(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、回路基板において、配線同士が交差した場合、いわゆる配線クロス容量が増大する問題が生じる。従って、一般には、このような問題に対応するため、配線同士の間に、複数の絶縁層を設けている。
【0007】
また、このように、配線同士間に複数の絶縁層が存在する場合においては、上述したように、レーザーを用いた切断の修正の際、絶縁層毎にレーザーの照射条件を変更する必要があり、作業性が劣ることから、レーザーを照射すべき部分だけは、単一の絶縁層にしておく必要がある。
【0008】
しかし、作業者が肉眼にて、回路基板から、レーザーを照射すべき部分を探し出すことは困難であり、回路設計図面を見ながら斯かる作業を行なうが、この場合、正確な箇所の判別が難しいうえに、作業性が低減する。また、特許文献1に係るアクティブマトリクス基板ではこのような問題を解決できない。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、積層によって形成された複数層の配線部と、層間に成膜された絶縁部とを備える回路基板において、積層方向での配線部同士が重畳する重畳位置に、前記絶縁部が欠損部を有し、前記欠損部の存在を示す目印が形成されることにより、上述したように、レーザーを用いて配線の切断を修正する際、作業者が肉眼にて、容易に、レーザーを照射すべき部分を判別することができる回路基板及び表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る回路基板は、積層された複数の配線部と、複数の配線部の積層間に成膜された絶縁部とを備える回路基板において、積層方向での配線部同士が重畳する重畳位置に、前記絶縁部が欠損部を有し、前記欠損部の存在を示す目印が形成されてあることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、レーザーを用いて配線の切断を修正する際、該修正が容易となるように、前記絶縁部にて、前記重畳位置に対応する位置に前記欠損部を形成し、また、該欠損部の存在を示す目印を該重畳位置に形成する。
【0012】
本発明に係る回路基板は、前記絶縁部は、物性の異なる2層からなり、何れか一層が前記重畳位置にて欠けており、前記目印は前記配線部の前記重畳位置に形成されており、層に沿う方向に形成された凸部又は凹部であることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、前記絶縁部が物性の異なる2層からなる場合、前記重畳位置に対応する位置で何れか一層が欠けるように構成して、レーザーを用いた配線の切断の修正を容易にする。また、前記配線部の前記重畳位置に対応する部分に、層に沿う方向に凸部又は凹部を前記目印として形成する。
【0014】
本発明に係る回路基板は、前記絶縁部は、前記重畳位置に、窪みが形成されており、前記目印は前記配線部の前記重畳位置に形成されており、層に沿う方向に形成された凸部又は凹部であることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、前記絶縁部が単一層からなる場合、前記重畳位置と対応する位置に窪みを形成して、レーザーを用いた配線の切断の修正を容易にする。また、前記配線部の前記重畳位置に対応する部分に、層に沿う方向に凸部又は凹部を前記目印として形成する。
【0016】
本発明に係る回路基板は、前記凸部又は凹部は、前記欠損部に係る欠損範囲と整合する形状を有していることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、前記凸部又は凹部が、前記欠損部に係る欠損範囲と整合する形状を有するようにし、前記配線の切断の修正において、作業者が容易に欠損部に係る欠損範囲を推測可能にする。
【0018】
本発明に係る回路基板は、前記凸部又は凹部は、前記欠損部に係る欠損範囲の中央部と整合する位置に形成されていることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、前記凸部又は凹部を前記欠損部に係る欠損範囲の中央部と整合する位置に形成し、前記配線の切断の修正において、作業者が容易に欠損部に係る欠損範囲を推測可能にする。
【0020】
本発明に係る回路基板は、前記凸部又は凹部は各々複数であり、前記欠損部に係る欠損範囲の両端と整合する位置に形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、複数の凸部又は凹部を前記欠損部に係る欠損範囲の両端と整合する位置に各々形成し、前記配線の切断の修正において、作業者が容易に欠損部に係る欠損範囲を推測可能にする。
【0022】
本発明に係る表示装置は、前述の発明の何れか一つに記載の回路基板と、該回路基板の配線部を介して入力される信号に基づいて画像が表示される表示部とを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、該回路基板の配線部を介して入力される信号に基づいて、前記表示部に画像が表示される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、上述したように、作業者がレーザーを用いて配線の切断を修正する際、肉眼にて、かつ容易に、レーザーを照射すべき部分を判別することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の説明では回路基板として液晶表示パネルに内装された回路基板について説明するが、本発明に係る回路基板は液晶パネルに限るものではない。例えば、画素を光学的に順次シフトさせる画像シフトパネル、三次元映像を表示可能とするパララックスバリアパネルなどに適用することも可能である。また本発明の回路基板は、無機又は有機エレクトロルミネッセントパネル、プラズマディスプレイパネル、エレクトロクロミック表示パネル、電気泳動表示パネルなどにも適用することができる。更に、本発明に係る回路基板は、上述したような表示装置に限るものではなく、他の電気機器に適用できることは言うまでもない。
【0027】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る液晶表示パネルの内部構成を模式的に示す要部構成図である。本発明の実施の形態1に係る液晶表示パネル100は、TFT(Thin Film Toransistor)素子を用いた、いわゆるアクティブマトリクス型の液晶表示パネルである。液晶表示パネル100は、TFT基板11とこれに対向するCF(Dolor Filter)基板12とが貼り合わされた構造を有しており、TFT基板11の対向面の一部が露出している。液晶表示パネル100は、TFT基板11及びCF基板12の間に液晶層を有している。
【0028】
図1中のCF基板12の内側の部分は、画像信号に基づいて映像を表示する表示領域13である。表示領域13の周辺の領域は額縁領域14とも呼ばれている。
【0029】
TFT基板11は、ガラス基板上に、互いに交差して形成された、走査信号用の走査配線及びデータ信号用の信号配線と、画素ごとに設けられたTFT素子と、画素電極とを有する。CF基板12のTFT基板11側面には、共通電極が形成されている。TFT基板11の額縁領域14には、走査配線の線順次走査を制御するゲートドライバ17と、信号配線に画像データ信号を供給するソースドライバ18とがそれぞれ複数個設けられている。
【0030】
液晶表示パネル100は、ゲートドライバ17及びソースドライバ18が、外部から入力されるIC駆動用配線、対向電極用配線、ゲートドライバ17及びソースドライバ18から表示領域へ映像信号を供給するための信号出力配線、ドライバに駆動信号を入出力するための中継配線等を備えている。
【0031】
額縁領域14には複数の配線からなる配線部が形成されている。斯かる配線としては、例えば、表示領域13へ画像データ信号を出力するための配線21(表示領域への導入用電気配線)、隣接する各ゲートドライバ17又はソースドライバ18、並びにゲートドライバ17及びソースドライバ18を電気的に接続する電源配線23等である。
【0032】
表示領域13内の配線は、導電性材料を1種又は2種以上含有する単層膜又は積層膜であり、TFTを形成する薄膜プロセスによって形成される。一般的には、表示領域13内の配線部は金属薄膜と導電性酸化膜との積層膜である。額縁領域14内の各配線21,23は表示領域13内の配線の形成と同じプロセス及び同じ材料を用いて形成される。
【0033】
一方、液晶表示パネル100のような表示装置においては、高精細の画像表示を実現すると共に、よりコンパクト化又は薄型化するために、これら配線(例えば、走査信号、データ信号等)同士の交差数が増えており、これによりいわゆる配線クロス容量が増大するようになる。一般には、ゲートドライバ17に係るゲート配線、及び、ソースドライバ18に係るソース配線の間には一層の絶縁層(以下、GI絶縁層という。)のみが形成されているが、該GI絶縁層のみでは、このような配線クロス容量の増大の問題に十分に対応できない。
【0034】
そこで、これに対応するため、実施の形態1に係る液晶表示パネル100においては、ゲート配線及びソース配線の間に、前記GI絶縁層に加え、SOG(Spin on Glass)材料からなるSOG絶縁層を形成する。SOG材料としては、例えば、シリカがある。これによって、ゲート配線及びソース配線の間の間隔を広げることができ、前記配線クロス容量を低減することができる。このような方法は公知の技術であり詳しい説明を省略する。
【0035】
一方、このような液晶表示パネル100の製造プロセス中において、例えば、額縁領域14における配線が切断されると表示領域13に信号が入力できず、画像表示が正しくできない不良品となる。
【0036】
このような場合に備え、一の配線と平行していわゆる冗長配線を配置しておく。該冗長配線回路はいわば迂回回路であり、例えば、斯かる一の配線がゲート配線である場合、前記冗長配線はソース配線であり、前記一の配線がソース配線である場合、前記冗長配線はゲート配線である。
【0037】
図2は本発明の実施の形態1に係る液晶表示パネル100の額縁領域14における、配線切断対策を説明する説明図である。以下、説明の便宜上、液晶表示パネル100の額縁領域14における配線を例にあげて説明し、ゲート配線Gに、冗長配線としてソース配線Oが配置された場合を例として説明する。
【0038】
図2中、S点は配線切断が発生した部分であり、J点はソース配線O及びゲート配線Gが、積層方法において重畳する位置である。換言すれば、ゲート配線G、及び、ソース配線Oの間には、前記J点において、前記GI絶縁層及びSOG絶縁膜が介在している。
【0039】
前記J点付近では、ソース配線Oの先端部が、ゲート配線Gと、前記積層方向において「T」字状をなすように重畳している。
【0040】
例えば、製造プロセス中において、ゲート配線GのS点が切断されると表示領域13に信号が入力できず、画像表示が正しくできない。この際、両J点にて、ゲート配線G及びソース配線Oを接続させた場合、図中矢印方向に沿って信号は迂回して伝搬するので、斯かる問題を解決できる。また、このような解決方法は公知であり、詳しい説明を省略する。
【0041】
図3は
図2のJ点におけるA−A線による断面図である。TFT基板11のCF基板12側の面には、ゲート配線Gが積層形成されており、上述したように、GI絶縁層I1及びSOG絶縁膜I2からなる絶縁部Iを挟んで、ソース配線Oが積層形成されている。また、ソース配線OのCF基板12側には、有機層間絶縁膜(JAS)が形成されている。
【0042】
更に、絶縁部Iは欠損部Fを有している。欠損部Fは、ゲート配線G及びソース配線Oの積層方向において、これらが重畳するJ点に形成されている。
【0043】
より詳しくは、SOG絶縁膜I2はJ点において、欠けており、不在である。すなわち、J点においては、SOG絶縁膜I2が形成されていない抜き部Eが存在し、抜き部Eには、代わりに、GI絶縁層I1が形成されている。これによって、上述したように、
図2のゲート配線GのS点が切断された場合、両J点にて、ゲート配線G及びソース配線Oを接続させることができる。
【0044】
すなわち、
図2の両J点に、前記積層方向に沿って、特定周波数のレーザーを照射することにより、ソース配線O及び絶縁部Iを溶かして、ゲート配線G及びソース配線Oを接続させることができる。以下、この方法をレーザーメルト法という。
【0045】
しかし、このように、レーザーメルト法を実施する場合、レーザー照射のターゲットとなる絶縁部が物性の異なる複数の絶縁層からなる場合、絶縁層毎にレーザーの照射条件を変更する必要があり、作業性が劣る。
【0046】
従って、レーザーメルト法に用いられる箇所、すなわち、レーザー照射のターゲットになる箇所の絶縁部が、絶縁部Iのように複数種の絶縁層からなる場合には、予め、SOG絶縁膜I2に抜き部Eのような欠損部を設けることにより、当該箇所に限り、1種の絶縁層にすることで、レーザーメルト法における、作業性を高めることができる。
【0047】
一方、一般に、作業者が、前記レーザーメルト法を実施する際には、SOG絶縁膜I2が欠けており、かつゲート配線G及びソース配線Oが重畳している箇所を判別するために、回路設計図面を見ながら、斯かる作業を行なう。しかし、このような場合、正確な箇所の判別が難しいうえに、作業性が低減する。
【0048】
これに対して、本発明の実施の形態1に係る液晶表示パネル100においては、欠損部Fの存在を示す目印を形成しているので、斯かる問題を解決することができる。以下、本発明の実施の形態1に係る液晶表示パネル100における、欠損部Fの存在を示す目印について詳しく説明する。
【0049】
図4は
図2の円部分を拡大して示す拡大図である。図中、破線にて囲まれている部分は、SOG絶縁膜I2が抜けている部分、すなわち、抜き部Eに係る範囲を表す。
【0050】
ソース配線Oにおいて、ゲート配線Gと重畳するJ点の位置に、欠損部Fの存在を示す目印として凸部Pが形成されている。凸部Pはソース配線Oの先端から、層に沿う方向に突出するように形成されている。また、凸部Pは、積層方向において、ゲート配線Gと重ならないように、形成されている。凸部Pは矩形であり、突出方向が短手方向である。
【0051】
また、凸部Pは、欠損部Fに係る欠損範囲と整合する形状を有している。換言すれば、凸部Pは、欠損部Fの抜き部Eに係る範囲と整合する形状を有している。より詳しくは、凸部Pの長手方向における寸法、すなわち、ゲート配線Gに沿う方向における凸部Pの寸法Lと、斯かる方向における抜き部Eの範囲(寸法)とは一致している。なお、凸部Pはソース配線O(又はゲート配線G)の一部として、これらが積層形成される際、共に形成される。
【0052】
これによって、実施の形態1に係る液晶表示パネル100においては、作業者が前記レーザーメルト法を実施する際、SOG絶縁膜I2が欠けており、かつゲート配線G及びソース配線Oが重畳している箇所を容易に判別できる。また、凸部Pの形状からSOG絶縁膜I2が欠けている範囲、すなわち、抜き部Eに係る範囲を推測できる。
【0053】
上述したように、凸部Pはソース配線O(又はゲート配線G)と同じ材料からなるので、遮光性を有している。従って、実際に、作業者が前記レーザーメルト法を実施する際、TFT基板11の背面から光を照射して、遮光性のあるソース配線O(又はゲート配線G)の陰影に基づいて、すなわち、凸部Pの陰影から、SOG絶縁膜I2が欠けており、かつゲート配線G及びソース配線Oが重畳している箇所を容易に判別できる。
【0054】
(実施の形態2)
実施の形態2においては、凸部Pの代わりに、欠損部Fの存在を示す目印として凹部Bが形成されている。以下、詳しく説明する。
【0055】
図5は本発明の実施の形態2に係る液晶表示パネル100における、凹部Bの形状を説明する説明図である。図中、破線にて囲まれている部分は、SOG絶縁膜I2が抜けている部分、すなわち、抜き部Eに係る範囲を表す。
【0056】
凹部Bは、実施の形態1の凸部Pと同様、ソース配線Oにおいて、ゲート配線Gと重畳するJ点の位置に形成されており、ソース配線Oの先端から、ソース配線Oに沿う方向に形成されている。例えば、凹部Bは矩形であり、ソース配線Oに沿う方向が短手方向である。
【0057】
また、凹部Bは、欠損部Fに係る欠損範囲と整合する形状を有しており、凹部Bの長手方向における寸法L1と、斯かる方向における抜き部Eの範囲(寸法)とは一致している。なお、凹部Bはソース配線O(又はゲート配線G)の一部として、これらが積層形成される際、共に形成される。
【0058】
これによって、実施の形態2に係る液晶表示パネル100においては、作業者が前記レーザーメルト法を実施する際、SOG絶縁膜I2が欠けており、かつゲート配線G及びソース配線Oが重畳している箇所を容易に判別できる。また、凹部Bの形状からSOG絶縁膜I2が欠けている範囲、すなわち、抜き部Eに係る範囲を推測できる。
【0059】
上述したように、凹部Bはソース配線O(又はゲート配線G)と同じ材料からなるので、遮光性を有している。従って、実際に、作業者が前記レーザーメルト法を実施する際、TFT基板11の背面から光を照射して、凹部Bの陰影から、SOG絶縁膜I2が欠けており、かつゲート配線G及びソース配線Oが重畳している箇所を容易に判別できる。
【0060】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0061】
(実施の形態3)
実施の形態3においては、凸部Pの代わりに、2つの突出部からなる凸部P1が形成されている。以下、詳しく説明する。
【0062】
図6は本発明の実施の形態3に係る液晶表示パネル100における、凸部P1の形状を説明する説明図である。図中、破線にて囲まれている部分は抜き部Eに係る範囲を表す。
【0063】
凸部P1は、ソース配線Oにおいて、ゲート配線Gと重畳するJ点の位置に形成された2つの突出部からなり、ソース配線Oの先端から、層に沿う方向に突出するように形成されている。例えば、凸部P1の各突出部は矩形であり、突出方向が長手方向である。
【0064】
また、凸部P1は、欠損部Fに係る欠損範囲の両端と整合する位置に形成されている。すなわち、凸部P1は、欠損部Fの抜き部Eに係る範囲の両端と整合する位置に、各突出部が各々形成されている。より詳しくは、凸部P1の2つの突出部はゲート配線Gに沿う方向に隔てて形成されており、該突出部同士間の間隔と、斯かる方向における抜き部Eの範囲(寸法)とは略一致している。
【0065】
これによって、実施の形態3に係る液晶表示パネル100においては、作業者が前記レーザーメルト法を実施する際、SOG絶縁膜I2が欠けており、かつゲート配線G及びソース配線Oが重畳している箇所を容易に判別できる。また、凸部P1の形状からSOG絶縁膜I2が欠けている範囲、すなわち、抜き部Eに係る範囲を推測できる。
【0066】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0067】
(実施の形態4)
実施の形態4においては、凹部Bの代わりに、2つの窪みからなる凹部B1が形成されている。以下、詳しく説明する。
【0068】
図7は本発明の実施の形態4に係る液晶表示パネル100における、凹部B1の形状を説明する説明図である。図中、破線にて囲まれている部分は抜き部Eに係る範囲を表す。
【0069】
凹部B1は、ソース配線Oにおいて、ゲート配線Gと重畳するJ点の位置に形成された2つの窪みからなり、ソース配線Oの先端から、ソース配線Oに沿う方向に形成されている。例えば、凹部B1の各窪みは矩形であり、ソース配線Oに沿う方向が長手方向である。
【0070】
また、凹部B1は、欠損部Fに係る欠損範囲の両端と整合する位置に形成されている。すなわち、凹部B1は、欠損部Fの抜き部Eに係る範囲の両端と整合する位置に、各窪みが各々形成されている。より詳しくは、凹部B1の2つの窪みはゲート配線Gに沿う方向に隔てて形成されており、該窪み同士間の間隔と、斯かる方向における抜き部Eの範囲(寸法)とは略一致している。
【0071】
これによって、実施の形態4に係る液晶表示パネル100においては、作業者が前記レーザーメルト法を実施する際、SOG絶縁膜I2が欠けており、かつゲート配線G及びソース配線Oが重畳している箇所を容易に判別できる。また、凹部B
1の形状からSOG絶縁膜I2が欠けている範囲、すなわち、抜き部Eに係る範囲を推測できる。
【0072】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0073】
(実施の形態5)
実施の形態5においては、凸部P1の代わりに、1つの突出部からなる凸部P2が形成されている。以下、詳しく説明する。
【0074】
図8は本発明の実施の形態5に係る液晶表示パネル100における、凸部P2の形状を説明する説明図である。図中、破線にて囲まれている部分は抜き部Eに係る範囲を表す。
【0075】
凸部P2は、ソース配線Oにおいて、ゲート配線Gと重畳するJ点の位置に形成された1つの突出部であり、ソース配線Oの先端から、層に沿う方向に突出するように形成されている。例えば、凸部P2は矩形であり、突出方向が長手方向である。
【0076】
また、凸部P2は、欠損部Fに係る欠損範囲の中央部と整合する位置に形成されている。すなわち、凸部P2は、欠損部Fの抜き部Eに係る範囲の中央部と整合する位置に形成されている。より詳しくは、凸部P2は、ゲート配線Gに沿う方向における抜き部Eの範囲のうち、中央部に形成されている。
【0077】
これによって、実施の形態5に係る液晶表示パネル100においては、作業者が前記レーザーメルト法を実施する際、SOG絶縁膜I2が欠けており、かつゲート配線G及びソース配線Oが重畳している箇所を容易に判別できる。また、凸部P2の形状からSOG絶縁膜I2が欠けている範囲、すなわち、抜き部Eに係る範囲を推測できる。
【0078】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0079】
(実施の形態6)
実施の形態6においては、凹部B1の代わりに、1つの窪みからなる凹部B2が形成されている。以下、詳しく説明する。
【0080】
図9は本発明の実施の形態6に係る液晶表示パネル100における、凹部B2の形状を説明する説明図である。図中、破線にて囲まれている部分は抜き部Eに係る範囲を表す。
【0081】
凹部B2は、ソース配線Oにおいて、ゲート配線Gと重畳するJ点の位置に形成された窪みであり、ソース配線Oの先端から、ソース配線Oに沿う方向に形成されている。例えば、凹部B2は矩形であり、ソース配線Oに沿う方向が長手方向である。
【0082】
また、凹部B2は、欠損部Fに係る欠損範囲の中央部と整合する位置に形成されている。すなわち、凹部B2は、欠損部Fの抜き部Eに係る範囲の中央部と整合する位置に形成されている。より詳しくは、凹部B2は、ゲート配線Gに沿う方向における抜き部Eの範囲のうち、中央部に対応する位置に形成されている。
【0083】
これによって、実施の形態6に係る液晶表示パネル100においては、作業者が前記レーザーメルト法を実施する際、SOG絶縁膜I2が欠けており、かつゲート配線G及びソース配線Oが重畳している箇所を容易に判別できる。また、凹部B2の形状からSOG絶縁膜I2が欠けている範囲、すなわち、抜き部Eに係る範囲を推測できる。
【0084】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0085】
(実施の形態7)
以上においては、前記J点付近では、抜き部Eに係る範囲がソース配線O及びゲート配線Gの幅より狭い場合を例として説明したが、本発明はこれに限るものでない。抜き部Eに係る範囲がソース配線O又はゲート配線Gの幅より広い場合も本発明を適用することが可能である。
【0086】
図10は抜き部Eに係る範囲がソース配線Oの幅より広い場合における、本発明の適用を説明する説明図である。図中、破線にて囲まれている部分は抜き部Eに係る範囲を表す。
図10に示すように、ソース配線O及びゲート配線Gは、「+」状に交差して重畳されており、抜き部Eに係る範囲がソース配線Oの幅より広い。
【0087】
ソース配線Oにおいては、ゲート配線Gと交差するJ点の位置に、凸部P3が形成されている。凸部P3は、ソース配線Oにおいて、ゲート配線Gを挟む両側の何れか一方に形成されており、ソース配線Oの幅方向の両側に形成されている。
【0088】
すなわち、ソース配線Oに沿う方向と直交する幅方向の両端であって、欠損部F(J点)に隣り合う部分には、層に沿う方向に突出するように凸部P3,P3が形成されている。例えば、凸部P3,P3は矩形であり、前記幅方向が長手方向である。
【0089】
また、凸部P3,P3は、欠損部Fの抜き部Eに係る範囲の両端と整合するように各々形成されている。より詳しくは、ゲート配線Gに沿う方向において、一の凸部P3の先端から他の凸部P3の先端までの寸法L2と、斯かる方向における抜き部Eの範囲(寸法)とは一致している。
【0090】
これによって、実施の形態7に係る液晶表示パネル100においては、抜き部Eに係る範囲がソース配線O又はゲート配線Gの幅より広い場合であっても、作業者が前記レーザーメルト法を実施する際、SOG絶縁膜I2が欠けており、かつゲート配線G及びソース配線Oが重畳している箇所を容易に判別できる。また、凸部P3の形状からSOG絶縁膜I2が欠けている範囲、すなわち、抜き部Eに係る範囲を推測できる。
【0091】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0092】
なお、以上の説明では、ソース配線Oにおいて、ゲート配線Gと重畳するJ点の位置に、凸部P,凸部P1,凸部P2,凸部P3,凹部B,凹部B1及び凹部B2が形成されている場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものでない。例えば、ゲート配線Gにおいて、ソース配線Oと重畳するJ点の位置に、凸部P,凸部P1,凸部P2,凸部P3,凹部B,凹部B1及び凹部B2が形成された構成であっても良い。
【0093】
更に、以上の記載に限るものでなく、凸部P,凸部P1,凸部P2,凸部P3,凹部B,凹部B1及び凹部B2が、積層方向において、欠損部F(抜き部E)と同一形状を有するように構成しても良い。
【0094】
(実施の形態8)
更に、以上の記載においては、絶縁部IがGI絶縁層I1及びSOG絶縁膜I2からなる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものでない。絶縁部IがGI絶縁層I1又はSOG絶縁膜I2の何れか一方のみからなる場合も本発明を適用することができる。以下、詳しく説明する。なお、説明の便宜上、絶縁部IがGI絶縁層I1のみからなる場合を例に挙げて説明する。
【0095】
図11は絶縁部IがGI絶縁層I1のみからなる場合を説明する説明図である。TFT基板11のCF基板12側の面には、ゲート配線Gが積層形成されており、GI絶縁層I1のみからなる絶縁部Iを挟んで、ソース配線Oが積層形成されている。また、ソース配線OのCF基板12側には、有機層間絶縁膜(JAS)が形成されている。
【0096】
更に、絶縁部Iは欠損部Fを有している。欠損部Fは、ゲート配線G及びソース配線Oの積層方向において、これらが重畳するJ点に形成されている(
図3参照)。
【0097】
より詳しくは、GI絶縁層I1はJ点において、窪みHが形成されている。これによって、作業者が前記レーザーメルト法を実施する際、窪みHにおいて、レーザーによるメルトが容易となる。
【0098】
前記J点がこのような構成である場合においても、上述した実施の形態1〜7に記載したように、J点の位置に、凸部P,凸部P1,凸部P2,凸部P3,凹部B,凹部B1及び凹部B2を形成できることは言うまでもない。
【0099】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。