特許第6289481号(P6289481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289481
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】動物給水装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 7/02 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
   A01K7/02
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-537661(P2015-537661)
(86)(22)【出願日】2013年10月14日
(65)【公表番号】特表2015-533502(P2015-533502A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】SE2013051197
(87)【国際公開番号】WO2014062120
(87)【国際公開日】20140424
【審査請求日】2016年9月30日
(31)【優先権主張番号】1251180-4
(32)【優先日】2012年10月17日
(33)【優先権主張国】SE
(31)【優先権主張番号】61/714,809
(32)【優先日】2012年10月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500215931
【氏名又は名称】デラヴァル ホルディング アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デル ポエル, ハンス
(72)【発明者】
【氏名】ティレット, ニコラス
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第5813363(US,A)
【文献】 特開2011−94368(JP,A)
【文献】 米国特許第4986221(US,A)
【文献】 特開昭61−285936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 7/02
A01K 39/02
E03B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を保持するための桶(4)、桶(4)と流体連通しかつ水供給源(8)に連結されるように配置された水導管システム(6)、及びコントローラー(26)と、桶(4)の水位を感知するように配置された少なくとも一つの水位センサー(28,32,34)とを含む電力消費水位制御システム(24)を含む動物給水装置(2)において、動物給水装置が、発電機(36)及び充電可能ユニット(38)を含む電力ユニットを含み、水位制御システム(24)が、充電可能ユニット(38)に連結され、発電機(36)が、水導管システム(6)に連結され、発電機(36)が、水供給源(8)からの水によって駆動されかつ充電可能ユニット(38)を充電するように配置されること、及び動物給水装置(2)が、発電機(36)からの電力で自給することを特徴とする動物給水装置(2)。
【請求項2】
水位制御システム(24)がタイマー(30)をさらに含む、請求項1に記載の動物給水装置(2)。
【請求項3】
少なくとも一つの水位センサー(28,32,34)が、桶(4)の低水位を感知するように配置された低水位センサー(28)を含むことを特徴とする請求項2に記載の動物給水装置(2)。
【請求項4】
少なくとも一つの水位センサー(28,32,34)が、桶(4)の最上水位を感知するように配置された最上水位センサー(32)をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の動物給水装置(2)。
【請求項5】
少なくとも一つの水位センサー(28,32,34)が、桶(4)の中間水位を感知するように配置された中間水位センサー(34)をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の動物給水装置(2)。
【請求項6】
桶(4)の底部(18)に配置された水出口(16)、及び水出口(16)と関連した出口弁装置(20)をさらに含むことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の動物給水装置(2)。
【請求項7】
水位制御システム(24)が、第一時間間隔が経過し、かつ桶(4)の水位が低水位センサー(28)より低いとき、水出口(16)を開放するように配置されることを特徴とする請求項6に記載の動物給水装置(2)。
【請求項8】
水位制御システム(24)が、第二時間間隔が経過したとき、水出口(16)を開放するように配置され、ただし、第二時間間隔は、第一時間間隔が経過した後に経過することを特徴とする請求項7に記載の動物給水装置(2)。
【請求項9】
水位制御システム(24)が、第一時間間隔又は第二時間間隔が満たされたときに水出口(16)を開放した後、第三時間間隔の間に水出口(16)を開放状態で維持するように配置されることを特徴とする請求項8に記載の動物給水装置(2)。
【請求項10】
水導管システム(6)が、水を桶内に向けるために入口ノズル装置(10)に連結されることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の動物給水装置(2)。
【請求項11】
水位制御システム(24)が、第三時間間隔の少なくとも一部の間に入口ノズル装置(10)を開放するように配置されることを特徴とする請求項10に記載の動物給水装置(2)。
【請求項12】
水位制御システム(24)が、桶(4)の水位が低水位センサー(28)にあるか又はそれより低いとき、入口ノズル装置(10)を開放するように配置されることを特徴とする請求項10又は11に記載の動物給水装置(2)。
【請求項13】
水位制御システム(24)が、桶(4)の水位が中間水位センサー(34)にあるか又はそれより低いとき、入口ノズル装置(10)を開放するように配置されることを特徴とする請求項5,10又は11に記載の動物給水装置(2)。
【請求項14】
水位制御システム(24)が、桶(4)の水位が最上水位センサー(32)にあるか又はそれより高いとき、入口ノズル装置(10)を閉鎖するように配置されることを特徴とする請求項4,10〜13のいずれかに記載の動物給水装置(2)。
【請求項15】
出口弁装置(20)が、弁本体(22)、及び弁本体(22)に連結された水圧シリンダー(21)を含むことを特徴とする請求項6に記載の動物給水装置(2)。
【請求項16】
弁本体(22)が、蓋(44)を含み、蓋(44)が、水出口(16)の近くに与えられかつ水圧シリンダー(21)によって操作されることを特徴とする請求項15に記載の動物給水装置(2)。
【請求項17】
水導管システム(6)が、水圧シリンダー(21)に連結されていることを特徴とする請求項15又は16に記載の動物給水装置(2)。
【請求項18】
充電可能ユニット(38)が再充電可能電池であることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の動物給水装置(2)。
【請求項19】
桶(4)が、長手方向(40)を有する底部(18)を含み、底部(18)が、底部(18)から突出するリブ(42)を与えられ、リブ(42)が、底部(18)の中間部に与えられかつ実質的に長手方向(40)に延びることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の動物給水装置(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を保持するための桶を含む動物給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
動物給水装置は、動物に給水するために使用される。様々なサイズを持つ装置が知られている。例えば家畜、馬、豚、及び羊のために好適なサイズの動物給水装置(即ちペットに特に向けられていない動物給水装置)に対して、給水装置が自動的に補充されることが望ましい。動物給水装置の自動排水及び自動浄化のような他の機能も与えられることができる。
【0003】
US3921587は、ウシ属の動物のための自己充填及び自己浄化噴水を開示する。水は、各水充填操作時に内側を洗浄するために内側の上部縁に隣接した噴水の水タンク内に分配される。洗浄水は、内側に隣接した堆積物又は破片を水の中に促し、そこではそれはタンクの底に沈むだろう。底の表面は、沈められた堆積物又は破片が起伏によって形成された底面の谷に容易に蓄積することを促すように起伏している。各谷は、別個の排水管によって排水され、それを通して蓄積された沈降堆積物及び破片が排出される。
【0004】
US5813363は、冷たい新鮮な液体(例えば水)を動物に与えるための自動分配器を開示する。分配器は、熱い、新鮮でない、又は汚れた液体を冷たい新鮮な補給液で周期的に交換する自己浄化及び自己補給特徴を持つ。電磁弁は、一つ以上の液体センサー、緩動リレー、タイマー、及び任意のサーモスタットによって制御され、装置が作動される変動する周囲条件を反映するために排水/補給サイクルのカスタマイズ化及びフレキシビリティを与える。
【0005】
US2008/257274は、下方の満水状態と上方の少水状態の間で移動可能な給水タンクを含む自己浄化、水節約自動動物給水装置を開示する。タンクの一端は、旋回軸によって旋回可能に支持されるが、タンクの他端は、下方の持ち上げばねによって上方に付勢される。装置はまた、必要によりタンクを選択的に充填するためにタンクと作動可能に結合される水容器組立体、及び周期的にタンクを完全に排水するためにタンクと結合される排水弁組立体を持つ。制御装置は、少なくともタンク及び排水弁組立体と結合され、タンクの高い位置と低い位置の間のタンクの予め決められた数の動きの後に排水弁組立体を作動するように操作可能である。
【0006】
CN201523595Uは、自動携帯給水桶を開示し、それは、発電装置を含む。発電装置は、自動携帯給水桶の桶の中に水をポンピングするためのポンプにエネルギーを与える。また、発電装置は、家畜の世話をする人の日常生活のために電気を供給する。CN201523595Uの文献の図面から、発電装置が太陽発電パネル及び/又は風力発電機を含むことができるように見える。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、電力の連結を持たない場所で使用可能である、水位制御システムを含む動物給水装置を提供することである。
【0008】
本発明の一態様によれば、その目的は、水を保持するための桶、桶と流体連通しかつ水供給源に連結されるように配置された水導管システム、及びコントローラーと、桶の水位を感知するように配置された少なくとも一つの水位センサーとを含む電力消費水位制御システムを含む動物給水装置によって達成される。動物給水装置は、電力ユニットをさらに含む。電力ユニットは、発電機及び充電可能ユニットを含む。水位制御システムは、充電可能ユニットに連結される。発電機は、水導管システムに連結される。発電機は、水供給源からの水によって駆動されかつ充電可能ユニットを充電するように配置される。
【0009】
電力ユニットは、水供給源からの水によって駆動されかつ充電可能ユニットを充電するように配置された発電機を含むので、上述の目的は達成される。この方法では、桶の水位は、電力ユニットによって与えられた電力を利用して制御されることができる。水位センサーは、例えば桶の水位を感知するために使用され、桶の充填及び/又は排水と関連して使用されることができる。
【0010】
本発明者は、送水ポンプに電力を供給する必要がない動物給水装置が動物給水装置に連結された水供給源からの水によって駆動される発電機からの電力で自給することができることを認識した。この方法で発生される電気エネルギーが電力水位制御システムに電力を供給するために十分であることが認識された。電力ユニット、特にその発電機は、水供給源から入って来る水の水圧に依存するだけである。水供給源は、例えば水道、建造された貯水池、湖もしくは河川のような自然の貯水池によって与えられることができる。水道、又は動物給水装置と貯水池の間の高さの違いは、発電機を駆動するために要求される水圧を与える。水供給源のための主な基準は、供給される水が動物が飲むのに適していることである。
【0011】
動物給水装置は、一匹だけの動物が又は多数の動物が同時にその桶から飲むために好適なサイズを持つことができる。桶は、動物がそこから飲むことを可能にする容器である。動物給水装置は、桶のための支持体を含むことができる。動物給水装置は、戸内に、例えば動物小屋に、又は戸外に、例えば牧場に配置されることができる。動物給水装置は、水供給源に連結されなければならないが、それ以外は動物給水装置は、スタンドアローン装置であることができる。あるいは、動物給水装置は、壁、飼い葉桶、又は他の給餌構造のような構造のビルトイン装置であることができる。
【0012】
実施形態によれば、水位制御システムは、タイマーを含むことができる。この方法では、桶の水位は、水位に基づいてだけでなく、時間にも基づいて、又は代替的に時間に基づいて制御されることができる。タイマーは、コントローラーの機能として実施されることができる。
【0013】
実施形態によれば、少なくとも一つの水位センサーは、桶の低水位を感知するように配置された低水位センサーを含むことができる。これは、桶の水位が低いときにのみ桶の排水を可能にする。
【0014】
実施形態によれば、少なくとも一つの水位センサーは、桶の最上水位を感知するように配置された最上水位センサーを含むことができる。これは、桶の予め規定された最上水位への充填を可能にする。
【0015】
実施形態によれば、少なくとも一つの水位センサーは、桶の中間水位を感知するように配置された中間水位センサーを含むことができる。この方法では、桶の水位は、より正確に制御されることができる。
【0016】
実施形態によれば、動物給水装置は、桶の底部に配置された水出口、及び水出口と関連した出口弁装置を含むことができる。この方法では、桶の水位が制御されることができる。桶は、水出口を介して排水されることができ、それは出口弁装置によって開放及び閉鎖されることができる。
【0017】
実施形態によれば、水位制御システムは、第一時間が経過し、かつ桶の水位が低水位センサーにあるか又はそれより低いとき、水出口を開放するように配置されることができる。この方法では、桶の水位が低いときにのみ桶が排水されることを確実にすることができる。水出口は、出口弁装置によって開放されることができる。
【0018】
きれいな水を飲むが汚れた水を飲むことを拒む動物の意志が、動物給水装置を排水するとき、即ち桶にきれいな水を充填するために汚れた水を排水するとき、水の廃棄を最小にするために使用されることができることが本発明者によって認識された。従って、水位制御システムのコントローラーは、第一時間間隔が経過し、かつ桶の水位が低いときにのみ、水出口を開放するために出口弁装置を作動するように設定されることができる。もし第一時間間隔が経過し、かつ桶の水位が低水位センサーより上にあるなら、桶は排水されず、動物は、水位が低水位センサーにあるか又はそれより下になるまで桶から水を飲み続けることができる。そのときにのみ桶は排水される。
【0019】
しかしながら、もし動物が桶から飲まない程度に水が汚れるなら、第二時間間隔の経過により、桶が低水位でないにもかかわらず、コントローラーが水出口を開放して桶を排水させるだろう。
【0020】
従って、実施形態によれば、水位制御システムは、第二時間間隔が経過したときに水出口を開放するように配置されることができる。
【0021】
実施形態によれば、水位制御システムは、第三時間間隔時に水出口を開放状態で維持するように配置されることができる。この方法では、桶が完全に排水されることを確実にすることができる。
【0022】
実施形態によれば、水導管システムは、入口ノズル装置に連結されることができる。この方法では、水は、入口ノズル装置を介して桶内に向けられることができ、入口ノズル装置は桶内に移行する。入口ノズル装置は、第一ノズルを含むことができる。入口ノズル装置は、一つ以上の第二ノズルをさらに含むことができる。
【0023】
実施形態によれば、水位制御システムは、第三時間間隔の少なくとも一部の間に入口ノズル装置を開放するように配置されることができる。この方法では、桶は、桶の排水中にきれいな水で洗浄されることができる。
【0024】
実施形態によれば、水位制御システムは、桶の水位が低水位センサーにあるか又はそれより低いときに入口ノズル装置を開放するように配置されることができる。この方法では、桶は、桶が低水位にあるときに水を補給されることができる。
【0025】
実施形態によれば、水位制御システムは、桶の水位が最上水位センサーにあるか又はそれより高いとき、入口ノズル装置を閉鎖するように配置されることができる。
【0026】
実施形態によれば、水位制御システムは、桶の水位が中間水位センサーにあるか又はそれより低いとき、入口ノズル装置を開放するように配置されることができる。この方法では、桶は、桶の水位が中間水位センサーによって示されるとき、水を補給されることができる。水位が中間水位センサーにあるか又はそれより低いとき、桶は水を補給されることができる。もし中間水位センサーがこのように使用されるなら、第一時間間隔の経過後、桶は、桶の水位が中間水位センサーにあるか又はそれより低いときに水を補給されない。
【0027】
実施形態によれば、出口弁装置は、弁本体、及び弁本体に連結された水圧シリンダーを含むことができる。この方法では、水圧シリンダーは、桶の水出口の開放及び閉鎖のために利用されることができる。
【0028】
実施形態によれば、弁本体は、蓋を含むことができる。蓋は、水出口の近くに与えられかつ水圧シリンダーによって操作されることができる。蓋は水出口の明確な開放及び閉鎖を与えるので、出口弁装置が、出口弁装置でつかまえられた桶からの破片によってその機能を阻止又は妨害されないことを確実にすることができる。
【0029】
実施形態によれば、水導管システムは、水圧シリンダーに連結されることができる。この方法では、出口弁装置は、水圧によって作動されることができる。コントローラーは、例えば水導管システムにおける一つ以上の弁によって水圧シリンダーの異なる室に水を向けることができる。
【0030】
実施形態によれば、充電可能ユニットは、再充電可能電池であることができる。あるいは、充電可能ユニットは、例えばコンデンサーであることができる。
【0031】
実施形態によれば、桶は、長手方向を有する底部を含み、底部は、底部から突出するリブを与えられることができる。リブは、底部の中間部に与えられることができ、実質的に長手方向に延びることができる。この方法では、水中のいかなる破片もリブの両側に付着されることができ、それは、桶からの破片の排水を促進することができる。
【0032】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の請求項及び以下の詳細な説明を研究するときに明らかになるだろう。当業者は、本発明の異なる特徴が添付の請求項によって規定された本発明の範囲から逸脱せずに以下に記載されたもの以外の実施形態を作るために組み合わせることができることを認識するだろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の様々な態様は、その特定の特徴及び利点を含め、以下の詳細な説明及び添付図面から容易に理解されるだろう。
【0034】
図1図1は、実施形態による動物給水装置の側面断面図を概略的に示す。
図2図2は、図1に示された動物給水装置の断面図を示す。
図3a図3aは、実施形態による動物給水装置の出口弁装置を示す。
図3b図3bは、実施形態による動物給水装置の出口弁装置を示す。
図4図4は、図1,2,3a及び3bと関連して示されかつ述べられた動物給水装置を制御する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、例示的実施形態が示されている添付図面を参照してより詳細に記載されるだろう。しかしながら、この発明は、ここで述べられた実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。例示的実施形態の開示された特徴は、本発明が属する技術の熟練者によって容易に理解されるように組み合わされることができる。同様の番号は、全体を通して同様の要素を示す。周知の機能又は構成は、簡単及び/又は明確のために必ずしも詳細に記載されないだろう。
【0036】
図1は、実施形態による動物給水装置2の側面断面図を概略的に示す。動物給水装置2は、水位5によって示されるように水を保持するための桶4を含む。動物給水装置2はまた、桶4と流体連通しかつ水供給源8に連結されるように配置された水導管システム6を含む。純粋に一例として、水供給源8から出る水導管システム6における水圧が約1barであることができることが述べられ、その圧力は、例えば弁の開放、水圧シリンダーの設定、及び桶4の充填又は補給のために好適であることができる。水導管システム6は、入口ノズル装置10に連結される。入口ノズル装置10は、一つ以上のノズルを含むことができる。示された実施形態では、入口ノズル装置10は、第一ノズル12及び第二ノズル14を含む。入口ノズル装置10は、ノズルが、水をノズルを通して桶4中に入れるために桶4中に向けられるように桶4に与えられる。
【0037】
動物給水装置2はさらに、桶4の底部18に配置された水出口16、及び水出口16と関連される出口弁装置20を含む。出口弁装置20は、水圧シリンダー21及び弁本体22を含む。水圧シリンダー21は、弁本体22に連結される。水圧シリンダー21は、水出口16を開閉するために弁本体22を作動するように配置される。水導管システム6は、水圧シリンダー21に連結される。従って、水供給源から水圧シリンダー21の異なる室に水を向けることによって、水圧シリンダー21のピストンが作動されることができ、弁本体22が水出口16を開放又は閉鎖するように動かされることができる。
【0038】
水位制御システム24は、動物給水装置2を制御するために与えられる。例えば、桶4の充填及び排水は、水位制御システム24によって制御されることができる。水位制御システム24は、コントローラー26、及び桶4の低水位を感知するように配置された低水位センサー28を含む。即ち、低水位センサー28は、桶4内に配置され、桶の4の水位が低水位センサー28にあるか又はそれより高いときに感知する。コントローラー26は、例えばメモリー、離散的論理回路、又は専用設計ASIC(特定用途集積回路)に記憶された一つ以上の制御プログラムを実行する中央処理装置を含むことができる。低水位センサー28は、コントローラー26に連結される。コントローラー26はさらに、水導管システム6に配置された一つ以上の弁に連結される。弁は、入口ノズル装置10の一つ以上のノズルを通る水の流れを制御し、水圧シリンダー21の室に向けられる水を制御し、水導管システム6における水の流れを略方向づけるように配置されることができる。コントローラー26は、例えば低水位センサー28からの信号に基づいて弁を制御することができる。例えば、コントローラー26は、水位5が低水位センサー28に達するときに水導管システム6の弁を開放して水供給源8から水導管システム6及びノズル入口装置10を通して水を桶4に補給することができる。
【0039】
水位制御システム24はさらに、タイマー30を含む。タイマー30は、別個の装置であることができ、又はある実施形態では、それは、例えばコントローラー26においてプログラムされた一つ以上のタスクとしてコントローラー26において直接実施されることができる。タイマー30は、一つ以上の時間間隔を測定するために利用されることができる。かかる時間間隔は、例えば桶4の排水、充填、及び洗浄と関連して使用されることができる。純粋に一例として、水位制御システム24は、第一時間間隔がタイマー30において経過し、桶の水位が低水位センサー28にあるか又はそれより低いときに出口弁装置20を作動することによって水出口16を開放するように配置されることができることが述べられることができる。さらに、水位制御システム24は、第二時間間隔が経過したときに出口弁装置20を作動することによって水出口16を開放するように配置されることができる。第二時間間隔は、常に第一時間間隔が経過した後に経過する。即ち、第二時間間隔が第一時間間隔の開始から測定されるなら、即ち第一及び第二時間間隔の測定が同時に開始するなら、第二時間間隔は、第一時間間隔より長い。もし第二時間間隔が第一時間間隔の終了から測定されるなら、第二時間間隔は第一時間間隔後に続く。もし第二時間間隔の測定が第一時間間隔内で開始するなら、第二時間間隔は、第一時間間隔が終了した後に終了する。タイマー30は、例えば水出口16が開放されるとき又は水出口16が開放された後に再び閉鎖されるとき、例えば桶の排水と関連して再設定されることができる。即ち、タイマー30は、第一時間間隔の経過及び第二時間間隔の経過と関連して再設定されることができる。
【0040】
水位制御システム24はさらに、最上水位センサー32及び中間水位センサー34を含む。最上水位センサー32は、桶4の最上水位を感知するように配置される。即ち、最上水位センサー32は、桶4の内側に配置され、桶4の水位が最上水位センサー32にあるか又はそれより上にあるときに感知する。中間水位センサー34は、桶4の中間水位を感知するように配置される。即ち、中間水位センサー34は、桶4の内側に配置され、桶4の水位が中間水位センサー34にあるか又はそれより上にあるときに感知する。最上位及び中間水位センサー32,34は、コントローラー26に連結される。
【0041】
動物給水装置2は、充電可能ユニット38に連結された発電機36を含む。発電機36及び充電可能ユニット38は、電力ユニットの一部を形成する。発電機36は、水導管システム6に連結され、従って水導管システム6を通して流れる水供給源からの水によって駆動される。従って、発電機36は、ローターを含み、それは、水導管システム6において流れる水によって駆動される。発電機36は、充電可能ユニット38を充電するために配置される。充電可能ユニット38は、例えば充電可能な電池を含むことができる。充電可能ユニット38は、水位制御システム24に連結される。従って、充電可能ユニット38からの電力は、水位制御システム24、特に水位制御システム24の構成要素、例えばコントローラー26、及びセンサー28,32,34に動力を供給することができる。
【0042】
桶4は、底部18を含む。桶4及び底部18は、長手方向40を持つ。長手方向40は、桶4の二つの水平方向の長い方に沿って延びる。桶4の水出口16は、長手方向40で見ると底部18の一端に配置される。底部18は、水出口16に向かって傾斜されている。従って、水出口16が開放されるときに桶4が完全に排水されることを確実にすることができる。底部18は、底部18から上方に突出するリブ42を与えられる。リブ42は、長手方向40に沿ってかつそれを横切って見ると底部18の中間部分に与えられる。リブ42は、実質的に長手方向40に延びる。純粋に一例として述べるが、桶4は、長手方向40に2メートルの長さであり、60cmの幅(長手方向40を横切る長さ)であり、その深さ端で30cmの深さであることができる。かかる寸法の桶では、リブ42は、例えば120〜180cmの長さ、底部18の近くで0.5〜25cmの幅、及び3〜10cmの高さを持つことができる。リブ42は、例えば図2に示されるように幅広いベース及び狭い上部を持つことができる。
【0043】
図2は、長手方向40を横切る、図1に示された動物給水装置2の断面を示す。ノズル装置10は、桶4の一つの内側に配置される。ノズル装置10の少なくとも第一ノズル12は、実質的に長手方向40に向けられる。従って、第一ノズル12を通って桶4中に流れる水は、実質的に長手方向40に向けられるだろう。底部18の中間部分におけるリブ42の配置のため、第一ノズル12から流入する水は、リブ42のまわりから水出口16への水の流れを形成するだろう。純粋に一例として挙げるが、水導管システム6における約1.5barの水圧が上で例示したサイズの桶においてリブ42のまわりに強い流れを確保することを述べることができる。水出口16が開放され、桶4が排水されるとき、水の流れは、破片が桶4から洗い流されることを確実にするだろう。従って、水出口16は、第三時間間隔時に開放されることができ、水位制御システム24は、第三時間間隔の少なくとも一部の間に入口ノズル装置10を開放するように配置されることができる。この方法では、桶4は、桶4の排水時にきれいな水で洗浄されることができる。さらに、リブ42のために、水が第一ノズル12から水出口16に流れるときに底部18の中間部分に汚れた水は全くなく、従って破片も全くない。
【0044】
図3a及び3bは、実施形態による動物給水装置2の出口弁装置20を示す。動物給水装置2は、図1及び2と関連して示されかつ述べられた動物給水装置2であることができる。動物給水装置2は、桶4を含む。桶4は、桶4の底部に配置された水出口16を与えられる。出口弁装置20は、水出口16と関連され、例えば水出口16の開閉のために配置され、弁本体22、及び弁本体22に連結された水圧シリンダー21を含む。特に水圧シリンダー21のピストン43は、弁本体22に連結される。弁本体22は、動物給水装置2に旋回可能に連結される蓋44を含む。蓋44は、水出口16を閉鎖するために配置される。従って、蓋44は、水圧シリンダー21によって操作されることができる。蓋44は、水出口16のリム46に対して当接するように配置される。蓋44は、水出口16が蓋44によって閉鎖されるときにリム46に対して当接するゴムマット48を与えられることができる。蓋44は、水出口16の明確な開放及び閉鎖を与える。また、わらや牧草の形の破片が通って流出できるように十分に大きい開口によって形成される水出口16及び蓋44の配置は、出口弁装置がかかる破片によってその機能を阻止又は妨害されないことを確実にする。純粋に一例として挙げるが、水出口16は、少なくとも200mmの貫流面積を持つことができ、水出口16は、破片の排出を確保するために障害物がないことが好適でありうる。
【0045】
出口弁装置20の水圧シリンダー21は、水導管システム6に連結される。従って、水圧シリンダー21は、水導管システム6における水圧によって駆動されることができる。水供給源8から水圧シリンダー21の二つの室52,54のいずれか一つに水を向けるための出口弁装置20の制御弁50は、水導管システム6に配置される。水供給源8に連結されない各室52,54からの水は、排水されるか又は桶4に向けられることができる。二つの室52,54は、ピストン43によって分離される。動物給水装置2は、図1及び2と関連して述べたような水位制御システムを含むことができる。水位制御システムは、出口弁装置20の制御弁50に連結されることができる。従って、水位制御システムは、水圧シリンダー21の二つの室52,54の一つの中に水を向けるように制御弁50を制御することによって水出口16を開閉することができる。出口弁装置20、特に制御弁50は、充電可能ユニット38によって出力されることもできる。
【0046】
図4は、図1,2,3a及び3bと関連して示されかつ述べられた動物給水装置2を制御する方法を示す。
上記方法は、以下のことを含む:
第一時間間隔を測定すること100;
低水位センサー28で水位を感知すること102;
第一時間間隔が経過しかつ桶4の水位が低水位センサー28にあるか又はそれより低いとき、水出口16を開放すること104。
【0047】
従って、水位制御システム24は、第一時間間隔が経過しかつ桶4の水位が低いときにのみ水出口16を開放するように設定されることができる。桶4の水位が低水位センサー28より上にあるときに万一第一時間間隔が経過するなら、桶4は排水されない。従って、動物は、水位が低水位センサー4にあるか又はそれより低くなるまで桶4から水を飲み続けることができる。そのときにのみ桶4は排水される。
【0048】
実施形態によれば、上記方法はさらに、以下のことを含む:
第二時間間隔を測定すること106;及び
第二時間間隔が経過したとき、水出口16を開放すること108。
従って、もし少なくとも動物が桶4から飲まない程度に水が汚れているなら、第二時間間隔の経過で水位制御システム24は水出口16を開放し、桶4を排水するだろう。第二時間間隔は、例えば第一時間間隔の開始から又は第一時間間隔の終了から測定されることができる。
【0049】
実施形態によれば、上記方法は、第三時間間隔の間に水出口16を開放状態で維持すること110を含むことができる。それは、桶4が空になることを確実にすることができる。第三時間間隔の長さは、桶4の容量及び水出口16のサイズに基づいて選択される。
【0050】
実施形態によれば、上記方法は、第三時間間隔の少なくとも一部の間に入口ノズル装置10を開放すること112を含むことができる。従って、桶4内に流れる水は、桶4を洗浄し、例えば破片を除去し、及び/又は汚れた水が桶4の外に洗い流されることを確実にするだろう。
【0051】
実施形態によれば、上記方法は、桶4の水位が低水位センサー28にあるか又はそれより低いときに入口ノズル装置10を開放すること114を含むことができる。
【0052】
実施形態によれば、上記方法は、桶4の水位が中間水位センサー34にあるか又はそれより低いときに入口ノズル装置10を開放すること116を含むことができる。
【0053】
実施形態によれば、上記方法は、桶4の水位が最上水位センサー32にあるか又はそれより高いときに入口ノズル装置10を閉鎖すること118を含むことができる。
【0054】
従って、桶4の充填又は補給は、低水位センサー28によって感知される水位に基づくことができる。桶4の水位が低水位センサーにあるか又はそれより低いとき、入口ノズル装置10が開放されることができる。入口ノズル装置10は、予め決められた長さの時間間隔中、開放状態で維持されることができる。あるいは、入口ノズル装置10は、桶4の水位が上述のように最上水位センサー32に達するときに閉鎖されることができる。もし水位制御システム24が桶4の中間水位を感知するように配置された中間水位センサー34を含むなら、桶4は、代わりに上述のように水位が中間水位センサー34にあるか又はそれより低いときに入口ノズル装置10を開放することによって充填又は補給されることができる。再び、入口ノズル装置10は、予め決められた長さの時間間隔中、開放状態で維持されることができるか、又は入口ノズル装置10は、桶4の水位が最上水位センサー32に達するときに閉鎖されることができる。もし水位制御システム24がこの方法で使用される中間水位センサー34を含むなら、第一時間間隔の経過後、中間水位センサー34からのセンサー信号は、水位制御システム24によって無視される。従って、桶4は、桶4の水位が中間水位センサー34より低いときに水を補給されない。水出口16を開放すること104は、いったん桶4の水位が低水位センサー28に達するか、又は第二時間間隔の経過後に行なわれるだろう。
【0055】
上記方法は、出口弁装置20を作動するために水圧シリンダー21の第一室52を水導管システム6を介して水供給源8に連結すること120を含むことができる。従って、水圧シリンダー21のピストン43は、第一室52に入る水によって変位されることができる。ピストン43の変位によって、桶4の水出口16は開放される。
【0056】
実施形態によれば、上記方法は、出口弁装置20を作動するために第二室54を水導管システム5を介して水供給源8に連結すること122を含むことができる。従って、水圧シリンダー21のピストン43は、第二室54に入る水によって変位されることができる。ピストン43の変位によって、桶4の水出口16は閉鎖される。
【0057】
上記の例示的実施形態は、当業者によって理解されるように組み合わされることができる。ここで充填及び補給の用語は、同じ実際的な意味を持つ。また、第一及び第二時間間隔の長さは、桶の容積、給水される動物の数、動物に給水するために利用可能な桶の数、わらや汚物の存在のような環境条件、桶の位置などを考慮しうる特定の条件に適応されることができることが理解される。前述したように、水導管システム6の圧力は、例えば1bar〜1.5barであることができる。水供給源8から出る水導管システム6の圧力は、代替的には例えば2〜3bar又はそれより高くすることができる。第一ノズル12は、図1及び2に示されるように一つ以上の第二ノズル14の下に配置されることができる。あるいは、第一ノズルは、一つ以上の第二ノズル14の上に、又は一つ以上の第二ノズル14の中央に、又は一つ以上の第二ノズル14のそばに横方向に配置されることができる。本発明は、例示的実施形態を参照して記載されたが、多くの様々な変更、修正などが当業者に明らかになるだろう。それゆえ、前述の内容は、種々の例示的実施形態を示すこと、そして本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定されることが理解されるべきである。
【0058】
ここで使用される用語「含む(comprising又はcomprises)」は、範囲を設定しない用語であり、一つ以上の述べられた特徴、要素、工程、成分又は機能を含むが、一つ以上の他の特徴、要素、工程、成分もしくは機能又はそれらの群の存在又は追加を除外しない。
【0059】
ある要素が別の要素に「連結」されるものとして言及されるとき、それは、他の要素又は存在しうる介在要素上に直接あるか又は結合されるか又は連結されることができることが理解されるだろう。逆に、ある要素が別の要素に「直接連結」されるものとして言及されるとき、介在要素が存在しない。
図1
図2
図3a
図3b
図4