(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の例示的な実施例を詳細に説明する、添付の図に示されている参照番号は、図全体を通じて可能な限り、同一の参照番号は同一または同様の部分を指すために使用する。
【0013】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図とともに詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形態で具現されるものであり、単に本実施例は、本発明の開示を完全にして本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されているものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義される。
【0014】
本発明の実施例を説明するために図で開示された形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものなので、本発明は、図示された事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は同一の構成要素を指す。また、本発明を説明するに当たって、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0015】
本明細書で言及する「含む」、「有する」、「なされる」などが用いられている場合は、「〜のみ」が使用されていない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現する場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0016】
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0017】
位置関係の説明の場合、例えば、「〜上に」、「〜上部に」、「〜下部に」、「〜の横に」など2つの部分の位置関係が説明されている場合、「すぐ」または「直接」が使用されていない限り、二つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0018】
時間関係に対する説明の場合、例えば、「〜後に」、「〜に続いて」、「〜次に」、「〜前に」など、時間的前後関係が説明されている場合、「すぐ」または「直接」が使用されていない以上、連続していない場合も含むことができる。
【0019】
第1、第2など、多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、ただ一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得る。
【0020】
「X軸方向」、「Y軸方向」および「Z軸方向」とは、互いの関係が垂直方向に成り立った幾何学的な関係だけに解釈してはならず、本発明の構成は、機能的に作用し得る範囲内より広い方向性を有することを意味し得る。
【0021】
「少なくとも一つ」の用語は、一つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むことができると理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目及び第3項目の中から少なくとも一つ」の意味は、第1項目、第2項目または第3項目の各々のみならず、第1項目、第2項目及び第3項目の中から2以上から提示し得るすべての項目の組み合わせを意味し得る。
【0022】
本発明のいくつかの実施例のそれぞれの特徴が部分的にまたは全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施例は、互いに独立して実施可能であり得、連関関連によって一緒に実施することもできる。
【0023】
以下、図を参照して本発明の好ましい実施例に対して詳細に説明することにする。
【0024】
第1実施例
図2は、本発明の第1実施例に係る有機発光表示装置の一例を示した図である。
図2を参照すると、本発明の第1実施例に係る有機発光表示装置100は、表示パネル110、ゲート駆動部120、ディスプレイドライバ(display driver,130)、および軟性フィルム140を含む。
【0025】
表示パネル110は、下部基板111と上部基板112を含む。上部基板112は、封止基板であり得る。下部基板111は、上部基板112よりも大きく形成され得、それによって下部基板111の一部は、上部基板112によって覆われないで露出し得る。
【0026】
表示パネル110の表示領域(DA)には、ゲートライン、データライン及び発光領域が形成される。ゲートラインとデータラインは、互いに交差するように形成される。例えば、ゲートラインはY軸方向に形成され、データラインはX軸方向に形成され得る。発光領域は、ゲートラインとデータラインの交差領域に形成される。表示領域(DA)の発光領域は、映像を表示する。表示領域(DA)の詳細な説明は、
図3及び
図4をまとめて後述する。
【0027】
ゲート駆動部120は、ディスプレイドライバ130から入力するゲート制御信号に応じてゲートラインにゲート信号を供給する。ゲート駆動部120は、表示パネル110の表示領域(DA)の一側の外側の非表示領域(NDA)にGIP(gate driver in panel)方式で形成するか、駆動チップに製作して軟性フィルムに実装してTAB(tape automated bonding)方式で表示パネル110の表示領域(DA)の一側外側の非表示領域(NDA)に付着することもできる。
【0028】
ディスプレイドライバ130は、外部のシステムボードからデジタルビデオデータとタイミング信号が入力する。ディスプレイドライバ130は、タイミング信号に基づいて、ゲート駆動部120の動作タイミングを制御するためのゲート制御信号とデータラインにデータ電圧の供給を制御するためのソース制御信号を発生する。ディスプレイドライバ130は、ゲート制御信号をゲート駆動部120に供給する。
【0029】
ディスプレイドライバ130は、ソース制御信号に応じて、デジタルビデオデータをアナログデータ電圧に変換してデータラインに供給する。ディスプレイドライバ130が駆動チップに製作される場合、COF(chip on film)またはCOP(chip on plastic)方式で軟性フィルム140に実装することができる。
【0030】
下部基板111の大きさは、上部基板112の大きさよりも大きいので、下部基板111の一部は、上部基板112によって覆われないで露出することができる。上部基板112によって覆われないで露出した下部基板111の一部には、パッドを形成することができる。パッドは、データラインと接続したデータパッドとゲート駆動部120に接続したゲートパッドを含む。軟性フィルム140には、パッドとディスプレイドライバ130を接続する導電性配線を形成することができる。軟性フィルム140は、異方性導電フィルム(antisotropic conducting film)を用いて、パッド上に付着され、それによってパッドと軟性フィルム140の導電性配線が接続され得る。
【0031】
図3は、
図2の表示領域の一部を示した平面図である。
図3では説明の便宜上、発光領域(RE、GE、BE)と散乱層(SCL)だけを示した。
【0032】
図3を参照すると、発光領域(RE、GE、BE)は、有機発光層から所定の光を発光する。発光領域は、赤色光を発光する赤色発光領域(RE)、緑色光を発光する緑色発光領域(GE)、および青色光を発光する青色発光領域(BE)を含むことができる。ここで、赤色発光領域(RE)、緑色発光領域(GE)、および青色発光領域(BE)は、一つの画素として機能することができる。
【0033】
一方、発光領域は、赤色発光領域(RE)、緑色発光領域(GE)および青色発光領域(BE)だけでなく、白色光を発光する白色発光領域をさらに含むこともでき、この場合、赤色発光領域(RE)、緑色発光領域(GE)、青色発光領域(BE)および白色発光領域が一つの画素として機能することができる。
【0034】
発光領域(RE、GE、BE)は、バンクによって区画される。すなわち、発光領域(RE、GE、BE)の間には、バンクが配置される。
【0035】
図4は、本発明の第1実施例に係る
図3のI−I’の断面図である。
【0036】
図4を参照すると、下部基板111上に薄膜トランジスタ210が形成される。薄膜トランジスタ210のそれぞれは、半導体層211、ゲート電極212、ソース電極213およびドレイン電極214を含む。
図4では、薄膜トランジスター210が、ゲート電極212が半導体層211の上部に位置する上部ゲート(トップゲート、top gate)方式で形成された例を示したが、これに限定されないことに注意しなければならない。つまり、薄膜トランジスタ210は、ゲート電極212が半導体層211の下部に位置する下部ゲート(ボトムゲート、bottom gate)方式、またはゲート電極212が半導体層211の上部と下部の両方に位置するダブルゲート(double gate)方式で形成することができる。
【0037】
下部基板111上には、半導体層211が形成される。下部基板111と半導体層211の間には、半導体層211を保護して半導体層211の界面接着力を高めるためのバッファ膜(未図示)を形成することができる。バッファ膜(未図示)は、複数の無機膜を含むことができる。半導体層211の上には、層間絶縁膜220を形成することができる。層間絶縁膜220の上には、ゲート電極212を形成することができる。ゲート電極212の上には、ゲート絶縁膜230を形成することができる。ゲート絶縁膜230の上には、ソース電極213及びドレイン電極214を形成することができる。ソース電極213及びドレイン電極214のそれぞれは、層間絶縁膜220と、ゲート絶縁膜230を貫通するコンタクトホールを通じて半導体層211に接続することができる。
【0038】
ソース電極213及びドレイン電極214の上には、平坦化膜240を形成することができる。平坦化膜240は、バンク255によって区画される画素を平坦に配列するための膜である。平坦化膜240は、フォトアクリル(photo acryl)およびポリイミド(polyimide)のようなレジン(resin)で形成することができる。
【0039】
平坦化膜240上には、有機発光素子が形成される。有機発光素子のそれぞれは、アノード電極251、有機発光層253、およびカソード電極254を含み、バンク255によって区画される。
【0040】
平坦化膜240上には、アノード電極251が形成される。アノード電極251のそれぞれは、平坦化膜240を貫通するコンタクトホールを通じてドレイン電極214に接続される。
【0041】
バンク255は、アノード電極251を区画する。バンク255は、アノード電極251のそれぞれの端部を覆うように形成される。本発明の第1実施例に係る有機発光表示装置で、バンク255の表面には、有機発光層253から放出される光を吸収して、吸収した光の周波数を変換させる励起過程を経た後に放出する色相変換膜330を配置することができる。
【0042】
色相変換膜330は、有機発光層253から放出される光を吸収した後、色相を変換して放出する。色相変換膜330は、色相変換物質(color changing material,CCM)または蛍光励起物質を含むことができる。色相変換膜330は、紫外線光を吸収した後、可視光線を放出することができる。
【0043】
光の波長が短いほど、光のエネルギーが大きく、逆に光の波長が長いほど、エネルギーは小さい。色相変換物質または蛍光励起物質は、波長が可視光線より短い紫外線光を吸収して、光エネルギーを吸収して可視光線帯域の波長に励起させた後、励起した可視光線を放出する。
【0044】
色相変換膜330は、赤色変換膜331、緑色変換膜332、及び青色変換膜333を含むことができる。バンク255は、複数の色相変換膜を含むことができる。赤色変換膜331は、赤色カラーフィルタ311と重畳し、緑色変換膜332は、緑色カラーフィルタ312と重畳し、青色変換膜333は、青色カラーフィルタ313と重畳する。
【0045】
バンク255が赤色発光領域(RE)と緑色発光領域(GE)にわたって形成される場合、バンク255は、赤色変換膜331と緑色変換膜332からなり得る。赤色発光領域(RE)に形成された赤色カラーフィルタ311と重畳するように赤色変換膜331を配置して、緑色発光領域(GE)に形成された緑色カラーフィルタ312と重畳するように緑色変換膜332を配置する。これにより、バンク255の中の赤色変換膜331から放出される赤色光は、赤色カラーフィルタ311を透過することができ、緑変換膜332から放出される緑色光は、緑色カラーフィルタ312を透過することができ、光を効率的に用いることができ、本来非発光領域であったバンク255が発光することができる。
【0046】
バンク255が緑色発光領域(GE)と青色発光領域(BE)にわたって形成される場合、バンク255は、緑色変換膜332と青色変換膜333からなり得る。緑色発光領域(GE)に形成された緑色カラーフィルタ312と重畳するように緑色変換膜332を配置して、青色発光領域(BE)に形成された青色カラーフィルタ313と重畳するように青色変換膜333を配置する。これにより、バンク255の中の緑色変換膜332から放出される緑色光は、緑色カラーフィルタ312を透過することができ、青色変換膜333から放出される青色光は、青色カラーフィルタ313を透過することができ、光を効率的に用いることができ、本来非発光領域であったバンク255が発光することができる。
【0047】
バンク255が青色発光領域(BE)と赤色発光領域(RE)にわたって形成される場合、バンク255は、青色変換膜333と赤色変換膜331からなり得る。青色発光領域(BE)に形成された青色カラーフィルタ313と重畳するように青色変換膜333を配置して、赤色発光領域(RE)に形成された赤色カラーフィルタ311と重畳するように赤色変換膜331を配置する。これにより、バンク255の中の青色変換膜333から放出される青色光は、青色カラーフィルタ313を透過することができ、赤色変換膜331から放出される赤色光は、赤色カラーフィルタ311を透過することができ、光を効率的に用いることができ、本来非発光領域であったバンク255が発光することができる。
【0048】
すなわち、バンク255上に色相変換膜330が形成されていない場合、非発光領域に対応するバンク255がそのまま視認され得る。しかし、バンク255上に色相変換膜330を形成する場合、バンクも隣接する発光領域(RE、GE、BE)のような色相の光を放出するので、バンク255がほぼ視認されないことが起こり得る。
【0049】
アノード電極251とバンク255の上に有機発光層253が形成される。有機発光層253のそれぞれは、正孔輸送層(hole transporting layer)、発光層(light emitting layer)、および電子輸送層(electron transporting layer)を含むことができる。この場合、アノード電極251とカソード電極254に電圧が印加されると正孔と電子がそれぞれ正孔輸送層と電子輸送層を通じて発光層に移動することになり、発光層で互いに結合して発光するようになる。
【0050】
有機発光層253は、紫外線(ultraviolet,UV)光を発光するUV発光層または白色光を発光する白色発光層を含むことができる。この場合、UV発光層または白色発光層は、表示領域(DA)の全面に形成することができる。または、有機発光層253は、赤色光を発光する赤色発光層、緑色光を発光する緑色発光層、青色光を発光する青色発光層を含むことができ、この場合、赤色発光層は、赤色発光領域(RE)のみに形成され、緑色発光層は、緑色発光領域(GE)のみに形成され、青色発光層は、青色発光領域(BE)のみに形成することができる。
【0051】
カソード電極254は、有機発光層253とバンク255を覆うように有機発光層253とバンク255の上に形成される。
【0052】
有機発光表示装置は、上部発光(top emission)方式で実装することができる。上部発光方式では、有機発光層253の光が上部基板112方向に発光するので、薄膜トランジスタ210をバンク255とアノード電極251の下に広く設けることができる。つまり、上部発光方式は、下部発光(bottom emssion)方式に比べて薄膜トランジスタ210の設計領域が広いという長所がある。また、上部発光方式では、マイクロキャビティ(micro cavity)効果を得るために、アノード電極251がアルミニウム、およびアルミニウムとITOの積層構造のような反射率の高い金属材料で形成されることが好ましい。さらに、上部発光方式では、有機発光層253の光が上部基板112方向に発光するので、カソード電極254は、光を透過させることができるITO、IZOのような透明な金属物質で形成するか、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)のような半透明の金属物質で形成することができる。
【0053】
カソード電極254上には、封止膜260が形成される。封止膜260は、有機発光層253に酸素または水分が浸透することを防止する役割をする。このため、封止膜260は、第1無機膜261、有機膜262及び第2無機膜263を含むことができる。
【0054】
第1無機膜261は、カソード電極254を覆うようにカソード電極254上に形成される。有機膜262は、異物(particles)が第1無機膜261を突破して有機発光層253とカソード電極254に投入されるのを防止するために、第1無機膜261上に形成される。第2無機膜263は、有機膜262を覆うように有機膜262上に形成される。
【0055】
第1無機膜261および第2無機膜263のそれぞれは、シリコン窒化物、窒化アルミニウム、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物またはチタン酸化物で形成することができる。例えば、第1および第2無機膜の261、263のそれぞれは、SiO
2、Al
2O
3、SiON、SiNxで形成することができる。有機膜262は、有機発光層253から発光された光を通過させるために透明に形成することができる。
【0056】
下部基板111と上部基板112は、透明接着層400によって合着される。透明接着層400は、透明な接着レジンであり得る。詳細には、透明接着層400は、下部基板111の第2無機膜263と上部基板112を接着する。
【0057】
以上で説明したように、本発明の第1実施例に係る有機発光表示装置は、バンク255が色相変換膜330を含む。その結果、本発明の第1実施例に係る有機発光表示装置は、発光領域(RE、GE、BE)の端部に形成されたバンク255に隣接する発光領域(RE、GE、BE)のような色相の光を放出するので、バンク255がほぼ視認され得ない。したがって、本発明の第1実施例に係る有機発光表示装置は、ヘッドマウントディスプレイに適用してもバンク255が格子形状に視認されることを防止することができる。ヘッドマウントディスプレイの詳細な説明は、
図10a、
図10b、
図11及び
図12をまとめて後述する。
【0058】
第2実施例
図5は、本発明の第2実施例に係る
図3のI−I’の断面図である。
図5では、バンク255を除いて、
図4で説明したのと実質的に同一である。以下では、説明の便宜上、
図4と実質的に同一の構成に対する詳細な説明は省略する。
【0059】
バンク255は、アノード電極251を区画する。バンク255は、アノード電極251のそれぞれの端部を覆うように形成される。
【0060】
バンク255は、隣接する発光領域間の色相の変化を緩やかにするために、
図6のように赤色、緑色、および青色のうち2つの色を混合した色に変換することができる第3色相変換膜を第1色相変換膜と第2色相変換膜の間にさらに含むことができる。第3色相変換膜は、第1カラーフィルタと第2カラーフィルタの境界部に重畳することができる。
【0061】
赤色発光領域(RE)と緑色発光領域(GE)との間に設けられたバンクは、赤色変換膜331と緑色変換膜332との間に赤色と緑色を混合した黄色変換膜334をさらに含むことができる。緑色発光領域(GE)と青色発光領域(BE)との間に設けられたバンクは、緑色変換膜332と緑色変換膜333との間に緑色と青色を混合したシアン変換膜335をさらに含むことがている。青色発光領域(BE)と赤色発光領域(RE)との間に設けられたバンクは、青色変換膜333と赤色変換膜331との間に青色と赤色を混合した紫色変換膜336をさらに含むことができる。
【0062】
以上で説明したように、本発明の第2実施例は、赤色、緑色、および青色のうち2つの色を混合した色に変換することができる第3色相変換膜を第1色相変換膜と第2色相変換膜との間にさらに含むことができる。その結果、本発明の第2実施例に係る有機発光表示装置は、隣接する発光領域間の色の変化を緩やかにすることができる。したがって、本発明の第2実施例に係る有機発光表示装置は、ヘッドマウントディスプレイに適用しても隣接する発光領域間の色相の変化を緩やかにすることができる。ヘッドマウントディスプレイの詳細な説明は、
図10a、
図10b、
図11及び
図12をまとめて後述する。
【0063】
第3実施例
図6は、本発明の第3実施例に係る
図3のI−I’の断面図である。
図6は、バンク255を除いては、
図4で説明したのと実質的に同一である。以下では、説明の便宜上、
図4と実質的に同一の構成に対する詳細な説明は省略する。
【0064】
バンク255は、アノード電極251を区画する。バンク255は、アノード電極251のそれぞれの端部を覆うように形成される。
【0065】
バンク255は、隣接する発光領域との間の混色を防止するために、
図7のように光を吸収する光遮断層340を赤色変換膜331と緑色変換膜332、緑色変換膜332と青色変換膜333、及び青色変換膜333と赤色変換膜331との間にさらに含むことができる。光遮断層340は、第1カラーフィルタと第2カラーフィルタの境界部に重畳することができる。
【0066】
以上で説明したように、本発明の第3実施例は、赤色、緑色、および青色のうち2つの色の混色を防止するために光を吸収する光遮断層340を第1色相変換膜と第2色相変換膜の間にさらに含むことができる。その結果、本発明の第3実施例に係る有機発光表示装置は、隣接する発光領域間の混色を防止することができる。したがって、本発明の第3実施例に係る有機発光表示装置は、ヘッドマウントディスプレイに適用しても隣接する発光領域間の混色を防止することができる。ヘッドマウントディスプレイの詳細な説明は、
図10a、
図10b、
図11及び
図12をまとめて後述する。
【0067】
第4実施例
図7は、本発明の第4実施例に係る
図3のI−I’の断面図である。
図7では散乱層(SCL)を除いては、
図4において説明したのと実質的に同一である。以下では、説明の便宜上のために、
図4と実質的に同一の構成に対する詳細な説明は省略する。
【0068】
バンク255上に散乱層(SCL)が形成される。散乱層(SCL)は、光を散乱させることができる散乱体を含む。散乱体はTiO
2、ZrO
2のような高屈折金属酸化物であり得る。散乱体の大きさは、100nm〜300nmであり、散乱体は散乱層(SCL)内に5%〜30%含むことが好ましい。散乱体の大きさが100nmよりも小さいか、散乱体が散乱層(SCL)内に5%未満で含まれる場合、光散乱効果が低くなることがある。散乱体の大きさが300nmより大きいか、散乱体が30%を超えて含まれる場合は、光透過率が低くなることがある。
【0069】
散乱層(SCL)は、バンク255と、重畳するように形成される。これにより、散乱層(SCL)は、バンク255上に形成された色相変換膜330から放出される光を散乱させることができる。色相変換膜330から放出される光が散乱されるので、散乱した光によってバンク255が視認されることを防止することができる。
【0070】
一方、散乱層(SCL)と発光領域(RE、GE、BE)それぞれが互いに重畳する面積が広いほど散乱層(SCL)によって散乱される光が多くなるので、散乱層(SCL)の散乱効果は大きくなり得る。しかし、散乱層(SCL)の散乱効果が大きくなりすぎる場合、映像がぼやけて見えるヘイズ(haze)が発生する問題がある。したがって、散乱層(SCL)と発光領域(RE、GE、BE)それぞれが互いに重なる面積は、事前実験を通じて事前に定めることができる。
【0071】
以上で説明したように、本発明の第4実施例は、バンク255上に散乱層(SCL)を形成する。その結果、色相変換膜330から放出される光が散乱するので、散乱した光によってバンク255がほぼ視認され得ない。したがって、本発明の第4実施例に係る有機発光表示装置は、ヘッドマウントディスプレイに適用してもバンク255が格子形状に見えることを防止することができる。ヘッドマウントディスプレイの詳細な説明は、
図10a、
図10b、
図11及び
図12をまとめて後述する。
【0072】
第5実施例
図8及び
図9は、本発明の第5実施例に係る
図3のI−I’の断面図である。
図8及び
図9は、バンク255および偏光板270を除いて、
図4において説明したのと実質的に同一である。以下では、説明の便宜上、
図4と実質的に同一の構成に対する詳細な説明は省略する。
【0073】
図8のように、バンク255は、有機膜(OL)、反射層(RL)、および散乱層(SCL)を含むことができる。
【0074】
有機膜(OL)は、アノード電極251を区画する。有機膜(OL)は、バンク255の位置と形状を維持する。有機膜(OL)は、反射層(RL)が移動しないように固定することができる。有機膜(OL)の内部には、有機発光層253から放出される光が入射しない。したがって、有機膜(OL)は、光の特性に関係なしにバンク255を容易に形成することができるすべての種類の物質で形成することができる。
【0075】
反射層(RL)は、有機膜(OL)の表面を覆う。反射層(RL)は、有機発光層253から放出される光を反射させる。反射層(RL)の形態は、隣接する有機発光層253との混色を防止するために傾斜面を形成したテーパー(taper)型であり得る。反射層(RL)は、反射率の高いすべての種類の物質で形成することができる。
【0076】
散乱層(SCL)は、反射層の表面を覆う。散乱層(SCL)は、本発明の第3実施例に係る散乱層(SCL)と実質的に同じで、これに対する詳細な説明は省略する。
【0077】
または、
図9のように、バンク255は、光遮断層340および散乱層(SCL)を含むことができる。
【0078】
光遮断層340は、バンク255の内部層を形成する。光遮断層340は、バンク255の位置と形状を維持して、有機発光層253から放出される光を吸収する。光遮断層340は、ブラックバンクまたはグレーバンクで形成することができる。光遮断層340は、光を吸収することができる物質または反射率が20%以下の物質で形成することができる。
【0079】
散乱層(SCL)は、光遮断層340の表面を覆う。散乱層(SCL)は、本発明の第4実施例に係る散乱層(SCL)と実質的に同じで、これに対する詳細な説明は省略する。
【0080】
上部基板112上には、偏光板270を付着することができる。偏光板270は、外部光が、上部基板112、カソード電極254およびアノード電極251によって、使用者に反射することを防止するためのものである。つまり、本発明の第5実施例は、上部基板112上に偏光板270を付着することにより、外部光により発光領域(RE、GE、BE)が表示する映像の視認性が低くなることを防止することができる。
【0081】
以上で説明したように、本発明の第5実施例は、バンク255を有機膜(OL)、反射層(RL)、および散乱層(SCL)で形成する。その結果、本発明の第5実施例による有機発光表示装置は、有機発光層253から放出される光が反射層(RL)で反射した後、散乱層(SCL)で散乱するので、散乱した光によって非発光領域に対応するバンク255がほぼ視認され得ない。したがって、本発明の第5実施例による有機発光表示装置は、ヘッドマウントディスプレイに適用しても、非発光領域が格子形状に表示されることを防止することができる。
【0082】
図10a及び
図10bは、本発明の実施例に係るヘッドマウントディスプレイの例を示した図である。
【0083】
図10a及び
図10bを参照すると、本発明の実施例に係るヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、ディスプレイ収納ケース10、左眼レンズ20aと右眼レンズ20b、およびヘッド装着バンド30を含む。
【0084】
ディスプレイ収納ケース10は、ディスプレイ装置を収納し、左眼レンズ20aと右眼レンズ20bにディスプレイ装置の映像を提供する。ディスプレイ装置は、本発明の実施例による有機発光表示装置であり得る。本発明の実施例による有機発光表示装置は、
図2〜
図9で、既に前詳しく説明した。
【0085】
ディスプレイ収納ケース10は、左眼レンズ20aと右眼レンズ20bに同じ映像を提供するように設計することができる。または、左眼レンズ20aには、左眼映像が表示され、右眼レンズ20bには、右眼映像が表示されるように設計することができる。
【0086】
ディスプレイ収納ケース10内には、
図12に示したように左眼レンズ20aの前に配置される左眼用有機発光表示装置11と右眼レンズ20bの前に配置される右眼用有機発光表示装置12を収納できる。
図12には、ディスプレイ収納ケース10を上から見た時の断面図が示されている。左眼用有機発光表示装置11は、左眼映像を表示し、右眼用有機発光表示装置12は、右眼映像を表示することができる。これにより、左眼用有機発光表示装置11に表示される左眼映像は、左眼レンズ20aを通じて使用者の左眼(LE)に示し、右眼用有機発光表示装置11に表示される右眼映像は、右眼レンズ20bを通じて使用者の右眼(RE)に示すことができる。
【0087】
ディスプレイ収納ケース10内には、
図13のように左眼レンズ20aと右眼レンズ20bの前に配置されるミラー反射板13と鏡反射板13上に配置される有機発光表示装置14が収納され得る。
図13には、ディスプレイ収納ケース10を横から見た時の断面図が示されている。有機発光表示装置14は、ミラー反射板13方向に映像を表示して、ミラー反射板13は、有機発光表示装置14の映像を左眼レンズ20aと右眼レンズ20bの方向に全反射する。これにより、有機発光表示装置14に表示される映像を、左眼レンズ20aと右眼レンズ20bに提供することができる。
図13は、説明の便宜上、左眼レンズ20aと使用者の左眼(LE)のみ示した。
【0088】
ディスプレイ収納ケース10の一側面には、左眼レンズ20aと右眼レンズ20bが配置される。左眼レンズ20aと右眼レンズ20bは、ディスプレイ収納ケース10を覗いて見ることができるように形成されている。左眼レンズ20aには、使用者の左眼が位置し、右眼レンズ20bには、使用者の右眼が位置することができる。
【0089】
左眼レンズ20aと右眼レンズ20bのそれぞれは、凸レンズであり得る。この場合、左眼レンズ20aと右眼レンズ20bによって、ディスプレイ収納ケース10に表示される映像は、使用者に拡大して見え得る。または、左眼レンズ20aと右眼レンズ20bのそれぞれは、ディスプレイ収納ケース10に表示される映像を拡大または縮小するための機能を有しない場合もある。
【0090】
ヘッド装着バンド30は、ディスプレイ収納ケース10に固定される。ヘッド装着バンド30は、使用者の頭の上面と両側面を囲むように形成された例を示したが、これに限定されない。ヘッド装着バンド30は、使用者の頭にヘッドマウントディスプレイを固定するためのもので、メガネフレームの形態やヘルメットの形態に形成することもできる。
【0091】
一方、従来のヘッドマウントディスプレイは、使用者の目の前にすぐに有機発光表示装置の映像が見えるので、
図1のように、非発光領域が格子形状に見える問題がある。しかし、本発明の実施例に係るヘッドマウントディスプレイは、バンク255が色相変換膜330を含む。その結果、本発明の実施例による有機発光表示装置は、発光領域(RE、GE、BE)の端部に形成されたバンク255に隣接する発光領域(RE、GE、BE)のような色相の光を放出するので、バンク255がほぼ視認され得ない。したがって、本発明の実施例に係るヘッドマウントディスプレイは、有機発光表示装置の非発光領域が格子形状に表示されることを防止することができる。
【0092】
また、本発明の実施例に係るヘッドマウントディスプレイは、バンク255を有機膜(OL)、反射層(RL)、および散乱層(SCL)で形成する。その結果、本発明の実施例は、有機発光層253から放出される光が反射層(RL)で反射した後、散乱層(SCL)で散乱するので、散乱した光によって、非発光領域に対応するバンク255がほぼ視認され得ない。したがって、本発明の実施例に係るヘッドマウントディスプレイは、有機発光表示装置の非発光領域が格子形状に表示されることを防止することができる。
【0093】
以上、添付した図を参照して、本発明の実施例をより詳細に説明したが、本発明は、必ずしもこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で多様に変形実施することができる。したがって、本発明の開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、これらの実施例により、本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり限定的ではないと理解されなければならない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈され、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。