特許第6289533号(P6289533)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289533
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】ズームレンズ及びそれを備えた撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20180226BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   G02B15/20
   G02B13/18
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-92728(P2016-92728)
(22)【出願日】2016年5月2日
(62)【分割の表示】特願2012-141271(P2012-141271)の分割
【原出願日】2012年6月22日
(65)【公開番号】特開2016-157143(P2016-157143A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2016年5月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100082821
【弁理士】
【氏名又は名称】村社 厚夫
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 嘉人
【審査官】 瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−182022(JP,A)
【文献】 特開2011−017912(JP,A)
【文献】 特開2003−215457(JP,A)
【文献】 特開平03−225308(JP,A)
【文献】 特開平02−168214(JP,A)
【文献】 特開平01−252915(JP,A)
【文献】 特開2014−006354(JP,A)
【文献】 特開2016−122221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群とを有し、
変倍時に隣り合うレンズ群の間隔が変化し、前記第1レンズ群は物体側から順に負レンズ、正レンズ、及び正レンズから構成され、前記第5レンズ群は最も物体側に負レンズを有し、以下の条件を満足するズームレンズ。
2.0 < βrt < 3.5 ・・・・・・・(1)
2.760≦ frw/f2 < 3.4 ・・・・・・・(4)
但し、
βrt: 第3レンズ群より像側に位置するレンズ群の望遠端に於ける合成横倍率
frw: 第3レンズ群より像側に位置するレンズ群の広角端に於ける合成焦点距離
f2 : 前記第2レンズ群の焦点距離
【請求項2】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
-0.8 < frt/ft < -0.3 ・・・・・・・・(2)
但し、
frt: 第3レンズ群より像側に位置するレンズ群の望遠端に於ける合成焦点距離
ft : 望遠端に於ける前記ズームレンズの焦点距離
【請求項3】
前記第2レンズ群が以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
3.5 < β2t/β2w < 8.0 ・・・・・・・・・(3)
但し、
β2t: 第2レンズ群の望遠端に於ける横倍率
β2w : 第2レンズ群の広角端に於ける横倍率
【請求項4】
広角端状態から望遠端状態へ変倍する際に、前記第1レンズ群が、広角端状態より望遠端状態で、物体側に位置することを特徴とした請求項1から請求項3のうちの一項に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記第4レンズ群が、負の屈折力を有することを特徴とする請求項1から請求項4のうちの一項に記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記第4レンズ群を像側に移動することで、無限遠から近接物体への合焦を行うことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの一項に記載のズームレンズ。
【請求項7】
前記第5レンズ群の像側に、正の屈折力を有する第6レンズ群を配置したことを特徴とする請求項1から請求項のうちの一項に記載のズームレンズ。
【請求項8】
請求項1から請求項に記載のズームレンズの像側に、前記ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子を備えたことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズ及びそれを備えた撮像装置、さらに詳しくは、高倍率・小型軽量で高速な合焦が可能なズームレンズ及びそれを備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルスチルカメラ等の固体撮像素子を用いた撮像装置が普及している。それに伴い、光学系の高性能化、小型化が進み、小型の撮像装置システムが急速に普及してきている。
光学系の高性能化に伴い、より高い結像性能を有する光学系が要望される共に、より高倍率化の要望も強く、特に変倍比が10倍を超えるような高倍率光学系の要望が強い。その上、小型化の要望も強く、光軸方向の小型化だけではなく、鏡筒径方向の小型化の要望も強く、これらの要望を同時に満たす光学系が求められている。
【0003】
従来のズームレンズで、高い結像性能、高倍率、そして小型化をある程度満たしているものとして、広角端が70°を越えて変倍比が10倍程度を越えても、十分な結像性能を維持し、適切なフォーカス作動が可能な小型のズームレンズであって、正屈折力の第1レンズ群G1、負屈折力の第2レンズ群G2、正屈折力の第3レンズ群G3、負屈折力の第4レンズ群G4、及び、正屈折力の第5レンズ群G5で構成され、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔、及び、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の間隔が大きくなり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔、及び、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5の間隔が小さくなり、第3レンズ群G3又はそのレンズ群内の一部のレンズ群を移動することによって有限遠物体にフォーカスするズームレンズが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述した要望をある程度満たす他のズームレンズとして、変倍比7倍〜10倍程度、Fナンバー2.5〜4程度、最先端の小さな画素ピッチの撮像素子用の光学系として使用できる高い性能を持ち、コンパクト性に優れた高変倍ズームレンズ系であって、物体側より順に、正パワーの第1レンズ群(Gr1)、負パワーの第2レンズ群(Gr2)、正パワーの第3レンズ群(Gr3)、負パワーの第4レンズ群(Gr4)を含み、
条件式:1.1<f1/fT<2.5
{f1:第1レンズ群(Gr1)の焦点距離, fT:望遠端(T)での全系の焦点距離}
を満足する撮像レンズが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
上述した要望をある程度満たすさらに他のズームレンズとして、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、レンズ一体型カメラ等に用いられるコンパクトで、高速AFに最適で高い結像性能を有するズームレンズ系であって、物体側より順に、正の第1レンズ群、負の第2レンズ群、正の第3レンズ群、負の第4レンズ群、正の第5レンズ群、負の第6レンズ群とを含み、上記レンズ群の間隔を変化させて変倍を行い、無限遠撮影時の広角端における第iレンズ群と第jレンズ群との間の群間隔をDW(i-j) 、無限遠撮影時の望遠端における第iレンズ群と第jレンズ群との間の群間隔DT(i-j) としたとき、
条件式(1)DW(1-2) <DT(1-2)
(2)DW(2-3) >DT(2-3)
(3)DW(3-4) >DT(3-4)
(4)DW(4-5) <DT(4-5)
(5)DW(5-6) <DT(5-6)
を満足しかつ、上記第4レンズ群が光軸方向に移動することによってフォーカシングが行われるズームレンズ系が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−091833号公報
【特許文献2】特開2001−350093号公報
【特許文献3】特開2006−251462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来のズームレンズにおいては、ズーム全域で高い結像性能を達成するため、ズーミングのために移動するレンズ群の数を増やすことによって、収差補正の自由度を増大させている。しかし、特許文献1により提案されたズームレンズ系は、10倍程度の変倍比を有しているが、小型化が十分ではない。
また、特許文献2及び特許文献3によって提案されているズームレンズにおいては、可動群を増やすことで高い結像性能を有しているが、小型化が不十分である。
【0008】
(発明の目的)
本発明は、従来のズームレンズの上述した問題点に鑑みてなされたものであって、収差補正の自由度が増大しており、小型化も十分なされたズームレンズ及びそれを備えた撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(第1発明)
物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群とを有し、
変倍時に隣り合うレンズ群の間隔が変化し、前記第1レンズ群は物体側から順に負レンズ、正レンズ、及び正レンズから構成され、前記第5レンズ群は最も物体側に負レンズを有し、以下の条件を満足するズームレンズ。
2.0 < βrt < 3.5 ・・・・・・・・(1)
但し、
βrt: 第3レンズ群より像側に位置するレンズ群の望遠端に於ける合成横倍率
【0010】
第1発明においては、特に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群とを有し、ズーム作動において5つ以上のレンズ群間隔及びレンズ群結像間隔を変化させることが好ましい。
【0011】
(第1発明の効果)
第1発明のズームレンズによれば、収差補正の自由度が増大しており、小型化も十分なされたズームレンズを構成できる。
特に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群とを有し、ズーム作動において5つ以上のレンズ群間隔及びレンズ群結像間隔を変化させることにより、収差補正の自由度を高める効果を得ることができる。加えて、第1発明のズームレンズによれば変倍比を大きくすることもできる。
【0012】
(第2発明)
第1発明のズームレンズの像側に、前記ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子を備えたことを特徴とする撮像装置。
【0013】
(第2発明の効果)
第2発明の撮像装置によれば、上述した第1発明及び第2発明のズームレンズの特性を有効に利用して、小型軽量で高速合焦可能なズームレンズ及びそれを備えた撮像装置を構成できる効果を得ることができる。
【0014】
(発明の第1実施態様)
第1発明において、前記ズームレンズが以下の条件式を満足することを特徴とする。
-0.8 < frt/ft < -0.3 ・・・・・・・・(2)
但し、
frt: 第3レンズ群より像側に位置するレンズ群の望遠端に於ける合成焦点距離
ft : 望遠端に於ける前記ズームレンズの焦点距離
【0015】
(発明の第2実施態様)
第1発明において、前記第2レンズ群が以下の条件式を満足することを特徴とする。
3.5 < β2t/β2w < 8.0 ・・・・・・・・・(3)
但し、
β2t: 第2レンズ群の望遠端に於ける横倍率
β2w : 第2レンズ群の広角端に於ける横倍率
【0016】
(発明の第3実施態様)
第1発明において、広角端状態から望遠端状態へ変倍する際に、前記第1レンズ群が、広角端状態より望遠端状態で、物体側に位置することを特徴とする。
【0017】
(発明の第4実施態様)
第1発明において、前記第4レンズ群が、負の屈折力を有することを特徴とする。
【0018】
(発明の第5実施態様)
第1発明において、前記第4レンズ群を像側に移動することで、無限遠から近接物体への合焦を行うことを特徴とする。
【0019】
(発明の第6実施態様)
第1発明において、前記第3レンズ群より像側に配置されたレンズ群が、以下の条件式を満足することを特徴とする。
2.2 < frw/f2 < 3.4 ・・・・・・・・・(4)
但し、
frw: 第3レンズ群より像側に位置するレンズ群の広角端に於ける合成焦点距離
f2 : 前記第2レンズ群の焦点距離
【0020】
(発明の第7実施態様)
第1発明において、前記第5レンズ群の像側に、正の屈折力を有する第6レンズ群を配置したことを特徴とする。
【0021】
(条件式(1)の説明)
条件式(1)を満足することで、望遠端において適切なレンズバックすなわちバックフォーカスを確保することができる。
条件式(1)の下限を割ると、レンズ系における像側に配置されたレンズ群の横倍率が小さくなるため、径方向の小型化が不十分となる。
条件式(1)の上限を超えると、レンズ系における像側に配置されたレンズ群での拡大率が大きくなり過ぎて、収差補正のために多くのレンズ枚数が必要となり、小型化の妨げとなる。
【0022】
(条件式(2)の説明)
条件式(2)の下限を割ると、レンズ系における像側に配置されたレンズ群の合成焦点距離が大きくなるため、テレフォトが弱くなり、望遠端状態での光学全長が大きくなってしまう。
条件式(2)の上限を超えると、レンズ系における像側に配置されたレンズ群での合成焦点距離が小さくなり過ぎて、テレフォトが強くなり過ぎる。その結果、収差補正のために多くのレンズ枚数が必要となり、小型化の妨げとなる。
【0023】
第1発明の第1実施態様の効果を、上述した特許文献の発明と比較する。望遠端での望遠比すなわち焦点距離に対する光学全長の比は、本件第1発明の第1実施形態が1.12、特許文献1の実施形態2が1.87、特許文献2の実施形態4が2.36、特許文献3の実施形態6が1.24である。
これによって、本件第1発明の第1実施態様が望遠端での光学全長の小型化に効果があることが分かる。
【0024】
(条件式(3)の説明)
条件式(3)の下限を割ると、前記第2レンズ群の変倍寄与率が小さくなり、前記ズームレンズ全体の高変倍化の達成が困難となる。
条件式(3)の上限を超えると、前記第2レンズ群の変倍作用が大きくなり過ぎ、レンズ枚数の増加が避けられなくなり、小型化の妨げとなる。
【0025】
(条件式(4)の説明)
第3レンズ群より像側に位置するレンズ群の広角端に於ける合成焦点距離と前記第2レンズ群の焦点距離比を適切にすることで、広角端での歪曲収差補正が容易となる。第2レンズ群のパワーが強くなると、第2レンズ群での負の歪曲発生量が大きくなる。そこで、レンズ系像面側に位置するレンズ群で、正の歪曲を発生させて歪曲補正を容易となるようなパワー配置が望ましい。
【0026】
条件式(4)の下限を割ると、すなわちレンズ系像面側に位置するレンズ群のパワーが強くなり過ぎる場合には、像面湾曲の補正が困難となる。
条件式(4)の上限を超える場合、すなわちレンズ系像面側に位置するレンズ群のパワーが弱い場合には、レンズ系像面側に位置するレンズ群による正の歪曲発生量が小さくなり、レンズ系の歪曲収差補正の妨げとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本願の第1実施形態のズームレンズの広角端での光学断面図である。
図2】本願の第1実施形態のズームレンズの広角端状態の無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差の収差図である。球面収差図において、破線はg線(435.8nm)を示し、一点鎖線はC線(656.3nm)を示す。非点収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリジオナル像面を示す。以下の収差図においても同じである。
図3】本願の第1実施形態のズームレンズの中間焦点距離状態の無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図4】本願の第1実施形態のズームレンズの望遠焦点距離状態の無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図5】本願の第2実施形態のズームレンズの広角端での光学断面図である。
図6】本願の第2実施形態のズームレンズの広角端状態の無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図7】本願の第2実施形態のズームレンズの中間焦点距離状態の無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図8】本願の第2実施形態のズームレンズの望遠焦点距離状態の無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図9】本願の第3実施形態のズームレンズの広角端での光学断面図である。
図10】本願の第3実施形態のズームレンズの広角端状態の無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図11】本願の第3実施形態のズームレンズの中間焦点距離状態の無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図12】本願の第3実施形態のズームレンズの望遠焦点距離状態の無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図13】本願の第4実施形態のズームレンズの広角端での光学断面図である。
図14】本願の第4実施形態のズームレンズの広角端状態の無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図15】本願の第4実施形態のズームレンズの中間焦点距離状態の無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
図16】本願の第4実施形態のズームレンズの望遠焦点距離状態の無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図、及び歪曲収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に示す実施形態において、諸元光学データにおける面番号NSは物体側から数えたレンズ面の順番、Rはレンズ面の曲率半径、Dはレンズ面の光軸上の間隔、Ndはd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率、νdはd線(波長λ=587.6nm)に対するアッベ数をそれぞれ示している。また、面番号の後側にSTOPを付したものは、絞りを示す。面番号の後側にASPHを付したものは、非球面を示し、その曲率半径Rの欄には該非球面の近軸曲率半径を示している。
【0029】
(第1実施形態)
第1実施形態のズームレンズは、図1に示すように、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とで構成される。
【0030】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL1と、正の屈折力を有するレンズL2との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL3とで、構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側の面に非球面を有し、像側の面が強い凹面で負の屈折力を有するメニスカスレンズL4と、両凹レンズL5と、両凸レンズL6と、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL7とで、構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両面に非球面を有する両凸レンズL8と、両凹レンズL9と、両凸レンズL10とで、構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL14と像側の面に非球面を有する両凹レンズL11との接合レンズで、構成される。
第5レンズ群G5は、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL12で、構成される。
第6レンズ群G6は、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL13で、構成される。
【0031】
第1実施形態のズームレンズは、広角端から望遠端への変倍に際しては、第1レンズ群が物体側に移動し、第2レンズ群は像側に凸の軌跡を描きながら移動し、第3レンズ群は物体側に移動し、第4レンズ群は第3レンズ群に対して像側に凸の軌跡を描きながら移動し、第5レンズ群は物体側に移動し、第6レンズ群は像面に対し固定である。
近接物体への合焦は、第4レンズ群を像側に移動させて行う。
【0032】
第1実施形態のズームレンズの諸元光学データは、以下の通りである。
NS R D Nd νd
1 63.6829 1.3000 1.91048 31.31
2 36.5043 0.0100 1.57046 42.84
3 36.5043 5.9600 1.49845 81.61
4 -852.9715 0.2000
5 34.2606 4.0000 1.62032 63.39
6 151.8569 D( 6)
7 ASPH 54.3406 0.2000 1.51700 49.96
8 54.6285 0.8000 1.91695 35.25
9 8.9090 4.0317
10 -30.8661 0.6500 1.91695 35.25
11 23.5188 0.4000
12 17.7113 2.9807 1.93323 20.88
13 -28.4855 0.7683
14 -16.2247 0.6000 1.77621 49.62
15 -51.4542 D(15)
16 STOP 0.0000 1.2000
17 ASPH 9.1792 2.8596 1.58547 59.46
18 ASPH -21.2748 0.3952
19 -469.2779 0.5000 1.89461 30.74
20 11.3473 1.6070
21 27.4927 3.2402 1.59489 68.62
22 -9.5668 D(22)
23 48.0920 1.2000 1.81263 25.46
24 -93.4000 0.0100 1.57046 42.84
25 -93.4000 0.6000 1.80558 45.45
26 ASPH 13.0486 D(26)
27 -12.9322 0.6300 1.81263 25.46
28 -18.8160 D(28)
29 -147.0832 1.9501 1.73234 54.67
30 -35.3238 9.8000
31 0.0000 2.8000 1.51872 64.20
【0033】
上記諸元光学データにおいて面番号の後側にASPHを付した非球面は、次式で表される。
X(y)=(y2/R)/〔1+(1−ε・y2/R21/2〕+A4・y4+A6・y6+A8・y8+A10・y10
ここで、X(y)は光軸から垂直方向の高さyにおける各非球面の頂点から光軸方向に沿った距離(サグ量)、Rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)、εは円錐係数、A4,A6,A8,A10を非球面係数とする。
【0034】
非球面の諸元光学データは、以下の通りである。
ASPH ε A4 A6 A8 A10
7 1.0000 1.91163e-005 -4.04139e-007 3.49343e-009 -1.49337e-011
17 1.0000 -1.14585e-004 4.99824e-006 -1.46840e-007 -1.08200e-009
18 1.0000 4.60442e-004 5.38067e-006 -2.32614e-007 0.00000e+000
26 1.0000 -6.79774e-006 -5.35988e-008 4.43501e-009 -9.66065e-011
【0035】
以下に、ズーム作動における面間隔の変化、すなわち広角端状態(f=10.30mm)、中間焦点距離状態(f=30.47mm)及び望遠端状態(f=97.97mm)の面間隔を、焦点距離fmm、FナンバーFno、画角ω、と共に示す。
f 10.30 30.47 97.97
Fno 3.6490 5.0069 5.7049
ω 40.281 11.231 4.671
D( 6) 0.9300 15.4076 32.7201
D(15) 20.1523 7.8284 1.9719
D(22) 1.2330 2.6313 1.5000
D(26) 7.2929 5.8946 7.0259
D(28) 0.4190 11.1985 17.2290
【0036】
以下に、広角端状態(f=10.30)、中間焦点距離状態(f=30.47)及び望遠端状態(f=97.97)での近接物体合焦時の面間隔を、無限物体合焦時の焦点距離f(mm)、第1レンズ面から物体までの距離D(0)(mm)、と共に示す。
f 10.30 30.47 97.97
D( 0) 920.28 903.19 889.86
D(22) 1.2704 3.3008 2.9038
D(26) 7.2555 5.2251 5.6221
【0037】
(第2実施形態)
第2実施形態のズームレンズは、図5に示すように、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とで構成される。
【0038】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL1と、正の屈折力を有するレンズL2との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL3とで、構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側の面に非球面を有し、像側の面が強い凹面で負の屈折力を有するメニスカスレンズL4と、両凹レンズL5と、両凸レンズL6と、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL7とで、構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両面に非球面を有する両凸レンズL8と、像側に凹面を向けた負レンズL9と、物体側に非球面を有する両凸レンズL10と物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL11との接合レンズと、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL12と両凸レンズL13との接合レンズとで、構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL14と両凹レンズL15との接合レンズで、構成される。
第5レンズ群G5は、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL16で、構成される。
第6レンズ群G6は、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL17で、構成される。
【0039】
第2実施形態のズームレンズは、広角端から望遠端への変倍に際しては、第1レンズ群が物体側に移動し、第2レンズ群は像側に凸の軌跡を描きながら移動し、第3レンズ群は物体側に移動し、第4レンズ群は第3レンズ群に対して像側に凸の軌跡を描きながら移動し、第5レンズ群は物体側に移動し、第6レンズ群は像面に対し固定である。
近接物体への合焦は、第4レンズ群を像側に移動させて行う。
【0040】
第2実施形態のズームレンズの諸元光学データは、以下の通りである。
NS R D Nd νd
1 71.8184 1.3000 1.91048 31.31
2 38.1169 0.0100 1.57046 42.84
3 38.1169 4.5000 1.49845 81.61
4 -271.5053 0.2000
5 34.2543 3.5128 1.62032 63.39
6 144.7606 D( 6)
7 ASPH 51.0704 0.2000 1.51700 49.96
8 43.5620 0.7600 1.91695 35.25
9 9.1890 3.7360
10 -21.5757 0.6040 1.91695 35.25
11 29.1538 0.4000
12 20.4299 2.7524 1.93323 20.88
13 -21.6790 0.7155
14 -12.4871 0.5960 1.77621 49.62
15 -39.8843 D(15)
16 STOP 0.0000 1.2000
17 ASPH 10.5362 2.8018 1.58547 59.46
18 ASPH -22.5427 0.2000
19 158.7690 0.5000 1.83945 42.72
20 12.7924 1.5947
21 ASPH 43.3184 2.3000 1.58547 59.46
22 -12.8698 0.0100 1.57046 42.84
23 -12.8698 0.4670 1.91048 31.31
24 -21.0076 0.8760
25 64.1680 0.4670 1.91695 35.25
26 15.3783 0.0100 1.57046 42.84
27 15.3783 3.0765 1.62032 63.39
28 -13.0505 D(28)
29 41.5408 1.3000 1.81263 25.46
30 -58.6162 0.0100 1.57046 42.84
31 -58.6162 0.4830 1.80831 46.50
32 12.0837 D(32)
33 -15.2307 0.6300 1.81263 25.46
34 -23.6034 D(34)
35 -87.2068 1.9569 1.73234 54.67
36 -27.2049 9.8000
37 0.0000 2.8000 1.51872 64.20
【0041】
非球面の諸元光学データは、以下の通りである。
ASPH ε A4 A6 A8 A10
7 1.0000 2.99229e-005 -2.77911e-007 4.08113e-009 -6.45590e-012
17 1.0000 -9.24021e-005 -2.03212e-006 1.09833e-007 -3.07901e-009
18 1.0000 2.42296e-004 -3.20842e-006 1.17483e-007 -3.05003e-009
21 1.0000 -1.20912e-005 -1.01954e-006 2.87946e-008 -2.68033e-010
【0042】
以下に、ズーム作動における面間隔の変化、すなわち広角端状態(f=11.22)、中間焦点距離状態(f=63.64)及び望遠端状態(f=145.52)の面間隔を、焦点距離f(mm)、FナンバーFno、画角ω、と共に示す。
f 11.22 63.64 145.52
Fno 3.6414 5.3644 5.7509
ω 37.997 9.208 3.170
D( 6) 0.9300 21.8749 36.7527
D(15) 18.6221 4.8769 1.4250
D(28) 1.1900 4.2490 1.0100
D(32) 8.8421 5.7832 9.0221
D(34) 0.8860 15.9875 20.1532
【0043】
以下に、広角端状態(f=11.22)、中間焦点距離状態(f=63.64)及び望遠端状態(f=145.52)での近接物体合焦時の面間隔を、無限物体合焦時の焦点距離f(mm)、第1レンズ面から物体までの距離D(0)(mm)、と共に示す。
f 11.22 63.64 145.52
D( 0) 918.76 896.55 880.86
D(28) 1.2267 4.6723 3.4247
D(32) 8.8054 5.3598 6.6074
【0044】
(第3実施形態)
第3実施形態のズームレンズは、図9に示すように、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とで構成される。
【0045】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL1と、正の屈折力を有するレンズL2との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL3とで、構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側の面に非球面を有し、像側の面が強い凹面で負の屈折力を有するメニスカスレンズL4と、両凹レンズL5と、両凸レンズL6と、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL7とで、構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両面に非球面を有する両凸レンズL8と、像側に凹面を向けた負レンズL9と、物体側に非球面を有する両凸レンズL10と物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL11との接合レンズと、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL12と両凸レンズL13との接合レンズとで、構成される。
【0046】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL14と両凹レンズL15との接合レンズで、構成される。
第5レンズ群G5は、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL16で、構成される。
第6レンズ群G6は、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL17で、構成される。
【0047】
第3実施形態のズームレンズは、広角端から望遠端への変倍に際しては、第1レンズ群が物体側に移動し、第2レンズ群は像側に凸の軌跡を描きながら移動し、第3レンズ群は物体側に移動し、第4レンズ群は第3レンズ群に対して像側に凸の軌跡を描きながら移動し、第5レンズ群は物体側に移動し、第6レンズ群は像面に対し固定である。
近接物体への合焦は、第4レンズ群を像側に移動させて行う。
【0048】
第3施形態のズームレンズの諸元光学データは、以下の通りである。
NS R D Nd νd
1 109.0553 1.5000 1.90366 31.31
2 52.5697 0.0100 1.56732 42.84
3 52.5697 5.5700 1.49700 81.61
4 -146.2327 0.2000
5 39.5728 3.9700 1.61800 63.39
6 112.3407 D( 6)
7 ASPH 79.0234 0.2000 1.51460 49.96
8 65.0676 0.9000 1.91082 35.25
9 12.3717 4.1854
10 -23.8730 0.7500 1.91082 35.25
11 42.3962 0.4930
12 28.5426 3.3730 1.92286 20.88
13 -24.6589 1.0150
14 -14.8587 0.7500 1.77250 49.62
15 -49.5781 D(15)
16 STOP 0.0000 1.5000
17 ASPH 13.2954 3.2480 1.58313 59.46
18 ASPH -32.0948 0.2000
19 62.5251 0.6200 1.86188 42.08
20 15.8491 2.0200
21 ASPH 61.7390 2.8500 1.58313 59.46
22 -15.2253 0.0100 1.56732 42.84
23 -15.2253 0.6000 1.90766 33.41
24 -25.8791 1.0200
25 109.2068 0.5800 1.91082 35.25
26 20.0859 0.0100 1.56732 42.84
27 20.0859 3.7247 1.61882 64.32
28 -16.2282 D(28)
29 51.3428 1.6830 1.80518 25.46
30 -75.7267 0.0100 1.56732 42.84
31 -75.7267 0.6000 1.80420 46.50
32 15.6073 D(32)
33 -18.5559 0.9000 1.80518 25.46
34 -28.5021 D(34)
35 -152.2485 2.3543 1.72916 54.67
36 -38.5471 11.0000
37 0.0000 4.2000 1.51680 64.20
【0049】
非球面の諸元光学データは、以下の通りである。
ASPH ε A4 A6 A8 A10
7 1.0000 1.19556e-005 -5.12224e-008 4.21707e-010 2.89639e-012
17 1.0000 -4.81203e-005 -6.04617e-007 2.40398e-008 -4.15344e-010
18 1.0000 1.17843e-004 -9.32847e-007 2.61092e-008 -4.24829e-010
21 1.0000 -5.75515e-006 -1.80638e-007 2.44731e-009 -5.43340e-012
【0050】
以下に、ズーム作動における面間隔の変化、すなわち広角端状態(f=14.43)、中間焦点距離状態(f=57.85)及び望遠端状態(f=145.40)の面間隔を、焦点距離f(mm)、FナンバーFno、画角ω、と共に示す。
f 14.43 57.85 145.40
Fno 3.6708 5.4085 5.9148
ω 37.102 10.651 3.671
D( 6) 1.1330 24.2823 41.7003
D(15) 21.7353 5.4909 1.7000
D(28) 1.4374 6.0872 3.6419
D(32) 12.1029 7.4531 9.8984
D(34) 1.0300 19.1189 24.8250
【0051】
以下に、広角端状態(f=14.43)、中間焦点距離状態(f=57.85)及び望遠端状態(f=145.40)での近接物体合焦時の面間隔を、無限物体合焦時の焦点距離f(mm)、第1レンズ面から物体までの距離D(0)(mm)、と共に示す。
f 14.43 57.85 145.40
D( 0) 901.52 876.67 857.15
D(28) 1.5087 6.7510 6.5503
D(32) 12.0316 6.7893 6.9900
【0052】
(第4実施形態)
第4実施形態のズームレンズは、図13に示すように、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5とで構成される。
【0053】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL1と、正の屈折力を有するレンズL2との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL3とで、構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側の面に非球面を有し、像側の面が強い凹面で負の屈折力を有するメニスカスレンズL4と、両凹レンズL5と、両凸レンズL6と、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL7とで、構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両面に非球面を有する両凸レンズL8と、両凹レンズL9と、両凸レンズL10とで、構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL11と両凹レンズL12との接合レンズで、構成される。
第5レンズ群G5は、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL13と、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL14とで、構成される。
【0054】
第3実施形態のズームレンズは、広角端から望遠端への変倍に際しては、第1レンズ群が物体側に移動し、第2レンズ群は像側に凸の軌跡を描きながら移動し、第3レンズ群は物体側に移動し、第4レンズ群は第3レンズ群に対して像側に凸の軌跡を描きながら移動し、第5レンズ群は物体側に移動する。
近接物体への合焦は、第4レンズ群を像側に移動させて行う。
【0055】
第4施形態のズームレンズの諸元光学データは、以下の通りである。
NS R D Nd νd
1 64.9819 1.3000 1.90366 31.31
2 36.3975 0.0100 1.56732 42.84
3 36.3975 6.6600 1.49700 81.61
4 -1186.1757 0.2000
5 34.2934 4.2232 1.61800 63.39
6 162.5347 D( 6)
7 ASPH 33.6698 0.2000 1.51460 49.96
8 36.8067 0.8000 1.91082 35.25
9 8.1262 4.0531
10 -29.8667 0.6500 1.91082 35.25
11 20.0064 0.4000
12 15.8824 2.9802 1.92286 20.88
13 -31.7119 0.7663
14 -16.6818 0.6000 1.77250 49.62
15 -54.0405 D(15)
16 STOP 0.0000 1.2000
17 ASPH 9.0025 3.2330 1.58313 59.46
18 ASPH -17.0238 0.4600
19 -52.2330 0.5000 1.90366 31.31
20 12.6447 1.5345
21 46.2818 2.9182 1.59282 68.62
22 -9.5695 D(22)
23 100.3805 1.2000 1.80518 25.46
24 -28.6956 0.0100 1.56732 42.84
25 -28.6956 0.6000 1.80139 45.45
26 ASPH 19.7020 D(26)
27 -10.7494 0.6300 1.80518 25.46
28 -17.3803 0.2000
29 -4854.1028 2.1691 1.48749 70.44
30 -20.5041 D(30)
31 0.0000 9.8000
32 0.0000 2.8000 1.51680 64.20
【0056】
非球面の諸元光学データは、以下の通りである。
ASPH ε A4 A6 A8 A10
7 1.0000 -1.81150e-006 -3.53409e-007 2.30973e-009 -1.22024e-011
17 1.0000 -1.28660e-004 1.17974e-006 -4.72888e-008 -2.76128e-009
18 1.0000 4.39407e-004 1.33550e-006 -1.82741e-007 0.00000e+000
26 1.0000 -2.01216e-005 -1.13690e-006 1.04261e-007 -2.22909e-009
【0057】
以下に、ズーム作動における面間隔の変化、すなわち広角端状態(f=10.31mm)、中間焦点距離状態(f=41.50mm)及び望遠端状態(f=100.60mm)の面間隔を、焦点距離fmm、FナンバーFno、画角ω、と共に示す。
f 10.31 41.50 100.60
Fno 3.657 5.267 5.799
ω 40.1947 10.9138 4.5726
D( 6) 0.9310 19.9590 33.2042
D(15) 19.0512 4.6009 1.6230
D(22) 1.9788 3.7822 0.5120
D(26) 7.0763 5.2729 8.5431
D(30) 0.0000 13.7884 20.1450
【0058】
以下に、広角端状態(f=10.31)、中間焦点距離状態(f=41.50)及び望遠端状態(f=100.60)での近接物体合焦時の面間隔を、無限物体合焦時の焦点距離f(mm)、第1レンズ面から物体までの距離D(0)(mm)、と共に示す。
f 10.31 41.50 100.60
D( 0) 919.86 901.49 884.90
D(22) 2.0430 4.3047 2.5769
D(26) 7.0121 4.7504 6.4782
【0059】
各実施形態における条件式に係る値は、以下の通りである。
第1実施形態 第2実施形態 第3実施形態 第4実施形態
βrt 2.911 3.162 2.999 2.502
frt/ft -0.391 -0.460 -0.503 -3.020
β2t/β2w 4.540 6.759 4.488 4.414
frw/f2 2.335 2.760 2.848 3.326
【符号の説明】
【0060】
STOP 絞り
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
G5 第5レンズ群
G6 第6レンズ群
図1
図2
図3
図4
図5
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図16