(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289510
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】金属ケーシング下のガス絶縁変電所(GIS)のジャケットを抜き取る方法
(51)【国際特許分類】
H02B 13/035 20060101AFI20180226BHJP
H02B 13/025 20060101ALI20180226BHJP
H02B 13/045 20060101ALI20180226BHJP
H02B 3/00 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
H02B13/035 301Z
H02B13/025 A
H02B13/035 301B
H02B13/045 Z
H02B3/00 Z
【請求項の数】21
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-558462(P2015-558462)
(86)(22)【出願日】2014年2月21日
(65)【公表番号】特表2016-511624(P2016-511624A)
(43)【公表日】2016年4月14日
(86)【国際出願番号】EP2014053407
(87)【国際公開番号】WO2014128251
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2017年2月14日
(31)【優先権主張番号】1351636
(32)【優先日】2013年2月25日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゲルバー、ヘインツ
(72)【発明者】
【氏名】リュッシャー、ロバート
【審査官】
段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】
特開平8−107610(JP,A)
【文献】
特表2012−531883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 13/035
H02B 3/00
H02B 13/025
H02B 13/045
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
GIS型の電気設備(20)のスペーサケーシング(24a〜24f)用の取り外し可能な安定器であって、
前記スペーサケーシング(24a〜24f)は、
第1の開口(33)と、
ボア(34)を有する導体(30b)と、
を備え、
前記取り外し可能な安定器(29)は、
前記第1の開口(33)を介して前記スペーサケーシング(24a〜24f)に導入されるように構成されたプラグ(29a)を備え、
前記プラグは、前記スペーサケーシング(24a〜24f)が大気圧に置かれた後で前記導体(30b)が移動するのを阻止するように、前記導体(30b)の前記ボア(34)に貫入するように設計された、取り外し可能な安定器(29)。
【請求項2】
第2の開口を介して前記スペーサケーシング(24a〜24f)に挿入され、前記プラグ(29a)の端部を収容するように構成されたソケット(29b)を備える、請求項1に記載の取り外し可能な安定器。
【請求項3】
前記プラグ(29a)と前記ソケット(29b)は、前記第1の開口(33)と前記第2の開口(33)にそれぞれねじ留めされるように構成された、請求項1または2に記載の取り外し可能な安定器。
【請求項4】
前記プラグ(29a)は、前記ソケット(29b)にねじ留めされるように構成された、請求項2に記載の取り外し可能な安定器。
【請求項5】
前記プラグ(29a)の一端は、前記スペーサケーシング(24a〜24f)に含まれるハウジング(134)内に配置されるように構成され、
前記ハウジングは、前記ケーシングの前記第1の開口(33)と反対側に位置し、
前記プラグ(29a)は、前記第1の開口(33)にねじ留めされるように構成された、請求項1に記載の取り外し可能な安定器。
【請求項6】
プラグ(29a)の一端は、前記スペーサケーシング(24a〜24f)に含まれるハウジング(134)内に配置されるように構成され、
前記ハウジングは、前記第1の開口(33)と反対側に位置し、
前記プラグ(29a)は、前記ハウジング(134a)内にねじ留めされるように構成された、請求項1に記載の取り外し可能な安定器。
【請求項7】
少なくとも第1の導体(30a,30b,30c)と、
請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の少なくとも1つの取り外し可能な安定器(29)と、
前記取り外し可能な安定器(29)を挿入するための少なくとも1つの開口(33)と、を備えるスペーサケーシング。
【請求項8】
前記第1の導体(30a,30b,30c)は、前記取り外し可能な安定器(29)を収容するためのボア(34)を有する、請求項7に記載のスペーサケーシング。
【請求項9】
少なくとも第2の導体(30a,30b,30c)と、
前記導体(30a,30b,30c)を機械的に接続する接続部材(31,334,24c,124c,324c)と、
を備え、
前記取り外し可能な安定器(29)は、前記接続部材(31,334,24c,124c,324c)と協力することで、前記スペーサケーシング(24a〜24f)が大気圧に置かれた後で、全ての前記導体(30a,30b,30c)の前記スペーサケーシング(24a〜24f)に対する移動が阻止される、請求項7または8に記載のスペーサケーシング。
【請求項10】
前記接続部材は、前記スペーサケーシング(324c)又は前記スペーサケーシング(324c)の壁の一部分の外側に外部手段(334)を有し、
前記スペーサケーシングは、少なくとも1つの補助開口を有し、
安定化ロッド(329)は、前記補助開口内と前記第2の導体のボア(34)内に収容された、請求項9に記載のスペーサケーシング。
【請求項11】
前記接続部材は、前記スペーサケーシング内で前記導体(30a〜30c)のそれぞれにリベット留めされたストラップ(31)である、請求項9に記載のスペーサケーシング。
【請求項12】
GIS型(20)の電気設備のベイ(27a〜27c)から断路器ケーシング(23a〜23f)を抜き取る方法であって、
前記ベイ(27a〜27c)は、前記電気設備(20)を配電網に接続する回路遮断器ケーシング(22a〜22c)を提供し、
前記ベイは、前記断路器ケーシング(23a〜23f)に隣接した第1のスペーサケーシング(24a〜24f)をさらに提供し、
前記電気設備(20)は、1組の母線(21a,21b)を有し、
前記1組の母線(21a,21b)の各部分は、前記断路器ケーシング(23a〜23f)と前記スペーサケーシング(24a〜24f)の各々の中を通り、
前記断路器ケーシング(23a〜23f)、前記回路遮断器ケーシング(22a〜22c)及び前記スペーサケーシング(24a〜24f)の各々は、所定のサービス圧力の絶縁性ガスで満たされたときに、加圧下で独立ユニットを構成し、
前記方法は、
前記ベイ(27a〜27c)と前記1組の母線(21a,21b)とを接地するステップと、
前記回路遮断器ケーシング(22a〜22c)、前記断路器ケーシング(23a〜23f)及び前記第1のスペーサケーシング(24a〜24f)内のサービス圧力の絶縁性ガスを、前記大気圧の空気で置き換えるステップと、
前記第1のスペーサケーシング(24a〜24f)内に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の取り外し可能な安定器(29)を装着するステップと、
前記GIS(20)から前記断路器ケーシング(23a〜23f)を物理的に抜き取るステップと、を含む方法。
【請求項13】
前記第1の支持絶縁体(25)は、前記断路器ケーシング(23a〜23f)と前記回路遮断器ケーシング(22a〜22c)の間に配置され、
第2の支持絶縁体要素(25)は、前記断路器ケーシング(23a〜23f)と前記第1のスペーサケーシング(24a〜24f)との間に配置され、
第1及び第2の支持絶縁体(25)は、抜き取り後に前記断路器ケーシング(23a〜23f)上に保持される、請求項12に記載の断路器ケーシング(23a〜23f)を抜き取る方法。
【請求項14】
前記電気設備は、前記断路器ケーシング(23c〜23f)に隣接した第2のスペーサケーシング(24a〜24d)を備え、
前記方法は、
前記第2のスペーサケーシング(24a〜24d)の内圧を、前記サービス圧力より低い圧力レベルまで低下させるステップを含み、
前記低下させるステップは、前記断路器ケーシング(23c〜23f)の物理的抜き取り前でかつ前記1組の母線の接地後に行われる、請求項12または13に記載の断路器ケーシング(23c〜23f)を抜き取る方法。
【請求項15】
前記断路器ケーシング(23c〜23f)は、第3の支持絶縁体(25)によって前記第2のスペーサケーシング(24a〜24d)から分離されている、請求項12から14のうちいずれか一項に記載の断路器ケーシング(23c〜23f)を抜き取る方法。
【請求項16】
前記断路器ケーシング(23c〜23f)の前記GISからの物理的抜き取り後に、前記第3の支持絶縁体(25)が前記第2のスペーサケーシング(24a〜24d)に取り付けられたままである、請求項12から15のうちいずれか一項に記載の断路器ケーシング(23c〜23f)を抜き取る方法。
【請求項17】
前記第2のスペーサケーシング(24a〜24d)の内圧が、低下後に、0.1MPa〜0.5MPaの範囲にある、請求項12から16のうちいずれか一項に記載の断路器ケーシング(23c〜23f)を抜き取る方法。
【請求項18】
前記第2のスペーサケーシング(24a〜24d)の内圧が、低下後に、約0.2MPa程度となる、請求項12から17のうちいずれか一項に記載の断路器ケーシング(23c〜23f)を抜き取る方法。
【請求項19】
前記第2のスペーサケーシング(24a〜24d)の内圧が、低下後に、大気圧となり、
前記支持絶縁体(25)は、物理的抜き取り後に前記断路器ケーシング(23c〜23f)に取り付けられたままである、請求項15に記載の断路器ケーシング(23c〜23f)を抜き取る方法。
【請求項20】
前記第2のスペーサケーシング(24a〜24d)に前記取り外し可能な安定器(29)を装着するステップを含む、請求項12から19のうちいずれか一項に記載の断路器ケーシング(23c〜23f)を抜き取る方法。
【請求項21】
前記第2のスペーサケーシング(24a〜24d)の内圧が、低下後に、大気圧と等しくなり、
前記方法は、前記取り外し可能な安定器(29)を前記第2のスペーサケーシング(24a〜24d)に取り付けるステップを含む、請求項12または13に記載の断路器ケーシング(23c〜23f)を抜き取る方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ガス絶縁変電所(GIS)と呼ばれる高電圧又は中間電圧ガス絶縁変電所の保守と修理に関する。このタイプの変電所は、開閉装置、詳細には母線断路器、回路遮断器、又は接地開閉器を含む。一般に、開閉装置は、タンク内で0.4メガパスカル(MPa)〜0.8MPa(例えば、0.7MPa)のサービス圧力で加圧された六フッ化硫黄(SF
6)を使用して絶縁される。
【0002】
GISは、単相機器と三相機器に分けられることがある。三相機器では、三相導体が、共通タンク内に閉じ込められる。単相機器では、タンクは、一相のみに対応する。
【0003】
技術的視点から、本発明は、単相機器と三相機器に同じようにかなり関連している。
【0004】
また、職業安全衛生(OH)にも関連する。
【0005】
例示的なGISは、複数の回路遮断器、1組以上の母線と、1組の母線につき1つの断路器を含む。母線は、回路遮断器を接続する。各組の母線と各回路遮断器との間にそれぞれの断路器が挟まれる。ベイと呼ばれるGISの区分は、回路遮断器と、それぞれ対応する組の母線の一部と、挟まれた断路器と、各断路器用のスペーサケーシングをグループ化する。
【背景技術】
【0006】
より詳述には、
図1と
図2に見ることができるGIS10は、2組の母線11aと11b、4つの回路遮断器ケーシング12a〜12d(それぞれベイ17a〜17dに対応する)、8つの断路器ケーシング13a〜13h、及び6つのスペーサケーシング14a〜14fを含む。
【0007】
ケーシング12a〜12d、13a〜13h及び14a〜14fは、加圧された絶縁性ガスで満たされた金属タンクである。ケーシング13a〜13hと、ケーシング12a〜12d又は14a〜14fとの間の各接続部にある気密支持絶縁体15は、隣接ケーシング間のSF
6ガスの交換を防ぎ、すなわち、各ケーシング12a〜12d、13a〜13h及び14a〜14fは、加圧下で独立ユニットを構成する。
【0008】
この例では、各組の母線11aと11bは、母線固有の3つの導体を有する。これらの母線はそれぞれ、断路器ケーシングとスペーサケーシング内でGIS10の幅全体にわたって延在する。
【0009】
各ケーシング12a〜12dは、ベイ17a〜17dを下流の回路網から絶縁することを可能にする。
【0010】
図1では、2つの断路器ケーシング13aと13bが、ケーシング12aと、それぞれの組の母線11a又は11bとの間の接続部を構成する。他のケーシング12b〜12dはそれぞれ、13c〜13hの中の2つの断路器ケーシングに同様に接続される。断路器ケーシング13a〜13hは、回路遮断器ケーシング12a〜12dのうちの1つを、1組の母線11aと11bの一方又は他方から電気的に絶縁することを可能にする。
【0011】
各断路器ケーシング13a〜13hは、スペーサケーシング14a〜14fによって隣接断路器ケーシングから分離される。一例として、ケーシング13aは、スペーサケーシング14aによって隣接ケーシング13cから分離される。
【0012】
厳密に言うと、ケーシング14a〜14fは、任意選択であり、すなわち、GISは、ケーシング13a及び13cが積み重なって締結された状態で動作できる。しかしながら、中間ケーシング14a〜14fは、ベイへのアクセスを容易にするために使用される。
【0013】
隣接スペーサケーシング14a〜14fとの2つ接続部の一方の接続部にのみ、各ケーシング13c〜13hが、取り外し可能な結合ユニット16を含む。一例として、前記結合ユニット16は、複数のねじで構成される。ケーシング13a及び13bは、1組の母線の端にあり、前記結合ユニットを含まない。
【0014】
断路器に対する措置を取るためには、ケーシングを1組の母線から分離しなければならない。
【0015】
例えば、
図2では、ケーシング13cが、ベイ17bから抜き取られている。ケーシング13cと14cの間の接続部は、取り外しできず、これらの2つの要素は、1ブロックとして抜き取られている。
【0016】
ケーシング13cが取り外されたとき、ケーシング13cを回路遮断器ケーシング12bから分離する支持絶縁体15が、ケーシング13cに取り付けられたままであることに留意されたい。ガス絶縁が提供されなくなるので、電流は、ベイ17b内で前もって中断されなければならない。
【0017】
更に、取り外された後、スペーサケーシング14cを断路器ケーシング13eから分離する支持絶縁体15は14cに取り付けられたままである。したがって、取り外される前に、断路器ケーシング13eが大気圧の空気で充填されなければならないことに留意されたい。したがって、検討中のベイ17cから電気が切断されなければならない。
【0018】
最後に、ケーシング13cをスペーサケーシング14aから分離する絶縁体15は、14aに取り付けられたままであり、GIS10上に残る。
【0019】
断路器ケーシング13cをGISから取り外すステップは、以下のように行なわれる。
ベイ17bと17c及び1組の母線11aを接地する。
回路遮断器ケーシング12b、断路器ケーシング13cと13e、及び中間ケーシング14cの絶縁性ガスを抜いて大気圧の空気と置き換える。
ケーシング14a及び14eの内圧を中間圧力まで下げて、周囲圧力に晒された支持絶縁体15の両側の圧力差を制限する。
ケーシング14aと13c間とケーシング14cと13e間の結合ユニット16を切り離した後、ケーシング13cと14cを物理的に抜き取る。
【0020】
したがって、GIS構造は、断路器が故障した場合に2つの隣り合ったベイを使用できない状態にすることを必要とする。
【0021】
したがって、ベイが使用できない状態にされるたびに、下流の電気の分配が中断される虞がある。
【0022】
さらに、ケーシングの絶縁性ガスを抜き取り外すのに時間を必要とする。
【0023】
最後に、SF
6は、強力な温室効果ガスであり、SF
6の処理を回避できると漏れのリスクが制限される。
【0024】
特許文献1は、ガス絶縁開閉装置のベイについて記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】米国特許第6,759,616号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
このベイは、回路遮断器と、タンク内の負荷側に第1の断路器と、別のタンク内の母線側に第2と第3の断路器とを有する。第1の絶縁ブッシングが、第1の断路器を負荷に接続し、第2と第3の絶縁ブッシングが、第2と第3の断路器をそれぞれの母線に接続する。気密絶縁体が、第1の絶縁ブッシング、負荷側の断路器、回路遮断器、及び母線側の断路器を連続的に分離する。同一タイプの他の絶縁体が、母線側の断路器を母線側のそれぞれの絶縁ブッシングに接続する。
【0027】
それにもかかわらず、特許文献1では、ガス絶縁母線が開示されていない。
【0028】
更に、前記特許文献1が解決することを主張する技術的問題に反して、開示されている開閉装置は、母線を切り離さないと保守操作を行うことができない。例えば、特許文献1の
図16では、母線に接続されたものを含む複数の金属導線が、同一のガス絶縁中央ケーシングに浸される。前記ケーシング内の圧力を低下させることによって、負荷断路器を閉じた後で、絶縁性ガスが提供されなくなり、それにより、母線から電気アークが生じる。
【0029】
本発明は、既存の装置に対して、使用されていない断路器の保守と修理を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明は、GIS型の電気設備のスペーサケーシング用の取り外し可能な安定器を提供し、取り外し可能な安定器は、前記スペーサケーシングが大気圧に置かれた後で前記導体が移動するのを阻止するために、前記スペーサケーシング内の導体に機械的に締結されるように構成される。
【0031】
そのような安定器は、導体をスペーサケーシングに固定することによって、電気設備を、特に安全かつ単純に操作することを可能にする。その場合、導体、スペーサケーシング及び安定器は、安定器が導体及びスペーサケーシングと一体になる安全保持位置を有する。
【0032】
有利な実施形態によれば、スペーサケーシングは、第1の開口と、ボアに嵌合された導体とを備える。取り外し可能な安定器は、第1の開口を介してスペーサケーシングに導入されるように構成されたプラグを備える。当該プラグは、導体のボアに貫入するように設計されている。
【0033】
追加の有利な実施形態では、取り外し可能な安定器は、第2の開口を介してスペーサケーシングに挿入され、プラグの端を収容するように構成されたソケットを備える。
【0034】
有利には、プラグとソケットは、第1の開口と第2の開口にそれぞれねじ留めされるように構成される。
【0035】
変形物では、プラグはソケットにねじ留めされるように構成される。
【0036】
別の有利な実施形態では、プラグの一端は、スペーサケーシングに含まれるハウジング内に配置されるように構成され、ハウジングは、ケーシングの第1の開口と反対側に位置する。
【0037】
有利には、プラグは、第1の開口にねじ留めされるように構成される。
【0038】
変形物では、プラグは、前記ハウジング内にねじ留めされるように構成される。
【0039】
プラグは、第1の開口を介して配置されてもよく、少なくとも第1の開口の直径と等しい直径のヘッドを有してもよい。
【0040】
プラグは、ボアの直径より小さいかそれと等しい直径の少なくとも1つの端部を有する本体を有し、従って導体のボア内に配置されうる。
【0041】
安定器がソケットを有するとき、ソケットは、第2の開口に通されてもよく、第2の開口の直径と少なくとも等しい直径のヘッドを有してもよい。
【0042】
ソケットは、プラグの端が収容されうるハウジングを有してもよい。
【0043】
プラグが、第1の開口にねじ留めされるように構成されるとき、プラグは、そのヘッド又はその本体がねじ切りされてもよい。そのようなねじ山は、スペーサケーシングの対応するねじ山と協力してもよく、そのケーシングは、例えば、第1の開口の周囲に提供される。
【0044】
ソケットは、そのヘッド又はその本体の外側がねじ切りされてもよい。そのようなねじ山は、例えば第2の開口の周囲にあるスペーサケーシングの対応するねじ山と協力してもよい。
【0045】
プラグが、ソケットにねじ留めされるように構成されるとき、ソケットのハウジングの内面は、プラグの端の対応するねじ山と協力するようにねじ切りされてもよい。
【0046】
プラグの端は、第1端と面するスペーサケーシングの壁に含まれるハウジングの直径以下の直径のものであってもよい。
【0047】
プラグが、スペーサケーシングに含まれるハウジングにねじ留めされるように構成されたとき、プラグは、その端部にねじ山を有し、スペーサケーシングは、ハウジングに対応するねじ山を有する。
【0048】
本発明では、また、少なくとも第1の導体と、前述のような少なくとも1つの取り外し可能な安定器と、前記取り外し可能な安定器のプラグを挿入するための少なくとも1つの第1の開口とを備えるスペーサケーシングが提供される。
【0049】
前記第1の導体は、前記取り外し可能な安定器を収容するためのボアを有してもよい。
【0050】
そのようなスペーサケーシングは、少なくとも第2の導体と、前記導体を互いに機械的に接続する接続部材とを備える。取り外し可能な安定器は、接続部材と協力して、前記スペーサケーシングが大気圧に置かれた後で全ての前記導体がスペーサケーシングに対して移動するのを阻止しうる。
【0051】
接続部材は、スペーサケーシングの外側の外部手段(例えば、フランジ)を有してもよい。
【0052】
変形物では、接続部材は、スペーサケーシングの壁の一部分を構成してもよく、前記ケーシングは、少なくとも1つの補助開口を有し、安定化ロッドは、スペーサケーシングが保持位置にあるときに、補助開口内と第2の導体のボア内とに収容される。
【0053】
接続部材は、さらに、スペーサケーシングの2つの導体に締結された(例えば、リベット留めされた)ストラップであってもよい。
【0054】
本発明はまた、GIS型の電気設備のベイからの断路器ケーシングを抜き取る方法を提供し、前記ベイは、電気設備を配電網に接続する回路遮断器ケーシングを提供し、ベイは、断路器ケーシングに隣接した第1のスペーサケーシングをさらに提供し、前記電気設備は、1組の母線を有し、1組の母線の各部分が各前記断路器ケーシングと前記スペーサケーシング内を通り、断路器ケーシング、回路遮断器ケーシング及びスペーサケーシングがそれぞれ、サービス圧力の絶縁性ガスで満たされたとき、圧力下で独立ユニットを構成し、前記方法は、
前記ベイと前記1組の母線を接地するステップと
回路遮断器ケーシング、前記断路器ケーシング及び前記第1のスペーサケーシング内のサービス圧力の絶縁性ガスを、大気圧の空気と置き換えるステップと、
第1のスペーサケーシング内に、前述のような取り外し可能な安定器を嵌合するステップと、
GISから断路器ケーシングを物理的に抜き取るステップと、を含む。
【0055】
第1の絶縁要素は、断路器ケーシングと回路遮断器ケーシングの間に配置されてもよく、第2の支持絶縁体要素は、断路器ケーシングと第1のスペーサケーシングの間に配置されてもよく、これらの支持絶縁体は、抜き取り後に断路器ケーシング上に保持される。
【0056】
電気設備は、前記断路器ケーシングに隣接した第2のスペーサケーシングをさらに含んでもよく、第2のケーシングの内圧を、サービス圧力より低い圧力レベルに低下させるステップを含み、当該低下させるステップが、断路器ケーシングの物理的取り出し前でかつ前記1組の母線の接地後に行われる。
【0057】
したがって、断路器ケーシングは、第3の支持絶縁体によって第2のスペーサケーシングから分離されてもよい。前記支持絶縁体は、断路器ケーシングをGISから物理的に抜き取った後で、第2のスペーサケーシングに取り付けられたままでもよい。
【0058】
例えば、第2のスペーサケーシングの内圧は、低下後に、0.1MPa〜0.5MPaの範囲、又は例えば約0.2MPaである。
【0059】
変形例では、低下後の第2のスペーサケーシングの内圧は、大気圧であり、支持絶縁体は、物理的抜き取り後に断路器ケーシングに取り付けられたままである。
【0060】
したがって、取り外し可能な安定器が、第2のスペーサケーシング上に取り付けられてもよい。
【0061】
さらに他の変形例では、第2のスペーサケーシングの内圧は、低下後に、大気圧と等しく、取り外し可能な安定器を第2のスペーサケーシングに装着するステップが行なわれる。
【0062】
本発明は、保守作業中に非活動化しなければならないベイの数を制限する利点を有する。有利な方法では、配電網の中断の数が制限されることで、最大サービス品質が保証される。
【0063】
本発明は、さらに、前述のような安定器及び/又はケーシングを含み、かつ/又は前述の抜き取り方法が実施されうるGISに関連する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】組の母線、回路遮断器ケーシング、断路器ケーシング、及びスペーサケーシングを有する既存のGISの斜視図であり、断路器ケーシングは、組の母線を回路遮断器ケーシングに接続し、スペーサケーシングは、断路器ケーシングを対で接続する。
【
図2】ケーシング内の相導体の配置を示すために部分的に切除されており、断路器ケーシングとその関連スペーサケーシングが抜き取られた
図1のGISを示す。
【
図3】組の母線、回路遮断器ケーシング、断路器ケーシング、及びスペーサケーシングを有する改良されたGISの斜視図であり、断路器ケーシングは、組の母線を回路遮断器ケーシングに接続し、スペーサケーシングが、断路器ケーシングを対で接続し、各スペーサケーシングは、2つの結合ユニットを含む。
【
図4】
図3の2つの断路器ケーシングと1つのスペーサケーシングの部分切除された斜視図であり、スペーサケーシングは、ストラップと取り外し可能な安定器を備える。
【
図5】
図4と同じ図であり、分解された後の安定器を示す。
【
図6】2つの支持絶縁体を有する取り外された断路器ケーシングを示す。
【
図7】第3の支持絶縁体を有する、
図6の断路器ケーシングと類似の取り外された断路器ケーシングを示す図である。
【
図8a】
図4の線VIIIの断面のスペーサケーシングの概略図である。
【
図8b】スペーサケーシングと安定器の変形物の
図8aと類似の図である。
【
図8c】スペーサケーシングと安定器の変形物の
図8aと類似の図である。
【
図9】スペーサケーシングの別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本発明の実施形態は、非限定的な例によって、また添付図面と関連して、以下に述べられる。
図1と
図2に見ることができるGIS10が、本出願の導入で述べられていることを想起されたい。
【0066】
図3は、GIS10と比較して改良されたGIS20を示す。
【0067】
GIS20には、2組の母線21aと21b、4つのベイ27a〜27dに対応する4つの回路遮断器ケーシング22a〜22d、8つの断路器ケーシング23a〜23h、及び6つのスペーサケーシング24a〜24fがある。
【0068】
GIS20に適応された取り外し可能な安定器29が提供される(
図4、
図5及び
図8aを参照)。安定器29は、プラグ29aとソケット29bを有する。安定器29は、2つのヘッド32も備える。安定器29の機能について以下に述べる。
【0069】
ケーシング22a〜22d、23a〜23h及び24a〜24fは、圧力下で絶縁性ガスが充填された金属タンクである。ケーシング23a〜23hとケーシング22a〜22d又は24a〜24fとの間の各接続部にある気密支持絶縁体25は、隣接ケーシング間のSF
6ガスの交換を防ぐ。各ケーシング22a〜22d、23a〜23h及び24a〜24fは、加圧下で独立ユニットを構成する。
【0070】
この例では、各組の母線21aと21bが、母線固有の3つの導体30a、30b及び30cを含む(
図4と
図5を参照)。これらの母線はそれぞれ、断路器ケーシングとスペーサケーシング内で、GIS20の幅全体にわたって延在する。この例では、母線は、実質的に水平に向けられる。各ケーシング23a〜23hと24a〜24fは、1組の母線のそれぞれの部分を覆い、母線に絶縁性ガスを提供する働きをする。
【0071】
母線の長さに沿って、1組の母線21aと21bは、導体30a〜30cをそれぞれ構成する導電性スリーブ41とロッド42の組み合わせを含む。3つのスリーブ41は、各支持絶縁体25に取り付けられ、各絶縁体25の一方の側から他方の側に電気接続を提供する。ロッド42は、スリーブ41に差し込まれ、2つの連続した支持絶縁体25の間の所定位置(例えば、
図4と
図5ではケーシング24cのどちらかの側)に保持される。
【0072】
各組の母線に関して、スペーサケーシング24a〜24fのうちの1つの中にある導体30bの各ロッド42は、ボア34を有する。
【0073】
各回路遮断器ケーシング22a〜22dは、対応するベイ27a〜27dを下流回路網から絶縁することを可能にする。
【0074】
断路器ケーシング23c〜23hは、結合ユニット16を有していない点が、導入部で述べたケーシング13c〜13hと異なる。同様に、組の母線の端にあるケーシング23aと23bには結合ユニット16がない。
【0075】
断路器ケーシング23aと23bの各々は、ケーシング22aと組の母線21aと21bのそれぞれとの間に接続部を形成する。他のケーシング22b〜22dの各々は、2つの断路器ケーシングに同じように接続される。
【0076】
断路器ケーシング23a〜23hは、組の母線21aと21bの一方又は他方から回路遮断器ケーシング22a〜22dの1つを電気的に絶縁することを可能にする。
【0077】
スペーサケーシング24a〜24fは、
図3に示されたように、断路器ケーシング23a〜23hを対で接続する。そのために、各ケーシング24a〜24fは、2つの結合ユニット26を含む。例えば、ケーシング23aは、隣接したケーシング23cにスペーサケーシング24aによって接続される。前記スペーサケーシングは、ケーシング23aとの接続を提供する結合ユニット26と、ケーシング23cとの接続を提供する別の結合ユニット26とを有する。
【0078】
各スペーサケーシング24a〜24fは、
図5に示されたような2つの反対側の開口33を有する。各開口33は、ボア34と位置合わせされる。使用中、これらの開口33は閉じられ、この例では、開口33は、圧力監視装置28(
図3に見ることができる)又は気密キャップ(図示せず)によって閉じられる。開口33は、また、電界測定装置、又は他のツール若しくは測定機器を挿入するために使用されてもよい。
【0079】
各スペーサケーシング24a〜24fは、永久取り付けストラップ31を有する。この例では、前記ストラップは、導体30a〜30cのそれぞれにリベット留めされた細長い絶縁材料である。
【0080】
結合ユニット26は、この場合スペーサケーシングによって保持されていること以外、結合ユニット16(例えば、複数のねじで構成された)と同じタイプのものである。
【0081】
各ベイ27a〜27dは、回路遮断器ケーシング、2つの断路器ケーシング(組の母線のうちの1つにそれぞれ対応する)、各断路器ケーシング用の隣接スペーサケーシング、及び最後にベイのケーシング内で絶縁された各組の母線の対応部分を含む。
【0082】
次に、断路器に対する措置を取るために、断路器ケーシング23cを抜き取る前に行われるステップについて述べる。
【0083】
結合ユニット26によって、ケーシング23cは、GIS20からそのまま引き抜かれてもよく、すなわち、ケーシング23cは、隣接したスペーサケーシング(この例では、ケーシング24aと24c)から完全に分離されてもよい。
【0084】
ケーシング23cを回路遮断器ケーシング22bとスペーサケーシング24cから分離する支持絶縁体25は、取り外した後でケーシング23cに取り付けられたままである。これと対照的に、ケーシング23cをスペーサケーシング24aから分離する絶縁体25は、24aに取り付けられたままである。
図6は、前述のように取り外された後のケーシング23cを示し、両方の絶縁体25は取り付けられたままである。この例では、絶縁体は、図示されていないねじによって、それぞれのケーシング上に保持される。
【0085】
GISからの断路器ケーシング23cの取り外しは、以下のように行なわれる。
ベイ27bと1組の母線21aを接地する。
回路遮断器ケーシング22b、断路器ケーシング23c及びスペーサケーシング24cの絶縁性ガスを抜いて大気圧の空気と置き換える。
周囲圧力に晒された支持絶縁体25の両側の圧力差を制限するために、ケーシング24aの内圧を中間圧力まで下げる。
後述し、
図4、
図5及び
図8aに示されるようにスペーサケーシング24c上に安定器29を嵌合し、それにより、スペーサケーシング24cが、安全に切り離され抜き取られうる保守位置に配置される。
ケーシング24aと24cのケーシング23cに隣接した結合ユニット26を外した後で、ケーシング23cを物理的に抜き取る。
【0086】
上記のステップで、スペーサケーシング24cは、大気圧の空気で満たされたが、隣接した断路器ケーシング23eは、サービス圧力のSF
6で満たされたままである。したがって、ケーシング24cと23eを分離する絶縁体25は、その面の一方でサービス圧力を受け、他方で大気圧を受ける。両側のこの大きい圧力差によって、ケーシング23cを抜き取ることによって生じる衝撃で、絶縁体25が破裂し、オペレータが負傷し、SF
6が大気中に放出される危険がある。
【0087】
この種の事故を防ぐために、ケーシング23cを抜き取る前に安定器29をスペーサケーシング24cに嵌め込む必要がある。これは、再設備として知られる。
【0088】
圧力監視装置28とキャップの開口33が開かれる。
【0089】
次に、ソケット29bが、開口33からボア34に挿入される。プラグ29aの端部230が、反対側の開口33を介して、ソケット29bを含むハウジング234に導入される。これにより、プラグ29aとソケット29bが、開口33(例えば、各開口内又はそのまわり)でのねじ留めによって締め付けられる。ヘッド32は、ねじ留めの支持面として使用されうる。留められたとき、ヘッド32は、スペーサケーシング24cの本体と接触する(
図4と
図8aを参照)。
【0090】
あるいは、プラグ29aは、対応する開口33のまわりにそれぞれねじ留めされるのではなく、ソケット29bにねじ留めされてもよい。より正確には、プラグ29aの端部230は、ねじ山230aを有してもよく、ソケット29bのハウジング234は、対応するねじ山234aを有してもよい。
【0091】
これにより、安定器29は、中心導体30bがスペーサケーシング24cに対して移動するのを阻止する。換言すると、スペーサケーシング24cが周囲圧力にあるとき、導体30bによって、安定器29は、ケーシング23eの内圧と反対の力で支持絶縁体25を支える。
【0092】
ストラップ31は、導体30a〜30cを機械的に保持する。
【0093】
安定器29とストラップ31は協力して、1組の導体が、ケーシング24cに対して移動するのを阻止することを可能にする。
【0094】
スペーサケーシング24a内で、圧力が、サービス圧力(0.7MPa)と大気圧(0.1MPa)の間の中間レベルに低下することで、支持絶縁体25が、全圧差に耐える必要がなくなることに留意されたい。
【0095】
23cを取り外すために安定器29のスペーサケーシング24c内への嵌め込みについて前述した。そのような安定器29を、対応する断路器ケーシングのスペーサケーシング24a、24b及び24d〜24fに嵌め込むステップは、同じように行なわれる。
【0096】
断路器ケーシング23d〜23fを取り外すステップは、23cのステップと同じように行なわれる。
【0097】
ケーシング23a及び23bに関して、エンドキャップ35は、23c〜23fのスペーサケーシング24a〜24dの代わりに、1組の母線の端に締結され、前記キャップ35は、最初に、対応する組の母線から電気的に絶縁され、次に気密にされサービス圧力に永久に耐えるように構成されることに留意されたい。
【0098】
各ケーシング23g及び23h上で、端部ケーシング36が、気密に締結される。支持絶縁体25は、各ケーシング23g及び23hをそれぞれのケーシング36から分離する。絶縁体25と反対側で、ケーシング36が、キャップ35と類似のキャップ37によって閉じられる。ケーシング36は、安定器29を使用せずに大気圧下に置かれてもよい。
【0099】
図7に示された変形物では、支持絶縁体25はすべて、抜き取られた断路器ケーシング43c(23cと類似)に取り付けられたままである。したがって、両方の隣接スペーサケーシング上の安定器29が使用されなければならない。
【0100】
変形物(図示せず)では、2つの結合ユニットの一方が、2つの隣接断路器ケーシングの一方の上に配置されるか、2つの結合ユニットが、スペーサケーシングに隣接したケーシング上に配置される。
【0101】
絶縁性ガスとしてSF
6の使用は限定ではない。例えば、変形物(図示せず)では、N
2とSF
6の混合物が使用される。
【0102】
変形物(図示せず)では、GISは単相交流を伝え、組の母線には2本の導体しかない。したがって、安定器は、導体の一方の上に同じように固定され、2本の導体を接続するストラップは、スペーサケーシング内に永久的に取り付けられる。
【0103】
図8bに示された変形物では、スペーサケーシング124cは、安定器129を備える。
【0104】
スペーサケーシング124cは、開口133と、開口133と反対側に配置されるか、取り付けられるか、又はその壁の内側面に形成されたハウジング134を備える。
【0105】
安定器129は、プラグ129aとヘッド132を有する。安定器129は、取り外し可能なソケットを有していない点で前述の安定器29と異なる。
【0106】
安定器129をスペーサケーシング124cに取り付けるために、開口133が開かれ、プラグ129aが、その端130をボア34内で係合させ次にハウジング134内で係合させることによって開口133に挿入される。したがって、プラグ129aは、開口133(例えば、開口内又はそのまわり)のねじ留めによって固定される。あるいは、プラグ129aの端部130は、開口133のまわりではなく、ハウジング134にねじ留めされてもよい。したがって、端部130は、ねじ山130aを有し、ハウジング134は、対応するねじ山134aを有する。
【0107】
図8cに示された変形物では、スペーサケーシング224cは、この例では、プラグだけを含む安定器229を備える。ケーシング224cは、ペグを備え、プラグ229は、その端部に、プラグ229がケーシング224cに取り付けられたときにペグを収容するハウジングを備える。例えば、プラグ229を開口33の周囲又はペグ229上にねじ留めするなど、設けられた適切なねじ山による種々の締結構造が可能である。
【0108】
別の実施形態(
図9)では、スペーサケーシング324cが使用される。ケーシング24c及び124cとの違いは、後述される。類似の要素は、同じ参照数字が与えられる。この例では、スペーサケーシング324cは、安定器29が所定位置にある保守位置で示される。
【0109】
この例では、ケーシング324c内に配置された導体30a〜cの各母線42が、それ自身のボア34を有する。
【0110】
ケーシング324cは、開口33の上と下に、安定器29を挿入するための補助開口333を有する。この例では、4つの開口333が提供され、上側導体30aと下側導体30cそれぞれの各側に、それぞれのボア34に面する開口333がある。
【0111】
この例では、2つの安定化ロッド329が、それぞれの開口333内と、導体30a及び30cの一方の対応ボア34内に収容される。
【0112】
キャップ335が、ロッド329を挿入するために開口333の反対側の開口333を塞ぎ、各安定化ロッド329の端部が、ケーシング324c内でキャップ335に入れられる。
【0113】
変形物では、ケーシング324cは、2つの開口333だけを有し、各安定化ロッド329の端部が、ケーシング324cの壁の内側面に提供された対応するハウジングに挿入される。
【0114】
この例では、フランジ334は、ケーシング324cの外側に配置され、例えば、ケーシングに当てられるかケーシング上に配置される。ロッド329は、例えばねじ留め又は何らかの他の手段によって、フランジ334に固定される。ロッド329をケーシング324cの外側に固定するステップは、ねじ山を使用する結果、切屑が前記ケーシング内に落ちるのを防ぐ利点を有する。
【0115】
この実施形態では、ロッド329とフランジ334は、ストラップ31と有利に置き換わる。
【0116】
3つの導体を一緒にかつ/又はケーシング324cに留めるためのフランジ334又は他の締結具部材は、ケーシング324c上又はケーシング324cに対して永久的に提供されてもよい。ケーシング324cの壁の一部分は、3つの導体を一緒に留めるための機械接続部材又は締結具部材を構成しうる。ロッド329自体は、開口333の周囲に、ケーシング324cに対してねじ留めされてもよく、ケーシング324c自体は、安定器29とロッド329によって、3つの導体30a〜c間で機械接続を提供する。変形物では、フランジ334は、保守作業の間だけ所定の位置にある取り外し可能な部分である。抜き取りされる断路器ケーシングに隣接した第2のスペーサケーシングは、前述のケーシング324cの構造と類似でもよい。ここで、ロッド329が使用されてもよい。
【符号の説明】
【0117】
20:GIS型電気設備
24a〜24f:スペーサケーシング
29:安定器
29a:プラグ
30b:導体
33:開口
34:ボア