【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、シリコーンによる処理が施された保存容器の内壁とケーキ状組成物との間に空隙を設けることによって、シリコーンとケーキ状組成物が触れる頻度を少なくすることができ、ケーキ状組成物を再懸濁した時に、懸濁液中にシリコーンが混入することを抑制できることを見出した。また、保存容器中でのケーキ状組成物の外部からの物理的な衝撃による崩壊を抑制でき、内壁に処理されたシリコーンとの接触頻度を少なくすることができ、さらに、分散媒による再懸濁の際には、速やかに懸濁できるケーキ状組成物を見出した。
【0014】
本発明は、斯かる知見に基づき、さらに研究を重ね、完成されたものである。
【0015】
項1.内壁がシリコーンで処理された保存容器に、別途、調製されたアリピプラゾールを有効成分とする凍結乾燥後のケーキ状組成物を含む医療用器具であって、
内壁とケーキ状組成物との間に空隙を有する
ケーキ状組成物が含有された医療用器具。
【0016】
項2.ケーキ状組成物が、保存容器とは別の容器で凍結乾燥された塊状物である項1に記載のケーキ状組成物が含有された医療用器具。
【0017】
項3.保存容器の容積に対するケーキ状組成物の見掛けの体積の占有率が30〜99%である項1又は2に記載のケーキ状組成物が含有された医療用器具。
【0018】
項4.ケーキ状組成物が円筒状である項1〜3のいずれかに記載のケーキ状組成物が含有された医療用器具。
【0019】
項5.円筒状のケーキ状組成物の頂面が隆起している項4に記載のケーキ状組成物が含有された医療用器具。
【0020】
項6.円筒状のケーキ状組成物の側面に勾配を有する項4又は5に記載のケーキ状組成物が含有された医療用器具。
【0021】
項7.シリコーンで処理された保存容器が、バイアル又はシリンジである項1〜6のいずれかに記載のケーキ状組成物が含有された医療用器具。
【0022】
項8.シリンジが、複数の隔室を有し、少なくとも一つの隔室にケーキ状組成物が含有された項7に記載のケーキ状組成物が含有された医療用器具。
【0023】
項9.シリンジが、ケーキ状組成物を含有するための隔室A)と注射用液を含有するための隔室B)を有し、
隔室A)は注射針を設ける側に配置され、隔室B)は押子を設置する側に配置されており、
隔室A)にケーキ状組成物が含有され、
隔室B)に注射用液が含有された、
項7に記載のケーキ状組成物が含有された医療用器具。
【0024】
項10.強度が5〜100Nである項1〜9のいずれかに記載のケーキ状組成物が含有された医療用器具。
【0025】
項11.強度が5〜100Nであるアリピプラゾールを有効成分とするケーキ状組成物。
【0026】
項12.アリピプラゾールの含有割合がケーキ状組成物中60〜95質量%である項11に記載のケーキ状組成物。
【0027】
項13.ケーキ状組成物中のアリピプラゾールの含有量が0.1〜0.6gである項11又は12に記載のケーキ状組成物。
【0028】
項14.アリピプラゾールの固形分濃度が5〜45質量%である0.25〜12gの懸濁液を、凍結乾燥することによって得られるケーキ状組成物である項11〜13のいずれかに記載のケーキ状組成物。
【0029】
項15.円筒状である項11〜14のいずれかに記載のケーキ状組成物。
【0030】
項16.円筒状のケーキ状組成物の頂面が隆起している項15に記載のケーキ状組成物。
【0031】
項17.円筒状のケーキ状組成物の側面に勾配を有する項15又は16に記載のケーキ状組成物。
【0032】
項18.医療用器具に封入するために用いられる項11〜17のいずれかに記載のケーキ状組成物。
【0033】
項19.ケーキ状組成物が医療用器具中の保存容器とは別の容器で凍結乾燥された塊状物である項18に記載のケーキ状組成物。
【0034】
項20.アリピプラゾールを有効成分とするケーキ状組成物が含有された医療用器具の製造方法であって、
内壁がシリコーンで処理された保存容器に、別途、調製されたアリピプラゾールを有効成分とする凍結乾燥後のケーキ状組成物を封入する工程を含む医療用器具の製造方法。
【0035】
項21.シリコーンで処理された保存容器が、バイアル又はシリンジである項20に記載のケーキ状組成物が含有された医療用器具の製造方法。
【0036】
項22.シリンジが、複数の隔室を有し、少なくとも一つの隔室にケーキ状組成物が含有された項21に記載の医療用器具の製造方法。
【0037】
項23.シリンジが、ケーキ状組成物を含有するための隔室A)と注射用液を含有するための隔室B)を有し、
隔室A)は注射針を設ける側に配置され、隔室B)は押子を設置する側に配置されており、
隔室A)にケーキ状組成物が含有され、
隔室B)に注射用液が含有された、
項22に記載の医療用器具の製造方法。
【0038】
前記医療用器具の製造方法における医療用器具は、前記項1〜10のいずれかに記載の医療用器具である。
【0039】
項24.強度が5〜100Nであるアリピプラゾールを有効成分とするケーキ状組成物の製造方法であって、
アリピプラゾールを有効成分として含有する懸濁液を、凍結乾燥する工程を含む、ケーキ状組成物の製造方法。
【0040】
前記ケーキ状組成物の製造方法におけるケーキ状組成物は、前記項11〜19のいずれかに記載のケーキ状組成物である。
【0041】
以下、本発明のケーキ状組成物が含有された医療用器具及びケーキ状組成物について詳細に説明する。
【0042】
本発明は、内壁がシリコーンで処理された保存容器に、別途、調製されたアリピプラゾールを有効成分とする凍結乾燥後のケーキ状組成物を含む医療用器具に関する。
【0043】
ここでケーキ状組成物における「ケーキ」とは、乾燥前の液の形状のまま固体化された乾燥物であり、たとえば円柱型の内側形状を持つバイアルであれば、その円柱型の形状を維持したまま固体化された乾燥物である。
【0044】
本発明のアリピプラゾールを有効成分とするケーキ状組成物は、アリピプラゾールを有効成分とする懸濁液を凍結乾燥させることによって、製造することができる。
【0045】
ケーキ状組成物は、内壁がシリコーンで処理された保存容器に封入されることによって、保存容器とケーキ状組成物との間に空隙を設けることができる。このようにシリコーンで処理された保存容器の内壁とケーキ状組成物との間に空隙を設けることによって、長期保存後のケーキ状組成物を分散媒で再懸濁させたときに、シリコーンの混入によって発生するアリピプラゾールの平均粒子径の増大の抑制、即ちアリピプラゾールの粒子の凝集を抑制することができる。
【0046】
なお、従来の保存容器中に前記懸濁液を含有させ、凍結乾燥させることによってケーキ状組成物を製造した場合、シリコーン処理した保存容器の内壁にケーキ状組成物が付着するため、ケーキ状組成物を再懸濁させた場合、シリコーンが懸濁液に多く混入する。そのため、有効成分であるアリピプラゾールの平均粒子径の増大を招き、好ましくない。
【0047】
前記シリコーンの処理は、保存容器の内壁に施される。保存容器の内壁とは、例えば保存容器がバイアルである場合には、バイアルの内側の側面を意味し、シリンジである場合には、シリンジ筒の内面を意味する。なお、バイアルにおいては、内壁にシリコーンによる処理を施すことにより、薬液のバイアル内面への残存を減らし、充填量を極力少なくすることができるという機能を有する。また、シリンジにおいては、シリコーンによる処理を施すことにより、押子や、シリンジ筒中に設けられるストッパー(密封栓)を摺動させるための潤滑剤として機能する。
【0048】
なお、シリコーンによる処理とは、保存容器の内壁にシリコーンを塗布し、付着させ、必要に応じて塗付面を乾燥させることを意味する。
【0049】
シリコーンによって処理される保存容器としては、バイアル、シリンジ等が挙げられ、シリンジの場合には、前記ケーキ状組成物が封入されたプレフィルドシリンジとなる。そのため、シリンジ自体が保存容器を兼ねる。また、シリンジとしては、シングルチャンバーシリンジ、複数の隔室を有し、ケーキ状組成物が含有する隔室が設けられたシリンジ(以下、ダブルチャンバーシリンジともいう)が挙げられる。
【0050】
ダブルチャンバーシリンジとしては、ケーキ状組成物を含有するための隔室A)と注射用液を含有するための隔室B)を有し、隔室A)は注射針を設ける側に配置され、隔室B)は押子を設置する側に配置された構造を有する。以下、ダブルチャンバーシリンジについて、図を用いて説明する。
【0051】
図1は、ダブルチャンバーシリンジの一実施形態を表す断面図である。ダブルチャンバーシリンジ1は、シリンジ筒2中にストッパー(密封栓)として、注射針を設ける側(即ち注射針を設ける先端部6側)から順にフロントストッパー3、ミドルストッパー4、エンドストッパー5が設けられ、フロントストッパー3とミドルストッパー4の設置により、隔室Aが設けられ、ミドルストッパー4とエンドストッパー5の設置により、隔室Bが設けられている。なお、フロントストッパー3は、無くてもよい。シリンジの使用時に該フロントストッパー3が収納されるフロントアッセンブリ12が先端部6側に設けられており、フロントストッパー3が無い場合、フロントアッセンブリではなくシリンジ1の先端が注射針が付くように成型された一般的な形状でもよい。フロントストッパー3がある場合には、フロントストッパー3はフロントアッセンブリ12内に収納され、フロントストッパーとフロントアッセンブリ12の間に隙間ができることにより、ケーキ状組成物8を注射用液9によって再懸濁した後の懸濁液を先端部6から排出させるための通路ができる。
【0052】
前記ケーキ状組成物8は、隔室A)に封入され、隔室B)にはケーキ状組成物8を再懸濁するための注射用液9が封入されている。また、シリンジ筒2の内壁は、シリコーン10により処理されている。さらに、注射用液9をケーキ状組成物8が封入された隔室A)へと移すために、シリンジ筒の側面の内側から外に凸状の形状を有するバイパス11が設けられている。バイパス11は、ミドルストッパー4よりも先端部6側に設けられており、保存時には、注射用液9が隔室A)側に流れ込むことはない。
【0053】
なお、バイパス11は、一つであってもよく、また、複数設けておいてもよい。
【0054】
前記ダブルチャンバーシリンジ1を本発明の医療用器具として用いた場合の使用形態について、以下の
図2〜
図4を用いて説明する。
【0055】
ダブルチャンバーシリンジ1の先端部6に注射針13が設けられ、開口部7側に押子14が設けられる(
図2参照)。
【0056】
押子14を開口部7側から先端部6側へと押し込むことにより、エンドストッパー5が先端部6側へと摺動される。さらに押子14を押し込むことで、エンドストッパー5の摺動に応じて、ミドルストッパー4、フロントストッパー3も摺動される。ミドルストッパー4がバイパス11にまで達したときに、注射用液9がバイパス11を経由してケーキ状組成物8が封入された隔室A)へと流れ込む(
図3参照)。
【0057】
流れ込んだ注射用液9により、隔室A)中のケーキ状組成物は再懸濁され、懸濁液15となる。再懸濁液15は、さらに、押子14による押し込みによって、フロントストッパー3がフロントアッセンブリ12内に収納され、フロントストッパー3とフロントアッセンブリ12の間にできた隙間を経由して注射針13が設置された先端部6から排出される(
図4参照)。
【0058】
前記シリンジにおけるシリンジ筒の長さ(ストッパーが存在しうる部分の長さ)としては、約50〜200mmが好ましく、約70〜110mmがより好ましい。
【0059】
また、フロントストッパーの中心からミドルストッパーの中心までの距離は、約5〜40mmが好ましく、約15〜35mmがより好ましく、ミドルストッパーの中心からエンドストッパーの中心までの距離は、約2〜50mmが好ましく、約10〜30mmがより好ましい。
【0060】
また、シリンジ筒の内径としては、約5〜30mmが好ましく、約10〜20mmがより好ましい。
【0061】
このような構成を有するダブルチャンバーシリンジは、ケーキ状組成物と、ケーキ状組成物を再懸濁するための分散媒(注射用液)を同時に封入させることができ、使用時には、分散媒(注射用液)を注入する工程を省くことができる点から好ましい。
【0062】
なお、保存容器としてシングルチャンバーシリンジを用いる場合には、使用時に、注射用液を外部からシリンジ内に取り込み、ケーキ状組成物を再懸濁させることによって使用する。
【0063】
保存容器に封入されるケーキ状組成物の形状としては、保存容器の内壁とケーキ状組成物との間に空隙を有するようなものであれば、特に限定されないが、保存容器が、例えばシリンジ筒のように円筒状のものであれば、ケーキ状組成物も円筒状とすることが好ましい。
【0064】
また、ケーキ状組成物が円筒状である場合、保存容器とは別の凍結乾燥するために用いられる容器からのケーキ状組成物の取り出しが容易であるという点、その容器としてプラスチックを用い、その成型する際に接液する部分の成型が容易であるという観点から、
図5に示すように、さらに側面に勾配を有することが好ましい。ケーキ状組成物を前記勾配を有する形状とする場合の勾配角(
図5に示すa)としては、好ましくは約0.1〜10度、より好ましくは約0.5〜3度である。この勾配は円周の一部でもよく全周でもよい。
【0065】
さらに、
図6に示すように、円筒状のケーキ状組成物の頂面が隆起している形状を取ることで、保存容器との接触部分を少なくする(例えば、前記のダブルチャンバーシリンジの場合では、フロントストッパー、又はミドルストッパーとの接触を小さくする)ことができるという効果が得られる。隆起した頂点と頂面との距離(
図6に示すL)としては、約0.5〜5mmが好ましく、約1〜3mmがより好ましい。
【0066】
なお、保存容器との接触部分を少なくする(例えば、前記のダブルチャンバーシリンジの場合では、フロントストッパー、又はミドルストッパーとの接触を小さくする)ことができるという理由で円筒状のケーキ状組成物の円周上が隆起した形状のものであってもよい。
【0067】
保存容器の容積に対するケーキ状組成物の見掛けの体積の占有率は、製造時、及び本発明の医療用器具を搬入する際にケーキ状組成物が保存容器の内壁にぶつかり、崩壊することを抑制できる点、シリンジ全体の長さを短くできる点から約30%以上が好ましく、約40%以上がより好ましく、50%以上がさらに好ましい。また、保存容器の内壁に処理されたシリコーンと付着する頻度が低減できる点から、約99%以下が好ましく、約90%以下がより好ましく、80%以下がさらに好ましい。
【0068】
なお、前記「見掛けの体積」とは、ケーキ状組成物の微視的な、孔隙、空隙、クラック等のない塊状物とみなした場合の体積を意味する。
【0069】
また、保存容器の容積とは、ケーキ状組成物の封入される部分の占める容積を示し、例えば、後述するダブルチャンバーシリンジのような、複数の隔室を有する場合には、ケーキ状組成物が封入される隔室部分(隔室(A))の容積を意味する。
【0070】
具体的なケーキ状組成物の見掛けの体積としては、約250〜12000mm
3が好ましく、約500〜5000mm
3がより好ましく、800〜1600mm
3がさらに好ましい。
【0071】
また、保存容器の容積としては、約250〜40000mm
3が好ましく、約500〜17000mm
3がより好ましく、800〜5300mm
3がさらに好ましい。
【0072】
前記ケーキ状組成物は、別途、アリピプラゾールを有効成分とする懸濁組成物を調製し、さらに凍結乾燥させることによって得られるケーキ状組成物を、保存容器に移し替えることによって得られる。そのため、保存容器とは別の容器で懸濁液を凍結乾燥させ、ケーキ状組成物の塊状物を製造し、保存容器に移し替えることが好ましい。
【0073】
前記別の容器の材質としては、ケーキ状組成物を製造する際、当該懸濁液を凍結乾操すると得られるケーキ状組成物は、若干膨張するため、該膨張によってもケーキ状組成物と容器とが強固に密着しない、又はケーキ状組成物と容器が密着したとしても、容器の形状変化によって容易に取り出せる点、無菌的に調製することが必要な当該懸濁液のような場合、容器の無菌成型や放射線などにより滅菌が容易である点、コストが低く使い捨てができる等の点から、プラスチックであることが好ましく、例えば、オレフィン系樹脂等がより好ましい。オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0074】
ケーキ状組成物を製造するために用いられる保存容器とは別の容器の形状は、ケーキ状組成物の形状に合わせて適宜選択されるものである。以下に、円筒状のケーキ状組成物を製造する方法について、容器の形状に則して、図を用いて説明する。
【0075】
図7は、円筒状のケーキ状組成物を製造するために用いられる保存容器とは別の容器の形状を示す概略図である。容器16は、上部に開口部17を有している。該開口部17から、前記の懸濁液を入れ、凍結乾燥を行うことによって、ケーキ状組成物が容器16内で成形される。成型されたケーキ状組成物は、底面18を押すことにより、容器16から容易に取り出すことができる。なお、ケーキ状組成物を容易に取り出すために、容器内面に勾配を有することが好ましく、勾配角(
図7に示すa’)としては、得られるケーキ状組成物の勾配角と同等であって、好ましくは約0.1〜10度、より好ましくは約0.5〜3度である。この勾配は円周の一部でもよく全周でもよい。
【0076】
また、この保存容器とは別の容器の底面形状は、保存容器との接触部分を少なくする(例えば、前記のダブルチャンバーシリンジの場合では、フロントストッパー、又はミドルストッパーとの接触を小さくする)ことができる、凍結乾燥後にケーキをこの保存容器とは別の容器から剥れやすくできるという理由で下に凸であることが好ましい。
【0077】
また、底面18の押し出しにより、得られたケーキ状組成物を容易に取り出すことを可能にするために、
図8の概略図、及び
図9の断面図に示すような外枠19を設けた容器であってもよい。
【0078】
保存容器の内壁に処理されるシリコーンとしては、公知の医薬用途に用いられるようなシリコーンオイル又はシリコーンオイル誘導体が用いられ、具体的には、側鎖に炭素数1〜6のアルキル基を有するシロキサン結合を骨格とした直鎖状の重合体である。具体的には、式(1):
【0079】
【化2】
【0080】
によって表される繰り返し単位を有するものが挙げられる。
【0081】
式(1)中、R
1及びR
2は、同一又は異なり、それぞれ水素原子、又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは1〜1,000の整数である。R
1及びR
2の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。また、nが2以上の場合は、繰り返し単位が同一又は異なる。
【0082】
シリコーンオイルの具体例としては、ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。シリコーンオイル誘導体としては、シリコーンの側鎖の置換基、及び/又は末端のSiの置換基の一部が、例えば、ポリオキシアルキレン基、ビニル基等に置き換わったもの等が挙げられる。
【0083】
シリコーンオイル及びシリコーンオイル誘導体としては、例えば、信越シリコーンKM72(商品名)(信越化学工業(株)製)、信越シリコーンKF96ADF(商品名)(信越化学工業(株)製)、DowCorning(登録商標)(ダウコーニング(DowCorning)社製)等として、またシリコーンオイルを界面活性剤と水を含むエマルション(Dow Corning(登録商標)365,35% Dimethicone NF Emulsion (ダウコーニング(DowCorning)社製)として入手することができる。
【0084】
シリコーンの平均分子量は、特に限定はされないが、好ましくは10〜100,000,000、より好ましくは100〜10,000,000、さらに好ましくは200〜10,000である。
【0085】
保存容器に含有されるケーキ状組成物中におけるアリピプラゾールの平均粒子径は、徐放性注射剤においては1ヵ月の徐放性を示すことにおいて優れるという点から、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1.5μm以上がさらに好ましい。また、ケーキ状組成物中におけるアリピプラゾールの平均粒子径は、沈降しにくくし製造を容易にするという点や、例えば、保存容器としてプレフィルドシリンジを用いる場合には、注射時に針詰まりを防止するという点から、200μm未満が好ましく、10μm未満がより好ましく、約4μm以下がさらに好ましい。
【0086】
なお、“平均粒子径”は、レーザー回折散乱法によって測定される場合の体積平均直径をいう。粒度分布は、レーザー回折散乱法によって測定され、そして平均粒子径は、粒度分布から計算される。
【0087】
ケーキ状組成物中のアリピプラゾールの含有割合は、保存容器とは別の凍結乾燥するために用いられる容器からのケーキ状組成物の取り出しが可能な強度を付与できるという観点から約60質量%以上が好ましく、約65質量%以上がより好ましく、約70質量%以上がさらに好ましい。また、ケーキ状組成物中のアリピプラゾールの含有割合は、懸濁化剤などを含有させ液中でのアリピプラゾールの分散を安定化させるという観点から約95質量%以下が好ましく、約90質量%以下がより好ましく、約80質量%以下がさらに好ましい。
【0088】
ケーキ状組成物中のアリピプラゾールの含有量は、生体内に投与されてから治療に必要な有効血中濃度を維持するのに必要な投与量の観点から約0.1g以上が好ましく、約0.15g以上がより好ましく、約0.2g以上がさらに好ましい。また、ケーキ状組成物中のアリピプラゾールの含有量は、一度に生体内に投与した際の生体に対する物理的な刺激による安全性の観点から約0.6g以下が好ましく、約0.55g以下がより好ましく、約0.5g以下がさらに好ましい。
【0089】
ケーキ状組成物中に含まれるアリピプラゾールの結晶形としては、一水和物形態(アリピプラゾール水和物A)並びに多数の無水形態、即ち無水結晶B、無水結晶C、無水結晶D、無水結晶E、無水結晶F、及び無水結晶Gの形態で存在することが知られており、これらは全て、本発明のケーキ状組成物において使用できる。
【0090】
ケーキ状組成物は、有効成分である前記アリピプラゾール以外にも、懸濁化剤、バルキング剤、緩衝剤、pH調整剤、賦形剤、滑沢剤、流動化剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、保存剤、矯味剤、矯臭剤、等張化剤等を適宜含有していてもよい。
【0091】
これらの添加剤は、特表2007−509148号公報で挙げられたものを用いることができる。
【0092】
懸濁化剤の含有割合は、ケーキ状組成物中、約0.1〜約10質量%が好ましく、約1〜約5質量%がより好ましい。好適な懸濁化剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドン等から選ばれる1種若しくは2種以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されず、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びポリビニルピロリドンが好ましい。
【0093】
アリピプラゾールのためのビヒクルにおける使用のために好適な他の懸濁化剤としては、種々のポリマー、低分子量オリゴマー、天然プロダクト(natural products)、及び界面活性剤(非イオン性及びイオン性界面活性剤を含む)、例えば、塩化セチルピリジニウム、ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、デキストラン、グリセロール、アカシアゴム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス(cetomacrogol emulsifying wax)、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、セトマクロゴール1000のようなマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(polyoxyethylene castor oil derivatives)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、市販のTweens(登録商標)、例えば、Tween20(登録商標)及びTween80(登録商標)(ICI Specialty Chemicals));ポリエチレングリコール類(例えば、Carbowaxs 3350(登録商標)及び1450(登録商標)、並びにCarbopol 934(登録商標)(Union Carbide))、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ポリオキシエチレンステアレート、コロイダル二酸化ケイ素、ホスフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム(carboxymethylcellulose calcium)、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、HPC、HPC−SL、及びHPC−L)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロースフタレート、非結晶性セルロース(noncrystalline cellulose)、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンオキサイド及びホルムアルデヒドとの4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー(チロキサポール(tyloxapol)、スペリオン(superione)、及びトリトン(triton)としても公知)、ポロキサマー(poloxamers)(例えば、Pluronics F68(登録商標)及びF108(登録商標)、これらは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドのブロックコポリマーである);ポロキサミン(例えば、Tetronic 908(登録商標)、Poloxamine 908(登録商標)としても公知、これは、エチレンジアミンへのプロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドの連続付加から誘導される四官能性ブロックコポリマーである(BASF Wyandotte Corporation,Parsippany,N.J.));荷電リン脂質(charged phospholipid)、例えば、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジオクチルスルホサクシネート(DOSS);Tetronic 1508(登録商標)(T−1508)(BASF Wyandotte Corporation)、スルホコハク酸ナトリウムのジアルキルエステル(例えば、Aerosol OT(登録商標)、これはスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルである(American Cyanamid));Duponol P(登録商標)、これはラウリル硫酸ナトリウムである(DuPont);Tritons X−200(登録商標)、これはアルキルアリールポリエーテルスルホネートである(Rohm and Haas);Crodestas F−110(登録商標)、これはスクロースステアレート及びスクロースジステアレートの混合物である(Croda Inc.);p−イソノニルフェノキシポリ−(グリシドール)、Olin−10G(登録商標)又はSurfactant 10−G(登録商標)としても公知(Olin Chemicals,Stamford,Conn.);Crodestas SL−40(登録商標)(Croda,Inc.);並びにSA9OHCO、これはC
18H
37CH
2(CON(CH
3))−CH
2(CHOH)
4(CH
2OH)
2である(Eastman Kodak Co.);デカノイル−N−メチルグルカミド;n−デシル−β−D−グルコピラノシド;n−デシル−β−D−マルトピラノシド;n−ドデシル−β−D−グルコピラノシド;n−ドデシル−β−D−マルトシド;ヘプタノイル−N−メチルグルカミド;n−ヘプチル−β−D−グルコピラノシド;n−ヘプチル−β−D−チオグルコシド;n−ヘキシル−β−D−グルコピラノシド;ノナノイル−N−メチルグルカミド;n−ノニル−β−D−グルコピラノシド;オクタノイル−N−メチルグルカミド;n−オクチル−β−D−グルコピラノシド;オクチル−β−D−チオグルコピラノシド等が挙げられる。
【0094】
これらの懸濁化剤の大部分は、公知の薬学的賦形剤であり、そしてthe American Pharmaceutical Association及びThe Pharmaceutical Society of Great Britainによって共同発行されたthe Handbook of Pharmaceutical Excipientsに詳細に記載されており(The Pharmaceutical Press, 1986)、参照により具体的に組込まれる。懸濁化剤は、市販されており、また、当該分野において公知の技術によって製造することができる。
【0095】
バルキング剤(bulking agent)(冷凍/凍結乾燥保護剤(cryogenic/lyophilize protecting agent)とも呼ばれる)の含有割合は、ケーキ状組成物中、約5〜約40質量%が好ましく、約10〜約30質量%がより好ましく、約15〜約25質量%がさらに好ましい。バルキング剤の例としては、マンニトール、スクロース、マルトース、キシリトール、グルコース、スターチ、ソルビトール等から選ばれる1種若しくは2種以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されず、マンニトールが、好ましい。
【0096】
好適な緩衝剤の例としては、リン酸ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム、リン酸カリウム、又はTRIS緩衝剤等から選ばれる1種若しくは2種以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されず、リン酸ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素ナトリウムが好ましい。
【0097】
pH調整剤は、前記ケーキ状組成物が使用時に分散媒により分散された懸濁液の形態をとる際にアリピプラゾールの懸濁液のpHが、約6〜約7.5の範囲、好ましくは約7に調整するために使用される。また、ケーキ状組成物を分散媒によって懸濁させた懸濁液のpHが、所望の約7よりも大きい場合には、pH調整剤としては酸性pH調整剤が用いられ、また、懸濁液のpHが、所望の約7よりも小さい場合には、pH調整剤としては塩基性pH調整剤が用いられる。酸性pH調整剤としては、例えば、塩酸又は酢酸、好ましくは塩酸が使用される。また、塩基性pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウム、好ましくは水酸化ナトリウムが使用される。
【0098】
前記ケーキ状組成物を調製させるための凍結乾燥させる前のアリピプラゾールを有効成分とする懸濁液は、有効成分であるアリピプラゾール、前記挙げられた懸濁化剤、バルキング剤、緩衝剤、pH調整剤、賦形剤、滑沢剤、流動化剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、保存剤、矯味剤、矯臭剤、等張化剤等を適宜含有した組成物を前記所望の含有割合となるように、分散媒に混合させることによって調製される。
【0099】
分散媒として、水、水と有機溶媒の含水溶媒が用いられる。有機溶媒としては、水と混和性であるもの、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール若しくはイソプロパノール等のアルコール;アセトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド;あるいはそれらの混合物であり、エタノールが特に好ましい。上記含水溶媒とする場合の水の量は、特に限定されるものではないが、例えば、上記溶媒の10質量%以上が好ましい。
【0100】
また、好ましくは、湿式粉砕手法を使用することによって行われ、ここで、分散されたアリピプラゾールの粒子は、粉砕媒体の存在下で粉砕手段に供され、アリピプラゾールの粒子径は、所望の平均粒子径を有することとなる。
【0101】
無菌湿式粉砕手法は、湿式ボールミリング(wet ball milling)や高圧ホモジナイザー粉砕(high pressure homogenization)、高剪断ホモジナイゼーション(high shear homogenization)等が好ましい。前記粉砕手法に加えて、他の低及び高エネルギーミル(例えば、ローラーミル)も使用することができる。
【0102】
その他の方法としては、制御された晶析法(controlled crystallization)等が挙げられる。
【0103】
前記の方法によって、所望の平均粒子径を有する均質なアリピプラゾールを含む懸濁液が得られる。
【0104】
懸濁液中におけるアリピプラゾールの平均一次粒子径は、徐放性注射剤においては1ヵ月の徐放性を示すことにおいて優れるという点から、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1.5μm以上がさらに好ましい。また、懸濁液中におけるアリピプラゾールの平均粒子径は、沈降しにくく、製造を容易にするという点や注射時に針詰まりを防止するという点から、200μm未満が好ましく、10μm未満がより好ましく、約4μm以下がさらにより好ましい。
【0105】
なお、“平均粒子径”は、前記のケーキ状組成物において測定された方法と同様の方法で測定することができる。また、“一次粒子径”とは、凝集せず一つ一つの粒子がばらばらになった状態での粒子径を意味する。
【0106】
用語“平均粒子径”は、レーザー光散乱(laser-light scattering;LLS)法によって測定される場合の体積平均直径(volume mean diameter)をいう。粒度分布は、LLS法によって測定され、そして平均粒子径は、粒度分布から計算される。
【0107】
前記所望の平均一次粒子径を有するアリピプラゾールの製法としては、例えば、ブリストル−マイヤーズスクイブ社から出願されている衝突噴流結晶化方法(impinging jet crystallization method、(特表2007−509153号公報参照)や大塚製薬株式会社により出願されている高圧ホモジナイザーを用いた湿式粉砕方法(特願2007−200088号参照)等が好適である。
【0108】
懸濁液中に含まれるアリピプラゾールの結晶形としては、前記のケーキ状組成物中に含まれる結晶形のものが使用できる。
【0109】
懸濁液中におけるアリピプラゾールの固形分濃度は、凍結乾燥後のケーキの嵩を小さくすることでシリンジを小型化できる、ケーキに強度を持たすことができ微粉を発生しにくくできる、より少ない容量で投与することができるという点から、約5質量%以上が好ましく、約10質量%以上がより好ましく、約20質量%以上がさらに好ましい。また、懸濁液中におけるアリピプラゾールの固形分濃度は、製造時の液の流動性が優れ生産効率が良い、粘度を低くすることで製造機器に負担をかけないという点から、約45質量%以下が好ましく、約40質量%以下がより好ましく、約35質量%以下がさらに好ましい。
【0110】
懸濁液中におけるアリピプラゾールの含有量は、生体内に投与されてから治療に必要な有効血中濃度を維持するのに必要な投与量の点から、約0.1g以上が好ましく、約0.15g以上がより好ましく、約0.2g以上がさらに好ましい。また、懸濁液中におけるアリピプラゾールの含有量は、一度に生体内に投与した際の生体に対する物理的な刺激による安全性の点から、約0.6g以下が好ましく、約0.55g以下がより好ましく、約0.5g以下がさらに好ましい。
【0111】
前記の懸濁液を凍結乾燥することによって、ケーキ状組成物が得られる。凍結乾燥の条件としては、適宜設定される事項であるが、例えば、−50℃〜−30℃で凍結させた後、好ましくは約5〜約40Pa、より好ましくは約5〜約20Paの減圧下、約−15〜約10℃、より好ましくは約−10〜約5℃の温度条件下、12時間以上の乾燥時間の条件の下行われる。
【0112】
前記懸濁液を凍結乾燥することにより得られるケーキ状組成物は、ケーキの塊状物が外部からの物理的な衝撃においても崩壊せず、塊状物の形態を保つことができる。
【0113】
ケーキ状組成物の強度としては、製造時、搬入時等に外部からの振動等によってケーキ状組成物が崩壊しない、保存容器とは別の凍結乾燥するために用いられる容器から容易に取り出すことができる等の観点から、約5N以上が好ましく、約10N以上がより好ましく、約20N以上がさらに好ましい。また、ケーキ状組成物の強度としては、使用時に分散媒によってケーキ状組成物を速やかに懸濁することができる点等の観点から、約100N以下が好ましく、約80N以下がより好ましく、約50N以下がさらに好ましい。
【0114】
なお、ケーキ状組成物の強度は、島津製作所のオートグラフのような応力を測定する装置で測定することができ、例えば、ケーキ状組成物を上下方向から挟み込むように押し、崩壊するまでの力を測定することによって得られる。
【0115】
このケーキ状組成物がシリコーン処理された容器内で保管される場合、シリコーンとの接触を減らすため輸送などの衝撃により微粉が発生しないことが求められ、この観点からケーキ状組成物の崩れによる微粉の発生は約100mg以下が好ましく、約30mg以下がより好ましく、約10mg以下がさらに好ましい。また外観上も崩れによる微粉の発生が少ないことが望まれ、微粉の発生はケーキ粗生物全体重量の約25%以下が好ましく、約10%以下がより好ましく、約3%以下がさらに好ましい。
【0116】
なお、ケーキ状組成物の崩れの評価は、2mmの篩目サイズを有する直径80mmの篩の上にケーキ状組成物を置き、篩から22mmの高さに蓋をし、TAITEC社のBioshaker V-BR-36の中に固定し、300rpmで10分間振とうし、篩目を通り下に落ちた粉の量を測定することによって得られる。
【0117】
ケーキ状組成物は、前記凍結乾燥前に使用した懸濁液を調製する際に用いられる分散媒を添加することによって、再度懸濁液を調製とすることができる。このときに使用される分散媒としては、水(好ましくは、蒸留水)、高分子水溶液、界面活性剤水溶液等が挙げられ、注射用液として用いられる。
【0118】
ケーキ状組成物を再懸濁する際に用いられる分散媒の量としては、皮下もしくは筋肉内に投与可能な量であればいかなる量でも、よいが、0.5〜3mLが好ましく、1〜2mLがより好ましい。
【0119】
本発明のケーキ状組成物が含有された医療用器具をする上での一連の工程は、全て滅菌された室内で製造することが好ましい。
【0120】
本発明のケーキ状組成物が含有された医療用器具は、シリコーンにより処理された保存容器の内壁とケーキ状組成物との間に空隙を有するため、シリコーンとケーキ状組成物とが、直接的に接触することを抑制できる。そのため、長期保存によって生じる保存容器の内壁に処理されたシリコーンの影響による再懸濁の際のアリピプラゾールの凝集を抑制することができる。
【0121】
本発明のアリピプラゾールを有効成分とするケーキ状組成物は、特定の強度を有するため、外部からの物理的な衝撃に対しても崩壊することを防ぎ、また、使用時に分散媒と混合させた場合に速やかに再懸濁することができる。そのため、医療用器具に封入するためのケーキ状組成物として好適に用いられる。