(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記左部分及び前記右部分は、一般的にリールの形状を有して上部カバー及び下部カバーを含むようにし、そこから対応するアームが延びて前記両部分のそれぞれの歯のガイドタブを支持し、前記左右両部分のうちの一つの上下カバーは、前記スライダーの他の部分の上下カバーの間に構成されることを特徴とする請求項1に記載のスライダー。
前記ロック手段は、前記スライダーの前記左右両部分のうちの一つにある鋸歯状の表面と、前記スライダーの他の部分の楔形状とを備え、少なくとも前記左右ガイドタブが互いに離間して移動する方向で、前記左右ガイドタブの間に存在する前記水平間隔をロックするようにすることを特徴とする請求項1に記載のスライダー。
前記ロック手段は、前記スライダーの右部分のカバーのうちの一つに少なくとも一つの尖った突出部分を備え、前記少なくとも一つの尖った突出部分は、前記スライダーの左部分のカバーのうちの一つの開口部を通じて突出し、少なくとも一つの弾性ブロックを備える一つのロック部分が前記開口部の内部に挿入可能で、前記弾性ブロックは、前記少なくとも一つの尖った突出部分によって圧迫されることが可能なことを特徴とする請求項1に記載のスライダー。
前記左部分及び前記右部分は、各々、前記左右両部分のうちの少なくとも一つと一体化し、且つ少なくとも上下から前記歯列と接触する少なくとも一つの可撓性タブを備えることを特徴とする請求項1に記載のスライダー。
前記左右両部分のうちの少なくとも一つは、独自のアームを有し、該アームは、前記左右ガイドタブの間の前記水平間隔に沿って前記アーム間に形成される隙間と重なって覆うように十分な遠さで突出することを特徴とする請求項1に記載のスライダー。
前記ロック手段は、前記スライダーの前記左右両部分のうちの一つに鋸歯状の表面と、前記スライダーの他の部分で楔形状とを備え、少なくとも前記左右ガイドタブが互いに離間して移動する方向に、前記左右ガイドタブの間に存在する前記水平間隔をロックするようにし、前記スライダーの前記左右両部分のうちの一つで鋸歯状の表面と、前記スライダーの他の部分における楔形状とを更に備え、少なくとも前記左右ガイドタブが互いに近接する方向に、前記左右ガイドタブの間に存在する前記水平間隔をロックするようにし、前記ロック手段は、開閉のために前記ロック手段の解除手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のスライダー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
スライダーが損傷を受けたか又は壊れたときはいつでも、従来の方法によるファスナーに関するその交換は、通常、元のものと類似の新規なスライダーを挿入することを可能にするために、布テープの縫い目を少なくとも部分的にほどくことを必要とする。これは時間のかかる作業であり、そして物品に損害を与えることを回避するために熟練した人を必要とする。通常、物品のスライダーを交換することは、コストがかかる面倒な作業であり、そして物品のユーザが彼又は彼女の家から、又はジッパー修理店から遠いときに破損又は損傷が発生し、したがってその修理を行うために必要なツール、リソース、及びサービスにアクセスできない場合、非実用的でさえある。
【0009】
ファスナーの布テープ又はバンドの縫い目をほどく必要が修理される物品の製作のタイプに密接に関連があることは注目に値し、例えば、高品質の暖かいジャケットは、一般に、布の縫い目をほどくのにより時間のかかる作業を必要とする。その理由は、ファスナーがより複雑な方法で衣服のいろいろな層に取り付けられるので、それらが織物とフィラーの組合せを有することにある。
【0010】
物品が提供されるタイプの従来のスライダーは、二重チャネル、すなわち歯列ごとのチャネル及び楔形の中央スプリッターを備えた典型的設計を有する。歯列ごとの各チャネルは、閉じるプロセスの間にそれらをガイドして、適切な位置に保持するために、そのようにファスナーの各列の歯の後部を連続的に押止めるか又は押す一対の最も外部のガイドタブを有する。このため、ガイドタブが歯を中に押すことが必要であるので、従来のスライダーの構造は物品が作られた後に挿入されるように特に設計されていない。その結果、新規なスライダーを両方の歯列の間に挿入することが必要である場合、これは、ファスナーの動作のために必要である歯と前記ガイドタブの間の干渉を回避するために(それが縫い付けられる衣服又は物品の縫い目をほどくことによって)ファスナーの一端から行われる場合にだけ可能である。
【0011】
交換又は新規なスライダーの取付けにおけるこの欠点は、一部の製造業者及び当業者により注目された。彼らは、衣服又は物品の重要な部分の縫い目をほどく必要なしにファスナーへの新規なスライダーの挿入を容易にするために、上部及び下部から成るスライダーを提供することによって、スライダー自体の一時的な垂直開口部を提供するいろいろなデザインを開発して、開示した。その結果、ガイドタブは、十分に離れて垂直に移動することによって挿入される時にファスナーの歯を邪魔しない。この種の提案された解決策の典型的な例は、特許文献1に見ることができて、それは、ファスナーの縫い目をほどく必要なしに前記スライダーをファスナーに挿入することを可能にするために、上部及び下部を備えた交換スライダーを示す。基本的な原理は、下部及び上部は同時に動かされて、互いから遠ざけられて、歯がアセンブリの間に上下のガイドタブを邪魔しないことを可能にし、そして前記上下のガイドタブは同時に動かされて、一般の一体化されたスライダーとしてファスナーの両方の歯列を受け入れるということであり、従って、一般に、この種の発明は、あたかもそれが一旦組み立てられと一体的に構成されたかのように、それを再び取り付けるために挿入時に一時的に従来のスライダーを分離することを提案するだけである。多くの他の提案は、スライダーが関連する衣服又は物品にすでに縫い付けられた2つの歯列に組み立てられることを可能にするように垂直に開くことができるスライダーを得るために、同じ方法を適用することにより行われたが、しかしながら、これらの解決策は、販売される各スライダーに対応するファスナー歯の単一のサイズに適用されるだけであり、しかしそれらは、ファスナー歯の幅又はサイズのいかなるタイプの調整も示さないか又は開示しない。
【0012】
このタイプの技術的な解決策及びいくつかの他の類似の提案が、衣類又は物品の縫い目をほどくことを回避することによって、この課題を解決するように見えるが、このタイプの各交換スライダーが単に特定のサイズタイプのファスナーだけでしか使用できないので、それらは問題を部分的に解決するだけであり、従って、スライダーを修理するか又は交換するとき、ファスナー歯の特定のサイズ幅に対して特定のスライダーサイズを選択するために特別な注意をしなければならず、その結果として、破損したファスナーの対応するサイズを修理することができるために、特定の交換スライダーサイズもストックしておかなければならない。
【0013】
当業者が知っているように、ファスナーが取り付けられる衣服又は物品のサイズ及び要件に最も適切に調整するように、ファスナーは様々なサイズ及び材料で提供される。通常、ファスナーは連続して番号をつけられ(例えば、#3、#4、#5、#6など)、それは、一旦組み込まれた歯の後部の間の幅がそれぞれ3mm、4mm、5mm、6mmなどであることを意味し、ファスナーの歯のこの種のサイズ範囲は、必要なスライダーサイズの類似の範囲に対応し、従ってすべてのスライダーはすべてのファスナーに適合するとは限らない。
【0014】
サイズに関するこのタイプの交換スライダーの従来技術におけるこの制限についてのわかりやすい実施例は、それらの製造業者は、市販のファスナーのサイズの範囲をカバーするために所定の測定器具一式を提供し、そのため、スライダーを交換するとき、前記一式のスライダーのうちのどの特定のスライダーが修理するファスナーに最もよく適合するかを最初に評価又は試用しなければならないということである。前記に加えて、垂直に着脱可能な交換スライダーは、それらが非常に小さい手動調整ねじを通常含むように、ユーザによって高く評価される美的及び機能的な特性を考慮しない。手動調整ねじは、締めたり、扱ったりするのが困難であり、そして締めるか又は緩めるために特別な道具を使用することをたびたび必要とする。加えて、前述の特許文献において、提案された設計は、通常は目に見えるある種のばねを含み、ファスナーが修理されたことをあまりに明らかにする。また、交換スライダーは、一般に、それらが置き換えている従来のスライダーよりかなり大きい。
【0015】
一見したところ本発明との特定の幾何学的な類似性があるように見えるかもしれない他の解決策があるが、一般に、それらはファスナーのスライダーのある程度の部分的な分解又は制動を達成するように設計されただけの解決策であるということは言及する価値がある。これの一実施例は、本発明に最も近い最新技術の特許文献(それは参照のために以下に示される)に示されるが、明らかに、それらも、スライダー自体を様々なファスナーの歯のサイズに適応させるという明白な利点を提供することに失敗し、そしてそれらは、ファスナーの歯のいかなる形タイプ及びサイズのための交換部品として使うために完全に分解されることも目的としない。
【0016】
特許文献2において、ジョンソンは、ファスナーストリンガーのうちの一つからスライダーを取り外すことを可能にするファスナーを開示し、スライダーは固定部分及び固定部分に枢着される可動部分を有する。可動部分は、回転するときに、ファスナーの歯列のうちの一つを支持するテープのうちの一つを解除するが、固定部分は、ファスナーの他の歯列を支持する残りのストリンガーにまだ取り付けられている。従って、それは、スライダーを完全に取り外すいかなる可能性も例示しないか、記載しないか、又は意味しない。可動部分は、部分13及び部材9により保持されるフランジ7によって摩擦で把持されて、解放するために、それはプルタブの突起により押されなければならない。ファスナー用のこのスライダーの目的は、その歯が正しく整列配置されない場合にファスナーの2つの部分を再整列することである。この発明は、スライダーがファスナーの歯のいろいろなサイズに適合するいかなる動機付けも開示又は提案することに失敗するので、それは、特定のタイプのファスナーサイズにおけるその取付けをサポートするだけであり、そしてスライダーをストリンガーから完全に取り外す方法をいかなる形であれ開示しない。
【0017】
特許文献3において、ギルモアは、スライダー作動タイプの分離可能なファスナー、そして特にファスナーストリンガーの偶然の動きに抗してスライダーを保持するための手段を開示している。スライダーは、ストリンガーの歯列を互いに押しつけることに関与する一対のタブを有し、前記タブは一対のウィングによってネック部分に一体的に連結される。ギルモアは、ウィングが、柔軟に互いから離れたり、接近したりすることができる2つの部分を形成するために、長手方向の線に沿って分割されることを提案する。分割された一番上のウィングのラグは、斜面を順に有する2つの拡張部を有し、そのため、プルタブが押し下げられるとき、前記拡張部は一緒になり、従って2つのタブは、ファスナーテープの両歯列を互いに押し付けて、それによってスライダーの摩擦ブレーキとして作用するために互いに接近する。ここで提案されるスライダーは、ファスナーの歯列の両方のテープから取り外されることができず、そしていろいろなサイズの歯を受け入れるようにその形状を調整することができず、スライダーを所望の位置に止めることが制限されるだけである。
【0018】
特許文献4において、シャーデらは、本に関するアプリケーションのための特に興味深いファスナー用のスライダーの新規な構造を記載している。時々、スライダーが、本を完全に開くことを可能にするために部分に完全に分けられるように設計されると説明される。バラバラになるこれらのスライダー構造は、プロング及びスライドの2つの列を閉動作のためにアセンブルすることが簡単な事柄でないという欠陥を有し、従って、彼らは、開くために枢支する新規なタイプのスライダーを構成することを提案する。スライダーは2つの半分から成る。両方の半分は、ラグにそれらの間で協同させて、そして枢軸自体のまわりで枢支するためのそれらの状態に関して両方の半分をロックしたり、アンロックしたりする第3の部分により固定される。図示のように、枢軸はスライダーの一端の近くに位置し、その一方で分離したスプリッターは他端に位置し、分離したスプリッターが2つのファスナーテープの両方の歯列を分離することに関与するので、我々は、スライダーの2つの半分が前記歯列から分離されて、ましてファスナーを閉じるためにスライダーを引くときに係合する歯列の締め付け幅を単に調整するように設計されていないということを明確に知ることができる。これは、歯列を有する両方のテープからスライダーを完全に取り外す方法を提案するか又は開示することができない。このスライダーは、本の構造のような特定のケースのために提案され、そこにおいて、2つの部分に分離可能なスライダーは、ファスナーの開放、すなわち、本を完全に開くために「余分の移動」をせずに、本の背と相補的な3つの側面を進むことを可能にする。従って、この種の特許は、ファスナーの歯の両方のテープを分離するために、しかし一般的な交換としてのスライダーの使用及び/又は同じスライダーによるファスナーの歯のいろいろなサイズにおけるその使用に関する更なる考慮なしに、ファスナー要素の単一寸法のための構成的タイプのスライダーを開示するだけである。
【0019】
特許文献5において、モーリンは、大体類似のスライダーの2つの半分がフランジ部分の周りで枢動するときに互いに当接するように適合している一対の付属部品を備えた自動ロック式スライダーを記載していて、これは、スライダーのより狭い端の収縮がスライダーの狭い端のすぐ近くに歯の加工歪を得ることを可能にし、それによって定位置にスライダーを保持することを可能にする。ファスナーの摺動及び開放を普通に強制する2列の歯を支持する両方のテープの外向きの引っ張り、この場合、これは締め付け作用によってスライダーの位置を係止するのを助ける。さらに、スライダーの狭い端部の締め付けを強制するためにばねに挿入される連続する制動部品の作用を得ることが可能である(特許文献5の
図4参照)。本発明は、スライダーが取り外されて、新規なファスナーの歯列を有する新規な一組のストリンガーに完全に挿入されることができることを、まして何らかの方法で、それがスライダーの新タイプのロック又はブレーキを提案することに制限するだけなので、スライダーがファスナーの歯のいろいろなサイズに適合することを示すか又は説明することができない。
【0020】
特許文献6において、そして後で特許文献7において(両方とも同じ発明者)、マクナマラは、特にファスナーを縫い付けるスペースが非常に狭くて、スライダーがミシンに干渉する場合、ファスナーが関連する衣服又は物品に縫い付けられた後に、ファスナーの歯列を担持するストリンガーテープに組み立てることができるスライダーを提案している。スライダーは、特許文献8において、いくつかの分離可能な部品から成り、前記特許の
図1〜
図5で、発明者は、主部品を通過するロッドによって連結可能で、互いの間で枢動する2つの主部品を有するスライダーを提案しているが、しかしながら、前記特許の
図6〜
図9が必要に応じて前記枢軸を例示しないので、これは決定的ではない。なぜならば、その目的は、2つ半分が、スライダーの狭い端の各半分の外部の周囲溝によって受け入れられる固定クリップによって一緒に固定することを確実にするように互いに当接する2つの半分にスライダーをちょうど分割することであるからである。このスライダーは、ファスナーの所与の寸法のために選択又は提供されなければならない。それは、単一のスライダーによる歯のサイズの調整をサポートしない。そこで提案されたタブ及びチャネルスライダーのタイプは、プラスチック、金属、又は螺旋状の歯に関して、標準的2つ歯列へのスライダーの挿入を解決する方法を示したり、提案したり、又は開示したりはしない。しかしながら、従来技術としてここに言及したこれらの後の2つの特許に記載の発明は、特別に設計された歯列を必ず使用しなければならず、歯の背は全くカバーされていない。それが、上部、下部、左、及び右の典型的な2組の歯のガイドタブを欠いているので、これはスライダーの両方のアームのアーチ型形状に反映され、そして従来のタイプのスライダーを組み立てようとするときに、それによって生じる問題である。決してこの発明は、このスライダー設計が本発明が意図する標準的二重ファスナーに組み込まれる方法を例示又は記載しない。明らかに、アーチ型のアームは、ストリンガーの一方から歯の後部を完全に受け入れなければならない。それによって、ファスナーからそれを分離するためにスライダーを押す傾向があるファスナーの歯を支持するテープの生地の変形が生じるので、これは標準的な2つの歯列において可能でない。ファスナーの特定のタイプの2つの歯列に対するこの発明の限界は、特許文献9の欄3、行52〜57に明らかに開示されており、そこにおいて、2つの歯列は現在標準として一般に使用するものでないけれども、それは、特許文献10のスライダーを使用するために不可欠である、エッジの中にへり飾りを付けるように記載された特別なタイプでなければならない。明らかに、当業者は、言及したこれらの2つの後の特許で提案されたタイプのスライダーが、本発明に適用されるタイプのファスナーの歯を担持するストリンガーテープに適用することができないと理解する。
【0021】
従って、そして従来技術に関して上に記載されたことに従って、そして取り付け又は交換が簡単なファスナー用のスライダーを有するという市場ニーズを満たすために、ファスナー用の新規なタイプのスライダーが、本発明で以下に例示され、説明されるように提案される。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の目的のうちの一つは、ファスナーを含む衣服又は物品の部品の縫い目をほどくことを必要とせずに、容易に且つ効率的にファスナーに挿入されるファスナー用のスライダーを提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、少なくとも適切な範囲の頻繁に使われるサイズで、そしていろいろなサイズのスライダーのセットを用いる必要なしに、単一の適応性が高いスライダーでファスナーの歯のいろいろなサイズ及び形状に適応できるように、広範囲にわたるファスナーのサイズに合わせることができるファスナー用のスライダーを提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、容易に取り付け可能なファスナーとして、これがこの種の製品に対して予想される美的特性を損なうことなしに、又はそれが置き換える従来のスライダーのサイズに関しては不相応な寸法を有することなしに、調整可能なサイズを有する最初又は交換のスライダーとして用いられるファスナー用のスライダーを提供することである。
【0025】
本発明の別の目的は、ユーザが、この種の衣服又は物品を修理するために現在生じる不便及びコストのため前記衣服又は物品を早期に捨てたくならないように、そのスライダーが壊れたときに、それがファスナーを修理する簡単で経済的な方法を提供するので、総じて衣服及び物品の耐用期間を延長することである。
【0026】
本発明の別の目的は、前記スライダーを用いることにより、ファスナーの閉鎖及び開放がまず最初に予定された第1の方向を変える可能性を提供することであって、左から右に閉じることができるファスナーがここで反対方向にユーザにより変更されて、開閉されることができるように、ユーザがスライダーを操作することが可能になり、その一方で、他に対して反対方向に少なくとも第2のスライダーをファスナーに容易に加えることが可能になり、バックパック、旅行鞄、大きなテント、及びより広くて長い開口部を必要とする他の品目の場合のように、それに二重の開口部を提供することが可能である。このようにして、付加価値は、このスライダーのこの種の処置及び取付けが実行された衣服及び/又は物品に提供される。同様に、この新規なスライダーのその簡単で速い取付け及び取り外しのおかげで、ユーザは、少なくとも最初のスライダーと共に連結できる第2のスライダー、又は何らかのメディア及び/又は安全装置(例えば、ロック)によって以前に取り付けられた他のスライダーを挿入して、使用することも可能であり、それで、より多くの安全をそれが取り付けられた物品に提供し、それで、他人が、ユーザが保護して他人の手の届かない所に置きたいと望むいかなる品目も開いたり、こじ開けたり、盗んだりするのを防止する。
【0027】
これらの目的によって、本発明は、一対の連結する歯列に沿って摺動するために使用するタイプのファスナー用のスライダーを提供し、そこにおいて、各歯列は、前記歯のストリンガーテープのように作用する布テープ又は可撓性バンドに取り付けられ、前記ストリンガーテープは、通常、長手方向開口部を開閉するために、縫い目、接着剤などによって衣服又は物品の長手方向開口部に取り付けられ、そのため前記スライダーは、前記歯を担持するストリンガーテープの通過のためのスペースによって互いと垂直に分離した一対の左ガイドタブを含む左部分を有する。それはまた、前記歯を担持するストリンガーテープの通過のためのスペースによって互いと垂直に分離した一対の右ガイドタブを含む相補的な右部分を有し、そこにおいて、前記左部分及び前記右部分の前記ガイドタブが、取り外されたり、水平に取り付けられたりすることができるように、前記左部分及び前記右部分は、両部分に一体化されたか、又はこの種の部分に連結可能である連結装置によって互いに連結することができて、そしていろいろな水平近似間隔、及び前記左部分と前記右部分の間に存在する前記水平近似間隔を固定することを可能にするロック装置を採用する。
【0028】
本発明の他の目的及び利点は、添付の特許請求の範囲と関連して行われる以下の本発明の詳細な説明から明らかになる。
【0029】
本発明の内容の明快さ及び理解のために、それがいくつかの図に示された。そこにおいて本発明は、すべて例として、複数の好ましい実施形態において表わされた。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の第1の実施形態に従って実行されたスライダーを有するファスナーの一般的な外観の斜視図である。
【
図2】それが取ることができる最も閉じた位置での本発明の第1の実施形態によるファスナー用のスライダーの略正面からの斜視図である。
【
図3】
図1及び2に関してより開いた位置での本発明の第1の実施形態によるファスナー用のスライダーの略正面からの斜視図である。
【
図4】第1の好ましい実施形態による、スライダーの略正面からの斜視図であり、別々の構成部品のいくつかは前に一緒に組み立てられる。
【
図5】前記スライダーをファスナーの両方のテープに挿入したり、それから取り外したりするための最も適切な位置における、その部品が既に組み立てられたスライダーの略正面からの斜視図であり、中身のない双頭矢印は2つの部品の間の相対運動(往復)を示す。
【
図6】スライダーの略後部からの斜視図であり、それは提案されたスライダーのファスナーへの取り付けを行うために歯の間に挿入される。
【
図7】ファスナーの歯の間のガイドタブの通過を示す拡大詳細
図7aを含む、本発明のスライダーを導く時のファスナーの上面図である。
【
図8】両方のテープの歯列をスライダーに便宜に圧入する、
図7の上面図である。
【
図9】スライダーの両側のガイドタブをより近くにした、すなわち、スライダーの近いロックを完了した、
図7及び8の上面図である。
【
図10】前記ファスナーに既に挿入されたスライダーのファスナーの歯を通り過ぎる面の部分断面上面図であり、それらを閉じるための歯におけるガイドタブの相互作用、及び歯を分離するカラムを示す。
【
図11】本発明の第1の実施形態によるファスナー用のスライダーの後部からの斜視図であり、アプリケーションの可能なサイズのうちの一つのための使用位置のロック装置をより良く示す。
【
図12】第1の好ましい実施形態によるスライダーの構成部品をより詳細に示す、本発明のスライダーの片側からの斜視図である。
【
図13a.13b】スライダーを特定のサイズに合わせるロック手段の2つの可能なバリエーションを示す、本発明のスライダーの背面図である。
図13aは、両方の歯列を決して完全に分離しないファスナーでの使用に適しているスライダーを示し、そして
図13bは、完全に開かれるときにそれは両方の歯列を完全に分離するファスナーでの使用に適しているスライダーを示す。
【
図14】回転牽引ノブ及び中間カバー部分を含む、本発明のスライダーの第2の実施形態の斜視図である。
【
図15】
図14の斜視図であり、そこにおいて、特定のスライダー部分は明確にするために分解/分離されている。
【
図16】美的カバーがスライダーの両部分のアームにより要求される最も開いた位置のうちの一つにおいて達成されることを示し、両アームを重ねる、第3の好ましい実施形態による本発明のスライダーの斜視図であり、また
図16aは、スライダーの一半分を示し、
図15に示すカバー部分25が本発明のための障害にならずに、これをスライダーの両側に完全に組み込むことができることを示すために、特にその右半分は、一例として、スライダー自体の前記右半分に一体的に製造される相補垂直ガイドタブの実施形態を示す。
【
図17】例えば、分離されて、それ自体の図の上に詳細に示される歯形の弾性ばねにより実行される、ファスナーにおける前記スライダーのフックバックの組み込みを示す、略片側からの斜視図である。
【
図18】窃盗に対する保安の目的で、一つ以上のシールの通過のためのいくつかのリングを組み込む、本発明のスライダーのさらに別の実施形態の斜視図である。
【
図19】部品が半組立された、本発明のさらに別の実施形態を示す斜視図であり、そこにおいて、ロック手段は、左ガイドタブと右ガイドタブの間に存在して、スライダーが適合するファスナーのサイズを規定する水平接近間隔が、エラストメリック部分などを押圧して、刻み目を付けて固定するプランジャーに基づく機構により形成されることを確実にし、それは、下記の発明の詳細な説明において、前述の他の図と同様に、充分に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0031】
添付図に示すように、
図1に最も良く示される、第1の実施形態によるファスナー用のスライダーは、一見したところ、ファスナーで通常観察されるものに非常に類似しており、すなわち、互いに連結できる一対の歯列(2)に沿って摺動するために使用するタイプのスライダー(1)であり、そこにおいて、各歯列は、その長手方向の開閉を達成するために、縫い目、接着剤などによって衣服及びさまざまな物品の長手方向の開口部に通常取り付けられるストリンガーあるいは可撓性の布テープ又はバンド(3)で支えられる。しかしながら、本発明は、新規で創意に富んでいると考えられる特定の特徴を備え、そしてそれは以下に詳述される。
【0032】
図1は、好ましい実施例として「プラスチック歯」として公知のタイプのファスナーを示す。両方の列又はラインの歯(2)は、前記スライダー(1)の一端から挟まれるか又は絡み合って(図で下方)、そして、その代わりに、それらが前記スライダー(1)の他端から出てくるにつれて(図で上方)、それらは互いに分離されるか又はリンクを外される。様々な歯サイズ(2)に対するこの新規なスライダ(1)の適応をよりよく示すために、我々は、実施例として一般的で高頻度の歯サイズを選択した。その公称サイズは、連結された位置の両歯列の背(24)の間に存在する寸法を測ることに由来し、実施例の
図1のそれは6mm(幅)(h)であり、それは専門用語で#6ファスナーである。
【0033】
幅寸法(h)が、2つのロックされた歯の最も遠い端の間に、すなわち、連結されて、すなわち、連結された歯の背(24)の間に採られ、それは「連結された歯の幅(h)」又は単に「歯の幅(h)」と以下で呼ばれるということは、言及する価値がある。約6ミリメートルの連結された歯のこの幅寸法(h)は、通常、例えばズボンで一般に見られる、衣類に使用する最も頻繁に使われる寸法のうちの一つであり、そしてちょうど例証として使われたので、それはいかなる形であれ本発明の範囲を他の歯のサイズ、形状、及びデザインに制限しない。
【0034】
この新規なスライダ(1)の発明者は、最新技術で利用可能なファスナーで2つの再発性態様を観察した。ファスナーメーカーによって明らかに認められなかった、これらの態様は意外にも本発明を実施することを可能にした。観察された態様のうちの一つは、ファスナーサイズ(#3、#4、#5など)の増大が、連結された歯列の間の幅(h)の増大に、そして前記歯の高さ(a)の増大(著しくより小さい)に因るにもかかわらず、特に前記歯の布のストリンガー(3)テープの厚さは、一般的に言って著しく変化せず、従って、実際上はテープ厚(3)だけでなく増大した高さ(a)は、連結された歯の増大した幅(h)への関連はほとんどないということである。
【0035】
この状況を例示するために、4〜10mmの範囲の中の「連結された歯の幅(h)のサイズ」(#4〜#10ファスナーサイズ)の変化が、0.7〜1.1mmの範囲の中に残った布テープ(3)の非常に小さい厚さの変化と整合していたと客観的に言うことができる。一方では、2.1〜3.8mmの範囲の中に残った歯のわずかな高さの変化(a)があった。これは、他の寸法の変化に関して、特に歯の間の幅(h)に関して、前記歯の高さ(a)の小さい変化及びテープ(3)のほとんど有り得ない厚さの変化を明確に示す。
【0036】
第2の態様として、ファスナーによって、衣服又は物品に対する連続ロック作用を得ることができるが、実際上は、実際の分離(21)が前記歯の同じストリンガー(3)テープのための連続した歯(2)の間にあることも注目された。同じ歯列の連続した歯の間のこの分離(21)が、スライダーを摺動させることによってファスナーの開閉を容易にするために、ファスナーに特定の柔軟性を与え、従って、どうかしてそれは常に存在するものと理解される。換言すれば、連続した歯(2)の間のこの種の分離(21)は、いろいろな形状に存在するが、ファスナー要素の形状タイプ又は製造がどうであれ、プラスチック、金属、又は螺旋形の歯のような、公知で現在使われている歯の主要なタイプにおけるように繰り返し発生する。
【0037】
前記歯の両方のストリンガー(3)テープの歯(2)の間の連結は、ガイドタブ(4)が両方の歯列(2a、2b)を互いに対して効果的に押すか又はトラップすることができるような方法での両方の歯列(2)上のスライダー(1)によるガイド又はチャネリングに主として因るものであり、そのため、スライダーが閉鎖方向の方へ摺動するにつれて、歯はそれらの間に次第にはめ込まれて連結する。
【0038】
ガイドタブ(4)は、テープ(3)より上の前記ガイドタブ(4)のうちの2つ及びテープ(3)の下の同じもののうちの2つを有するように配置されて、それら(3)の間にテープを摺動させることができる充分な垂直間隔を維持する。ガイドタブ(4)間の垂直分離は、「テープ通過(3)のためのタブ間の垂直分離(s)」と呼ばれることがある。従来技術に関して述べたように、スライダーを修理及び/又は交換するための解決原理は、両方の歯列がロックされることを確実にするように再び垂直空間を閉めるために、それが歯(2)の高さ(a)より大きくなり、それでそれらが歯がスライダー(1)の中を通ることを可能にするができるように、この種の垂直分離(s)をどうにかして増大させるような方法で、テープ(3)の通過のためのタブの間の前記垂直分離を変更することに現在では依存する。
【0039】
これに反して、本発明による提案された解決策は、
図2及び3に関して最も良く示されているように、テープの通路のためのタブの間の垂直分離(s)を変更する必要はないが、それは、スライダーを組み込む、加える、交換する、及び/又は修理することが必要でありえる連結された歯の幅(h)に適合するために、新規で創意に富んだ方法でガイドフラップ(4)の間の水平接近間隔を調整することを可能にする。
【0040】
スライダー(1)の左部分(9)及び右部分(8)にそれぞれ含まれる左ガイドタブ(4a)及び右ガイドタブ(4b)は、前記歯の前記ストリンガーテープ(3a、3b)の通過のためのスペース(s)によって互いから垂直に分離される。従って、上部ガイドタブと下部ガイドタブの間の垂直分離の前記スペースは、人が適応を望むより大きいサイズのファスナーテープの厚さの通過を可能にするのに十分であり、そして、テープ厚が広範囲にわたるファスナーサイズでほとんど変化しないということであり、前記上部及び下部のガイドタブは、固定スペース(s)によって、好ましくは、0.7〜1.2mmの範囲の中に値を有することによって、互いから垂直に分離できる。より好ましくは、約0.75mmの上部と下部のガイドタブ間の垂直分離のスペース(s)において。上に述べたこの数値的な実施例は、考慮される他のより大きいかより小さい寸法の採用を決して制限せず、そして実行できる可能な状況の単なる実例を表すためにだけ、本願明細書に取り込まれる。
【0041】
スライダー(1)に関連する、且つ本発明のための左右の定義は、スライダー部分(1)が参照される識別を明確にするための単に慣例であり、そして左又は右の部分の参照は、図に示される特定の特徴と一般に関連して、保護のためにいかなる限定も構成しないことは当業者に明らかであり、なぜならば、左部分(9)が言及されるときに、通常、この種の参照は、例えば、添付図において逆転できるからであり、一般に、枢支する調節可能なスライダー(1)を表示するときに、それはより見えるか又はより外部的である部分を参照し、そしてこの種の参照は明確にするためにだけ説明の全体にわたって保たれることは、言及する価値がある。
【0042】
本発明が、
図2に示す第1の実施形態に従って、例えば#3又は#4寸法のような、
図1に示す水平接近間隔より小さいガイドタブ(4a、4b)の対の間の水平接近間隔を有するファスナー用のスライダー(1)、及び
図3において、スライダー(1)の同じ部分(8又は9)の上部ガイドタブと下部ガイドタブの間の垂直分離間隔(s)を必ずしも変える必要なしに、#8又は#9などのような、ガイドタブ(4)の間のより大きな水平接近間隔寸法にすでに調整したスライダー(1)を有することができるのはそのことによる。
【0043】
タブ(4a、4b)の間の水平接近間隔のこの変化は、矩形のウインドウの形をしたバリエーションを決定し、ウインドウを通して、両方の歯列(2a、2b)が、ファスナーが閉じているようにしっかりと見える。本発明の目的のために、タブ(4a、4b)の間の水平接近間隔が、必ずしもスライダー(1)の最も突出している前端ではなくて、むしろ、ガイドタブ(4a、4b)の両方の対の間、すなわち、歯(2)の矩形の締付けウインドウを一般に決定する、左ガイドタブ(4a)と右ガイドタブ(4b)の間に形成されるより狭い締付け間隔であることは、言及する価値がある。
【0044】
ガイドタブ(4)のこの水平調整に関して、我々は、驚くべきことに、タブ(4)の間の水平接近間隔が連結された歯の幅(h)の寸法と大体一致する場合、スライダー(1)を閉鎖方向の方へ摺動させる(
図1に示すように)ときに、これによってファスナーの効果的な閉鎖が生じるとわかった。両方の布テープ(3)のために得られるガイダンス及びガイドタブ(4a、4b)の押しとともに、両方の歯列(2)が、従来のスライダーと同程度効果的に、ファスナーの適当な動作を確実にするためにともに作用することは注目に値する。
【0045】
本願明細書において提案される新規なスライダー(1)のこの機能的な調整力によって、単一のスライダーが、最初の、及び/又は破損したスライダーを交換するために、ファスナーの様々なサイズ及びタイプに適合できる。
【0046】
しかしながら、本発明のスライダー(1)が様々なファスナーのサイズに効果的に適合できる方法を一般に記載して、下で、我々は、詳細に、前記スライダーが、修理されている衣服又は物品の縫い目をほどくか又は変更することなしに、最初のスライダーとして、又は破損したスライダーの交換として挿入されて、使用するように適合することを可能にする特徴を説明する。
【0047】
図4の図面は、本発明の第1の実施形態によるスライダー(1)を示し、そこにおいて、2つの分離可能な部分は、
図5のスライダーを得るために互いに連結可能なリール(8、9)として示される。
【0048】
図4は、本発明のために、その好ましい実施形態において、下部カバー(11i)及び上部カバー(11s)として識別される一対のカバー(11s、11i)を一緒に、且つ所定の垂直間隔で保つことができる大体円筒状のカラム(10)を提供するスライダー(1)の左部分(9)に適合する左リール(9)を示し、前記上部カバー(11s)は、その好ましい実施形態において、自由に回転できる取っ手又はリング(6)に連結されて、リング(6)は次に、衣服又は物品のユーザによるスライダーの取り付けを容易にするために周知のタイプでもよい牽引ノブ(7)に、又はこの種の目的のために用いることができるいかなる他のタイプの要素にも連結可能である。
【0049】
また、本発明のために、連結ハウジング(13)内に固定される左リール(9)のカラム(10)の挿入を可能にするように、大体筒状であるが中空擬似カラムとして挿入溝(17)で開いている連結ハウジング(13)を有するスライダー(1)の右部分(8)を形成する右リール(8)がある。このために、連結ハウジング(13)はカラム(10)の直径より僅かに小さい寸法で挿入溝(17)で終わって、前記左部分(9)及び前記右部分(8)を取り付ける手段として役立つ枢支部品を固定するハウジング(13)へのカラム(10)の挿入時に干渉を起こす。
【0050】
前述の説明によると、前記左部分(9)及び前記右部分(8)の前記ガイドタブ(4a、4b)が、本発明のために、歯(2a、2b)の連結された列の両方の背(24)の間の間隔(h)と大体一致する、水平接近のいろいろな間隔を採用するそれ自体の間で水平に分離したり、付着したりすることができるように、スライダー(1)の左部分(9)及び前記右部分(8)は、連結装置(10、13)を介して互いに連結可能であることは明白である。
【0051】
部分(8、9)間の連結を確実にするために、挿入溝(17)(そこにおいて、カラム(10)が連結ハウジング(13)の方へ挿入される)は、両方の部分がスライダー(1)の日常使用の間に便利に連結されることを確実にするように、少なくとも
図4及び10に示されるより大きい適切な傾斜を備えて配置される。ここまでに記載されたことによれば、前記左部分(9)と前記右部分(8)の間の前記取り付け装置を実現する他の方法も、本願明細書に開示されることの精神と範囲から逸脱することなく可能であることは、当業者にとって明らかである。
【0052】
右リール(8)のカバー(12s、12i)が
図5に示すようにカバー(11s、11i)に収まるように、それらは適切な垂直間隔で連結ハウジング(13)によって作り出される筒状擬似カラムによって取り付けられて、一旦両方の部分(8、9)が挿入されると、スライダー(1)はガイドタブ(4a、4b)の対の間の水平接近間隔を変更できる。第1の好ましい実施形態に従って左部分(9)にとって部分的に内在的でもある右部分(8)の上部カバー(12s)と下部カバー(12i)の間の垂直間隔は、用いると思われるファスナーのより大きい要素高さ(a)(2)を摺動させることを可能にするのに足りるほど大きく、例えば、スライダーがせいぜい#8ファスナー(すなわち、連結された歯の幅(h)8mm)に適合できる場合、上部カバー(12s)と下部カバー(12i)の間の所定の垂直間隔は3.8〜4mmにセットすることができる。
【0053】
例証として与えられた前述の値は、スライダーを美学的に仕上げて、弾力的である場合に歯(2)を上から、下から、及び/又は両側からわずかに押すことに関与するために行い、或いは弾力的でないあるタイプのプラスチック又は何か他の適切な材料の小金属板(23)を組み込むだけでなく、他のより大きいか又はより小さい値の採択を決して制限しない。スライダー(1)に組み込むことができる相補的及び美的な部品に関して、それらが本発明の発明者の現行の理解及び知識、本願明細書に記載されている主要な本発明の単なるアドオンに従っているとき、それは後で
図14に例証される。
【0054】
図5の特定のケースの場合は、スライダー(1)の右と左の部分(8、9)間の取り付け装置は、従って、この特定の設計のために、ハウジング(13)に挿入されるカラム(10)に関して枢動付属品の設計を採用する両方のリール(8、9)間の可動付属品として組み入れられ、両部分間の相対的回転(8、9)は、
図1〜3に示すように連結された歯のいろいろな幅(h)に適応するために適切である、左ガイド(4a)及び右ガイドタブ(4b)の対の間の水平接近/分離間隔の変化を決定する。
図6に示すように同じテープ(3a)及び(3b)の2つの連続する歯の分離スペース(21)間の前記ガイドタブ(4a)又は(4b)の挿入を可能にするように、
図5及び6におけるように極端としてガイドタブ(4a、4b)の対の間の水平接近間隔を得ることも可能である。
【0055】
より明確にするために、
図6〜8は、歯(2)の両方の列がスライダー(1)に挿入されたままであるのに十分なほど間近になるまで、両方のテープ(3a、3b)が互いに接近して、歯の間のガイドタブ(4)の一種の連結を得ることができるように、本発明のスライダー(1)は、ファスナーの前記歯の各ストリンガーテープ(3a、3b)の対応する歯列(2a、2b)の連続する歯の間の分離(21)を通してスライダー(1)の各左部分(9)と右部分(8)のガイドタブ(4a、4b)の対を挿入することを可能にする方法を明確に示す。
【0056】
図7aの拡大詳細図は、関連するファスナーの大多数の歯(2)を通ってのその挿入を可能にするのに適切である本発明の典型的タブの厚さ、長さ、及び形状を明確に示す。実際に、そして参考として、ガイドタブ(4)の適切な壁厚は、連続する歯の間の分離が0.5〜1.5mm以上にわたることがあることを考慮して、0.5mmでもよい。しかしながら、前記ガイドタブ(4)の形状は、歯(2)の間の挿入を改善するのを助けて、前記テープの最も遠い部分が受け取られるときタブの壁厚を増大させることができるために、例えば、ガイドタップ(4)部分を対応するテープに向かって鋭くすることによって楔形状に変更できる。すなわち、本発明によるスライダーは、好ましくは、接触端を備えた前記左ガイドタブ(4a)及び右ガイドタブ(4b)を有し、前記歯(2a、2b)は、同じテープの連続する歯の間の分離スペース(21)以下の厚さを有し、従って歯の位置を動かさずに連結することが可能である。
【0057】
図に(特に
図5に)示すように、前記ガイドタブ(4a、4b)は、可動アーム(18a、18b)の端から突出する。前記可動アームは、取り付け装置として、そして同時に歯列(2)のセパレータとして一緒に作用するカラム(10)及びハウジング(13)に関して適切な間隔で、
図10に最もよく示されるガイドタブ(4)を配置することが可能であり、そのため、歯(2a、2b)の両方の列は、ガイドされる方法でファスナーを開閉するために「V」字形状に便利にガイドされることができる。従って、列の前記取り付け装置及び前記セパレータ装置が、前記スライダーの前記部分のうちの一つのカラム(10)及び前記スライダーの他の部分の中空擬似カラム(13)として実施されるハウジングに組み込まれて、それで、それらは互いに枢支されるので、それらはスライダー(1)の両方の部分(8、9)を連結し、その一方で、同時に前記左ガイドタブ(4a)と右ガイドタブ(4b)の間に存在する水平接近間隔を変更することが可能であり、そして加えて、それは、カラム(10)とハウジング(13)のセットが、前記歯列のセパレータ装置(10、13)として作用するために、一緒に作用することを可能にすることを達成する新規な方法があることが示される。特に、そして好ましい実施形態に従って、カラム(10)をカバーして受け入れる中空擬似カラム(13)は、通常、両方の歯列(2a、2b)に対する圧力を受けて、それらを分離するように押しつける。しかしながら、歯列の分離の他の手段が、とりわけ、
図15に最も良く示すカバー部分(25)のような相補部分の追加とともに、例えば、以下に詳細に説明するように、これが本発明の目的を達成するために不都合でなく、提供されることができる。
【0058】
好ましくは、美学的に対称形に見えるように構成される、同じ可動アーム(18a、18b)は、ガイドタブ(4a、4b)から十分に離れることが順に可能であって、
図7及び8に示すように歯(2)の完全な挿入を可能にして、その後、ガイドタブ(4a、4b)の両方の対によって押される歯(2)の挟圧力によって
図9に示したように右リール(8)の可動アームに左リール(9)の可動アームを接近させる。この状態で、押されている歯(2a、2b)の間の完全な係合を達成するまでの可動アーム(18a、18b)の両方の対への手による圧力の印加は、ファスナーの部分的な回復を始めることができる。アーム(18a、18b)の閉鎖と同時に歯列(2a、2b)の上の前後へのスライダ(1)の反復する前後摺動は、前記
図9に示すようにファスナーの最適な動作又は修理を完了できる。
【0059】
ガイドタブ(4a、4b)を実行する便利な方法は、それが、摺動動作を滑らかにガイドするのを助けると共に、アーム(18a、18b)の広範囲にわたる開放位置で歯(2a、2b)の背(24)上のその押しをわずかに触れる程度に伴うことを可能にする、滑らかなアーチ又は曲線として
図10に示したようである。また、連続する歯の間のスペース(21)を通して挿入される前記左ガイドタブ(4a)及び右ガイドタブ(4b)は、
図7aの拡大詳細図に最も良く示すように、前記歯(2a、2b)とのそれらの接触端において、同じテープの連続する歯の間の分離スペース(21)以下である厚さを有する。前記歯(2a、2b)との接触端は、各対応する歯列(2a、2b)を効果的に押して導く前記ガイドタブの部分、特に歯(2a、2b)の背(24)とタブの接触ゾーンである。
【0060】
アーム(18a、18b)の両方の対、従ってガイドタブ(4a、4b)が、修理されるファスナーのサイズに適当な位置に取り付けられたままであるか、又はユーザが前記新規な発明のスライダーの一つを単に加えたい方法は、何らかのロック手段(20)を加えることによって便利に実行することができて、それは、好ましい実施形態において、そして例証として、楔(16)及び鋸歯状形状(15)の両方の傾斜した面がそれらの間で摺動するように、アーム(18a、18b)の両方の対が、ガイドタブ(4a、4b)の間の水平分離を減らして、互いに接近するとき、例えば、鋸歯(15)の楔(16)をアンロックする可撓性アーム(14)の適当な湾曲を可能にするほど十分に長い湾曲した溝(19)を作ることによって、右リール(8)の両方のカバー(12s、12i)に形成された前記可撓性アーム(14)の端に形成される楔(16)と適切に相互に作用するように、スライダー(1)の後部で、そして
図4,6及び11〜13bに最も良く示すように、左リール(9)の両方のカバー(11s、11i)に形成される複数の鋸歯(15)により実施された。そして逆にいえば、ガイドタブ(4)の位置を固定されたスライダーにロックすることは、アーム(18a、18b)の両方の対を再び開くことを試みるときを判断する。従って、あなたの指でアーム(18a、18b)の両方の対を押圧して、例えば、それらがすでに連結し、そして歯が端部ストッパ(2a)に達し、歯(2b)が指でアーム(18a、18b)の対を閉じるときに押されていたので、ガイドタブ(4a、4b)の間の水平分離を閉じ続けることがもはや可能でなくなるまで、楔(16)が鋸歯(15)をとび越えるときに聴こえる連続した「クリック」を有するスライダーの寸法の変化によって生じる音を聴くことによって、スライダー(1)を調整することが可能である。このようにして、スライダー(1)は、ファスナーに挿入されて、関連する衣服又は物品のいかなる縫い目もほどくか又は変更する必要なしにすぐに開閉することができる。前述の説明によると、前記ロック手段(20)によって連結された歯の間の幅(h)と大体一致する、前記左ガイドタブ(4a)と右ガイドタブ(4b)の間に存在するこの種の水平接近間隔を固定できることは明白である。本発明のスライダー(1)が、バッグ、ポケットのような物品、及びスライダー(1)が歯(2a、2b)の両方の列との接触を決して失うことがない他の物品のファスナーを開閉するときに、それは、スライダー(1)が連結された歯の間の幅(h)を越えてそのアーム(18a、18b)を閉じることができないとき、前記ガイドタブ(4a、4b)を締め付けたり又は緩めたりする際に、この場合一方向に作用できるだけである、ロック手段(20)によって固定するときに、ガイドタブ(4a、4b)が互いから離れて移動しないことを確実にするのに十分であり、それからスライダーが通常通り使うことができる。
【0061】
スライダー(1)が、ある位置で、歯列(2a又は2b)のうちの一つだけで保持したままである場合、ファスナーを備えた衣服又は物品の2つの部分を完全に分離するジャケット、レインコート、コート、及び他の物品の場合の様に、前記ロック手段(20)は、ガイドタブ(4a、4b)の間の水平分離を保つことを確実にするために両方の方向に作用する。これは、例えば、
図13bに示すように、鋸歯(15´)と楔(16´)の対向するセットにより実施することができて、そこで、楔(16、16´)と鋸歯(15、15´)の両方のセットから成る前記ロック手段(20)は、ガイドタブ(4a、4b)の対の間の水平接近間隔を増減するために、スライダー(1)の各部分から得ることが望まれる運動の方向に応じて便利にアンロックすることができる。この場合、スライダー(1)が一つの列(2a又は2b)だけからさがっているままのときでも、ロック手段(20)は両アーム(18a、18b)の位置を固定する。
図13bに示す特定の場合において、鋸歯(15)と楔(16)のセットは、切欠き(28)を押すことによって、楔(16)をアンロックするまで、スライダーを開くことができないことを確実にし、そして逆にいえば、鋸歯(15´)と楔(16´)のセットは、スライダーが単一の歯列により保持されるときに、切欠き(28´)を押すことによって、楔(16´)をアンロックするまで、スライダーを開くことができないことを確実にする。類似の双方向性ロック機構は、例えば、接着剤、溶接、ネジ、又は他の固定又は可動の歯を使用して、スライダー(1)の両部分を限定的に固定する可能性を含む、様々な設計で採用できる。
【0062】
また、そして
図6に最も良く示すように、鋸歯(15)なしに参照番号(22)により示される、両方のカバー(11s、11i)の部分又は領域を提供することが望ましく、そして両方の可動部分(8、9)、すなわち本発明の第1実施形態として本願明細書で提案されるリールは、連続する歯(2)の間の分離スペース(21)を通してのガイドタブ(4)の挿入の第1の段階の間に気持ちよく操作するための便利な角度を開閉することができて、それは、ファスナーからスライダーを取り外し、処理の動作をすぐに容易にし、そしてそれを最終的に取り外すときにも役立つ。
【0063】
いくつかある本発明のスライダーの補助機能の中で特に、そして
図12及び13aに例証されるように、楔(16)をアンロックして、ファスナー用のスライダーのアーム(18a、18b)を再び開けるために、ユーザのネジ回し又は釘の先端を挿入できるように、前記切欠き(28)を加えることが可能である。ロック装置(20)をアンロックするために、あるタイプの押しボタンを加えることも可能である。我々は、ノブを一方向に引くために、牽引ノブがその通常の日常使用の間にとらない方向及び位置を必要とする、偶然に作動することができないそれらのアンロック装置を好む。
【0064】
両方の枢支部分(8、9)の他のロック手段デザイン(20)は、スライダーの最終の作動位置を確実にするために、本発明のスライダーに加えることができる。しかしながら、我々は、ファスナーへのその挿入のためにアーム(18)を開くときに両方のリール(8、9)の簡単な完全な開放を可能にし、そして手動動作によって、且つ両方の歯列を分割するか又はしないファスナーの鋸歯及びロック楔の場合の様にいかなる工具もなしに、最終寸法を調整することを可能にするそれらのロック装置(20)を好む。
【0065】
しかしながら、当業者が理解するように、他の等価なロック装置は、スライダーの後部に、例えばアームの末端部分に配置されるにせよ、小さい調整ねじを追加さえして用いることができて、ある種の摩擦による締め付け及びロックを使用すること、そして接着剤、弾性推進器、磁石、ばねなどによって最終位置を固定することさえも可能である。
【0066】
この点に関して、そして他のロック装置(20)が本発明のスライダーに適用されることができることを明らかにするのを助けるために、且つなぜ本発明の目的を実現するための上述の対向する新規な歯(15´)と楔(16´)のセットが、単に好ましい実施形態だけであって、前記左右のガイドタブ(4a、4b)の間の前記水平接近間隔を固定することを可能にするロック手段(20)を実施することを制限しないかを理解するのを助けるために、新規な好ましい実施形態が
図19に示される。
【0067】
前記
図19は、例証として、上述したロック手段(20)が複数のとがった突起(38)の相互作用によってすぐに実現される別の好ましい実施形態を示し、突起(38)は、スライダー(1)の左部分(9)の上部カバーに形成される、スパイク、又は単に円弧状溝(37)などに浮かぶ先端、円形トラペーズとしても公知の形状と定義することもできる。従って、参照番号(20)によって上に参照された前記ロック手段(37、38、39)は、スライダーの右部分(8)のカバーのうちの一つに形成される少なくとも一つのとがった突起、そして好ましくは複数のとがった突起(38)、そしてさらにより好ましくは3つのとがった突起を備え、そこで、少なくとも一つの弾性ブロック(40)を含む連結部分(39)が、前記弾性ブロック(40)を溝(37)に挿入するために前記溝(37)に達することができるように、少なくとも一つのとがった突起(38)は、好ましくは、スライダーの左部分(9)のカバーのうちの一つに形成される円形トラペーズ形状によって溝(37)から突き出て、それで、弾性ブロック(40)が、前記弾性ブロック(40)がとがった突起(38)を含む右部分(8)のカバーに対して押圧されるときに、少なくとも一つのとがった突起(38)によって突き刺されるか又は貫かれるように、エラストマー材、例えばゴムなどでできているので、もちろん、前記弾性ブロック(40)は少なくとも一つのとがった突起(38)によって突き刺される/貫かれる。
【0068】
プランジャー又は突き刺し先端(38)は右部分(8)と連帯して回転し、そして溝(37)は前記左部分(9)と連帯して回転する。上記したように、弾性ブロック(40)の材料に釘着される左部分プランジャー(8)が、弾性ブロック(40)を保持する右部分(9)の円弧状溝(37)に関して回転することができないので、スライダー(1)の両部分(8、9)の間の相対的回転を保持する円形トラペーズ又は円弧状溝(37)への弾性ブロック(40)の挿入を可能にする、プランジャー(38)の侵入によって、好ましくはひずみを与えられることが可能である材料でできている連結部分(39)、例えば、ゴムなどのようなエラストマー材でできているそれらがある。このように、一旦所望の構成を得ると、スライダー(1)の主本体の上部に対して連結部分(39)をちょうど押圧することによって、前記左右のガイドタブ(4a、4b)の間に存在する水平接近間隔の正確な調整を可能にする回転(20)をロックするために装置を得ることが可能である。また、円弧状突起(40)及び/又は円形トラペーズ形状(40)と共に弾性ブロックそのものによって形成されたものに過ぎない円弧状突起(40)を含む連結部分(39)を確保にして、保持するために、開口部(43)を囲む不完全な可撓性リングが、前記突起又はロックボルト(34)の周囲溝(36)に嵌入するまで、前記締め付け部分(42)の前記開口部(43)が、前記開口部(43)を開くために十分に且つ弾力的に撓曲することを可能にするテーパー(35)を含む左部分(9)の突起(34)に対して押圧されるときに容易に連結できる、多少複雑である締め付け部分(42)がある。溝(36)によって締め付け部分(42)を固定すると、それは連結部分(39)を押圧することが可能であり、連結部分(39)は、中央穴(41)又は円形トラペーズ形状(40)を備えた少なくとも一つのエラストメリック部分を含み、それは円形トラペーズ形状の溝(37)にぴったりと嵌入して、ロック手段として前記左右のガイドタブの間に存在する水平接近間隔を確実にし、その一方で、締め付け部分(42)の回転自由を保持する。締め付け部分(42)は、好ましくは不完全である、且つ牽引ノブ(7)を挿入して保持できるフックとしての取っ手又はリング(6´)を更に含むことができて、それで完全なスライダーを形成する。従って、例証として示したことに基づいて、前記
図19で、これが本発明の目的に対するいかなる制限にもならずに、別の好ましい実施形態において、前記左右のガイドタブ間の前記水平接近間隔を固定することが可能である前記ロック手段を実施することが明らかに可能である。
【0069】
本発明のために、我々が、貫通穴(41)及び弾性ブロック(40)を有する一種のワッシャを備えたタイプの連結部分(39)を説明して図示したにもかかわらず、これが上に説明して図示したことに関していかなる実質的な違いも表さずに、それが、最終的に、ロック手段(20)の他の構成要素と共に連結する部分であるので、溝(37)に挿入される前記弾性ブロック(40)だけを提供することが可能であることが当業者にとって明らかであり、従って、本発明のために、ワッシャ及び弾性ブロックを有するか、又は円形のトラペーズ形断面を有する弾性ブロックだけを有するかのどちらか(後者の場合、それは円形のトラペーズ形の溝の中に完全に隠すことができる)の連結部分(39)は、全く等価な実施形態であることは、言及する価値がある。この点に関しては、「弾性ブロックを含む連結部分」のような用語は、前記弾性ブロック(40)によって少なくとも形成されて、前記弾性ブロック(40)に組み込まれるか又は組み込まれない追加ワッシャを有することができるか又は有することができない。
【0070】
最後に、両方の部分に連結する取り付け装置に関して、それが、例えば、いかなる枢動運動、及びこの新規なスライダー(1)に関して本願明細書に開示されていることの利益に依存している当業者にとって明らかでありえる他のオプションもなしに、部分間の水平摺動機構を介してのような、枢動運動に基づいて上記のことに等価な他のいかなる手段によっても実施されることができることは注目に値する。
【0071】
《ファスナーを製造し、及び/又は修理するために、ストリンガーテープの両方の歯列の間にスライダーを挿入する方法》
図7〜9の具体例のシーケンスに示すように、ファスナー用のこの新規なスライダーは、通常歯を通してそれを挿入することによって、且つ歯(2)に対する干渉を回避するためにスライダー自体の垂直開口部に向かうことによってではなく、新規な方法でファスナーに取り付けることもできる。
【0072】
この点に関しては、そして当業者が理解するように、次の工程を都合良く含むファスナー用のスライダーを挿入する方法を確認して、定めることが可能である。
【0073】
a)左ガイドタブ(4a)と右ガイドタブ(4b)の各対が、それらが挿入された対応する左ストリンガーテープ(3a)と右ストリンガーテープ(3b)の要素幅(2a又は2b)を完全に通過するように、前記スライダー(1)の各部分(9、8)のガイドタブ(4a、4b)の対を連続する歯(2a又は2b)の間の分離スペース(21)を通して挿入する工程、及び
b)前記左部分(9)と前記右部分(8)の前記ガイドタブ(4a、4b)が、両方のストリンガーテープの連結された歯の幅(h)に対応する接近間隔を有するように、前記左部分(9)と前記右部分(8)をまとめる工程。
【0074】
そこにおいて、前記ロック手段(20)は、前記左ガイドタブ(4a)と右ガイドタブ(4b)の間に存在する前記水平接近間隔を固定することを可能にし、そして
そこにおいて、前記ロック手段(20)は、アンロック手段(28及び/又は28´)が実行されるときに前記スライダー(1)を開閉することが可能であるように使用できる、前記水平接近間隔の前記アンロック手段(28及び/又は28´)を有する。
【0075】
従って、本発明によるファスナー用のスライダーは、衣服、物品などに取り付けられるアプリケーションのユニークで特徴的な方法を有して、このようにして、そして上記したように、前記スライダーの使用に関連した方法を定めた。そしてそれはこの新規なスライダーの特性のおかげで可能なだけである。他方で、スライダーを挿入できる方法を定めると、必要に応じて逆の工程をたどって衣服又は物品からスライダーを取り外すことは、衣類及び物品の使用の通常の専門知識を有する誰にとっても明らかである。
【0076】
《スライダーの美的カバー》
美学的理由のために、歯が見えるアーム(18a、18b)の間に存在する分離をカバーする必要がある場合には、
図9に示す分離又は開放、いろいろなデザインは、スライダーの上部及び下部の両方のアーム(18a、18b)の間に保持される、歯のカバーとしての金属、又はプラスチック・シート、又は他のいかなる適切な材料(23)(
図1、11、及び14参照)の組み込みのように適用できる。また、これらのシート、好ましくは金属シートがファスナーを閉じるために連結されているときに、それらは、驚くべきことに、歯の通過を導いて、制限するのを助けることができて、その追加によって付加的な利点を提供する。
【0077】
まさに例証として、
図14及び15は、左ガイドタブ(4a)と右ガイドタブ(4b)の間の水平間隔の調整を可能にするために、両部分の取付けの手段として、そしてまた歯の分割又は離脱の動作主としても作用するヒンジによって、枢支可能である部分(8、9)を備えた、本発明によるスライダー(1)の第2の可能な実施形態を示し、そこで、ロック手段は、例えば、鋸歯及び楔などの形状を有する溝面を使用して、例えば、第1の実施形態において用いられている同じタイプでありえる。前記構成に加えて、歯列(2a、2b)の分離の際に助けるために典型的に「V」字の形をしたガイドホルダー(27)によって擬似カラム(13)に取り付け可能であるカバー部分(25)が提供されて、そこで歯列(2a、2b)はカバー部分(25)自体を助ける。突起(23、23´)がファスナーの歯にわずかな垂直圧縮を行うことができるので、前記カバー部分(25)は、アーム(18a、18b)間の隙間の美的カバーとして役に立ち、更に歯列(2a、2b)をガイドすることに関与する突起(23、23´)を含む。前記突起(23、23´)はタブとして作用して、例えば、下タブ(23´)に関して示されたように、いくつかの形状を採用することができて、下タブ(23´)は、歯(2)をきつく閉じ込めて、スライダー(1)がファスナーの歯のいろいろな形状及びタイプに適応するのを助けるように、歯列に下からの軽い圧力を及ぼすためにわずかに湾曲した形状を有する。従って、前記少なくとも一つのカバー部分(25)は、少なくとも上又は下から前記歯列(2)と接触するようになり、より詳しくは、そして好ましい一実施形態によれば、前記突起(23、23´)は、少なくとも上又は下から、そして、さらに好ましくは、前記歯列の上から且つ同時に下から前記歯列と接触するようになることが観察される。
【0078】
いくつかあるオプションの中で特に、前記部分(25)は、前記左ガイドタブ(4a)と右ガイドタブ(4b)の間に存在する水平間隔を保持するロック手段(20)を組み込む、及び/又はその一部であることに関与できる。さらに、前記部分がスライダー内部で動いている歯の間に導入されることができるので、前記部分は、ファスナーの偶発的開放を防止する内部ロック手段として使うことができて、従って、前記部分が歯の間に故意に放出されない限り、前記歯に及ぼされるブロッキングはファスナーの偶発的開放を防止し、このようにしてファスナーに沿ったスライダーの自由な運動及び摺動に干渉しない。
【0079】
加えて、
図16に本発明によるスライダー(1)の第3の可能な実施形態が示され、 それは、通常は、左ガイドタブ(4a)と右ガイドタブ(4b)の間に存在する水平間隔の調整を可能にするために、両部分の取り付けの手段として、且つ同時に歯列の離脱又は分離の動作主として作用する枢動ジョイントによって連結可能である2つの部分(8、9)を有する構造を維持し、そこで、ロック手段は、第1の実施形態例で用いられている同じタイプか、又は、鋸歯及び楔又は等価物の歯を有する溝面により形成される、以下に詳述するような他のいかなるタイプでもありえる。この構成において、第1の実施形態例のアームと比較して変更されたアーム(18a、18b)が提供され、それは、重なるように伸びて、それらが互いから離れて移動するときに、すなわち、左ガイドタブ(4a)と右ガイドタブ(4b)の間の水平間隔が、スライダー(1)が意図される寸法範囲の最大寸法まで増大するときに、前記アーム間の隙間のカバーとして作用する。アーム間の隙間のカバーの実施例は、前に記載の方法で、及び/又は適当であると考えられる他の方法、タイプ、又はアクセサリで得ることができて、それらのいずれも本発明に対する制限を意味しない。さらに、前記カバー部分(25)は、互いに又はスライダー・パラ・スライド・ファスナーに連結可能な複数の部分により構成されることができ、そして少なくとも一つのカバー部分(25)は組み込まれることができ、その結果、前記少なくとも一つのカバー部分は、他のオプションの間に、一つの上部カバー部分及び一つの下部カバー部分を備える。さらに、前記アーム(18a、18b)は、カバーとして作用するだけでなく、突起(23、23´)も組み込むために、前記カバー部分(25)に組み込むこともできて、突起(23、23´)は、
図16aに部分的に示すように、前記歯列にそれと一体的に少なくとも上から、又は下から接触し、
図16aは、
図16のスライダーの一つの右部分を示し、前記突起又はタブ(23,23´)のうちの少なくとも一つが、ファスナーの歯を垂直方向にガイドする際に追加的に助けるために、アーム(例えば、
図16aのアーム18b)に一体的に組み込むことができる一つの方法を例示する。
図16aは、2つの部分(8、9)のいずれかに、好ましくは、スライダー(1)を形成するアーム(18a)及び/又は(18b)の内側部分の隣り又は上に、それらがより小さい高さのときに、歯の通過を助けるために小さい垂直圧力を及ぼすタブを一体的に提供することが可能であることを示し、そしてこれは、例えば、ファスナーの歯の上部にばねとして作用し、したがって、それが、歯より上に、及び/又はその下に小さい垂直圧力を及ぼすことによってガイドとして作用するときに、特に、ファスナーの閉鎖を達成するために互いに近づいて結合するときに、カバー部分(25)の機能を代行する自由端(前記図に示すケースでは最も内部の端)を備えた、
図16aの実施例のアーム(18b)内に少なくとも一つの典型的に可撓性の突起又はストリップ(23b)を形成することによって可能である。弾力的な突起又はタブ(23、23´)は、スライダーの一つ又は両方の部分(8,9)とともに、好ましくはアーム(18a、18b)のそれぞれに一体的に製造されることができることがそれから明らかである。従って、前記左部分(9)及び前記右部分(8)が、前記部分の少なくとも一つに組み込まれる少なくとも一つの可撓性タブ(23又は23´)をそれらの各々で有し、そこで、前記少なくとも一つのタブ(23b)は、少なくとも上から、又は下から前記歯列と接触することが可能である。
【0080】
加えて、そして例証として与えられるだけである本発明の第4の好ましい実施形態又は設計によって、左ガイドタブ(4a)と右ガイドタブ(4b)の間に存在する水平間隔の調整を可能にするために、両部分の取り付けの手段及び歯列の離脱又は分離の動作主として作用する枢動ジョイントによって連結可能な2つの部分(8、9)を備えた構造を通常は有するスライダー(1)が提供されて、そこで、ロック手段は、鋸歯及び楔要素又は等価物の溝面により形成される、第1の実施形態例で用いられる同じタイプでありえる。この構成において、好ましくはスライダーの左部分(9)に連結して、弾性バネ(26)を受け入れるために図に示したように適合されるリング(6)が提供され、弾性バネ(26)の形状は、歯(2)をロックするために、取り付け端(29)及び突出部分(30)を有するように適合している。突出部分(30)がスライダーの中へ突き出るときに、それは歯(2)の間に挿入されて、スライダー(1)自体の移動を阻止し、従って例えばズボン又はコートで使われるときに例えば使用中のファスナーの偶発的開放を防止するので、前記弾性ばね(26)は、スライダー(1)をファスナーへ保持する手段として作用する。
【0081】
スライダーをファスナーへ保持する前記手段は、必要に応じて、この特定のスライダー(1)に固定手段を設ける際に問題がないことを示す目的で、参照のためだけに例証として与えられる。特に、当該技術の専門家が認めるように、プルタブ(7)を引くときに、ばね自体の部分(31)は上方へ押され、従って、突出部分(30)は、スライダー(1)及びカバー部分(25)の部分のうちの一つに開口部(32)を通って摺動することによって引き出され、このようにして歯(2)に対する干渉を除き、その結果、単にプルタブ(7)を引くことによってスライダー(1)は解放される。逆にいえば、プルタブ(7)の牽引を中止すると、バネ(26)の弾力によって突出部分(30)はスライダー(1)の内側部分の方へ動いて、再び歯に干渉し、このようにして自動的にスライダー(1)をロックする。
【0082】
加えて、
図18に示すことによれば、本発明のスライダー(1)は、一つ以上のセキュリティシール又は他のいかなる適切なセキュリティ要素もの使用を可能にして、例えば、スライダー(1)のアームの閉位置、すなわち両方の歯列(2)がファスナーの通常の使用で係合する位置で、スライダーの窃盗を防止するために、リング(33)を左部分(9)及び右部分(8)の両方に含むこともできる。このように、セキュリティシール又は他のセキュリティ要素の通過の手段としてのリング(33)の提供は、スライダー(1)が衣類から簡単に、又は不法に取り外されうることを防止することを可能にする。少なくとも一つのセキュリティシール又は他の等価なセキュリティ手段の通過の手段として作用する前記リングは、複数の方法で実現することができて、例えば、当該分野の専門家は、例えばスライダーなどの各前記部分(9、8)の簡単な開口部によって評価するものと理解される。加えて、前記リング(33)又は簡単な開口部は、いくつかあるアプリケーションの中で特に、例えば、ファスナー用の前記スライダーを備えて呈される衣類又は物品に関する製造業者からの情報付きのタグの追加、及び衣服又は物品の商標名、原産国、材料、及び/又は盗難防止アラームシステムに関する情報付きのラベルの挿入のような、様々な他のために用いることができる。
【0083】
図及び典型的な設計実施形態において、上に説明されて、図示されたことによって、添付の特許請求の範囲に記載したように、主構造に適用できる、本願明細書に記載のバリエーションのうちの一つ以上を組み込むことによって、複数の実施形態において本発明の新規なスライダー(1)を実現することが可能であることが、当該技術の専門家にとって明らかになる。