特許第6289623号(P6289623)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289623
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】安全装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/2338 20110101AFI20180226BHJP
   B60R 21/232 20110101ALI20180226BHJP
   D03D 1/02 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   B60R21/2338
   B60R21/232
   D03D1/02
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-520134(P2016-520134)
(86)(22)【出願日】2014年10月13日
(65)【公表番号】特表2016-534920(P2016-534920A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】SE2014051207
(87)【国際公開番号】WO2015057140
(87)【国際公開日】20150423
【審査請求日】2016年4月27日
(31)【優先権主張番号】13188640.0
(32)【優先日】2013年10月15日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】ウートン、ゲリー
(72)【発明者】
【氏名】フィン、ヒュー
【審査官】 岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/139696(WO,A1)
【文献】 特開2006−096086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16−21/33
D03D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内の乗員を保護する安全装置において、
少なくとも一部が、複数の略平行な織り糸(6)を用いて織られた織布からなるエアバッグ(5)と、
端部が前記エアバッグ(5)に連結されるテザー(8)とを備え、
前記テザー(8)の両端部には、前記エアバッグ(5)と連結される連結構造部(9)が各々形成され、
前記連結構造部(9)が第1の部分(10)と、第2の部分(11)と、第3の部分(12)とから構成され、
前記第2の部分は、前記第1の部分と前記第3の部分との間に位置し、
前記第1の部分(10)においては、前記テザー(8)は前記織布の一方の側から2つの隣接する糸(13、14)の間を通って他方の側に達し、当該他方の側で前記織布の少なくとも2つの隣接する糸(14、15)の外側を通過する構造であり、
前記第1の部分(10)に続く前記第2の部分(11)においては、前記テザー(8)が前記織布の所定の複数の隣接する単糸(16〜21)と織り合わされており、
前記第2の部分(10)に続く前記第3の部分(12)においては、前記テザー(8)が、前記織布の一方の側から2つの隣接する糸(22、23)の間を通って他方の側に達し、当該他方の側で前記織布の少なくとも2つの隣接する糸(23、24)の外側を通過し、前記他方の側から2つの隣接する糸(24、25)の間を通って前記一方の側に戻る構造であることを特徴とする安全装置。
【請求項2】
前記連結構造部(9)の前記第1の部分(10)において、前記テザー(8)が、前記エアバッグ(5)の一側で前記エアバッグ(5)の少なくとも3つの隣接する糸の一部周りを通過する、請求項1に記載の安全装置。
【請求項3】
前記連結構造部(9)の前記第2の部分(11)において、前記テザー(8)が、前記エアバッグ(5)の少なくとも7つの隣接する単糸と織り合わされている、請求項1または2に記載の安全装置。
【請求項4】
前記連結構造部(9)の前記第2の部分(11)において、前記テザー(8)が、前記エアバッグ(5)の少なくとも13の隣接する単糸と織り合わされている、請求項1または2に記載の安全装置。
【請求項5】
前記連結構造部(9)の前記第3の部分(12)において、前記テザー(8)が、前記エアバッグ(5)の一側で前記エアバッグ(5)の少なくとも3つの隣接する糸の一部周りを通過する、請求項1から4のいずれか一項に記載の安全装置。
【請求項6】
車両内の乗員を保護する安全装置の製造方法において、
複数の略平行な織り糸(6)を構成するためにエアバッグ(5)の一部を織るステップと、
端部が前記エアバッグ(5)に連結される細長いテザー(8)を設けるステップと、
前記テザー(8)の両端部に形成された連結構造部(9)の各々において、当該テザー(8)と前記エアバッグ(5)とを接続するステップとを含み、
前記連結構造部(9)において、前記エアバッグ(5)の2つの隣接する糸(13、14)の間を前記エアバッグ(5)の一側から前記エアバッグ(5)の他側に、そして前記エアバッグ(5)の一側で前記エアバッグ(5)の少なくとも2つの隣接する糸(14〜15)の一部周りに前記テザー(8)の第1の部分を通過させるステップと、
前記エアバッグ(5)の所定の複数の隣接する単糸(16〜21)と前記テザー(8)の第2の部分を織り合わせるステップと、
前記エアバッグ(5)の2つの隣接する糸(22、23)の間を前記エアバッグ(5)の一側から前記エアバッグ(5)の他側に、そして前記エアバッグ(5)の一側で前記エアバッグ(5)の少なくとも2つの隣接する糸(23、24)の一部周りに、前記テザー(8)の第3の部分を通過させるステップとによって、前記エアバッグ(5)に前記テザー(8)を接続することを特徴とする安全装置の製造方法。
【請求項7】
前記方法が、前記エアバッグ(5)の一側で前記エアバッグ(5)の少なくとも3つの隣接する糸の一部周りに前記テザー(8)の前記第1の部分を通過させるステップを含む、請求項6に記載の安全装置の製造方法。
【請求項8】
前記方法が、前記エアバッグ(5)の少なくとも7つの隣接する単糸と前記テザー(8)の前記第2の部分を織り合わせるステップを含む、請求項6または7に記載の安全装置の製造方法。
【請求項9】
前記方法が、
前記エアバッグ(5)の少なくとも13の隣接する単糸と前記テザー(8)の前記第2の部分を織り合わせるステップ、および
前記エアバッグ(5)の一側で前記エアバッグ(5)の少なくとも3つの隣接する糸の一部周りに前記テザー(8)の前記第3の部分を通過させるステップを含む、請求項6乃至8のいずれか一項に記載の安全装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に使用するための安全装置に関し、特にエアバッグとテザーを組み込んだ安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグは、一般に、少なくとも部分的に織り糸から形成されている。一枚織り(OPW)エアバッグは、織機の単一の操作で迅速かつ簡単に形成することができるため、目下のところ、一般的である。
【0003】
膨張時にエアバッグの拡張または移動を規制するために、エアバッグの部分間にテザーを設けることが知られている。テザーを、エアバッグ内部にまたはエアバッグの外側に配置されてもよい。
【0004】
一例では、テザーは、膨張時に、適切な形でエアバッグを維持するために、膨張可能なカーテン(IC)タイプのエアバッグ内に配置されている。
【0005】
エアバッグを形成する材料の糸の間にテザーの一部を織ることによって、エアバッグにテザーを取り付けることが知られている。この取り付け技術は、一般に、エアバッグが織機で形成される際にOPWエアバッグにテザーを取り付けるために用いられる。
【0006】
添付図面の図1は、従来のテザー取り付けの一例を示している。エアバッグ1の部分が、複数の緯糸3と織り合わされている複数の経糸2を含んでいる。細長い可撓性テザー4は、5つの隣接する単一の経糸2と織り合わされているテザー4の部分によってエアバッグ1に取り付けられている。テザー4は、複数の織られたテザー糸から形成され、テザー糸の少なくとも1つは、エアバッグ1の経糸2と織り合わされている。図1では、テザー糸が1つのみ示されているが、テザー4の1つより多いテザー糸が、エアバッグ1にテザー4を取り付けるために、エアバッグ1の経糸2と織り合わされてもよいことを理解すべきである。
【0007】
図1に示した従来の取り付け構成は、エアバッグ1にテザー4を取り付けるのに効果的である。ただし、特定の状況では、エアバッグ1が膨張するにつれて、テザー4にエアバッグ1によって加えられる力により、テザー4が破断し、エアバッグ1から切断される可能性がある。テザー4がエアバッグ1から切断されると、テザー4は、もはや正しい方法でエアバッグ1の拡張や移動を制限することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、少なくとも上記で特定された問題に対処しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、車両に使用するための安全装置が提供され、この安全装置は、ガス源によって膨張されるように構成されたエアバッグであって、エアバッグの少なくとも一部は、織られており、複数の略平行な織り糸を含む、エアバッグと、接続構成によってエアバッグに接続されている細長いテザーとを含み、この接続構成は、テザーの一部が、エアバッグの2つの隣接する糸の間をエアバッグの一側からエアバッグの他側に、そしてエアバッグの一側でエアバッグの少なくとも2つの隣接する糸の一部周りを通過する、第1の部分と、テザーの一部が、エアバッグの所定の複数の隣接する単糸と織り合わされている、第2の部分と、テザーの一部が、エアバッグの2つの隣接する糸の間をエアバッグの一側からエアバッグの他側に、そしてエアバッグの一側でエアバッグの少なくとも2つの隣接する糸の一部周りを通過する、第3の部分と、を含む。
【0010】
好ましくは、取り付け構成の第1の部分において、テザーは、エアバッグの一側でエアバッグの少なくとも3つの隣接する糸の一部周りを通過する。
【0011】
便宜的に、取り付け構成の第2の部分において、テザーは、エアバッグの少なくとも7つの隣接する単糸と織り合わされている。
【0012】
好適には、取り付け構成の第2の部分において、テザーは、エアバッグの少なくとも13の隣接する単糸と織り合わされる。
【0013】
好ましくは、取り付け構成の第3の部分において、テザーは、エアバッグの一側でエアバッグの少なくとも3つの隣接する糸の一部周りを通過する。
【0014】
本発明の別の態様によれば、車両に使用するための安全装置が提供され、この安全装置は、ガス源によって膨張されるように構成されたエアバッグであって、エアバッグの少なくとも一部は、織られており、複数の略平行な織り糸を含む、エアバッグと、接続構成によってエアバッグに接続されている細長いテザーとを含み、この接続構成は、テザーの一部が、エアバッグの2つの隣接する糸の間をエアバッグの第1の側からエアバッグの第2の側に、そしてエアバッグの第2の側でエアバッグの少なくとも3つの隣接する糸の一部周りを通過し、さらに、エアバッグの2つの隣接する糸の間をエアバッグの第2の側からエアバッグの第1の側に通過する第1の部分を含む。
【0015】
便宜的に、接続構成は、テザーの一部がエアバッグの複数の隣接する単糸と織り合わされている第2の部分を含んでいる。
【0016】
好適には、接続構成の第1の部分がシームと接続構成の第2の部分との間に配置されるように、接続構成の第1および第2の部分は互いに隣接し、接続構成の第1の部分は、エアバッグのシームに隣接している。
【0017】
本発明のさらなる態様によれば、車両に使用するための安全装置を製造する方法が提供され、この方法は、複数の略平行な織り糸を構成するためにエアバッグの一部を織るステップと、細長いテザーを設けるステップと、エアバッグにテザーを接続するステップと、を含み、エアバッグの2つの隣接する糸の間をエアバッグの一側からエアバッグの他側に、そしてエアバッグの一側でエアバッグの少なくとも2つの隣接する糸の一部周りにテザーの第1の部分を通過させるステップと、エアバッグの所定の複数の隣接する単糸とテザーの第2の部分を織り合わせるステップと、エアバッグの2つの隣接する糸の間をエアバッグの一側からエアバッグの他側に、そしてエアバッグの一側でエアバッグの少なくとも2つの隣接する糸の一部周りに、テザーの第3の部分を通過させるステップと、によって、エアバッグにテザーを接続する。
【0018】
好ましくは、この方法は、エアバッグの一側でエアバッグの少なくとも3つの隣接する糸の一部周りにテザーの第1の部分を通過させるステップを含む。
【0019】
便宜的に、この方法は、エアバッグの少なくとも7つの隣接する単糸とテザーの第2の部分を織り合わせるステップを含む。
【0020】
好適には、この方法は、エアバッグの少なくとも13の隣接する単糸とテザーの第2の部分を織り合わせるステップ、およびエアバッグの一側でエアバッグの少なくとも3つの隣接する糸の一部周りにテザーの第3の部分を通過させるステップを含む。
【0021】
本発明のさらに別の態様によれば、車両に使用するための安全装置を製造する方法が提供され、この方法は、複数の略平行な織り糸を構成するためにエアバッグの一部を織るステップと、細長いテザーを設けるステップと、エアバッグにテザーを取り付けるステップと、を含み、エアバッグの2つの隣接する糸の間をエアバッグの第1の側からエアバッグの第2の側に、そしてエアバッグの第2の側でエアバッグの少なくとも3つの隣接する糸の一部周りにテザーの一部を通過させるステップと、エアバッグのさらに2つの隣接する糸の間をエアバッグの第2の側からエアバッグの第1の側にテザーの一部を通過させるステップと、によって、エアバッグにテザーを取り付ける。
【0022】
好ましくは、この方法は、エアバッグの複数の隣接する単糸とテザーの一部を織り合わせるステップによって、接続構成の第2の部分でエアバッグにテザーを取り付けるステップをさらに含む。
【0023】
便宜的に、接続構成の第1の部分がシームと接続構成の第2の部分との間に配置されるように、接続構成の第1および第2の部分は互いに隣接し、接続構成の第1の部分は、エアバッグのシームに隣接している。
【0024】
次に、本発明がより容易に理解され得るように、本発明の実施形態は、図面を参照しながら、例として、説明されよう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来の方法でエアバッグに取り付けられたテザーの概略断面図である。
図2】テザーがエアバッグに取り付けられた本発明の好適な実施形態の概略断面図である。
図3】本発明の実施形態で実施された破裂試験実験と従来のベースライン構成の結果を示すグラフである。
図4】エアバッグに取り付けられたテザーを有する本発明のさらなる実施形態の概略断面図である。
図5】本発明のさらなる実施形態のエアバッグの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、図2を参照すると、エアバッグ5の少なくとも一部が、織られており、複数の経糸6および緯糸7を含んでいる。織られた経糸6は、複数の略平行な糸を形成している。また、織られた緯糸7は、複数の略平行な糸を形成している。
【0027】
一実施形態では、エアバッグは、一枚織り(OPW)のエアバッグである。ただし、他の実施形態では、エアバッグ5は、一枚の製織に異なる製織技術を用いて形成される。
【0028】
図2は、単にエアバッグ5の一部の1つの層のみを示しており、エアバッグ5は、他の層を組み込むことができることが理解されるべきである。
【0029】
本実施形態では、可撓性の細長いテザー8は、取り付け構成9によりエアバッグ5に取り付けられている。好ましい実施形態では、テザー8は、複数の織られたテザー糸から形成される。図2ではテザー糸が1つのみ示されているが、本実施形態において、テザー8は、複数のテザー糸を含む。
【0030】
取り付け構成9は、エアバッグ5にテザー8を取り付けるためにテザー8の一部を保持するエアバッグ5の糸6を含む。本実施形態では、テザー8の少なくとも1つのテザー糸は、エアバッグ5にテザー8を取り付けるための取り付け構成9により保持されている。簡単にするために、以下の説明はテザー8に言及するが、テザー8の一部はエアバッグ5に取り付けられており、テザー8の一部はテザー8の少なくとも1つのテザー糸であることが理解されるべきである。
【0031】
本実施形態では、取り付け構成9はエアバッグ5の経糸6を含むが、他の実施形態では、取り付け構成9はエアバッグ5の緯糸7を含む。テザー8は、好ましくは、エアバッグ5を形成するためのOPW製織プロセス中にエアバッグ5に取り付けられる。
【0032】
取り付け構成9は、第1の部分10、第2の部分11、および第3の部分12を含んでいる。取り付け構成9の各部分10〜12は、エアバッグ5のそれぞれの数の経糸6、およびテザー8が経糸6の間または経糸6の上を通過する配置を含む。
【0033】
取り付け構成9の第1の部分10において、テザー8は、2つの隣接する経糸13と14との間をエアバッグ5の一側からエアバッグ5の他側に、そしてエアバッグ5の一側で2つの隣接する経糸14、15の一部周りを通過する。テザー8が、エアバッグの一側で2つ以上の隣接する経糸6の一部周りを通過するとき、テザーは、単一の隣接する経糸6の間に織り込まれているのとは対照的に、隣接する経糸6の上に「浮く(float)」と言われる。ここでは、用語「隣接する」とは、互いにすぐ隣に配置された2つの経糸を意味するために使用されている。
【0034】
他の実施形態では、テザー8は、取り付け構成9の第1の部分10で2つより多い隣接する経糸6の一部周りを通過する。一実施形態では、テザー8は、取り付け構成9の第1の部分10で3つの隣接する経糸6の一部周りを通過する。
【0035】
取り付け構成9の第2の部分11において、テザー8は、2つの経糸15と16との間をエアバッグ5の一側からエアバッグ5の他側に通過し、そしてテザー8は、所定の複数の単一の隣接する経糸17〜21と織り合わされている。取り付け構成9の第2の部分11において、テザー8は7つの隣接する単一の経糸16〜22と織り合わされている。テザー8は、エアバッグ5の一側で3つの経糸17、19、および21の少なくとも一部周りを通過する。
【0036】
他の実施形態では、テザー8は、7つより多い単一の隣接する経糸と織り合わされる。一実施形態では、テザー8は、取り付け9の第2の部分11で13の単一の隣接する経糸と織り合わされている。
【0037】
取り付け構成9の第3の部分12において、テザー8は、2つの隣接する経糸22と23との間をエアバッグ5の一側からエアバッグ5の他側に、そしてエアバッグ5の一側で2つの隣接する経糸23、24の一部周りを通過する。テザー8は、その後、さらに2つの隣接する経糸24と25との間を通過する。
【0038】
他の実施形態では、テザー8は、取り付け構成9の第3の部分12で2つより多い隣接する経糸の一部周りを通過する。一実施形態では、テザー8は、取り付け構成9の第3の部分12で3つの隣接する経糸の一部周りを通過する。
【0039】
上述の実施形態では、テザー8は、取り付け構成9の第1の部分10と第3の部分12で少なくとも2つの隣接する経糸の一部周りを通過する。取り付け構成9の第2の部分11において、テザー8は単一の隣接する経糸16〜21で織り合わされている。取り付け構成9の第1の部分10と第3の部分12において、エアバッグ5の一側で少なくとも2つの隣接する経糸の一部周りをテザー8が通過することで、テザー8とエアバッグ5との間での何らかの動きを可能とし、これにより、エアバッグ5が膨張されたときに衝撃荷重の一部を吸収する。このため、エアバッグ5が膨張される際のテザー8の破断の可能性を最小限に抑えることができる。
【0040】
エアバッグ5の性能を向上させるために、取り付け構成9の第1の部分10と第3の部分12の長さは、一実施形態では、取り付け構成9の第2の部分11の長さに対して最小限にされる。このため、テザーがエアバッグに取り付けされている位置で、エアバッグからのガス漏れを最小限に抑えることができる。
【0041】
図3は、膨張時のエアバッグ5の破裂強度を試験するための実験の結果を示している。エアバッグの破裂前にエアバッグ5内で到達した最大圧力が、グラフの線のピークによって示されている。
【0042】
第1の線26は、テザーが従来の方法でエアバッグに取り付けられたエアバッグの膨張の間のベースライン圧力測定値を示している。本比較例では、テザーは、13の単一の隣接する経糸と織り合わされることにより、エアバッグに取り付けられている。
【0043】
図3に示すグラフの第2の線27は、本発明の実施形態のエアバッグ5内で測定された圧力を表している。本実施形態では、テザー8は、取り付け構成9によりエアバッグ5に取り付けられ、この取り付け構成9では、テザー8は、第1の部分10において3つの隣接する経糸の一部周りを通過し、テザー8は、第2の部分11で13の単一の隣接する経糸と織り合わされ、テザー8は、第3の部分12で3つの隣接する経糸の一部周りを通過する。
【0044】
テザーが本発明の実施形態に係るエアバッグに取り付けられたとき、エアバッグは、破裂する前に、ベースラインの従来の構成よりも高い圧力に耐えることができることは、図3に示すグラフから明らかである。
【0045】
次に図4を参照すると、本発明のさらなる実施形態は、緯糸29と経糸30〜35で形成されたエアバッグ28の一部分を含んでいる。テザー36は、取り付け構成37によりエアバッグ28に取り付けられている。取り付け構成37は、エアバッグ28の少なくとも3つの経糸31〜33を含んでいる。
【0046】
少なくとも1つのテザー糸によって形成されたテザー36の一部は、2つの経糸30と31との間をエアバッグ28の第1の側からエアバッグ28の第2の側に通過した後、エアバッグ28の第2の側で少なくとも3つの経糸31〜33の一部周りを通過する。さらなる実施形態では、テザー36は、エアバッグ28の第2の側で3つより多い経糸の一部周りを通過する。テザー36は、その後、エアバッグ28の2つの経糸33と34との間をエアバッグ28の第2の側からエアバッグ28の第1の側に通過する。
【0047】
本実施形では、テザー36は、エアバッグ28の隣接する単糸と織り合わされていない。
【0048】
本実施形態により、テザー36は、膨張時にエアバッグ28の糸に相対して移動することができる。テザー36がエアバッグ28に相対して移動すると、エネルギーが吸収される。エアバッグ28が膨張されるとき、エネルギー吸収は、テザー36の破断の可能性を最小限に抑える。
【0049】
図5を参照すると、本発明の一実施形態は、膨張可能なカーテンエアバッグや歩行者保護用エアバッグである、エアバッグ38の形態で安全装置を含んでいる。エアバッグ38は、矢印39で示す方向と略整列した経糸、および矢印40で示す方向と略整列した緯糸から織られている。エアバッグ38は、その縁にシーム41〜44を組み込んでいる。テザー糸45は、少なくとも第1の部分47と第2の部分48を含む接続構成46によってエアバッグ38に接続されている。本実施形態では、接続構成は、第3の部分49を含んでいる。他の実施形態では、接続構成46の第3の部分49は省略されている。
【0050】
図4に示すような、および上述のような構成において、テザー糸45は、エアバッグ38の2つの糸の間をエアバッグ38の第1の側からエアバッグ38の第2の側に通過した後に、エアバッグ38の第2の側で少なくとも3つの糸の一部周りを通過したテザー糸45の各々の部分によって、接続構成46の第1の部分47でエアバッグ38の上層に接続されている。
【0051】
テザー糸45は、図2に示され上述した取り付け構成9の第2の部分11と同じ方法で、エアバッグ38の少なくとも7つの隣接する単糸間で織り合わされることによって、接続構成46の第2の部分48でエアバッグ38に接続されている。
【0052】
本実施形態では、第1の部分47が、シーム41と接続構成46の第2の部分48との間に配置されるように、接続構成46の第1と第2の部分47、48は互いに隣接し、接続構成46の第1の部分47は、エアバッグ38のシーム41に隣接して配置されている。本実施形態は、シーム41に隣接する接続構成46の第1の部分47が、テザー糸45の破断の可能性を最小限に抑えるために、エネルギーを吸収するという利点を有する。接続構成46の第2の部分48は、テザー糸45とエアバッグ38との間の丈夫な接続についてさらなる利点を提供する。
【0053】
本実施形態では、接続構成46の第3の部分49は、第1の部分47と同じ接続方式である。第3の部分49は、上述の接続構成46の第1の部分47と同様の方法で、エネルギーがエアバッグ38のシーム43に隣接するテザー糸45から吸収されることを可能にする。
【0054】
本実施形態では、テザー糸45はまた、上述の第1の接続構成46と同一の第2の接続構成50および第3の接続構成51によってエアバッグ38に接続されている。ただし、他の実施形態では、テザー糸45は、1つのみの接続構成によって、または3つより多い接続構成によって、エアバッグ38に接続される。
【0055】
本発明の実施形態は、テザーがエアバッグの経糸の間を通過するか、またはエアバッグの経糸の一部周りを通過するものとして上述されている。ただし、他の実施形態では、テザーは、エアバッグの緯糸の間を通過し、エアバッグの緯糸の少なくとも一部周りを通過する。
【0056】
本発明の実施形態を、エアバッグとテザーを備えた任意のタイプの安全装置に組み込むことができる。一実施形態では、テザーは、膨張可能なカーテン(IC)タイプのエアバッグ内に取り付けられる。別の実施形態では、テザーは、歩行者保護用エアバッグに取り付けられる。さらなる実施形態では、テザーは、車両のエアバッグモジュールの内部に充填されたエアバッグに取り付けられる。
【0057】
本明細書では、「備える(comprise)」は「含む(includes)または構成される(consists of)」を意味し、「備える(comprising)」は「含む(including)または構成される(consisting of)」を意味する。
図1
図2
図3
図4
図5