特許第6289690号(P6289690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6289690監視装置、監視システム、監視方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289690
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】監視装置、監視システム、監視方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20180226BHJP
   H04L 12/24 20060101ALI20180226BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   G06F13/00 351N
   H04L12/24
   H04M11/00 301
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-20233(P2017-20233)
(22)【出願日】2017年2月7日
(62)【分割の表示】特願2016-7054(P2016-7054)の分割
【原出願日】2013年2月18日
(65)【公開番号】特開2017-97920(P2017-97920A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2017年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】306029774
【氏名又は名称】ビッグローブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】中西 俊子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 理人
(72)【発明者】
【氏名】菅井 勝
【審査官】 木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−099048(JP,A)
【文献】 特開2006−092314(JP,A)
【文献】 特開平09−130831(JP,A)
【文献】 特開2004−046383(JP,A)
【文献】 特開2002−169707(JP,A)
【文献】 特開2001−356972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04L 12/24
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスを提供する複数のサーバの稼働状態を監視する監視部と、
通信ネットワークと接続可能な無線通信端末から、該通信ネットワークを介して前記稼働状態を示す情報を要求された場合、前記稼働状態と前記サーバへの操作を行う処理コマンドとを前記無線通信端末にてグラフィック表示するための表示情報を生成する表示情報生成部と、
前記表示情報生成部が生成した表示情報を、前記稼働状態を示す情報を要求してきた無線通信端末へ送信する送信部と、
前記無線通信端末から前記処理コマンドが送信されてきた場合、前記処理コマンドに基づいた処理を前記サーバへ指示する指示部と、
前記複数のサーバを階層毎のカテゴリにグループ化を行うグループ化部と、
前記稼働状態とあらかじめ設定された閾値とを比較し、該比較の結果に基づいて、該稼働状態を複数のレベルに分けるレベル分別部とを有し、
前記表示情報生成部は、
既定のカテゴリのグループに対応する画像を第2階層表示領域に表示し、前記第2階層表示領域に表示中のグループの画像のうち、1つのグループに対応する画像が選択された場合、そのグループに属するサーバの画像を第1階層表示領域に表示し、
更に、前記第1階層表示領域に表示するサーバの稼働状態を前記レベル分別部が分けたレベルに応じた色または画像を用いて表示し、前記第2階層表示領域に表示するグループの画像を、同じグループに属するサーバの中で、前記稼働状態が最も悪い前記稼働状態に応じた画像を用いて表示するための表示情報を生成することを特徴とする監視装置。
【請求項2】
通信ネットワークと接続可能な無線通信端末と、サービスを提供する複数のサーバと、監視装置とを有する監視システムであって、
前記監視装置は、
サービスを提供する複数のサーバの稼働状態を監視する監視部と、
通信ネットワークと接続可能な無線通信端末から、該通信ネットワークを介して前記稼働状態を示す情報を要求された場合、前記稼働状態と前記サーバへの操作を行う処理コマンドとを前記無線通信端末にてグラフィック表示するための表示情報を生成する表示情報生成部と、
前記表示情報生成部が生成した表示情報を、前記稼働状態を示す情報を要求してきた無線通信端末へ送信する送信部と、
前記無線通信端末から前記処理コマンドが送信されてきた場合、前記処理コマンドに基づいた処理を前記サーバへ指示する指示部と、
前記複数のサーバを階層毎のカテゴリにグループ化を行うグループ化部と、
前記稼働状態とあらかじめ設定された閾値とを比較し、該比較の結果に基づいて、該稼働状態を複数のレベルに分けるレベル分別部とを有し、
前記表示情報生成部は、
既定のカテゴリのグループに対応する画像を第2階層表示領域に表示し、前記第2階層表示領域に表示中のグループの画像のうち、1つのグループに対応する画像が選択された場合、そのグループに属するサーバの画像を第1階層表示領域に表示し、
更に、前記第1階層表示領域に表示するサーバの稼働状態を前記レベル分別部が分けたレベルに応じた色または画像を用いて表示し、前記第2階層表示領域に表示するグループの画像を、同じグループに属するサーバの中で、前記稼働状態が最も悪い前記稼働状態に応じた画像を用いて表示するための表示情報を生成し、
前記無線通信端末は、
前記監視装置へ前記稼働状態を示す情報を要求する表示要求部と、
前記監視装置から送信されてきた前記表示情報に基づいて、グラフィック表示を行う表示部と、
前記表示部が行ったグラフィック表示に対して行われた操作に基づいて、前記処理コマンドを前記監視装置へ送信する処理要求部とを有することを特徴とする監視システム。
【請求項3】
サービスを提供する複数のサーバの稼働状態を監視する監視処理と、
前記複数のサーバを階層毎のカテゴリにグループ化を行うグループ化処理と、
前記稼働状態とあらかじめ設定された閾値とを比較し、該比較の結果に基づいて、該稼働状態を複数のレベルに分けるレベル分別処理と、
既定のカテゴリのグループに対応する画像を第2階層表示領域に表示し、前記第2階層表示領域に表示中のグループの画像のうち、1つのグループに対応する画像が選択された場合、そのグループに属するサーバの画像を第1階層表示領域に表示し、更に、前記第1階層表示領域に表示するサーバの稼働状態を前記レベル分別処理で分けたレベルに応じた色または画像を用いて表示し、前記第2階層表示領域に表示するグループの画像を、同じグループに属するサーバの中で、前記稼働状態が最も悪い前記稼働状態に応じた画像を用いて表示するための表示情報を生成し、通信ネットワークと接続可能な無線通信端末から、該通信ネットワークを介して前記稼働状態を示す情報を要求された場合、前記稼働状態と前記サーバへの操作を行う処理コマンドとを前記無線通信端末にてグラフィック表示するための表示情報を生成する表示情報生成処理と、
生成した表示情報を、前記稼働状態を示す情報を要求してきた無線通信端末へ送信する送信処理と、
前記無線通信端末から前記処理コマンドが送信されてきた場合、前記処理コマンドに基づいた処理を前記サーバへ指示する指示処理と、
を含むことを特徴とする監視方法。
【請求項4】
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
サービスを提供する複数のサーバの稼働状態を監視する監視処理と、
前記複数のサーバを階層毎のカテゴリにグループ化を行うグループ化処理と、
前記稼働状態とあらかじめ設定された閾値とを比較し、該比較の結果に基づいて、該稼働状態を複数のレベルに分けるレベル分別処理と、
既定のカテゴリのグループに対応する画像を第2階層表示領域に表示し、前記第2階層表示領域に表示中のグループの画像のうち、1つのグループに対応する画像が選択された場合、そのグループに属するサーバの画像を第1階層表示領域に表示し、更に、前記第1階層表示領域に表示するサーバの稼働状態を前記レベル分別処理で分けたレベルに応じた色または画像を用いて表示し、前記第2階層表示領域に表示するグループの画像を、同じグループに属するサーバの中で、前記稼働状態が最も悪い前記稼働状態に応じた画像を用いて表示するための表示情報を生成し、通信ネットワークと接続可能な無線通信端末から、該通信ネットワークを介して前記稼働状態を示す情報を要求された場合、前記稼働状態と前記サーバへの操作を行う処理コマンドとを前記無線通信端末にてグラフィック表示するための表示情報を生成する表示情報生成処理と、
生成した表示情報を、前記稼働状態を示す情報を要求してきた無線通信端末へ送信する送信処理と、
前記無線通信端末から前記処理コマンドが送信されてきた場合、前記処理コマンドに基づいた処理を前記サーバへ指示する指示処理と、
を含むことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバを監視する監視装置、監視システム、監視方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、システムの運用状況や稼働状況を監視するために、当該システムを構成するサーバや、サーバを監視するために設けられた監視装置と接続された専用の通信回線に、PC(Personal Computer)等の通信装置を接続し、専用の通信回線に接続した通信装置に所定のコマンドを入力するという方法が用いられている。
【0003】
また、サービスを提供するサーバのサービス提供状態を、当該サービスを受けるクライアント端末へ定期的に通知する技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−194627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような方法においては、システムの監視を行うために、通信装置を専用の通信回線に接続しなければならない。また、専用の通信回線に接続した通信装置を操作している者しか、システムの運用状況や稼働状況を知ることができない。また、監視するためのコマンドや監視結果の表示等が、専門知識が必要であるものであるため、監視を専門とする者以外の者がその通信装置で取得した監視結果を理解することが容易ではない。また、特許文献1に記載された技術においては、システムを監視する保守側の者は、サービス提供状態を知ることができない。
【0006】
そのため、システムの状況に応じた迅速な対応を行うことができないという問題点がある。
【0007】
本発明の目的は、上記問題点を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の監視装置は、
サービスを提供する複数のサーバの稼働状態を監視する監視部と、
通信ネットワークと接続可能な無線通信端末から、該通信ネットワークを介して前記稼働状態を示す情報を要求された場合、前記稼働状態と前記サーバへの操作を行う処理コマンドとを前記無線通信端末にてグラフィック表示するための表示情報を生成する表示情報生成部と、
前記表示情報生成部が生成した表示情報を、前記稼働状態を示す情報を要求してきた無線通信端末へ送信する送信部と、
前記無線通信端末から前記処理コマンドが送信されてきた場合、前記処理コマンドに基づいた処理を前記サーバへ指示する指示部と、
前記複数のサーバを階層毎のカテゴリにグループ化を行うグループ化部と、
前記稼働状態とあらかじめ設定された閾値とを比較し、該比較の結果に基づいて、該稼働状態を複数のレベルに分けるレベル分別部とを有し、
前記表示情報生成部は、
既定のカテゴリのグループに対応する画像を第2階層表示領域に表示し、前記第2階層表示領域に表示中のグループの画像のうち、1つのグループに対応する画像が選択された場合、そのグループに属するサーバの画像を第1階層表示領域に表示し、
更に、前記第1階層表示領域に表示するサーバの稼働状態を前記レベル分別部が分けたレベルに応じた色または画像を用いて表示し、前記第2階層表示領域に表示するグループの画像を、同じグループに属するサーバの中で、前記稼働状態が最も悪い前記稼働状態に応じた画像を用いて表示するための表示情報を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、システムの状況に応じた迅速な対応を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の監視システムの実施の一形態を示す図である。
図2図1に示した監視装置の内部構成の一例を示す図である。
図3図2に示した記憶部に記憶された閾値の一例を示す図である。
図4図2に示した記憶部に記憶された分別結果の一例を示す図である。
図5図2に示した記憶部に記憶された履歴の一例を示す図である。
図6図2に示した記憶部に記憶されたグループ情報の一例を示す図である。
図7図2に示した記憶部に記憶された対象利用者情報の一例を示す図である。
図8図1に示した管理者端末の内部構成の一例を示す図である。
図9図1に示した監視システムにおける監視方法を説明するためのシーケンス図である。
図10】グラフィック表示が行われた、図8に示した表示部における表示画面の一例を示す図である。
図11図8に示した表示部に表示されたサーバの稼働状態の画面の一例を示す図である。
図12図8に示した表示部にグラフィック表示された検出結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の監視システムの実施の一形態を示す図である。
【0013】
本形態は図1に示すように、監視装置100と、管理者端末200と、サーバ300−1〜300−3と、利用者端末400−1〜400−3とから構成されている。また、監視装置100と、サーバ300−1〜300−3とが専用の通信回線である専用回線600を介して接続されている。また、監視装置100と管理者端末200とが通信ネットワーク500を介して接続されている。また、サーバ300−1〜300−3と利用者端末400−1〜400−3とが通信ネットワーク500を介して接続されている。なお、監視装置100と管理者端末200とを接続する通信ネットワークと、サーバ300−1〜300−3と利用者端末400−1〜400−3とを接続する通信ネットワークとは、同じものであっても良いし、異なるものであっても良い。また、図1に示した形態においては、サーバが3台、また、利用者端末が3台である場合を例に挙げて示しているが、その数は規定しない。また、図1に示した形態においては、管理者端末200が1台である場合を例に挙げて示しているが、管理者の数に応じた台数であっても良い。
【0014】
利用者端末400−1〜400−3は、サービスの提供を受ける利用者が操作する通信装置である。
【0015】
サーバ300−1〜300−3は、利用者端末400−1〜400−3へ所定のサービスを提供する。この所定のサービスは、例えば、電子メールの送受信やSNS(Social Networking Service)、ブログ、ホームページ等の通信ネットワーク上で提供されるサービスである。また、サーバ300−1〜300−3は、物理的に分かれている3つのサーバであっても良いし、1つの物理的なサーバや3つ以上の物理的サーバにおいて仮想的に構築された3つの仮想サーバであっても良い。なお、サーバ300−1〜300−3は、通信ネットワーク500や他のサーバを制御する機能を具備していても良い。また、サーバ300−1〜300−3は、どのサーバがどの利用者へのサービスの提供に対応するかが、あらかじめ設定されている。また、サーバ300−1〜300−3には、利用者端末400−1〜400−3へサービスを提供した際に発生したデータ(例えば、提供するサービスが電子メールサービスである場合、利用者端末400−1〜400−3の電子メールアドレス宛に受信された電子メールや、利用者端末400−1〜400−3から送信された電子メールを記憶するメールボックス等)が記憶されている。例えば、20人の利用者に、2台のサーバで、サービスを提供している場合、1〜10番目の利用者に対しては、1番目のサーバがその利用者端末へサービスを提供し、その提供の際に発生したデータを記憶し、11〜20番目の利用者に対しては、2番目のサーバがその利用者端末へサービスを提供し、その提供の際に発生したデータを記憶する。
【0016】
監視装置100は、サーバ300−1〜300−3の稼働状態を監視する。
【0017】
図2は、図1に示した監視装置100の内部構成の一例を示す図である。
【0018】
図1に示した監視装置100には図1に示すように、専用回線インタフェース部101と、監視部102と、レベル分別部103と、グループ化部104と、表示情報生成部105と、送信部106と、指示部107と、記憶部108とが設けられている。
【0019】
専用回線インタフェース部101は、サーバ300−1〜300−3との間で情報を送受信するために監視装置100と専用回線600とを接続するためのインタフェース機能を持つ。
【0020】
監視部102は、専用回線インタフェース部101を介して、サーバ300−1〜300−3の稼働状態を監視する。ここでの稼働状態とは、サーバ300−1〜300−3それぞれにおけるCPU使用率や、メモリの使用率、応答時間、エラー発生率、リトライ回数等である。
【0021】
例えば、監視部102は、サーバ300−1〜300−3それぞれに対して、CPUの使用率やメモリの使用率の報告を要求し、その要求に応じてサーバ300−1〜300−3から報告されたCPUの使用率やメモリの使用率を保存することでサーバ300−1〜300−3の稼働状態を監視する。また、監視部102は、所定の信号をサーバ300−1〜300−3へ送信し、送信してからその信号に対する応答信号が送信されてくるまでの応答時間を測定することでサーバ300−1〜300−3の稼働状態を監視する。また、監視部102は、サーバ300−1〜300−3から送信されてくるデータについて、あらかじめ指定したエラーパターンの検出、CRC(Cyclic Redundancy Check)やパリティチェック等を用いてエラー検出を行い、そのエラー発生率を測定することでサーバ300−1〜300−3の稼働状態を監視する。また、監視部102は、サーバ300−1〜300−3へのデータの再送処理等のリトライ処理を行う場合のリトライ回数をカウントすることでサーバ300−1〜300−3の稼働状態を監視する。
【0022】
監視部102は、監視した結果をレベル分別部103へ出力する。
【0023】
レベル分別部103は、監視部102から出力されてきた監視の結果(稼働状態)と記憶部108にあらかじめ設定された閾値とを比較する。また、レベル分別部103は、この比較の結果に基づいて、稼働状態を複数のレベルに分ける。具体的な分別方法については、後述する。また、レベル分別部103は、分別した結果を記憶部108に記憶させる。また、レベル分別部103は、監視部102から出力されてきた監視の結果(数値)を、そのまま記憶部108に記憶させるものであっても良い。
【0024】
グループ化部104は、サーバ300−1〜300−3を所定の規則に従いグループ化(グループ分け)を行う。また、グループ化部104は、グループ化した結果を記憶部108に記憶させる。この所定の規則とは、サービスを提供している対象の利用者数や、提供するサービスの種類、システム構成、サーバの作成月日、使用している共有設備(ストレージ装置やネットワーク装置等)、管理対象とする管理者等に基づくものである。また、所定の規則でグループ化するために用いるサーバ300−1〜300−3の情報は、監視部102から出力されてきた監視の結果、または、別途、サーバ300−1〜300−3から取得した情報、あらかじめ記憶部108に記憶されたサーバ300−1〜300−3の情報などを用いる。また、複数のカテゴリに階層化されている場合は、それぞれの階層のカテゴリを、どの規則でグループ化するか割り当てられている。グループ化部104によるサーバ300−1〜300−3のグループ化を行うタイミングとしては、監視部102から監視の結果が出力されたことに連動して、または、管理者端末200からの要求などに基づいて行うものでも良い。また、グループ化部104が、グループ化する規則を何れにするかを、管理者端末200からの選択により、変更(例えば、下位カテゴリを作成日時別から担当管理者別にグループ化するように変更)するようにしても良い。
【0025】
表示情報生成部105は、管理者端末200から、通信ネットワーク500を介して稼働状態を示す情報を要求された場合、稼働状態とサーバ300−1〜300−3への処理コマンドとを管理者端末200にてグラフィック表示するための表示情報を生成する。このとき、表示情報生成部105は、稼働状態をレベル分別部103が分けたレベルに応じた色や画像を用いてグラフィック表示するための表示情報を生成する。また、この処理コマンドは、サーバ300−1〜300−3を再起動させる命令や、サーバ300−1〜300−3の稼働を一時的に停止させる命令、また、停止させているサーバ300−1〜300−3を再稼働させる命令、サーバ300−1〜300−3に搭載されているプログラム等の実行や変更する命令、監視の結果等との比較に用いる閾値を変更する命令、サーバ300−1〜300−3に属する利用者の移動の命令等、遠隔でサーバ300−1〜300−3を操作することができる命令であれば良い。
【0026】
また、表示情報生成部105は、記憶部108に記憶されているグループごとの稼働状態を管理者端末200にてグラフィック表示するための情報を表示情報に含めて生成する。
【0027】
送信部106は、表示情報生成部105が生成した表示情報を、通信ネットワーク500を介して、稼働状態を示す情報を要求してきた管理者端末200へ送信する。また、送信部106は、管理者端末200から履歴を要求された場合、記憶部108に記憶されている履歴を読み出し、読み出した履歴を管理者端末200へ送信する。この履歴については、後述する。
【0028】
指示部107は、管理者端末200から処理コマンドが送信されてきた場合、専用回線インタフェース部101を介して、処理コマンドに基づいた処理をサーバ300−1〜300−3へ指示する。
【0029】
記憶部108は、レベル分別部103が、監視部102から出力された監視の結果を複数のレベルに分別するために用いる閾値を記憶する。
【0030】
図3は、図2に示した記憶部108に記憶された閾値の一例を示す図である。
【0031】
図2に示した記憶部108には図3に示すように、複数の判定項目についてそれぞれ2つの閾値が記憶されている。例えば、図3に示すように、「CPU使用率」、「メモリ使用率」、「応答時間」、「エラー発生率」、「リトライ回数」等が判定項目として記憶されており、それぞれに第1の閾値および第2の閾値が記憶されている。レベル分別部103は、この2つの閾値を用いて、監視結果を3つのレベルに分別する。具体的には、レベル分別部103は、監視結果が第1の閾値未満である場合、レベルAとし、監視結果が第1の閾値以上であり第2の閾値未満である場合は、レベルBとし、監視結果が第2の閾値以上である場合は、レベルCとする。ここで、レベルAを「平常状態」とし、レベルBを「注意状態」とし、レベルCを「危険状態」としても良い。また、これらの閾値を複数設定しておき、レベル分別部103が監視結果をレベル分別する期間に応じて、使用する閾値を変えるものであっても良い。
【0032】
また、記憶部108は、レベル分別部103が分別した結果を記憶する。
【0033】
図4は、図2に示した記憶部108に記憶された分別結果の一例を示す図である。
【0034】
図2に示した記憶部108には図4に示すように、サーバ300−1〜300−3にあらかじめ付与されたサーバ識別情報とレベル分別部103が行った結果とが対応付けられて記憶されている。例えば、図4に示すように、サーバ識別情報「300−1」と状態レベル「平常状態」とが対応付けられて記憶されている。これは、サーバ識別情報が「300−1」であるサーバの稼働状態のレベルは「平常状態」(上述した「レベルA」)であることを示している。また、サーバ識別情報「300−2」と状態レベル「危険状態」とが対応付けられて記憶されている。これは、サーバ識別情報が「300−2」であるサーバの稼働状態のレベルは「危険状態」(上述した「レベルC」)であることを示している。また、サーバ識別情報「300−3」と状態レベル「平常状態」とが対応付けられて記憶されている。これは、サーバ識別情報が「300−3」であるサーバの稼働状態のレベルは「平常状態」(上述した「レベルA」)であることを示している。
【0035】
なお、図4には、サーバごとの状態レベルを記憶している例を示したが、レベル分別部103は、監視部102が行った監視結果を図3に示した判定項目ごとに複数のレベルに分別するものである。したがって、その判定項目ごとに状態レベルを記憶する。図4に示したように、記憶部108がサーバごとの状態レベルを記憶する場合、レベル分別部103は、1つのサーバにおいて判定項目ごとに分別したレベルの平均を、当該サーバの状態レベルとして記憶部108に記憶させるものであっても良いし、1つのサーバにおいて判定項目ごとに分別したレベルのうちの最も悪いレベル(例えば、上述した「レベルC」)を、当該サーバの状態レベルとして記憶部108に記憶させるものであっても良い。また、レベル分別部103は、監視部102から出力された監視の結果の数値と、判定項目ごとの閾値との差の大きさを点数化して、サーバごとのその点数の合計や平均値に基づいて、サーバごとのレベル分別を行うものであっても良い。
【0036】
また、記憶部108は、指示部107が行った指示の履歴を記憶する。
【0037】
図5は、図2に示した記憶部108に記憶された履歴の一例を示す図である。
【0038】
図2に示した記憶部108には図5に示すように、サーバ識別情報と、指示内容と、管理者ID(管理者IDに対応付けられて記憶される管理者名も管理者IDとともに表示しても良いし、管理者IDの代わりに管理者名を表示しても良い)とが、日時とともに対応付けられた履歴が記憶されている。指示内容は、管理者端末200から処理コマンドが送信されてきた場合、その処理コマンドに基づいて指示部107が専用回線インタフェース部101を介してサーバ300−1〜300−3へ指示した内容である。管理者IDは、管理者端末200を操作した管理者を識別するための識別情報であっても良いし、管理者端末200にあらかじめ付与された識別情報であっても良い。例えば、図5に示すように、日時「2013年1月30日12:00:00」と、サーバ識別情報「300−2」と、指示内容「再起動」と、管理者ID「AAA」とが対応付けられて記憶されている。これは、2013年1月30日の12時に、管理者IDが「AAA」である管理者が操作する管理者端末から送信されてきた「再起動」という処理コマンドに基づいて、指示部107がサーバ300−2を再起動したという履歴を示す。
【0039】
また、記憶部108は、グループ化部104がグループ化を行った結果を記憶する。
【0040】
図6は、図2に示した記憶部108に記憶されたグループ情報の一例を示す図である。
【0041】
図2に示した記憶部108は図6に示すように、サーバ300−1〜300−3それぞれが、どのカテゴリでどのグループに属するかというグループ化情報が記憶されている。これは、グループ化部104によって、所定の規則に基づいて、あらかじめ設定されたものである。例えば、図6に示すように、サーバ識別情報「300−1」と、上位カテゴリ(機能)「メール」と、下位カテゴリ(作成年月)「2011年12月」とが対応付けられて記憶されている。これは、上位階層の上位カテゴリでは機能別でグループ化されており、その下位階層の下位カテゴリでは作成月日別でグループ化されており、サーバ300−1は、上位カテゴリでは、メール(メールサーバとして機能するサーバのグループ)のグループに属し、さらにその中で、下位カテゴリでは、2011年12月に作成されたグループに属することを示している。また、サーバ識別情報「300−3」と、上位カテゴリ(機能)「ブログ」と、下位カテゴリ(作成年月)「2012年5月」とが対応付けられて記憶されている。これは、サーバ300−3は、上位カテゴリでは、ブログ(ブログのサービスを提供するサーバのグループ)のグループに属し、さらにその中で、下位カテゴリでは、2012年5月に作成されたグループに属することを示している。
【0042】
なお、グループ化部104がグループ化を行うカテゴリの階層の数は、上位と下位との2階層で無くとも良く、規定しない。また、それぞれのカテゴリに割り当てるグループは、処理サーバ、ストレージサーバ等のサーバの種類グループであっても良いし、管理者別に管理の対象とする対象サーバを分けるグループであっても良く、その他、サービスを提供している対象の利用者数や、提供するサービスの種類、システム構成、使用している共有設備(ストレージ装置やネットワーク装置等)等のグループであっても良い。
【0043】
また、記憶部108は、利用者端末400−1〜400−3が、どのサーバ300−1〜300−3に属するか、つまり、そのサーバ300−1〜300−3からサービスを提供されているかという対象利用者情報を記憶する。
【0044】
図7は、図2に示した記憶部108に記憶された対象利用者情報の一例を示す図である。
【0045】
図2に示した記憶部108には図7に示すように、サーバ識別情報と利用者IDとが対応付けられて記憶されている。つまり、上述したように、どのサーバがどの利用者へのサービスの提供に対応するかが、あらかじめ設定されており、その情報として、記憶部108に、サーバ300−1〜300−3それぞれがサービスを提供している利用者にあらかじめ付与された利用者IDが記憶されている。この対象利用者情報から、サーバ300−1〜300−3を利用している利用者IDを認識できる。
【0046】
管理者端末200は、移動可能であり、通信ネットワーク500と接続可能な無線通信端末である。例えば、管理者端末200は、スマートフォンのように、無線通信圏内であれば、時間や場所を問わず通信ネットワーク500と常時接続可能である。また、管理者端末200は、スマートフォンのように、文字入力を行うための操作キーを具備しておらず、利用者が情報を入力する場合には、タッチパネル機能を用いて情報を入力するものである。また、管理者端末200は、時間や場所を問わずに、後述の処理を行うことから、管理者が普段から携帯している携帯通信端末であることが好ましい。
【0047】
図8は、図1に示した管理者端末200の内部構成の一例を示す図である。
【0048】
図1に示した管理者端末200には図8に示すように、表示要求部201と、表示部202と、処理要求部203とが設けられている。なお、図8には、管理者端末200に設けられた構成要素のうち、本実施の形態に関わる主要な構成要素の一例を示す。
【0049】
表示要求部201は、監視装置100へサーバ300−1〜300−3の稼働状態を示す情報を要求する。この要求のタイミングは、管理者が管理者端末200に所定の入力を行ったときである。
【0050】
表示部202は、監視装置100から送信されてきた表示情報に基づいて、グラフィック表示を行う。この表示情報には、サーバ300−1〜300−3の稼働状態を示す情報とサーバ300−1〜300−3への処理コマンドとが含まれている。また、表示部202は、物体が表示部202に接触または接近したことを検知するタッチパネル機能を具備している。
【0051】
処理要求部203は、表示部202が行ったグラフィック表示に対して行われた操作に基づいて、処理コマンドを監視装置100へ送信する。この操作は、表示部202が検知した接触または接近の操作である。
【0052】
以下に、図1に示した形態における監視方法について説明する。
【0053】
図9は、図1に示した監視システムにおける監視方法を説明するためのシーケンス図である。
【0054】
監視装置100の監視部102が、専用回線インタフェース部101を介して、サーバ300−1〜300−3を監視する(ステップS1)。この監視方法は上述したように、各判定項目について、サーバ300−1〜300−3へ状態要求(例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)を用いた監視・制御等)を行ったり、応答時間を測定したりする方法である。また、サーバ300−1〜300−3は、監視装置100からの状態要求に対して、自身の状態(CPU使用率やメモリ使用率等)を、例えば、MIBと呼ばれる管理情報データベースなどの記憶部から読み出し、状態情報として監視装置100へ送信する。この監視のタイミングは、所定の周期や、所定の時刻、管理者端末200から何らかの要求があったタイミング等である。
【0055】
続いて、レベル分別部103が、監視部102が監視した結果を、記憶部108に記憶されている閾値を用いて、複数のレベルに分別する。そして、レベル分別部103は、その分別結果を記憶部108に記憶させる。
【0056】
このとき、上述した状態レベルが「危険状態」であると判定されたサーバが存在する場合、監視装置100は、その旨を記載した電子メールやSMS(Short Message Service)を使ったメッセージを生成し、管理者端末200(複数の端末でも良い)の電子メールアドレスや電話番号、IP(Internet Protocol)アドレス等を宛先として送信するものであっても良い。
【0057】
一方、管理者が管理者端末200に対して所定の操作を行うことで、管理者端末200がサーバ300−1〜300−3の稼働状態を示す情報の要求を受け付けると(ステップS2)、表示要求部201が監視装置100へサーバ300−1〜300−3の稼働状態を示す情報を要求する(ステップS3)。管理者が管理者端末200に対して行う操作は、例えば、管理者が表示部202に対して所定のパターンの指の接触または接近を行う操作であっても良いし、表示部202に表示されたメニューの中から、管理者が当該情報を要求するためのメニューを選択する操作であっても良い。
【0058】
管理者端末200からサーバ300−1〜300−3の稼働状態を示す情報の要求があると、表示情報生成部105は、記憶部108に記憶されているサーバ300−1〜300−3の稼働状態を読み出す。続いて、表示情報生成部105は、読み出した稼働状態とサーバへの処理コマンドとを管理者端末200にてグラフィック表示するための表示情報を生成する(ステップS4)。記憶部108には、稼働状態は上述したレベルに分別されて記憶されているため、表示情報生成部105は、そのレベルに応じた色や画像を用いて管理者端末200にてグラフィック表示するための表示情報を生成する。なお、表示情報生成部105は、レベル分別部103が分別結果を記憶部108に記憶させた際に、表示情報を生成しておき、生成した表示情報を記憶部108に記憶させておくものであっても良い。
【0059】
例えば、表示情報生成部105は、サーバ300−1の状態レベルが上述した「平常状態」である場合、管理者端末200にてサーバ300−1をアイコン等の画像でグラフィック表示するときの色を青色とするような表示情報を生成する。また、表示情報生成部105は、サーバ300−1の状態レベルが上述した「注意状態」である場合、管理者端末200にてサーバ300−1をアイコン等の画像でグラフィック表示するときの色を黄色とするような表示情報を生成する。また、表示情報生成部105は、サーバ300−1の状態レベルが上述した「危険状態」である場合、管理者端末200にてサーバ300−1をアイコン等の画像でグラフィック表示するときの色を赤色とするような表示情報を生成する。また、表示情報生成部105は、サーバ300−1の状態レベルが上述した「平常状態」である場合、管理者端末200にてサーバ300−1をアイコン等の画像でグラフィック表示するときのその画像を、例えば笑顔や「○」等の平常であることが表現された画像とするような表示情報を生成するものであっても良い。また、表示情報生成部105は、サーバ300−1の状態レベルが上述した「注意状態」である場合、管理者端末200にてサーバ300−1をアイコン等の画像でグラフィック表示するときのその画像を、例えば注意が必要であることが表現された画像(例えば、「△」等)とするような表示情報を生成するものであっても良い。また、表示情報生成部105は、サーバ300−1の状態レベルが上述した「危険状態」である場合、管理者端末200にてサーバ300−1をアイコン等の画像でグラフィック表示するときのその画像を、例えば何らかの対処をしないと危険あることが表現された画像(例えば、「×」等)とするような表示情報を生成するものであっても良い。
【0060】
なお、この表示情報の中には、サーバ300−1〜300−3ごとの稼働状態だけではなく、いずれかのグループが割り当てられたカテゴリの階層を設けてサーバ300−1〜300−3が属するそのカテゴリの階層に割り当てられたグループごとの状態も含まれる。表示情報生成部105は、同じグループに属するサーバの中で、状態レベルが最も悪い状態レベルに応じた画像を当該グループを表示する際の画像とするような表示情報を生成するものであっても良い。グループ化されるカテゴリの階層が複数ある場合は、表示情報生成部105は、さらに上位の階層のカテゴリに割り当てられたグループの各グループについても同様の生成処理を行う。
【0061】
また、サーバへの処理コマンドの管理者端末200におけるグラフィック表示とは、例えば、処理コマンドの内容が記載された選択ボタンの表示や、処理コマンドの内容が一覧となったメニュー表示等である。
【0062】
表示情報生成部105が表示情報を生成すると、送信部106が当該表示情報を管理者端末200へ送信する(ステップS5)。
【0063】
管理者端末200が表示情報を受信すると、表示部202は、その表示情報に基づいて、サーバ300−1〜300−3の稼働状態や処理コマンドについてグラフィック表示を行う(ステップS6)。この表示を行うことで、管理者はサーバ300−1〜300−3のアイコンの色や画像(形状)から、サーバ300−1〜300−3の稼働状態を直感的に把握することができる。
【0064】
図10は、グラフィック表示が行われた、図8に示した表示部202における表示画面の一例を示す図である。ここでは、階層が3つである場合を例に挙げて説明する。
【0065】
図10に示すように、表示部202の第3階層表示領域に表示中の、上位カテゴリ(機能別にグループ化されている)の複数のグループ(LDAP、Proxy、MBS)に対応する画像のうち、1つのグループに対応する画像が、管理者の操作に基づいて選択されると、そのグループに属するサーバが、下位カテゴリのグループごとにグループ化され、第2階層表示領域にそのグループに対応する画像が表示される。さらに、第2階層表示領域に表示中の下位カテゴリ(作成年月別にグループ化されている)の中の複数のグループの画像のうち、1つのグループに対応する画像が、管理者の操作に基づいて選択されると、そのグループに属するサーバが、第1階層表示領域に表示される。また、これらの画像は、稼働状態の状態レベルに応じた色や形状等が施されて表示される(図10に示した例では、状態レベルの悪いものには斜線が施されている)。なお、管理者の操作に基づいてシステム全体の稼働状態を示す情報の要求が行われた際に、第4階層として、当該システム全体の稼働状態を示す画像が、表示部202に表示させる管理者IDとパスワードの組を入力させるログイン画面とともに表示されるものであっても良い。さらに、第1階層表示領域に表示中のサーバの画像のうち、1つのサーバに対応する画像が、管理者の操作に基づいて選択されると、そのサーバの稼働状態が表示部202に表示される。
【0066】
図11は、図8に示した表示部202に表示されたサーバの稼働状態の画面の一例を示す図である。
【0067】
図10に示した第1階層に含まれるサーバのうち1つのサーバが選択されると、図11に示すように、当該サーバの各判定項目についての状態(レベル)が表示部202にグラフィック表示される。この表示は、レベル分別部103が分別したレベルに応じて、管理者が直感的に状態を把握することができるような色や形状を施した画像の表示となっている。また、図11に示すように、遠隔で処理コマンドを指示するためのコマンド発行ボタン204が表示部202に表示される。なお、コマンド発行ボタン204は、サーバの各判定項目についての状態(レベル)の表示画面とは別の画面に表示されるものであっても良い。
【0068】
上述したような表示が行われた後、管理者が管理者端末200に対して所定の操作を行うことで、管理者端末200が処理コマンドを受け付けると(ステップS7)、処理要求部203が監視装置100へ当該処理コマンドを送信する(ステップS8)。管理者が管理者端末200に対して行う操作は、例えば、図11に示したコマンド発行ボタン204のような選択ボタンが表示部202に表示されていた場合、管理者が表示部202上の選択ボタンを選択する操作であっても良いし、表示部202に表示された処理コマンドの一覧がメニュー表示されていた場合は、その一覧の中から、管理者が所望の処理コマンドを選択する操作であっても良い。また、送信される処理コマンドは、当該コマンドを識別可能な操作識別情報として送信される。なお、処理要求部203は処理コマンドとともに、管理者が表示部202上で選択した処理対象のサーバを識別するためのサーバ識別情報も送信する。なお、サーバの選択は、第1階層表示領域以外の表示領域に表示されているカテゴリのグループの画像に対して行うものであっても良い。その場合、管理者端末200が、そのグループに属するサーバのうち、状態レベルが「危険状態」や「注意状態」であるサーバを抽出し、抽出されたサーバ識別情報のサーバに対して処理コマンドを実行するように、処理要求部203が当該処理コマンドおよびサーバ識別情報を監視装置100へ送信するものであっても良い。
【0069】
管理者端末200から処理コマンドが送信されてくると、指示部107は、専用回線インタフェース部101を介して、処理コマンドに基づいた処理を、当該処理コマンドとともに送信されてきたサーバ識別情報が付与されたサーバ300−1〜300−3へ指示する(ステップS9)。そして、サーバ300−1〜300−3は、指示されたコマンドに従って処理を行う。なお、管理者端末200から処理コマンドが送信されてくると、指示部107は、管理者ID、パスワード等を用いて管理者の認証を行って特定した後、処理コマンドに基づいた処理をサーバ300−1〜300−3へ指示するものであっても良い。
【0070】
また、指示部107が行った指示は、図5に示したような履歴として記憶部108に記憶される。この履歴は、管理者端末200から履歴を要求されると、送信部106が記憶部108から読み出して管理者端末200へ送信する。送信された履歴を管理者端末200の表示部202が表示することで、管理者はサーバ300−1〜300−3に対して自身または他の管理者が過去にどのような遠隔操作を行ったかを認識することができる。なお、送信部106は、表示情報を管理者端末200へ送信する際に、履歴を表示情報とともに管理者端末200へ送信するものであっても良い。
【0071】
また、指示部107が指示を行った結果を送信部106が管理者端末200へ通知するものであっても良い。この通知は、管理者(複数であっても良い)のアドレス(電子メールアドレス、電話番号、IPアドレス等)を宛先とする。
【0072】
また、処理コマンドが、そのサーバに対する再起動である場合、指示部107は、記憶部108から、その処理コマンドとともに送信されてきたサーバ識別情報に対応するサーバについての履歴を読み出す。そして、読み出した履歴の中で、既定時間内に当該サーバの再起動の操作があった場合は、送信部106が管理者端末200へその旨を通知するものであっても良い。この通知には、以前に再起動をした旨、および再度再起動を行うかどうかを確認する旨が含まれる。その後、再度、再起動を指示する処理コマンドが送信されてきた場合、指示部107は、当該サーバに対して再起動を指示するものであっても良い。
【0073】
また、既定時間内に再起動を既定回数実行しても状態レベルが「危険状態」であるサーバについては、表示情報生成部105は、そのサーバの配下から一部または全ての対象利用者を移動させる命令である処理コマンドをもグラフィック表示させるための表示情報を生成するものであっても良い。表示部202に表示された、利用者の移動を命令するための選択ボタンが管理者の操作で選択されると、処理要求部203が当該処理コマンドを監視装置100へ送信する。そして、当該処理コマンドを監視装置100が受信すると、指示部107がサーバへ利用者の移動を指示する。このとき、移動させる利用者を、管理者に選択(表示部202上での操作)させても良いし、該当するサーバの処理対象となっている利用者のうち、既定の数や割合の利用者または指定した条件に適合した利用者を自動的に選択するものであっても良い。この指示では、具体的には、指示部107は、当該処理コマンドとともに送信されてきたサーバ識別情報に対応するサーバと同様の仕様の新規の仮想サーバの生成を物理サーバに対して命令する。その命令に対して、新規のサーバが生成された後、移動させる処理対象の利用者についての設定やデータを、その処理コマンドとともに送信されてきたサーバ識別情報が付与されたサーバの所属から、生成した新規のサーバの所属へ変更し、指示部107は、移動する命令をそれぞれのサーバへ送信する。その後、監視装置100が、対象利用者の移動に関する命令の実行結果をこれらのサーバから受信した後、その結果を送信部106が管理者端末200へ通知する。この通知には、その旨を記載した電子メールやSMSを使ったメッセージを生成し、管理者端末200(複数の端末でも良い)の電子メールアドレスや電話番号、IPアドレス等を宛先として送信するものであっても良い。また、新規の仮想サーバを生成せずに、負荷の低い他のサーバへ、一部または全ての利用者の移動を行っても良い。
【0074】
また、上述したサーバ300−1〜300−3の監視タイミングを管理者端末200から設定できるように構成するものであっても良い。例えば、管理者端末200にて、監視(分別)の期間を「1日間」、「直近1週間」、「直近1ヶ月」、「直近3ヶ月」、「直近6ヶ月」、「すべての期間」等の中から選択可能としておき、管理者によって選択された期間での監視(分別)結果に基づいて、表示情報生成部105が表示情報を生成し、生成された表示情報を送信部106が管理者端末200へ送信するものであっても良い。この場合、記憶部108に期間ごとに閾値を記憶しておき、管理者によって選択された期間での監視(分別)結果と選択された期間に対応する閾値とに基づいて、表示情報生成部105が表示情報を生成するものであれば、なおさら良い。このように、中長期的な期間におけるサーバ300−1〜300−3の稼働状態を、視覚的にわかりやすく表示することで、問題のあるサーバを検出しやすくし、事前に対策を打つことを可能とする。
【0075】
また、グループ化部104は、サーバの構成の特性(例えば、同じストレージ装置を使用している、同じネットワーク装置を使用している等、同じ装置を使用しているサーバ別)によって、サーバをグループ化しても良い。記憶部108は、監視結果の数値のそのグループ内での平均値を算出し、その平均値と個々のサーバの監視結果の数値との偏差を、指標として持つことができる。この偏差の値に基づいて、平均的なサーバの稼働状態から外れているサーバを検出し、表示情報生成部105がその検出結果を管理者端末200にてグラフィック表示させるための情報を表示情報に含めても良い。
【0076】
図12は、図8に示した表示部202にグラフィック表示された検出結果の一例を示す図である。
【0077】
図12に示すようなグラフィック表示によって、どのサーバの監視結果が標準から大きく外れているのかの情報を表示することができる。この表示により、管理者は、偏差を最小化するように構成変更等の運用を実施する等、サーバの状態を標準化し、システム全体としてのサーバ障害確率を低下させる施策を検討することができる。また、図10に示した表示において、第2階層や第3階層のカテゴリのグループで、グループの画像が管理者の操作に基づいて選択されると、表示部202が、そのグループ内で外れている数値が高いサーバを高い順に表示するものであっても良い。
【0078】
また、表示部202における処理コマンドのグラフィック表示は、管理者端末200を操作している者が上位の管理者であることを認証した後に行うものであっても良い。
【0079】
このように、時間や管理者のいる場所を問わず、現在のサーバの稼働状態をその管理者が視覚的に把握することができ、その結果に対する管理者の判断でサーバを遠隔で操作を行うことができる。また、履歴を管理者端末へ送信することで、運用者や他の管理者の対応状況を、作業者の手を煩わせることなく把握することができる。そのため、複数の管理者で正確な情報を共有することができ、運用者は障害の復旧に集中することができ、復旧の迅速化を行うことができる。また、操作方法もグラフィック表示に従って行うことができるため、コマンド入力等の専門的な知識を必要とせず、作業ミスを軽減させることができる。
【0080】
上述した監視装置100に設けられた各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を監視装置100にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを監視装置100に読み込ませ、実行するものであっても良い。監視装置100にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、監視装置100に内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、監視装置100に設けられたCPU(不図示)にて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【0081】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)サービスを提供する複数のサーバの稼働状態を監視する監視部と、
通信ネットワークと接続可能な無線通信端末から、該通信ネットワークを介して前記稼働状態を示す情報を要求された場合、前記稼働状態と前記サーバへの処理コマンドとを前記無線通信端末にてグラフィック表示するための表示情報を生成する表示情報生成部と、
前記表示情報生成部が生成した表示情報を、前記稼働状態を示す情報を要求してきた無線通信端末へ送信する送信部と、
前記無線通信端末から前記処理コマンドが送信されてきた場合、前記処理コマンドに基づいた処理を前記サーバへ指示する指示部とを有する監視装置。
(付記2)前記稼働状態とあらかじめ設定された閾値とを比較し、該比較の結果に基づいて、該稼働状態を複数のレベルに分けるレベル分別部を有し、
前記表示情報生成部は、該稼働状態を前記レベル分別部が分けたレベルに応じた色または画像を用いてグラフィック表示するための表示情報を生成することを特徴とする、付記1に記載の監視装置。
(付記3)前記指示部が行った指示の履歴を記憶する記憶部を有し、
前記送信部は、前記無線通信端末から前記履歴を要求された場合、該履歴を記憶部から読み出し、該読み出した履歴を該無線通信端末へ送信することを特徴とする、付記1または付記2に記載の監視装置。
(付記4)前記複数のサーバを所定の規則に従いグループ化を行うグループ化部を有し、
前記表示情報生成部は、前記グループごとの前記稼働状態を前記無線通信端末にてグラフィック表示するための情報を前記表示情報に含めて生成することを特徴とする、付記1から3のいずれか1項に記載の監視装置。
(付記5)通信ネットワークと接続可能な無線通信端末と、サービスを提供する複数のサーバと、監視装置とを有する監視システムにおいて、
前記監視装置は、
前記複数のサーバの稼働状態を監視する監視部と、
前記無線通信端末から、該通信ネットワークを介して前記稼働状態を示す情報を要求された場合、前記稼働状態と前記サーバへの処理コマンドとを前記無線通信端末にてグラフィック表示するための表示情報を生成する表示情報生成部と、
前記表示情報生成部が生成した表示情報を、前記稼働状態を示す情報を要求してきた無線通信端末へ送信する送信部と、
前記無線通信端末から前記処理コマンドが送信されてきた場合、前記処理コマンドに基づいた処理を前記サーバへ指示する指示部とを有し、
前記無線通信端末は、
前記監視装置へ前記稼働状態を示す情報を要求する表示要求部と、
前記監視装置から送信されてきた前記表示情報に基づいて、グラフィック表示を行う表示部と、
前記表示部が行ったグラフィック表示に対して行われた操作に基づいて、前記処理コマンドを前記監視装置へ送信する処理要求部とを有することを特徴とする監視システム。
(付記6)前記無線通信端末は、前記通信ネットワークと常時接続可能であり、文字入力を行うための操作キーを具備していないことを特徴とする、付記5に記載の監視システム。
(付記7)前記表示部は、物体が当該表示部に接触または接近したことを検知するタッチパネル機能を具備しており、
前記処理要求部は、前記表示部が検知した接触または接近に基づいて、前記処理コマンドを送信することを特徴とする、付記5または付記6に記載の監視システム。
(付記8)前記無線通信端末は、スマートフォンであることを特徴とする、付記5から7のいずれか1項に記載の監視システム。
(付記9)サービスを提供する複数のサーバの稼働状態を監視する処理と、
通信ネットワークと接続可能な無線通信端末から、該通信ネットワークを介して前記稼働状態を示す情報を要求された場合、前記稼働状態と前記サーバへの処理コマンドとを前記無線通信端末にてグラフィック表示するための表示情報を生成する処理と、
前記生成した表示情報を、前記稼働状態を示す情報を要求してきた無線通信端末へ送信する処理と、
前記無線通信端末から前記処理コマンドが送信されてきた場合、前記処理コマンドに基づいた処理を前記サーバへ指示する処理とを行う監視方法。
(付記10)コンピュータに、
サービスを提供する複数のサーバの稼働状態を監視する手順と、
通信ネットワークと接続可能な無線通信端末から、該通信ネットワークを介して前記稼働状態を示す情報を要求された場合、前記稼働状態と前記サーバへの処理コマンドとを前記無線通信端末にてグラフィック表示するための表示情報を生成する手順と、
前記生成した表示情報を、前記稼働状態を示す情報を要求してきた無線通信端末へ送信する手順と、
前記無線通信端末から前記処理コマンドが送信されてきた場合、前記処理コマンドに基づいた処理を前記サーバへ指示する手順とを実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0082】
100 監視装置
101 専用回線インタフェース部
102 監視部
103 レベル分別部
104 グループ化部
105 表示情報生成部
106 送信部
107 指示部
108 記憶部
200 管理者端末
201 表示要求部
202 表示部
203 処理要求部
204 コマンド発行ボタン
300−1〜300−3 サーバ
400−1〜400−3 利用者端末
500 通信ネットワーク
600 専用回線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12