(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記導出部は、前記誘導する情報が送信された後に、前記通信部により前記端末装置から受信した、前記端末装置において行われた操作に関する情報である操作情報に基づいてユーザが混雑を回避しているか否かを判定し、ユーザが混雑を回避していると判定した場合に、ユーザが混雑を回避していないと判定した場合に比して前記感応度が高くなる傾向で、前記感応度を導出する、
請求項3または4に記載の情報提供装置。
前記導出部は、前記誘導する情報が送信された後に、前記通信部により前記端末装置から受信した、前記端末装置の位置情報に基づいてユーザが混雑を回避しているか否かを判定し、ユーザが混雑を回避していると判定した場合に、ユーザが混雑を回避していないと判定した場合に比して前記感応度が高くなる傾向で、前記感応度を導出する、
請求項3または4に記載の情報提供装置。
前記導出部は、前記通信部により第1の混雑情報が前記端末装置に送信された後に、前記通信部により前記第1の混雑情報よりも詳細な混雑状況を示す第2の混雑情報の要求が前記端末装置から受信された場合、前記第2の混雑情報の要求が受信されなかった場合に比して、前記感応度が高くなる傾向で、前記感応度を導出する、
請求項1から7のうち何れか1項に記載の情報提供装置。
前記情報提供制御部は、前記提供情報として現在の情報を前記通信部に送信させる場合に、前記現在の情報に関連する現在の混雑状況を表す混雑情報を前記通信部に送信させる、
請求項1から9のうち何れか1項に記載の情報提供装置。
前記情報提供制御部は、前記提供情報として将来の情報を前記通信部に送信させる場合に、前記将来の情報に関連する将来の混雑状況を予測した混雑情報を前記通信部に送信させる、
請求項1から9のうち何れか1項に記載の情報提供装置。
前記情報提供制御部は、前記混雑状況が異なる複数の提供情報と、前記感応度を前記端末装置に対して送信することで、前記感応度に基づいて、前記混雑状況が異なる複数の提供情報間で表示を切り替えさせる、
請求項1から11のうちいずれか1項に記載の情報提供装置。
端末装置においてユーザに提供される提供情報であって、混雑状況を表す混雑情報を含む場合がある提供情報を生成し、前記端末装置に対して送信することで、前記端末装置に、前記提供情報を前記ユーザに提供させ、
前記混雑情報を提示した後に前記端末装置から、前記混雑情報に対する反応として受信した情報に基づいて、前記ユーザの前記混雑情報に対する感応度を導出し、
前記感応度を導出する際に、前記端末装置から受信した前記端末装置の位置情報に基づいて前記混雑情報に対する感応度を更新する場合、前記端末装置から受信した操作情報に基づいて前記混雑情報に対する感応度を更新する場合に比して、前記混雑情報に対する感応度を更新する程度を大きくし、
前記導出した感応度に基づいて生成した提供情報を前記端末装置に対して送信することで、前記端末装置に、前記感応度を反映した前記提供情報を前記ユーザに提供させる、
端末装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した情報提供装置、情報提供方法、プログラム、および端末装置の制御方法を、図面を参照して説明する。
【0010】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態について説明する。第1実施形態の情報提供システム1は、ユーザが保持する端末装置に混雑情報を含む提供情報を表示させ、その結果として端末装置から送信された情報に基づいて、混雑に対するユーザの感応度を導出する。そして、第1実施形態の情報提供システム1は、導出したユーザの感応度に基づいて、ユーザに提供する情報を制御することで、より効果的に情報を提供する。
【0011】
図1は、第1実施形態の情報提供システム1の一例を示す図である。情報提供システム1は、例えば、情報提供装置100と、複数の端末装置200−1〜200−n(nは2以上の自然数)とを含む。情報提供システム1では、情報提供装置100と複数の端末装置200−1〜200−nとがネットワークNWを介して情報を通信する。ネットワークNWは、例えば、無線基地局、Wi−Fiアクセスポイント、通信回線、プロバイダ、インターネットなどを含む。なお、以下の説明において、端末装置を他の端末装置と区別しない場合には「端末装置200」と記載する。
【0012】
図2は、第1実施形態の情報提供システム1の一例を示すブロック図である。情報提供装置100は、例えば、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを含む。
【0013】
通信部110は、例えばNIC(Network Interface Card)を含む。通信部110は、ネットワークNWを介してユーザの使用する端末装置200との間で通信を行う。
【0014】
制御部120は、感応度導出部122と、情報提供制御部124とを含んでよいが、これに限定されない。感応度導出部122および情報提供制御部124を含む機能部は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、感応度導出部122および情報提供制御部124を含む機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアにより実現されてもよい。
【0015】
感応度導出部122は、混雑情報を含む提供情報が送信された後に、通信部110により端末装置200から受信した情報に基づいて、混雑情報に対する感応度をユーザごとに導出する。通信部110により端末装置200から受信した情報には、操作情報または位置情報が含まれる場合がある。操作情報は、端末装置200において行われた操作に関する情報である。位置情報は、ユーザが保持する端末装置200の位置を表す情報である。感応度導出部122は、操作情報または位置情報に基づいて、感応度を導出する。感応度導出部122は、導出した感応度を記憶部130に記憶させる。
【0016】
情報提供制御部124は、感応度導出部122により導出され、記憶部130に記憶された感応度に基づいて、提供情報を通信部110に送信させる。提供情報は、端末装置200により処理されることで端末装置200においてユーザに提供される。提供情報には、混雑状況を表す混雑情報が含まれる場合がある。
【0017】
記憶部130は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)などにより実現される。記憶部130には、ファームウェアやアプリケーションプログラムなどの各種プログラム、各種機能部による処理結果、通信部110が端末装置200から取得した情報などが記憶される。
【0018】
記憶部130は、例えば、プロフィール情報132と、混雑度テーブル(混雑度T)134とを記憶する。
【0019】
プロフィール情報132は、各ユーザに対応付けられた情報の集まりであり、ユーザごとに記憶部130に記憶される。
図3は、プロフィール情報132の一例を示す図である。プロフィール情報132は、例えば、ユーザの識別情報の一例であるログインID(Identifier)、パスワード、ユーザ詳細情報、履歴情報、および感応度を含む。なお、プロフィール情報132の内容はこれに限定されない。ログインIDおよびパスワードは、ユーザが任意に決定可能な情報である。ユーザ詳細情報は、例えば、端末装置200のメールアドレスなどである。履歴情報は、端末装置200により送信された操作情報、位置情報、閲覧された提供情報などの履歴である。感応度は、混雑情報に対してユーザが反応した度合いを示す情報である。感応度は、混雑情報に対してユーザが反応するほど高い値(または高い値であることを示す符号)となり、混雑情報に対してユーザが反応しないほど低い値(または低い値であることを示す符号)となる傾向を有する。感応度は、例えば0〜100の数値で導出され、0〜30は「低」、31〜70は「中」、71〜100は「高」というようにランキング化されてもよいし、連続値で表されてもよい。
【0020】
混雑度テーブル134は、例えば任意の位置または交通機関などの混雑状況を表す情報である。
図4は、混雑度テーブル134の一例を示す図である。混雑度テーブル134は、端末装置200に送信される混雑情報の元情報である。混雑度テーブル134は、例えば、位置情報と、混雑度とを含む。位置情報は、例えば、任意の地点の位置、施設の位置、または交通手段の位置を含む。それぞれの位置は、緯度および経度で示され、更に高度が付加されてもよい。施設とは、例えば、飲食施設、娯楽施設または公共施設であり、施設の位置には建物名や階数、施設の内容などの情報が付加されてもよい。交通手段の位置は、電車やバスなどの絶対的な位置だけでなく、列車における何号車といった相対的な位置を含んでよい。交通手段は、例えば、「新幹線」という列車種別や「のぞみ○○○号」といった列車名によって特定される。
【0021】
混雑度は、位置情報により特定される位置ごとの混雑の度合いを表す情報である。混雑度は、位置情報により特定される位置が混雑しているほど高くなり、位置情報により特定される位置が混雑していないほど低くなることを表す数値または符号である。混雑度は、例えば「高」、「中」、「低」の3段階で表されてよいが、これに限定されない。混雑度は、混雑の有無または高低(2段階)で表されてもよく、3段階よりも多い段階的または連続的な、数値または符号などで表されてもよい。
【0022】
混雑度テーブル134は、情報提供装置100とは異なる外部装置(不図示)により生成された情報に基づくものであってもよいし、情報提供装置100が生成した情報であってもよい。前者の場合、混雑度テーブル134の元になる情報は、例えば、周期的にネットワークNWを介して外部装置から情報提供装置100に送信される。制御部120は、新たな情報を受信した場合、混雑度テーブル134を新たな情報で更新する。
【0023】
端末装置200は、
図2に示すように、例えば、通信部210と、位置検出部220と、操作部230と、表示部240と、制御部250とを含む。
【0024】
通信部210は、例えば、無線通信用の通信インターフェースである。通信部210は、ネットワークNWを介して情報提供装置100との間で通信を行う。
【0025】
位置検出部220は、例えば、衛星から到来する電波に基づいて位置を算出するGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を含む。また、位置検出部220は、通信部210が接続を確立している無線基地局またはWi−Fiアクセスポイントの位置情報と電波強度とに基づいて、現在位置を算出してもよい。また、位置検出部220は、加速度センサなどの出力に基づいて位置を補正してもよい。位置検出部220は、取得した位置情報を制御部250に出力する。
【0026】
操作部230は、タッチパネルなどの操作デバイスである。操作部230は、ユーザの操作を受け付けて、操作内容を示す情報(例えば、タッチ位置の座標)を制御部250に出力する。
【0027】
表示部240は、液晶パネル、有機EL(Electroluminescence)パネルなどの表示装置である。表示部240は、制御部250により送信された表示データに従って、情報を画像として表示する。これにより、表示部240は、ユーザに情報を提供する。
【0028】
制御部250は、例えばCPUなどのプロセッサがプログラムメモリに格納された情報提示用プログラムを実行することにより実現される。また、制御部250は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよい。制御部250は、操作部230により受け付けた操作に基づく操作情報、および/または端末装置200の位置情報を、通信部210を制御して情報提供装置100に送信させる。また、制御部250は、情報提供装置100により送信された提供情報を通信部210が受信した場合、例えば表示部240を制御して提供情報をユーザに表示させる。制御部250を実現するプログラムは、ブラウザなどのUA(User Agent)、或いはアプリケーションプログラムである。ブラウザによって制御部250が実現される場合、端末装置200は、情報提供装置100にHTTPリクエストを送信することで、ウェブページの形式で提供情報を取得し、ユーザに提示する。なお、提供情報をユーザに提示することには、音声を出力することが含まれてもよい。
【0029】
以下、第1実施形態の情報提供システム1において、混雑情報に対する感応度に基づいて提供情報を生成する処理について説明する。
【0030】
図5は、第1実施形態における情報提供装置100と複数の端末装置200との間で送受信される情報の流れの一例を示すシーケンス図である。
図5は、二つの端末装置200Aおよび200Bに対して、並行して提供情報が送信される例を示しているが、この送受信の態様はあくまで一例であり、複数の端末装置200への提供情報の送信は同期して行われる必要はない。端末装置200Aは、既にユーザの感応度が低いと判定されている端末装置であり、端末装置200Bは、既にユーザの感応度が高いと判定されている端末装置である。
【0031】
まず、情報提供装置100から端末装置200Aと端末装置200Bのそれぞれに混雑情報が送信される(S100A、S100B)。これに応じて、端末装置200Aと端末装置200Bのそれぞれから情報提供装置100に情報が送信される(S102A、S102B)。端末装置200Aまたは端末装置200Bにより送信される情報は、複数回に分けて送信される場合もある。その後、端末装置200Aと端末装置200Bのそれぞれから情報提供装置100にリクエストが送信されると(S104A、S104B)、情報提供装置100から、混雑情報に対する感応度に応じた提供情報が送信される(S106A、S106B)。このとき、情報提供装置100は、感応度が低いユーザに対する提供情報を生成し、生成した提供情報を端末装置200Aに送信する。また、情報提供装置100は、感応度が高いユーザに対する提供情報を生成し、生成した提供情報を端末装置200Bに送信する。
【0032】
図6は、第1実施形態において、端末装置200の表示部240により表示される表示画像の一例を示す図である。情報提供装置100は、例えば、提供情報に現在位置と目的地とを結ぶ経路情報が含まれる場合、経路情報に混雑情報を付加して端末装置200に送信する。例えば、情報提供装置100は、ユーザが目的地までの経路を探索するリクエストを端末装置200に入力した場合において、経路Aと経路Bの二つの経路が存在する場合、それぞれの経路の混雑度を導出し、混雑度を経路に対応付けて表示する画像のデータを端末装置200に送信する。この場合、情報提供装置100は、それぞれの経路の途中に存在する複数の地点に対応した混雑度の平均値を、それぞれの経路の混雑度として算出してよい。
【0033】
図6は、経路Aの混雑度が「高」であり、経路Bの混雑度が「中」であるとして算出された場合の端末装置200における表示画像を例示している。この表示画像を表示するための情報は、混雑度が高い経路Aと混雑度が経路Aに比して低い経路Bとを比較可能に表示するための情報であり、混雑度の高い位置から低い位置への回避を誘導する情報の一例である。なお、情報提供装置100は、「経路Aが混雑していますので経路Bを勧めます」といった、直接的に混雑度の高い位置から低い位置に誘導する文字データを含む画像データを端末装置200に送信することで、端末装置200に文字を含む画像を表示させてもよい。また、情報提供装置100は、文字に代えて音声を出力するための情報を端末装置200に送信してもよい。
【0034】
情報提供装置100の感応度導出部122は、端末装置200から受信した情報のうち、操作情報と位置情報とのうち一方または双方に基づいて、ユーザが混雑を回避しているか否かを判定する。例えば、感応度導出部122は、混雑度の低い位置への案内を要求する操作に基づく操作情報を端末装置200から受信した場合に、当該端末装置200を保持するユーザが混雑を回避していると判定する。また、感応度導出部122は、端末装置200から受信した位置情報の推移が、混雑度の低い位置に移動していることを示す場合に、当該端末装置200を保持するユーザが混雑を回避していると判定する。感応度導出部122は、ユーザが混雑を回避していると判定した場合に、ユーザが混雑を回避していないと判定した場合に比して感応度が高くなる傾向で、感応度を導出する。
【0035】
図7は、感応度が低いユーザが保有する端末装置200Aに表示させる表示画像の一例を示す図である。また、
図8は、感応度が高いユーザが保有する端末装置200Bに表示させる表示画像の一例を示す図である。情報提供装置100は、ユーザの感応度が低い場合、
図7に示すように、経路Bよりも移動時間および移動距離が短く、且つ混雑度が「高」の経路Aを示す画像IM−1を、混雑度が「中」の経路Bを示す画像IM−2よりも上位に表示させる画像データを生成する。一方、情報提供装置100は、ユーザの感応度が高い場合、
図8に示すように、経路Aよりも移動時間および移動距離が長く、且つ混雑度が「中」の経路Bを示す画像IM−2を、混雑度が「高」の経路Aを示す画像IM−1よりも上位に表示させる画像データを生成する。なお、情報提供装置100は、感応度の高いユーザに対して混雑度が「中」または「低」の経路を示す画像だけを表示するようにし、感応度の低いユーザに対して混雑度が「高」の経路を示す画像だけを表示するようにしてもよい。
【0036】
情報提供装置100は、感応度に基づいて提供情報を生成することに加えて、感応度の低いユーザに対して混雑度などの混雑情報の送信を抑制してもよい。情報提供装置100は、例えば
図6に示したように経路情報を送信する場合、経路情報に混雑情報を付加せずに端末装置200に送信する。また、情報提供装置100は、
図7に示すように経路Aおよび経路Bの画像データを生成する場合、経路ごとの混雑度を削除した画像データを生成してもよい。さらに、情報提供装置100は、混雑情報の送信を抑制する処理として、混雑情報を含む提供情報を端末装置200に送信する頻度を低下させてもよい。
【0037】
図9は、第1実施形態における情報提供装置100の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、情報提供装置100は、端末装置200から受信したログインIDおよびパスワードに基づいて、ユーザのログインが許可されているものとして説明する。
【0038】
まず、情報提供装置100は、混雑情報を端末装置200に送信する(S200)。ここで、情報提供装置100は、混雑情報を単体で提供情報として送信してもよいし、混雑情報以外の情報を含む提供情報の一部として混雑情報を送信してもよい。端末装置200は、混雑情報を受信したことに応じて、混雑情報に基づく画像を表示部240に表示させる。
【0039】
情報提供装置100は、混雑情報を送信した後に端末装置200から受信した情報に基づいて、ユーザが混雑を回避しているか否かを判定する(S202)。
【0040】
情報提供装置100は、ユーザが混雑を回避していると判定した場合に、感応度を高く変更する(S204)。一方、情報提供装置100は、ユーザが混雑を回避していないと判定した場合、感応度を低く変更する(S206)。
【0041】
なお、情報提供装置100は、1回の判定結果ごとに感応度を変更するのではなく、複数回の判定結果に基づいて感応度を導出してもよい。情報提供装置100は、例えば、n回の判定のうち、混雑を回避していると判定した回数がk回以上である場合に、感応度を高く変更し、k回未満である場合に感応度を低く変更してもよい。nおよびkは任意の自然数であり、n≧kである。また、移動平均などの手法を用いて統計的にユーザが混雑を回避している傾向にあるか否かを判定してもよい。
【0042】
なお、情報提供装置100は、端末装置200から受信した位置情報に基づいてユーザが混雑を回避したか否かを判定した場合と、端末装置200から受信した操作情報に基づいてユーザが混雑を回避したか否かを判定した場合とで、感応度の更新量に差を設けてもよい。例えば、情報提供装置100は、位置情報に基づいて実際にユーザが混雑を回避している(または回避していない)場合の感応度の更新量を、操作情報に基づいて実際にユーザが混雑を回避している(または回避していない)場合の感応度の更新量よりも大きくしてもよい。位置情報の変化の方が、操作情報よりも、ユーザが混雑を回避したことを直接的に示す情報と考えられるからである。
【0043】
次に、情報提供装置100は、提供情報の送信を要求するリクエストを端末装置200から受信するまで待機する(S208)。情報提供装置100は、端末装置200からリクエストを受信すると、端末装置200に対応する感応度に基づいて提供情報を生成する(S210)。次に、情報提供装置100は、生成した提供情報を端末装置200に送信する(S212)。情報提供装置100は、導出した感応度に基づいて生成した提供情報を端末装置200に対して送信することで、端末装置200に、感応度を反映した提供情報をユーザに提供させる。
【0044】
なお、
図9では、S200〜S212の処理が1つのルーチンとして実行されるかのように表現したが、S200〜S206の処理と、S208〜S212の処理とは別ルーチンとして独立して実行されてもよい。
【0045】
なお、情報提供装置100は、リクエストに応じた提供情報を感応度に基づいて生成するものとしたが、これに限定されない。情報提供装置100は、感応度に基づいて広告情報を端末装置200に送信してもよい。広告情報は、直接的にリクエストされた情報(ウェブサイト)に付加される形で、或いはプッシュ広告として端末装置200に送信される。例えば、情報提供装置100は、感応度が高い場合にはタクシー会社に関連する広告情報を端末装置200に送信し、感応度が低い場合には、バス会社に関連する広告情報を端末装置200に送信してよい。
【0046】
以上説明した第1実施形態の情報提供装置100によれば、混雑情報を含む提供情報が送信された後に、端末装置200から受信した情報に基づいて導出した感応度に基づいて提供情報を生成するため、ユーザの混雑に対する感じ方に応じて、より効果的な情報提供を行うことができる。
【0047】
また、第1実施形態の情報提供装置100によれば、ユーザごとに感応度を導出し、ユーザごとの感応度に基づいてユーザごとに提供情報を生成するため、ユーザの混雑情報に対する反応に個人差があっても、ユーザに合わせて情報を提供することができる。この結果、第1実施形態の情報提供装置100によれば、更に効果的な情報提供を行うことができる。
【0048】
また、第1実施形態の情報提供装置100は、混雑度の高い位置から混雑度の低い位置への回避を誘導する情報を混雑情報としてユーザに提供し、誘導する情報が送信された後に、端末装置200から受信した情報に基づいて感応度を導出するため、感応度を更に精度よく導出することができる。
【0049】
また、第1実施形態の情報提供装置100によれば、感応度が低いユーザについては混雑情報を含む提供情報の送信を抑制することで、混雑に関する情報が不要なユーザに与える煩わしさを低減することができる。さらに、情報提供装置100によれば、混雑に関する情報の送信を抑制することにより、情報の送信量を抑制することができる。
【0050】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同じ部分については同一符号を付する。第2実施形態の情報提供装置100は、端末装置200に対して行われた、詳細な混雑情報を要求する操作に基づいて、感応度を導出する。詳細な混雑情報を要求する操作が行われたということは、ユーザが混雑に関心を示したことを意味している。したがって、第2実施形態の情報提供装置100は、詳細な混雑情報を要求する操作に基づく情報を受信したことに基づいて、ユーザに対応した感応度を高く変更する。
【0051】
図10は、第2実施形態における混雑度テーブル134Aの一例を示す図である。第2実施形態の情報提供装置100は、
図10に示すように、位置情報および混雑度に詳細情報を対応づけた混雑度テーブル134Aを記憶部130に記憶する。なお、混雑度テーブル134Aの内容は、これに限らない。詳細情報は、混雑度よりも詳細な混雑状況を表す情報である。詳細情報は、例えば、混雑状況を表す文字画像を表示するためのデータであるが、これに限定されず、ユーザに混雑の詳細な状況を提示するための任意の情報であってよい。例えば、詳細情報は、外部装置から混雑の状況を取得させるための情報であってもよい。この場合、詳細情報は、例えば、詳細な混雑状況を提供している交通手段などのURL(Uniform Resource Locator)などである。
【0052】
第2実施形態の情報提供装置100は、まず、端末装置200に対して第1の混雑情報を送信する。第1の混雑情報は、混雑度に基づいて生成される。そして、情報提供装置100は、第1の混雑情報が端末装置200に送信された後に、第1の混雑情報よりも詳細な混雑状況を示す第2の混雑情報の要求が端末装置200から受信された場合、第2の混雑情報の要求が受信されなかった場合に比して、感応度が高くなる傾向で、感応度を導出する。第2の混雑情報は、詳細情報に基づいて生成される。
【0053】
図11は、第2実施形態において、情報提供装置100における処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、情報提供装置100は、第1の混雑情報を含む提供情報を、端末装置200に送信する(S300)。
【0054】
図12は、第2実施形態において端末装置200に表示させる表示画像を示す図である。
図12(a)は第1の混雑情報に基づく表示画像の一例であり、
図12(b)は第2の混雑情報に基づく表示画像の一例である。第1の混雑情報は、
図12(a)に示すように、例えば、経路ごとに「高」、「中」といった混雑度が表示され、その一部に、詳細情報の要求を受け付けるためのアイコン画像ICを含めた画像を表示させるための画像データである。
【0055】
次に、情報提供装置100は、端末装置200から詳細情報の要求を受信したか否かを判定する(S302)。端末装置200は、
図12(a)に示したアイコン画像ICに対応した位置に対してタップ操作されたことを検出した場合に、詳細情報の要求を情報提供装置100に送信する。
【0056】
情報提供装置100は、端末装置200から詳細情報の要求を受信したと判定した場合、当該端末装置200のユーザの感応度を高く変更する(S304)。次に、情報提供装置100は、第2の混雑情報を端末装置200に送信する(S306)。このとき、情報提供装置100は、既に第1の混雑情報として送信した情報の元になった混雑度に対応する詳細情報を混雑度テーブル134Aから抽出し、抽出した詳細情報に基づいて画像データを生成して端末装置200に送信する。端末装置200は、
図12(b)に示すように、例えば、「目的地までの経路に工事中の位置あり」といった詳細情報に基づく文字画像IM−3を含む画像を表示する。
【0057】
情報提供装置100は、詳細情報の要求を受信していないと判定した場合、詳細情報の要求以外の要求を受信したか否かを判定する(S308)。情報提供装置100は、詳細情報の要求以外の要求を受信していない場合、S302に処理を戻す。一方、情報提供装置100は、詳細情報の要求以外の要求を受信したと判定した場合、感応度を低く変更する(S310)。
【0058】
なお、S308において、情報提供装置100は、詳細情報の要求以外の要求を受信したか否かを判定するのに代えて(または、加えて)、S300において第1の混雑情報を送信した時からの経過時間が所定時間を経過したか否かを判定してもよい。情報提供装置100は、第1の混雑情報を送信した時からの経過時間が所定時間を経過していない場合にはS302に処理を戻す。一方、情報提供装置100は、第1の混雑情報を送信した時からの経過時間が所定時間を経過した場合に、S310に処理を進める。このように、情報提供装置100は、詳細情報の要求にタイムアウトを設けてもよい。
【0059】
次に、情報提供装置100は、提供情報の送信を要求するリクエストを端末装置200から受信するまで待機する(S312)。情報提供装置100は、端末装置200からリクエストを受信すると、ユーザに対応する感応度に基づいて提供情報を生成する(S314)。次に、情報提供装置100は、生成した提供情報を端末装置200に送信する(S316)。
【0060】
以上説明したように、第2実施形態の情報提供装置100は、第1の混雑情報よりも詳細な混雑状況を示す第2の混雑情報の要求を取得した場合に、感応度が高くなる傾向で感応度を導出するため、感応度を精度よく導出することができる。
【0061】
なお、第2実施形態の情報提供装置100は、第1実施形態の情報提供装置100と同様に操作情報または位置情報に基づいて感応度を導出することを、並行して行ってもよい。
【0062】
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態の説明において、上述した実施形態と同じ部分については同一符号を付する。第3実施形態の情報提供装置100Aは、ユーザの置かれる可能性がある複数の状況ごとに、それぞれ感応度を導出する。そして、通信部210により端末装置200から受信される情報に基づいて、ユーザの状況が複数の状況のいずれに該当するかを判定し、該当する状況に対応する感応度に基づいて、提供情報を生成する。
【0063】
図13は、第3実施形態の情報提供装置100Aの一例を示す図である。情報提供装置100Aは、記憶部130に、ユーザ状況毎感応度情報133をユーザごとに記憶する。第3実施形態の情報提供装置100Aは、端末装置200から情報を受信した場合に、現在のユーザの置かれている状況を判定する。
【0064】
図14は、第3実施形態におけるユーザの置かれる可能性がある複数の状況の一例を示す図である。ユーザの置かれる可能性がある複数の状況は、例えば、複数の利用条件の基準軸の組み合わせで表現される。利用条件の基準軸は、例えば、曜日、利用場所、利用場面などに設定される。曜日は、例えば、日曜日から土曜日、または祝祭日に区別される。利用場所は、例えば、交通機関、飲食施設、娯楽施設、公共施設に区別される。利用場面は、例えば、業務、またはプライベートに区別される。なお、利用条件の基準軸は、上記に限らず、如何なるものが設定されてもよい。例えば、利用条件の基準軸は、連休期間とそれ以外、或いは業務時間と休暇時間などに設定されてもよい。業務時間と休暇時間は、例えば時間帯によって判別される。
【0065】
図15は、ユーザ状況毎感応度情報133の一例を示す図である。ユーザ状況毎感応度情報133における「ユーザ状況」は、
図14を参照して説明した各基準軸、または、それらの組み合わせである。記憶部130は、ユーザごとに、ユーザ状況毎感応度情報133を記憶する。なお、本実施形態において、プロフィール情報132から感応度の項目が省略されてもよい。
【0066】
情報提供装置100Aの感応度導出部122は、端末装置200から受信した情報などに基づいてユーザの状況を判定し、ユーザの状況が判定されている状態において、ユーザの状況ごとの感応度を導出する。各状況における感応度の導出処理は、第1実施形態または第2実施形態で説明した処理を援用することができる。そして、情報提供装置100Aの情報提供制御部124は、端末装置200に送信する提供情報を生成する場合に、端末装置200から受信される情報などに基づいてユーザの状況を判定し、判定した現在のユーザの状況に該当する感応度に基づいて、提供情報を生成する。
【0067】
図16は、第3実施形態における情報提供装置100Aの処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、情報提供装置100Aは、ユーザの状況を判定する(S400)。このとき、情報提供装置100Aは、端末装置200から受信される情報、その他の情報に基づいて、利用場所、または利用場面を判定する。情報提供装置100Aは、内部で保持する時計機能などによって曜日などを判定する。また、情報提供装置100Aは、端末装置200により送信された位置情報に基づいて、利用場所を判定する。さらに、情報提供装置100Aは、既に記憶された履歴情報、判定された曜日、判定された利用場所、またはこれらの組み合わせに基づいて、利用場面を判定してもよい。
【0068】
次に、情報提供装置100Aは、混雑情報を端末装置200に送信する(S402)。次に、情報提供装置100Aは、S402において混雑情報を受信した端末装置200を保持するユーザが、混雑を回避しているか否かを判定する(S404)。
【0069】
情報提供装置100Aは、端末装置200を保持するユーザが混雑を回避していると判定した場合、S400において判定されたユーザの状況に対応する利用条件に応じた感応度を高く変更する(S406)。一方、情報提供装置100Aは、端末装置200を保持するユーザが混雑を回避していないと判定した場合、S400において判定されたユーザの状況に対応する利用条件に応じた感応度を低く変更する(S406)。
【0070】
次に、情報提供装置100Aは、提供情報の送信を要求するリクエストを端末装置200から受信するまで待機する(S410)。情報提供装置100Aは、端末装置200からリクエストを受信すると、現在のユーザの利用条件を判定する(S412)。このとき、情報提供装置100Aは、S400と同様の処理を行う。次に、情報提供装置100Aは、判定した現在のユーザの利用条件に該当するユーザの状況に対応する感応度に基づいて提供情報を生成する(S414)。次に、情報提供装置100Aは、生成した提供情報を端末装置200に送信する(S416)。
【0071】
なお、
図16では、S400〜S416の処理が1つのルーチンとして実行されるかのように表現したが、S400〜S408の処理と、S410〜S416の処理とは別ルーチンとして独立して実行されてもよい。
【0072】
以上説明した第3実施形態の情報提供装置100Aによれば、ユーザの置かれる可能性がある複数の状況ごとにそれぞれ感応度を導出し、ユーザの状況に対応する感応度に基づいて提供情報を生成するため、より精度よく感応度を導出することができる。
【0073】
<第4実施形態>
以下、第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態の説明において、上述した実施形態と同じ部分については同一符号を付する。第4実施形態の情報提供装置100は、提供情報として将来の情報を送信する場合に、将来の情報に関連する将来の混雑状況を予測した混雑情報を端末装置200に送信する。
【0074】
図17は、第4実施形態における情報提供装置100の処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、情報提供装置100は、将来の情報のリクエストを受信したか否かを判定する(S500)。情報提供装置100は、リクエストに含まれた日付情報が将来である場合、受信したリクエストにより要求された提供情報が将来の情報であると判定するが、これに限定されない。
【0075】
情報提供装置100は、将来の情報のリクエストを受信していないと判定した場合、第1〜第3実施形態と同様に、現在の情報のリクエストに基づく処理に移行する。情報提供装置100は、将来の情報のリクエストを受信したと判定した場合、予測した混雑情報を送信する(S502)。このとき、情報提供装置100は、提供情報に含める混雑度を予測する。このとき、情報提供装置100は、要求された将来の情報に基づいて、位置情報および時間帯を取得する。情報提供装置100は、取得した位置情報および時間帯に対応する過去の混雑度を抽出する。情報提供装置100は、抽出した過去の混雑度に基づいて将来の混雑度を予測する。また、情報提供装置100は、将来のユーザの利用条件と合致する過去の混雑度に基づいて、将来の混雑度を予測してもよい。
【0076】
次に、情報提供装置100は、操作情報を受信するまで待機する(S504)。情報提供装置100は、操作情報を受信すると、操作情報に基づいて感応度を更新する(S506)。このとき、情報提供装置100は、第1〜第3実施形態と同様に種々の手法によって、感応度を導出する。
【0077】
次に、情報提供装置100は、提供情報の送信を要求するリクエストを端末装置200から受信するまで待機する(S508)。情報提供装置100は、端末装置200からリクエストを受信すると、端末装置200に対応する感応度に基づいて提供情報を生成する(S510)。次に、情報提供装置100は、生成した提供情報を端末装置200に送信する(S512)。
【0078】
なお、第4実施形態において、情報提供装置100は、操作情報に基づいて感応度を導出するものとしたが、これに限定されず、位置情報に基づいて感応度を導出してもよい。この場合、情報提供装置100は、予測した混雑度が「高」であり、将来の混雑を回避するように行動を開始したことにより現在位置が変化した場合に、現在位置が変化していない場合に比して、感応度が高くなる傾向で、感応度を導出する。
【0079】
以上説明したように、第4実施形態の情報提供装置100は、提供情報として将来の情報を送信する場合に、将来の混雑状況を予測した混雑情報を端末装置200に送信するため、感応度に基づいて将来の提供情報の送信を制御することできる。
【0080】
<第1変形例>
以下、上述した第1〜第4実施形態の第1変形例について説明する。第1変形例では、情報提供装置100が、異なる感応度に対応した複数の提供情報と、感応度とを端末装置200のそれぞれに対して送信する。端末装置200は、受信した感応度に対応する提供情報を自ら選択し、ユーザに提供する。端末装置200は、アプリケーションプログラムによって提供情報を選択してもよいし、ウェブページに埋め込まれたスクリプトによって、提供情報を選択してもよい。
【0081】
図18は、第1変形例における情報提供装置100と端末装置200Aおよび200Bとの間で送受信される情報の流れの一例を示すシーケンス図である。
図18は、二つの端末装置200Aおよび端末装置200Bに対して、並行して提供情報が送信される例を示しているが、この送受信の態様はあくまで一例であり、複数の端末装置200への提供情報の送信は同期して行われる必要はない。端末装置200Aは、既にユーザの感応度が低いと判定されている端末装置であり、端末装置200Bは、既にユーザの感応度が高いと判定されている端末装置である。
【0082】
まず、情報提供装置100から端末装置200Aと端末装置200Bのそれぞれに混雑情報が送信される(S600A、S600B)。これに応じて、端末装置200Aと端末装置200Bのそれぞれから情報提供装置100に情報が送信される(S602A、S602B)。端末装置200Aまたは端末装置200Bにより送信される情報は複数回に分けて送信される場合もある。
【0083】
その後、端末装置200Aと端末装置200Bのそれぞれから情報提供装置100にリクエストが送信されると(S604A、S604B)、情報提供装置100から、端末装置200Aに対して、端末装置200Aのユーザの感応度、感応度が低いユーザに対する提供情報、および感応度が高いユーザに対する提供情報が送信される(S606A、S608A、S610A)。端末装置200Aでは、S606Aで受信した感応度(低)に基づいて、感応度が低いユーザに対する提供情報を選択してユーザに提示する(S612A)。
【0084】
一方、情報提供装置100から、端末装置200Bに対しては、端末装置200Bのユーザの感応度、感応度が低いユーザに対する提供情報、および感応度が高いユーザに対する提供情報が送信される(S606B、S608B、S610B)。端末装置200Bでは、S606Bで受信した感応度(高)に基づいて、感応度が高いユーザに対する提供情報を選択してユーザに提示する(S612B)。
【0085】
いずれかの提供情報を選択してユーザに提示することには、受信した感応度に対応した提供情報を表示し、受信した感応度に対応しない提供情報を非表示にさせることが含まれる。また、いずれかの提供情報を選択してユーザに提示することには、複数の提供情報をリスト形式で表示させた場合において、感応度に対応した提供情報の画像を上位に表示させることや、サイズや色などにより強調させることなどを含む。
【0086】
第1変形例の端末装置200によれば、ユーザの感応度を情報提供装置100から受信し、感応度に基づいて、複数の提供情報から提供する情報を選択するため、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0087】
<第2変形例>
以下、第2変形例について説明する。第2変形例の情報提供装置100は、ユーザごとに感応度を導出するのではなく、ユーザのグループごとに、或いはユーザを区別せずに利用状況ごとに感応度を導出する。
図19は、第2変形例の処理について説明する図である。第2変形例の情報提供装置100は、同じ経路を利用する複数のユーザに同じ提供情報および混雑情報を提供する場合がある。すなわち、情報提供装置100は、
図19(a)に示すように、a人(aは1以上の自然数)のユーザに経路Aの混雑情報(混雑度:高)を送信すると共に、b人(bは1以上の自然数)のユーザに経路Bの混雑情報(混雑度:低)を送信する。
【0088】
情報提供装置100は、提供情報および混雑情報を送信した後、
図19(b)に示すように、経路Aのユーザがαだけ減少し、経路Bのユーザがβだけ増加したことを検知する。そして、情報提供装置100は、経路Aのユーザの減少率(α/a)と経路bのユーザの増加率(β/b)をそれぞれ閾値と比較することにより、経路Aを利用しようとしているユーザの感応度と、経路Bを利用しようとしているユーザの感応度とをそれぞれ導出する。
【0089】
その結果、第2変形例の情報提供装置100は、感応度が低く導出された経路についての混雑情報を端末装置200に送信せず、感応度が高く導出された経路についての混雑情報のみを端末装置200に送信するといった処理を行う。これにより、第2変形例の情報提供装置100によれば、より効果的な混雑情報を提供することができる。
【0090】
<その他>
上記実施形態または変形例では、ユーザと端末装置200とが一対一で対応していることを前提として説明したが、同じ端末装置200を異なるユーザが利用することも想定される。これを想定し、「ユーザの感応度が高い(低い)と判定されている端末装置」を、「ログインしているユーザの感応度が高いと判定されている端末装置」と読み替えてもよい。
【0091】
<適用例>
以下、上述した実施形態または変形例の適用例について説明する。
図20は、第1適用例について説明するための図である。第1適用例は、情報提供装置100の通信部110により、交通手段を示す複数の提供情報と、各提供情報に含まれる各交通手段の混雑状況を表す混雑情報とを端末装置200に送信する。情報提供装置100は、電車の車両ごとの混雑度を示す混雑情報を含めた提供情報を、端末装置200に送信する。この提供情報には、予め端末装置200から取得した端末装置200の位置情報が含まれてよく、端末装置200は、
図20に示すように、電車の1号車から4号車までの各車両の混雑度と、各車両の位置に対するユーザの位置Pとを表示する。
【0092】
また、情報提供装置100は、端末装置200に
図20のように表示させた後の位置情報を受信する。情報提供装置100は、受信した位置情報に基づいて、ユーザが混雑度の低い車両に移動した場合には、ユーザが混雑度の低い車両に移動しない場合に比して、感応度が高くなる傾向で、感応度を導出する。
【0093】
図21は、第2適用例について説明するための図である。第2適用例では、情報提供装置100は、施設を示す複数の提供情報と、各提供情報に含まれる各施設の混雑状況を表す混雑情報とを端末装置200に送信する。情報提供装置100は、飲食店を紹介する提供情報と、飲食店の混雑情報とを端末装置200に送信する。
図21(a)は、複数の飲食店と混雑度とを一覧の形式で表示する画像の一例である。
【0094】
情報提供装置100は、端末装置200から何らかのリクエストを受信した場合、当該端末装置200のユーザの感応度に基づく提供情報を端末装置200に送信する。
図21(b)は、感応度に基づく提供情報によって表示される画像の一例である、この画像において、ユーザの感応度が高い場合、混雑度が低い飲食店の画像を、混雑度が高い飲食店の画像よりも上位に表示させる。
図21(b)の例では、端末装置200は、飲食店Aよりも○○駅から遠く予算が高いが、混雑度が飲食店Aよりも低い飲食店Bの画像を上位に表示する。
【0095】
<ハードウェア構成>
上述した実施形態の情報提供装置100および端末装置200は、例えば、
図22に示すようなハードウェア構成により実現される。
図22は、実施形態の情報提供装置100および端末装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。本図は、端末装置200が携帯電話である例を示している。
【0096】
情報提供装置100は、NIC100−1、CPU100−2、RAM100−3、ROM100−4、フラッシュメモリやHDDなどの二次記憶装置100−5、およびドライブ装置100−6が、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。ドライブ装置100−6には、光ディスクなどの可搬型記憶媒体が装着される。二次記憶装置100−5、またはドライブ装置100−6に装着された可搬型記憶媒体に格納された情報提供用プログラムがDMA(Direct Memory Access)コントローラ(不図示)などによってRAM100−3に展開され、CPU100−2によって実行されることで、制御部120の各機能部が実現される。情報提供用プログラムは、ネットワークNWを介して他の装置からダウンロードされてもよい。
【0097】
端末装置200は、CPU200−1、RAM200−2、ROM200−3、フラッシュメモリなどの二次記憶装置200−4、タッチパネル200−5、および無線通信モジュール200−6が、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。無線通信モジュール200−6は、無線基地局にアクセスすることでネットワークNWに接続する。無線通信モジュール200−6は通信部210に対応し、タッチパネル200−5は操作部230および表示部240に対応する。また、二次記憶装置200−4に格納されたプログラムがDMAコントローラ(不図示)などによってRAM200−2に展開され、CPU200−1によって実行されることで、制御部250が実現される。
【0098】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。