーションした。次に、溶解物を2500RPM、20分間、4℃で遠心分離し、MSD ELISAプレートに移した。次に、溶解物をpNFκB活性について上述のMSDキットを用いて評価した。
【0291】
結果:ヒトIL−36リガンドを用いたヒト機能アッセイ(pNFκB及びサイトカイン放出)及びカニクイザル機能アッセイ(pNFkB)におけるマウス抗ヒトIL−36R抗体についてのIC
90の結果を表2に示す。ヒトIL−36リガンドを用いたヒト機能アッセイ(pNFκB及びサイトカイン放出)及びカニクイザル機能アッセイ(pNFκB)におけるキメラ抗ヒトIL−36R抗体についてのIC
90の結果を表3に示す。
【0292】
【表13】
【0293】
【表14】
【0294】
実施例4:マウス抗ヒトIL−36R抗体のヒトIL−36R発現細胞への結合
フローサイトメトリーによる抗体の結合についてのプロトコール
全長ヒトIL−36RでトランスフェクションしたHEK293細胞又はNCI/ADR−RES細胞を、染色の24時間前に継代した。細胞をフラスコからPBS中の5mM EDTA10mlで洗浄することによりはがし、次に、37℃、10分間、更に5mM EDTA10ml及びAccumax2.5mlとインキュベーションして、細胞を脱凝集/脱分散させた。次に、抗体をPBS+2%BSA中の特定の濃度に希釈し、細胞を20分間、室温でインキュベーションした。次に、過剰抗体をPBS200μlを加えることにより洗浄し、遠心分離した。次に、第2の試薬を1ウェル当たり50μlで加え、15分間、室温でインキュベーションし、上述の通り洗浄した。細胞をPBS200μl中に再懸濁し、フローサイトメトリーにより分析した。ヒトIL−36R HEK形質移入体へのマウス抗ヒトIL−36R抗体結合についての結合EC
50を、表4に示す。
【0295】
【表15】
【0296】
実施例5:ヒト化IL−36R抗体の産生
ヒトにおいて投与後の可能性のある免疫原性を低減するために、マウス抗ヒトIL−36Rモノクローナル抗体81B4及び73C5を、設計及びスクリーニングプロセスにより「ヒト化」した。ヒトフレームワーク配列を、フレームワーク相同性、CDR構造、保存基準残基、保存インターフェースパッキング残基、及び他のパラメーターに基づき、マウスリードについて選択した。これらのフレームワーク位置でのアミノ酸残基の特異的置換は、ヒト生殖細胞系列フレームワーク領域におけるCDR又はHVLの「直接交換」により形成されるヒト化抗体において示されるものについて、結合親和性及び/又は安定性を含む種々の態様の抗体効力を改善することができる。キメラ親Fabと比較して良好又は同等の結合、及び改良した発現を示したFabを、更なる特徴付けのために選択した。抗体81B4及び73C5について代表的なヒト化可変領域を記載部分に示す。この方法において、抗体B1から抗体B6は、マウス抗体81B4から誘導されたヒト化抗体であった(ヒトIgG1KO(KO=ノックアウト)/カッパ骨格にクローン化)。抗体B1からB6を表Aに示す。抗体C1から抗体C3は、マウス抗体73C5から誘導されたヒト化抗体であった(ヒトIgG1−KO(KO=ノックアウト)/カッパ骨格にクローン化)。抗体C1からC3を表Cに示す。
【0297】
実施例6:ヒト化IL−36R抗体の結合
組み換えヒトIL−36Rへのヒト化抗IL−36R抗体結合の動態学及び結合親和性を、Proteon(Bio-Rad, Hercules, CA)を用いて測定した。ヒトIL−36Rを5種の異なる表面密度で固定し、結果を全体適合を用いて解析した(3つの実験の結果を示す表5を参照)。フローサイトメトリーを介したヒト化抗体のNCI/ADR−RES細胞への結合を、実施例4に記載のプロトコールを用いて測定した(EC
90値について表5を参照)。
【0298】
【表16】
【0299】
実施例7:機能的ヒトアッセイにおけるヒト化抗ヒトIL−36R抗体の効力
ヒト化IL−36R変異体でのヒトNCI/ADR−RES細胞からのシグナル伝達の機能的遮断を、実施例3に記載の通り試験した。ヒトIL−36リガンドを用いたヒト機能アッセイ(pNFκB及びサイトカイン放出)におけるヒト化抗ヒトIL−36R抗体についてのIC
90結果を、表6に示す。
【0300】
【表17】
【0301】
実施例8:機能的ヒト初代ケラチノサイトアッセイにおける抗IL−36R抗体の効力
プロトコール:ヒト初代上皮ケラチノサイトpNFkB/サイトカイン放出アッセイ
細胞を、30,000細胞/ウェルで、培養培地中、96ウェルプレートに播種し、一晩、37℃で、5%CO
2でインキュベーションした。次に、アッセイを実施例3に記載の通り行った。結果:ヒトIL−36リガンドで刺激したヒト初代ケラチノサイトアッセイ(pNFkB及びIL−8放出)におけるマウス、キメラ、及びヒト化抗IL−36R抗体のIC
90結果を、それぞれ表7、表8、及び表9に示す。
【0302】
【表18】
【0303】
【表19】
【0304】
【表20】
【0305】
実施例9:機能的ヒト初代腸上皮細胞アッセイにおける抗IL−36R抗体の効力
プロトコール:ヒト初代腸上皮細胞pNFkB/サイトカイン放出アッセイ
細胞を、30,000細胞/ウェルで、培養培地中、96ウェルプレート中に播種し、一晩、37℃、5%CO
2でインキュベーションした。次に、アッセイを実施例3に記載の通り行った。
結果:ヒトIL−36リガンドで刺激したヒト初代腸上皮細胞アッセイ(pNFkB及びIL−8放出)におけるマウス抗IL−36R抗体のIC
90結果を、表10に示す。
【0306】
【表21】
【0307】
実施例10:機能的ヒト初代腸筋線維芽細胞アッセイにおける抗IL−36R抗体の効力
プロトコール:ヒト初代腸筋線維芽細胞pNFκB/サイトカイン放出アッセイ
細胞を、30,000細胞/ウェルで、培養培地中、96ウェルプレート中に播種し、37℃、5%CO
2でインキュベーションした。次に、アッセイを実施例3に記載の通り行った。
結果:ヒトIL−36リガンドで刺激したヒト初代腸筋線維芽細胞アッセイ(pNFkB及びIL−8放出)における抗IL−36R抗体のIC
90結果を、表11及び表12に示す。
【0308】
【表22】
【0309】
【表23】
【0310】
実施例11:機能的ヒト初代真皮線維芽細胞アッセイにおける抗IL−36R抗体の効力
プロトコール:ヒト初代真皮線維芽細胞pNFκB/サイトカイン放出アッセイ
細胞を、30,000細胞/ウェルで、培養培地中、96ウェルプレート中に播種し、一晩、37℃、5%CO
2でインキュベーションした。次に、アッセイを実施例3に記載の通り行った。
結果:ヒトIL−36リガンドで刺激したヒト初代真皮線維芽細胞アッセイ(pNFkB及びIL−8放出)における抗IL−36R抗体のIC
90結果を、表13及び表14に示す。
【0311】
【表24】
【0312】
【表25】
【0313】
実施例12:機能的ヒト初代近位尿細管細胞アッセイにおけるマウス抗IL−36R抗体の効力
プロトコール:ヒト初代近位尿細管細胞pNFkB/サイトカイン放出アッセイ
細胞を、5,000細胞/ウェルで、培養培地中、96ウェルプレート中に播種し、一晩、37℃、5%CO
2でインキュベーションした。アッセイを実施例3に記載の通り行った。
結果:ヒトIL−36リガンドで刺激したヒト初代近位尿細管細胞アッセイ(IL−8放出)におけるマウス、キメラ、ヒト化抗IL−36R抗体のIC
90結果を、表15に示す。
【0314】
【表26】
【0315】
実施例13:IL−36γ刺激再構築ヒト表皮からのIL−8産生の阻害
プロトコール:再構築表皮
抗IL−36R抗体(1.5μg/ml)を、再構築ヒト表皮と予めインキュベーションし、ヒト組換えIL−36γ(20ng/ml)で刺激した。組み換えヒトIL−1β(20ng/ml;R & D Systems)を、ポジティブコントロールとして用いた。24時間培養後、細胞上清を回収し、IL−8についてアッセイした(IL−8についてのアッセイを実施例3に記載)。試料をトリプリケートで試験し、平均pg/ml±標準誤差を以下の表(表16)に示す。
【0316】
【表27】
【0317】
実施例14:再構築ヒト表皮におけるIL−36リガンドにより誘導されるS100A7及びS100A12遺伝子発現の阻害
アゴニストであるIL−36リガンドを用いた再構築ヒト表皮における刺激は、S100A7及びS100A12遺伝子発現を誘導する。S100A7及びS100A12は、表皮分化複合体内に位置する遺伝子である。
プロトコール:再構築比と表皮を抗IL−36R抗体(1.5μg/ml)とインキュベーションし、ヒト組み換えIL−36γ(20ng/ml)で刺激した。組み換えヒトIL−1β(20ng/mL;R & D Systems)をポジティブコントロールとして用いた。5%CO
2及び37℃で24時間培養後、RNAを、再構築ヒト表皮から単離し、リアルタイム逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応により遺伝子発現についてアッセイした。相対的発現を2
−ΔΔCt法を用いて計算した。試料をトリプリケートで試験し、平均発現±標準誤差を以下の表(表17)に示す。
【0318】
【表28】
【0319】
実施例15:乾癬の異種移植モデルにおける抗IL−36R抗体の有効性
プロトコール:血液及び非損傷性皮膚生検を、皮膚科医により臨床的に診断した24人の乾癬患者から得た。皮膚生検を免疫欠損NIH−IIIマウスに移植し、4〜5週間移植を可能にした。
【0320】
抹消血単核球(PBMC)を、移植片皮膚への皮膚注射のための生検時に各ドナーから採取した血液から単離した。注射前に、PBMCを、1μg/mlブドウ球菌エンテロトキシンB(Toxin Technologies, Florida, USA)及び80U/mlヒト組み換えIL−2(Peprotech Inc., Oosterhout, The Netherlands)で刺激した。自己PBMCを、皮膚炎症及び乾癬表現型の導入を同調させるためにPBS中の7.5×10
5細胞と皮内注射した。細胞注射の3週間後、生検をマウスから回収し、組織学により分析した。
【0321】
組織学染色を、全グループの凍結保存皮膚組織において行った。全皮膚相を覆う対角線切片(8μm)を、
図4に記載の通り調製した。表皮の厚さを評価するため、2つの非連続切片を、生検の中心からランダムに選択し、ヘマトキシリン・エオシン染色で染色した。続いて、切片を100倍の拡大率で評価した。生検の全長に渡り、隆線長をOlympus DP71カメラ及びCell^D画像ソフト(V2.7, Munster, Germany)を用いて両切片において測定した。隆線長は、顆粒層の上端から隆線の下部の距離として定義される。生検を無作為かつ盲検方法でスコア化した。
【0322】
各処置群についての平均表皮厚及び最大表皮厚の結果を表18に示す。表皮厚の正味変化の結果を表19に示す。
【0323】
【表29】
【0324】
【表30】
【0325】
実施例16:野生型及びインターロイキン−1受容体様2ホモ接合ノックアウトマウスにおけるタバコの煙への暴露の3週間後の亜慢性的肺炎症
プロトコール:野生型又はインターロイキン−1受容体様2マウスを、3週間タバコの煙に暴露し、肺窮迫を誘導した。週1及び2は5日間連続暴し、マウスを3週間4日連続暴露した。タバコへの暴露(16分)と新鮮な空気(8分)の24分間隔で、それぞれの日で5本のタバコにマウスを暴露した。最終暴露の18時間後、マウスをハンクス塩溶液(0.6mM EDTA)2×0.8mlで洗浄した。上清及び細胞ペレットを、気管支肺胞洗浄液、続いて10分間の遠心分離により回収した。各暴露群についての気管支肺胞洗浄液中のマクロファージ及び好中球の総カウントを表20に示す。
【0326】
【表31】