(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記可撓性部分により、前記第1の取付部(160)および前記第2の取付部(162)を互いに対して動かして、前記第1の取付部の位置を前記第2の取付部に対して変化させる、請求項1に記載の電力端子コネクタ(102)。
前記可撓性導体が、前記可撓性部分および前記第1の取付部(160)および前記第2の取付部(162)にまたがる多層を有するように折り畳まれた金属シートを備える、請求項1に記載の電力端子コネクタ(102)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、例示的な実施形態により形成されたコネクタシステム100を示す。コネクタシステム100は電力端子コネクタ102を備え、電力端子コネクタ102は、可撓性導体150を使用してバッテリ106、108等の部品の電力端子104、105(
図2に示す)を電気的に接続する。図示した電力端子コネクタ102は例示的な実施形態を示すものであるが、代替実施形態で他の形状、部品、または特徴を有していてもよい。
【0009】
電力端子コネクタ102は、バッテリ106、108を電気的に接続する。電力端子コネクタ102は、バッテリ106、108を相互接続するバスまたはジャンパを表す。バッテリ106、108は、車両で使用される任意の電圧バッテリであってよい。
場合により、車両は、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、または任意のエネルギー貯蔵システムであってよく、バッテリ106、108を電気自動車もしくはハイブリッド電気自動車用の電力システムまたは任意のエネルギー貯蔵システムの一部として使用してもよい。
【0010】
電力端子コネクタ102は、電力端子104、105(
図2に示す)に容易かつ迅速に終端可能な、迅速接続/迅速接続解除タイプのコネクタである。電力端子コネクタ102は、バッテリ106、108周囲の空間を保つように、非常に薄型になっている。代替実施形態で、可撓性導体を使用してバッテリ106、108または他の電気部品を相互接続する他のタイプの電力端子コネクタを使用してもよい。
【0011】
バッテリ106、108の各々が、上部110と、上部110に垂直な前部112と、上部110および前部112に垂直な側部114とを備える。バッテリ106、108の側部114は互いに対向する。上部110、前部112、および側部114は、概ねバッテリ106、108の角部で合う。例示的な実施形態では、バッテリ106、108は、角部に切欠き領域116を備える。
切欠き領域116は、上部110の下方、前部112の後方、および側部114から内側に凹んでいる。切欠き領域116は、上部110、前部112、および側部114に沿って延びる平面によって画定された窓または外囲(envelope)を画定する。
【0012】
電力端子コネクタ102は、バッテリ106、108の側部114間の境界面にまたがり、両方の切欠き領域116に位置する。電力端子104、105(
図2に示す)は対応する切欠き領域116に設けられる。電力端子コネクタ102は、電力端子コネクタ102がバッテリ106、108の上部110を超えて(例えば上方に)延びないように、切欠き領域116に受容される。
電力端子コネクタ102は、電力端子コネクタ102がバッテリ106、108の前部112を超えて(例えば外方へ)延びないように、切欠き領域116に受容される。このように、別のバッテリ等の他の部品を、電力端子コネクタ102からの干渉なしで、バッテリ106、108のすぐ前に位置させることができる。カバーまたは蓋等の別の部品が、電力端子コネクタ102からの干渉なしで、バッテリ106、108の上部110に沿って延びることができる。
代替実施形態において、空間の制約が必要ないとき等には、電力端子コネクタ102の凹みは必要でなくてもよい。
【0013】
例示的な実施形態では、電力端子コネクタ102は、バッテリ106、108間の相対運動を可能にする可撓性コネクタである。電力端子コネクタ102は側部114間の境界面にまたがり、バッテリ106、108間の異なる間隔、振動等によるバッテリ106、108の運動等に適応する。
【0014】
図2はバッテリ106、108の一部を示し、電力端子104、105が対応する切欠き領域116でバッテリ106、108から延びている、切欠き領域116を示す。
例示的な実施形態では、電力端子104、105がバッテリ106、108の固定コネクタであり、電力端子コネクタ102(
図1に示す)の境界面をもたらす。
【0015】
電力端子104、105は、バッテリ106、108から延び、バッテリ106、108に電気的に結合される。例示的な実施形態では、電力端子104、105が、概ね平坦で、ブレード軸(例えば、電力端子104、105の中心軸および縦軸)に沿って延びるブレード端子である。
他のタイプの電力端子を代替実施形態で使用してもよい。電力端子104、105の各々が、上部120、底部122、および先端124を備える。
【0016】
図1をさらに参照すると、組立中に、電力端子コネクタ102が、その開口前部を通して切欠き領域116に装填される。電力端子コネクタ102が電力端子104、105に接続されると、端子電力コネクタ102は電力端子104、105を電気的に接続する。
電力端子コネクタ102は、電力端子104、105に迅速かつ容易に結合可能な迅速接続タイプのコネクタである。ツールを用いることなく、電力端子コネクタ102を電力端子104、105に結合することができる。電力端子コネクタ102を電力端子104、105に装填方向に押し付けるだけで、他の作動、ロック、またはラッチを必要とすることなく、電力端子コネクタ102を結合することができる。
【0017】
図3は、電力端子コネクタ102の分解図である。電力端子コネクタ102は、可撓性導体150と、可撓性導体150に結合される第1の端子152と、可撓性導体150に結合される第2の端子154とを備える。第1の端子152は、第1の電力端子104(
図2に示す)に結合されるように構成される。第2の端子154は、第2の電力端子105(
図2に示す)に結合されるように構成される。
場合により、複数の可撓性導体を用いて、第1の電力端子104および第2の電力端子105を相互接続してもよく、例えば、複数の可撓性導体は、積み重ねて配置され、同一の端子152、154に機械的および電気的に接続される。
第1の端子152および第2の端子154は、電力端子104、105に解放可能に結合されるように構成された迅速接続アセンブリである。代替実施形態では、他のタイプの端子アセンブリを可撓性導体150と共に使用して、電力端子104、105を相互接続してもよい。
【0018】
例示的な実施形態において、可撓性導体150が、2つの電動部品に送電するために使用されるバスバーであってよい。可撓性導体150は、第1の取付部160と、第2の取付部162と、第1の取付部160と第2の取付部162との間の可撓性部分164とを備える。第1の端子152は第1の取付部160に結合される。第2の端子154は第2の取付部162に結合される。
例示的な実施形態では、第1の端子152および第2の端子154は、取付部160、162に溶接される。例えば、端子152、154をレーザ溶接、超音波溶接、または他のプロセスにより溶接することができる。他の実施形態では、端子152、154が、他の手段およびプロセスにより可撓性導体150に機械的および電気的に終端されてもよい。
【0019】
例示的な実施形態では、第1の取付部160、第2の取付部162、および/または可撓性部分164が、束ねられた複数の可撓性金属(例えば銅)撚線を備える。多くの小さい撚線を使用することにより、単一の大きい単線と比べて、導体の可撓性をより高いままにすることができる。加えて、より多いまたは少ない撚線を有する導体を用いることにより、撚り合わせた導体を拡大または縮小して、バスバーの通電能力を制御することができ、撚線が多いほど、通電能力を高くすることができる。
代替実施形態では、撚線を囲み、端子152、154に終端するように端部で露出された絶縁ジャケットを備えた、高可撓性の撚線を使用することができる。このような撚線を使用して、端子152、154が離れているとき等に、不注意による撚線の接触を防止することができる。代替実施形態では、可撓性導体150は可撓性の編組線を備えることができる。他の代替実施形態では、可撓性導体150は、積み重なった多層の金属シートを有することができる。
例えば、シートを複数回折り畳んで、積重体(stack-up)を形成することができる。積重体の折り目の数が、可撓性導体150の通電能力を制御し、折り目が多いほど(例えば積重体が厚いほど)、通電能力を高くすることができる。加えて、折り畳むことにより、薄い可撓性シートを使用することができ、しかも高い通電能力を可能にする。場合により、層を重ね合わせてもよい。すべての露出した導体がカバーまたはハウジングで絶縁されることを理解されたい。
【0020】
可撓性部分164は、形状を変化させて、第1の取付部160および第2の取付部162の相対位置を変化させるように構成される。可撓性部分164を伸長または短縮して、第1の取付部160を第2の取付部162に対して可変に位置決めすることができる。可撓性部分164は曲がった状態で示され、この状態では、可撓性部分164が比較的平坦なときよりも、第1の取付部160を第2の取付部162の近くに位置決めする。
図示した実施形態では、可撓性部分164が、第1の脚部180および第2の脚部182により画定されたU字型である。第1の脚部180および第2の脚部182は互いに対して可動であって、第1の脚部180と第2の脚部182との間の角度を変化させる。第1の脚部180および第2の脚部182が動くと、第1の取付部160および第2の取付部162の軸方向位置が変化する。第1の脚部180および第2の脚部182が動くと、第1の取付部160と第2の取付部162との間の間隔が変化する。
場合により、取付部160、162は互いに対して3次元に(例えばX−Y−Z)可動であってもよく、可撓性部分164がこのような動きに対応する。
【0021】
可撓性導体150は導電性である。例示的な実施形態では、可撓性導体150は銅から製造されるが、代替実施形態で他の材料を使用してもよい。例示的な実施形態では、第1の取付部160、第2の取付部162、および可撓性部分164が一体であり、単一片の銅から形成される。
場合により、複数の銅シートまたは複数の銅撚線等の2片以上の銅を用いて導体を形成してもよい。第1の取付部160、第2の取付部162、および可撓性部分164は、多層構造であってもよい。第1の取付部160および第2の取付部162は、可撓性部分164と等しい層を有していても、少なくとも1つ多い層を有していてもよい。
【0022】
第1の端子152は、可撓性導体150および電力端子104(
図2に示す)に電気的に接続されるように構成された第1の端子本体200を備える。例示的な実施形態では、第1の端子本体200が、可撓性導体150とは別個に設けられ、溶接等により可撓性導体150に結合される。
例示的な実施形態では、第1の端子本体200が、レセプタクル202を画定する箱型である。レセプタクル202は、第1の電力端子104を受容されようにサイズ決めされ形成される。
【0023】
第1の端子152は、端子本体200のレセプタクル202に受容される第1のコンタクトばね204を備える。コンタクトばね204を使用して、端子本体200を電力端子104に電気的に接続する。コンタクトばね204は、端子本体200と電力端子104との間に電力経路を画定する。コンタクトばね204は、端子本体200との複数の接触点をもたらす。コンタクトばね204は、電力端子104との複数の接触点をもたらす。コンタクトばね204は、電力端子104に対して分離可能な相手側インターフェースを画定して、迅速な接続および迅速な接続解除を可能にする。
【0024】
端子本体200は、上壁206、底壁208、および対向する側壁210、212を備え、これらがレセプタクル202を画定する。底壁208は、底壁208を第1の取付部160に溶接すること等により、第1の取付部160に結合されるように構成される。端子本体200は、レセプタクル202に対して開口する開口前端部214を有する。電力端子104は、開口前端部214を通してレセプタクル202に装填されるように構成される。
場合により、端子本体200は、前端部214とは反対に位置する開口後端部216を備えてもよい。開口後端部216により、電力端子104が、端子本体200のいずれの部分に対しても底に落ちることなく、端子本体200を完全に貫通することができる。
例示的な実施形態では、端子本体200が打ち抜かれて形成された本体であり、自由端が場合により共に固定される箱型に折り畳まれた打抜き加工物を有する。
代替実施形態で他の形状が可能である。端子本体200を、図示した向き以外の向き、例えば可撓性導体150に対して90°、180°、または他の向きに向けてもよい。
【0025】
第1のコンタクトばね204は、前端部220と後端部222との間に延びる。コンタクトばね204は、前端部220および後端部222のそれぞれにおいて第1のバンド224および第2のバンド226として特定される対の円周バンドを有する。第1のバンド224および第2のバンド226は、コンタクトばね204がレセプタクル202に装填されたときに端子本体200に係合して、コンタクトばね204を端子本体200に電気的に接続するように構成される。
【0026】
複数のばね梁228が、円周バンド224、226間で、コンタクトばね204の上部および底部に沿って延びることにより、上部ばね梁228および下部ばね梁228をそれぞれ画定する。
図示した実施形態では、ばね梁228が、コンタクトばね204の中央に向かって概ね内側に先細になっている。上部および下部ばね梁228は、レセプタクル202の中心で互いに向かって延びる。ばね梁228の形状により、ばね梁228は、電力端子104に装填されたときに確実に電力端子104に係合する。
例示的な実施形態では、ばね梁228が偏向可能であり、電力端子104がコンタクトばね204に装填されたときに外側に偏向することができる。コンタクトばね204は、電力端子104と端子本体200との間に電気経路を画定する。
【0027】
第2の端子154は第1の端子152と同様であるが、第2の取付部162に結合される。第2の端子154は、第2の端子本体250を備える。第2の端子本体250は、可撓性導体150および電力端子105(
図2に示す)に電気的に接続されるように構成される。例示的な実施形態では、第2の端子本体250は、可撓性導体150と別個に設けられ、溶接等により可撓性導体150に結合される。
例示的な実施形態では、第2の端子本体250が、レセプタクル252を画定する箱型である。レセプタクル252は、第2の電力端子105を受容するようにサイズ決めされ形成される。
【0028】
第2の端子154は、端子本体250のレセプタクル252に受容される第2のコンタクトばね254を備える。コンタクトばね254を使用して、端子本体250を電力端子105に電気的に接続する。コンタクトばね254は、端子本体250と電力端子105との間に電力経路を画定する。コンタクトばね254は、端子本体250との複数の接触点をもたらす。コンタクトばね254は、電力端子105との複数の接触点をもたらす。コンタクトばね254は、電力端子105に対して分離可能な相手側インターフェースを画定して、迅速な接続および迅速な接続解除を可能にする。
【0029】
端子本体250は、上壁256、底壁258、および対向する側壁260、262を備え、これらがレセプタクル252を画定する。底壁258は、底壁258を第2の取付部162に溶接すること等により、第2の取付部162に結合されるように構成される。端子本体250は、レセプタクル252に対して開口する開口前端部264を有する。電力端子105は、開口前端部264を通ってレセプタクル252に装填されるように構成される。
場合により、端子本体250は、前端部264とは反対に位置する開口後端部266を備えてもよい。開口後端部266により、電力端子105が、端子本体250のいずれの部分に対しても底に落ちることなく、端子本体250を完全に貫通することができる。
例示的な実施形態では、端子本体250が打ち抜かれて形成された本体であり、自由端が場合により共に固定される箱型に折り畳まれた打抜き加工物を有する。
代替実施形態で他の形状が可能である。端子本体250を図示した向き以外の向き、例えば可撓性導体150に対して90°、180°、または他の向きに向けてもよい。
【0030】
第2のコンタクトばね254は、前端部270と後端部272との間に延びる。コンタクトばね254は、前端部270および後端部272のそれぞれにおいて第1のバンド274および第2のバンド276として特定される対の円周バンドを有する。第1のバンド274および第2のバンド276は、コンタクトばね254がレセプタクル252に装填されたときに端子本体250に係合して、コンタクトばね254を端子本体250に電気的に接続するように構成される。
【0031】
複数のばね梁278が、円周バンド274、276間で、コンタクトばね254の上部および底部に沿って延びることにより、上部ばね梁278および下部ばね梁278をそれぞれ画定する。
図示した実施形態では、ばね梁278が、コンタクトばね254の中央に向かって概ね内側に先細になっている。上部および下部ばね梁278は、レセプタクル252の中心で互いに向かって延びる。ばね梁278の形状により、ばね梁278は、電力端子105に装填されたときに確実に電力端子105に係合する。
例示的な実施形態では、ばね梁278が偏向可能であり、電力端子105がコンタクトばね254に装填されたときに外側に偏向することができる。コンタクトばね254は、電力端子105と端子本体250との間に電気経路を画定する。
【0032】
図4Aは、電力端子コネクタ102の上面斜視図である。端子本体200、250が可撓性導体150に終端された状態で示される。端子本体200、250は、コンタクトばね204、254(
図3に示す)を端子本体200、250に装填する前の開放位置にある。可撓性導体150は端子本体200、250に溶接される。上部を開放することにより、超音波溶接またはレーザ溶接動作のために、端子本体の底部に接近することができる。
【0033】
図4Bは、電力端子コネクタ102の上面斜視図である。端子本体200、250が可撓性導体150に終端された状態で示される。コンタクトばね204、254が端子本体200、250に装填された状態で示される。上壁206、256は、その一部が共に固定される前の開放状態で示される。コンタクトばね204、254は、上壁206、256の一部を共に固定する前に、上部を通してレセプタクル202、252に装填することができる。
【0034】
図5は、コンタクトばね204、254が端子本体200、250に固定された状態の、電力端子コネクタ102の上面斜視図である。
コンタクトばね204、254を、締まり嵌めにより端子本体200、250に保持することができ、コンタクトばね204、254の一部が端子本体200、250の一部に直接係合して保持される。コンタクトばね204、254と端子本体200、250との係合によって、これらの間に電気経路が形成される。図では、電力端子コネクタ102は、第1の電力端子104および第2の電力端子105に結合する準備ができている。
【0035】
図6は、電力端子コネクタ102の一部の横断面図であり、第1の電力端子104が第1の端子152に装填されている状態を示す。
電力端子104の先端124が、レセプタクル202および第1のコンタクトばね204に装填される。上部および下部ばね梁228が、電力端子104の上部120および底部122に係合して、端子152を電力端子104に電気的に接続する。
【0036】
コンタクトばね204は、第1のバンド224および第2のバンド226が上壁206および底壁208(および
図2に示す側壁210、212)に当接するように、レセプタクル202に装填される。バンド224、226は各々、端子本体200との少なくとも1つの接触点を画定して、コンタクトばね204と端子本体200との間に電力経路を形成する。
図示した実施形態では、コンタクトばね204と端子本体200との接触点は、端子本体200の前端部214および後端部216に近接して位置する。例えば、コンタクトばね204の前端部220は、端子本体200の前端部214と概ね同一平面にあってよく、コンタクトばね204の後端部222は、端子本体200の後端部216と概ね同一平面にあってよい。
【0037】
例示的な実施形態では、各ばね梁228が端子本体200との追加の接触点を画定して、コンタクトばねと端子本体200との間に別の電力経路を形成することができる。例えば、例示的な実施形態では、各ばね梁228が、端子本体200に向かって外側に面した過大応力隆起300を備える。電力端子104が端子152に装填されると、ばね梁228が外側に偏向する。過大応力隆起300は、端子本体200に係合するまで外側に押される。
ばね梁228は、過大応力隆起300と端子本体200との、上壁206または底壁208に沿った係合等の直接の係合により、端子本体200に電気的に接続される。過大応力隆起300はばね梁228の偏向量を制限して、ばね梁228の過大応力および/または塑性変形を防止する。
過大応力隆起300が端子本体200に係合すると、ばね梁228のさらなる偏向により、電力端子104に加わるばね力が増加する。これは、過大応力隆起300が端子本体200に係合すると、ばね梁228の有効梁長さが短くなるからである。
【0038】
例示的な実施形態では、各ばね梁228が少なくとも2つのコンタクト隆起302、304を備える。コンタクト隆起302、304は、電力端子104に係合するように構成された、ばね梁228の接触面を画定する。
このように、各ばね梁228は、電力端子104との複数の接触点を備えて、これらの間により良好な電気接続を生じさせる。コンタクト隆起302、304は、端子本体200から最も遠い内側である、ばね梁228の最内側部分である。コンタクト隆起302、304は、電力端子104が端子152に装填されたときに電力端子104に直接係合するばね梁228の部分である。
場合により、コンタクト隆起302、304を過大応力隆起300により画定してもよい。例えば、ばね梁228が移行し始める場所、またはばね梁228が外向きに形成されて過大応力隆起300を画定する場所に、コンタクト隆起302、304を位置させることができる。過大応力隆起300は、コンタクト隆起302、304間に位置する。
【0039】
場合により、過大応力隆起300および対応するコンタクト隆起302、304を、第1のバンド224と第2のバンド226との間でばね梁228に沿って略中心に位置させてもよい。
場合により、ばね梁228に、片寄った(オフセットした)過大応力隆起300および片寄ったコンタクト隆起302、304を形成してもよい。
例えば、隣接するばね梁228が、前方位置または後方位置(例えば、それぞれ前端部220近くまたは後端部222近く)に片寄った隆起300、302、304を有してもよい。このようにずらすことにより、電力端子コネクタ102を電力端子104に嵌合させるための全挿入力が小さくなる。
場合により、交互のばね梁228の各々をずらすのではなく、上部ばね梁228のすべてを前方にずらし、下部ばね梁228のすべてを後方にずらすような、隆起300、302、304を片寄らせる他のパターンを使用してもよい。場合により、隆起300、302、304を、3つ以上の異なる位置でずらすことができる。
【0040】
図7は、可撓性の編組線を含む可撓性導体350を示す。例えば、可撓性導体350は、銅編組線を備えてもよい。織目が構造の可撓性に影響し得る。編組線のサイズが構造の可撓性に影響し得る。
【0041】
図8は、多層の可撓性金属シートを有する可撓性導体360を示す。場合により、シートを重ね合わせてもよい。多層に形成された単一のシートから可撓性導体360が作られるように、シートを折り畳むことができる。層間の間隙により、構造を可撓性にすることができる。シートの厚さが構造の可撓性に影響し得る。
【0042】
図9は、例示的な実施形態により形成された電力端子コネクタ370を示す。電力端子コネクタ370は、可撓性導体374の端部に終端した端子372を備える。
例示的な実施形態では、可撓性導体374がケーブルであり、以下でケーブル374と呼ぶことができる。端子372を、ケーブル374の端部に溶接することができる。
場合により、ケーブル374を、図示したケーブルの向きに対して90°もしくは別の向きで終端させ、または溶接することができる。端子372は端子152(
図2に示す)と同様であってよく、端子本体376およびコンタクトばね378を備える。電力端子コネクタ370は、対応する電力端子に嵌合することができる。
場合により、ケーブル374の反対側端部に別の端子が取り付けられていてもよい。あるいは、ケーブル374が、電源等の別の部品に接続されていてもよい。
【0043】
上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。例えば、上記実施形態(および/またはその態様)を互いに組み合わせて用いてもよい。加えて、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの修正を行って、特定の状況または材料を本発明の教示に適応させてもよい。
本明細書に記載の寸法、材料のタイプ、種々の部品の向き、種々の部品の数および位置は、ある実施形態のパラメータを定義することを意図するものであり、決して限定するものではなく、例示的な実施形態にすぎない。上記説明を検討することにより、特許請求の範囲の主旨および範囲内の多くの他の実施形態および修正が、当業者に明らかになろう。