(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2に開示された遊技機にあっては、可動ベース板を回動可能として基板の裏側を確認できるようにした場合に、今度は鍵部材や鍵取付金具が不要となって、これら鍵部材等を紛失してしまうおそれがあった。さらに、基板の係脱が可能な係止片部と第1鍵取付金具とが別部材であるため、取付構造自体が複雑であるという問題もある。
【0008】
そこで本発明は、かかる現状に鑑みて為されたものであり、部品の紛失といった問題がなく、しかも基板の裏側を確認可能とするか否かを状況に応じて適宜選択できる簡易な構造の遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基板を有する基板装着部材と、前記基板装着部材が取り付けられる被着部材と、が少なくとも部分的に離開可能である遊技機であって、前記基板装着部材又は前記被着部材には、離開制御部材取付位置が設けられており、前記離開制御部材取付位置には、離開制御部材が、互いに異なる第1取付姿勢及び第2取付姿勢のうちいずれかの取付姿勢で取り付け可能となっており、前記離開制御部材が、前記離開制御部材取付位置に前記第1取付姿勢で取り付けられているときには、前記基板装着部材と前記被着部材とが離開することを許容される離開許容状態となり、前記離開制御部材が、前記離開制御部材取付位置に前記第2取付姿勢で取り付けられているときには、前記基板装着部材と前記被着部材とが離開不能とされる離開不能状態となり、前記離開制御部材は、前記基板装着部材に対して固定手段を介して固定されている構成にあって、前記固定手段を覆う固定手段用被覆部材を備え、前記固定手段用被
覆部材は、前記固定手段に対して、外部からの接触を不能としていることを特徴とする遊技機である。
また、本発明は、基板を有する基板装着部材と、前記基板装着部材が取り付けられる被着部材と、が少なくとも部分的に離開可能である遊技機であって、前記基板装着部材には、離開制御部材取付位置が設けられており、前記離開制御部材取付位置には、離開制御部材が、互いに異なる第1取付姿勢及び第2取付姿勢のうちいずれかの取付姿勢で取り付け可能となっており、前記離開制御部材が、前記離開制御部材取付位置に前記第1取付姿勢で取り付けられているときには、前記基板装着部材と前記被着部材とが離開することを許容される離開許容状態となり、前記離開制御部材が、前記離開制御部材取付位置に前記第2取付姿勢で取り付けられているときには、前記基板装着部材と前記被着部材とが離開不能とされる離開不能状態となり、前記被着部材には、前記基板装着部材に向かって開口した所定深さの離開制御部材挿通用凹部が設けられており、前記離開制御部材挿通用凹部内には、前記基板装着部材とは反対側に向いた係止段面が形成されており、前記離開制御部材は、前記基板装着部材に設けられた離開制御部材取付位置に取り付け可能であると共に、前記離開制御部材挿通用凹部に少なくとも挿通可能な径小部を具備し、前記径小部の一端部には、当該離開制御部材が前記離開制御部材挿通用凹部に挿通された状態において前記基板装着部材側へ向かって抜脱可能に前記係止段面に仮係止する抜脱可能係止径大部が形成されており、かつ、前記径小部の他端部には、当該離開制御部材が前記離開制御部材挿通用凹部に挿通された状態において前記基板装着部材側へ抜脱不能に前記係止段面に係止する抜脱不能係止径大部が形成されており、前記離開制御部材取付位置に前記第1取付姿勢で取り付けられているときには、前記係止段面に対して前記抜脱可能係止径大部が仮係止して前記離開許容状態となり、前記離開制御部材取付位置に前記第2取付姿勢で取り付けられているときには、前記係止段面に対して前記抜脱不能係止径大部が係止して前記離開不能状態となることを特徴とする遊技機である。
また、本発明は、基板を有する基板装着部材と、前記基板装着部材が取り付けられる被着部材と、が少なくとも部分的に離開可能である遊技機であって、前記基板装着部材又は前記被着部材には、離開制御部材取付位置が設けられており、前記離開制御部材取付位置には、離開制御部材が、互いに異なる第1取付姿勢及び第2取付姿勢のうちいずれかの取付姿勢で取り付け可能となっており、前記離開制御部材が、前記離開制御部材取付位置に前記第1取付姿勢で取り付けられているときには、前記基板装着部材と前記被着部材とが離開することを許容される離開許容状態となり、前記離開制御部材が、前記離開制御部材取付位置に前記第2取付姿勢で取り付けられているときには、前記基板装着部材と前記被着部材とが離開不能とされる離開不能状態となり、前記離開制御部材は、主要部と、前記主要部を基準として一方に一端部が配され、かつ前記一端部の反対側となる他方に他端部が配されており、前記第1取付姿勢の前記離開制御部材の一端部は、前記被着部材側に向き、かつ当該離開制御部材の他端部は、前記基板装着部材側に向き、一方、第2取付姿勢の前記離開制御部材の一端部は、前記基板装着部材側に向き、かつ当該離開制御部材の他端部は、前記被着部材側に向いていることを特徴とする遊技機である。
また、本発明は、基板を有する基板装着部材と、前記基板装着部材が取り付けられる被着部材と、が少なくとも部分的に離開可能である遊技機であって、前記基板装着部材には、離開制御部材取付位置が設けられており、前記離開制御部材取付位置には、離開制御部材が、互いに異なる第1取付姿勢及び第2取付姿勢のうちいずれかの取付姿勢で取り付け可能となっており、前記離開制御部材が、前記離開制御部材取付位置に前記第1取付姿勢で取り付けられているときには、前記基板装着部材と前記被着部材とが離開することを許容される離開許容状態となり、前記離開制御部材が、前記離開制御部材取付位置に前記第2取付姿勢で取り付けられているときには、前記基板装着部材と前記被着部材とが離開不能とされる離開不能状態となり、前記離開制御部材は、円筒形状の円筒部と、ねじ挿通孔が貫通状に設けられている端面部とを備えたキャップ形状からなり、前記被着部材には、ねじ孔が形成されており、前記離開制御部材が第1取付姿勢のときに、前記円筒部が前記被着部材側に配され、かつ締結部材としてのねじが前記端面部の前記ねじ挿通孔に挿通された上で前記端面部上に前記ねじの頭部が載置されて当該ねじが前記被着部材の前記ねじ孔に螺合していない状態となり、前記離開制御部材が第2取付姿勢のときに、前記端面部が前記被着部材側に配され、かつ前記ねじが前記ねじ挿通孔に挿通された上で当該ねじが前記被着部材の前記ねじ孔に到達して螺合した状態となることを特徴とする遊技機である。
【0010】
かかる構成にあって、前記離開許容状態では、前記基板装着部材が前記被着部材に対して適宜離開可能となるため、例えば基板の裏側を点検することが容易となる。また、前記離開不能状態では、前記基板装着部材が前記被着部材に対して離開不能となるため、基板の裏側に対する不正行為を防止できると共に、点検作業の負担を低減することもできる。そして、離開許容状態とした場合にも離開不能状態とした場合にも、前記離開制御部材を共通部材とし、しかも同一の離開制御部材取付位置で使用するため、いずれの状態を選択した場合でも前記離開制御部材を紛失してしまうおそれがない。
【0011】
ここで、前記被着部材には、前記基板装着部材に向かって開口した所定深さの離開制御部材挿通用凹部が設けられており、前記離開制御部材挿通用凹部内には、前記基板装着部材とは反対側に向いた係止段面が形成されており、前記離開制御部材は、前記基板装着部材に設けられた離開制御部材取付位置に取り付け可能であると共に、前記離開制御部材挿通用凹部に少なくとも挿通可能な径小部を具備し、前記径小部の一端部には、当該離開制御部材が前記離開制御部材挿通用凹部に挿通された状態において前記基板装着部材側へ向かって抜脱可能に前記係止段面に仮係止する抜脱可能係止径大部が形成されており、かつ、前記径小部の他端部には、当該離開制御部材が前記離開制御部材挿通用凹部に挿通された状態において前記基板装着部材側へ抜脱不能に前記係止段面に係止する抜脱不能係止径大部が形成されており、前記離開制御部材取付位置に前記第1取付姿勢で取り付けられているときには、前記係止段面に対して前記抜脱可能係止径大部が仮係止して前記離開許容状態となり、前記離開制御部材取付位置に前記第2取付姿勢で取り付けられているときには、前記係止段面に対して前記抜脱不能係止径大部が係止して前記離開不能状態となる構成が提案される。
【0012】
かかる構成にあっては、離開許容状態で基板装着部材と被着部材とを離開可能に仮固定することができる。このため、基板装着部材を被着部材から離開させる際に、軽い手応えを付与することが可能となる。このため、意図せず基板装着部材が被着部材に対して離開してしまうことを抑制することができる。また、離開させた基板装着部材を元の位置に戻す際に、前記手応えを得ることで基板装着部材と被着部材との相対的な位置関係が作業者にとって把握しやすいという利点もある。一方、離開不能状態においては、前記基板装着部材が離開することを確実に阻止することができる。
【0013】
さらに、前記離開制御部材は、前記基板装着部材に対して固定手段を介して固定されている構成にあって、前記固定手段を覆う固定手段用被覆部材を備え、前記固定手段用被複部材は、前記固定手段に対して、外部からの接触を不能としていることが望ましい。
【0014】
かかる構成にあって、前記離開制御部材に対して不正行為を行おうとするときは固定手段を破壊することで離開制御部材の固定状態を解除しなければならないところ、固定手段が固定手段用被覆部材によって覆われているため、固定手段用被覆部材には破壊時の痕跡が残る利点がある。このため、不正行為が行われたことを早期に発見でき、不正行為による被害の拡大を抑制できる。
【0015】
また、前記基板装着部材及び前記被着部材を覆う離開制御部材用被覆部材を備え、前記離開制御部材用被覆部材は、少なくとも離開制御部材に対して、外部からの接触を不能としていることが望ましい。
【0016】
かかる構成にあっては、前記離開制御部材に対する不正行為をより一層確実に防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明をスロットマシンに適用した実施形態を、以下の実施例に従って説明する。なお、以下の説明の中で、表側とは遊技者側であり、表面とは遊技者側に向く面である。一方、裏側とはスロットマシンにおける背板21側であり、裏面とは背板21側に向く面である。
【0019】
〔実施例1〕
図1に示すように、スロットマシン1の筐体2は前方に開放しており、前方から前扉3によって覆われている。さらに前扉3の中央部には、筐体2の内部に配設された三つのリール5を視認するための視認窓4が設けられている。
【0020】
また、
図1に示すように、筐体2は背板21を有し、背板21におけるリール5の上方位置には、矩形箱体からなる保護カバー160が設置されている。保護カバー160内には、後述する基板ケース120が配設されている。
【0021】
次に、保護カバー160内に配置される基板装着部材取付構造150を、
図2等に従って説明する。
【0022】
図2に示すように、保護カバー160内には、基板ケース120を筐体2内に取り付けるための基板装着部材取付構造150が配置されており、基板装着部材取付構造150は、基板装着部材90と、基板装着部材90が回動自在に取り付けられる被着部材91とで構成されている。
【0023】
まず、基板装着部材90について説明する。
基板装着部材90は、背板21に固定されるヒンジ部材100と、ヒンジ部材100に回動自在に取り付けられる回動部材110と、回動部材110に固定される基板ケース120とで構成されている。
【0024】
ヒンジ部材100は、コ字状部材からなり、いわゆる軸受け構造を有している。また、回動部材110は、横長でほぼ平板形状をなす主板部111を有し、主板部111の一方の側端部がヒンジ部材100に接続されている。そして主板部111の表面に、固定ねじ125によって基板ケース120が固定されている。なお、主板部111の他方の側端部には、本発明にかかる離開制御部材取付位置となる離開制御部材取付用凸片部117が設けられている。離開制御部材取付用凸片部117については、本発明の要部にかかるため、後で詳述する。また、以下の説明のなかでは、回動部材110における前記一方の側端部を基端部とし、前記他方の側端部を先端部として適宜説明する。
【0025】
次に、基板ケース120について説明する。
基板ケース120は、
図3に示すように、電子部品が実装される基板81を収容するものであって、基板81の表側を覆う透明なカバー体121と、基板81の裏側を覆う透明なベース体122と、カバー体121とベース体122とを固定させる固定部材123とを備えている。なお、固定部材123はワンウェイピンやワンウェイねじ等の周知のものが好適に適用される。
【0026】
そして、
図2に示すように、保護カバー160が、回動部材110に対して固定用ねじ163によって固定されている。かかる構成により、保護カバー160が、基板ケース120を完全に被覆して外部と基板ケース120とを遮断し、外部からの接触を不能としている。具体的には、工具等が侵入しうる隙間が生じないように保護カバー160が基板ケース120の周囲を全周にわたって包囲することで、基板ケース120に対する不正行為が阻止されている。
【0027】
一方、
図2に示すように、被着部材91は、背板21と、背板21に取り付けられる係合受け部材180とによって構成されている。なお、係合受け部材180の詳細については、後で述べる。
【0028】
これまでに述べた構成にあって、回動部材110が背板21に対して回動することにより、
図4及び
図5に示すように、閉鎖位置にある基板装着部材90が、背板21から部分的に離開して開放位置となる。ここで、回動部材110における、少なくとも基板ケース120の裏面に対向する部分が視認可能に透明となっており、回動部材110を開放位置とすることで基板ケース120の裏面側の点検が可能となっている。
【0029】
次に、本発明の要部について説明する。
【0030】
図2に示すように、回動部材110における先端部には、板片形状の離開制御部材取付用凸片部117が、ヒンジ部材100側とは反対側に向かって突出するように形成されている。なお、本実施例において離開制御部材取付用凸片部117は、回動部材110の回動軸と離開制御部材取付用凸片部117とを含む平面が背板21の表面と平行となるように、回動部材110の先端部に二つ並んで形成されており、本実施例においては、一対の離開制御部材取付用凸片部117,117が、ヒンジ部材100の軸心方向と平行な方向に沿って上下に並んでいる。そして、各離開制御部材取付用凸片部117の裏面に、離開制御部材170が取り付けられる。以下、離開制御部材170を
図6に従って詳細に説明する。
【0031】
図6に示すように離開制御部材170は、ほぼ角柱形状の弾性部材からなり、主要部となる径小部171と、径小部171の一端部に配された抜脱可能係止径大部172と、径小部171の他端部に配された抜脱不能係止径大部173とを備えている。
【0032】
さらに詳述すると、離開制御部材170は、中央を貫通するようにねじ孔175が形成されており、ねじ孔175の中心軸線方向に直交する方向に、抜脱可能係止径大部172及び抜脱不能係止径大部173が突き出されている。具体的には、径小部171の外寸幅W1を基準として、抜脱可能係止径大部172の外寸幅W2よりも抜脱不能係止径大部173の外寸幅W3の方が大きい寸法形状に各々設定されている(W1<W2<W3)。換言すれば、径小部171の周面を基準として、抜脱可能係止径大部172の突出量よりも抜脱不能係止径大部173の突出量の方が大きい寸法形状となっている。
【0033】
そして、
図5等に示すように、固定手段である離開制御部材取付用ねじ151が離開制御部材取付用凸片部117と離開制御部材170のねじ孔175とに挿通されることで、各離開制御部材取付用凸片部117の裏面に離開制御部材170が脱着自在にねじ止め可能となっている。なお、離開制御部材取付用凸片部117に対する離開制御部材170の取付姿勢については、後で詳述する。
【0034】
一方、背板21には、
図2等に示すように、離開制御部材170が挿入可能な係合受け部材180が取り付けられている。
【0035】
さらに詳述すると、
図7に示すように、係合受け部材180は、ほぼ直方体形状を有しており、かつ、基板装着部材90側(表側)と両側方に向かって開口した所定深さの離開制御部材挿通用凹部181,181が上述の回動部材110が閉鎖位置に位置したときの離開制御部材取付用凸片部117,117の各位置に対応して上下一対で設けられている。すなわち、一対の離開制御部材挿通用凹部181,181が、ヒンジ部材100の軸心方向に平行な方向に沿って並んで配置されている。なお、上述の離開制御部材170は、一つの基板ケース120に対して必ずしも2個使用される必要はなく、最少の1個であっても、あるいは3個以上であってもよい。また、離開制御部材取付用凸部117や離開制御部材挿通用凹部181は、使用される離開制御部材170の個数に対応して適宜設けられる。
【0036】
また、離開制御部材挿通用凹部181内には、基板装着部材90とは反対側(裏側)に向いた係止段面185が形成されることにより、離開制御部材挿通用凹部181の開口縁部には、開口幅W4かつ深さD1の入口部187が設けられていると共に、離開制御部材挿通用凹部181の最奥には、入口部187の開口幅W4よりも大きな幅W5かつ深さD2の最深部188が設けられている。
【0037】
ここで、再度、離開制御部材170と離開制御部材挿通用凹部181の各部位の寸法形状について詳述する。
【0038】
離開制御部材170における径小部171の外寸幅W1は、離開制御部材挿通用凹部181における入口部187の開口幅W4と一致している(対応している)。
【0039】
また、離開制御部材170における径小部171の径小部長さL1(抜脱可能係止径大部172と抜脱不能係止径大部173との離間距離)は、離開制御部材挿通用凹部181における入口部187の深さD1と一致している(対応している)。
【0040】
また、離開制御部材170における抜脱可能係止径大部172の外寸幅W2は、離開制御部材挿通用凹部181における入口部187の開口幅W4より大きく、かつ当該入口部187を抜脱可能係止径大部172が撓みながら通過できるような寸法となっている。
【0041】
また、離開制御部材170における抜脱不能係止径大部173の外寸幅W3は、離開制御部材挿通用凹部181における入口部187の開口幅W4より大きく、かつ当該入口部187を抜脱不能係止径大部173が通過不能となる寸法となっている。
【0042】
なお、
図6に示す離開制御部材170にあって、径小部171と抜脱可能係止径大部172との境界部から端部までの先端長さL2、及び、径小部171と抜脱不能係止径大部173との境界部から端部までの先端長さL3はいずれも、離開制御部材挿通用凹部181における最深部188の深さD2よりも短い寸法となっている。
【0043】
次に、離開制御部材170の取付態様について説明する。
図8等に示すように、離開制御部材170は、離開制御部材挿通用凹部181内に側方側の開口から挿入されて配置された上で、離開制御部材取付用凸片部117に離開制御部材取付用ねじ151を介してねじ止めされる。なお、ねじ孔175は、予め雌ねじが切られた構成であってもよいし、タッピングねじをねじ合わせたりする構成であってもよい。また、ねじ孔175は、いずれの孔開口からも離開制御部材取付用ねじ151が挿通可能となっている。
【0044】
そして、例えば
図8に示すように、離開制御部材170の抜脱可能係止径大部172が離開制御部材挿通用凹部181内に位置する離開制御部材170の取付姿勢(以下、第1取付姿勢という)で、離開制御部材170を離開制御部材取付用凸片部117に取り付けると、この状態においては
図4に示すように基板装着部材90が閉鎖位置となる。具体的には、離開制御部材170の抜脱可能係止径大部172が、離開制御部材挿通用凹部181の係止段面185に面接触した仮係止状態となる。
【0045】
ここで、このように離開制御部材170が第1取付姿勢で取り付けられている場合に、力を加えて基板装着部材90を表側に回動させると、
図9に示すように、抜脱可能係止径大部172が撓んで離開制御部材挿通用凹部181の入口部187を弾縮しながら通過することになり、
図5に示すように、基板装着部材90を開放位置とすることができる。すなわち、離開制御部材170を第1取付姿勢で離開制御部材取付用凸片部117に取り付けた場合には、基板装着部材90と、被着部材91としての背板21とを離開させることが許容される。
【0046】
したがって、このように基板装着部材90が背板21から離開させることができる離開許容状態では、例えば基板81の裏側に対して点検することが容易となる。また、離開許容状態で離開制御部材170と離開制御部材挿通用凹部181とが仮固定されるため、意図せず基板装着部材90が被着部材91に対して離開してしまうことが抑制される。また、開放位置とした基板装着部材90を元の閉鎖位置に戻す際に、抜脱可能係止径大部172を離開制御部材挿通用凹部181の入口部187に軽く圧入することになるため、基板装着部材90と被着部材91との相対的な位置関係が作業者に把握しやすいという利点がある。
【0047】
一方、例えば
図10に示すように、離開制御部材170の抜脱不能係止径大部173が離開制御部材挿通用凹部181内に位置する離開制御部材170の取付姿勢(以下、第2取付姿勢という)で、離開制御部材170が離開制御部材取付用凸片部117に取り付けられたときには、
図11に示すように、基板装着部材90は常に閉鎖位置となる。具体的には、
図10に示すように、離開制御部材170の抜脱不能係止径大部173が、離開制御部材挿通用凹部181の係止段面185に面接触した係止状態となっている。
【0048】
すなわち、離開制御部材170が第2取付姿勢で取り付けられている場合には、抜脱不能係止径大部173が離開制御部材挿通用凹部181から抜脱することができないため、基板装着部材90を開放位置とすることができない。したがって、基板装着部材90と被着部材91とが離開不能となる。
【0049】
このように基板装着部材90が背板21から離開できない離開不能状態では、基板81の裏側に対する不正行為を防止することができる。また、離開不能状態とすることにより、点検作業の負担を低減することもできる。
【0050】
さらに上記の基板装着部材取付構造150は、離開許容状態とした場合にも離開不能状態とした場合にも、離開制御部材170を共通部材とし、しかも同一の離開制御部材取付用凸片部117に取り付けて使用するため、いずれの状態を選択した場合でも離開制御部材170を紛失してしまうおそれがない。
【0051】
ところで、
図8等に示すように、基板装着部材90は保護カバー160によって被覆されているところ、保護カバー160は、ドライバー等の工具を離開制御部材取付用ねじ151に至らせるための深掘り状の貫通孔165を有しており、この貫通孔165は封印キャップ167によって封印されている。かかる構成にあっては、離開制御部材取付用ねじ151によって、保護カバー160と、離開制御部材170と、離開制御部材取付用凸片部117とが共締めされることとなる。これにより、例えば
図4に示すように、離開制御部材用被覆部材としての保護カバー160は、上述のように基板ケース120の周囲を全周にわたって包囲することに加えて、離開制御部材170及び離開制御部材挿通用凹部181の周囲も全周にわたって包囲している。すなわち、保護カバー160は、基板装着部材90及び被着部材91を覆っており、少なくとも離開制御部材170に対して外部からの接触を不能として不正行為を阻止している。なお、外部からの接触を不能とする封印キャップ167の構成は公知のものを適用可能であり、詳細な説明は省略する。また、保護カバー160はねじ止めせずに、離開制御部材取付用ねじ151によって、離開制御部材170と離開制御部材取付用凸片部117とがねじ止めされる構成としても勿論よい。
【0052】
したがって、上述のような離開不能状態で離開制御部材170に対して不正行為を行おうとするときは、離開制御部材取付用ねじ151を破壊するなどして離開制御部材170の固定状態を解除しなければならない。そうすると、離開制御部材取付用ねじ151が封印キャップ167によって覆われているため、封印キャップ167には破壊時の痕跡が残る利点がある。このため、不正行為が行われたことを早期に発見でき、不正行為による被害の拡大を抑制できる。
【0053】
なお、本発明の固定手段は、離開制御部材取付用ねじ151によって構成される。また、本発明の固定手段用被覆部材は、封印キャップ167によって構成される。ところで、封印キャップ167は、基板装着部材90が離開許容状態(
図8参照)であるときにも保護カバー160と共に使用されてもよいし、基板装着部材90が離開不能状態であるときに限り使用されてもよい。仮に第2取付姿勢の離開制御部材170において抜脱不能係止径大部173と係止段面185との係止状態を解除する場合には、作業者が適正に封印キャップ167を破壊し、離開制御部材取付用ねじ151を外して離開制御部材170を離開制御部材挿通用凹部181から取り除けばよい。
【0054】
〔実施例2〕
次に、実施例2にかかる構成を
図12〜15に従って説明する。なお、実施例1と同様の構成は同じ符号を付し、説明を簡略又は省略する。
【0055】
図12に示すように、保護カバー240内に配置される基板装着部材取付構造280は、
図13に示す基板81を収納する基板装着部材260と、基板装着部材260が回動自在に取り付けられる被着部材261とで構成されている。
【0056】
本実施例の基板装着部材260は、背板21に取り付けられるヒンジ部材200と、基板ケース210とで構成されており、これに対して被着部材261は、背板21と、背板21に取り付けられた係合受け部材250とで構成されている。
【0057】
まずヒンジ部材200は、基板装着部材260における回動軸の方向を規定するヒンジピン201と、ヒンジピン201によって規定される回動軸の方向に沿って配置された一対の受け部材側軸受部203,203とを備えている。具体的には、ヒンジピン201は下向きに差し出されており、一対の受け部材側軸受部203,203は、ヒンジピン201よりも下方に上下で配置されている。
【0058】
また、
図12,13に示すように、基板ケース210は、基板81の表側を覆うカバー体211と、基板81の裏側を覆うベース体212とを備えている。そして、ベース体212の側端部のうち背板21に取り付けられる側の側端部には、側方に向かって突出するヒンジ用軸受部233,234,234が、ヒンジピン201が規定する回動軸の方向に沿って並んで複数設けられている。具体的には、基準ヒンジ用軸受部233を基準として、一対の易破断ヒンジ用軸受部234,234が、基準ヒンジ用軸受部233の一側に並んで配置されている。本実施例では、最上位置に基準ヒンジ用軸受部233が配置され、基準ヒンジ用軸受部233よりも下方に、上下一対の易破断ヒンジ用軸受部234,234が配置されている。なお、各易破断ヒンジ用軸受部234のほぼ中央には、他の部位よりも薄肉な易破断部235がそれぞれ設けられている。
【0059】
一方、カバー体211の側端部のうち、背板21から離開する側の先端部には、離開制御部材取付位置となる平板形状の離開制御部材取付用凸片部213が側方に向かって突出状に形成されている。なお、
図12に示すように、離開制御部材取付用凸片部213には、離開制御部材取付用ねじ151によって、離開制御部材170が第1取付姿勢又は第2取付姿勢で取り付け可能となっている。
【0060】
また、
図12に示すように、背板21に配設されている係合受け部材250であって、閉鎖位置に位置したときにおける基板ケース210の離開制御部材取付用凸片部213に対応する位置には、ヒンジピン201が規定する回動軸の方向に沿って一対の離開制御部材挿通用凹部252,252が設けられている。具体的には、一対の離開制御部材挿通用凹部252,252が上下方向に沿って設けられている。
【0061】
そして、かかる構成にあっては、基板ケース210の基準ヒンジ用軸受部233と、ヒンジ部材200のヒンジピン201とが接続されると共に、基板ケース210の一側(上側)の易破断ヒンジ用軸受部234とヒンジ部材200の一側(上側)の受け部材側軸受部203とが、別部品のヒンジピン部材202を介して接続される。
【0062】
ここで、ヒンジピン部材202は、軸方向に伸縮自在な伸縮構造を有し、
図12に示すように、フランジ付き有底円筒形状の主筒体202aと、主筒体202aの内空に配置されるコイルバネ202bと、コイルバネ202bによって上向き(軸方向に沿って一側)に付勢される進退ピン202cとで構成されている。すなわち、進退ピン202cを下向き(軸方向に沿って他側)に押し付けてヒンジピン部材202を軸方向に縮めた上で、易破断ヒンジ用軸受部234と受け部材側軸受部203との間に介装することで、基板装着部材260を構成する基板ケース210を、被着部材261である背板21に回動自在に取り付けて、基板装着部材260を、
図14に示す閉鎖位置から
図15に示す開放位置へ回動自在とすることができる。
【0063】
なお、上述した構成は、基板ケース210が背板21に取り付けられた状態で易破断ヒンジ用軸受部234を破壊すると、基板ケース210を背板21から完全に離開させることができる。具体的には、ヒンジピン部材202を支持している易破断ヒンジ用軸受部234の易破断部235を破断させることにより、ヒンジピン部材202を易破断ヒンジ用軸受部234の軸孔から取り出すことが可能となり、これにより基板ケース210を取り外して点検することが可能となる。
【0064】
そして、点検後に再度基板ケース210を背板21に取り付ける際には、基板ケース210の他側(下側)にある未使用の易破断ヒンジ用軸受部234と基板ケース受け部材250の受け部材側軸受部203との間にヒンジピン部材202を介装して、基板ケース210を背板21に回動自在に取り付ければよい。
【0065】
〔実施例3〕
次に、実施例3にかかる構成を
図16,17に従って説明する。なお、実施例1,2と同様の構成は同じ符号を付し、説明を簡略又は省略する。
【0066】
図16に示すように、離開制御部材300は、ほぼキャップ形状からなり、円筒形状の円筒部301と、中央にねじ挿通孔303が貫通状に設けられている端面部302とを備えている。そして、この離開制御部材300が、後述する基板装着部材取付構造340において使用される。
【0067】
図17に示すように、基板装着部材取付構造340は、基板(図示省略)を含む基板装着部材320と、基板装着部材320が回動自在に取り付けられる被着部材321とで構成されている。なお、被着部材321は、例えば筐体2の内壁面(図示省略)に固定された部材によって構成することができる。
【0068】
さらに詳述すると、基板装着部材320は、被着部材321に回動自在に取り付けられる回動部材330を有し、そして基板装着部材320全体が保護カバー310によって被覆されている。
【0069】
また、保護カバー310は、被着部材321側に窪んだ凹陥部311を有し、凹陥部311の中央に貫通孔312が設けられている。なお、凹陥部311が、離開制御部材取付位置となる。
【0070】
かかる構成にあって、基板装着部材320を被着部材321に対して離開可能とする場合には、
図17(a)に示すように、離開制御部材300におけるねじ挿通孔303が保護カバー310側に配されるようにして離開制御部材300を凹陥部311に配置する。またこれと共に、締結部材としてのねじ333をねじ挿通孔303に挿通した上で離開制御部材300上にねじ333の頭部を載置する。このとき、ねじ333は、回動部材330に螺着しており、これにより、保護カバー310と離開制御部材300と回動部材330とが固定されている。
【0071】
ここで、離開制御部材300を凹陥部311にこのような姿勢(以下、第1取付姿勢という)で配置すると、ねじ333のねじ部が被着部材321に届かないため、基板装着部材320と被着部材321とが固定されることがなく、基板装着部材320が被着部材321に対して離開することが許容される。
【0072】
一方、基板装着部材320を被着部材321に対して離開不能とする場合には、
図17(b)に示すように、保護カバー310の凹陥部311に、ねじ挿通孔303が被着部材321側に配されるように離開制御部材300を配置すると共に、ねじ挿通孔303にねじ333を挿通してねじ333を被着部材321にねじ合わせる。なお、かかる場合には、ねじ333を配置した凹陥部311を封印キャップ335で封印することが望ましい。
【0073】
離開制御部材300を凹陥部311にこのような姿勢(以下、第2取付姿勢という)で配置すると、ねじ333のねじ部が被着部材321に到達するため、基板装着部材320と被着部材321とがねじ固定されて基板装着部材320が被着部材321に対して離開不能となる。
【0074】
かかる構成にあって、離開制御部材300は、第1取付姿勢で配置されても第2取付姿勢で配置されても凹陥部311に配置されるため、いずれの状態を選択した場合でも離開制御部材300を紛失してしまうおそれがない。
【0075】
なお、本発明に係る固定手段は、実施例1及び2では離開制御部材取付用ねじ151に相当し、実施例3ではねじ333に相当する。また、本発明に係る固定手段用被覆部材は、実施例1及び2では封印キャップ167に相当し、実施例3では封印キャップ335に相当する。また、本発明に係る離開制御部材用被覆部材は、実施例1では保護カバー160に相当し、実施例2では保護カバー240に相当し、実施例3では保護カバー310に相当する。
【0076】
これまでに述べた離開制御部材170,300は、基板装着部材90,260,320に取り付けられた構成であるが、これに限定されることはなく、被着部材91,261,321に取り付けられても勿論よい。また、実施例1においては、ヒンジ部材100と係合受け部材180とが別部材で構成されているが、これに代えて、互いが一体化されている構成であってもよい。
【0077】
また、例えば被着部材91,261,321は、背板21に限定されることはなく、遊技機であるスロットマシン1の側板や前扉3の裏側等であってもよい。
【解決手段】スロットマシンは、基板装着部材90には、離開制御部材取付用凸片部117が設けられており、離開制御部材取付用凸片部117には、離開制御部材170が、互いに異なる第1取付姿勢及び第2取付姿勢のうちいずれかの取付姿勢で取り付け可能となっており、離開制御部材170が、離開制御部材取付用凸片部117に第1取付姿勢で取り付けられているときには、基板装着部材90と被着部材91とが離開することを許容される離開許容状態となり、離開制御部材170が、離開制御部材取付用凸片部117に第2取付姿勢で取り付けられているときには、基板装着部材90と被着部材91とが離開不能とされる離開不能状態となる。