(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記インサート部品は、前記貫通孔の前記保持部が結合する側に、当該貫通孔の孔幅を拡げる形で開口する貫通孔幅拡大開口部を有する請求項1に記載のワイヤーハーネスの製造方法。
前記中心位置保持手段として、前記配線束配置孔に貫通配置された前記配線束の外周面と接触するように位置し、成型される環状の保持部に対し内外方向に貫通する孔部を形成する孔形成部を備える請求項3に記載のワイヤーハーネスの製造方法。
前記インサート部品は、前記保持部の成型後に前記係合部となった際に、車体側の所定の取付穴内に挿入される軸部と、前記軸部から外向きに拡がる形状をなし、前記取付穴の周辺部に対し係合組み付けされる弾性係合部と、
前記保持部と結合してつながる連結部と、が一体に成形されており、
前記連結部は、前記軸部の軸線方向に対し直交する側に延出する袖部であり、その延出先端側で前記保持部と結合している請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスの製造方法。
前記インサート部品は、前記軸部にその軸線方向に沿って前記貫通孔が形成され、その貫通孔は、前記軸部の端部に位置する前記連結部をも貫通しており、前記連結部は、その延出方向に沿って溝部が形成され、前記貫通孔はその溝部内に連通しており、
前記金型において、前記配線束配置孔に前記配線束を貫通配置し、かつ前記係合部配置空間に前記インサート部品を配置した状態で、前記樹脂流入口から溶融樹脂を流入させた際、その溶融樹脂は、前記貫通孔と前記溝部内とを通過する形で前記保持部成形空間内へと流入し、前記貫通孔内と前記溝部内と前記保持部成形空間内とを充填した状態で冷却固化される請求項5に記載のワイヤーハーネスの製造方法。
前記保持部と前記インサート部品とは異なる樹脂材料で成形されたものであり、前記貫通孔内に充填されて冷却固化されることにより成形される前記保持部の芯部は、前記係合部をなす当該インサート部品からの抜けを阻止する抜け止め部を有する請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。
【0018】
図1A及び
図1Bに示すように、本実施例の保持部品10は、車体に取り付けるための係合部11と、複数の配線部材5からなる配線束50を保持する保持部12と、が固定状態とされた樹脂成型体として形成される。ワイヤーハーネス1は、その保持部品10と、その保持部品10の保持部12によって密着状態で保持された配線束50と、を有する。配線部材5は、1又は複数本の導線からなる導電性の芯線と、その芯線の外周を覆う絶縁性の被覆部とを備えた周知のものである。
【0019】
係合部11は、
図2に示すように、車体100側のハーネス取付部に設けられた所定の取付穴100Hに挿入され、その内部で係合することにより車体100側に組み付けられる部位である。係合部11は、車体100側の所定の取付穴100H内に挿入可能な柱形状をなす軸部11Aと、その取付穴100Hの周辺部101への係合組み付けが可能な係合組み付け部をなす弾性部11B及び当接部11Cと、保持部12につながる連結部11Dと、を有し、それら11A〜11Dが一体をなす樹脂製の部位である。係合部11は、取付穴100Hに挿入された弾性部11Bと挿入されない当接部11Cとによって、車体100側において取付穴100Hを形成する穴周辺部101を挟む形で係合状態となり、車体100側に組み付けられる。
【0020】
弾性部11Bは、軸部11Aの前端(取付穴100Hへの挿入方向の先端)側に設けられる。具体的にいえば、弾性部11Bは、軸部11Aの前端側(保持部12とは逆側)から後端側(保持部12側)に向かうに従い外向きに広がるよう延出する形状をなし、その延出先端側が基端側を起点にして軸部11A側へと内向きに弾性変形可能とされている。車体100側への組み付け時において、弾性部11Bは、その弾性変形によって内向きにすぼんだ形で取付穴100Hの内部に挿入されるとともに、挿入後には弾性復帰して外向きに広がることにより、取付穴100Hからの抜けを防ぐ弾性係合部として機能する。
【0021】
当接部11Cは、軸部11Aの後端側に設けられる。具体的にいえば、当接部11Cは、軸部11Aの後端側から先端側に向かって外向きに広がるよう延出しており、車体100側への組み付け時においては、取付穴100Hには挿入されず、その先端が取付穴100Hの周辺面に当接する。本実施例において、軸部11Aの後端部は、保持部12とつながる連結部11Dである。
【0022】
保持部12は、
図1A及び
図1Bに示すように、配線束50を結束状態で保持する部位であり、配線束50の外周面50Aに密着する形で、配線束50の外周を取り巻くよう環状に形成された環状部12Rを有する。環状部12Rは、配線束50を取り巻く円筒状に形成される。環状部12Rの内周面12Aは、凹凸のある配線束50の外周面形状に応じた凹凸形状となる。即ち、本実施例においては、保持部12の内周面12Aが配線束50の外周面50Aの凹凸の隙間に入り込んだ形で密着した状態となっている。
【0023】
ところで、保持部品10は、保持部12の成型と同時に、保持部12による配線束50の結束保持もなされる形で製造されることを特徴とする。これにより、配線束50が結束保持されてなるワイヤーハーネス1を得ることができる。さらに保持部品10は、後に係合部11となる予め用意されたインサート部品110(
図3A〜
図3C参照)に対し、保持部12が結合する形で製造される。つまり、保持部品10は、係合部11となるインサート部品110を用いたインサート成形により製造される。
【0024】
係合部11となるインサート部品110は、
図3A〜
図3Cに示すように、自身11を貫通する形で形成された貫通孔110Hを有する。貫通孔110Hは、軸部11Aの先端面(前端面ともいえる)11aに開口し、連結部11Dを含む軸部11Aを、その軸線方向に貫通する空間である。また、インサート部品110は、貫通孔110Hの後端側(保持部12が結合する側)に、当該貫通孔110Hの軸線方向に対し直交する方向に当該貫通孔110Hの孔幅を拡げる形で開口する貫通孔幅拡大開口部110Fを有する。ここでの貫通孔幅拡大開口部110Fは、
図3Cに示すように、軸部11Aの後端面(即ち、連結部11Dの保持部12側の端面)11dに成形される、軸部11Aの軸線と直交する方向に直線状に延出する溝部110Fである。貫通孔110Hは、その溝部110Fの溝底面11fに開口する形で貫通形成される。連結部11Dは、略楕円状の後端面11dにおいて、短軸方向に向かって直線状に形成される。なお、略楕円状の後端面11dは、軸部11Aの前端側から、軸部11Aを挟んで互いが離間する側へと広がるよう延出する2つの弾性部11Bの並び方向に長軸方向を有する。
【0025】
また、成型される保持部12は、
図1Aに示すように、環状部12Rと、インサート部品110の貫通孔110H内に充填される芯部12Pと、同じくインサート部品110の溝部110F内に充填される溝充填部12Fと、が一体をなす樹脂製の部位である。環状部12Rは、配線束50を取り囲む形で保持する円筒状をなす。芯部12Pは、その環状部12Rの外周面から外側に突出する柱状をなす。さらにいえば、芯部12Pは、インサート部品110に貫通形成された貫通孔110H内に充填された形状であり、貫通孔110Hに対応する形状をなす。芯部12Pは、円柱状をなす。溝充填部12Fは、芯部12Pの基端側(環状部12R側)において、芯部12Pの軸線に対し直交する方向に延出する形状をなす。さらにいえば、溝充填部12Fは、芯部12Pの基端側から、筒状をなす環状部12Rの軸線方向あるいは径方向へと延出する形状をなす。溝充填部12Fは、芯部12Pの基端側から、環状部12Rの径方向で、かつその芯部12Pの軸線に対し直交する方向へと延出する形状をなす。
【0026】
なお、インサート部品110(
図3A〜
図3C参照)を用いて保持部12を成形するにあたって、インサート部品110と保持部12の樹脂材料が同一である。このため、成形時に互いが溶着して一体化され、互いの境界が見えなくなる。このため、成形後の係合部11における貫通孔110H及び溝部110Fと、保持部12における芯部12P及び溝充填部12Fとは、互いが一体化され、互いを視認できない状態となる。
【0027】
ここで、本実施例におけるワイヤーハーネス1及び保持部品10の製造方法について説明する。
【0028】
まずは、ワイヤーハーネス1及び保持部品10の製造に使用する成型機(製造装置)2について説明する。成型機2は、
図4〜
図6に示すように、内部に溶融樹脂を供給可能な成形空間202が形成された金型20(
図4及び
図5参照)と、その成形空間202(
図13及び
図14参照)内に溶融樹脂を供給する樹脂供給装置2A(樹脂供給手段:
図4〜
図6参照)と、その溶融樹脂の供給を制御する制御部2B(樹脂供給制御手段:
図6参照)と、を備える。
【0029】
樹脂供給装置2Aは、プランジャ方式を採用しており、
図6に示すように、シリンダ2A0と、シリンダ2A0内に溶融樹脂となる樹脂材料が投入される材料投入口2A1と、シリンダ2A0内の溶融樹脂を加圧して押し出すプランジャ2A2と、プランジャ2A2を駆動する駆動機構2A3と、シリンダ2A0内の樹脂材料が溶融するよう発熱する熱可塑部(溶融部)2A4と、溶融樹脂を供給するための予め定められた樹脂供給操作を受け付ける操作部2A5と、を備える。駆動機構2A3は、駆動源をなすサーボモータと、その回転出力をプランジャ2A2の加圧動作(押し出し動作)に変換する機構とを有したものであり、シリンダ2A0内の計量された樹脂材料が、溶融状態でプランジャ2A2により押し出され、ノズル2A6から射出される。
【0030】
制御部2Bは、周知のマイコンであり、樹脂供給装置2Aの操作部2A5に上記樹脂供給操作がなされた場合に、樹脂供給装置2Aの駆動機構2A3及び熱可塑部2A4を駆動し、シリンダ2A0内の計量された樹脂材料を溶融樹脂として成形空間202内に供給する(制御手段)。
【0031】
次に、金型20について説明する。金型20は、
図4及び
図5に示すように、可動型20Xと固定型20Yと第一のスライド抜き型20Zと第二のスライド抜き型20Wとを有しており、それら双方がガイドピン29A,29Bをガイド穴28A,28Bに挿通する形で位置合わせされて型締めされることにより、内部に成形空間202(
図13及び
図14参照)を形成する。固定型20Yは、例えばテーブル等の所定構造物に対し位置ずれを生じない位置決め状態(例えば所定構造物に対し固定された状態)で配置される。他方、可動型20Xは、樹脂供給装置(樹脂供給手段)2Aを一体に有するとともに、手で把持する把持部(持ち手部ともいえる)2A9が設けられたハンディタイプの型とされている。
【0032】
樹脂供給装置2Aは、溶融樹脂を外部に供給するための操作部2A5を有する。操作部2A5は、
図6に示すように、制御部2Bと接続しており、制御部2Bは、その操作部2A5に対しユーザーによる予め定められた樹脂供給操作がなされた場合に、溶融樹脂の外部供給が実行されるよう樹脂供給装置2A(熱可塑部2A4及び駆動機構2A3)を駆動する。
【0033】
操作部2A5は、可動型20Xにおいて把持部2A9を把持した使用者の手によって操作可能な位置に設けられている。具体的にいえば、ここでの操作部2A5は、
図4及び
図5に示すように、柱状の把持部2A9の頂上部に設けられたプッシュボタンである。即ち、本実施例の可動型20Xは、把持部2A9と、操作部2A5を含む樹脂供給装置(樹脂供給手段)2Aと、を有したハンドガンタイプの樹脂供給装置であるといえる。このため、溶融樹脂の樹脂供給操作を容易に行うことが可能である。ただし、操作部2A5は、把持部2A9を把持した手とは異なるもう一方の手で操作可能な位置に設けられることも可能であるし、可動型20Xとは別に設けることも可能である。
【0034】
金型20は、型締め状態において保持部品10を成形する成形空間202(
図13及び
図14参照)を有する。なお、
図13は
図5の金型20をC方向に切断したときの一方の切断面を実線のハッチング領域で示しているが、破線のハッチング領域については切断面ではなく、第一のスライド抜き型20Zの第二のスライド抜き型20Wとの合わせ面20z(
図11参照)を示している。なお、
図13の切断面とは逆側の他方の切断面(即ち、第二のスライド抜き型20Wの第一のスライド抜き型20Zとの合わせ面20w(
図12参照)が現れる側の金型20の断面)については、わずかな違いはあるものの
図13と同様であるため、図示を省略する。
【0035】
また、金型20は、
図7〜
図9に示すように、配線束50が貫通配置される貫通孔205(配線束配置孔ともいえる:
図13参照)を形成する貫通孔形成用凹部25を有するとともに、貫通孔205の途中区間で、貫通配置された配線束50の外周を取り囲む保持部成形空間202(
図13及び
図14参照)を成形空間として形成する保持部形成用凹部22を有する。さらに、金型20は、係合部11となる予め用意されたインサート部品110を配置するために、円柱状の保持部成形空間202に対しその外周側で連通する係合部配置空間(インサート部品配置空間ともいえる:
図13及び
図14参照)201を形成する係合部配置用凹部21を有する。各凹部21,22,25は、金型20の型締め状態において、対応する空間201,202,205(
図13及び
図14参照)を形成する。これにより、金型20内に、保持部成形空間202と、係合部配置空間201内に配置されたインサート部品110の貫通孔110Hと、が連通する形の成形空間が形成される。
【0036】
固定型20Yは、
図10に示すように、本体部20Y0の上面20yに凹部20y0が形成されており、その凹部20y0には別体の成型品造形部(いわゆる入れ子)20Y1がはめ込まれている。成型品造形部20Y1には、貫通孔205の下側を形成する貫通孔形成用凹部25と、保持部成形空間202の下側を形成する保持部形成用凹部22と、挟み込み部27とが形成されている。
【0037】
第一及び第二のスライド抜き型20Z,20Wは、
図9に示すように、本体部20Z0,20W0に対し、互いの合わせ面(当接面:
図11及び
図12参照)20z,20wを有する成型品造形部20Z1,20W1が嵌合している。成型品造形部(いわゆる入れ子)20Z1,20W1には、貫通孔205の上側を形成する貫通孔形成用凹部25と、保持部成形空間の202の上側を形成する保持部形成用凹部22と、係合部配置空間201の下側が配置される係合部配置用凹部21とが形成されている。
【0038】
可動型20Xは、
図7に示すように、本体部20X0の下面20xに凹部20x0が形成されており、その凹部20x0には別体の成型品造形部(いわゆる入れ子)20X1がはめ込まれている。成型品造形部20X1には、係合部配置空間201の上側が配置される係合部配置用凹部21が形成されている。さらに、成型品造形部20X1には、固定型20Yの貫通孔形成用凹部25に配置され、挟み込み部27により挟まれて配置された配線束50を、型締め時の圧力で上側から押し付ける押し付け部26が形成されている。
【0039】
成形空間202は、上記成型品造形部20Y1,20Z1,20W1によって形成される。
【0040】
また、金型20は、
図13及び
図14に示すように、溶融樹脂を流入させる流入口(いわゆるゲート)20Gを係合部配置空間201に有する。さらにいえば、流入口20Gは、係合部配置空間201において、保持部成形空間202との境界となる連通部212(
図14参照)から最も遠い位置に設けられている。
【0041】
係合部配置空間201は、係合部11となる予め用意されたインサート部品110を配置するための空間である。
図13及び
図14の上図に示すように、係合部配置空間201に配置されたインサート部品110の貫通孔110Hには、軸部11Aの先端面11a側の開口内に、流入口(ゲート)20Gが位置している。そして、貫通孔110Hは、その流入口20Gから保持部成形空間202へと至る樹脂流入経路をなす。即ち、溶融樹脂は、
図13及び
図14の中図に示すように、流入口(ゲート)20Gから貫通孔110H内に真っ先に流入する。そして、
図13及び
図14の下図に示すように、貫通孔110H内に流入した溶融樹脂は、貫通孔110Hの出口とつながる保持部成形空間202内へと流入する。さらにいえば、貫通孔110H内に流入した溶融樹脂は、まずは溝部110F内に進入し、その溝長手方向に広がる形で保持部成形空間202内へと流入する。この溝部110Fが存在することにより、貫通孔110H内から保持部成形空間202内への溶融樹脂の流入をスムーズにしている。
【0042】
一方で、金型20は、成形空間202に孔形成部23を有する。孔形成部23は、保持部成形空間202において貫通孔205に貫通配置された配線束50の外周面50Aと接触するように位置し、成型される環状の保持部12に対し内外方向(径方向)に貫通する孔部12H(
図2参照)を形成する。
【0043】
孔形成部23は、
図13及び
図14に示すように、保持部成形空間202において係合部配置空間201(さらにいえば流入口20G)とは逆側に設けられる。孔形成部23は、係合部配置空間201の流入口20Gに対し真逆となる位置に設けられている。流入口20Gから溶融樹脂を流入させた場合、その溶融樹脂の圧力で配線束50が流入口20Gの逆側へと押される。孔形成部23が存在することで、配線束50がその孔形成部23に載置される形で環状の成形空間202のセンター位置(中心部)に保持されるから、環状の保持部成形空間202を確保することができ、保持部12を確実に環状に成型できる。即ち、孔形成部23が本発明の中心位置保持手段として機能する。
【0044】
孔形成部23は、保持部成形空間202を形成する保持部形成用凹部22の内周壁面22A(言い換えると、保持部成形空間202の外周に位置する金型20の内周壁面22A:
図14参照)のうち、流入口20Gとは逆側の内周壁面22Aから、環状の保持部成形空間202内に内向きに突出する突出部として設けられる。
【0045】
一方で、保持部成形空間202は、自身の周方向における孔形成部23が位置する区間にて、貫通孔205(
図13参照)の貫通方向205Xにおける孔形成部23の両端側に対をなす形で、上記周方向に延出する溝部24を有する。溝部24が存在することにより、保持部成形空間202は、孔形成部23の形成領域を避ける形で環状に続いた空間となっている。
【0046】
なお、孔形成部23及び溝部24は、保持部成形空間202の流入口20G側にも形成されていてもよい。この場合、貫通孔205に貫通配置された配線束50は、上下双方の孔形成部23からの当接を受ける形で、貫通孔205内のセンター位置に保持される(中心位置保持手段)。
【0047】
また、金型20は、
図8及び
図9に示すように、固定型20Yにおいて、貫通孔形成用凹部25(貫通孔205)に配置される配線束50を挟む挟み込み部27を有する。挟み込み部27は、貫通孔形成用凹部25に配置される配線束50の各配線部材5をバラバラにならないよう密着状態で仮配置させる仮配置部として機能するとともに、配置された配線束50が環状の保持部成形空間202の中心を通過するよう位置決めする位置決め部としても機能する。本実施例の挟み込み部27は、貫通孔205の貫通方向205Xにおいて保持部成形空間202の両端側に位置しており、それら双方の側で配線束50を挟んで位置決めする。挟み込み部27は、貫通孔205に配置される配線束50を挟むように、下側に位置する固定型20Yの上面20y(
図10参照)から可動型20X側(上方)に向けて対向して突出する形で形成される。
【0048】
保持部品10及びその保持部品10により配線束50が結束保持されたワイヤーハーネス1を製造する場合は、この金型20を用いて、まずは
図9のように、貫通孔205となる貫通孔形成用凹部25に配線束50を貫通配置した固定型20Y上にスライド抜き型20W,20Zを配置し(
図8参照)、さらに可動型20Xを配置する。このとき、スライド抜き型20W,20Zの一方の係合部配置用凹部21には、後に係合部11となるインサート部品110を配置しておく。そして、スライド抜き型20W,20Zにおいて上方内側から下方外側に向けて貫通形成された自身のガイド穴28B内に、可動型20Xにおいて同様に上方内側から下方外側に向けて延出するガイドピン29Bを挿通させていくことにより、可動型20Xを固定型20Yに接近させる。これにより、スライド抜き型20W,20Zが固定型20Y上をスライドする形で互いに接近していき、
図5のように型締めされる。これにより、スライド抜き型20W,20Zの双方の係合部配置用凹部21によって係合部配置空間201が形成される。そして、その係合部配置空間201の内部に、インサート部品110が配置された状態となる。
【0049】
次に、樹脂供給装置2Aにより、係合部配置空間201側から成形空間202内に溶融樹脂を流入させる(
図13参照)。即ち、溶融樹脂を、ゲート20Gから、係合部11となるインサート部品110の貫通孔110H内から溝部110F内を通って、保持部成形空間202へと流入させていく。そして、流入させた溶融樹脂を冷却固化させる。これにより、芯部12Pと溝充填部12Fと環状部12Rとを有する保持部12が成型される。その後、金型20を開き、配線束50及び保持部品10を取り出す。これにより、配線束50の外周面50Aに密着した状態の保持部12と係合部とを有した保持部品10、さらにはその配線束50とその保持部品10とを有したワイヤーハーネス1が得られる。なお、金型20を開く際には、可動型20Xを固定型20Yから離間させていくことにより、スライド抜き型20W,20Zを、固定型20Y上でスライドさせる形で互いに離間させる。
【0050】
なお、係合部11となるインサート部品110の樹脂材料と、保持部12の樹脂材料とが同一である。このため、双方は、冷却固化によって一体化される。これにより、係合部11と保持部12とが一体の保持部品10となる。
【0051】
このように、本実施例によれば、係合部11となるインサート部品110を予め用意した上で、このインサート部品110と一体となるように保持部12が成型される。このため、係合部11を複雑な形状とすることも可能となる。そして、保持部12の成型と、配線束50を結束する結束作業とを、同時に行うことができるため、従来の作業員の手による結束作業を省略することができ、作業効率を大幅に改善できる。
【0052】
また、本実施例によれば、様々な形状の係合部11となるインサート部品110をそれぞれ用意し、さらに、それらを内部に配置可能な第一及び第二のスライド型20W,20Z(場合によっては可動型20Xも)をそれぞれ用意しておけば、上側の第一及び第二のスライド型20W,20Z(場合によっては可動型20Xも)を交換することで、様々な形状の係合部11を有するワイヤーハーネス1を製造できる。このとき、下側の固定型20Yは、それらの第一及び第二のスライド型20W,20Z(場合によっては可動型20Xも)に対し共通に利用できるから、効率的である。
【0053】
以上、本発明の第一実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、追加及び省略等の種々の変更が可能である。
【0054】
以下、上記実施例とは異なる別の実施例や変形例について説明する。なお、上記実施例と共通の機能を有する部位には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、上記実施例と下記例とは、技術的な矛盾を生じない範囲において適宜組み合わせて実施できる。
【0055】
上記実施例において、保持部品10は、その保持部12が配線束50の外周面50Aに密着するものであればよく、配線束50の外周面50Aに対しその密着状態で一体に固定されていても、固定されていなくても、どちらであってもよい。
【0056】
上記実施例の孔形成部23は突出部として形成されるが、突出部ではなく、保持部形成用凹部22の内周壁面22Aに対し着脱可能に嵌合配置される、保持部形成用凹部22とは別体の成型品造形部(いわゆる入れ子)であってもよい。この場合、内周壁面22Aに成型品造形部を嵌合配置するための凹部を形成しておくことで、成型品造形部を位置決めして配置できる。
【0057】
また、孔形成部23を用いない方法として、貫通孔205に貫通配置された配線束50の延出方向205Xにおける保持部成形空間202の幅を、配線束50を構成する1本の配線部材5の円形断面の直径の2倍以下とする方法がある。これにより、配線部材5が折れ曲がっても、環状の保持部成形空間202の幅が狭くて入り込むことができないため、環状の成形空間202を確実に確保できる。また、環状の成形空間202の幅が狭いことで、成型される保持部12も幅の狭いものとなり、材料の削減に貢献する。
【0058】
以下、本発明の変形例について説明する。
【0059】
上記実施例の構成の場合、貫通孔205に配置された配線束50は、例えば溶融樹脂の流入時に受ける圧力が大きいと、環状の保持部成形空間202の中心位置から外に押し出されて、保持部成形空間202を形成する内周壁面22Aと当接した状態となる可能性がある。この場合、保持部成形空間202が確保されず、成型されるはずの環状の保持部12がその当接した箇所において途切れて、環状ではない形で成型されてしまう可能性がある。環状に成形されなかった保持部12では、配線束50を結束保持できなくなる恐れがある。
【0060】
このため、本発明では、金型20に、貫通孔205に配置される配線束50が環状の保持部成形空間202の中心部を通過するよう保持する中心位置保持手段を設けることができる。
【0061】
本発明の第一変形例においては、中心位置保持手段として、
図15に示すように、上記実施例において、少なくとも金型20が型締めされた後で、貫通孔205に配置された配線束50の外周面50Aを複数方向から押し付ける第一の押付手段を備える構成を採用している。本変形例の第一の押付手段は、貫通孔205に配置された配線束50の外周面50Aを押し付ける押付部材20Pと、押付部材20Pをその配線束50が環状の保持部成形空間202の中心部を通過するよう保持させる押付状態と押し付けない非押付状態との間で切り替える制御部(押付制御手段)2Bと、を設けた構成となっている。本変形例によれば、押付部材20Pによって、貫通孔205内に配置された配線束50を保持部成形空間202の中心部に確実に位置保持できるため、環状の保持部12を確実に成形できる。
【0062】
押付部材20Pは、貫通孔205に配置された配線束50の外周周りに複数設けられ、それぞれが配線束50に向かって前進動作及び後退動作するよう設けることができる。押付部材20Pとしては、貫通孔205に配置された配線束50の直下位置からその中心方向に向けて上方に押し付けるものを有しており、制御部2Bは、押し付け力の発生源2Pとして押付部材駆動部(例えばモータ)を駆動し、押付部材20Pを上下方向において前進動作及び後退動作させることができる。
【0063】
なお、押し付け力の発生源については、上記押付部材駆動部(例えばモータ等)2Pのような電動駆動源に限らず、油圧、空圧、付勢部材(例えばスプリング等)を用いてもよい。付勢部材であれば、金型20の型締めに伴いすぐに押し付け力が作用する。
【0064】
また、本変形例の押付部材20Pは、複数配置されている。即ち、本変形例の押付部材20Pは、貫通孔205に配置された配線束50の直下位置からその中心に向けて押し付けるものの他にも、当該配線束50を他の位置からその中心に向けて押し付けるものを有しており、それぞれが制御部2Bにより駆動制御される押付部材駆動部(例えばモータ)2Pによって動作して、当該配線束50を中心に保持することができる。
【0065】
なお、本変形例では、押付部材20Pの先端が配線束50に当接した状態で樹脂成形が実施されるため、その先端は上記実施例における孔形成部23と同様に機能し、成形された保持部12には、その押付部材20Pにより内外方向に貫通する孔部12H(
図16参照)が形成される。金型20の保持部成形空間202は、上記実施例と同様、貫通方向205Xにおける押付部材20Pの先端の両端側で周方向につながっており、環状の形状が確保されている。
【0066】
また、第一変形例においては、中心位置保持手段(第一の押付手段)として、
図15に示すように、配線束50の外周面50Aを複数方向から押し付ける押付部材20Pを設けた構成を採用しているが、配線束50の外周面50Aを、
図17に示すように、保持部成形空間202と係合部配置空間201との連通部212とは逆側(ここでは下方)から押し付ける押付部材20Pが少なくとも存在していればよい。下方から押し付ける押付部材20Pが存在することにより、保持部成形空間202内に上方から進入してくる溶融樹脂の圧力に対し下側で対抗することができるため、配線束50の曲げを防ぎ、保持部成形空間202内の中心位置に保持できる。
【0067】
また、第一変形例においては、中心位置保持手段(第一の押付手段)として、
図15に示すように、配線束50の外周面50Aを、保持部成形空間202を貫通する入れ子の形で押し付ける押付部材20Pを設けた構成を採用しているが、配線束50の外周面50Aを、
図18に示すように、保持部成形空間202を貫通しない形で押し付ける押付部材20Pを加えた構成としてもよい。また、第一変形例を、保持部成形空間202を貫通しない形で押し付ける押付部材20Pに変更した構成としてもよい。
図18の場合は、保持部成形空間202を貫通する押付部材20Pと、配線束50の長手方向両側の押付部材20P,20Pとを有する。
【0068】
また、本発明の第二変形例では、中心位置保持手段として、
図19に示すように、上記実施例において、金型20が型締めされた後で、貫通孔205に配置された配線束50を、その長さ方向(言い換えると、貫通孔205の貫通方向)205Xに両端側から引っ張る引張手段を備える構成を採用している。第二変形例の引張手段は、配線束50が環状の保持部成形空間202の中心部を通過するよう引っ張る引張部材20Qと、その配線束50を引張部材20Qにより引っ張って直線状に保持させた引張状態と、引っ張らない非引張状態との間で切り替える制御部(引張制御手段)2Bと、を備えた構成としている。本変形例の場合も、引張部材20Qによって、貫通孔205内に配置された配線束50が保持部成形空間202の中心部に位置保持されるため、途切れの無い環状の保持部12を確実に成形することができる。
【0069】
引張部材20Qは、例えば保持部形成用凹部22の両側に挟み込み部27A,27Aを備える。挟み込み部27A,27Aは、配線束50を挟圧保持する挟圧部として機能する。制御部2Bは、駆動源として例えばモータを有した駆動機構2Qを駆動して、挟み込み部27A,27Aにより配線束50が挟圧される形で保持されるようにし、その挟圧した状態で互いが離間するよう動作させることができる。なお、各駆動機構2Qは、図示しない駆動源の駆動力(ここでは回転出力)を、同じく図示しない周知のギア機構を介して挟み込み部27A,27Aに伝達し、これを挟み込み部27A,27Aの挟圧力及び離間動作力に変換する。
【0070】
なお、挟み込み部27A,27Aを離間させる引っ張り力の発生源については、上記モータのような電動駆動源に限らず、油圧、空圧等を用いてもよい。
【0071】
また、本発明においては、第一のスライド抜き型(第一の対向型)20Zと第二のスライド抜き型(第二の対向型)20Wとの型締め時に、配線束50が、噛み込まれることを防ぐ噛み込み防止手段を備える構成とすることができる。既に述べた実施例において、第一及び第二のスライド抜き型20Z,20Wは、金型20の型締め時に、配線束50を挟むよう第一側とその逆の第二側から互いが接近し、その配線束50の周辺にて当接する形で型締めされる。ところが、この当接時に、第一及び第二のスライド抜き型20Z,20Wが、配線束50を噛み込んでしまうという課題がある。噛み込み防止手段が存在することにより、この時の噛み込みを防止することができる。
【0072】
図18に示す本発明の第一変形例では、噛み込み防止手段として、配線束50の外周面50Aのうちそれら第一及び第二の対向型20Z,20Wの当接位置側から押し付ける第二の押付手段を備える構成が採用されている。この第二の押付手段は、配線束50の外周面50Aのうちそれら第一及び第二のスライド抜き型20Z,20Wの当接位置側から押し付ける押付部材26Sを設けた構成となっている。本変形例によれば、押付部材26Sによって、貫通孔205内に配置された配線束50を、第一及び第二のスライド抜き型20Z,20Wの当接位置に近づかないように押し付けるから、配線束50が噛み込まれる心配がない。
【0073】
押付部材26Sは、上記実施例において可動型20Xから下方に突出する押し付け部26(
図7参照)に相当するものであるが、本実施例の押付部材26Sは、可動型20Xの下方に開口する押付部材収容部20S内に下方に突出した状態で収容された、可動型20Xとは別の部材である。押付部材26Sには、配線束50を押し付ける先端面とは逆の後方側には、付勢部材(ここではスプリング)2Sが配置される。金型20の型締め時に可動型20Xが固定型20Yに接近する際、押付部材26Sは配線束50の外周面50Aに対し上方から当接するとともに、当該接近が進むに従い付勢部材2Sの付勢力に抗する形で押付部材収容部20S内へと押し込まれる。型締めが完了すると、押付部材26Sは、付勢部材2Sの付勢力により、そのセンター面が配線束50の外周面50Aを押し付けた状態に保持される。
【0074】
なお、押し付け力の発生源については、付勢部材2S(スプリング)に限らずともよく、電動、油圧、空圧等を用いてもよい。
【0075】
また、噛み込み防止手段としての押付部材26Sによる配線束50の押し付けは、少なくとも金型20の型締め時に実行されればよい。ただし、
図18においては、押し付け力の発生源が付勢手段2S(スプリング)であるため、金型20が開かれるまで継続する。したがって、金型20の型締め完了後の溶融樹脂の流入の時においても、貫通孔205に配置されている配線束50を下方に押し付けている。
【0076】
また、本発明の別の変形例として、貫通孔205における保持部成形空間202を挟んだ両端側に、該貫通孔205に貫通配置された配線束50の長手方向205Xへの溶融樹脂の漏れを抑制ないし防止する樹脂漏れ抑制手段を、金型20に設けた構成がある。
【0077】
この第三変形例では、樹脂漏れ抑制手段として、
図20に示すように、金型20が型締めされた後、溶融樹脂が成形空間200内に供給される時に、貫通孔205(貫通孔形成用凹部25)における保持部成形空間202(保持部形成用凹部22)を挟んだ両端側を冷却させる冷却手段を設けた構成を採用している。配線部材5の束である配線束50は、その外周面50Aが長手方向に複数の溝を有した形状となるため、保持部成形空間202に回り込んだ溶融樹脂は、その溝を介して、配線束50の長手方向(貫通方向205X)に向かって広がり、保持部成形空間202の外へと漏れてしまう可能性がある。本変形例によれば、保持部成形空間202の外へと漏れてしまう溶融樹脂を、漏れ出す前に冷却固化することができる。さらにいえば、保持部成形空間202の外へと漏れ出す部分から冷却固化されていくため、その冷却固化された部分が壁となって後続の溶融樹脂が漏れなくなる。
【0078】
この場合、冷却手段としては、例えば金型内に配置されて冷却部として機能する冷却用の入れ子を用いることができる。この入れ子272を冷やすことにより、溶融樹脂の漏れを防止することができる。具体的に言えば、保持部形成用凹部22の両側で、貫通孔205に配置された配線束50をその外周側で挟み込む挟み込み部27B,27Bを冷却用の入れ子とし、その内部に冷媒通路を形成し、その冷媒通路20R内に冷却水等の冷媒20rを通過させる形で実施できる。この場合、挟み込み部27B,27Bを、ベリリウム銅等の熱伝導率の良い材料の入れ子とすることで、冷却効果を増すことができる。また、制御部2Bによって、冷媒通路20R内への冷媒20rの供給が制御されるようにしてもよい。なお、熱伝導率の良い材料とは、ここでは熱伝導率がステンレス鋼以上の材料のことであり、さらにいえば熱伝導率が25.5W/m・℃を満たす材料であるとよい。
【0079】
また、本発明においては、樹脂漏れ抑制手段として、保持部成形空間202の貫通方向205Xにおける両側に隣接する形で、配線束50を環状に取り囲むゴム等の弾性部材を配置した構成を採用することができる。この弾性部材が、貫通孔205に貫通配置された配線束50の外周面50Aを取り囲んで押し付けるように配置されれば、凹凸を有する配線束50の外周面50Aに対し弾力性のある弾性部材が隙間を埋める形で密着するから、保持部成形空間202に充填される溶融樹脂の横漏れ(即ち貫通方向205Xへの漏れ)を防ぎ、横漏れした樹脂による余肉部の形成を抑制できる。
【0080】
また、本発明においては、樹脂漏れ抑制手段として、少なくとも金型20が型締めされた後で、貫通孔205に配置された配線束50の外周面50Aを、保持部成形空間202と係合部配置空間201との連通部212とは逆側から押し付ける第三の押付手段を備える構成を採用することができる。樹脂漏れの横漏れ(貫通方向205Xへの漏れ)の原因の一つには、溶融樹脂の圧力により配線束の上側が下方に押されて、上側に隙間ができ、その隙間から横漏れする状況が考えられる。このため、貫通孔205に配置された配線束50を、保持部成形空間202と係合部配置空間201との連通部212とは逆側から、その連通部212に向かって押し付ければ、そうした隙間の発生を防ぐことができ、樹脂漏れの横漏れを防止できる。
【0081】
なお、この第三の押付手段は、
図15や
図17、
図18に示す既に述べた第一の押付手段とすることができる。即ち、押付部材20Pによって、配線束50の外周面50Aを、下方から上方に押し付ける構成を、樹脂漏れ抑制手段としても利用することができる。
【0082】
なお、既に述べた
図18の変形例において、第二の押付手段を構成する押付部材26Sは、貫通孔205の下側をなす固定型20Yの貫通孔形成用凹部25に配置された配線束50を、型締めされた第一及び第二のスライド抜き型20Z,20Wを挟む両側にて、上方から下方に押し付けている。この押付部材26Sは、型締め完了後の溶融樹脂の流入の時においても、配線束50を下方に押し付けているから、第一及び第二のスライド抜き型20Z,20Wから配線束50の長手方向205Xに溶融樹脂が漏れ出したとしても、この押付部材26Sがさらに外への流出を防ぐことができる。つまり、上記第二の押付手段をなす押付部材26Sも樹脂漏れ抑制手段として機能する。
【0083】
また、本発明の第四乃至第六変形例では、ワイヤーハーネス1及び保持部品10において係合部11を保持部12からより離れた位置に設けることができるよう、連結部11Dが、
図21、
図25及び
図28に示すように、軸部11Aの軸線方向に対し直交する側に延出する延出部(袖部ともいえる)として形成されている。そして、保持部12は、その連結部11Dの延出先端側(軸部11Aとは逆側)と結合してつながる連結部12Dを有する。
【0084】
図21に示す第四実施例の保持部品10の場合、係合部11の連結部11Dは、環状をなす保持部12の外周側から、その保持部12が保持する配線束50の延出方向205Xに向かって延出する片袖部をなしている。一方、係合部11の軸部11Aは、その連結部11Dと配線束50との並び方向205Y(ここではさらに、配線束50の長手方向205Xと直交する方向)に軸線を有し、かつ保持部12から離れる向きへと延出している。
【0085】
図25に示す第五実施例の保持部品10の場合、係合部11の連結部11Dが、環状をなす保持部12の外周側からその接線方向205Zに向かって延出する片袖部をなしている。一方、係合部11の軸部11Aは、その連結部11Dの延出先でその延出方向205Zと配線束50の長手方向205Xとの双方に直交する方向205Yに軸線を有し、かつ保持部12から離れる向きへと延出している。
【0086】
図28に示す第六実施例の保持部品10の場合、2つの保持部12を有しており、係合部11の連結部11Dが、それら双方の保持部12に向かってそれぞれが延出する両袖部をなしている。ここでの保持部12は、配線束50の長手方向205Xに2つ並んで位置する。そして、係合部11は、それら保持部12の間(ここでは中間位置)に位置している。2つの連結部11Dは、軸部11Aの後端からそれら保持部12に向かって互いに逆向きに延出する。つまり、2つの連結部11Dが一直線状をなしている。
【0087】
これら第四乃至第六変形例においても、連結部11Dを含む係合部11は、
図22Aと
図22B,
図26Aと
図26B,及び
図29Aと
図29Bに示すようなインサート部品110として予め用意され、これを金型20内に配置した上で保持部12が成型される。成型された保持部12は、そのインサート部品110(即ち、後の係合部11)の連結部11Dに対し、その外周を取り囲む環状の連結部12Dを有する。
【0088】
インサート部品110の連結部11Dは、軸部11A側から延出して、保持部12の連結部12Dを貫通し、貫通した先の先端部12Gは、保持部12の連結部12Dに対しその貫通方向とは逆側(軸部11A側)に向かって当接する。このため、連結部11Dの先端部11Gは、仮に保持部12の成形後にインサート部品と一体化されなかった際に連結部11Dから保持部12が抜け落ちることを防ぐ抜け止め部として機能する。先端部11Gは、連結部11Dの先端側で屈曲する屈曲部をなす。
【0089】
また、インサート部品110は、既に述べた実施例と同様、軸部11Aをその軸線方向に貫通する貫通孔110Hを有する。貫通孔110Hは、軸部11Aの後端部に位置する連結部11Dをも貫通する。そして、連結部11Dは、軸部11Aとは逆側の面11dに、溝部110Fを有する。貫通孔110Hは、その溝部110Fの溝底面11fに開口する形で貫通形成される。この溝部110Fの形状が、既に述べた実施例と異なる部分である。
【0090】
溝部110Fは、その貫通孔110Hの位置から、連結部11Dの延出方向に形成される主溝部110F1と、その先端側で連結部11Dの幅方向(即ち、連結部11Dの延出方向と軸部11Aの延出方向に直交する方向)に延出する末端溝部110F2と、を有する。主溝部110F1は、主に貫通孔110Hから流入してくる溶融樹脂を保持部成形空間202側へと導く役割を果たす。一方、末端溝部110F2は、保持部成形空間202との連通部分であり、保持部成形空間202との連通面積を広げて、保持部成形空間202内に効率的に溶融樹脂を回り込ませる役割を果たす。
【0091】
第四乃至第六変形例の保持部品10及びワイヤーハーネス1を製造する場合、それぞれ
図23、
図27、及び
図30の金型20を用いることができる。まずは、既に述べた実施例と同様、金型20を、貫通孔205に配線束50を配置し、かつ係合部配置空間201にインサート部品110を配置した状態とし、型締め状態とする。次に、樹脂供給装置2Aにより、係合部配置空間201側から成形空間202内に溶融樹脂を流入させる(
図23、
図27、及び
図30参照)。即ち、溶融樹脂を、ゲート20Gから、係合部11となるインサート部品110の貫通孔110H内から溝部110F内を通って、保持部成形空間202へと流入させていく。なお、
図30の場合、溶融樹脂は、貫通孔110Hから2つの連結部11Dのそれぞれの溝部110Fへと分岐して流入し、それぞれの先にある保持部成形空間202へと流入していく。
【0092】
ここでの溝部110Fは、溝開口側が配線束50によって蓋された状態にある。これにより、主溝部110F1内は、配線束50と溝部110Fの内壁面とに取り囲まれた通路となっている(
図24A参照)。貫通孔110H内から溝部110F内に流入した溶融樹脂は、この通路を通って末端溝部110F2に達する。末端溝部110F2は、延出方向両端側が配線束50によって蓋されておらず(
図24B参照)、溶融樹脂は、これら両端側から保持部成形空間202へと流入し、保持部成形空間202が充填される。
【0093】
なお、保持部成形空間202は、配線束50の外周を取り囲む環状部12Rを成形する環状部成形空間202Rと、インサート部品110の連結部11Dの外周を取り囲む連結部成形空間202Dと、が連通した空間である。
【0094】
そして、流入させた溶融樹脂は、冷却固化される。これにより、芯部12Pと溝充填部12Fと環状部12Rとを有する保持部12が成型される。その後、金型20を開き、配線束50及び保持部品10を取り出す。これにより、
図21、
図25及び
図28に示す保持部品10、さらにはワイヤーハーネス1が得られる。
【0095】
本発明の第七変形例も、
図31に示すように、上記した第四乃至第六変形例と同様、ワイヤーハーネス1及び保持部品10において係合部11を保持部12からより離れた位置に設けることができるような連結部11Dを有する。ただし、その製造方法に、上記した第四乃至第六変形例との違いがある。
【0096】
その主な違いは、インサート部品110の貫通孔110Hが、軸部11Aではなく、連結部11Dのみにある点である。ここでの貫通孔110Hは、連結部11Dの先端部(即ち、保持部12側の端部)を、その厚さ方向に貫通する形で直線状に形成されている。また、連結部11Dは、
図32に示すように、軸部11Aとは逆側の面11dに、溝部110Fを有する。貫通孔110Hは、その溝部110Fの溝底面11fに開口する形で貫通形成されている。ここでの溝部110Fは、配線束50の長手方向205Xと貫通孔110Hの貫通方向との双方に直交する方向に直線状に形成される。
【0097】
第七変形例の保持部品10及びワイヤーハーネス1を製造する場合、
図33や
図34A及び
図34Bに示す金型20を用いることができる。まずは、既に述べた実施例と同様、金型20を、貫通孔205に配線束50を配置し、かつ係合部配置空間201にインサート部品110を配置した状態とし、型締め状態とする。次に、樹脂供給装置2Aにより、係合部配置空間201側の樹脂流入口20Gから溶融樹脂を流入させる。この溶融樹脂は、連結部11Dに設けられた貫通孔110H内と溝部110F内とを通って成形空間202内に流入する。そして、流入した溶融樹脂は冷却固化される。これにより、芯部12Pと溝充填部12Fと環状部12Rとを有する保持部12が成型される。その後、金型20を開き、配線束50及び保持部品10を取り出す。これにより、
図31に示す保持部品10、さらにはワイヤーハーネス1が得られる。
図33では、貫通孔110Hとその内部に成形される芯部12Pとを符号12P(110H)、溝部110F内とその内部に成形される溝充填部12Fとを符号12F(110F)として図示している。以降の図においても同様の符号を用いる。
【0098】
なお、第七変形例の場合、インサート部品110の貫通孔110Hに真っ先に溶融樹脂が流入するよう樹脂流入口20Gを配置したため、保持部12の連結部12Dには、インサート部品110の貫通孔110Hが開口した位置に達する凹部が形成されることになる。
【0099】
本発明の第八及び第九変形例は、
図1A及び
図1Bの実施例と同様のワイヤーハーネス1及び保持部品10であるが、製造に用いるインサート部品110の形状が異なる(
図35及び
図37参照)。このインサート部品110の形状を除けば、製造方法について他の実施例と同様である。
【0100】
既に述べた実施例においては、インサート部品110を用いて保持部12を成型するにあたって、インサート部品110と保持部12の樹脂材料が同一とされていた。このため、成型時にインサート部品110と保持部12とが互いに溶着して一体化され、これによりそれら両者が結合状態となっていた。ところが、インサート部品110と保持部12の樹脂材料が異なる場合には、それら両者が一体化されない場合がある。第八及び第九実施例は、このように成型時にインサート部品110と保持部12とが一体化されない場合に適する。具体的にいえば、第八及び第九変形例では、保持部12の芯部12Pに抜け止め部12pが設けられている。この抜け止め部12pにより、インサート部品110(即ち、係合部11)の貫通孔110Hから保持部12の芯部12Pが抜けることが阻止され、その結果、インサート部品110と保持部12とは分離が阻止された結合状態となっている。
【0101】
例えば、
図36及び
図38に示すように、芯部12Pは、その軸線方向においてその軸線方向の垂直断面が保持部側開口と同断面をなす中心軸部12qと、その軸線の直交方向に膨出する外周部12pと、を有した形で形成できる。この場合、外周部12pが抜け止め部となる。
【0102】
第八実施例では、インサート部品110の貫通孔110Hは、
図36に示すように、その軸線方向において保持部12側ほど断面積が減少するテーパー形状をなす。よって、この貫通孔110Hに充填される保持部12の芯部12Pも、貫通孔110Hと同じテーパー形状となる。上記の抜け止め部12pは、上記テーパー形状をなす芯部12Pにおいて、テーパー形状の斜面を形成する外周部12pである。
【0103】
第九実施例では、インサート部品110の貫通孔110Hは、
図38に示すように、その軸線方向の途中区間(ここでは中間位置)に外向きに拡がる膨出空間を有した形状をなす。よって、この貫通孔110Hに充填される保持部12の芯部12Pも、貫通孔110Hと同じように、途中区間に外向きに拡がる外周部(膨出部あるいは径大部ともいえる)12pを有する。この外周部12pが上記の受け止め部12pをなす。
【0104】
第十実施例では、既に述べた実施例のようにインサート部品110を予め用意しておくのではなく、インサート部品110の成型と、保持部12の成型とを連続的に行う。
【0105】
まずは、インサート部品110を成型する。ここでは
図39A及び
図39Bに示すように、既に述べた実施例における可動型20Xと、係合部配置空間201を形成するスライド抜き型20W,20Zを用いる。さらに、インサート部品成形用の固定型20Mを用いる。
【0106】
固定型20Mは、型底部20m1と、突出部20m2と、溝形成用突条部20m4と、貫通孔形成用入れ子部20m3と、を有する。突出部20m2は、型底部20m1から上方に突出する部位であり、スライド抜き型20W,20Zの下方から貫通孔形成用凹部25と保持部形成用凹部22とを埋めるよう嵌め込まれる。溝形成用突条部20m4は、その突出部20m2の上端面から上方に突出する突条部であり、インサート部品110の溝部110Fを成形する部位である。貫通孔形成用入れ子部20m3は、溝形成用突条部20m4から上方に向けて柱状(ここでは円柱状)に延出する柱状部であり、インサート部品110の貫通孔110Hを成形する部位である。
【0107】
金型2000は、可動型20Xと、その下側に配置されるスライド抜き型20W,20Zと、それらの下側に配置される固定型20Mとが型締めされてなる。型締めされた金型2000内には、係合部配置空間201のみが成形空間として存在する。この係合部配置空間201は、後にインサート部品110が配置される空間であるが、ここではインサート部品110を成形する空間でもあるため、係合部成形空間(インサート部品成形空間ともいえる)201ということもできる。この金型2000における樹脂流入口(いわゆるゲート)20Gは、貫通孔形成用入れ子部20m3の上方に位置する。
【0108】
この金型2000に対し、樹脂供給装置2Aによりその樹脂流入口20Gから溶融樹脂を流入させる(
図39A及び
図39Bの上図参照)。これにより、金型2000の係合部配置空間201内に溶融樹脂が充填される。充填された溶融樹脂は冷却固化され、インサート部品110となる。
【0109】
次に、可動型20Xとスライド抜き型20W,20Zとをそのままの状態とし、固定型20Mに代わって、既に述べた実施例の固定型20Yを配置して型締めする(
図39A及び
図39Bの中央図参照)。ただし、このときの固定型20Yは、
図9に示すように、貫通孔形成用凹部25に配線束50を配置させた状態とする。この型締めにより、既に述べた実施例の金型20が得られる。即ち、このときの金型20は、例えば
図13の上図に示すような、可動型20Xとスライド抜き型20W,20Zと固定型20Yとが型締めされ、内部に保持部成形空間202が形成されるとともに、内部の係合部配置空間201内にインサート部品110が配置された状態をなす。
【0110】
この金型20に対し、再び樹脂供給装置2Aにより樹脂流入口20Gから溶融樹脂が金型20内に溶融樹脂を流入させる(
図39A及び
図39Bの下図参照)。この溶融樹脂は、既に述べた実施例と同様、インサート部品110に設けられた貫通孔110H内と溝部110F内とを通って成形空間202内に流入する。そして、流入した溶融樹脂は冷却固化される。これにより、保持部12が成型される。その後、金型20を開き、配線束50及び保持部品10を取り出すことで、既に述べた実施例と同様の保持部品10、さらにはワイヤーハーネス1が得られる。
【0111】
なお、金型2000は、上図に示すように、固定型20Mの貫通孔形成用入れ子部20m3の先端(図中の上端)が樹脂流入口20Gに重なって、溶融樹脂の樹脂流入口20Gから係合部配置空間201への流入を妨げる可能性がある。
【0112】
このため、例えば
図40に示すように、貫通孔形成用入れ子部20m3の先端面(図中の上端面)と、樹脂流入口20Gとの間にわずかな隙間を形成する方法がある。溶融樹脂は、このわずかな隙間から、係合部配置空間201内に流入する(
図40上図参照)。冷却固化後、固定型20Mを取り外して得られる係合部配置空間201内のインサート部品110は、後に貫通孔110Hとなる非貫通状態の貫通孔予定部110hが成型される(
図40中央図参照)。即ち、インサート部品110は、柱状空間をなす貫通孔予定部110hと、その上端に設けられた薄い薄膜部110Lと、を有する。そして、このインサート部品110が係合部配置空間201内に配置された状態で、可動型20Xとスライド型20W,20Zとに対し固定型20Yが型締めされる。型締めされた金型20に対し、再び樹脂流入口20Gから溶融樹脂を流入すると、その溶融樹脂は、薄膜部110Lを突き破る(
図40下図参照)。これにより、貫通孔予定部110hは貫通孔110Hとなる。薄膜部110Lを突き破った溶融樹脂は、その貫通孔110H内から溝部110F内へ、そして成形空間202内へと流入する。そして、流入した溶融樹脂が冷却固化されることにより、保持部12が成型される。その後、金型20を開き、配線束50及び保持部品10を取り出すことで、既に述べた実施例と同様の保持部品10、さらにはワイヤーハーネス1を得ることができる。
【0113】
また、
図41に示すように、貫通孔形成用入れ子部20m3の先端を先細り形状とする方法がある。溶融樹脂は、先細り形状をなす貫通孔形成用入れ子部20m3の先端の外周側を通って、係合部配置空間201内へスムーズに流入する(
図41上図参照)。冷却固化後、固定型20Mを取り外して得られる係合部配置空間201内のインサート部品110は、先細り形状の貫通孔110Hが成型される(
図41中央図参照)。このとき、即ち、貫通孔110Hの上端は、樹脂流入口20Gよりも小面積の開口を有する。そして、このインサート部品110が係合部配置空間201内に配置された状態で、可動型20Xとスライド型20W,20Zとに対し固定型20Yが型締めされる。型締めされた金型20に対し、再び樹脂流入口20Gから溶融樹脂を流入すると、その溶融樹脂は、樹脂流入口20Gよりも小面積の開口から貫通孔110H内に流入する(
図41下図参照)。貫通孔110H内に流入した溶融樹脂は、その貫通孔110H内から溝部110F内へ、さらには成形空間202内へと流入する。そして、流入した溶融樹脂が冷却固化されることにより、保持部12が成型される。その後、金型20を開き、配線束50及び保持部品10を取り出すことで、既に述べた実施例と同様の保持部品10、さらにはワイヤーハーネス1を得ることができる。
【0114】
また、
図42に示すように、貫通孔形成用入れ子部20m3の先端面(図中の上端面)と、樹脂流入口20Gとの間に、樹脂流入口20Gを塞ぐ舌片110Nを成型する方法がある。溶融樹脂は、舌片110Nを成形するための舌片成形空間20nから、係合部配置空間201内に流入する(
図42上図参照)。冷却固化後、固定型20Mを取り外して得られる係合部配置空間201内のインサート部品110は、貫通孔110Hが成型される(
図42中央図及び
図43参照)。ただし、貫通孔110Hの上端開口には、舌片110Nが形成されている。舌片110Nは、
図43に示すように、貫通孔110Hの上端開口の内周縁11iの一部区間から当該上端開口内に向かって延出し、樹脂流入口20Gを塞ぐように設けられる。一方で、舌片110Nは、その先端が上下の弾性変形を許容されている。このインサート部品110が係合部配置空間201内に配置された状態で、可動型20Xとスライド型20W,20Zとに対し固定型20Yが型締めされる。そして、型締めされた金型20に対し、再び樹脂流入口20Gから溶融樹脂を流入すると、その溶融樹脂は、樹脂流入口20Gを塞いでいる舌片110Nを下方に押し下げる(
図42下図参照)。これにより、樹脂流入口20Gと貫通孔110Hとが連通し、溶融樹脂は、その貫通孔110H内から溝部110F内へ、さらには成形空間202内へと流入する。そして、流入した溶融樹脂が冷却固化されることにより、保持部12が成型される。その後、金型20を開き、配線束50及び保持部品10を取り出すことで、既に述べた実施例と同様の保持部品10、さらにはワイヤーハーネス1を得ることができる。
【0115】
また、
図44に示すように、インサート部品110を成型するための樹脂流入口20G2と、保持部12を成型するための樹脂流入口20G1とを別に設け、それぞれを成型するタイミングで、対応する樹脂流入口20G2,20G1から溶融樹脂を流入させてもよい。